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オーラルケア、ビューティケア、ファブリックケア、リビングケア、 薬品等、みなさまの毎日のくらしに寄り添う商品・サービスを 展開しています。 DNA VisionandStrategy Business Foundation Performance Business DNA VisionandStrategy Business Foundation Performance 一般用消費財事業 オーラルケア分野 2018 年 売上高 2,153 億円 ハミガキ ・ ハブラシ シェア No.1 猫用トイレ砂 シェア No.1 25 % ファブリックケア分野 28 % その他の分野 16 % ビューティケア分野 10% 薬品分野 13 % シェア:当社調べ ハンドソープ シェア No.1 中高年目薬 シェア No.1 解熱鎮痛薬 シェア No.2 リビングケア分野 8 % ※外部売上高 30 29

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Page 1: 一般用消費財事業 - Lion Corporation · 一般用消費財事業 2,151 2,153 0 2,600 2,000 ’17 ’18 2,400 2,200 (億円) 2,500 ’20 (目標) ※ 2018年より適用する会計基準をifrsに変更しました。

オーラルケア、ビューティケア、ファブリックケア、リビングケア、薬品等、みなさまの毎日のくらしに寄り添う商品・サービスを展開しています。

DNA Vision�and�Strategy Business Foundation Performance

企業価値向上に向けて Business

DNA Vision�and�Strategy Business Foundation Performance

一般用消費財事業

オーラルケア分野

2018 年売上高

2,153億円

ハミガキ・ハブラシ

シェア No.1猫用トイレ砂シェア No.1

25%

ファブリックケア分野28%

その他の分野16%

ビューティケア分野10%

薬品分野13%

シェア:当社調べ

ハンドソープシェア No.1

中高年目薬シェア No.1

解熱鎮痛薬シェア No.2

リビングケア分野8%

※外部売上高

3029

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一般用消費財事業

2,151 2,153

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2,000

’18’17

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(億円)

2,500

’20(目標)

※ �2018年より適用する会計基準を IFRSに変更しました。前期の財務数値についてもIFRSに準拠して表示しています。

LIVE計画初年度において、国内事業では商品の高付加価値化、商品ミックスの改善に取り組みました。ハミガキ、ハブラシ、デンタルリンス、ボディソープ、洗濯用洗剤、柔軟剤、点眼剤等の新製品を投入し、積極的なマーケティング施策により育成を図るとともに、リビングケア

分野では新しい生活習慣を提案する新製品『ルックプラス�バスタブクレンジング』を発売し、ご好評をいただきました。一方で、液体洗剤の競争激化の影響を受け、一般用消費財事業全体の総売上高は対前年4.0%減少、外部売上高は0.1%増加となりました。

売上高※

(外部売上高)連結売上高構成比 生活者の可処分時間の減少、デジタライゼーションの

さらなる進展、人口減少等、市場が大きく変化する中、国内の競争はたいへん厳しくなっています。消費財においては、一人ひとりの可処分時間が減少していることにより、お客様の購買選択にかける手間・時間がさらに減少しています。こうした中で、当社の商品がお客様の生活に「よいインパクト」をもたらすためには、お客様の生活文脈を深く理解し、小売店の店頭からデジタルの領域まで、わかりやす

いブランドコミュニケーションを行うことが一層重要になってきています。また、人口減少の局面において市場の成長を牽引するためには、新たな生活者価値の創出による高付加価値商品を、スピード感を持って開発することが重要です。現在お客様にご評価いただいている当社の商品は、これらの取り組みに基づくものであり、今後さらに加速させることで将来の成長につながるものと考えています。

LIVE計画の実現のため、以下に重点的なリソースを投入し取り組んでいきます。

•��オーラルケア分野における圧倒的な競争優位の確立•��ファブリックケア分野における安定した存在感の維持•��OTC事業の拡大•��テクノロジー活用による新たな顧客体験の創出

DNA Vision�and�Strategy Business Foundation Performance

企業価値向上に向けて Business

DNA Vision�and�Strategy Business Foundation Performance

一般用消費財事業をめぐる市場環境と消費

LIVE計画の実現に向けて

2018年の実績

2018年の振り返り

取締役 執行役員ヘルス & ホームケア事業本部長 

久米 裕康

一般用消費財事業

生活者価値創出による主力カテゴリーの地位向上と成長基盤の確保

ハミガキ

900 億円

ハブラシ

490 億円

洗濯用洗剤

1,460億円

�出所:株式会社インテージSRI調査による各カテゴリー。2018年1月から12月までの売上金額ベースのデータ

柔軟剤

970 億円

ハンドソープ

240 億円

台所用洗剤

490 億円

カテゴリー別市場規模

61.6%

3231

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オーラルケアにおける圧倒的優位性の確立オーラルケアにおいては、生活者の、マイナス1歳から始まるすべてのライフステージにおいて、最も適した製品ソリューション、そしてそれがもたらすベネフィットを全方位からお伝えします。当社は、日本の生活者のオーラルケア意識を高め、正しいケアを習慣化することによって、あらゆる世代のQOLが向上すると信じています。ライオンは、長年にわたる口腔衛生習慣普及活動から得たノウハウ、歯科界との深いネットワークを通じて、優良な情報コンテンツを豊富に所有しています。これらを活用し適切なコミュニケーションを図ることによって、お客様の新しい生活習慣をつくり出します。例えば、2014年からの継続的なコミュニケーションにより国内の予防歯科習慣を広げてきました。予防歯科習慣の広がりにより、市場の拡大とともに、人々のQOL向上につなげています。今後も、卓越した商品、宣伝、店頭のアクティビティを提案し続け、お客様の優良なオーラルケア体験を創出し、市場拡大を牽引し続けます。

ファブリックケア分野のプレゼンス拡大

家事の中で、多忙な生活者の可処分時間を最も減らしているのが洗濯です。日本の洗濯には、雨、湿度、花粉、猛暑等、悩みを生み出すものが多くあります。こうした中でファブリックケア製品は、単に、洗浄力、コンディショニング力、消臭力という基本機能を満たすのみでは、お客様の生活の中での価値になり得ないと考えています。

当社は、洗濯物が早く乾く、消臭力が一日中続く、香りが変わらず続く等といった、快適な商品を提案し、お客様の支持を広げていきます。

OTC事業の拡大

OTC事業では、新価値を創造し提供し続けることを通して生活者のQOL向上に寄与することと同時に、セルフメディケーション推進の旗頭として新市場を切り拓くことで、流通におけるプレゼンスの確立と高収益事業への転換の両立にチャレンジしています。

ストレスの増大、女性の社会進出、アレルギー増大、高齢化、デジタルデバイスの普及というマクロトレンドをふまえ、これらに関連する疾病が今後拡大すると予想しています。この対処領域を重点的に強化し、OTC事業のさらなる成長に向けて継続して取り組んでいきます。

また、近年は、OTC医薬品のパーソナルユース化が進んでおり、家族全員が使える万人向けの薬から、個人のニーズに合わせた薬へのシフトが継続しています。今後はこの変化をとらえ、デジタルを活用したマーケティングを強化します。

■■ NONIOミラー口臭科学から生まれたオーラルケアブランド『NONIO』が、生活者のコミュニケーションを応援するため、口臭リスクと笑顔をチェック&サポートするWEBコンテンツ『NONIO MIRROR(ノニオミラー)』のサービスを開始しました。自分の「笑顔診断」だけでなく集合写真での笑顔をチェックしてランキング表示する等、笑顔を通して仲間とのコミュニケーションを応援します。また自分では気づきにくく不安に思う口臭のリスクを、スマートフォンで舌の写真を撮影するだけで判定し、『NONIO』を使った口臭ケア方法を表示します。

我々のパーパス「お客様の生活習慣をリ・デザインする」

当社のパーパス(存在意義)は、「人々を健やかにする習慣を、もっとさりげなく、楽しく、前向きなものに変えていく」ことに他なりません。これは、LIVE計画で掲げているキーワードでもある「ReDesign」に込められた想いです。当社のブランド一つひとつに、この「ReDesign」の考え方を浸透させ、ブランドの支持(エンゲージメント)を高めていきます。

CSV(社会・事業の共通価値の創造)の推進

ライオンは創業以来、「事業を通じて社会のお役に立つ」という精神のもと、時代とともに変化する社会課題に対して、事業を通じて応え続けてきました。現在もその精神はライオンのDNAとして継承されており、社会価値・事業価値の双方を創出するCSV(Creating�Shared�Value)を推進しています。

■ハブラシリサイクルプログラムの推進

当社は、テラサイクルジャパン合同会社と提携し、使用済みハブラシを回収してリサイクルするプログラムを2015年より推進しています。

このプログラムを通じて、健康なお口を保つために、当社が考える適切なハブラシ交換サイクル(1ヵ月に1回)を推奨し、お客様自らが参加できるリサイクル活動の場を提供しています。

テクノロジー活用による新たな顧客体験の創出

「次世代ヘルスケアのリーディングカンパニー」を目指す上で必須となるのが、AIやIoTの活用による新たな顧客体験の創造です。既存事業・新規事業において、これまでにない画期的な取り組みを進めていきます。

口臭リスクチェック 笑顔チェック

一般用消費財事業

DNA Vision�and�Strategy Business Foundation Performance

企業価値向上に向けて Business

DNA Vision�and�Strategy Business Foundation Performance

テクノロジーを活用したサービス

『トップハレタ』 『ソフランアロマリッチ』『ソフランプレミアム消臭』

『システマ�ハグキプラス』 ハミガキ・ハブラシ

『スマイル�The�メディカルA』 ハブラシの販売本数の増加

ライオンのプレゼンス向上

適切な交換サイクル(1ヵ月に1回) での交換による人々の健康保持・増進

社会の環境意識の向上

生 み 出 す 事 業 価 値 生 み 出 す 社 会 価 値

3433

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中国韓国

台湾

タイ

シンガポール

インドネシア

マレーシア

香港

DNA Vision�and�Strategy Business Foundation Performance

企業価値向上に向けて Business

DNA Vision�and�Strategy Business Foundation Performance

海外事業

タイ ハミガキ ・ハブラシ、洗濯用洗剤 シェア No.2 韓国 ハンドソープ シェア No.1

マレーシア 洗濯用洗剤 シェア No.1 中国 ハブラシ、 Eコマース シェア No.1

シンガポール 洗濯用洗剤、台所用洗剤 シェア No.1

インドネシア 台所用洗剤 シェア No.2 香港

台湾

ヘルスケア習慣の普及を通じ、 アジアの人々の快適で健康な生活づくりに貢献します。

2018年売上高(連結)

947億円

※インドネシアのP.T.�LION�WINGSは連結対象外となります。 シェア:当社調べ

※外部売上高

3635

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当社は、アジアにおける「次世代ヘルスケアのリーディングカンパニー」を目指し、北東アジア・東南アジアで事業を展開しています。

海外事業において、LIVE計画の戦略フレームである「グローカライゼーションによる海外事業の成長加速」に全力を注いでいます。その実現のため、近年の中間所得層の急増によるエリア共通ニーズや各国特有の文化、習慣、嗜好性といった多様性への対応に加えて、海外関係会社はもちろん、様々な事業パートナーとの新たな協業体制を構築し進化させていきます。

パーソナルケアの強化

当社はパーソナルケア分野を、今後の海外事業の成長を支える最重要分野と位置づけています。これまで海外事業の売上において、大きなウエイトを占めてきたのは洗剤等のファブリックケア分野です。

アジア地域では、少子高齢化の進む国がある一方で、新興国では人口や所得の増加、さらには一足飛びの最新技術の採用を通じて、急速に新たな市場が形成され、パーソナルケアやヘルスケアへの関心の高まりが期待されます。このような事業環境の中、海外事業の利益ある継続成長に向けて、当社の日本国内における主戦場である、健康維持に寄与するオーラルケア製品やOTC製品といった高付加価値製品の売上構成比を高め、事業基盤をより強固なものにしていきます。

Preventive Dentistry

その中で特に注力していくのがオーラルケア事業です。オーラルケアは全身健康に大きく関連しており、健康寿命の延伸に非常に重要です。当社が日本で培ってきた技術・ノウハウを海外事業で最大限に活かし、オーラルケア・アジアNo.1企業を目指します。

Preventive�Dentistry活動は、歯科専門家、流通、ライオンが三位一体となって初めて成果が実現する取り組みです。これら生活者のあらゆる接点を通じて、予防歯科に関する同一かつ同質なメッセージと情報を発信し、それを家庭内で実践するにふさわしい商品を提供し続けることにより、世界で一人でも多くの方の生活の質と価値向上につなげ、ライオンブランドのファンになっていただけるよう努力していきます。

907947

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900

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’18’17

(億円)

’20(目標)

海外事業

DNA Vision�and�Strategy Business Foundation Performance

企業価値向上に向けて Business

DNA Vision�and�Strategy Business Foundation Performance

上席執行役員 国際事業本部長 

鈴木 均

海外事業

Think Global, Act Local

基本方針

新たな協業体制の構築と進化

LIVE計画初年度において、海外事業ではタイ、マレーシアを中心とする東南アジアで、オーラルケア、洗濯用洗剤等を順調に伸ばし、北東アジアでは中国の構造改革が進展し収益性が改善しました。海外事業の総売上高は、対前年で2.4%の増加(為替

の影響を除いた実質は0.5%の増加)、外部売上高は対前年で4.5%増加(為替の影響を除いた実質は2.5%増加)、セグメント利益は55.8%の大幅増益となりました。

連結売上高構成比

2018年の振り返り

27.1%

2018年の実績

事業エリア

東南アジア・タイ・マレーシア・インドネシア・シンガポール

北東アジア・中国・韓国・台湾・香港

売上高※

(外部売上高)

※ �2018年より適用する会計基準を IFRSに変更しました。前期の財務数値についてもIFRSに準拠して表示しています。

3837

Page 6: 一般用消費財事業 - Lion Corporation · 一般用消費財事業 2,151 2,153 0 2,600 2,000 ’17 ’18 2,400 2,200 (億円) 2,500 ’20 (目標) ※ 2018年より適用する会計基準をifrsに変更しました。

海外事業

DNA Vision�and�Strategy Business Foundation Performance

企業価値向上に向けて Business

DNA Vision�and�Strategy Business Foundation Performance

みに合わせて変える必要があります。グローバルに発想を広げ、最後の仕上げはローカルに合わせる、これこそがグローカライゼーションです。グローバル全体を俯瞰する一方で、各国の傾向や特徴・特性を分析・理解し、リージョナルな商品開発につなげていきます。感度を高くして様々な一次情報を取り入れながら、各国において最適な事業展開を推し進めていきます。

中国事業の拡大に向けて

北東アジア地域を中心とした日本製製品の市場は、インバウンドの市場とアウトバウンドの市場ともに販売拡大が続いており、今後ますます“Made� in�Japan”製品の需要が拡大すると考えています。当社は、重点展開国である中国での事業拡大に向けて、新たな取り組みを始めています。

日本製製品の中国の生活者への販売ルートは、日本への旅行者に対する日本国内での販売であるインバウンドと中国国内でのアウトバウンドがあります。アウトバウンドでは、越境EC(電子商取引)や中国国内

EC、さらにはオフラインを通じた販売と多様ですが、そのなかでもECが最も重要であり、その市場獲得が販売拡大の要になります。

そこで当社は、日本国内において、今まで国内事業本部、国際事業本部それぞれで管理していた日本製製品に関する越境EC、さらには現地国内ECを通じた事業推進業務を統合しました。オールライオンで商品・チャンネル戦略、販促施策、販売管理、事業分析機能を一元化し、インバウンドにおける訪日中国人に対する直接の販促活動や得意先対応、越境・国内ECプラットフォーマーとの取り組み強化、そして中国国内での新たな販売先の拡大、といった、チャネル間の連携を通じたより効果的な展開を進めます。

日本製製品に対する需要は他の北東アジア地域でも非常に高く、特に当社製品の品質は高い評価を得ています。

今後も、こうした日本企業としてのアドバンテージを活かして、アジア各国の生活に深く浸透した企業を目指して事業を推進します。

ライオンは、単に良質な商品を提供するだけでなく、お客様の適切なヘルスケアソリューションの提供を通じて、健康習慣の浸透と健康寿命の延伸へ貢献し、社会で価値のある企業を目指して成長を続けていきます。

リージョナル最適の実現

これまで海外事業では、各国それぞれの市場に合った商品を現地でつくって売る「個別最適」と、各国で基本的機能の差の少ない分野(オーラルケアや液体石けん分野等)で日本を含む地域共通のグローバルブランドを展開してきました。近年の中間所得層に見られるライフスタイルやニーズの類似化・共通化が各国で進んでいます。よりグローバルな視点で各国共通の製品開発が実現できれば、生産から販売に至るまでのモノづくりのスピードが上がり、コストの面においても効率化を図れます。

それを実現するための戦略が、北東アジアと東南アジアそれぞれのエリアで国の枠を越えた事業マネジメントを行う「リージョナル(地域)最適」への進化です。2019年からは、こうしたリージョナル展開を推進する当社駐在員を増強し、海外事業のスピードアップと効率化、そして質の強化を進めています。

しかしながら、各国共通の商品は内容物が同じでも、香りやパッケージ、サイズ等は国ごとのニーズや好

予防歯科の啓発活動“Preventive Dentistry活動”

「自分に合った商品」を選びやすい

品揃え・店頭づくり

専門家による分かりやすく 実践的な指導

あらゆる接点で同一のケア・製品情報入手「自分にピッタリ」の「ケアに最適な商品」

⬇LION ブランドファン化

公的機関、歯科医専 門 家

店販・EC流 通

生 活 者

日本品質ライオン

■■ マレーシアにおけるPreventive Dentistry活動■ 歯科専門家と連携した取り組みマレーシアの人々にオーラルケア意識を高めてもらい、Preventive�Dentistryを浸透・定着させるには、歯科専門家の協力が不可欠です。そのため、サザンライオン(マレーシアのグループ会社)では、歯科専門家と連携したPreventive�Dentistry活動に積極的に取り組んでいます。その一環として、2018年に、クアラルンプールで開催された、マレーシア歯科学会が主催する展示会「Scientific�Convention�And�Trade�Exhibition」に歯周ケアブランド『システマ』のブースを出展しました。展示会に参加した歯科専門家に対し、Preventive�Dentistryの意義を理解していただくため、『システマ』の機能・効能等の説明とともに『システマハブラシ』のサンプリングを実施しました。3日間で約1,000名の歯科専門家がブースを訪れました。

■ 政府の病院・保健センターや販売店と連携した取り組み

乳歯は生え変わることから、大人の歯より軽視されてしまうこともあります。しかし、口腔の健康は将来の全身健康に影響をおよぼすと言われており、小さいころからオーラルケアを実践することが大切です。タイライオンは政府の病院・保健センターと連携し、歯科健診・むし歯処置・歯みがき指導等のオーラルヘルス活動を実施しています。地方の学校で歯科健診を行い、児童にむし歯が見つかった場合「スマート・テクニーク」とよばれる処置を歯科医が行います。2018年からは、活動を実施する地域の販売店とも一緒に、子どもたちを対象に、『KODOMO』ブランドを活用した劇により、正しい歯みがきの仕方を伝えています。

■■ タイにおけるPreventive Dentistry活動 ■ 地域の保健所と連携した取り組みタイ北部のプレー県は、タイで高齢化が進んでいる地方のひとつです。タイライオンは2018年からプレー県の保健所と連携して、高齢者の喉のつかえ・噛む力・ドライマウスを改善し、QOL(生活の質)を高める活動に取り組んでいます。高齢者が集まる地域のコミュニティで、歯科医師が講演を定期的に行い、ライオンが推奨する「健口美」体操を実践しています。「健口美」体操は、口の機能の低下に早く気付き、「口の元気度」の保持増進を目的としたお口の体操です。この活動を始めてから、多くの参加者に効果が現れ、喉のつかえやドライマウスが改善されています。

地域のコミュニティで「健口美」体操を行っている様子 歯科健診に参加した子どもたち Systemaのカラーで統一したスタッフとブース

海外におけるPreventive Dentistry 活動

4039

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ライオンの100%子会社であるライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(LSC)は化学品の製造・販売を行っています。LIVE計画ではLSCの経営プロセスを再構築し、着実な売上増大とコスト削減を進めて基盤となる日本市場での利益向上を図るとともに、海外ではグローカライゼーションを推進することで成長基盤を固めます。

「産業界顧客の次世代製品に新価値を提供するグローバルニッチカンパニー」をテーマに、営業のスピードアップと持てる技術のさらなる強化で、顧客満足を高めて会社全体のサービスの品質を向上させます。同時に自動車、電気・電子の2つの分野の成長と、基盤である生活産業分野の利益向上を図るため、集中した経営資源の投下を行っていきます。

■分野ごとの特性を活かした取り組み

自動車分野では、タイヤ用次世代防着剤や海外タイヤメーカー対応品を市場展開します。

電気・電子分野では、電池市場での導電助剤シェア向上に注力すると同時に、粘着剤の生産体制強化により価格競争力を向上し国内外市場での販売拡大を目指します。

公共インフラ分野では、業界トップ顧客の効率化をサポートする活動で収益力を向上させると同時に、グローバル・エコ・ケミカル社*等海外拠点を活用した海外市場展開の可能性を見極めます。

生活産業分野では、国内事業基盤である窒素誘導体等ベースケミカルについて、生産効率化、海外パートナー活用により収益性を向上させます。同時に収益性の高い繊維薬剤・化粧品原料拡販を目指します。�*�ライオンの海外グループ会社

DNA Vision�and�Strategy Business Foundation Performance

企業価値向上に向けて Business

DNA Vision�and�Strategy Business Foundation Performance

産業用品事業

ライオンの100%子会社であるライオンハイジーンは、外食・中食産業、食品工場、病院・介護施設、クリーニング向けの業務用洗浄剤等の製品開発と製造、販売、ならびにお客様の食の安心・安全をサポートする衛生診断や衛生講演をはじめとする総合衛生ビジネスを行っています。当社は、需要創造型ソリューション*1

の提供とイノベーションの追求で、顧客と社員にとって価値ある企業としての成長と進化を続けていきます。とりわけ食品工場分野においては、新たな野菜洗浄システムを開発、顧客を継続して獲得しており、今後の野菜洗浄の業界デファクトスタンダード化を目指し

ています。これを当社次世代のコア事業と位置づけ、経営資源の重点投下を行っております。また、従来の食器洗浄を中心に取り組みを行ってきた外食分野に関しても、今後制度化されるHACCP*2に対応する衛生管理ビジネスにも参入することで、トータルの衛生管理企業として成長を目指しています。�*1��お客様視点で、一歩先の新たな技術開発・事業展開にて、よりご満足い

ただける新たな価値を提供することで、最適な課題解決(ソリューション)を行うこと。

*2��Hazard�Analysis�Critical�Control�Pointの略。原材料から最終製品に至る食品の製造工程で衛生、品質を管理するシステム。

ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社代表取締役社長 

吉武 治

ライオンハイジーン株式会社代表取締役社長 

伏田 義博

産業界顧客の次世代製品に、新価値を与える グローバルニッチカンパニーへ

企業活動を通じて、 「安全で安心できる衛生的な環境づくり」に貢献する

化学品分野の成長戦略

業務用洗浄剤分野の成長戦略

’18’17

(億円)

’20(目標)

326

340

0

300

360

340

320

3508.1%

(2017年度実績)9.7%

ライオンの産業用品事業は、大きく分けて「化学品」および「業務用洗浄剤」の2つの分野で構成されています。「化学品分野」においては、自動車部品用カーボンや半導体搬送材料用導電樹脂等、自動車分野、

電気・電子分野が好調に推移し、「業務用洗浄剤分野」では、厨房向け消毒用アルコールが好調に推移しました。全体の総売上高は対前年で5.3%増加し、外部売上高は対前年で4.4%増加しました。

2018年の振り返り

2018年の実績

連結売上高構成比

・ゴム薬剤(防着剤)・内添剤

・導電性カーボン・粘着剤

・油脂活性剤 ・土木建築用薬剤

電気・電子自 動 車

生 活 産 業 公共インフラ

※ �2018年より適用する会計基準を IFRSに変更しました。前期の財務数値についてもIFRSに準拠して表示しています。

分野別主要製品

売上高※

(外部売上高) ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社

ライオンハイジーン株式会社

4241

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ライオンの新たな挑戦として、2018年1月に「イノベーションラボ」を設立しました。既存の枠組みにとらわれない自由な発想で、メンバー一人ひとりがアイデアを出し合い、外部との連携も図りながら、次世代のヘルスケアを具現化するモノづくり、コトづくりにチャレンジしています。イノベーションラボのミッションは「イノベーションの量・質・スピードを高めるための全社のハブとなり、従来の事業部、開発研究所体制を超える�“驚きのある”�新規事業を創出」する事です。右記のVisionを掲げ、ミッションの実現に向けた取り組みを推進しています。

VISION

•��LIONイノベーションラボは、変わり続けます。驚きをお届けし、笑顔の輪を拡げていきます。そのために、•��わたしたちは、失敗を新たな学びを得る機会として尊重し、生活者を中心に考え、人と人、様々な専門性、多様な企業をつなぐことにより、成功する姿を目指します。•��私たちは、次世代ヘルスケアソリューションを創造します。これを行動指針として、日 、々様々なチャレンジを続けています。

イノベーションラボのミッション

DNA Vision�and�Strategy Business Foundation Performance

企業価値向上に向けて Business

DNA Vision�and�Strategy Business Foundation Performance

Special Feature

イノベーションラボは、デザインシンキングの手法とオープンイノベーションの推進でアイデアを生み出し、従来の仕組みでは実現することができなかった“驚きのある”新規事業の創出を図ります。

職場風土

既存事業の枠にとらわれない、多様なアイデアの創出に向けた職場風土の醸成に取り組んでいます。具体的には、フラットな組織の構築です。所長を頂点とするピラミッド型ではなく、テーマごとに有機的にメンバーが入れ替わるネットワーク型の組織体制を目指しています。また、メンバー一人ひとりが新規事業を自ら立ち上げる起業家マインドを持ち合わせることも重視し、自由奔放な発想とその実行が可能であるという意識の醸成に取り組んでいます。

デザインシンキングとオープンイノベーションによる新規事業創出

イノベーションラボの新規事業創出は、デザインシンキングの手法を大切にしています。お客様に寄り

添い、インサイト(=潜在的ニーズ)を探り、問題の解決策のプロトタイピング・検証・フィードバックを繰り返し行います。また、新しいアイデアの創出に向けて、オープンイノベーションを推進しています。新規事業を起こすに当たり、当社にない技術は積極的に外部連携を推進し、事業化に向けた飛躍的なスピードアップを図ります。

ライオンの新たな可能性へ

イノベーションラボ所長 

宇野 大介

イノベーション創出に向けて

活動がスタートしてからの成果の一部

■■ RePERO(リペロ)リペロはスマートフォンで撮影した舌の画像を人工知能(AI)が分析し、口臭リスクのレベルを見える化するスマートフォンアプリです。このアプリを生活習慣に取り入れることにより口臭ケアに対する意識が高まり、口臭ケアに対する行動変容を起こすきっかけとなることが期待されます。現在は口臭を気にする従業員が多いサービス業等での提案を進めており、本アプリを用いて従業員の口臭ケア対策をサポートするサービスを、B�to�B事業として展開します。2018年10月に出展したアジア最大級のIT・エレクトロニクス系の国際展示会�“CEATEC� JAPAN� 2018”では国内外の多くのメディアに取り上げられる等、注目を集めました。

■■ VISOURIRE(ヴィスリール)ヴィスリールは、120年余りにわたって生活者の口腔衛生に貢献してきたライオンが新しい着眼点で開発した、口の中から表情筋へアプローチする美容機器です。ほうれい線を押し上げるように使い、音波振動を与えることで、女性を美しい笑顔へと導きます。本製品の受容性検証を目的として、2018年9月~12月にMakuakeにてクラウドファンディングを実施し、その結果、目標金額の4倍に迫る支援*を獲得し、高い受容性があることを確認しました。まず支援をいただいた方向けに製品化を進めます。当社の調査では、多くの女性は「いつまでも若々しく、キレイでいたい」という願望をお持ちです。人生100年の時代を迎え、こうしたニーズは一層高まると考えられます。

スマートフォン画面�イメージ

口臭リスク判定アルゴリズム 『VISOURIRE』� �クラウドファンディング品イメージ

*��目標金額:3,000,000円支援金額:11,763,360円 支援人数:713名

4443