手計算...

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1 冷暖房負荷計算法 p.86~ 冷暖房負荷計算の目的 夏・冬のピーク負荷→ 機器容量・ダクト寸法等の決定 年間の負荷→ エネルギー使用量,経済性評価 手計算 壁貫流熱 全日射 すき間風 →全熱交換器へ 機器 人体 蓄熱分の放熱 熱取得 (熱損失) 負荷計算対象室 空気調和機室 熱源機室 ペリメータゾーン インテリアゾーン 室内熱負荷 蓄熱 コイル除去熱量 熱源機器負荷 冷房負荷計算の流れ 外部から流入する熱量と室内で発生する顕熱と潜熱を算定 冷暖房負荷計算法 p.86~ 冷水 温水 室内除去熱量 熱取得・熱損失 冷暖房対象室の温度・湿度が設定値の時,室の境界を超 えて流入する瞬時の熱量と室内で発生する熱量の総和. 室内熱負荷 室内の温度・湿度設計条件に保つために室内空気に与え られる熱量. 日射熱が床などに蓄熱された後に時間遅れを伴って室温 上昇に影響を与える蓄熱負荷も含む. 冷房負荷 暖房負荷 冷暖房負荷計算法 p.87 冷暖房負荷計算法 p.88外乱を受ける壁体(外壁・屋根・床),開口部(窓ガラス) 壁体の熱容量による流入熱量のタイムラグ 太陽位置 計算が複雑 すき間風・人体発熱等 即熱負荷になるので扱いやすい. 一方 冷暖房負荷計算法 p.88外乱を受ける壁体(外壁・屋根・床),開口部(窓ガラス) 壁体の熱容量による流入熱量のタイムラグ 太陽位置 計算が複雑 蓄熱を伴う熱負荷は、厳密にはコンピュータで計算 冷暖房負荷計算法 p.88蓄熱を伴う熱負荷を手計算でおこなうために, 前もってコンピュータで計算した結果を使用 ・実効温度差(ETD実効温度差は,見かけ上の室内外温度差 ・あらかじめ非定常計算によって求められる. ・使用部位は外壁と屋根である. ・時刻別・方位別・熱容量別の値. ・日射が当たらない日影部位には北側の値 ・薄い金属板に断熱材がある程度の外壁にはSATを用いて 室内外温度差を求めれば良い.

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Page 1: 手計算 夏・冬のピーク負荷→toshi1.civil.saga-u.ac.jp/kojimas/archele/archele08.pdfETD:実効温度差[K] ガラス窓からの熱負荷 p.91~ ガラス窓からの熱取得は以下の3要素に分かれる.

1

冷暖房負荷計算法 p.86~

冷暖房負荷計算の目的

夏・冬のピーク負荷→

    機器容量・ダクト寸法等の決定

年間の負荷→

    エネルギー使用量,経済性評価

手計算

壁貫流熱

全日射

すき間風

→全熱交換器へ

機器 人体

蓄熱分の放熱

熱取得(熱損失)

負荷計算対象室 空気調和機室 熱源機室

ペリメータゾーン インテリアゾーン

室内熱負荷蓄熱 コイル除去熱量

熱源機器負荷

冷房負荷計算の流れ

外部から流入する熱量と室内で発生する顕熱と潜熱を算定

冷暖房負荷計算法 p.86~

冷水

温水室内除去熱量

熱取得・熱損失

 冷暖房対象室の温度・湿度が設定値の時,室の境界を超えて流入する瞬時の熱量と室内で発生する熱量の総和.

室内熱負荷

 室内の温度・湿度設計条件に保つために室内空気に与えられる熱量. 日射熱が床などに蓄熱された後に時間遅れを伴って室温上昇に影響を与える蓄熱負荷も含む. 冷房負荷 暖房負荷

冷暖房負荷計算法 p.87 冷暖房負荷計算法 p.88~

外乱を受ける壁体(外壁・屋根・床),開口部(窓ガラス)

壁体の熱容量による流入熱量のタイムラグ 太陽位置

計算が複雑

すき間風・人体発熱等

即熱負荷になるので扱いやすい.

一方

冷暖房負荷計算法 p.88~

外乱を受ける壁体(外壁・屋根・床),開口部(窓ガラス)

壁体の熱容量による流入熱量のタイムラグ 太陽位置

計算が複雑

蓄熱を伴う熱負荷は、厳密にはコンピュータで計算

冷暖房負荷計算法 p.88~

蓄熱を伴う熱負荷を手計算でおこなうために,前もってコンピュータで計算した結果を使用・実効温度差(ETD)

実効温度差は,見かけ上の室内外温度差・あらかじめ非定常計算によって求められる.・使用部位は外壁と屋根である.・時刻別・方位別・熱容量別の値.・日射が当たらない日影部位には北側の値・薄い金属板に断熱材がある程度の外壁にはSATを用いて 室内外温度差を求めれば良い.

Page 2: 手計算 夏・冬のピーク負荷→toshi1.civil.saga-u.ac.jp/kojimas/archele/archele08.pdfETD:実効温度差[K] ガラス窓からの熱負荷 p.91~ ガラス窓からの熱取得は以下の3要素に分かれる.

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壁体通過熱負荷 p.90

外壁・屋根を通過する熱量の求め方

!

qw = Kw " Aw " ETD

qw:壁体通過熱負荷[W]

Kw:熱貫流率 [W/(㎡K)]

Aw:壁体面積[㎡]

ETD:実効温度差[K]

ガラス窓からの熱負荷 p.91~

ガラス窓からの熱取得は以下の3要素に分かれる.

屋外

日射

反射 透過

伝導

吸収

対流

対流

放射

放射

HGC

HGR

qGK(熱貫流,方位に無関係)

QGRqGR

qGC

ガラス窓からの熱負荷 p.91~ qGR, qGC (qGK(熱貫流)以外)は、3mm標準ガラスの日射熱取得を基準に計算

qGR:ガラス面からの透過日射による熱負荷(蓄熱を考慮)

   床等の熱容量の違いにより,時間遅れで負荷になる.

qGR = QGR ・SCR・AG

qGR:ガラス面からの透過日射による熱負荷[W]

QGR:3mm標準ガラスの透過日射の躯体重量別熱負荷[W]

SCR:日射遮へい係数(放射)[-] (表4-6)

AG:ガラス面積[㎡]

ガラス窓からの熱負荷 p.91~qGC, qGR(qGK(熱貫流)以外)は、3mm標準ガラスの日射熱取得を基準に計算

qGC:ガラス面からの透過日射による熱負荷

qGC = (HGR+HGC)・SCC・AG

qGC:ガラス面からの透過日射による熱負荷[W]

HGR:3mm標準ガラスの日射透過分(放射)[W/m2]

HGR:3mm標準ガラスの日射透過分(対流) [W/m2]

SCC:日射遮へい係数(対流)[-](表4-6)

ガラス窓からの熱負荷 p.91~qGK(熱貫流)は、室内外温度差に基づく熱貫流の計算

qGK:ガラス面からの熱貫流による熱負荷

qGK =KG・AG ・Δt

qGK:ガラス窓からの温度差による熱負荷[W]

KG:ガラスの 熱貫流率[W/(m2・K)]

Δt: 室内外温度差[K]

ガラスからの全熱負荷qGTは、

qGT=qGR+qGC+qGK

すき間風による顕熱負荷 p.93~

質量風量GIに基づく計算

体積風量QIに基づく計算

!

qIS =1.005 "GI " #t "1000

3600= 0.28 "GI " #t

qIS = 0.28 "1.2 "QI " #t = 0.34 "QI " #t

qIS:すき間風による顕熱負荷[W]

1.005:空気の定圧比熱cp[kJ/(kg⋅K)]

1000/3600:単位換算kJ/h→[J/s]=[W]

1.2:空気の密度ρ(20℃) [kg/m3]

GI:風量(質量風量)[kg/h]

QI:風量(体積風量)[m3/h]

Δt:室内外温度差[K]

Page 3: 手計算 夏・冬のピーク負荷→toshi1.civil.saga-u.ac.jp/kojimas/archele/archele08.pdfETD:実効温度差[K] ガラス窓からの熱負荷 p.91~ ガラス窓からの熱取得は以下の3要素に分かれる.

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すき間風による潜熱負荷 p.94

質量風量GIに基づく計算

体積風量QIに基づく計算

!

qIL = 2501"GI " #x "1000

3600= 695 "GI " #x

qIL = 695 "1.2 "QI " #t = 834 "QI " #x

qIL:すき間風による潜熱負荷[W]

2501:水蒸気の蒸発潜熱r(0℃) [kJ/kg]

1000/3600:単位換算kJ/h→[J/s]=[W]

1.2:空気の密度ρ(20℃) [kg/m3]

GI:風量(質量風量)[kg/h]

QI:風量(体積風量)[m3/h]

Δx:室内外絶対湿度差[kg/kg]

照明による熱負荷(顕熱のみ) p.94

事務所建築では概算的にqLSとして20~30[W/m2]

照明器具の種類により以下の換算値を乗じる.

1W1.16W熱負荷換算値

白熱灯蛍光灯照明の種類

※蛍光灯は,安定器の発熱を含むので.

床面積1m2当たりの照明負荷

人体からの熱負荷(顕熱+潜熱) p.94

・皮膚表面:顕熱 + 潜熱・呼 気:  顕熱 + 潜熱

53

26℃ 26℃22℃22℃

644871

潜 熱 (LH)顕 熱 (SH)

事務作業時の人体の放熱量[W/人]

その他の器具からの熱負荷 p.94

・OA機器や電気機器からの顕熱(SH)・ガス機器などからの顕熱(SH)+潜熱(LH)

事務スペースでは,コンセント負荷として

20~40[W/m2]を計上する.

   ※床面積1m2当たりの負荷

外気取り入れ負荷 p.95

外気取り入れ負荷は,空調機で処理するので,空調機負荷になる.室内熱負荷には計上しない.

外気取り入れによる顕熱負荷

  qFS=0.28⋅GF⋅Δt or qFS=0.34⋅QF⋅Δt

外気取り入れによる潜熱負荷

  qFL=695⋅GF⋅Δx or qFL=834⋅QF⋅Δx