保育所を活用した 養育支援強化事業 - yokohama · 2018-11-09 ·...
TRANSCRIPT
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保育所を活用した 養育支援強化事業
①平成24年度~ 臨床心理士配置による養育支援事業
②平成28年度~
臨床心理系インターンシップ協働支援事業
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横浜市 旭区こども家庭支援課
平成28年4月22日
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1 背景
(1)困難な状況にある親子
1-1 親子が変わり、保育所も変わった
貧困・経済的不安、DV、心身の不調(うつ病など)、孤立、未熟さ 例)保育所入園児のうち、生活保護、市民税非課税世帯、所得税非課税世帯は15.4%
不安定な養育環境 発達障害 虐待 etc
乳幼児期 不登校 いじめ 非行 etc
児童・少年期 青年期以降
ひきこもり 自立の困難 犯罪 etc
小中学校の強化 カウンセラー(臨床心理士)(全小中学校) 児童支援専任教諭(全小学校) スクールソーシャルワーカー(18人) 統括ソーシャルワーカー(1人)
子ども
乳幼児期に育む、 愛着、信頼感、自己肯定感が、将来の困難を乗り越える基盤となる
親子と密接に関わる 保育所
親
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(2)多様化する保育所の役割
対象 取り組み
・一時保護後の再統合支援 虐待層 ・育ちの回復
【三次予防】 ・子どもの精神安定
・養育者支援 ハイリスク層 ・生活リズム、栄養、清潔の保持
・家族援助連携
・親と子の関わり支援 育児不安層 ・発達療育 【二次予防】 ・個別支援
・統合保育 (障害児保育)・集団保育
健全育成層 ・年齢に応じた育児支援 【一次予防】 ・育児情報の提供
要保護・要支援児童は、 保育所で見守ることが多い
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回復と育ちを支え 虐待を予防する
保育所の強化が必要
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(3)保育所で気になる子どもと保護者の姿
1 すぐに激しく泣いたり怒ったりする 2 自分だけを構ってほしくて暴れたり乱暴したりする 3 目を合わせず話を聞かない 4 自分の親には顔色を窺っている 5 とっさの嘘で、逃れる 6 何回も食事のお代わりをしても満足できない 7 意欲がひどく低く覇気がない 8 保育者との身体的接触を拒否
1 .いつもイライラしていてすぐにかっとなる 2 子どもの泣き声に怒声で応答 3 子の身体的接触を拒否 4 子どもの不安や怒りをうまく受け止められない 5 子どもより自己都合を優先する 6 子育てに自信がなく不安が強い 7 身近な人の支援がなく一人で抱えている 8 自分を強くせめる
昔の子育てとの違いを感じる時 ・自分が1番、子供は2番の関わり方 ・スマホで鬼が来るよと画像を見せてしつける ・園庭で遊ぶより、室内遊びを希望する ・日によって変わる、自分の気分による関わり方 5
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発達課題 、心理的課題、虐待 、精神疾患 etc.
問題の要因は何? こどもへの対応はどのように?
保護者への言葉かけはどのようにしたらいい?
一時保護や、再統合後の対応はどうする?
(4)求められるアセスメントと対応力
♥療育センターの巡回相談は年に一回・・
♥夜間研修等、多くの研修に出て、学んでいるのだけれど・・
♥感情労働・・やりきれない困難さ・・疲弊感・・バーンアウト
保育所の急増 保育所数(公民) H22年 436か所 ⇒ H26年 611か所 保育士数(公民) 5,856人 ⇒ 8,578人 民間保育所 直接雇用職員 平均勤続年数 6年
専門的サポートの必要性 (心理学・精神医学、療育等) 福祉や医療と同様に
多職種の協働の実現
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連携
子育て 支援 関係者
横浜
保育室
家庭保育
福祉員
認可外
保育施設
子育て 支援 拠点等
民生委員
児童委員
連携
市立保育所
【事務局園】
幼稚園
ネットワークの目的 ①保育の質の向上 ②地域の子育て支援推進 ③保育のセーフティネット構築 ④地域の教育・保育施設の連携推進
民間
保育所
区役所
■保育資源10~20か所を、ひとつのエリアとする。(旭区は4エリア) ■エリア内の保育資源が協力し、情報やノウハウを共有、研修、育児講座等を実施
市立保育所の果たすべき役割も同じ4項目
小学校との 連携促進
1-2 横浜市保育資源ネットワーク構築事業
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市立保育所を 養育支援の拠点に位置付け、 地域の養育支援の先導的な役割を担います。
旭区
養育支援
強化事業
目的 「養育支援」 「虐待の恐れの早期発見・早期支援」 =虐待予防
保育資源、地域、行政が一体となって取り組む
2 保育所を活用した養育支援強化事業
24年度~ 臨床心理士配置による養育支援事業 (こども青少年局予算と旭区予算) 28年度~
臨床心理系インターンシップ協働支援事業 (旭区予算)
保育資源ネットワーク構築事業
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2 児童虐待専門家による事業全般へのアドバイス
臨床心理士へのスーパーバイズ
1 市立保育所に臨床心理士を配置(園に週2日)
3 児童虐待専門家等による児童虐待研修、エリア別研修
3-1 事業内容の3本柱 (24年度~)
3 臨床心理士配置による養育支援事業(平成24年度~)
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3-2 旭区の臨床心理士配置園 (市立2園)
平成27年4月~ 週2日配置
平成24年5月~ 週2日配置
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松山 高大 氏
氷室 綾 氏
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3-3 エリアでの事業展開イメージ
協働
★子どもを支援するためには、顔の見える小さな単位(エリア)での多機関連携が大切
区役所 連携
子育て
支援
関係者
横浜
保育室
家庭保育
福祉員
認可外
保育施設
子育て
支援
拠点等
民間
保育所
民生委員
児童委員
連携
協働臨床心理士 保育士
助言助言・指導
エリアでの事業展開イメージ
市立保育所
助言幼稚園
専 門 家
保健師 社会福祉職
学校カウンセラー
教育相談員 等
学校との
連携促進
児 童 虐 待 の
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3-4 臨床心理士の活動と保育士との協働
臨床心理士の活動
臨床心理士と保育士の協働
○保育園(公立/民間園) ・コンサルテーション 異なる専門性をもつ者が、 援助対象の問題状況について検討し、 より良いあり方を話し合うプロセス ・アセスメントと援助方法の模索 ・園内研修(心理プログラム) ○地域の子育て家庭 ・育児講座 ・地域育児支援イベント ○学校・区役所連携連絡等
□アセスメント
保育者と臨床心理士が情報を共有し、心理職が、心
理的な解釈を加え、問題の要因や状況を、ともに見立
てる。
□対応方法の検討
保育者は臨床心理士へこどもや保護者への関わり方
を伝え、心理の視点を加えながら、より良い援助方法を
ともに検討する。
□実践 保育者は、子どもの関係者、他機関等と連携し、タイミ
ングを図り、適切な支援を実践する。
心理職
直接支援
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3-5 臨床心理士の取り組み内容と実績
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左 近 山 保 育 園 内
平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度 ひ か り が 丘 保 育 園 内
平成27年度
保育士への コンサルテーション(随時)
113回
91回 99回 89回 116回
園内研修 12回 6回 1回
そのほかの 取組
保護者面接・カリキュラム会議・ケースカンファレンス 保護者懇談会への出席、園だより執筆等 (H25~)全体コンサル、区職員との連携(新入園児の情報共有 (H26~)学校との連携
職員ヒアリング
他園への コンサルテーション
エ リ ア 内
12回 (6施設16件)
16回 (8施設42件)
18回 (10施設44件)
18回 (10施設41件)
エ リ ア 内
6回 (2施設25件)
研修 3施設5回 6施設11回 2施設6回 1施設5回
他園への コンサルテーション
他 エ リ ア
7回 (5施設24件)
3回 (2施設5件)
6回 (5施設10件)
6回 (3施設15件)
他 エ リ ア
3回 (1施設7件)
研修 1回 3回 7回 3回 1回
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3-6 児童虐待の専門家によるスーパーバイズ
増沢 高 氏
子どもの虹情報研修センター 研修部長 ※子どもの虹情報研修センター(日本虐待・思春期問題情報研修センター)
児童虐待等に関する対応機関の職員研修や虐待の研究を行っている 日本唯一の専門機関
【経歴】
千葉大学大学院教育学研究科教育心理修士課程修了。情緒障害児短期治療施設
「横浜いずみ学園」セラピスト、学園副園長を経て、子どもの虹情報研修センターに勤務。
明治大学・大学院文学部兼任講師。オレンジリボンたすきリレーの発案者として活躍。
【著書】 『虐待を受けた子どもの回復と育ちを支える援助』
『いっしょに考える子ども虐待』『社会的養護児童のアセスメント』等
(1) 内容 ・ 2か月に一度、臨床心理士へ、事例を基にアドバイス
・ 保育所職員や地域の子育て関係者、区職員に向けて研修を実施 (年2回) 14
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(ア)家族の課題 家族構造が複雑、不安定。貧困。家族機能の課題、不適切なモデル、歪んだ家族内価値感
や文化、応答的かかわりの乏しさ等
(イ)子どもの課題 身体的外傷・喪失体験の後遺症、身体的発育、初期の心的発達の阻害,安心感、暴力、嘘等
信頼感の欠如、セルフコントロールの拙さ、過酷な環境を生き 抜く中で学習したもの。
★課題の整理の視点
(ウ)必要な支援
①育ち直し 安心でき、良質な関係性の展開、心的課題の手立て、肯定的な思い出等、 心の育ちに丁寧に
関わる大人が必要
②振り返りの過程を支える
自己否定感⇒自己評価の回復と実存感の獲得。援助者が希望を捨てないこと。 未来に楽しみを抱ける様な活動や関わりの工夫等。
③将来に向け生きる力を強化する 様々な活動に挑戦し、自信を深めること。親になることを見据えた対応、子どもたちの居場所づくり、 地域での居場所やフォローできる体制の構築等
障害や素因 過去の環境的要因
現在の環境的要因
(2)児童虐待研修(増沢先生)より学んだこと
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3-7 事業の効果
(1)園児と保護者 子どもと保護者に寄り添い安定した保育。 関係機関との連携促進 ⇒不適切養育や虐待の発生予防
(3)エリア内保育資源 私立園の相談に応じたコンサルテーション ⇒エリアでの養育力向上
(2)地域での子育て支援 園庭開放、育児講座、地域の子育て支援拠点などで
地域の保護者に向けて啓発 ⇒地域ぐるみの養育支援
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3-8 保育現場に臨床心理士がいる効果
保育士×心理士
両者の専門性発揮
子どもの安定 集団保育 保護者の支援 安定的な保育運営 親と子の発達を保障する機能
【アセスメントの深まり】 背景・ニーズ・心理状態
【関わり】 タイムリー
継続的 予防的
チーム支援・多職種連携 様々な対応の工夫
この循環が保育や子ども・親をエンパワメント(潜在的な力の回復)!
親子の生活の場としての保育所
気になる子どもや親の行動・姿
周囲の混乱・不安
相 互
視点 視点
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3-9 旭区「保育園の臨床心理士配置についてのアンケート」 結果
■アドバイスの内容 アセスメントについて ・子どもや保後者の見立ての仕方や背景の理解(7人) ・子どもや保護者の行動の理由(7人)
対応について ・子どもの特徴に合った具体的な対応の仕方(22人) ・子どもや保護者への声のかけ方や対応の仕方(8人)
■臨床心理士が配置されたその他の効果 ・話を聴いてもらえる安心感がある(65人)・一人で抱え込まなくてよい安心感が生まれた(43人) ・タイムリーな相談ができる(42人) ・園の中で情報の共有化やチームの意識が強くなった(33人) ・不安な気持ちが減った(27人) ・子どもの対応に自信が持てるようになっていきている(18人)
【実施目的】 臨床心理士を配置した効果やニーズ等の把握し、取組の今後の展開を検討する。 【実施時期】 平成28年1月 【対象施設】 配置園(左近山保育所、ひかりが丘保育所) 回答数45人、 派遣先の保育資源(東部エリア10か所、その他エリア3か所) 回答数39人、計84人 【対象者】 臨床心理士の相談やカンファレンスに参加した対象施設の職員 (複数回答可)
■臨床心理士への相談内容 ・子どもの対応 (74人) ・保護者の対応 (47人) ・クラス運営 (9人) ・他機関連携 (7人) ・職員との関係 (7人)
■臨床心理士との相談による子ども・保護者の変化 子どもの変化 ・子どもと愛着関係が深められるようになった(34人)・情緒的に落ち着いた(29人) ・じっくり遊べるようになった(12人) ・攻撃的な行動が減った(11人) 保護者の変化 ・困っていることを保育者に相談してくれるようになった(20人) ・保育者からの話を受け止められるようになった(16人)
●タイムリーな対応、アセスメントや対応策の検討の深まり、チームでの協働の意識の高まり →保育者の安心感、子どもや保護者に良い変化
親子を支える保育所の機能強化につながっている 18
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4 臨床心理系インターンシップ協働支援事業 (平成28年度~) 4-1 新規事業の開始
【目的】 (1)保育所と大学院生等との協働により、保育士が心理的アプローチの視点 を学び、保育の質の向上を図る
(2)保育現場を経験し、保育の心理臨床を学ぶ機会を大学院生等に提供
専門家の助言を得ながら、市立保育所に臨床心理士を目指す大学院生等を研修生として受け入れ、保育に心理臨床の視点を導入する取組を進めることで、保育のエンパワメントを図る。
市立保育所
臨床心理士
の研修生保育士
保育の心理臨床の
区役所
研修・事例検討等
指導
連携
助言 協働
臨床心理系インターンシップ協働支援事業展開イメージ
専 門 家
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2 研修生の保育現場での研修活動 (旭区内の市立保育所7園、計8名、週1日、約10か月間)
保育の心理臨床の専門家の指導のもと、心理的アプローチ等による園児の支援を 保育士と協働して実施
1 スタートアップセミナー
4 事業報告・研修会
4-2 内容
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3 保育の心理臨床の専門家による指導と事業の監修 (1) 研修生へのグループ指導(緊急相談にも対応、園長等も参加、2か月毎) (2) 園長等への事業研修(事例検討・情報共有、3か月毎) (3) 事務局(区役所)との連絡会議(事業評価・進行管理、3か月毎) (4) 事業ニュース発行 (年3回)
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4-3 保育の心理臨床の専門家による監修
青木 紀久代 氏 お茶の水女子大学 基幹研究院 准教授 【経歴】 東京都立大学大学院人文科学研究科心理学専攻博士課程修了。 1999年より現職。発達臨床心理学、幅広い研究と臨床活動。乳幼児の親子相互 作用と乳幼児の人格形成、現代精神分析的な視点と発達心理的アプローチを併用 して検討。国内外の子育て支援や保育、社会的養護の領域での心理臨床活と実践 的な研究。
【著書】 『乳幼児期・児童期の臨床心理学 』 『乳児院における愛着形成支援 子育て支援と心理臨床』
『実践・保育相談支援』等
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(2015 青木紀久代著書「実践・保育相談支援」より)
保護者中心/
生活援助型
こども中心/
発達援助型
保護者中心/
心理援助型 こども中心/
心理援助型
親子の 関係性援助型
支援
図:「包括的保護者相談支援の形態」
例 情緒の安定しないA君に対して
④こどもの育ちを保護者と共有し、子育てを嬉しいものに感じられ
るよう支援
①こどもが安心感を感じられるような
関わり方を工夫する
②-1いやいや行動の時期を 理解しつつ、さりげなく違う
遊びに誘う
⑤生活の支援の相談を専門機関につなげる
◇子ども・保護者支援には、心のケアから生活の具体的援助まで多様な形態
◇これらの援助のためには様々な専門家との協働が必要
◇一つの援助の切り口から、最終的には包括的な支援を目指していく
③登園時に子どもに 笑顔が見られるよう
働きかける
②-2子どものおむつを取ることを支援する
4-4 協働による多様な形態、包括的ケアの醸成
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4-5 各職種の専門性
保育士 (新保育所保育指針)
①子どもの発達、成長を援助
②子どもの生活援助
③自然環境や人的環境、物的、空間を生かす 環境構成
④興味、関心を豊かに展開する遊びの提供
⑤子ども同士の関わりや子どもと保護者の関 わりなど関係構築
⑥保護者等の相談、助言
①~⑥を総合したクラス運営
臨床心理士 (日本臨床心理士会倫理綱領)
①心理アセスメント
②心理面接(カウンセリング)
③臨床心理的地域援助(コンサルテーション)
④調査研究活動
①~④を総合した心理的援助
保健師 ①子育て家庭のハイリスク層を把握・支援 ネットワークを構築し、支援
②地域保健活動 ・関係部署・地域団体等と連携、健康課題等
③健康課題の予防策・対応策
社会福祉職
①法に基づく対応 ・福祉サービス利用の相談支援・行政決定 ②権利擁護
③個別支援と地域支援
③エリアコーデイネーター(協力体制) ・チームアプローチ 23
それぞれが専門性を発揮することが必要。 別の専門職の代わりはできない。
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臨床心理士は、心のケアの専門家
アセスメントの深まり 子や親の課題を、発達や精神の状況、背景となる障害や素因、過去と現在の環境的要因等など、多面的に考え、対応を検討する。
①心理アセスメント(臨床心理査定) 観察面接等を通じて、個々人の独自性、固有な特徴や、問題点の所在を明らかにし、心の問題で悩む人々の援助方法を考えること。
④上記①~③に関する調査・研究
②臨床心理面接(カウンセリング) 心理療法を用いて、自己理解や自発的洞察に導く、 心理カウンセリングのほか、心理学的情報を提供する 心理教育など、相談業務全般。
アプローチ方法の多様化 子や親の自己肯定感を高め、 「共感、納得、理解、再生」につながる関わり方を工夫する。
③臨床心理的地域援助(コンサルテーション) 「家族」「学校」「職場」「社会」などに対し、心理コンサルテーションや心理教育などを用いて行うコミュニティ援助。個々人や、各コミュニティが、事例へ主体的・支持的に相対し、相互肯定的に影響し合うことで、機能の回復・維持・向上を図る。
チーム力向上と機関連携推進 現場のチーム力を高め、 関係機関との連携を促進する。
臨床心理士の専門性 保育現場での活用
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子どもを支援する臨床心理士の活躍(横浜市)
市立保育所への派遣型 臨床心理士
困難事例が生じた際、園が派遣依頼。保護者対応や支援のあり方について、職員に対する相談助言。
市立小・中学校の学校カウンセラー・スクールカウンセラー 不登校やいじめ等の対応のため 学校で子や保護者へのカウンセリング。教師へのコンサルテーション。区役所で「子ども・家庭支援相談(電話・面接)。」
区役所にいる臨床心理士
乳幼児健診後の結果等に基づいて行う個別相談。保健師と同行し、園や家庭への訪問相談。研修等の地域支援。
市立保育所にいる 臨床心理士(旭区)
保育資源ネットワークにおける 事務局園のチームのひとりとして継続的にエリアで活動。
*この他に、児童相談所、児童養護施設に配置、特別支援学校等に派遣 25
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乳幼児期の 支援強化
顔の見える エリアでの ネットワーク
多職種の協働
子どもを大切にすることは 未来を創ること・・・
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参考資料
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①福祉サービス受給者数等の増加(横浜市)
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対象:ひとり親家庭等
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②「子ども・家庭支援相談」は 0-2歳の相談が多い
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0
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
0-2歳 0歳(再掲) 3-6歳 7-9歳 10-12歳 13-15歳 16-19歳 20歳―本人 20歳-他 不明
対象者の年齢別相談者数 (平成26年度)
電話 面接 合計
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③子育てを取り巻く背景
子ども・子育て支援新制度 法改正の趣旨・・保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本的認識の下に、幼児期の学校教育・保育、地域の子ども・子育て支援を総合的に推進。 → 量の充実の次は、質の充実へ
障害児保育の増加 過去5年間、保育所の障害児の入所は、横浜市立、民間ともに増加
児童虐待の増加 児童相談所(横浜市) 新規把握件数 H22 626件 ⇒ H26 1,072件 うち 0歳~5歳 H22 247件 ⇒ H26 414件
22 年度 23 年度 24 年度 25 年度 26 年度
実施園 94 園 89 園 91 園 85 園 82園障害児保育 322 人 319 人 330 人 341 人 326 人1園あたり 3.4 人 3.5 人 3.6 人 4.0 人 4.0 人
実施園 153 園 165 園 266 園 225 園 373 園
障害児保育 279 人 322 人 350 人 421 人 500 人1園あたり 1.8 人 2.0 人 1.3 人 1.9 人 1.3人
市立園
民間園
30
Sheet1
※1園あたりの受け入れ人数は、平成 26年度で民間 1.3人に対して市立が 4.0 人
22 年度23 年度24 年度25 年度26 年度
市立園 イチリツエン実施園94 園89 園91 園85 園82園
障害児保育322 人319 人330 人341 人326 人
1園あたり3.4 人3.5 人3.6 人4.0 人4.0 人
民間園 ミンカンエン実施園153 園165 園266 園225 園373 園
障害児保育279 人322 人350 人421 人500 人
1園あたり1.8 人2.0 人1.3 人1.9 人1.3人
Sheet2
Sheet3
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④ 不登校児童生徒の状況(横浜市)
(平成27年9月16日記者発表資料より) (1) 不登校児童生徒数 (単位:人)
平成26年度 3,728人のうち 30~89日欠席した児童生徒 44.6% 新たに不登校となった児童生徒 43.6%
(2) 不登校となったきっかけと考えられる状況 (平成26年度 上位5項目)
H24 H25 H26
不登校 3,325 3,411 3,728
事由
不安など情緒的混乱 38.8%
無気力 25.2%
友人関係 19.5%
親子関係 19.1%
学業不振 13.9% 31
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⑤日本は幼児期への支出が必要
~横浜市における進取の取組を~
在学者一人当たり公財政教育支出の対一人当たりGDP比 (平成26年12月3日教育再生実行会議第3分科会資料より)
米英における複数の大規模縦断研究が、就学前教育の「質」や「年数」が、その後の子供の知能や社会性など様々な発達に、肯定的な影響を持つと報告しています。
出典:北浦修敏(2014)世代会計の手法を活用した政府支出の長期推計と財政再建規模の分析(世界平和研究所IIPS Discussion Paper March 2014)
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⑥公認心理師について
• 平成27年9月9日、第189回国会において、「公認心理師法」が参院本会議で可決、成立 (2017年度施行の見込み)
資格区分 国家資格 資格取得のための学歴制限 大学の学部で心理学などの必要科目を修めて卒業したもの 養成課程 養成大学院、又は養成学部+実務経験 養成課程の最短所要時間 4年間+α(実務経験の必要期間)
・「増沢高・日本臨床心理士会社会的養護部会長の話」H27.9..21福祉新聞より 乳児院や児童養護施設に心理職の配置が制度化されたのは1999年で、当時は心理療法の提供が中心でしたが、今日では心理職も積極的に日常生活に関与するようになってきました。「生活臨床」という実践が浸透しつつあると思います。
市区町村や就学前教育・保育の現場で公認心理師が、子どもとその家庭をアセスメントし、他機関・専門職に伝えることは重要です。例えば、不登校の子は「心の問題」ととらえられがちですが、その子の家庭での生活を見れば養育放棄など別の要因が見えたりします。公認心理師の養成、資格取得後の現任者研修には、こうした側面から構築するべきと考えます。
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⑦私たち大人が大事にしたいこと 「増沢氏の児童虐待研修資料」より
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保育所を活用した� 養育支援強化事業スライド番号 21 背景スライド番号 4スライド番号 5(4)求められるアセスメントと対応力スライド番号 7スライド番号 8 3-1 事業内容の3本柱 (24年度~) 3-2 旭区の臨床心理士配置園 (市立2園) 3-3 エリアでの事業展開イメージ 3-4 臨床心理士の活動と保育士との協働 3-5 臨床心理士の取り組み内容と実績 3-6 児童虐待の専門家によるスーパーバイズスライド番号 15 3-7 事業の効果 3-8 保育現場に臨床心理士がいる効果� 3-9 旭区「保育園の臨床心理士配置についてのアンケート」 結果� 4-1 新規事業の開始 4-2 内容 4-3 保育の心理臨床の専門家による監修スライド番号 22 4-5 各職種の専門性臨床心理士は、心のケアの専門家子どもを支援する臨床心理士の活躍(横浜市)子どもを大切にすることは� 未来を創ること・・・ スライド番号 27 ①福祉サービス受給者数等の増加(横浜市)�②「子ども・家庭支援相談」は 0-2歳の相談が多い③子育てを取り巻く背景④ 不登校児童生徒の状況(横浜市)� (平成27年9月16日記者発表資料より)⑤日本は幼児期への支出が必要� ~横浜市における進取の取組を~⑥公認心理師について� ⑦私たち大人が大事にしたいこと � � 「増沢氏の児童虐待研修資料」より�