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電流と磁場
情報物理学A
No.4
工学院大学の学生のみ利用可:印刷不可:再配布不可 加藤潔(C) 2016
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電流と磁場
磁石
電流
磁場
今回アンペールの法則ビオサバールの法則
ミクロに見れば磁石の磁場は原子レベルの「電流」
工学院大学の学生のみ利用可:印刷不可:再配布不可 加藤潔(C) 2016
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磁場関係の記号
H
B
) ( BS=Φ
70 104 −×= πµ
HB
0µ=
磁場 単位 A/m
磁場 単位 T(テスラ)
真空の透磁率 単位 H/m
真空中(空気中も)
磁束 単位 Wb(ウェーバ)
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電流が作る磁場(電磁石)
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• 電磁石の写真
電流と磁場のイメージ
磁場=電流のまわりの渦(向きは右ネジルール)
電流
H
磁力線は輪になっている
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直線電流のまわりの磁場
H
IR=
大きさ
向き 右ネジ渦状2π
Rは電流から磁場の観測点までの距離
Hの単位A/m
I HR
RIHπ2
=上から見た図工学院大学の学生のみ利用可:印刷不可:再配布不可 加藤潔(C) 2016
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練習-1
強さIa,Ibの2本の電流があり,z軸方向に流れている。Iaは(0,0,0)を,Ibは(d,0,0)を通る。x軸上で磁場の強さが0である位置を答えよ。
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考え方: ベクトルとして重ね合わせる
aI x
yこのあたりで打ち消しあって0になる )( xd
Ix
I ba
−=
ππ 22
bI
)( xdIH b
−=
π2位置x での磁場の強さ
xIH a
π2=
位置x での磁場の強さ
xIxdI ba =− )(
ba
a
IIdIx+
=
xd −x
まず図を描く!
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I
円電流 ソレノイド
H
横から見た断面図
I
横から見た断面図
H
ほぼ一様な磁場
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ソレノイドの磁場
H
十分長いソレノイド→ 一様な磁場ができる
長さ
巻数=n
電流 I が流れている
nIH =工学院大学の学生のみ利用可:印刷不可:再配布不可 加藤潔(C) 2016
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練習-2
長さ50cm,全巻数が1000のソレノイドがある。電流0.2Aを流した時の,コイル内部の磁場を答えよ。
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長さ50cm,全巻数が1000のソレノイドがある。電流0.2Aを流した時の,コイル内部の磁場を答えよ。
nIH =
A/m. 400202000 =×=H
1-m .
200050
1000==n 単位はSI にそろえる
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円形電流の作る磁場
a
322
2
)(2 zaIaH+
=
z
H
I
右ねじの向き
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練習3
図で直線の導線には2mAの電流が流れている。円形導線の中心での磁場を0とするためには,円形導線に,どちら向きにどれだけの電流を流せば良いか。
cm10
mA2
cm4
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cm10
mA2
cm4
磁場の向き
磁場の強さ
直線電流の作る磁場の向き・・・ 右ねじ・・・手前から奥向き
⇒円電流の作る磁場はそれと逆(奥から手前向き)⇒右ねじ・・・円電流は反時計回り
102102 3
.R2IH
××
==−
ππ
A .I 310250 −×=
I直線電流の作る磁場
円電流の作る磁場両者が等しい
0402 .I
2rIH
×==
0402102102 3
.I
. ×=
×× −
π
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直線電流→アンペールの法則へ
I H
R
RIHπ2
=
上から見た図
直線電流の周りの磁場
Rπ2長さ
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特別な例を一般化→法則
• 磁場
• 直線電流の作る場
• 円周の長さ
I
RR
I
=
× ππ
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一定の量
R
RIHπ2
=
Rπ2長さ
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アンペールの法則
IsH =⋅磁場 × 閉曲線Cの長さ = 通り抜ける電流
閉曲線: 輪になった端のない曲線 C
電流の向き
Cを回る向き
→ s の向き
Cを回る向きと電流の向きは右ねじルールで決める
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アンペールの法則
精密化
• 磁場ベクトルの成分 →接線成分
• 磁場が一様でないとき→分割して加える
∑ ∑=∆ IsHt
任意の閉曲線Cに沿ってのH×sの和 閉曲線Cを通り抜ける電流の和
閉曲線Cを回る方向が正の接線方向
Maxwellの方程式の1つ
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応用(ソレノイド)
H
s十分長いソレノイド→ 一様な磁場ができる
長さ
巻数=n
∑ ∑=∆ IsHt
アンペールの法則
閉曲線Cとして一辺がsの長方形をとる
電流 I が流れている
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H
s
∑ ∑=∆ IsHt InssH )(000 =+++⋅
nIH =
0=Hコイル外で磁場なし
nsN =長方形Cを通る電流の数
)//( sHHHt =
)( 0 sHHH t ⊥= あり
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ビオサバールの法則
方針
• 電流を多数の微小部分(電流素片)に分割
• 各電流素片の作る磁場を求める
• それを電流全体について加える
34 rrIH
π
×∆=∆
ベクトルの向き外積に注意
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I
H∆
sr
IH ∆=∆ 24πθsin
P
点Pでの磁場を求める
電流を分割
電流素片の作る磁場
s∆rθ
このΔHを電流全体で合計する(一般には積分計算)
磁場の向きは画面に垂直(手前から奥方向)
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応用ー1(円形電流)
a
H
∆
r
I
∆ 322
2
)(2 zaIaH+
=
z
H
長さΔs
P srIH ∆=∆ 24π
長さΔsの電流素片の作る磁場
aπ2ra
×鉛直成分
鉛直成分
水平成分
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応用ー2(直線電流)
R
zr
IH ∆=∆ 24sinπθ
I
∆r
H
∆Hの向きは画面に垂直
( )∫
∑∞+
∞− +=
∆=
dzRz
IHH
224sin
πθ
θ
RIHπ2
=
z
電流からRの距離での磁場
既知の結果の確認
P
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