協定規則第17号第 改訂補足第 改訂版 座席、座席取 …協定規則第17 号第7...

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協定規則第17号第7改訂補足第3改訂版 座席、座席取付装置及び頭部後傾抑止装置に係る認可に関する統一規定 目次 規則 1. 適用範囲 2. 定義 3. 認可申請 4. 認可 5. 要件 6. 試験 7. 生産の適合性 8. 生産の不適合に対する罰則 9. 座席、座席取付装置又は座席の頭部後傾抑止装置に関する車両型式の変更及び認可の拡大 10. 生産の中止 11. 使用説明書 12. 認可試験の実施を担当する試験機関及び行政官庁の名称及び所在地 13. 過渡規定 附則 附則1 -通知 附則2 -認可マークの配置 附則3 -自動車の着席位置のHポイン卜及び実トルソ角を決定方法 附則4 -頭部後傾抑止装置の高さ及び幅の決定 附則5 -試験中に行う線と測定の詳細 附則6 -衝撃吸収試験手順 附則7 -座席取付装置並びに座席の調節、移動及びロック機構の強度試験 附則8 -頭部後傾抑止装置間隔の寸法「a」の決定 附則9 -荷物の移動に対する乗員保護のための装置の試験方法 1

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協定規則第17号第7改訂補足第3改訂版 座席、座席取付装置及び頭部後傾抑止装置に係る認可に関する統一規定

目次

規則 1. 適用範囲 2. 定義 3. 認可申請 4. 認可 5. 要件 6. 試験 7. 生産の適合性 8. 生産の不適合に対する罰則 9. 座席、座席取付装置又は座席の頭部後傾抑止装置に関する車両型式の変更及び認可の拡大 10. 生産の中止 11. 使用説明書 12. 認可試験の実施を担当する試験機関及び行政官庁の名称及び所在地 13. 過渡規定 附則 附則1 -通知 附則2 -認可マークの配置 附則3 -自動車の着席位置のHポイン卜及び実トルソ角を決定方法 附則4 -頭部後傾抑止装置の高さ及び幅の決定 附則5 -試験中に行う線と測定の詳細 附則6 -衝撃吸収試験手順 附則7 -座席取付装置並びに座席の調節、移動及びロック機構の強度試験 附則8 -頭部後傾抑止装置間隔の寸法「a」の決定 附則9 -荷物の移動に対する乗員保護のための装置の試験方法

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協定規則第 17 号第 7 改訂補足第 3 改訂版 座席、座席取付装置及び頭部後傾抑止装置に係る認可に関する統一規定

1. 適用範囲 本規則は、以下のものに対し適用する。

(a) M1 及びN 1/区分の自動車に備える、座席の強度及び座席の取付装置並びに座席の頭部後

傾抑止装置 (b) 協定規則第 80 号の対象とならないM2 及びM3 1/区分の自動車に備える、座席の強度及び

座席の取付装置並びに座席の頭部後傾抑止装置 (c) M1 区分の自動車に備える、座席背もたれの後部部品の設計及び前面衝突時の荷物の移動

に起因する危険から乗員を守るための装置 本規則は、折りたたみ座席、横向き座席又は後ろ向き座席や、これらの座席に取り付けら

れた頭部後傾抑止装置には適用しない。

_________________ 1/ 車両構造統合決議(R.E.3)の附則7(Amend.4により 新改訂が実施された文書TRANS/WP.29/78/Rev.1/Amend.2)の定

義による。

2. 定義 本規則の意図するところでは、 2.1. 「車両の認可」とは、座席及び座席取付装置の強度、座席背もたれの後部の設計並びに頭

部後傾抑止装置の特性に関する車両の認可をいう。 2.2. 「車両型式」とは、2.2.1.から 2.2.5.までに掲げる要件において基本的に同一の自動車の

区分をいう。 2.2.1. 座席の構造、形状、寸法、材料及び質量。ただし、座席は表皮及び色が異なってもよく、

認可された座席型式の質量の 5%を超えないものは同一とみなす。 2.2.2. 座席背もたれ、座席及びその部品の調節、移動及びロック機構の型式と寸法 2.2.3. 座席取付装置の型式と寸法 2.2.4. 頭部後傾抑止装置の寸法、フレーム、材料及び緩衝材。ただし、色及び表皮は相違しても

よい。 2.2.5. 分離式頭部後傾抑止装置の場合にあっては、頭部後傾抑止装置の付属品の型式及び寸法並

びに当該頭部後傾抑止装置を取り付ける車両部品の特性。 2.3. 「座席」とは、自動車の構造部と一体となっているもの又は構造部に取り付けられているも

のであって、座席用の部品で構成される成人1名が着座できるものをいう。この用語は、

セパレートシート及び1名が着座できるベンチシートの部分を含む。 2.4. 「ベンチシート」とは、座席用の部品で構成される成人1名を超えて着座できるものをいう。 2.5. 「取付装置」とは、座席アッセンブリを車体構造に固定する装置を指し、車体構造物に影響

を及ぼす部分をいう。

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2.6. 「調節機構」とは、着座乗員の体形に合う位置に座席又はその部品を調節するものであって、

以下の調節が可能なものをいう。 2.6.1. 前後の移動 2.6.2. 垂直の移動 2.6.3. 角度の変化 2.7. 「移動機構」とは、乗員が当該座席の後方から乗降しやすいように、中間の固定位置なしで

移動又は回転させることのできる座席及びその部品をいう。 2.8. 「ロック機構」とは、座席等を使用位置に保持する装置をいう。 2.9. 「折り畳み式座席」とは、臨時に使用することを目的とし、通常は折り畳んである補助座席

をいう。 2.10. 「横方向面」とは、車両中心線に平行な鉛直面をいう。 2.11. 「縦方向面」とは、車両中心線に直行する鉛直面をいう。 2.12. 「頭部後傾抑止装置」とは、衝突時において乗員の頚部脊髄に起こる傷害の危険を軽減す

るため、成人乗員のトルソに関する頭部の後方移動を制限する装置をいう。 2.12.1. 「一体式頭部後傾抑止装置」とは、座席背もたれの上部に形成される頭部後傾抑止装置を

いう。2.1.2.2.又は 2.1.2.3.に示す定義に該当するものであっても、工具の仕様又は座席外

装部品の一部、あるいは全てを外すことによって、当該座席又は車両構造物から取り外す

ことができる頭部後傾抑止装置は本定義に該当するものとする。 2.12.2. 「取り外し式頭部後傾抑止装置」とは、座席から分離できる部品で構成されるものであっ

て、座席背もたれに差し込まれ、確実に固定される頭部後傾抑止装置をいう。 2.12.3. 「分離式頭部後傾抑止装置」とは、座席と別の部品で構成されるものであって、車体の構

造物に差し込むもの又は確実に固定される頭部後傾抑止装置をいう。 2.13. 「R ポイント」とは、本規則の附則 3 で定義するシーティングレファレンスポイントを

いう。 2.14. 「基準線」とは、本規則の附則 3、付録 1、図 1 に記載された3次元マネキン上の線をい

う。 2.15. 「仕切り機構」とは、座席背もたれにかかる移動手荷物等から乗員を保護する部品又は装

置をいい、座席背もたれの直立位置又は折畳み位置から上方に位置するネット又は金網で

構成されるものを含むものとする。 なお、移動手荷物等から乗員を保護する部品又は装置を標準で装備する自動車に備える当

該頭部後傾抑止装置は、仕切りシステムの一部とみなす。ただし、頭部後傾抑止装置を装

備した座席自体が仕切りシステムとはみなさない。 3. 認可申請 3.1. 車両型式の認可申請は、自動車製作者等又はその正規の委任代理人が行うものとする。 3.2. 申請書には、以下に掲げる項目の詳細を記載した書面を 3 部添付するものとする。 3.2.1. 座席、座席取付装置、及びそれらの調節、移動及びロック機構の設計に関する車両型式の

詳細説明、 3.2.1.1. 該当する場合には、仕切り機構の詳細説明及び図面。 3.2.2. 座席、車両上の座席取付装置、当該座席の調節、移動、及びロック機構の適切な縮尺の詳

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細図面。 3.2.3. 取り外し式頭部後傾抑止装置付き座席の場合 3.2.3.1. 頭部後傾抑止装置の詳細説明。特に緩衝材料の性質を明記する。 3.2.3.2. 取付位置、支持材の型式及び頭部後傾抑止装置を座席に取り付けるための付属品の詳細説

明。 3.2.4. 分離式頭部後傾抑止装置の場合 3.2.4.1. 頭部後傾抑止装置の詳細説明。特に緩衝材料の性質を明記する。 3.2.4.2. 取付位置及び頭部後傾抑止装置を車両の構造に取り付けるための付属品の詳細説明。 3.3. 次のものを、認可試験の実施を担当する試験機関に提示するものとする。 3.3.1. 申請する車両型式を代表する車両又は試験機関が認可試験のために必要と考える車両の部

品。 3.3.2. 車両に装備される座席の追加一式とその取付装置。 3.3.3. 頭部後傾抑止装置を取り付けた又は取り付けることができる座席を装備した車両の場合に

は、3.3.1.及び 3.3.2.に定めた要件に以下のものを追加する。 3.3.3.1. 取り外し式頭部後傾抑止装置の場合には、車両に装備される、頭部後傾抑止装置を取り付

けた座席の追加一式及びその取付装置。 3.3.3.2. 分離式頭部後傾抑止装置の場合には、車両に装備される座席の追加一式及びその取付装置、

並びに対応する頭部後傾抑止装置の追加一式及び当該頭部後傾抑止装置を取り付ける車両

の構造の部分又は完全な構造。 4. 認可 4.1. 本規則に基づく認可のために提示された車両が、本規則に定める要件に適合している場合

には(頭部後傾抑止装置を取り付けるか又は取り付けることが可能な座席)、車両型式の

認可を行うものとする。 4.2. 認可番号は、認可された型式毎に割り当てるものとする。その 初の 2 桁の数字(第7改

訂版に対応し現在は 07)は、本規則に加えられた主要な技術的修正に関して、認可時点に

おける 新の改訂版を示すものとする。 同一協定締約国は、同じ車両型式ではあるが別の

型式の座席又は頭部後傾抑止装置を装備したもの、又は座席を異なった方法で車両に取り

付けたもの(頭部後傾抑止装置付き座席及び頭部後傾抑止装置無しの座席の両方に適用す

る)又は別の車両型式に対して、同一番号を割り当ててはならない。 4.3. 本規則に基づく車両型式の認可、認可の拡大又は認可の拒否に係る通知は、本規則の附則 1

の様式により、本規則を適用する協定締約国に対して、通知するものとする。 4.4. 本規則に基づく認可を受けた車両型式に適合する全ての自動車には、容易に視認できる位

置として認可書類に記載された場所に、下記から成る認可マークを表示すること。 4.4.1. 文字「E」及びその後に認可した国の識別番号を記載し、その全体を円で囲む。2/

2/ 1 ドイツ、2 フランス、3 イタリア、4 オランダ、5 スウェーデン、6 ベルギー、7 ハンガリー、8 チェコ共和国、9 スペイン、10 ユーゴスラビア、11 英国、12 オーストリア、13 ルクセンブルク、14 スイス、15(空番号)、16 ノルウェ

ー、17 フィンランド、18 デンマーク、19 ルーマニア、20 ポーランド、21 ポルトガル、22 ロシア連邦、23 ギリシャ、24 アイルランド、25 クロアチア、26 スロベニア、27 スロバキア、28 ベラルーシ、29 エストニア、30(空番号)、31 ボス

ニア・ヘルツェゴビナ、32 ラトビア、33(空番号)、34 ブルガリア、35(空番号)、36 リトアニア、37 トルコ、38(空

番号)、39 アゼルバイジャン、40 マケドニア旧ユーゴスラビア共和国、41(空番号)、42 ヨーロッパ共同体(認可は加盟

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国がそれぞれのECE マークを用いて付与する)、43 日本、44(空番号)、45 オーストラリア、46 ウクライナ、47 南アフ

リカ、48 ニュージーランド 49 キプロス、50 マルタ、51 大韓民国、52 マレーシア及び 53 タイ。後続番号は。後続番号は、

「車両並びに車両への取付又は車両における使用が可能な装置及び部品に係る統一的な技術上の要件の採択並びにこれらの

要件に基づいて行われる認定の相互承認のための条件に関する協定」を批准し又はそれに加盟する日付順に他の国に割り当て

るものとし、このようにして割り当てた番号を国連事務総長が協定締約国に通知するものとする。 4.4.2. 4.4.1.に定めた円の右側に本規則の番号、その後に文字「R」、「-」及び認可番号を続け

る。 4.4.3. ただし、当該車両が 5.1. 及び 5.2.の要件に適合しているため認可された頭部後傾抑止装置

を取り付けた又は取り付けることができる座席を一つ以上装備している場合には、本規則

の番号に続いて文字「RA」を付けるものとする。本規則の附則 1 の様式に、当該車両のど

の座席に頭部後傾抑止装置が取り付けるか又は取り付けることができるかを表記すること。

認可マークは、本規則の下記 5.1.の要件に適合し、認可された頭部後傾抑止装置を取り付

けない又は取り付けることができない座席が当該車両に装備している場合には、併せて表

示すること。 4.5. 本規則に基づく認可を行った国において、当該認可を受けた車両型式に適合する自動車が 1

つ又は複数の他の規則に基づいて認可された車両型式についても適合する場合には、4.4.1.に規定する記号を複数表示する必要はない。この場合において、本規則に基づく認可を付

与した国において認可された他の規則に係る追加の番号及び記号は、4.4.1.に規定する記号

の右側に縦列に配置するものとする。 4.6. 認可マークは、はっきりと読みとることができ、かつ消えないものでなければならない。 4.7. 認可マークは、自動車製作者等が貼付する自動車の特性等を表示したプレート又は当該プ

レート付近に表示するものとする。 4.8. 認可マークの配置の例を本規則の附則 2 に示す。 5. 要件 5.1. M1 3/区分の自動車の全座席に適用する一般要件

3/ 協定規則第 80 号(同規則 1.2 にしたがって)に代えて本規則にしたがって認可されたカテゴリーM2 の車両は、本項

の要件も満たすものとする。

5.1.1. 座席に備える全ての調節機構及び移動機構は機械的に作動するロック機構を備えるものと

する。肘掛け等快適性に関わる装置のロック機構にあっては、当該装置により衝突時等に

乗車人員に危害を与えるおそれのあるものを除き適用しないものとする。 5.1.2. 2.7.に定める機構の解除装置は、乗降口の扉に隣接する座席の外側に備えるものとする。解

除装置は当該座席の直後の座席の乗員から容易に操作できるものとする。 5.1.3. 6.8.1.1 に定めるエリア 1 に位置する座席後部は、附則 6 の衝撃吸収試験により、5.1.3.1.

から 5.1.3.2.までの基準に適合するものとする。 5.1.3.1. 衝撃吸収要件の適合性は、附則 6 に定める試験中、頭部模型の減速度が 3msを超える時間

において連続して 784m/s2(80G)を超えなければ満足するものとする。また、危険な突起

が試験中及び試験後にないものとする。 5.1.3.2. 5.1.3 の要件は、 後方の座席、背中合わせの座席、又は協定規則第 21 号「内装備品に係

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る 車 両 認 可 に 関 す る 統 一 規 定 」 ( 新 改 訂 を 盛 り 込 ん だ

E/ECE/324-E/ECE/TRANS/505/Rev.1/Add.20/Rev.2)の規定に適合する座席には適用しな

いものとする。 5.1.4. 座席後部の表面は、乗車人員へ危害を与えるような処理や鋭利な突起があってはならない。

本要件は、6.1.に定める試験において、座席後部の表面が下記に示すものであれば適合する

ものとする。 エリア 1:曲率半径 2.5mm 以上 エリア 2:曲率半径 5.0mm 以上 エリア 3:曲率半径 3.2mm 以上 なお、上記エリアは 6.8.1.に規定する。 5.1.4.1. 本要件は 5.4.1.1.から 5.4.1.4.までに掲げる場合には適用しない。 5.1.4.1.1. 5.1.4.に定める各エリアの突起が、その付近の表面から 3.2mm 未満であり、突起の高さが

当該突起の幅の 2 分の1を超えないもの。 5.1.4.1.2. 後方の座席、背中合わせの座席又は協定規則第 21 号「内装備品に係る車両認可に関する

統一規定」( 新改訂を盛り込んだ E/ECE/324-E/ECE/TRANS/505/Rev.1/Add.20/Rev./Add.20/Rev.2)の規定に適合する座席

5.1.4.1.3. 各座席列の も低いRポイントをとおる水平面より下に位置する座席の後部(各座席列の高

さが異なる場合、水平面は後部座席列から直前の座席列のRポイントをとおる垂直方向に

向けて上下させるものとする。)。 5.1.4.1.4. 「弾力性を有する網状」部品 5.1.4.2. 6.8.1.2.に定めるエリア 2 にあっては、附則 6 に示す衝撃吸収試験による 5.1.3.1.の基準に

適合する場合において、表面を 2.5mm 以上 5mm 未満の曲率半径とすることができる。た

だし、これらの表面には、頭部が座席フレームの構造と直接接触しないよう緩衝材を有す

るものとする。 5.1.4.3. 5.1.4.に定めるエリアにおいて、硬度 50 ショア(A)以下の材質で覆われている部分がある場

合、3.1.4.の要件は硬い部分に適用するものとする。(附則 6 に示す衝撃吸収試験に係る部

分を除く。) 5.1.5. 座席フレーム、座席取付装置、調節機構、移動機構及び固定機構は、6.2.及び 6.3.に定める

試験において破損が生じるものであってはならない。ただし、永久変形又は破損があって

も、これらが衝突時等に乗員に危害を与えるおそれがなく、かつ、規定の負荷を保持でき

るものは要件に適合するものとする。 5.1.6. 6.3.及び附則 9 の 2.1.に定める試験中において、固定機構は解除しないものとする。 5.1.7. 乗車人員の乗降を目的とする移動機構は、試験後においても機能するものとする。当該機

構は少なくとも一回は解除できるものとし、座席又はその目的を持つ座席部品を移動でき

るものとする。 その他の移動機構は、調節機構及び当該座席の固定機構を含めて作動できなくてもよい。 座席は 6.2.に定める試験を実施し損傷を生じるものであってはならないものとする。ただ

し、頭部後傾抑止装置を備えた座席の座席背もたれ及び当該座席の固定機構の強度が、

6.4.3.6.に示す試験後、座席又は座席背もたれに損傷がなければ 6.2.に定める試験を行った

ものとみなす。

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頭部後傾抑止装置の数より多い着座数を有するベンチシートにあっては、6.2.に示す試験を

実施するものとする。 5.2. N1、N2 区分及び N3 区分の自動車の座席及び当該座席取り付け装置並びに協定規則第 80

号の対象にならない M2 区分及び M3 区分 の自動車の座席及び当該座席取付装置に適用す

る仕様 5.2.1. 座席及びベンチシートは、車両に確実に取り付けるものとする。 5.2.2. スライド式座席及びベンチシートは、全ての座席使用位置に自動的に固定するものとする。 5.2.3. 調節式座席背もたれは装備された全ての位置で固定するものとする。 5.2.4. 全ての座席は、前方跳ね上げ式又は後方折畳み式の場合であっても通常位置に自動的に固

定するものとする。 5.3. 頭部後傾抑止装置の取り付け 5.3.1. 頭部後傾抑止装置は M1 区分の自動車の全ての前部外側座席に取り付けるものとする。他

の着席位置及び他の区分の自動車に取り付けることを目的とする頭部後傾抑止装置を装備

した座席も、本規則に基づいて認可することができる。 5.3.2. 頭部後傾抑止装置は、 大質量が 3,500kg を超えない M2 区分の自動車及び N1 区分の自

動車の全ての前部外側座席に取り付けるものとする。これらの自動車に取り付ける頭部後

傾抑止装置は協定規則第 25 号第 3 改訂版に適合するものとする。 5.4. 頭部後傾抑止装置の取り付け可能座席に関する特別要件 5.4.1. 頭部後傾抑止装置を備えることによって、車両の乗員の危険が増加しないものとする。特

に、いずれの使用位置においても乗員が障害を受ける危険性のある粗さや鋭利な突起がな

いものとする。 5.4.2. 6.8.1.1.3.に定めるエリア 1 内に位置する頭部後傾抑止装置の前面及び後面の部品は、

5.4.2.1.による衝撃吸収試験に適合するものとする。 5.4.2.1. 本要件は、附則 6 に定める手順によって試験を実施した場合において、ヘッドフォームの

減速度は 30ms の間で連続して 80G を超えないものであり、かつ、鋭利な突起が試験中又

は試験後に生じないものとする。 5.4.3. 6.8.1.2.2.に定めるエリア 2 内に位置する頭部後傾抑止装置の前面及び後面の部品は、頭部

と構造の構成部品との直接接触を防止するように緩衝材を装備し、かつ、5.1.4.の要件に適

合するものとする。 5.4.4. 5.4.2.及び 5.4.3.は 後方に備える座席に取り付けるよう設計された頭部後傾抑止装置の後

面部品には適用しないものとする。 5.4.5. 頭部後傾抑止装置は、試験中にヘッドフォームの圧力によって、頭部後傾抑止装置のパッ

ド又は座席背もたれに取り付けるための付属品から硬く危険な部分が突出しないように、

座席又は車両構造に固定するものとする。 5.4.6. 頭部後傾抑止装置を取り付けた座席の場合には、試験機関の同意の上で、頭部後傾抑止装

置を取り付けた当該座席が上記 5.4.2.の規定に適合するならば、5.1.3.は満たされたものと

みなすことができる。 5.5. 頭部後傾抑止装置の高さ 5.5.1. 頭部後傾抑止装置の高さは 6.5.に記載する要領で測定するものとする。 5.5.2. 高さが調節できない頭部後傾抑止装置の高さは、前部座席については 800mm 以上、それ

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以外の座席については 750mm 以上とする。 5.5.3. 高さ調節式頭部後傾抑止装置の場合 5.5.3.1. 高さは、前部座席については800mm以上、それ以外の座席については750mm以上とする。

この値は、調節できる 高及び 低位置の間の位置で得られるものとする。 5.5.3.2. 高さ 750mm 未満になる「使用位置」があってはならない。 5.5.3.3. 前部座席以外の座席に備える頭部後傾抑止装置は、高さ 750mm 未満になる位置に移動で

きるものであってもよい。ただし、当該位置が頭部後傾抑止装置の使用位置に該当しない

ことを乗員が明確に認知できるものであること。 5.5.3.4. 前部座席に備える頭部後傾抑止装置は、当該座席に着席者がいない場合において高さ

750mm 未満になる位置に自動的に移動できるものであってもよい。ただし、着席者がいる

場合にあっては自動的に使用位置に戻るものであること。 5.5.4. 5.5.2.及び 5.5.3.1.の寸法は、頭部後傾抑止装置とルーフの内面、窓又は車両構造の任意の

部分との間に適切な隙間をとるため、前部座席については 800mm 未満、それ以外の座席

については 750mm 未満となってもよい。ただし、当該間隙は 25mm を超えてはならず、

移動装置及び調節装置を装備する座席の場合にあっては、すべての座席位置に適用する。

さらに、上記 5.5.3.2.に対する減免措置としていかなる「使用位置」も高さ 700mm 未満に

なってはならない。 5.5.5. 5.5.2.及び 5.5.3.1.の高さの要件に対する減免措置として、後部中央の座席又は着席位置に

装着するように設計されたいかなる頭部後傾抑止装置も、高さ 700mm 未満になってはな

らない。 5.6. 頭部後傾抑止装置を取り付けることができる座席の場合にあっては、5.1.3.及び 5.4.2.の規

定を検証するものとする。 5.6.1 高さ調節式頭部後傾抑止装置の頭部がもたれ掛かる部分の高さは、6.5.により測定して

100mm 以上とする。 5.7. 高さを調節できない装置の場合にあっては、座席背もたれと頭部後傾抑止装置の間に

60mm を超える間隔があってはならない。高さ調節式頭部後傾抑止装置の場合にあっては、

低の位置における当該間隔が座席背もたれの上端から 25mm を超えてはならない。分離

式頭部後傾抑止装置を備えた高さ調節式の座席又はベンチシートの場合にあっては、本要

件は座席又はベンチシートの全ての位置について検証するものとする。 5.8. 座席背もたれと一体となった頭部後傾抑止装置の場合におけるエリアは、次のとおりとす

る。 R ポイントを通る基準線に垂直な R ポイントより上方の面と、基準線から両側 85mm 離れ

た点を通る二つの垂直縦断面の間に囲まれたエリアをいう。本エリア内では、その形状に

係わり無く、6.4.3.3.2.による追加試験の後に 5.11.の要件が満たされる場合においては、6.7.より測定して 60mm を超える距離「a」の間隔が一つ以上あってもよい。

5.9. 高さ調節式の頭部後傾抑止装置について、6.4.3.3.2.の追加試験の後に、5.11.の要件が満た

される場合にあっては、頭部後傾抑止装置に 6.7.により測定して 60mm を超える距離「a」の間隔がその形状にかかわらず一つ以上あってもよい。

5.10. 頭部後傾抑止装置の幅は、着席した乗員の頭部を適切に支えるような幅がなければならな

い。6.6.に定める手順に従って測定するとき、頭部後傾抑止装置は、それを取り付ける座席

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の垂直中心面から両側 85mm 以上にわたる範囲に及ぶものとする。 5.11. 頭部後傾抑止装置及びその取付装置は、当該頭部後傾抑止装置が許容する頭の 大後方移

動量 X が、6.4.3.に定める静的な方法で測定して、102mm 未満となるようなものであるこ

と。 5.12. 頭部後傾抑止装置及びその取付装置は、6.4.3.6.に定める負荷に破損なく耐えるに十分な強

度を有するものとする。座席背もたれと一体化した頭部後傾抑止装置の場合にあっては、

本項の要件は R ポイントから 540mm にある基準線に垂直な面より上に位置する部分に適

用すること。 5.13. 調節式の頭部後傾抑止装置の場合にあっては、ユーザーの故意の動作によって 大作動高

さを超えて高くすることが可能であってはならない。 5.14. 座席背もたれ及びそのロック装置の強度は、6.4.3.6.に基づく試験後に座席又は座席背もた

れの破損が生じていなければ、6.2.に定める要件に適合するものとし、この場合以外にあっ

ては、座席が 6.2.に定める試験要件に適合できることを証明すること。 5.15. 移動する荷物からの乗員保護に関する特別要件 5.15.1. 座席背もたれ

手荷物室の前方の境界を構成するような位置にある座席背もたれ及び頭部後傾抑止装置は、

全ての座席について自動車製作者等が指定する通常の適切な使用位置としたとき、前面衝

突時等によって移動する手荷物等から乗車人員を保護するに必要な強度を有するものとす

る。附則 9 に示す試験中及び試験後において、座席背もたれが所定の位置、かつ、ロック

機構が定位置に留まっているものは要件に適合するものとみなす。ただし、試験中、座席

背もたれ及び当該固定具の変形は許容されるが、試験を対象とする座席背もたれ及び頭部

後傾抑止装置において、硬度 50 ショア(A)を超える前部外形部分が、(a)、(b)を通過する

垂直横断面より前に移動しないものとする。 (a) 頭部後傾抑止装置は、当該座席のRポイントより 150mm 前方の点とする。 (b) 座席背もたれは、当該座席のRポイントより 100mm 前方の点とする。 ただし、試験ブロックのリバウンド段階には適用しない。

一体式頭部後傾抑止装置は、頭部後傾抑止装置と座席背もたれとの境界をRポイントから

540mm の基準線に対して垂直となる平面によって求めるものとする。 全ての測定は、手荷物室の前方境界をなす各着席位置に対応する座席又は着席位置の中央

縦断面において求めるものとする。 附則 9に示す試験に用いる試験ブロックは、当該座席背もたれの後ろに留まるものとする。 5.15.2. 仕切り機構

自動車製作者等の要求により、特定の車両型式に対して仕切りシステムが標準装備されて

いる場合、附則 9 に示す試験はその仕切りシステムを装着して実施することができる。仕

切りシステム(通常の使用位置に設定した座席背もたれの上方に位置する弾力性を有する

網等)は、附則 9、2.2.に従った試験を実施するものとする。 この要件は、試験中、仕切りシステムが定位置に留まっていれば、要件に適合するものと

みなす。なお、試験中に当該仕切りシステムが変形することは許されるが、仕切りシステ

ム(試験の対象となる座席背もたれ及び頭部後傾抑止装置の部分を含む。)の硬度 50 ショ

ア(A)を超える前部外形部分が (a)、(b)を通過する垂直横断面よりも前に移動してはなら

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ない。 (a) 頭部後傾抑止装置は、当該座席のRポイントより 150mm 前方の点とする。 (b) 座席背もたれ及び仕切りシステムの部分(頭部後傾抑止装置を除く。)は、当該座席のR

ポイントより 100mm 前方の点とする。 一体式頭部後傾抑止装置の頭部後傾抑止装置と座席背もたれとの境界は、3.3.1.によるもの

とする。 全ての測定は、手荷物室の前方境界をなす各着席位置に対応する座席又は着席位置の中央

縦断面において求めるものとする。 試験後、乗車人員に危害を与えるおそれが生じるような鋭利な端部や突起がないものとす

る。 5.15.3. 3.3.1.及び 3.3.2.に定める要件は、衝撃時等において自動的に作動する手荷物保持システム

には適用しないものとする。ただし、当該システムを備えるものにあっては、自動車製作

者等は、その機能が 3.3.1.及び 3.3.2.に定める要件と同等であることを技術機関が満足する

ように証明しなければならない。 6. 試験 6.1. 全ての試験に適用する一般仕様 6.1.1. 調節機構を有する座席背もたれは、自動車製作者等が特に指定しなければ、附則 3 に定め

る3Dマネキンのトルソレファレンスラインを垂直位置から後方に、可能な限り 25°傾斜さ

せた位置となるよう座席背もたれを固定するものとする。 6.1.2. 座席及び座席のロック機構が当該自動車の別の位置に装着されている座席と同一又は対称

となっているものにあっては、一つの座席について試験を実施することができるものとす

る。 6.1.3. 調節式頭部後傾抑止装置付き座席の試験は、頭部後傾抑止装置の当該調節機構を も不利

な位置(一般には 高の位置)として実施するものとする。 6.2. 座席背もたれ及びその調節機構の強度試験 6.2.1. R ポイントの回りに 53daNm のモーメントを生成する方向に負荷を、本規則の附則 3 に

示す三次元マネキンのバックパンを通して座席背もたれフレームの上部に後方に向けてか

ける。ベンチシートの場合、支持フレーム(頭部後傾抑止装置のフレームも含む)の一部

又は全部が二つ以上の着席位置に共通なときは、試験はこれらの全ての着席位置に対して

同時に実施するものとする。 6.3. 座席取付装置、調節機構、ロック機構及び移動機構の強度試験 6.3.1. 前面衝突を模擬して、車両全体に水平前方向に附則 7 の 1.に定める要件に従って 30ms の

間 20G 以上の減速度を、又は申請者が選択すれば加速度を加えるものとする。また、自動

車製作者等の要求により、附則 9の 付録に示す時間波形を代替として用いることもできる。 6.3.2. 後面衝突時を模擬して、後方向への減速度を、又は申請者が選択すれば 6.3.1 の要件に準拠

した加速度を加えるものとする。 6.3.3. 6.3.1.及び 6.3.2.に定める要件は、全ての座席位置において適合するものとする。高さの調

節機構を有する頭部後傾抑止装置を備えた座席の試験は、頭部後傾抑止装置の当該調節機

構を も不利な位置(一般には 高の位置)として実施するものとする。なお、座席は、

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試験の間、外部要因によってロック機構の解放を妨げるような位置にないものとする。 座席を以下の位置に調節した後に試験を実施する場合は、上記条件に適合するものとする。 前後方向の調節を通常の運転位置又は自動車製作者等が指定する使用位置の 前端からノ

ッチ一つ又は 10mm 後方に固定(独立して垂直方向の調節が可能な座席に対してはクッシ

ョンをその 高位置に置かなければならない。)した位置。 前後方向の調節を通常の運転位置又は自動車製作者等が指定する使用位置の 後端からノ

ッチ一つ又は 10mm 前方、かつ、6.3.4.に定める要件に従って固定(独立して垂直方向の調

節ができるシートに対してはクッションをその 低位置に置かなければならない。)した

位置。 6.3.4. ロック機構の配置が 6.3.3.に定める座席位置以外の位置にあるものにあって、ロック装置及

び座席取付装置に作用する力の分布が 6.3.3.に定める配置のいずれよりも不利となるもの

は、試験をより不利な座席位置において実施するものとする。 6.3.5. 6.3.1.に定める試験要件は、自動車製作者等の要求により附則 7 の 2.に定める走行可能な完

成自動車の対リジッドバリヤ衝突試験に置き換えるものであってもよい。この場合、座席

を 6.1.1.、6.3.3 及び 6.3.4.に定めるとおり取付装置の応力分布が も不利な条件となるよ

うな位置に調整しなければならない。 6.4. 頭部後傾抑止装置の性能試験 6.4.1. 調節式頭部後傾抑止装置の場合には、その調節機構が許す限り も不利な位置(一般には

高位置)に置くものとする。 6.4.2. ベンチシー卜の場合には、支持フレームの一部又は全部(頭部後傾抑止装置の支持フレー

ムも含む)が二つ以上の着席位置に共通なときは、それら全ての着席位置について試験を

同時に行うものとする。 6.4.3. 試験 6.4.3.1. 全ての測線は、レファレンスラインの投影線を含め、当該座席又は着座位置の垂直中心面

上に描くものとする(本規則の附則 5 参照)。 6.4.3.2. R ポイントまわりに 373Nm のモ一メン卜が生じるような荷重を、附則 3 に定める人体模型

の背面を模擬した部品を介して後方に加えることによって補正レファレンスラインを決定

する。 6.4.3.3. 基準線を、6.4.3.2.に従って求めた補正レファレンスラインの位置から、直径 165mm の球

形のヘッドフォームにより、R ポイントまわりに 37.3daNm のモーメン卜を生みだす初期

負荷を、頭部後傾抑止装置の上端から 65mm 下方の距離で、変位した基準線に対して直角

に加える。 6.4.3.3.1. ギャップがあるため頭部後傾抑止装置の上端から 65mm の位置に 4.4.3.に示す荷重を加え

ることができないものにあっては、荷重を加える位置は当該ギャップに も近いフレーム

部の中心線をとおる位置となるように距離を短縮してもよい。 6.4.3.3.2. 5.8.及び 5.9.の場合は、直径 165mm の球を使用して各間隔に基準線に平行な横断面にそっ

て、間隔の断面の 小部の重心を通り、かつ R ポイントの回りに 37.3daNm のモーメント

を生成する力をかけて試験を繰り返すものとする。 6.4.3.4. 補正トルソラインに平行で球形ヘッドフォームに接する接線 Y を求める。 6.4.3.5. 接線 Y と補正トルソラインとの間の 5.11.の距離 X を測定する。

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6.4.3.6. 頭部後傾抑止装置の有効性を確認するため、座席又は座席背もたれの破損が先に発生しな

い限り、6.4.3.3.及び 6.4.3.3.2.に定めた初期負荷を 89daN まで増加する。 6.5. 頭部後傾抑止装置の高さの決定 6.5.1. 全ての測線は、基準線の投影線を含め、当該座席又は着席位置の垂直中心面上に引くもの

とする。その面と座席との交線によって頭部後傾抑止装置と座席背もたれの外郭線が画定

する(本規則の附則 4 の図 1 参照)。 6.5.2. 本規則の附則 3 に記載する三次元マネキンを座席の上の通常の位置に置く。 6.5.3. 附則 3 に示す三次元マネキンの基準線の投影線を、6.4.3.1.に基づき座席上に引く。頭部後

傾抑止装置の上端の接線 S を基準線に直角に引く。 6.5.4. R ポイントから接線 S への距離 h が、5.5.に規定する高さとなる。 6.6. 頭部後傾抑止装置の幅の決定(本規則の附則 4、図 2 参照) 6.6.1. 頭部後継抑止装置の幅は、6.5.3.に示す基準線に直角な接線 S の 65mm 下方に位置する面

S1 によって、外郭線 C を区画する断面を頭部後継抑止装置内に画定する。 6.6.2. 5.10.に規定する頭部後継抑止装置の幅は、面 S1 に投影する平面 P と P'間との測定距離 L

とする。 6.6.3. 頭部後傾抑止装置の幅は、必要に応じ座席の R ポイント上の基準線より 635mm 上方の位

置においても測定しなければならない。この測定距離は基準線に沿って測定するものとす

る。 6.7. 頭部後傾抑止装置のギャップ距離 a の測定方法(本規則の附則 8 参照) 6.7.1. 距離 a は、直径 165mm の球体により、頭部後傾抑止装置の前面に対して各ギャップ毎に

測定するものとする。 6.7.2. 球体はギャップ内の当該球体が も入り込む部分に負荷を与えることなく接触させるもの

とする。 6.7.3. 球体とギャップが接触する2点間の距離が 5.8.及び 5.9.に規定するギャップ距離 a となる。 6.8. 座席背もたれ及び頭部後傾抑止装置の衝撃吸収試験 6.8.1. 試験の対象となる座席の後面は、自動車に座席を備え付けた状態において、以下に定義す

るエリア内に直径 165mm の球体が接触する部分とする。 6.8.1.1. エリア 1 6.8.1.1.1. 頭部後傾抑止装置を備えないセパレート座席のエリア1は、座席の縦中心面の両側 100mm

に位置する縦垂直面の間とし、シートバックの上端から 100mm 下方においてレファレン

スラインに直角な座席背もたれの後面を含む上方にあるものとする。 6.8.1.1.2. 頭部後傾抑止装置を備えないベンチシートのエリアは、自動車製作者等が指定する外側設

計着座位置の各々の縦中心面の両側 100mm に位置する縦垂直面の間とし、座席背もたれ

の上端から 100mm 下方においてレファレンスラインに直角な座席背もたれの面より上方

にあるものとする。 6.8.1.1.3. 頭部後傾抑止装置を備えるセパレート座席又はベンチシートのエリアは、当該座席又は着

席位置の縦中心面の両側に 70mm 離れた位置にある縦垂直面の間で、R ポイントから基準

線に沿って 635mm 上方ある、基準線に垂直な面の上方のエリアをいう。試験の場合には、

頭部後傾抑止装置は、調節できるならば調節機構の許す限り も不利な位置(一般には

高位置)に置くものとする。

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6.8.1.2. エリア 2 6.8.1.2.1. 頭部後傾抑止装置無しの座席又はベンチシート、及び取り外し式又は分離式頭部後傾抑止

装置付き座席又はベンチシートの場合には、エリア 2 は座席背もたれの上端から 100mm下方の基準線に垂直な面の上方で、エリア 1 の範囲をのぞくものとする。

6.8.1.2.2. 一体式頭部後傾抑止装置付き座席又はベンチシートの場合、エリア 2 は当該座席又は着席

位置の R ポイントから 440mm 離れた基準線に垂直な面の上方で、エリア 1 の部分以外に

あるものとする。 6.8.1.3. エリア 3 6.8.1.3.1. エリア 3 はセパレート座席又はベンチシートの後面とし、エリア 1 及びエリア 2 を除く

5.1.4.1.3.に定める水平面より上方に位置する部分とする。 6.9. 同等の試験方法

6.2.、6.3.、6.4.及び附則 6 で定める方法以外の試験方法を用いる場合にはその同等性を証

明すること。 7. 生産の適合性 生産の適合性に係る手続きは、協定の付録 2(E/ECE/324-E/ECE/TRANS/505/Rev.2)に

定める要件及び 7.1.から 7.2.までに規定する要件に適合しなければならない。 7.1. 本規則に基づき認可された全ての車両は上記 5.に定めた要件に適合することによって、認

可された型式に適合するように製造しなければならない。ただし、2.12.2. 及び 2.12.3.に定

めた頭部後傾抑止装置の場合には、当該車両が頭部後傾抑止装置無しの座席を装備して販

売されるとしても、その車両が認可された車両型式に適合しているものとする。 7.2. 型式認可を行った行政官庁は、各生産施設において用いられている生産の適合性に関する

管理方法を随時確認することができる。行政官庁は量産車両で 5.に定めた要件に関して抜

取検査を実施することができる。 8. 生産の不適合に対する罰則 8.1. 本規則に基づく車両型式に関する認可は、7.1.に定める要件に適合しない場合、又は車両が

7.に定める検査に適合しない場合には、取り消すことができる。 8.2. 本規則を適用する協定締約国は、既に行われた認可を取り消す場合には、本規則の附則 1

の様式により、本規則を適用する他の締約国に対して通知するものとする。 9. 座席、座席取付装置、又は頭部後傾抑止装置に関する車両型式の変更及び認可の拡大 9.1. 座席、座席取付装置、又は頭部後傾抑止装置に関する車両型式の変更は全て、当該車両型

式を認可した行政官庁に届出しなければならない。行政官庁は以下に規定するいずれかの

措置を行うことものとする。 9.1.1. 実施された変更が安全上著しい悪影響を与えるおそれがない場合には、車両が引き続き要

件に適合すると判断を下すものとする。 9.1.2. 当該変更が、変更前の 6.2.、6.3.に定めた試験方法により得られた結果に基づき計算結果に

よって適合性を判断できる場合は試験を実施しない。 9.1.3. 試験の実施を担当する試験機関に、追加試験成績書を要求する。

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9.2. 認可又は認可の拒否は、4.3.に定めた手順により本規則を適用している他の協定締約国に通

知するものとする。 9.3. 認可の拡大を行う政官庁は、当該拡大に対して通し番号を割り当てるとともに、本規則の

附則 1 の様式により、本規則を適用する 1958 年協定締約国に当該拡大を通知するものとす

る。 10. 生産の中止 10.1. 認可を受けた者は、本規則に基づき認可された装置の生産を中止する場合には、認可を行

った行政官庁に対してその旨を届出しなければならない。届出を受けた行政官庁は本規則

の附則 1 の様式により、本規則を適用する他の 1958 年協定締約国に通知するものとする。 11. 使用説明書 11.1. 調節式頭部後傾抑止装置を取り付けた座席については、製作者は操作、調節、ロックの方

法、及び該当する場合は取り外す方法について説明書を提供しなければならない。 12. 認可試験の実施を担当する試験機関及び行政官庁の名称と所在地 本規則を適用する協定締約国は、国連事務局に対して、認可試験を実施する試験機関及び

型式認可を行い、他国で行われた認可、認可の拡大、認可の拒否又は認可の取消に係る通

知書類の送付先となる行政官庁の名称及び所在地を通知するものとする。 13. 過渡規定 13.1. 本規則の第 6 改訂版の公式発効日から、本規則を適用する協定締約国は第 6 改訂版により

修正された本規則に基づいて ECE 認可を付与することを拒否してはならない。 13.2. 1999 年 10 月 1 日から、本規則を適用する協定締約国は第 6 改訂版により修正された本規

則の要件が満たされている場合に限り ECE 認可を付与するものとする。 13.3. 2001 年 10 月 1 日から、本規則を適用する協定締約国は本規則の第 6 改訂版に従って付与

されたものでない認可を承認することを拒否することができる。 13.4. 第 7 改訂版の正式な発効日から、本規則を適用する協定締結国は、第 7 改訂版で修正され

た本規則に基づいて ECE 認可を付与することを拒否してはならない。 13.5. 第 7 改訂版の発効日の 24 ヶ月後から、本規則を適用する協定締結国は、認可すべき車両型

式が、第 7 改訂版で修正された本規則の要件に適合する場合に限り ECE 認可を付与するも

のとする。 13.6. 第 7 改訂版の発効日の 48 ヶ月後から、本規則に基づく既存の認可は、第 7 改訂版で修正さ

れた本規則の要件に適合する車両型式の場合を除いて、失効するものとする。

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附則 1 通知

( 大 A4 判(210 × 297mm))

発行:行政官庁名: ..............................

協定規

とがで

置の強

認可 認可の拡

認可の拒

認可の取

生産の中

について

認可番号

1. 車両

2. 車両

3. 自動

4. 該当

5. 座席

6. 調節

7. 座席

8. 座席

9. 試験

10. 装置

11. 認可

12. 認可

13. 試験

14. 試験

15. 備考

16. 認可

..............................

..............................

則第 17 号に基づく頭部後傾抑止装置を取り付けた座席又は頭部後傾抑止装置を取り付けるこ

きる座席若しくは頭部後傾抑止装置を取り付けることができない座席の座席及び座席取付装

度並びに頭部後傾抑止装置の特性に関する車両型式の

大 否 消し 止 2/

................. 変更承認番号 ................. の商号又は商標 型式 車製作者等の名称及び所在地 する場合、自動車製作者等の代理人の名称及び所在地 の説明 式又は非調節式頭部後傾抑止装置を取り付けるた又は取り付けることができる座席の数 の調節、移動及びロック機構又はその部品の説明及び荷物の移動に対する乗員保護機構の説明 取付装置の説明 中の座席の縦方向位置 の種類:減速又は加速 2/

のための車両提供日 試験の実施を担当する試験機関 成績書発行日 成績書番号 /認可の拒否/認可の拡大/認可の取消2/

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17. 認可の拡大の理由(該当する場合) 18. 認可マークの位置 19. 場所 20. 日付 21. 署名 22. 上記認可番号を記載した下記の文書を本通知に添付する。 ... 座席、車両上の座席取付装置、座席とその部品の調節及び移動機構、ロック装置及び荷物の移動に

対する追加乗員保護機構の図面、略図及び設計図、 ... 座席、座席取付装置、座席とその部品の調節及び移動機構、ロック装置及び荷物の移動に対する追

加乗員保護機構の写真 注記:本規則の 2.12.2.及び 2.12.3.に定めた頭部後傾抑止装置を取り付けた座席の場合には、当該頭

部後傾抑止装置をすべての図面、略図及び写真上に示さなければならない。

1/ 認可、認可の拡大、認可の拒否又は認可の取消を行った国の識別番号(本規則の認可規定参照)。 2/ 該当しないものを抹消する。

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附則 2

認可マークの配置

モデル A (本規則の 4.4.、4.4.1.、4.4.2.及び 4.4.3.参照)

頭部後傾抑止装置を取り付けた又は取り付けることができる座席を少なくとも一つ装備した車両

07時

a = 小 8mm

両に貼付する上記の認可マークは、頭部後傾抑止装置を取り付けた又は取り付けることができる座

の強度及び頭部後傾抑止装置の特性に関して、協定規則第 17 号 に基づき、認可番号 072439 とし

オランダ(E4) で認可されたことを示す。認可番号の 初の 2 桁は、当該規則が認可時点で第 7 改

版を盛り込んでいることを示す。上記認可マークはまた当該車両型式が、頭部後傾抑止装置を取り

けない、又は取り付けることができない座席の車両上の強度に関して協定規則第 17 号に基づき認

されたことを示す。

モデル B (本規則の 4.4.、4.4.1.及び 4.4.2.参照)

頭部後傾抑止装置を取り付けない、又は取り付けることができない座席を装備した車両

a = 小 8mm

両に貼付する上記の認可マークは、頭部後傾抑止装置を取り付けない又は取り付けることができな

座席が装備され、座席及び座席取付装置の強度に関して、協定規則第 17 号に基づき、認可番号

2439 としてオランダ(E4) で認可されたことを示す。認可番号の 初の 2 桁は、当該規則が認可

点で第 7 改訂版を盛り込んでいたことを示す。

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モデル C (本規則の 4.5.参照)

頭部後傾抑止装置を取り付けた又は取り付けることができる座席を少なくとも一つ装備した車両

a = 小 8mm

車両に貼付する上記の認可マークは、頭部後傾抑止装置を取り付けた又は取り付けることができる座

席を少なくとも一つ持ち、規則第 17 号及び第 33 号 1/ に基づき、オランダ(E4) で認可されたことを

示す。認可番号は、認可が行われた時点において、協定規則第 17 号は第 7 改訂版を盛り込んでいる

が、規則第 33 号は初版のものであったことを示す。上記の認可マークは頭部後傾抑止装置を取り付

けない又は取り付けることができない座席の車両上の強度に関して協定規則第 17 号に基づき認可さ

れたことを示す。

モデル D (本規則の 4.5.参照)

頭部後傾抑止装置を取り付けない又は取り付けることができない座席を装備した車両

a = 小 8mm

車両に貼付した上記の認可マークは、頭部後傾抑止装置を取り付けない又は取り付けることができな

い座席が装備され、協定規則第 17 号及び第 33 号1/ に基づき、当該車両型式がオランダ(E4) で認可

されたことを示す。認可番号は、認可が行われた時点において協定規則第 17 号は第 7 改訂版を盛り

込んでいるが、協定規則第 33 号は初版のものであったことを示す。 1/ 2 番目の番号は単に例として示したものである。

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附則 3 自動車の着席位置の H ポイン卜及び実卜ルソ角の決定方法

1. 目的

本附則に規定された手順は、自動車の 1 つ又はいくつかの着席位置のHポイントの位置及び

実トルソ角を確定するため並びに測定データと自動車製作者等が示す設計仕様との関係を

確認するために用いるもの。1/

1/ 三次元マネキン又は手順を用いてHポイントを決定することができない前席以外の着席位置では所轄機関の裁量によ

り、自動車製作者等が示すRポイントを基準にすることができる。

2. 定義

本附則においては 2.1. 「基準データ」とは、着座位置の次の特性の 1 つ又はいくつかをいう。 2.1.1. H ポイントと R ポイント及び両者の関係 2.1.2. 実トルソ角と設計トルソ角及び両者の関係 2.2. 「三次元マネキン」とは、H ポイントと実トルソ角を測定するために用いる装置をいう。

この装置については本附則の付録 1 に示す。 2.3. 「H ポイント」とは、本附則 4.に基づいて自動車の座席に取り付ける三次元マネキンの胴

部と大腿部の回転中心をいう。H ポイントの位置は、三次元マネキンの両側にある H ポイ

ントサイトボタンの間にある。H ポイントは理論上は R ポイントと一致する(公差につい

ては 3.2.2.参照)。本附則 4.に規定した手順に従っていったん決定された H ポイントは、

シートクッション構造との位置関係を固定したものとみなし、座席を調節するときにはそ

れと共に動くものとする。 2.4. 「R ポイント」又は「着席基準点」とは、各着座位置について自動車製作車等が定め、三

次元座標方式に基づいて決定する設計点をいう。 2.5. 「トルソライン」とは、三次元マネキンのプローブを 後方位置に置いたときのその中心

線をいう。 2.6. 「実トルソ角」とは、三次元マネキンのバック角分度器を用いて測定する H ポイントを通

る垂線とトルソラインの間の角度をいう。実トルソ角は理論上は設計トルソ角と一致する

(公差については 3.2.2.参照)。 2.7. 「設計トルソ角」とは、自動車製作車等が定める座席背もたれの設計位置にあたる位置で

測定する R ポイントを通る垂線とトルソラインの間の角度をいう。 2.8. 「乗員の中心面」(C/LO)とは、各指定着座位置に置いた三次元マネキンの中央面をいう。

これは、Y 軸上の H ポイントの座標で表す。個別座席の場合には、座席の中心面は着席者

の中心面と一致する。その他の座席の場合には、着席者の中心面は自動車製作者によって

19

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指定される。 2.9. 「三次元座標方式」とは、本附則の付録 2 に規定する方式をいう。 2.10. 「基準点マーク」とは、自動車製作者等が定める車体上の物理的な点(穴、表面、表示又

は刻み目)をいう。 2.11. 「自動車測定姿勢」とは、三次元座標方式における基準点マークの座標によって定まる自

動車の位置をいう。 3. 要件 3.1. データの提出

本要件に適合していることを実証するために基準データが必要な各着座位置については、

次のデータの全部又はそのうちの適当なものを選択して、本附則の付録 3 に示す様式で提

示するものとする。 3.1.1. 三次元座標方式に基づく R ポイントの座標 3.1.2. 設計トルソ角 3.1.3. (座席を調節できる場合)本附則 4.3.に規定された測定位置に座席を調節するのに必要な

あらゆる指示 3.2. 測定データと設計仕様書との関係 3.2.1. 本附則 4.に規定された手順によって求めた H ポイントの座標と実トルソ角を、それぞれ自

動車製作者等が定める R ポイントの座標及び設計トルソ角と比較するものとする。 3.2.2. R ポイントと H ポイントの位置関係並びに設計トルソ角の関係は、R ポイントが対角線の

交点となる、各辺が垂直又は水平な一辺 50mm の正方形内に H ポイントがあり、かつ、実

トルソ角と設計トルソ角の差が 5 度以内であれば、当該座席位置に関して満足できるもの

とする。 3.2.3. これらの条件が満たされた場合は、R ポイントと設計トルソ角が本要件に適合しているも

のとする。 3.2.4. H ポイント又は実トルソ角が本附則 3.2.2.の要件に適合しない場合には、H ポイントと実

トルソ角を 2 回(初回を含めて合計 3 回)測定する。3 回のうち 2 回の測定結果が要件を

満たすならば、本附則 3.2.3.の条件を適用する。 3.2.5. 本附則 3.2.4.に規定する 3 回の測定のうち少なくとも 2 回の測定結果が本附則 3.2.2.の要件

に適合しない場合又は自動車製作者等が R ポイントの位置若しくは設計トルソ角に関する

情報を提供しなかったために確認を行うことができない場合には、本規則で R ポイント又

は設計トルソ角に言及するときには常に測定点の図心又は 3 回の測定角の平均を使用する

ことができる。 4. H ポイントと実トルソ角の決定手順 4.1. 試験自動車は自動車製作者等の裁量により 20±10°C の温度で保持し、座席の材料が室温に

達したことを確認する。試験すべき座席に未だ誰も座ったことがなければ、70~80kg の人

又は装置を座席上に 1 分間ずつ 2 度着座させ、クッションと背もたれを馴染ませる。自動

車製作者等から要求があった場合には、三次元マネキンを取り付ける前の少なくとも 30 分

間は、全座席アッセンブリに荷重をかけないこと。

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4.2. 試験自動車は、本附則 2.11.に定める測定姿勢とする。 4.3. 調節できる座席は、 初に自動車製作者等が指定する 後方の通常の運転又は乗車位置に

調整する。その際には、通常運転又は乗車位置以外の目的のために使用する座席移動を除

いて、座席の前後方向の調節だけを考慮する。次に他の調節方法(垂直、角度、座席背も

たれ等)がある座席は、自動車製作者等が定める位置に調節する。懸架式の座席は、鉛直

位置を自動車製作者等が指定する通常の運転位置にあわせてしっかり固定する。 4.4. 三次元マネキンが接触する着座位置の範囲は、十分な大きさと適当な生地のモスリンコッ

トン(18.9 糸/cm2かつ 0.228kg/m2)又は同等の特性を持つメリヤス若しくは不織布で覆

うものとする。試験を試験自動車以外の座席で行う場合には、座席を置く床面は、その座

席を使用する予定の試験自動車の床面と同じ本質的特性2/を有するものとする。 2/ 傾斜角度、座席取り付け高さの差、表面の状態等

4.5. 三次元マネキンのシートパンとバックパンのアッセンブリを、乗員の中心面(C/LO)が三

次元マネキンの中心面と一致するように置く。三次元マネキンの位置が外側になりすぎて、

三次元マネキンが座席の端に妨げられて水平にならない場合にあっては、三次元マネキン

を乗員(C/LO)から内側に動かしてもよい。 4.6. 足部アッセンブリと下脚部アッセンブリは、個別に又は T バー・下脚部アッセンブリを使

用して座席背もたれアッセンブリに取り付ける。H ポイントサイトボタンを通る直線は地

面に対して平行で、かつ、座席の前後方向の鉛直中央面に直角でなければならない。 4.7. 三次元マネキンの足部と脚部の位置を本附則 4.7.1.から 4.7.3.までに掲げるとおり調節する。 4.7.1. 指定着座位置:運転者及び前席外側乗員席 4.7.1.1. 足部が床面上において、操縦ペダルとの間の自然な位置となるように必要に応じて、足部

アッセンブリ及び脚部アッセンブリの両方を前方に動かす。可能であれば、三次元マネキ

ンの中心面から左足までの距離と右足までの距離がほぼ同じになるようにする。三次元マ

ネキンの横方向の位置を確認する水準器は、必要ならばシートパンを再調節することによ

って又は脚部と足部のアッセンブリを後方に調節することによって水平にする。H ポイン

トサイトボタンを通る直線は座席の前後方向の鉛直中央面に対して直角を保つものとする。 4.7.1.2. 左脚を右脚と平行に保つことができず、かつ、左脚が構造物によって支えられない場合に

は、支えられるようになるまで左足を動かす。サイトボタンを一直線に保持するものとす

る。 4.7.2. 指定着席位置:車外後部 後部座席又は補助座席の場合には、脚部は自動車製作者等が定める位置に置く。その際、

両足を置いた床面に左右のレベル差がある場合には、前席に 初に接触する方の足を基準

にして他方の足を調節し、装置の座席の横方向の位置を示す水準器が水平を示すようにす

るものとする。 4.7.3. その他の指定着座位置 本附則 4.7.1.に規定した一般手順に従う。ただし、足部の位置は自動車製作者等が定めると

おり置くものとする。 4.8. 下脚部及び大腿部にウエイトを加えて、三次元マネキンを水平にする。

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4.9. バックパンをフォーワードストップまで前方に傾け、T バーを使って三次元マネキンを座

席背もたれから引き離す。本附則 4.9.1.又は 4.9.2.のいずれかの方法によって三次元マネキ

ンの位置を 調節する。 4.9.1. 三次元マネキンが(自重によって)後方に移動するようであれば、(自重による移動を支

えるための)T バー上の前方負荷が必要でなくなるまで(シートパンが座席背もたれに接

触するまで)、三次元マネキンを後方(負荷を加えないよう)に滑らせる。必要ならば下

脚部の位置を再調節する。 4.9.2. 三次元マネキンが(自重によって)後方に移動しないようであれば、T バーに水平後方負

荷を加えることにより、シートパンが座席背面に接触するまで三次元マネキンを後方にス

ライドさせる(本附則の付録 1 の図 2 を参照)。 4.10. 三次元マネキンのバックパンアッセンブリにヒップアングル分度器と T バーハウジングの

交点で 100±10N の荷重を加える。荷重を加える方向は上記の交点と大腿部バーハウジング

の真上の点のを通る直線に沿うものとする(本附則の付録 1 の図 2 を参照)。次にバック

パンを注意深く座席背もたれに戻す。残りの手順の間に、三次元マネキンが前方に移動し

ないように注意を払うこと。 4.11. 左右の H ポイントピボットに臀部ウェイトを取り付け、次にトルソウエイトハンガーへ 8

個のトルソウエイトを交互に取り付ける。三次元マネキンは水平に保つ。 4.12. バックパンを前方に傾け、座席背もたれに対する圧力を解除する。三次元マネキンを 10°

の弧を描くように(前後方向の鉛直中央面のそれぞれの側に 5°)完全に3サイクル揺すり、

三次元マネキンと座席との間に蓄積している摩擦を解除する。 揺動中に、三次元マネキンの T バーが所定の水平及び鉛直の整列状態からずれることがあ

る。したがって、揺動中は適当な側方荷重を加えて T バーを抑止しなければならない。Tバーを保持し三次元マネキンを揺動するときには、鉛直又は前後方向に不用意な外部荷重

がかからないように注意を払うこと。 この段階では、三次元マネキンの足部を抑止したり保持したりする必要はない。足部の位

置が変われば、その姿勢のままにしておくこと。 それぞれの足を交互に、それ以上動けなくなるまで 低必要高さまで床から持ち上げる。

この動作の間、両足は自由に回転できるものとし、前方又は側方への荷重をかけないもの

とする。それぞれの足を下ろした位置に戻す場合には、踵がそのために設計した構造物に

接触するものとする。 側面水準器がゼロ位置にあることを確認する。必要ならば、三次元マネキンのシートパン

が座席上で水平になるのに十分な側方荷重をバックパンの頂点に加える。 4.13. 三次元マネキンが座席クッション上を前方に移動しないようにTバーを保持しながら、次

の手順をとる。 (a) バックパンを座席背もたれに戻す。 (b) ヒップアングル分度器により荷重解除後の安定した位置が確認できるまで、トルソウエイ

トの中心とほぼ同じ高さで、バックアングルバーに 25N を超えない水平後方負荷と負荷

の開放を交互に繰り返す。外部からの下方又は側方への荷重が三次元マネキンにかからな

いように注意を払うこと。三次元マネキンの水平調節がもう1度必要ならば、バックパン

を回転させ、再度水平にしたうえで、4.12.からの手順を繰り返す。

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4.14. 4.14.1.から 4.14.2.までに掲げる測定を行なう。 4.14.1. 三次元座標方式に基づいて H ポイントの実測位置を測定する。 4.14.2. プローブを完全に後方位置にして三次元マネキンのバック各分度器で実トルソ角を読み取

る。 4.15. 三次元マネキンを取り付け直す場合には、再度取り付ける前に、少なくとも 30 分間は座席

アッセンブリに荷重をかけてはならない。三次元マネキンは、試験の実施に必要な時間よ

り長く座席アッセンブリ上で荷重がかかったままにしてはならない。 4.16. 同じ列の座席を同一の座席とみなす(ベンチシート、同一設計の座席等)場合には、各列

の座席について、1 つの H ポイントと 1 つの実トルソ角だけを測定すればよい。付録 1 に

示す三次元マネキンはその列を代表するとみなされる4.16.1.から4.16.2.までに掲げる座席

に置くものとする。 4.16.1. 前列の場合は運転者席 4.16.2. 後列の場合は外側座席

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附則 3 - 付録 1 三次元Hポイント測定装置の説明 */

(三次元マネキン)

*/ 三次元マネキンの構造の詳細については、自動車技術者協会(SAE)、400 Commonwealth Drive, Warrendale, Pennsylvania 15096, U.S.A. に問い合わせる。この装置は ISO 規格 6549-1980 に定めたものに相当する。

1. バックパン及びシートパン バックパン及びシートパンは、強化プラスチック及び金属で構成される。人体の胴部と大

腿部を模もしており、H ポイントでヒンジにより機械的に接合している。実トルソ角を測

定するために、H ポイントにヒンジにより取り付けられたプローブにより分度器を固定し

ている。シートパンに取り付けた調節可能な大腿部バーが大腿部の中心線を決定し、ヒッ

プ各分度器の基線になっている。 2. 体部と脚部の要素 下脚部分はひざ結合 T バーでシートパンアッセンブリに接続しているが、この T バーは調

節可能な大腿部バーが横方向に伸びたものである。ひざ角度を測定するために、下脚部分

に分度器が組み込まれている。靴及び足部アッセンブリにはフット角度を測定するために

目盛りを付けている。2つの水準器によってマネキンの垂直と水平方向の位置を決定する。

体部要素となる重りを該当する重心に取り付け、座席に体重 76kg の男性が着座した場合と

同等の荷重が生じるようにする。三次元マネキンの結合部はすべて著しい摩擦を生じない

で自由に動くことを確認するものとする。

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図 1 - 三次元マネキンエレメントの名称

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図 2 - 三次元マネキンエレメントの寸法及び負荷配分(単位:mm)

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附則 3 - 付録 2 三次元座標方式

1. 三次元座標方式は、自動車製作者等が定める直交する 3 つの平面によって規定される(図

を参照)。*/

*/ この座標方式は、ISO規格 4130:1978 に相当する。 2. 自動車の測定姿勢は、基準点マークの座標が自動車製作者等が定める値と一致するように

自動車を接地面に置くことによって決まる。 3. R ポイント及び H ポイントの座標は、自動車製作者が定める基準点マークに基づいて決ま

る。

図- 三次元基準システム

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附則 3 - 付録 3 着席位置に関する基準データ

1. 基準データのコード化 基準データは、各着席位置について一貫した記載を行う。着席位置は 2 桁の記号で識別す

る。第1桁はアラビア数字で座席の列を表示し、自動車の前から後へ数える。第 2 桁は大

文字で、自動車の前進方向における列中の着座位置の所在を表し、次の文字を使用するも

のとする。 L = 左側 C = 中央 R = 右側

2. 自動車測定姿勢の記載 2.1. 基準点マークの座標

X ......................... Y ......................... Z .........................

3. 基準データの一覧表 3.1. 着席位置: ......................... 3.1.1. R ポイントの座標

X ......................... Y ......................... Z .........................

3.1.2. 設計卜ルソ角 ......................... 3.1.3. 座席調節の仕様*/

水平方向: ......................... 垂直方向: ......................... 角度: ................................. 卜ルソ角: .........................

注記: 3.2.及び 3.3.等の項目で後続着席位置に関する基準データを記載する。 ____________ */ 該当しないものは抹消する。

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附則 4 頭部後傾抑止装置の高さ及び幅の決定

図 1

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図 2

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附則 5

試験中に行う線と測定の詳細 1. 2a.

2b.

3.

初の無負荷位置 マネキンの背にRポイントを中心に 373Nmのモーメントを加えることによって移動した位置。

これにより、移動した基準線 r1 の位置が画定。 基準線 r1 を保持しながら、165mm の球に力 F を加え R ポイントを中心に 373Nm のモーメ

ントを生じることによって移動した位置。 力 F を 890N まで増すことにより移動した後の位置。

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附則 6 衝撃吸収試験手順

1. 取り付け、試験装置、記録装置及び手順 1.1. 取り付け

座席等の固定方法は、自動車に装着される方法と同様に、自動車製作者等から提供される

取付部品により試験ベンチに固定するものとする。 調節機構を備える座席背もたれは、6.1.1.に規定する位置にロックするものとする。 頭部後傾抑止装置を備える座席は、頭部後傾抑止装置を自動車に装着されている位置と相

違なく座席背もたれに装着するものとする。 分離式の頭部後傾抑止装置は、自動車に装着されている部分に相違なく固定するものとす

る。 高さの調節機構を有する頭部後傾抑止装置は、調節機構が許容する範囲内で も不利な位

置にセットするものとする。 1.2. 試験装置 1.2.1. 試験装置は、ボールベアリングで支えられた軸を持つ衝撃中心での換算質量*/が 6.8kgの振

り子で構成されている。振り子の 下端部は、直径 165mmの頭部剛体模型から構成され、

その頭部模型の中心は振り子の衝撃中心と一致する。

*/ 振り子の換算質量「mr」と振り子の全質量「m」との関係は、衝撃中心と回転軸間の距離「a」及び重心と回転軸間の距

離「1」において、次の公式で与えられる。

a1mmr =

1.2.2. 頭部模型には、衝撃方向の値を測定できる二個の加速度計及び一個の速度測定装置を装着

するものとする。 1.3. 記録計

測定装置は以下による精度を有する記録計を用いるものとする。 1.3.1. 加速度

加速度計の精度は、測定値の±5%とする。 データチャンネルの周波数クラスは、ISO 6487(1980)の特性に相当する CFC 600 とする。 直交軸感度は、 小スケールにおいて 5%以下とする。

1.3.2. 速度 速度計の精度は、測定値の±2.5%とする。 測定感度は、0.5km/h の単位により計測できること。

1.3.3. 時間の記録 計測設備は実行された計測を継続時間全体にわたり記録できるものとし、1/1,000 秒以内

の精度で読み取ることができるものでなければならない。 頭部模型と試験品とが接触する 初の衝撃時点から、試験解析に用いる記録チャート上で

確認できなければならない。

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1.4. 試験手順 1.4.1. 座席背もたれ上の試験

座席を本附則の 1.1.に示したように取り付け、後方から前方に向けた衝撃方向を縦断面上

で垂直から 45°の角度にする。衝撃点は、本規則の 6.8.1.1.に定めたエリア 1 内、又は必要

に応じ本規則の 6.8.1.2.に定めたエリア 2 内の、曲率半径が 5mm 未満の表面上で、試験機

関が選択するものとする。 1.4.2. 頭部後傾抑止装置上の試験

頭部後傾抑止装置を本附則の 1.1.に示したように取り付け、調節する。衝撃は、本規則の

6.8.1.1.に定めたエリア 1 内の、又は必要に応じ本規則の 6.8.1.2.に定めたエリア 2 内曲率

半径が、5mm 未満の表面上で試験機関が選択した点に加えるものとする。 1.4.2.1. 後面の場合には、後方から前方への衝撃の方向は、縦断面上で垂直から 45°の角度にする。 1.4.2.2. 前面の場合には、前方から後方への衝撃の方向は、縦断面上で水平とする。 1.4.2.3. 前面範囲及び後面範囲はそれぞれ、本規則の 6.5.で定めた頭部後掲抑止装置の上端に接す

る水平面を境界とする。 1.4.3. 衝撃点には頭部模型を用い 24.1km/h 以上の速度で衝撃を加えるものとする。この速度は推

進エネルギ又は補助推進装置を用い発生させるものとする。 2. 結果

減速度は 2 個の加速度計の測定値の平均とする。 3. 同等手順(本規則の 6.9.参照) ________________

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附則 7 座席取付装置並びに座席の調節、移動及びロック機構の強度試験

1. 耐慣性力試験 1.1. 試験座席は、装着を対象とする自動車の車体に固定しなければならない。

車体は、以下に規定する試験用台車上に固定するものとする。 1.2. 試験用台車への車体の固定方法は座席取付装置を補強するものとなってはならない。 1.3. 座席及び座席に係る部品は 6.1.1.の規定によるものとし、かつ、6.3.3.又は 6.3.4.に示す位

置に調節し固定する。 1.4. 試験の対象とされるグループの座席については、座席の構造、形状、寸法、材料(座席は表

皮及び色は異なっていてもよい。)及び質量(座席型式の質量の5%を超えない場合は同一

座席とみなす。)が基本的に相違しなければ 6.3.1.及び 6.3.2.に規定する試験を1つの座席

を当該座席の 前端位置に、他の座席を当該座席の 後端位置にセットして実施してもよ

い。 1.5. 台車の減速度又は加速度は、国際規格 ISO 6487(2002)の特性に相当する周波数クラス

(CFC)60 のデータチャンネルを用いて測定する。 2. リジッドバリア衝突試験 2.1. バリアの幅は 3m以上、高さ 1.5m以上、厚さ 0.6m以上の強化コンクリートのブロックで

構成しなければならない。前面は助走走行路の 終部分に垂直であり、バリアの前面には

厚さ 19±1mm のベニヤ板を取り付けられているものであること。 強化コンクリートのブロックには、90t以上の土を当該ブロックの背後に押し固めておか

なければならない。強化コンクリートのバリア及び土は、同等の結果をもたらすものであ

るならば、同じ前面をもつ障害物に置き換えてもよい。 2.2. 衝突の瞬間、車両が自由走行をしなければならない。衝突壁に垂直なコース上を走って障

害物に達しなければならない。車両の前面の垂直中心線と衝突壁の垂直中心線の間で許容

される水平方向の 大ズレは±30cm とする。衝突の瞬間において車両は追加されたステア

リング装置又は推進装置の作動を受けてはならない。衝突時の速度は 48.3km/h ~53.1km/h でなければならない。

2.3. 燃料供給機構はその容量の少なくとも 90%まで燃料又は同等の液体で満たさなければなら

ない。

________________

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附則 8 頭部後傾抑止装置間隔の寸法「a」の決定

注記:断面 A - A は、間隔エリアのうち負荷をかけずに球が も中に入る点でとる。

図 1:水平間隔の例 注記:断面 A - A は、間隔エリアのうち負荷をかけずに球が も中に入る点でとる。

図 2:垂直間隔の例

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附則 9 荷物の移動に対する乗員保護のための装置の試験方法

1. 試験ブロック

試験ブロックは、慣性中心が幾何学的中心にある剛体とする。 タイプ 1 寸法: 300mm × 300mm × 300mm 全ての端末及び角部の曲率半径は 20mm であること。 質量: 18kg タイプ 2 寸法: 500mm × 350mm × 125mm 全ての端末及び角部の曲率半径は 20mm であること。 質量: 10kg 2. 試験準備 2.1. 座席背もたれの試験(図 1 参照) 2.1.1. 一般要件 2.1.1.1. 自動車製作者等が選択すれば、硬度 50 ショア(A)未満の部分を試験対象座席及び頭部後傾

抑止装置から取り外して試験を実施できる。 2.1.1.2. 二個のタイプ 1 の試験ブロックを手荷物室の床上に置くものとする。 試験ブロックの縦方向の位置を決定するため、その前面が手荷物室の前方境界を成す車両

部分と接するようにその下面を手荷物室の床上に据える。 車両の縦中心面に対し鉛直後方に剛体中心を 200mm 水平に移動させる。 手荷物室の寸法によって 200mm の移動距離がなく、かつ、後部座席が水平に調節できる

座席は、通常の乗員が使用するための調節範囲の限界又は 200mm のいずれか小さい距離

まで前方に移動させる。 上記以外の場合は、試験ブロックを後部座席の後方に極力離して据えるものとする。 車両の縦中心面に対し各試験ブロックの距離は 25mm、両ブロック間の距離は 50mm とす

る。 2.1.1.3. 試験中、座席はロック機構が外的要因で解除しないように調節する。 調節機構を有する座席は次のように調節する。 前後方向の調節を有するものは、自動車製作者等が指定する使用可能な 後方位置の 1 ノ

ッチ又は 10mm 前に固定する。(独立して上下調節ができる座席は、クッションをその

低位置とする。)。 また、座席背もたれを通常の使用位置にして試験を実施する。 2.1.1.4. 高さの調節機構を有する頭部後傾抑止装置を備えた座席背もたれは、頭部後傾抑止装置を

高位置にして試験を実施する。 2.1.1.5. 後部座席の背もたれが折畳みできる場合は、標準装備のロック機構によって通常の位置に

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セットしなければならない。 2.1.1.6. 後方にタイプ 1 のブロックを据えることができない座席は本試験から除外する。

2.2.

2.

2.

2.2.

図 1:後部座席背もたれ試験前の試験ブロック位置

1.2. 2列を超える座席列を有する自動車 1.2.1. 座席の 後列を、荷物室面積を増大するためにユーザーが製作者の取扱説明書に従って取

外し又は折畳みできる場合には、その 後列の直前にある座席列も試験すること。 1.2.2. ただし、この場合、座席及びその付属部品の設計が近似していて、かつ 200mm の試験要

件を満足するものは、試験機関は製作者の意見を聞いた上で、2 つの 後列座席のうち 1 つを試験しないよう決定することができる。

1.3. 1 つのタイプ 1 ブロックが座席の間を通り抜けることができるような隙間がある場合、試

験負荷(タイプ 1 ブロック 2 個)を、試験機関と製作者の合意の後、座席の背後に据える

ものとする。 1.4. 正確な試験配置を試験レポートに記載するものとする。 2. 仕切り機構の試験

座席背もたれの上方にある仕切り機構の試験の場合には、車両に、境界となる座席背もた

れ(頭部後傾抑止装置は考慮しない)の上端とルーフ内張りの底面の間の中央に試験ブロ

ックの重心が来るような負荷面をもつ、高い位置に固定した試験用床面を車両に取付ける

ものとする。タイプ 2 のブロック 1 個を車両の縦軸に関して中央になるように、かつその

500×125mm の面を前方に向けて、500 × 350mm の面を当該床面上に置く。後方にタイ

プ 2 の試験ブロックを据えることのできない仕切り機構は本試験から除外される。試験ブ

ロックは直接仕切り機構と接して置くものとする。更に、座席背もたれ上の試験を同時に

実施するために 2 つのタイプ 1 試験ブロックを、2.1.に従って配置する(図 2 参照)。

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図 2:座席背もたれ上方の仕切り機構の試験 2.2.1. 高さの調節機構を有する頭部後傾抑止装置を備える座席背もたれは、頭部後傾抑止装置を

高位置にセットして試験を実施する。 3. 荷物抑止機構として用いられる座席背もたれ及び仕切り機構の動的試験 3.1. 乗用車の車体を試験スレッドに確実に固定し、かつその取り付け装置は座席背もたれと仕

切り機構の補強の役割を果さないものとする。2.1.又は 2.2.に説明した試験ブロックの取り

付け後、乗用車の車体を減速するか、又は申請者が選択すれば加速することにより、その

曲線が附則 9 の付録のグラフの領域内に納まり、かつ総速度変化 ∆V(衝突の瞬間の車体の

自由走行速度)が 50 +0/-2 km/h の範囲になるようにする。製作者が合意すれば、6.3.1.による座席強度試験を実施するために上述した試験パルス範囲を代替使用することもでき

る。

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附則 9 ― 付録

時間関数としてのスレッド減速度又は加速度コリドー (前面衝突の模擬)

G

のレベル

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