患者さんにやさしい“磁遊空間”を創造する 日立メディコmri …...mri history...

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2 INNERVISION ( 24・4 ) 2009 別冊付録 累計出荷台数 5000 台 を突破 日立メディコMRIが2008年9月,累計出荷台 数 5000 台を突破した。国内はもとより,欧米や アジアを中心にグローバルな展開を図り,“オープ ン MRI の日立”として不動の地位を築き上げた同 社は,さらなる飛躍を図るべく,確かな技術力を 背景とした新製品を次々と打ち出し,着実にシェ アを伸ばしている。このシェア拡大の歴史は,ま さに,より優れた MRI 開発への挑戦の歴史そのも のと言っても過言ではない。 日立 MRI が歴史に初めてその名を刻んだのは,い まから約 25 年前の 1984 年のことである。この年, 東京女子医科大学に日立製作所製の常電導型 0.15T MRI「G-10」が納入され,MRI市場に第 一歩を踏み出した。日立製作所が超電導型MRI の開発を進めるなか,同社は85年,永久磁石型 MRI の開発に着手し,現在へと続くオープン MRI の礎となった。「MRP-20」(0.2T)を皮切りに MRPシリーズの開発は順調に進み,95年には, 初のオープン MRI として「AIRIS」(0.3T)を発売。 広い開口径によって,患者さんにやさしい“磁遊 空間”をもたらすオープン MRI の登場によってシェ アは飛躍的に拡大し,93 年までの約 9 年間の出 荷台数が 800 台だったのに対して,その後 6 年間 で 2200 台へと大幅に伸びている。そして,「AIRIS mate」(0.2T),「AIRIS- Ⅱ comfort」(0.3T), さらには,初のシングルピラーを実現した「APER- T O」(0.4T),「A P E R T O I n s p i r e」(0.4T), より進化した0.3T MRIの「AIRIS Elite」へと開 発が進むにつれ,市場は世界へと大きく広がって いった。 一方,近年ではMRIのニーズは高磁場へと移行 しており,1.5T装置が市場の中心を占めるよう になった。そこで,こうしたユーザーのニーズに対 応するべく,同社も超電導型1.5T MRIの開発 に着手。2006 年には,充実したアプリケーション と高い操作性を兼ね備えた「ECHELON Vega」 を発売した。また同時に,オープン MRI の分野で も革新的な開発が進められ,2008 年 7 月には, まさに“オープン MRI の頂点”とも言うべき装置 として,世界初の高磁場超電導型オープンMRI 「OASIS」(1.2T)が 米 国 市 場 に 投 入 さ れ た (12 ~ 15 ページ参照)。発売から約 8 か月ですで に約 40 台を出荷しており,日本国内においても 薬事承認を取得。今年(2009年)4月には国内 市場に投入される予定である。 オープン MRI で一時代を築き上げた日立メディコ MRIは,これからも,独自の製品展開でMRI 市場に大きな存在感を示し続けるに違いない。 患者さんにやさしい“磁遊空間”を創造する 日立メディコ MRI MRI History and Future 1999 2005 2000

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  • 2  INNERVISION (24・4) 2009 別冊付録

    累計出荷台数5000台を突破日立メディコMRIが2008年9月,累計出荷台数5000台を突破した。国内はもとより,欧米やアジアを中心にグローバルな展開を図り,“オープンMRIの日立”として不動の地位を築き上げた同社は,さらなる飛躍を図るべく,確かな技術力を背景とした新製品を次々と打ち出し,着実にシェアを伸ばしている。このシェア拡大の歴史は,まさに,より優れたMRI開発への挑戦の歴史そのものと言っても過言ではない。日立MRIが歴史に初めてその名を刻んだのは,いまから約25年前の1984年のことである。この年,東京女子医科大学に日立製作所製の常電導型0.15T MRI「G-10」が納入され,MRI市場に第一歩を踏み出した。日立製作所が超電導型MRIの開発を進めるなか,同社は85年,永久磁石型MRIの開発に着手し,現在へと続くオープンMRIの礎となった。「MRP-20」(0.2T)を皮切りにMRPシリーズの開発は順調に進み,95年には,初のオープンMRIとして「AIRIS」(0.3T)を発売。広い開口径によって,患者さんにやさしい“磁遊空間”をもたらすオープンMRIの登場によってシェアは飛躍的に拡大し,93年までの約9年間の出荷台数が800台だったのに対して,その後6年間で2200台へと大幅に伸びている。そして,「AIRIS

    mate」(0.2T),「AIRIS-Ⅱ comfort」(0.3T),さらには,初のシングルピラーを実現した「APER-TO」(0.4T),「APERTO Inspire」(0.4T),より進化した0.3T MRIの「AIRIS Elite」へと開発が進むにつれ,市場は世界へと大きく広がっていった。一方,近年ではMRIのニーズは高磁場へと移行しており,1.5T装置が市場の中心を占めるようになった。そこで,こうしたユーザーのニーズに対応するべく,同社も超電導型1.5T MRIの開発に着手。2006年には,充実したアプリケーションと高い操作性を兼ね備えた「ECHELON Vega」を発売した。また同時に,オープンMRIの分野でも革新的な開発が進められ,2008年7月には,まさに“オープンMRIの頂点”とも言うべき装置として,世界初の高磁場超電導型オープンMRI「OASIS」(1.2T)が米国市場に投入された(12~15ページ参照)。発売から約8か月ですでに約40台を出荷しており,日本国内においても薬事承認を取得。今年(2009年)4月には国内市場に投入される予定である。オープンMRIで一時代を築き上げた日立メディコMRIは,これからも,独自の製品展開でMRI市場に大きな存在感を示し続けるに違いない。

    患者さんにやさしい“磁遊空間”を創造する日立メディコMRIMRI History

    and Future

    1999年 2005年2000年

  • INNERVISION (24・4) 2009 別冊付録  3

    ・ MRP-20「R&D誌世界100大新製品賞」受賞

    1988

    ・ 永久磁石型方式MRIの開発をスタート

    1986

    ・ 永久磁石型0.12T MRI装置「MRP-12」発売・初のモバイルMRI開発(MRP-20)

    1989

    ・ 永久磁石型0.2T MRI装置「MRP-5000」発売

    1990

    ・ 永久磁石型0.2T MRI装置「MRP-20」発売

    1987

    ・ 永久磁石型0.3T MRI装置「MRP-7000」発売

    1991

    ・ 0.3TオープンMRI装置「AIRIS-Ⅱ」発売

    1998

    ・ オープンMRI装置「AIRIS」発売非対称磁石デザイン採用の0.3Tシステム

    1995

    ・ 0.3TオープンMRI装置「AIRIS-Ⅱ comfort」発売・ 超電導型0.7TオープンMRI装置「Altaire」米国発売

    2000

    ・ 0.4TオープンMRI装置「APERTO Inspire」発売  アクティブシミング搭載高機能オープンMRI

    2005

    ・ 超電導型1.5T MRI装置「STRATIS-Ⅱ」発売

    1996

    ・ コンパクト設計0.2TオープンMRI装置「AIRIS mate」発売(A)・ 治療対応オープンMRI「AIRIS-Ⅱ I-MRmodel」発売(B)

    1999

    A B

    ・ 超電導型1.2TオープンMRI装置「OASIS」米国発売

    2008年7月

    ・ 日本国内発売開始予定2009年4月

    A

    ・ 超電導型1.5T MRI装置「ECHELON Vega」発売(A)

    ・0.3TオープンMRI装置「AIRIS Elite」発売(B)

    2006B

    出荷開始

    1984年

    2002・ 0.4TオープンMRI装置「APERTO」発売シングルピラーを実現

    1989年470台

    1993年800台

    1999年

    2200台

    MRI装置

    5000台突 破

    累計出荷台数2008年9月

    2003年2500台

    2006年 2008年