臓器移植における現状と課題について...本年度は、平成9年10月16日に施行された臓器の移植に関する法律(臓器移植法)の施行20周年となる。本年10...

12
臓器移植における現状と課題について 1 46 回臓器移植委員会 平成29年4月26日 資料2

Upload: others

Post on 27-Mar-2020

0 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 臓器移植における現状と課題について...本年度は、平成9年10月16日に施行された臓器の移植に関する法律(臓器移植法)の施行20周年となる。本年10

臓器移植における現状と課題について

1

第46回臓器移植委員会平 成 2 9 年 4 月 2 6 日

資料2

Page 2: 臓器移植における現状と課題について...本年度は、平成9年10月16日に施行された臓器の移植に関する法律(臓器移植法)の施行20周年となる。本年10

0 04 5 8 6 3 5

9 10 13 137 4

10 1118

1320

121 1

2

2

4

2

28

33 33

27 35

3450

0

10

20

30

40

50

60

70

脳死下での臓器提供者数の推移(年別)

○ 平成9年10月(法施行)~平成28年12月31日現在 累計 423例○ 改正法施行(平成22年7月)後 337例 (うち家族承諾 252例)

本人の意思表示による臓器提供

家族承諾による臓器提供

小児(15歳未満)

家族承諾による臓器提供

※平成28年12月31日現在

Page 3: 臓器移植における現状と課題について...本年度は、平成9年10月16日に施行された臓器の移植に関する法律(臓器移植法)の施行20周年となる。本年10

脳死(提供可能臓器) 心臓、肺、肝臓、膵臓、腎臓、小腸、眼球(角膜)

心停止(提供可能臓器) 膵臓、腎臓、眼球(角膜)

平成9年10月(法施行)~平成28年12月31日までの脳死下臓器提供事例 423例平成22年の改正臓器移植法施行後の脳死下臓器提供事例 337例うち ・本人意思が不明で家族同意のみで臓器提供に至った事例・・・ 252例

・15歳未満の臓器提供事例・・・ 12例

臓器提供の件数の推移(年別)

JOT資料より作成

※平成28年12月31日現在

9882 83 85

71 7159

7590 82

10292 96 98

8168 65

3727 33 32

0

0 0 4

5 8

6

3

59

1013 13 7

3244 45

4750

58 64

0

20

40

60

80

100

120

Page 4: 臓器移植における現状と課題について...本年度は、平成9年10月16日に施行された臓器の移植に関する法律(臓器移植法)の施行20周年となる。本年10

臓器移植希望者の件数 (平成28年12月31日時点) (日本臓器移植ネットワークHPより)

心臓

0-9歳 21

10-19歳 32

20-29歳 61

30-39歳 92

40-49歳 153

50-59歳 115

60-69歳 82

70-79歳 0

合計 556

0-9歳 2

10-19歳 14

20-29歳 22

30-39歳 62

40-49歳 105

50-59歳 92

60-69歳 12

70-79歳 0

合計 309

肝臓

0-9歳 4

10-19歳 18

20-29歳 20

30-39歳 46

40-49歳 84

50-59歳 114

60-69歳 60

70-79歳 1

合計 347

膵臓

0-9歳 0

10-19歳 1

20-29歳 1

30-39歳 29

40-49歳 106

50-59歳 58

60-69歳 6

70-79歳 0

合計 201

腎臓

0-9歳 31

10-19歳 82

20-29歳 267

30-39歳 1158

40-49歳 3533

50-59歳 4274

60-69歳 3109

70-79歳 374

合計 12828

15歳未満32名

15歳未満4名

15歳未満9名

15歳未満0名

15歳未満55名

Page 5: 臓器移植における現状と課題について...本年度は、平成9年10月16日に施行された臓器の移植に関する法律(臓器移植法)の施行20周年となる。本年10

「臓器移植」に関する現状と課題▷ 移植医療について国民の理解を深め、その意思を尊重するため、

• 国民に対する普及・啓発活動• 客観的かつ医学的な基準による適切・公平なあっせん体制の確保• 臓器の提供・移植施設に対し、厳格な基準で限定することによる信頼性確保• 提供事例ごとの検証や国会への年次報告など、臓器移植の実施に関する透明性の確保

などに、これまでは取り組んできた。

▷ しかし、提供数が移植を必要とする数より少ない状況が続いている。⇒ 現状における課題

5

▷ 提供数が少ない理由としては、(1)ドナーの数が少ないこと、(2)提供施設数が少ないこと、の2点に集約される。▷ 上記の課題に対する解決策としては、(1)普及啓発活動、(2)院内体制整備事業 が考えられる。

ドナー登録

(1)普及啓発活動 提供施設数

提供施設数(2)院内体制整備事業

ドナー登録

Page 6: 臓器移植における現状と課題について...本年度は、平成9年10月16日に施行された臓器の移植に関する法律(臓器移植法)の施行20周年となる。本年10

一般向け普及啓発活動

臓器移植に関する教育用普及啓発パンフレット等※中学生向けのパンフレットを作成し、毎年度末に、全国の中学校、教育委員会に送付している。

「個人番号カード」 (H28.1月~)

でも臓器提供意思表示が可能に

健康保険証及び運転免許証

裏面への意思表示

1.意思表示カード等を活用した普及・啓発

【新しい取組】

6

これまでの普及・啓発活動により、国民の「臓器移植」への認識・理解は一定程度進んでいる。現状分析の結果を踏まえ、今後は、命の大切さを考える中で意思表示について具体的に考え、家族などと話し合う機会を増加させることを目的とした普及・啓発に取り組んでいく。

対応方針

【これまでの取組】

(1)普及・啓発活動

Page 7: 臓器移植における現状と課題について...本年度は、平成9年10月16日に施行された臓器の移植に関する法律(臓器移植法)の施行20周年となる。本年10

臓器提供の意思表示について考えるきっかけとして、次のような取組を実施。• 中学生向けの啓発のためのパンフレットの作成、中学校への

配布• 免許センターでの意思表示に関するリーフレットの配布

○ 「グリーンリボンキャンペーン」の実施

• 東京タワーをグリーンにライトアップ (10月16日(日)17:15~22:00)

• 東京メトロの協力による地下鉄駅構内のポスター掲示(10月中)

• 啓発番組「2%のきせき」放送

(テレビ東京系列11月3日(木・祝)AM9:11~)

○ イベントの開催

• 臓器移植推進国民大会:10月23日静岡県主催:厚労省、臓器移植ネットワーク他

• 2016年度臓器移植フォーラム:10月9日福島県、10月22日新潟県主催:全国腎臓病協議会他

• 第19回ドナーファミリーの集い:10月10日東京都主催:角膜センター・アイバンク他

中学生向けパンフレットリーフレット

東京タワーのライトアップに向けたPR

2.臓器移植普及推進月間(毎年10月)の取り組み

3.年間を通じた取り組み

7

4.本年度の取り組み

本年度は、平成9年10月16日に施行された臓器の移植に関する法律(臓器移植法)の施行20周年となる。本年10月15日にイイノホールで臓器移植国民大会を実施し、同時に各地でも20周年記念イベントを実施予定である。

(1)普及・啓発活動

Page 8: 臓器移植における現状と課題について...本年度は、平成9年10月16日に施行された臓器の移植に関する法律(臓器移植法)の施行20周年となる。本年10

5類型施設(862施設)

5類型施設の体制整備状況 (平成27年6月末現在)

体制が整っていない436施設(50.5%)

18歳未満も含め体制が整っている256施設(29.7%)

合 計 大学附属病院日本救急医学会指導医指定施設

日本脳神経外科学会基幹施設又は研修施設

救命救急センター

日本小児総合医療施設協議会の会員施設

862 139 103 808 271 33

平成27年厚生労働省調査

【5類型該当施設】

(2)院内体制整備事業

(院内体制整備事業実施施設数)

23年 24年 25年 26年 27年 28年

6 17 17 16 17 66

これまでの取組

院内の臓器移植に関する各種委員会の設置指導(平成23年~)

院内の臓器提供マニュアルの作成(平成23年~)

外部講師による講演、院内での臓器提供シミュレーション(平成23年~)

臓器移植に関する研修会の開催(平成23年~)

18歳以上のみ体制が整っている170施設(19.7%)

Page 9: 臓器移植における現状と課題について...本年度は、平成9年10月16日に施行された臓器の移植に関する法律(臓器移植法)の施行20周年となる。本年10

JOTコーディネーター、都道府県コーディネーターが支援

院内体制整備事業

これまでは地域支援事業とひも付けされていたが、平成28年度からJOTと施設が直接契約

JOT

Aプラン Bプラン Cプラン

脳死判定 全くなし脳死判定の準備が整っている

一部に不足有り心停止・脳死下臓器提供の

経験有り

3施設 26施設 37施設

選択肢呈示・意思表示確認ができる体制

申し出があった時に臓器提供可能な体制

常に選択肢呈示、臓器提供可能な状態を維持

事業内容

マニュアル

院内各種委員会の設置指導、マニュアル整備外部講師の紹介、検査シュミレーション、研修会の開催

(2)院内体制整備事業

Page 10: 臓器移植における現状と課題について...本年度は、平成9年10月16日に施行された臓器の移植に関する法律(臓器移植法)の施行20周年となる。本年10

6

17 17 16 17

66

0

10

20

30

40

50

60

70

H23年度 H24年度 H25年度 H26年度 H27年度 H28年度

これまでの院内体制整備事業との比較

<院内体制整備事業をした後、脳死下臓器提供があった施設>

H23年度 H24年度 H25年度 H26年度 H27年度 H28年度

6 12 12 13 13 ?

地域支援事業とセットで施行すでに脳死判定可能な病院のみ

H28年度から病院自体とJOTの契約で行う事業

10

(2)院内体制整備事業

Page 11: 臓器移植における現状と課題について...本年度は、平成9年10月16日に施行された臓器の移植に関する法律(臓器移植法)の施行20周年となる。本年10

道立こども総合医療センター小樽市立病院旭川医科大学病院中村記念病院

八戸赤十字病院

宮城県立こども病院

岩手医科大学附属病院

桑名病院新潟大学医歯学総合病院長岡赤十字病院

慶應義塾大学病院国立成育医療センター国立国際医療センター

厚木市立病院聖マリアンナ医科大学病院北里大学病院

飯田市立病院北信総合病院

公立能登総合病院

厚生連高岡病院富山赤十字病院富山済生会富山病院

松波総合病院木沢記念病院岐阜大学医学部附属病院岐阜県総合医療センター高山赤十字病院

磐田市立総合病院静岡県立こども病院静岡県総合病院静岡済生会総合病院浜松医療センター

愛知医科大学病院名古屋市立東部医療センター大隈病院小牧市民病院豊橋市民病院中京病院

名張市立病院

洛和会音羽病院京都第一赤十字病院京都岡本記念病院

堺市立病院石切生喜病院大阪府立急性期総合医療センター大阪府済生会千里病院高槻病院

群馬県立小児医療センター

製鉄記念広畑病院兵庫県立災害医療センター

徳島大学病院

愛媛県立中央病院愛媛県立新居浜病院

下関医療センター

産業医科大学病院福岡赤十字病院九州大学病院福岡徳洲会病院九州医療センター

佐賀大学医学部付属病院

長崎大学病院

熊本赤十字病院済生会熊本病院熊本労災病院

大分県立病院

藤元総合病院

H28年度 院内体制整備事業 5類型施設 66施設

11

(2)院内体制整備事業

Page 12: 臓器移植における現状と課題について...本年度は、平成9年10月16日に施行された臓器の移植に関する法律(臓器移植法)の施行20周年となる。本年10

12

(3)臓器の提供が可能な施設への負担軽減策

これまでの取組

1. 法的脳死判定前の診断に係る取扱いの変更法的脳死判定前の診断において、これまで法的脳死判定に準じた厳格な検査方法を行っていたが、各施設が通常行っている検査方法で判断しても良いこととした。

(平成27年9月質疑応答集改訂)

2. 脳死判定医の自施設2名要件の緩和法的脳死判定医2名のうち1名は他施設からの支援医師でも可能とした。

(平成27年6月質疑応答集改訂)

3. レシピエント候補者への意思確認の早期化第2回法的脳死判定終了後に行われていたレシピエント候補者への意思確認を、第1回法的脳死判定終了後に行えるようにした。(平成27年2月JOTへ移植室長通知発出)

4. 5類型施設間の搬送に係る取り扱いの変更2つの5類型施設が、同一建物や渡り廊下で繋がっているなどドナーを安全に移動させることができる場合のみ、法的脳死判定後の搬送を可能とした。

(平成27年6月質疑応答集改訂)

5. 各5類型施設からの臓器提供後の提出資料等の取り扱いの変更脳死下臓器提供事例の検証において、過去5年以内に適切な脳死下臓器提供を行った事がある場合等については、提出すべき資料の範囲を限定する。

(脳死下臓器提供検証会議、平成28年度から適用)