脳神経外科学会データベースを用いた 医療機器開発...

17
脳神経外科学会データベースを用いた 医療機器開発のためのコンソーシアム の運用と実用化に関する研究 一般社団法人日本脳神経外科学会 嘉山孝正、大畑建治、飯原弘二、新井 一、 斉藤延人、鈴木倫保、冨永悌二 木内博之、森田明夫 資料3-4

Upload: others

Post on 21-Jan-2020

3 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 脳神経外科学会データベースを用いた 医療機器開発 …...脳神経外科学会データベースを用いた 医療機器開発のためのコンソーシアム

脳神経外科学会データベースを用いた

医療機器開発のためのコンソーシアム

の運用と実用化に関する研究

一般社団法人日本脳神経外科学会

嘉山孝正、大畑建治、飯原弘二、新井 一、 斉藤延人、鈴木倫保、冨永悌二

木内博之、森田明夫

資料3-4

Page 2: 脳神経外科学会データベースを用いた 医療機器開発 …...脳神経外科学会データベースを用いた 医療機器開発のためのコンソーシアム

Watanabe E, Watanabe T, Manaka S, Mayanagi Y, Takakura K: Three dimensional digitizer (Neuronavigator): New equipment for computerized tomography- guided stereotactic surgery. Surg.Neurol. 27: 543-547, 1987.

アーム機構を用いた3D計測 1

Page 3: 脳神経外科学会データベースを用いた 医療機器開発 …...脳神経外科学会データベースを用いた 医療機器開発のためのコンソーシアム

【メーカー別】医療機器売り上げランキング2016年

29.0

25.1

18.2

18.0

16.0

14.1

12.5

12.4

10.9

10.1

5.0

5.0

3.7

3.1

2.7

1.6

1.2

0 5 10 15 20 25 30

メドトロニック(米国)

ジョンソン&ジョンソン(米国)

GE(米国)

フレゼニウスMC(ドイツ)

フィリップス(オランダ)

シーメンス(ドイツ)

ベクトン・ディッキンソン(米国)

カーディナルヘルス(米国)

ストライカー(米国)

バクスター(米国)

テルモ(日本)

オリンパス(日本)

東芝(日本)

ニプロ(日本)

ホーヤ(日本)

日本光電(日本)

フクダ電子(日本)

(10億ドル)

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

18

19

21

25

29

41

50

出典:Medical Device and Diagnostic Industry, Capital IQ and company data. 2

Page 4: 脳神経外科学会データベースを用いた 医療機器開発 …...脳神経外科学会データベースを用いた 医療機器開発のためのコンソーシアム

手術用ナビゲーションシステムの市場

5.09億ドル

2015年

6.77億ドル

2022年(予測)

年平均成長率 4.4% (予測)

【主要メーカー】 メドトロニック(米国)、ストライカー(米国)、ブレインラボ(ドイツ)、

GE(米国)、ビー・ブラウン(ドイツ)

【上記以外の著名メーカー】 CAScination(スイス)、Cirle(米国)、ClaroNav(カナダ)、Colin Medical(米国)、

Fiagon(ドイツ)、Heal Force Bio-Meditech(中国)、Karl Storz(ドイツ)、

MASMEC Biomed(イタリア)、Medacta International(スイス)、Micromar(ブラジル)、

Inliant(カナダ)、Northern Digital(カナダ)、OMNIlife Science(米国)、OrthAlign(米国)、Scopis(ドイツ)、Shenzhen Anke High-tech(中国)、Siemens Healthcare(ドイツ)、

Smith & Nephew(英国)、SonoWand(ノルウェー)、Synaptive Medical(カナダ)、

XION Medical(ドイツ)、Zimmer Biomet Holdings(米国)

出典:Data Bridge Market Research: Global Surgical Navigation Systems and Software Market – Trends and Forecast to 2022.

Research and Markets: Global Surgical Navigation Systems Market 2016-2020. 3

Page 5: 脳神経外科学会データベースを用いた 医療機器開発 …...脳神経外科学会データベースを用いた 医療機器開発のためのコンソーシアム

新医療機器の現実的な評価方法

医薬品の評価は、方法論が基本的に確立。

医療機器の評価は、定められた方法論がない。

市販前に評価できるハザードには限界がある。

非臨床試験 設計検証 臨床試験 承認審査 臨床使用

薬理試験

毒性試験

吸排試験

臨床試験

I相 2相 3相

開発前相談 品質相談 治験相談 承認審査 市販後調査

4

Page 6: 脳神経外科学会データベースを用いた 医療機器開発 …...脳神経外科学会データベースを用いた 医療機器開発のためのコンソーシアム

本研究の要約

AMED 研究 武田班・林班との

密な連携

5

Page 7: 脳神経外科学会データベースを用いた 医療機器開発 …...脳神経外科学会データベースを用いた 医療機器開発のためのコンソーシアム

従来の方法との違い

6

Page 8: 脳神経外科学会データベースを用いた 医療機器開発 …...脳神経外科学会データベースを用いた 医療機器開発のためのコンソーシアム

企業 医療機関

JNS

自社PMSデータとしての利用

Data Base

データセンター

症例登録・追跡調査 有害事象登録

連 携

薬機法に基づく 不具合報告、

再審査申請等への利用

詳細調査

情報提供

Web上からの 入力システム

Web上からの 確認入手システム

有害事象情報の通知

連 携

レジストリ体制

7

Page 9: 脳神経外科学会データベースを用いた 医療機器開発 …...脳神経外科学会データベースを用いた 医療機器開発のためのコンソーシアム

データベースの利活用:基盤情報とその2次利用

JNS専門医制度

サブスペシャルティ 専門医制度B

非手術例

医療機器評価市販後調査 機器A

JNS専門医制度

基本データベース

手術例

臨床研究

サブスペシャルティ専門医制度A

サブスペシャルティ専門医制度B 専門医制度

治験 機器B

医療機器情報 データベース

シングルアームA

比較にかなり課題あり

ヒルトリカル コントロール

シングルアームB*

比較は計画的である

時間軸

*シングルアームBではシングルアームAがヒストリカルコントロール

疾患別追跡

8

Page 10: 脳神経外科学会データベースを用いた 医療機器開発 …...脳神経外科学会データベースを用いた 医療機器開発のためのコンソーシアム

登録システムに求められる機能:基本データベース

追跡期間

基本データベースをヒストリカルコントロールにするための事前の工夫

情報量

個別患者情報

使用機器情報

• ヒストリカルコントロールになりえる症例・手術では基本登録項目と追跡期間を慎重に設定

• 使用機器については全例で登録

基本データ

手術 経過観察

9

Page 11: 脳神経外科学会データベースを用いた 医療機器開発 …...脳神経外科学会データベースを用いた 医療機器開発のためのコンソーシアム

脳神経外科手術における代表的医療機器

手術顕微鏡

ニューロナビゲーター

神経モニタリング装置

超音波破砕・吸引装置

電気メス装置

電気バイポーラ装置

10

Page 12: 脳神経外科学会データベースを用いた 医療機器開発 …...脳神経外科学会データベースを用いた 医療機器開発のためのコンソーシアム

脳神経外科手術における手術器具

物品数 金額

脳神経外科開頭基本セット 136 2,866,300円

脳神経外科開頭用ドリルセット 10 15,000,000円

脳神経外科顕微鏡基本セット 20 1,467,700円

小計 166 19,334,000円

脳動脈瘤手術用セット 14 2,680,000円

脳腫瘍手術セット 9 1,188,800円

脳動脈瘤手術器具一式 180 22,014,000円

脳腫瘍手術器具一式 175 20,522,800円

11

Page 13: 脳神経外科学会データベースを用いた 医療機器開発 …...脳神経外科学会データベースを用いた 医療機器開発のためのコンソーシアム

12

Page 14: 脳神経外科学会データベースを用いた 医療機器開発 …...脳神経外科学会データベースを用いた 医療機器開発のためのコンソーシアム

13

Page 15: 脳神経外科学会データベースを用いた 医療機器開発 …...脳神経外科学会データベースを用いた 医療機器開発のためのコンソーシアム

医療機器開発におけるレジストリ事務局の課題と解決策(案)

医療機器開発を加速するうえで、現在レジストリ事務局が抱える課題と解決策案を以下に示す。

個々のレジストリ事務局で解決しにくい課題もあり、コンソーシアム設立に伴う共同事業の実施もしくは公的支援部門との協調が望まれる。

公的な統合システムプラットフォームの利活用・レジストリ整備支援

法的対応、GPSP省令等指導等の支援の一元化推進

SS-MIX2標準化の推進と、その利活用による入力負担軽減の推進

レジストリ間コーディネーションの推進

ICT等初期導入、運営維持費の確保

信頼性評価に耐えるDB構築ノウハウの欠如

知的財産権、公開権等法的権利に関する検討が不十分

情報入力インセンティブの維持、医師入力負担の軽減

レジストリ間の相互接続性がない

レジストリ事務局が抱える課題 解決策(案)

事業の継続性確保、機能向上 コンソーシアム設立もしくは 公的支援部門との協調

埋植され一生使用される製品

製品ライフサイクルが短い

技術革新が早い

14

Page 16: 脳神経外科学会データベースを用いた 医療機器開発 …...脳神経外科学会データベースを用いた 医療機器開発のためのコンソーシアム

医療機器レジストリの構築に際しては以下のような要件が考えられる。

新医療機器の適切な評価に向けて、今後対応すべき課題を解決するためのレジストリには、構築の迅速性・リアルワールドデータの活用等の要件が求められる。

既存リソースの活用による迅速性

利害関係者間の信頼醸成の容易性

患者からの適切な同意取得の容易性

適切な情報収集を行うためのn数

医療機器の開発・改良サイクルへの配慮

リアル・ワールド・エビデンスの活用

比較的安価でAccessibilityの高い医療機器検証システムの構築

医療機器開発力の強化(治療系等)

機器識別情報の確保

IMDRF国際的レジストリガイダンスへの迅速な準拠

有害事象報告や不具合報告の促進

ベンチャー企業への支援

今後対応すべき課題 迅速にレジストリ構築するための要件

医療機器開発加速に向けて構築する医療機器レジストリの要件とは?

15

Page 17: 脳神経外科学会データベースを用いた 医療機器開発 …...脳神経外科学会データベースを用いた 医療機器開発のためのコンソーシアム

医療機器レジストリ構築に向けて、以下のようなスケジュールを予定している。

2017年3月 ~ 脳神経外科データベース システム開発 新たに構築する医療機器レジストリの検討・選定

2017年9月 ~ 医療機器レジストリの情報システム調達仕様の作成 武田班・林班との連携に配慮

2018年1月 ~ 脳神経外科データベース 基本登録運用開始 2018年4月 ~ 新たに構築するレジストリ情報システム開発会社の調達

2018年9月 ~ 医療機器レジストリシステム開発・年度末稼働 以降、レジストリ運用・評価を開始

今後のスケジュール

16