中東諸国における特許・実用新案・意匠・商標の 審 …...2017/10/09  ·...

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平成 28 年度 特許庁産業財産権制度各国比較調査研究等事業 中東諸国における特許・実用新案・意匠・商標の 審査運用の実態および審査基準・審査マニュアル に関する調査研究 報告書 平成 29 3 一般社団法人 日本国際知的財産保護協会 AIPPIJAPAN

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平成 28 年度 特許庁産業財産権制度各国比較調査研究等事業

中東諸国における特許・実用新案・意匠・商標の

審査運用の実態および審査基準・審査マニュアル

に関する調査研究 報告書

平成 29 年 3 月

一般社団法人 日本国際知的財産保護協会

AIPPI・JAPAN

Page 2: 中東諸国における特許・実用新案・意匠・商標の 審 …...2017/10/09  · 年8月16 日に改正発効 1.2.2. 管轄官庁及び人的体制 特許をGCC 特許庁が管轄する。職員数は100

湾岸協力会議(GCC)

A.湾岸協力会議(GCC)

1. 概要及び基礎情報 1.1. 基礎情報 1.1.1. 一般事情1 (1) 概要

1980 年にアンマンで開催されたアラブ・サミットでのジャービル・クウェート首長の提

案を受け、翌 1981 年にサウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーン、オマ

ーン、カタール、クウェートによって設立。本部(事務局)はサウジアラビアの首都リヤ

ドに所在。正式名称は、「Cooperation Council for the Arab States of the Gulf(アラビア

語:Majlis Al-Ta’aawni li Duwali Al khalyiji Al-‘arabiya)」であるが、Gulf Cooperation Council(GCC)という略称が用いられることが多い。 防衛・経済をはじめとするあらゆる分野における参加国間での調整、統合、連携を目的と

している。 (2) 人口2

4,738 万人(2012 年GCC 統計局発表値)

1.1.2. 経済 (1) GDP(名目)3

1.57 兆ドル(2012 年GCC 統計局発表値) (2) 1 人当たりGDP4

33,325 米ドル(2012 年GCC 統計局発表値) (3) エネルギー資源 世界の原油埋蔵量の約 3 割を有し、原油生産量の約 2 割、天然ガス生産量の約 1 割を産

1 外務省ウェブサイト「国・地域 地域機関 湾岸協力理事会」http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/page23_000536.html

を参照した。( 終アクセス日:2017年 2月22 日) 2 GCC事務局 アラビア語版ウェブサイト 統計情報のルール、協力会議統計プロファイル、2013、人口と人口動態統計、GCCの人口

http://www.gcc-sg.org/ar-sa/CognitiveSources/GulfDatabases/Pages/GulfInformationwithCategorization.aspx を参

照した。( 終アクセス日:2017年 2月22日) 3 GCC事務局 アラビア語版ウェブサイト 統計情報のルール、協力会議統計プロファイル、2013、経済・金融統計、経済発展、国民総

生産 http://www.gcc-sg.org/ar-sa/CognitiveSources/GulfDatabases/Pages/GulfInformationwithCategorization.aspx を参照した。( 終アクセス日:2017年 2月22 日)

4 GCC事務局 アラビア語版ウェブサイト 統計情報のルール、協力会議統計プロファイル、2013、経済・金融統計、経済発展、一人当

たり総生産 http://www.gcc-sg.org/ar-sa/CognitiveSources/GulfDatabases/Pages/GulfInformationwithCategorization.aspx を参照した。( 終アクセス日:2017年 2月22 日)

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湾岸協力会議(GCC)

1.1.3. 経済関係 日本との貿易額(2012 年:財務省貿易統計) 輸出 約 12 兆 6,167 億円 輸入 約 1 兆 9,930 億円

1.2. 産業財産制度の概要 1.2.1. 法令等整備状況5 1.2.1.1. 加盟している産業財産権関連の主な条約 加盟している産業財産権関連の条約はない。 ただし、条約に対しては以下の協調をとっている。

・1971 年ストラスブール協定に基づく国際特許分類を適用するが、GCC 自体は同協定に

加盟していない。 ・2000 年 8 月 16 日、TRIPS 協定と更に協調させるためにGCC 特許規則が実質的に改正

された。 1.2.1.2 産業財産に関する法律・規則

GCC 特許制度は、一度の出願により得られた特許権の効力が、バーレーン、クウェー

ト、オマーン、カタール、サウジアラビア及びアラブ首長国連邦のすべての加盟国に自動

的に及ぶ制度である。また、GCC 特許は、GCC 加盟国のいずれかにおける特許から独立

して取得可能である。 2017 年 3 月現在、PCT 国際出願においてGCC 特許庁を指定できず、PCT 国際出願に

よってGCC における特許の付与を求めることはできない。 しかし、クウェートが 2016 年 6月 9日に 149 番目のPCT 加盟国となり、すべてのGCC

加盟国がPCT加盟したことで、GCC特許庁が将来PCTに加盟することは可能となった6。 なお、商標については、域内の商標制度を統一するための統一商標法が制定されている

が、単に制度の統一を目的とするにとどまっており、広域商標庁の設立は目的とされてい

ない7。現時点(2017 年 2 月)で、統一商標法を施行しているGCC 加盟国は、サウジア

ラビア、クウェート、バーレーンである8。 意匠と実用新案に対応する制度は存在しない。 適用法令は以下のとおりである。

・協力会議加盟国特許規則(以下、「特許規則」)、1992 年 12 月 21-23 日にGCC 高理事

5 AIPPI・JAPAN発行 MANUAL FOR THE HANDLING OF APPLICATIONS FOR PATENTS, DESIGNS AND

TRADE MARKS THROUGHOUT THE WORLD(GCC発行年2012年2月)

https://www.jpo.go.jp/torikumi/mohouhin/mohouhin2/manual/pdf/middleeast1.pdf を参照した。 ( 終アクセス日:2016年 11月 15日) 6 Saba Intellectual Property http://www.sabaip.com/en/News/Kuwait-Final-GCC-Country-with-PCT-Membership を

参照した。( 終アクセス日:2017年 2月22日) 7 平成21年度産業財産権制度各国比較調査研究等事業「ロシア、中南米及び中東における知的財産権制度及びその運用状

況に関する調査研究報告書」https://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/chousa/pdf/zaisanken_kouhyou/h21_report_04.pdf ( 終アクセス日:2016年 11月 15日)を参照した。 8 本調査の質問票調査及びヒアリング調査に基づく。

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湾岸協力会議(GCC)

会で承認、1998 年 10 月 3 日運用開始、1999 年改正、2000 年 8 月 16 日に改正発効 ・1996 年特許規則の施行細則(以下、「特許施行細則」)、1998 年 10 月 3 日運用開始、2000

年 8 月 16 日に改正発効 1.2.2. 管轄官庁及び人的体制 特許をGCC 特許庁が管轄する。職員数は 100 名で内訳は、審査官が 40 名(特許:40

名)、他職員:60 名である。

図GC-1 特許庁の組織図9

9 本調査の質問票調査及びヒアリング調査に基づく。

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湾岸協力会議(GCC)

1.3. GCC の産業財産制度の基礎情報(統計情報)10 1.3.1. 産業財産権の出願・登録件数 (1) 特許の出願件数11と登録件数12 特許の出願件数と登録件数は以下のとおりである。

(2) 特許の国籍別13の出願件数(上位 5 か国) 特許の国籍別の出願件数は以下のとおりである。

US:米国、SA:サウジアラビア、CH:スイス、NL:オランダ、DE:ドイツ

10 本調査の質問票調査及びヒアリング調査に基づく。 11 GCC特許庁ウェブサイト http://www.gccpo.org/Statistics/en/FiledApps.aspx を参照した。( 終アクセス日:2017年2月 22日)

12 GCC特許庁ウェブサイトhttp://www.gccpo.org/Statistics/en/GrantedPatents.aspx を参照した。( 終アクセス日:

2017年 2月22日) 13 WIPO PCT出願人の手引国際段階 付属書K http://www.wipo.int/pct/guide/ja/gdvol1/annexes/annexk/ax_k.pdf

を参照した。( 終アクセス日:2017年 2月22 日)

年 特許 出願件数 2012 3,057

2013 2,890

2014 2,492

2015 1,982

2016 1,949 登録件数 2012 375

2013 521

2014 483

2015 662

2016 673

年 特許

国籍 出願件数

2011~ 2015

US 451

SA 171

CH 159

NL 132

DE 114

12

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湾岸協力会議(GCC)

(3) 特許の国籍別の登録件数(上位 5 か国) 特許の国籍別の登録件数の情報は得られなかった。

(4) 特許の分類別の出願件数(上位 5 分類) 特許の分類別の出願件数の情報は得られなかった。 (5) 特許の分類別の登録件数(上位 5 分類)14 特許の分類別の登録件数は以下のとおりである。 (6) 特許の出願人名別の上位 5 名の出願件数 本調査研究では情報が得られなかった。

14 GCC特許庁ウェブサイト http://www.gccpo.org/Statistics/en/GrantedPatents.aspx を参照した。( 終アクセス日:

2017年 3月1日)

年 特許

国籍 登録件数

2011~ 2015

(情報なし) (情報なし)

年 特許

分類 出願件数

2011~ 2015

(情報なし) (情報なし)

年 特許 分類 登録件数

~2017 年 医薬品と生物学 498

化学 1,456

化学工業 860

機械工業と電気工業 1,175

石油と天然ガス工業 1,044

Total 5,033

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湾岸協力会議(GCC)

1.3.2. 審査の状況 (1) 審査に係る期間 審査に係る期間は以下のとおりである。

ファーストアクションの

日までの平均期間 査定日までの平均期間

特許 出願日から 36 月 出願日から 42 月

(2) 終処分の内訳15

終処分の内訳は以下のとおりである。 1.3.3. 審判、行政訴訟及び民事訴訟の統計16 審判請求数は以下のとおりである。なお、本調査研究では訴訟の統計情報は得られなか

った。

件数 拒絶査定に対する不服審判請求 7 登録した権利に対する無効審判請求 0

1.4. 産業財産制度の動向17 1.4.1. 産業財産制度に関する政策・戦略 現時点(2017 年 2 月)で優先権、二重特許、クレームの減縮又は取消、などに関して、

特許規則の見直しを検討している。 また、現状の課題は審査期間の短縮、審査品質の向上、などである。

1.4.2. 産業財産制度に関する運用(品質管理、審査官の育成、産業財産制度の利用促進) 1.4.2.1 品質管理 審査等の業務内容に関する審査の品質を一定に保つために、審査官教育、上長のチェッ

ク、を行っている。また、審査ガイドラインの導入を検討している。

15 GCC特許庁ウェブサイトhttp://www.gccpo.org/Statistics/en/GrantedPatents.aspx を参照した。( 終アクセス日:

2017年 3月1日) 16 本調査の質問票調査及びヒアリング調査に基づく。 17 本調査の質問票調査及びヒアリング調査に基づく。

特許 登録 5,028 拒絶 14,555 合計 19,583 統計年度 2017 年 3 月 1 日までの累積

14

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湾岸協力会議(GCC)

1.4.2.2 審査官の育成 知財庁内部の研修、e-learning、WIPO 研修、外国知財庁主催の研修、国内企業等での

研修、海外への派遣研修(中国国家知識産権局)など、積極的に取り組んでいる。

1.4.2.3 産業財産制度の利用促進・活用支援 ユーザー向け説明会、HP への解説文書のアップロード、各種料金(出願料や登録料な

ど)の減免、などで利用促進、活用支援を行っている。 1.4.3. その他産業財産制度の運用等に関する情報18 その他産業財産制度の運用等に関する情報は、以下のとおりである。

・他の海外知財庁との協力として、講師を招待して研修を行っている。また、他国へ研修

のために審査官を派遣する際には、交通費支援を受ける場合がある。 ・模倣品対策に関する、関係部署(裁判所、税関、警察)との連携した活動はない。 ・主要な判例について本調査研究においては情報が得られなかった。

18 本調査の質問票調査及びヒアリング調査に基づく。

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湾岸協力会議(GCC)

2. 特許 2.1. 特許制度の枠組み19,20

2.1.1. 保護対象 特許規則では、発明の保護のための原則、規則、要件等が定められている。 特許について規則第 1 条21及び規則第 2 条に規定されている。 すなわち、特許を受けることができる発明とは、規則第 2 条の規定からみて、新しい製

品、工業的方法、又は、製造方法のいずれかに関するものであると解される。

2.1.2. 権利の存続期間 特許権の存続期間については出願日から 20 年(延長なし)である。

2.1.3. 権利の効力 特許の権利の効力については、規則第 12 条に以下のとおり規定されている。 特許は、その所有者に、発明を利用する権利を付与する。特許の権利は、製造、使用、

輸入、販売及び販売のための展示に関して効力を有する。 工業的方法又は製品の製造方法に関しては、特許権者は、当該これらの方法を使用する

権利に加えて、これらの方法により直接得られる製品についても同じ権利を有する。

19 AIPPI・JAPAN発行 MANUAL FOR THE HANDLING OF APPLICATIONS FOR PATENTS, DESIGNS AND

TRADE MARKS THROUGHOUT THE WORLD(GCC 発行年2012年2月)を参照した。 20 本章では、断りのない限り、条文は、特許庁 外国産業財産権制度情報 湾岸協力会議(GCC) 「統一特許法」http://www.jpo.go.jp/torikumi/mohouhin/mohouhin2/manual/pdf/middleeast1.pdf#page=390 「特許法施行規則」http://www.jpo.go.jp/torikumi/mohouhin/mohouhin2/manual/pdf/middleeast1.pdf#page=400 を引用する。 21 本章では特許規則条文を「規則第~条」、特許施行細則条文を「施行細則第~条」と記載する。

規則第 1 条(抜粋) 1.7 特許:発明の所有者に官庁から付与される文書であり、それにより、発明は、本規

則及びその細則の規定に従って協力会議諸国内で法的保護を享有する。

規則第 2 条(抜粋) 2.1 本規則及びその細則の規定に従って特許が認められるためには、発明は新規性及び

進歩性を有し、産業上利用可能なものであることを要する。また、発明は、新しい製品、

工業的方法、又は、製造方法のいずれに関するものであるかを問わず、イスラム法、又

は、協力会議諸国において遵守されている公の行動規範に抵触するものであってはなら

ない。

規則第 15 条 特許の有効期間は、出願日から 20 年とする。

16

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湾岸協力会議(GCC)

2.1.4. 優先権 優先権主張が認められる要件、優先期間は規則第 7 条に規定され、優先期間は出願日よ

り 12 月である。願書においては、以前の出願の日付及び出願番号、並びに、出願国を記

載する。

2.1.5. 新規性喪失の例外24 次の場合には新規性を喪失しないものとみなされる(規則第 2 条)。 (1) 出願人若しくは前権利者に対する第三者の権利濫用を原因とする又はその結果である、

22 原文として参照した、特許庁 外国産業財産権制度情報 湾岸協力会議(GCC)「統一特許法」では、「製品の工業的方

法又は製造方法に関しては」となっているが、GCC特許庁ウェブサイト http://www.gccpo.org/ を参照、仮訳し、「工

業的方法又は製品の製造方法に関しては」、と記載する。 23 原文として参照した、特許庁 外国産業財産権制度情報 湾岸協力会議(GCC)「統一特許法」では、「登録番号」とな

っているが、GCC特許庁ウェブサイト http://www.gccpo.org/ を参照、仮訳し、「出願番号」と記載する。 24 AIPPI・JAPAN発行 MANUAL FOR THE HANDLING OF APPLICATIONS FOR PATENTS, DESIGNS AND

TRADE MARKS THROUGHOUT THE WORLD(※条文の前任者は前権利者に読み替えた)(GCC 発行年2012年 2月)を参照した。

規則第 12 条 12.1 特許は、その所有者に、発明を利用する権利を付与する。製品に関する発明は、製

造、使用、輸入、販売及び販売のための展示により利用されるものとみなされる。 工業的方法又は製品の製造方法に関しては22、特許権者は、当該これらの方法を使用す

る権利に加えて、これらの方法により直接得られる製品についても同じ権利を有する。

12.2 特許の目的物が製品である場合、特許権者は、特許権者の事前の承諾なしに、他

の者が製品を製造、使用、販売、販売のための展示、又は、それらを目的として輸入す

ることを妨げる権利を有する。ただし、特許の目的物が工業的方法である場合、特許権

者は、他の者による当該方法の実際の使用を妨げる権利を有する。また、特許権者は、

特許権者の事前の承諾なしに、他の者が、少なくとも当該方法を使用して直接取得した

製品を使用、販売のための展示、販売、又はかかる目的のために輸入することを妨げる

権利を有する。 12.3 特許付与にかかわらず、同ーの製品又は方法に関する他の者による出願日より前、

又は、出願の優先日より前に誠実に、製造し、製品の工業的製造方法を実施し、又は、

それらの準備を行う事業体は、かかる行為を継続する権利を有する。当該権利の譲渡又

は移転は、当該事業体の他の要素とともに行われる場合にのみ認められる。

規則第 7 条 7.1 願書においては、いずれかの国又は地域の特許庁に提出された以前の出願の優先権

を考慮するよう希望を表明することができる。この場合、施行細則に定めるところに従

って、願書においては、以前の出願の日付及び出願番号23、並びに、出願国を記載する。

出願人はその証拠を提出する。提出しない場合、その優先権は、無効となる。 7.2 優先権の期間は、グレゴリオ暦で 12 月とする。

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湾岸協力会議(GCC)

出願日前 1 年以内又は優先権を有効に主張していれば優先日前 1 年以内の、公衆に対する

発明の開示 (2) 出願日前 6 月以内の、公に認められた博覧会における、出願人若しくは前権利者によ

る発明の展示

2.1.6. 登録要件 発明が、特許を受けるための資格を満たすためには、新規であり、進歩性を有し、これ

が産業上利用可能でなければならない。また、新製品、工業的方法、又は、製造方法に関

するものであれ、それがイスラム法又はGCC 加盟国において通用する公の行動規範に反

するものであってはならない(規則第 2 条)。 なお、不登録事由は、規則第 3 条に規定されている。

25 原文として参照した、特許庁 外国産業財産権制度情報 湾岸協力会議(GCC)「統一特許法」では、「前任者」となっ

ているが、GCC特許庁ウェブサイト http://www.gccpo.org/ を参照、仮訳し、「前権利者」と記載する。

規則第 2 条(抜粋) 2.2 発明は、先行技術により予期されるものは新規性があると認められない。先行技術

は、特許出願日、又は、それに関し有効に主張されている優先日より前に書面で表現さ

れたもの、口頭で開示されたもの、方法の使用によるもの、又は、発明の観念を実現す

るその他の方法によっていずれかの場所において、公衆に開示された一切のものから構

成される。本項の適用上、発明の公衆への開示は、出願人又はその前権利者25に対する

濫用行為により、又は、その結果として行われた場合、出願日又は優先日のいずれかに

先立つ 1 年間に行われたものは、考慮されない。発明の公衆への開示は、出願日の前 6月以内に公認の博覧会で行われたものである場合、考慮されない。これに関し、施行細

則において対象となる発明の保護に関する規定を定める。

規則第 2 条(再掲) 2.1 本規則及びその細則の規定に従って特許が認められるためには、発明は新規性及び

進歩性を有し、産業上利用可能なものであることを要する。また、発明は、新しい製品、

工業的方法、又は、製造方法のいずれに関するものであるかを問わず、イスラム法、 又は、協力会議諸国において遵守されている公の行動規範に抵触するものであっては ならない。

規則第 3 条 3.1 本規則の適用上、次のものは発明とはみなされない。 3.1.1 発見、科学理論、数学的方法及びコンピュータプログラム 3.1.2 計画、規則、事業の実施方法、純粋に精神的活動の遂行又は、遊技 3.1.3 植物品種、動物品種、又は、植物若しくは動物を生産するために用いられる生物

学的方法。ただし、微生物学的方法及びそれによる製品は除く。

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湾岸協力会議(GCC)

2.1.7. 第三者による情報提供制度26 第三者による情報提供制度はない。

2.1.8. 出願公開制度27 出願公開制度はない。

2.1.9. 審査請求制度28 審査請求制度はない。 ただし、実体審査料を支払うことで、特許庁は願書を実体審査に回付する制度となって

いる。(2.3.5 審査の手順 (2)実体審査参照) なお、早期審査制度はない。 2.1.10. 秘密保持に関する制度29 秘密保持に関する制度は規則 2 条と施行細則第 15 条に規定されている。

GCC 特許が出願されている発明について、GCC 特許庁が、GCC 加盟国のいずれかの

安全保障に関する旨の意見であれば、その出願は方式審査及び実体審査の通過後に付与さ

れるが、特許は公告されず、公告手数料を支払う必要はない。特許庁は、関係各国にその

旨を通知する。各加盟国は、安全保障に関すると考える分野を特許庁に通知しなければな

らない。

26 本調査の質問票調査及びヒアリング調査に基づく。 27 本調査の質問票調査及びヒアリング調査に基づく。 28 本調査の質問票調査及びヒアリング調査に基づく。 29 AIPPI・JAPAN発行 MANUAL FOR THE HANDLING OF APPLICATIONS FOR PATENTS, DESIGNS AND

TRADE MARKS THROUGHOUT THE WORLD(GCC 発行年2012年2月)を参照した。

3.1.4 人又は動物の身体の外科治療又は診断の方法、及び、人又は動物の身体について

用いられる診断方法。ただし、これらの方法において用いられる製品を除く。 3.2 本法は、植物品種又は動物品種を保護するものではない。

規則第 2 条(抜粋) 2.5 協力会議諸国のいずれかの安全保障に関連する発明についての出願がなされた場

合、施行細則に定められている手続を適用する。

施行細則第 15 条 特許庁が、方式審査及び実体審査に合格した発明がGCC 諸国のいずれかの安全保障に

関連があると判断する場合、当該発明は、公告料を免除される。かかる特許は、出願人

に付与され交付される。また、官庁は、関係国に然るべく通報する。加盟国は、官庁に、

安全保障に関連があるとみなされる分野について通知する。

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湾岸協力会議(GCC)

2.1.11. 分割に関する制度30 分割出願に関しては、 終処分前であれば、いかなる時も分割出願を請求できる。ただ

し、法令の規定はなく、運用により実施されている。

2.1.12. 出願の変更に関する制度31 出願の変更に関する制度はない。

2.1.13. 異議申立てに関する制度 異議申立てに関する制度が規則第 11 条に規定されている。 公告日から 3 月以内に、利害関係人は特許付与に対する異議を不服審査委員会に対して

申し立てることができる。異議が認められた場合、特許は取り消されるが、そうでなけれ

ば特許は維持される32。 不服審査委員会は、GCC 閣僚評議会により設立される。委員会は 12 名の委員で構成さ

れ、各GCC 加盟国における委員会の構成員は、司法委員 1 名及び技術委員 1 名の 2 名で

ある(規則第 1 条、規則第 28 条)。

30 本調査の質問票調査及びヒアリング調査に基づく。 31 本調査の質問票調査及びヒアリング調査に基づく。 32 AIPPI・JAPAN発行 MANUAL FOR THE HANDLING OF APPLICATIONS FOR PATENTS, DESIGNS AND

TRADE MARKS THROUGHOUT THE WORLD(GCC 発行年2012年2月)を参照した。 33 原文として参照した、特許庁 外国産業財産権制度情報 湾岸協力会議(GCC)「統一特許法」では、「閣僚評議会によ

って、本規則及びその細則に定める権限を行使するたに任命された不服審査委員会」となっているが、誤記と判断し、「閣

僚評議会によって、本規則及びその細則に定める権限を行使するために任命された不服審査委員会」と記載する。

規則第 11 条 実体審査によって、出願が本規則及び本細則に定める条件を満たしていることが判明

した場合、官庁は、特許付与の決定を行い、これを、登録簿に記載し、公告する。不服

審査委員会に対し、異議申立書が提出されない場合、公告の日から 3 ヶ月後に、発明の

所有者に対し特許証が交付される。 実体審査において出願が特許の要件を満たしていないことが判明した場合、官庁は、

理由を付して出願を拒絶する決定を行い、決定書の写しを出願人に通知する。その後決

定は公告される。

規則第 1 条 1.3 委員会:閣僚評議会によって、本規則及びその細則に定める権限を行使するために

任命された不服審査委員会33

規則第 28 条 閣僚評議会は、次に従って不服審査委員会を設立する決定を行う。 28.1 委員会は、加盟国の国民の中から、公的資格ではなく個人的資質に基づいて選択

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2.1.14. 審判制度 (1) 拒絶査定不服審判 拒絶査定不服審判については、施行細則第 21 条に規定されている。 実体審査において出願が特許の要件を満たしていないことが判明した場合、特許庁は、

理由を付して出願を拒絶する決定を行い、決定書の写しを出願人に通知する。その後決定

は公告される(規則第 11 条)。 出願人は、公告の日から 3 月以内に不服審査委員会に対して特許庁の決定に対する不服

を申し立てることができる(施行細則第 21 条)。 不服審査委員会の決定に対しては、委員会手続を受け入れる国において遵守されている

規則に従って、権限を有する当局に対し上訴できる(規則第 25 条)。

される 12 名の委員から構成する。 28.2 各加盟国は、委員会に 2 名の委員を指名する。そのうち一人は法律家とし、もう

一人は、技術的専門家とする。 28.3 他の委員は、二名の法律家を、3年の任期を有する委員長及び副委員長に選出す

る。 28.4 委員会は、出席者の 3 分の 2 の多数で決定を行う。 28.5 委員会の会合は、各国から 低一人の委員が出席したときに開催される。 28.6 委員会の会合は、いずれかの国の双方の委員の出席が不可能な場合には 2 週間延

期される。次の会合においても出席できない場合、会合は有効なものとする。 28.7 委員会の委員は、いかなる当局の指示からも独立して中立的にその職務を遂行す

る。

規則第 11 条(再掲) 実体審査によって、出願が本規則及び本細則に定める条件を満たしていることが判明し

た場合、官庁は、特許付与の決定を行い、これを、登録簿に記載し、公告する。不服審

査委員会に対し、異議申立書が提出されない場合、公告の日から 3 月後に、発明の所有

者に対し特許証が交付される。 実体審査において出願が特許の要件を満たしていないことが判明した場合、官庁は、

理由を付して出願を拒絶する決定を行い、決定書の写しを出願人に通知する。その後決

定は公告される。

施行細則第 21 条 実体審査から、出願が本規則又は施行細則に定める要件を満たしていないことが判明し

た場合、官庁は、出願を拒絶する理由を付した決定を発出し、出願人は、その旨書留郵

便により通知を受ける。出願人は、公告の日から 3 月以内に委員会に対し決定について

異論を申し立てることができる。

21

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(2) 無効審判 無効審判制度そのものはない。 GCC 特許規則には異議申立期間を過ぎた後に、権利化された特許の無効を請求する規

定はなく、異議申立期間後に無効を請求するには、GCC 加盟国、それぞれの法令に従っ

て対処しなければならない。 ただし、無効・取消については、委員会へ請求できるという情報もある35。

(3) 訂正審判36 訂正審判制度はない。 2.2 審査基準・審査ガイドライン37 特許に関する審査ガイドラインはない。審査官が各々の経験に基づいて審査を行ってい

る。 なお、出願人向けガイドラインがあり、出願の手順と願書の書き方などが示されている。

34 原文として参照した、特許庁 外国産業財産権制度情報 湾岸協力会議(GCC)「統一特許法」では、「当局」となって

いるが、GCC特許庁ウェブサイト http://www.gccpo.org/ を参照、仮訳し、「当局に」と記載する。 35 JETRO「 近の中東・アフリカの知財情勢について」GCC制度概要(1)(2017年 3月7日)を参照した。 36 本調査の質問票調査及びヒアリング調査に基づく。 37 本調査の質問票調査及びヒアリング調査に基づく。

規則第 25 条 委員会の決定は、委員会手続を受け入れる国において遵守されている規則に従って、権

限を有する当局に34対し上訴することができる。かかる上訴の解決は、本規則の規定、

及び、当該国の法律の要件をそれぞれ遵守して行われるか、これが該当しない場合、一

般的規則に従って解決する。

22

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2.3. 審査業務 2.3.1. 出願から登録までの流れ

図GC-2 出願から登録までの流れ

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2.3.2. 使用分類 国際特許分類(IPC)を使用 2.3.3. 出願に用いる言語 出願言語は、アラビア語及び英語である。出願時には両方の言語が要求される38。 英語による書類はすべて,アラビア語の翻訳文を添付しなければならない。英語又はア

ラビア語によるものでない書類はすべて,アラビア語及び英語の両方の翻訳文を添付しな

ければならない。 この点については、JETRO の資料39においても、「特許出願は、英語とアラビア語で提

出しなければならない。争い生じた場合、与えられた特許のアラビア語資料が裁判で利用

される唯一の公式資料であり、特許出願と審査中の補正のアラビア語資料は重要な位置付

けとなる。したがって、品質の高いアラビア語翻訳を準備して提出することが重要である。」

と記載されている。

2.3.4. 出願日の認定及び出願書類40 出願日の認定については規則第 9 条に規定されている。 GCC 特許庁に提出された出願書類が形式要件を満たしていれば、願書に出願番号が割

り当てられ、出願日が確定する41。 なお、オンライン手続は 初の出願だけ対応しており、現地代理人のみが対象となる42。

出願に必要な書類は以下のとおりである。 アラビア語及び英語による書類を特許庁に提出する必要がある。なお、アラビア語訳の

明細書等は出願と同時に提出しなければならない。また、以下の(3)から(5)の文書について

は、所定の用紙を提出し、書面で誓約することにより、出願日から 3 月以内に提出するこ

とができる(施行細則第 3 条)。

(1) 願書 出願人名及び発明者並びに住所等を記載

(2) 明細書・クレーム・要約及び必要な図面:明細書の記載は他の国と同様に産業上の利

用分野、従来技術等も記載 (3) 委任状:出願人が署名する。この署名は、GCC 加盟国のいずれかの国の領事による

38 AIPPI・JAPAN発行 MANUAL FOR THE HANDLING OF APPLICATIONS FOR PATENTS, DESIGNS AND

TRADE MARKS THROUGHOUT THE WORLD(GCC 発行年2012年2月)を参照した。 39 JETRO 湾岸協力会議特許庁における特許権取得に関する制度概要調査(2016年 6月)p10、

https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/middle_east/ip/pdf/gcc_201606.pdf を参考とした。( 終アクセス日:2017年2月 22日)

40 外国産業財産権侵害対策等支援事業 ミニガイド 湾岸協力会議

http://www.iprsupport-jpo.go.jp/miniguide/miniguide.html を参照した。 41 模倣品対策マニュアル中東編 https://www.jpo.go.jp/torikumi/mohouhin/mohouhin2/manual/pdf/middleeast1.pdf(発

行年2009年3月)を参照した。( 終アクセス日:2017年2月 22日) 42 AIPPI・JAPAN発行 MANUAL FOR THE HANDLING OF APPLICATIONS FOR PATENTS, DESIGNS AND

TRADE MARKS THROUGHOUT THE WORLD(GCC 発行年2012年2月)を参照した。

24

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領事認証(Legalization)を受けなければならない。 (4) 譲渡書(Assignment) 法人が出願する場合に必要で、発明者が署名する。領事認証が必要である。

(5) 登記簿謄本(Extract of the Commercial Register 又は Certified Copy of Articles of Association or Incorporation)

法人が出願する場合に必要である。領事認証が必要 (6) 優先権証明書 (Priority Document)

優先権を主張する場合に必要である。領事認証が必要

43 原文として参照した、特許庁 外国産業財産権制度情報 湾岸協力会議(GCC)「統一特許法施行規則」では、「発明を

理解するためには図面が必要でない場合であっても同様とする」となっているが、GCC特許庁ウェブサイト

http://www.gccpo.org/ を参照、仮訳し、「図面は、発明を理解するために、提出するのが望ましい」、と解した。

規則第 9 条 願書が本規則及び本細則に定める条件を満たしている場合、官庁は、出願日を登録し、

様式審査を行う。実体審査は、実体審査料が支払われてから、官庁により実施されるか、

又は、認定済みの審査機関の一つによって実施される。

施行細則第 3 条 第 1:願書には次を含めるものとする。 3.1 発明の詳細な説明。 初に発明の題名を記載し、次に従う (中略) 3.2 クレーム。起案に際しては、次に従う。 (中略) 3.3 発明に関する図面。発明の性質上図面による明確化を行うことが認められる場合は、

発明を理解するために必要な時に提出することを要する。図面は、発明を理解するため

に、提出するのが望ましい43。 3.4 発明の要約 (中略) 第 2:願書には次を添付する。 3.1 出願人が法人の場合、商業登記簿の抄本、又は、基本定款の正式な抄本 3.2 出願人が発明者と異なる場合、発明に対する出願人の権利の証明 3.3 発明の本質的な要素が第三者の発明から得られた場合、当該第三者の承諾 3.4 願書が代理人により提出される場合、代理人を任命する文書 3.5 願書において他国に提出された以前の願書の優先権を主張する場合、以前の願書の

写しとそれに添付されていた文書、並びに、その出願日と出願番号及び当該願書が提出

された国を示す証明書 (第 2 中で 3.5 を除く)上記の文書は、然るべく認証されることを要する。 文書は英語で記載されていた場合、すべてアラビア語翻訳を添付し、また、他の原語で

記載されていた場合、アラビア語と英語の翻訳を添付する。第1中において記載した文

25

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2.3.5. 審査の手順44 出願は 初に出願日を得るための要件を満たしているか審査される。この要件を充足し

ていれば、出願に出願日を付す。出願はその後、すべての方式要件の充足について審査さ

れる。欠陥が発見された場合、出願人は通知日から 長で 3 月以内に是正するように求め

られ、是正しなければ出願は行われなかったものとみなされる(施行細則第 16 条)。 出願の方式要件が整っていると判明した場合には実体審査の対象となる。特許庁は評定

調査によって実際の審査費用について見積を行い、出願人に通知する。出願人はその後 3月以内に実体審査料を支払う必要があり、支払わなければ出願は放棄されたものとなる。 実体審査料を適時に支払った場合、特許庁は出願書類を実体審査に回付する(施行細則

第 18 条)。 実体審査中に拒絶理由が発見された場合、出願人にその旨が通知され、3 月以内に回答

するよう求められる。回答しなければ出願は拒絶される。出願人は回答時に補正すること

ができる。出願人の回答は出願人の費用負担で審査され、その後に出願人は、3 月以内に

回答するよう再度求められることがあり、この場合も出願人の回答は出願人の費用負担で

審査される。特許を付与することができないと判明した場合、出願は理由を伴う決定によ

って拒絶され、出願人にその旨を通知し、決定が公示される(施行細則第 19 条、施行規

則第 20 条)。 審査において、決裁権限は特許局長にある。分類付与は審査官が行い、審査は請求され

た順(実体審査料が支払われた順)に実施される。審査の権利の有効性を確認する方法と

しては、異議申立ての制度がある。 なお、現在、実体審査は一部を中国国家知識産権局(SIPO)に委託している(2017 年

2 月)45。

44 AIPPI・JAPAN発行 MANUAL FOR THE HANDLING OF APPLICATIONS FOR PATENTS, DESIGNS AND

TRADE MARKS THROUGHOUT THE WORLD(GCC 発行年2012年2月)を参照した。 45 本調査の質問票調査及びヒアリング調査に基づく。

書それぞれの原本及び謄本は、願書に添付する。そのような文書及び願書は、施行細則

の第 4 条及び第 5 条に記載されている要件を満たすことを要する。願書にその他の文書

が添付されていない場合、出願人は、所定の用紙を提出して、出願日から 3 月以内に必

要な文書を提出することを書面で約束することができる。 (以下略)

施行細則第 16 条 特許庁は、本規則及び施行細則に定める条件が満たされていることを確認するために願

書及び添付物を形式的に審査する。当該審査により、本規則に定められている要件が満

たされていなかったことが判明した場合、特許庁は、出願人に対し、書留郵便で、催告

の受領の日から 大 3 月以内に、かかる要件を満たすよう催告を行う。出願人がこれを

行わない場合、出願は無効とみなされ、出願登録簿には、官庁の長官の決定により然る

べき記載される。

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46 規則第1条 1.4 に規定されている。特許庁設置法に定める特許庁の理事会である。理事会(Board of Directors)、はサ

ウジアラビア特許庁長官、UAE経済産業省知的財産副次官、オマーン商工省商務部長、などGCC加盟国からの6名で

構成されている。GCC特許庁ウェブサイト

http://www.gccpo.org/BoardOfDirectorsEn/BorderDirectorsMembers.aspx ( 終アクセス日:2017年 3月9 日)

施行細則第 18 条 方式審査から、出願が方式要件を満たしていることが判明した場合、官庁は、評価見積

に基づいて実体審査において生じる費用の見積を出す。次に官庁は、通知の受領から

大 3 月以内に当該料金を納付するよう求める通知を出願人に書留郵便で送付する。出願

人が所定の期間内に当該納付を行った場合、官庁は、願書を実体審査に回付する。納付

しない場合、出願は無効とみなされ、官庁の長官の決定に基づき、出願登録簿にその旨

記載される。

施行細則第 19 条 19.1 官庁は、実体審査の結果を出願人に通知し、出願人は審査報告書に従って、願書

の補正を官庁に提出する。 19.2 願書は、出願人の費用負担で、出願人による補正及び指示に照らして2回目の審

査を受ける。 19.3 官庁は、2 回目の審査結果を出願人に通知し、出願人は、審査報告書に従って願書

を補正する。願書は、出願人の費用負担で 3 回目の審査を受ける。 19.4 3 回目の審査から、出願が特許付与の条件を満たさないことが判明した場合、出願

は拒絶される。 19.5 願書の補正についての官庁から出願人宛の通知は、その日付から 3 月以内に回答

するものとし、所定の期間内に回答がない場合、出願は拒絶される。

施行細則第 20 条 実体審査から、出願が本規則及び施行細則の要件を満たしていることが判明した場合、

出願人は、公告料及び特許付与料を納付するよう催告を受ける。理事会46が特許付与を

承認すると、通知を受領した日から 3 月以内に料金を納付する。公告料及び付与料の納

付後、決定が公告され特許証が出願人に交付される。料金の納付がなされない場合、出

願人は、更に 3 月以内に納付するよう催告を受け、この間に納付がない場合、出願は無

効とみなされる。公告日から 3 月以内に委員会に対し異議が申し立てられない場合、特

許は登録簿に記録され、出願人に交付される。

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2.3.6. 審査結果の通知及び応答47 方式審査において、欠陥が発見された場合、出願人は通知日から 長で 3 月以内に是正

するように求められ、是正しなければ出願は行われなかったものとみなされる(施行細則

第 16 条)。 実体審査中に拒絶理由が発見された場合、出願人にその旨が通知され、3 月以内に回答

するよう求められる。回答しなければ出願は拒絶される。出願人は回答時に補正すること

ができる。出願人の回答は出願人の費用負担で審査され、その後に出願人は、3 月以内に

回答するよう再度求められることがあり、この場合も出願人の回答は出願人の費用負担で

審査される。特許をまったく付与することができないと判明した場合、出願は理由を伴う

決定によって拒絶され、出願人にその旨を通知し、決定が公告される(施行細則第 19 条)。 なお、これらの審査結果の通知はオンライン送信で通知される。

47 AIPPI・JAPAN発行 MANUAL FOR THE HANDLING OF APPLICATIONS FOR PATENTS, DESIGNS AND

TRADE MARKS THROUGHOUT THE WORLD(GCC 発行年2012年2月)を参照した。

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2.3.7. 出願・登録手数料48 個人の手数料、及び個人以外の高額な手数料の 2 本立ての手数料制度である。 出願および登録に関する手数料は以下のとおりである。

手数料金表 (サウジアラビア・リアル建)

事項 個人 個人以外 出願 2,000 4,000 特許出願の補正 500 1,000 実体審査料 実費(変動あり) 実費(変動あり)

付与及び公告手数料 2,500 5,000 ※ 1サウジアラビア・リアル = 30.86 円(三菱東京UFJ 銀行、外国為替相場一覧表、T.T.S.

2017/2/28) 年金: 係属中の特許出願及び付与特許の両方に関して、出願後 2 年目から 20 年目まで年金を

支払う。年金は、実際の出願日又は優先日と無関係に、出願後の各暦年の 初の 3 月間に

前払し、初回分は出願日の翌暦年の 初の 3 月間に支払う。すなわち年金は、出願の翌暦

年から、毎年 1 月、2 月又は 3 月に支払う。年金は、3 月の猶予期間、すなわち、4 月、5月又は 6 月であれば、割増金を伴い支払うことができる。3 月の猶予期間内における年金

割増金の現行額は、個人についてはSAR 500.00、個人以外はSAR 1,000.00 である。2 年

分以上の年金又は特許全期間の年金についても一括して支払うことができる。現在のGCC法の規定によると、特許庁が出願についてまったく決定を行わず 3 年が経過した場合、出

願人は特許庁が特許付与を決定するまで年金の支払を保留できるが、この決定があった後、

未払となっていた年金額すべてを積算して一括で支払う。年金の支払は関係当事者の請求

に基づき行われる。年金を期間内に支払わない場合、又は割増金を伴い 3 月の猶予期間内

に支払わない場合、特許又は該当すれば出願は失効となり、回復できない。 手数料表 個人及び個人以外の年金 (サウジアラビア・リアル建) 年金 個人 個人以外 2 年目 2,000 4,000 3 年目 2,100 4,200 4 年目 2,200 4,400 5 年目 2,300 4,600 6 年目 2,400 4,800 7 年目 2,500 5,000 8 年目 2,600 5,200

48 AIPPI・JAPAN発行 MANUAL FOR THE HANDLING OF APPLICATIONS FOR PATENTS, DESIGNS AND

TRADE MARKS THROUGHOUT THE WORLD(GCC 発行年2012年2月)を参照し作成した。

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湾岸協力会議(GCC)

9 年目 2,700 5,400 10 年目 2,800 5,600 11 年目 2,900 5,800 12 年目 3,000 6,000 13 年目 3,100 6,200 14 年目 3,200 6,400 15 年目 3,300 6,600 16 年目 3,400 6,800 17 年目 3,500 7,000 18 年目 3,600 7,200 19 年目 3,700 7,400 20 年目 3,800 7,600

30

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湾岸協力会議(GCC)

3. 実用新案 GCC としての実用新案制度はない。 4. 意匠 GCC としての意匠制度はない。 5. 商標

GCC 域内の商標制度を統一するための統一商標法が制定されているが、単に制度の統

一を目的とするにとどまっており、広域商標庁の設立は目的とされていない49。

49 平成21年度産業財産権制度各国比較調査研究等事業「ロシア、中南米及び中東における知的財産権制度及びその運用状

況に関する調査研究報告書」https://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/chousa/pdf/zaisanken_kouhyou/h21_report_04.pdf ( 終アクセス日:2016年 11月 15日)を参照した。

31

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N. 

概括

表 基

礎情

報 

(2016年

12月

時点

パリ

条約

TRIPS

PCT

マド

リッ

ド協定

ハー

グ協定

PLT

TLT

GCC

特許法

実用新案

法意匠法

商標法

特許

実用新案

意匠

商標

特許

実用新案

意匠

商標

特許出願

件数

特許登録

件数

実用新案

出願件数

実用新案

登録件数

意匠出願

件数

意匠登録

件数

商標出願

件数

商標登録

件数

GCC

××

××

××

×〇

〇特許規則

××

××

××

×特許庁

(100)

××

×1,982

662

××

××

××

トルコ

〇〇

〇〇

〇〇

〇×

〇 ※1

〇 ※1

〇 ※1

〇 ※1

〇〇

〇 ※6

〇特許庁

(151名)

13,958

10,100

3,583

2,767

8,896

9,225

110,679

83,027

イスラエル

〇〇

〇〇

×〇

〇×

〇特許法

×〇

特許意匠

〇商標令

〇×

〇〇

特許庁

(190)

×6,904

4,496

××

1,532

1,744

10,453

7,611

イラン

〇×

〇〇

××

××

〇×

〇〇

-×

--

産業財産権庁

(40)

×14,279

2,936

××

11,856

4,150

62,944

19,346

UAE

〇〇

〇×

××

×〇

〇商標法

××

××

商標部

(35)

1,753

177

2-

813

123

20,321

※7

19,040

※7

バーレーン

〇〇

〇〇

×〇

〇〇

〇 ※2

〇GCC商標法

--

--

193

--

-64

38

7,640

4,221

クウェート

〇〇

〇×

××

×〇

〇 ※3

×〇 ※4

〇GCC商標法

-×

-×

特許・商標局

×228

-×

×310

-13,051

7,670

オマーン

〇〇

〇〇

〇〇

〇〇

〇〇

〇〇

--

--

特許・商標

局(1)

特許・商標

局(7)

--

--

328

328

2,061

2,115

カタール

〇〇

〇×

××

×〇

〇×

〇 ※5

〇×

×-

×特許局

(10)

×特許に同じ

商標局

(30)

482

※7

- ※7

××

××

7,608

※7

6,533

※7

サウジアラビア

〇〇

〇×

×〇

×〇

〇特許意匠

法×

〇特許意匠

〇GCC商標法

〇×

〇 ※6

×特許庁

(136)

×特許に同じ

商標局

(23)

2,406

763

××

824

869

18,254

18,631

ヨルダン

〇〇

××

××

××

〇×

〇〇

〇 ※6

××

×

産業貿易供給

省 産業財産

保護局

(34)

×335

83

××

117

87

7,487

5,803

エジプト

〇〇

〇〇

〇×

〇×

〇〇

〇〇

〇 ※6

--

-2,081

472

--

1,958

922

20,143

9,811

〇加盟 ×未加盟

〇制度あり ×制度なし

〇あり ×なし -情報なし

〇あり ×なし -情報なし

〇制度あり ×制度なし -情報なし

 ※7 2014年の件数

   ※2 現在審査を実施していない。

特許に同じ

特許に同じ

※5 登録手続きが存在しない。

〇特許実用新

案法

※2

知的財産部局

特許・商標局

(9)

特許庁

(284)

商標・意匠登録局

(140)

※1 知的財産権に関する法律は、2016年12

月末に法改正されて知的財産法に統一され

た。

※3 特許出願の受理を行っていない。

※4 事実上運用されていない。

※6 公開されていない、又は公開の有

無の情報なし。

加盟している主な条約

産業財産に関する法律・規則

管轄官庁

()内は職員数

産業財産権の出願・登録件数(指定のない限り2015年の件数)

〇特許意匠法

産業財産権部

(61)

審査基準・審査ガイドライン

特許庁

(129名)

特許に同じ

特許に同じ

509

Page 26: 中東諸国における特許・実用新案・意匠・商標の 審 …...2017/10/09  · 年8月16 日に改正発効 1.2.2. 管轄官庁及び人的体制 特許をGCC 特許庁が管轄する。職員数は100

N. 概

括表

 特

許(1) 

(2016年

12月

時点

) 保護対象

権利の存続期間

権利

の効

力優

先権

新規

性喪

失の

例外

登録

要件

出願

言語

使用

分類

出願

日の

認定

方式

審査

実体

審査

GCC

製品

、工

業的

方法

又は製造方法

出願日から20年

自己

の特

許発

明を

実施

する

権利

及び

他人

によ

る実

施を

妨げ

る権利

(物

の発

明の

場合

、実

施と

は、

その

物の

製造

、使

用、

輸入、

販売

、販

売の

ため

の展

示又

は輸

入を

いう

。)

第1国

出願

日か

ら12月

〇・

新規

性・

進歩

性・

産業

上利

用可

アラ

ビア

語英

語国

際特

許分

類(

IPC)

・願

書・

明細

書(

クレ

ーム

、要

約、

図面

)〇

トル

コ産

業財

産権

の範

囲で保護に適格と認められる発明

出願から20年

自己

の特

許発

明の

他人

によ

る実

施を

防止

する

権利

(物

の発

明の場

合、

実施

とは

、そ

の物

の生

産,

販売

,使

用,

若し

くは

輸入,

又は

個人

利用

以外

の目

的の

ため

の在

庫保

有を

いう

。)

第1国

出願

日か

ら12月

〇・

新規

性・

進歩

性・

産業

上利

用可

トル

コ語

、英

語、

フラ

ンス

語、

ドイ

ツ語

国際

特許

分類

(IPC)

・願

書・

明細

書、

クレ

ーム

、要

約、

図面

・手

数料

納付

の領

収書

〇〇

イス

ラエ

・発

明で

あっ

て、

あらゆる技術分野の物又はプロ

セス

・新

規か

つ役

立つ

ものであり、産業上の利用性が

あり

、進

歩性

を有

するものが特許性のある発明

出願日から20年

自己

の特

許発

明を

他人

が利

用す

るこ

とを

防止

する

権利

第1国

出願

日か

ら12月

〇・

新規

性・

進歩

性・

産業

上利

用可

・ヘ

ブラ

イ語

・ア

ラビ

ア語

・英

語国

際特

許分

類(

IPC)

出願

書類

が提

出さ

れた

日(

出願

人氏

名、

手数

料)

〇〇

イラ

何か

らの

製品

又は

方法を初めて生み出し、専門

性、

テク

ニッ

ク、

技術、産業等何らかの方向にお

いて

具体

的な

問題

の解決策を提供する人の精神の

成果

出願日から20年

自己

の特

許発

明を

実施

する

権利

及び

他人

によ

る実

施を

妨げ

る権利

(物

の発

明の

場合

、実

施と

は、

その

物の

製造

、輸

出、

輸入、

販売

の申

出、

販売

、使

用又

はそ

の目

的の

ため

の貯

蔵を

いう。

第1国

出願

日か

ら12月

〇・

新規

性・

進歩

性・

産業

上利

用可

・ペ

ルシ

ャ語

・英

語国

際特

許分

類(

IPC)

出願

人の

身元

の証

明、

発明

の簡

単な

説明

〇〇

UAE

物、

製造

の方

法又

は技術的な問題に対する実用的

解決

につ

なが

る公

知の製造の方法の応用に関連す

るす

べて

の革

新的

な思想

出願日から20年

・自

己の

特許

発明

を利

用す

る権

利(

物の

発明

の場

合、

利用

とは、

その

物の

製造

、使

用、

販売

をい

う。

)・自

己の

特許

発明

の他

人の

利用

を防

止す

る権

利(

物の

発明

の場合

、利

用と

は、

物の

製造

、使

用、

保持

、販

売又

は輸

入を

いう。

第1国

出願

日か

ら12月

〇・

新規

性・

進歩

性・

産業

上利

用可

アラ

ビア

語英

語製

品分

類・

願書

・明

細書

(ク

レー

ム、

要約

、図

面)

・手

数料

〇〇

バー

レー

ン進

歩性

を含

み、

工業

的に利用可能である新規な発

明出願日から20年

自己

の特

許発

明の

他人

によ

る実

施を

禁止

する

権利

(物

の発

明の場

合、

実施

とは

、そ

の物

の製

造、

利用

、使

用、

販売

の提

供若し

くは

販売

、又

はそ

れら

を目

的と

した

輸入

をい

う。

第1国

出願

日か

ら12月

〇・

新規

性・

進歩

性・

産業

上利

用可

能ア

ラビ

ア語

(未

整備

)・

出願

費用

・出

願書

類〇

クウ

ェー

ト※

1※1

※1

※1

※1

※1

※1

※1

※1

※1

※1

オマ

ーン

新規

であ

り、

進歩

性を含み、産業上利用可能なも

のが

発明

であ

る。

出願日から20年

自己

の特

許発

明の

他人

によ

る実

施を

防止

する

権利

(物

の発

明の場

合、

実施

とは

、そ

の物

の製

造、

輸入

、販

売の

申出

、販

売、

利用

又は

販売

の申

出、

販売

若し

くは

利用

の目

的の

所有

をいう

。)

第1国

出願

日か

ら12月

〇・

新規

性・

進歩

性・

産業

上利

用可

アラ

ビア

語ア

ラビ

ア語

以外

の場

合、

翻訳

の添

付国

際特

許分

類(

IPC)

・出

願書

式・

出願

人情

報・

明細

書〇

カタ

ール

新規

性、

進歩

性を

有し、産業上利用可能である発

明出願日から20年

自己

の特

許発

明を

実施

する

権利

及び

他人

によ

る実

施を

禁止

する権

利(

物の

発明

の場

合、

実施

とは

、そ

の物

の製

造、

使用

、販売

の提

供、

販売

、又

は輸

入を

いう

。)

第1国

出願

日か

ら12月

〇 ※2

・新

規性

・進

歩性

・産

業上

利用

可能

アラ

ビア

語国

際特

許分

類(

IPC)

・願

書・

明細

書(

クレ

ーム

、要

約、

図面

)・

手数

料〇

サウ

ジア

ラビ

ア登

録要

件を

満た

す、

製品,方法又はその何れかに

関連

する

発明

出願日から20年

自己

の特

許発

明の

他人

によ

る利

用を

禁止

する

権利

(物

の発

明の場

合、

利用

とは

、そ

の物

の製

造、

販売

、販

売の

申出

、使

用、

保管

又は

これ

らの

目的

での

輸入

をい

う。

第1国

出願

日か

ら12月

〇・

新規

性・

進歩

性・

産業

上利

用可

能ア

ラビ

ア語

国際

特許

分類

(IPC)

・願

書・

明細

書(

クレ

ーム

、要

約、

図面

)・

手数

料〇

ヨル

ダン

技術

分野

にお

ける

製品、方法、又はその両方で、

当該

分野

にお

ける

特定の課題に対する実施可能な

解決

策と

なる

発明

出願日から20年

自己

の特

許発

明の

他人

によ

る実

施を

防止

する

権利

(物

の発

明の場

合、

実施

とは

、そ

の物

の生

産、

利用

、使

用、

販売

の申

出、

販売

又は

輸入

をい

う。

第1国

出願

日か

ら12月

〇・

新規

性・

進歩

性・

産業

上利

用可

アラ

ビア

語ア

ラビ

ア語

以外

の場

合、

翻訳

の添

(特

許分

類を

採用

して

いな

い。

・願

書・

詳細

説明

(明

細書

、ク

レー

ム、

引用

文献

一覧

等)

・要

〇〇

エジ

プト

工業

製品

、産

業上

の方法の応用に関連する発明

出願日から20年

自己

の特

許発

明の

他人

によ

る利

用を

禁止

する

権利

(た

だし

、物の

輸入

、使

用、

販売

又は

流通

につ

いて

は、

いず

れか

の国

で商業

化し

た場

合に

特許

権が

消尽

する

。)

第1国

出願

日か

ら12月

〇・

新規

性・

進歩

性・

産業

上利

用可

能ア

ラビ

ア語

国際

特許

分類

(IPC)

・願

書・

詳細

説明

(明

細書

、ク

レー

ム、

(同

発明

の)

外国

の出

願書

類と

審査

結果

等)

・手

数料

納付

の領

収書

〇〇

〇制

度あ

り 

×制

度なし -情報なし

※2 た

だし

、PCT規

則4.17に

従っ

てい

る。

1 ク

ウェ

ート

の特

許制度は、GCCの特許制度が

カバ

ーし

てい

る。

510

Page 27: 中東諸国における特許・実用新案・意匠・商標の 審 …...2017/10/09  · 年8月16 日に改正発効 1.2.2. 管轄官庁及び人的体制 特許をGCC 特許庁が管轄する。職員数は100

N. 概

括表

 特

許(2) 

(2016年

12月

時点

第三者によ

る情報提供

制度

出願公開制

度審査請求制度

秘密特許

分割に関する

制度

出願の変更

に関する制

度異議申立に関する制度

拒絶査定不服審判

無効

審判

訂正審判

審査結果の通知及び応答

(方式審査)

審査結果の通知及び応答(実体審査)

GCC

××

× ※2

〇〇 ※5

×〇

公告より3月以内

〇通知日より3月以内

〇×

通知より90日以内に補正可能

通知より3月以内に補正可能

トルコ

〇〇

〇〇

〇〇

〇方式要件に対するもの

〇通知から2月以内、裁判所へ

〇裁判所への申立

×意見書提出と補正が可能

通知から6月以内に意見書提出と補正が

可能

イスラエル

〇〇

× ※3

〇〇

×〇

〇〇

〇通知から4月以内に応答

通知から4月以内に応答

イラン

××

××

〇×

〇〇

通知より2月以内に裁判所へ

〇裁判所への申立

〇通知より30日以内に補正可能

通知より30日以内に補正可能

UAE

××

× ※2

〇〇

〇〇

公告から60日以内

〇通知を受けた日から60 日以内

〇裁判所への申立

×通知より30日以内に補正可能

補正可能

バーレーン

××

×〇

〇〇

〇公告から60日以内

〇査定の通知から60日以内に最高

裁へ

〇×

通知から30日以内に応答

通知から30日以内に応答

クウェート

※1

※1

※1

※1

※1

※1

※1

※1

※1

※1

※1

※1

オマーン

〇〇

〇×

〇〇

〇通知から60日以内に裁判所へ

〇通知から60日以内に裁判所へ

〇裁判所への申立

〇通知から60日以内に応答

通知から90日以内に応答

カタール

××

× ※3

×〇 ※6

×〇

公告後60日

〇通知を受けた日から15日

※7

〇裁判所への申立

×方式審査の通知から15日以内に補正

可能

実体審査の通知から3月以内に補正可能

サウジアラビア

×〇

× ※2

〇〇

×〇

請求期間:規定なし、ただし

3月という情報がある。

〇請求期間:規定なし、ただし、

90日という情報がある。

〇×

方式審査の通知から90日以内に補正

可能

実体審査の通知から3月以内に補正可能

ヨルダン

××

××

〇×

〇出願許諾の公告から3月以内

〇決定から60日以内に裁判所へ

〇裁判所への申立

×特許権発行まで補正が可能

特許発行まで補正が可能

エジプト

××

×※2,4

×〇 ※6

〇〇

出願受理の公告から60日以内

〇決定通知から30日以内に委員会

〇裁判所への申立

×補正又は補足の要求から3月以内

応答可能

〇制度あり ×制度なし -情報なし

※7 3月で運用されている。

※3 早期審査を請求できる。

※1 クウェートの特許制

度は、GCCの特許制度が

カバーしている。

※5 法令の規定はなく、運用

により実施

※6 分割できるとの情報があ

る。

※4 日エ間のPPHが利用可能

※2 実体審査料を支払うこ

とで、実体審査開始

511

Page 28: 中東諸国における特許・実用新案・意匠・商標の 審 …...2017/10/09  · 年8月16 日に改正発効 1.2.2. 管轄官庁及び人的体制 特許をGCC 特許庁が管轄する。職員数は100

N. 概

括表

 実

用新

案(1) 

(2016年

12月

時点

保護対象

権利の存続期間

権利

の効

力優

先権

新規

性喪

失の

例外

登録要件

出願言語

使用分類

出願日の認定

方式審査

実体審査

GCC

××

××

××

××

××

×

トル

コ産

業財

産権

の範

囲で

保護

に適格と認められる考案(特許法

の準

用)

出願日から10年

自己の

登録

実用

新案

の他

人に

よる

実施

を防

止す

る権

利(

物の

発明

の場

合、

実施

とは、そ

の物

の生

産,

販売

,使

用,

若し

くは

輸入

,又

は個

人利

用以

外の

目的

のた

めの

在庫保

有を

いう

)※

特許

法準

第1国

出願

から

12

月〇

・新

規性

・産

業上

利用可能

トルコ語、英語、

フランス語、ドイ

ツ語

国際特許分類(IPC)

・願書

・明細書、クレーム、要約、図面

・手数料納付の領収書

〇×

イス

ラエ

ル×

××

××

××

××

××

イラ

ン×

××

××

××

××

××

UAE

物、

製造

の方

法又

は技

術的

な問題に対する実用的解決につ

なが

る公

知の

製造

の方

法の

応用に関連するすべての革新的

な思

想出願日から10年

・自己

の登

録実

用新

案を

利用

する

権利

(物

の発

明の

場合

、利

用と

は、

その

物の

製造、使

用、

販売

をい

う。

)・自己

の特

許発

明の

他人

の利

用を

防止

する

権利

(物

の発

明の

場合

、利

用と

は、

物の

製造、

使用

、保

持、

販売

又は

輸入

をい

う。

出願

日よ

り12月

・新

規性

(革

新的

なものではな

い)

・産

業上

利用可能

アラビア語、英語

製品分類を適用(IPCは使

用していない。)

・願書

・明細書(クレーム、要約、図面)

・手数料、など

〇〇

バー

レー

ン産

業上

利用

可能

であ

る新

規な発明

出願日から10年

自己の

登録

実用

新案

の他

人に

よる

実施

を禁

止す

る権

利(

物の

発明

の場

合、

実施

とは、そ

の物

の製

造、

利用

、使

用、

販売

の提

供若

しく

は販

売、

又は

それ

らを

目的

とし

た輸入

をい

う。

出願

日よ

り12月

〇・

新規

性・

産業

上利

用可能

アラビア語

(未整備)

・出願費用

・出願書類

〇〇

クウ

ェー

ト×

××

××

××

××

××

オマ

ーン

新規

であ

り、

進歩

性を

含み

、産業上利用可能なものが発明

であ

る。

出願日から10年

自己の

登録

実用

新案

の他

人に

よる

実施

を防

止す

る権

利(

物の

発明

の場

合、

実施

とは、そ

の物

の製

造、

輸入

、販

売の

申出

、販

売、

利用

又は

販売

の申

出、

販売

若し

くは

利用の

目的

の所

有を

いう

。)

※特

許法

準用

出願

日よ

り12月

〇・

新規

性・

進歩

性・

産業

上利

用可能

アラビア語

国際特許分類(IPC)

・出願書式

・出願人情報

・明細書

〇〇

カタ

ール

××

××

××

××

××

×

サウ

ジア

ラビ

ア×

××

××

××

××

××

ヨル

ダン

××

××

××

××

××

×

エジ

プト

装置

、道

具及

び設

備の

構造

、構成、製品、製造過程・製造

方法

、並

びに

現在

使わ

れて

いる同類のもの、に関する追加

技術

出願日から7年

自己の

特許

発明

の他

人に

よる

利用

を禁

止す

る権

利(

ただ

し、

物の

輸入

、使

用、

販売

又は流

通に

つい

ては

、い

ずれ

かの

国で

商業

化し

た場

合に

特許

権が

消尽

する

。)

※特

許法準

第1国

出願

から

12

月〇

新規

性アラビア語

国際特許分類(IPC)

・願書

・詳細説明(明細書、クレーム、(同発

明の)外国の出願書類と審査結果等)

・手数料納付の領収書

〇〇

〇制

度あ

り 

×制

度な

し 

-情報なし

512

Page 29: 中東諸国における特許・実用新案・意匠・商標の 審 …...2017/10/09  · 年8月16 日に改正発効 1.2.2. 管轄官庁及び人的体制 特許をGCC 特許庁が管轄する。職員数は100

N. 概

括表

 実

用新

案(2) 

(2016年

12月

時点

第三

者に

よる

情報

提供

制度

出願

公開

制度

審査

請求

制度

秘密

特許

分割

に関

する

制度

出願

の変

更に

関す

る制

度異

議申

立に

関す

る制

度拒

絶査

定不

服審

判無

効審

判訂

正審

判審

査結

果の

通知

及び

応答

(方

式審

査)

審査

結果

の通

知及

び応

答(

実体

審査

GCC

××

××

××

××

××

××

トル

コ×

××

〇〇

〇〇

〇通

知か

ら2月

以内

、裁

判所

〇裁

判所

への

申立

×通

知か

ら3月

以内

に応

答-

イス

ラエ

ル×

××

××

××

××

××

×

イラ

ン×

××

××

××

××

××

×

UAE

××

× ※1

〇×

×〇

〇〇

裁判

所へ

の申

立×

通知

より

30日

以内

に補

正可

能補

正可

バー

レー

ン×

××

〇〇

〇〇

〇裁

判所

への

申立

〇裁

判所

への

申立

×通

知か

ら30日

以内

に応

答通

知か

ら30日

以内

に応

クウ

ェー

ト×

××

××

××

××

××

×

オマ

ーン

〇〇

〇出

願か

ら36月

以内

×〇

〇〇

裁判

所へ

の申

立〇

裁判

所へ

の申

立〇

裁判

所へ

の申

立〇

裁判

所へ

の申

立通

知か

ら60日

以内

に応

答通

知か

ら90日

以内

に応

カタ

ール

××

××

××

××

××

××

サウ

ジア

ラビ

ア×

××

××

××

××

××

×

ヨル

ダン

××

××

××

××

××

××

エジ

プト

××

× ※1

×〇 ※2

〇〇

出願

受理

の公

告か

ら60日

以内

〇決

定通

知か

ら30日

以内

に委

員会

〇裁

判所

への

申立

×補

正又

は補

足の

要求

から

30日

以内

応答

可能

〇制

度あ

り 

×制

度な

し 

-情

報な

※1 実

体審

査料

を支

払う

こと

で、

実体

審査

開始

※2 分

割で

きる

との

情報

があ

る。

513

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N. 概

括表

 意

匠(1) 

(2016年

12月

時点

保護

対象

権利

の存

続期

間権利の効力

優先権

新規性喪

失の例外

登録

要件

出願

言語

使用

分類

出願

日の

認定

方式

審査

実体

審査

GCC

××

××

××

××

××

×

トル

コ工業品又は工芸品等とし

ての

物品

の五

感で

感知

される模様

出願

日か

ら5年

最長

25年

まで

5年

ごと

の更

新が

可能

自己の登録意匠の実施についての排他権(実施とは、自己の意匠が

使用された物品の生産、市場化、販売、販売の申出、輸入、商品化

又はそれらの目的で在庫保持することをいう。)

第1国出願か

ら6月

〇新規性

、独

自性

トル

コ語

国際

意匠

分類

(ロ

カル

ノ分

類)

・願

書・

図面

(又

は写

真等

)・

手数

料納

付の

領収

書〇

×

イス

ラエ

工業過程又は手段によっ

て物

品に

施さ

れる

形状

、構成、模様又は装飾の特

徴で

あっ

て、

完成

した

物品において、視覚に訴え

、視

覚に

よっ

ての

み判

断されるもの(機能のみに

よる

もの

は除

く)

出願

日か

ら5年

5年

ごと

2回

の延

長が

可能

自己の登録意匠を他人が実施することを防止する権利(実施とは、

登録意匠に係る商品分類の物品に意匠若しくは偽物等を応用する、

又は応用を可能とする意図を持った行為、又はその応用を知りなが

ら当該物品を公開し、若しくは商取引のために展示することをい

う。)

第1国出願か

ら6月

認められ

ない

国内

新規

性、

独創

ヘブ

ライ

語ア

ラビ

ア語

(推

奨さ

れな

い)

英語

国際

意匠

分類

出願

書式

図面

出願

費用

〇〇

イラ

ン線、色彩又は立体的形状

であ

り、

工業

又は

手工

業の製品に特別の外観を与

える

もの

新規、独創性

出願

日か

ら5年

5年

ごと

2回

の延

長が

可能

自己の登録意匠を実施する権利及び他人による実施を妨げる権利

(実施とは、物品の製造、輸出、輸入、販売の申出、販売、使用又

はその目的のための貯蔵をいう。)

第1国出願か

ら6月

〇新規

、独

創性

ペル

シャ

語国

際意

匠分

類出

願書

類〇

UAE

産業又は工芸で使用する

こと

がで

きる

革新

的な

3次

元形状である。

出願

日か

ら10年

自己の登録意匠の他人の実施を防止する権利(実施とは、製品を製

造するために産業図面若しくは意匠を使用、又は販売若しくは使用

する目的で、産業図面若しくは意匠に関する製品を輸入若しくは保

持をいう。)

第1国出願か

ら6月

〇新規

、革

新的

で、

かつ

産業上

又は

工芸

製品

とし

て利用

し得

るも

のア

ラビ

ア語

、英

語製

品の

分類

(ロ

カル

ノ分

類で

はな

い。

願書

図面

手数

料な

〇×

バー

レー

ン線及び色の配置又は彩色

され

た若

しく

は彩

色さ

れない三次元形状を工業的

図面

又は

モデ

ルと

みな

す。

出願

日か

ら10年

5年

の延

長が

1回

のみ

可能

自己の登録意匠の他人による実施を禁止する権利(実施とは、物品

の製造、販売、該意匠を含む又は本質的に異ならない物品の商業目

的の輸入をいう。)

第1国出願か

ら6月

〇独創

性、

新規

性ア

ラビ

ア語

未整

備出

願書

式図

面出

願費

用〇

クウ

ェー

ト※

1※

1※1

※1

※1

※1

※1

※1

※1

※1

※1

オマ

ーン

線又は色の任意の構成又

は任

意の

3次

元形

状で

あり、そのような構成物又

は形

態が

、工

業製

品又

は手工芸製品に特別な外観

を与

え、

産業

又は

手工

芸品の形態(pattern)

とし

て役

立つ

こと

がで

き、

視覚に訴え、判断される物

であ

る。

出願

日か

ら5年

5年

ごと

2回

の延

長が

可能

自己の登録意匠の他人による実施を防止する権利(物の発明の場

合、実施とは、物品の製造、販売又は輸入をいう。)

第1国出願か

ら6月

〇新規

性ア

ラビ

ア語

国際

意匠

分類

出願

書類

〇〇

カタ

ール

※2

※2

※2

※2

※2

※2

※2

※2

※2

※2

※2

サウ

ジア

ラビ

ア3次元の具体物、描画、

図形

又は

写真

出願

日か

ら10年

自己の登録意匠の他人による利用を禁止する権利(利用とは、登録

意匠を含む又は示す製品の製造,販売又は輸入をいう。)

第1国出願か

ら6月

〇新規で

あり

、か

つ、

これ

を既知

の工

業意

匠か

ら区

別する

特徴

を有

する

。ア

ラビ

ア語

国際

意匠

分類

願書

、明

細書

、図

面、

手数

料、

など

〇×

ヨル

ダン

法第2条で定義される意

匠又

は工

業モ

デル

出願

日か

ら15年

自己の登録意匠の他人による実施を防止する権利(実施とは、登録

意匠を付した物品の生産、輸入又は販売をいう。)

第1国出願か

ら6月

〇新規性

があ

り,

独創

性が

ある工

業意

匠で

ある

こと

アラ

ビア

語、

英語

(ア

ラビ

ア語

以外

の場

合)

国際

意匠

分類

・願

書・

図面

・意

匠に

係る

物品

の種

類・

意匠

の区

分/

分類

〇〇

エジ

プト

線又は立体の組合せ

出願

日か

ら10年

であ

る。所

定の

手続

によ

り5年

延長

され

る。

自己の登録意匠の他人による利用を禁止する権利(利用とは、自己

の登録意匠を付した製品の使用、製造、販売又は輸入をいう。)

第1国出願か

ら6月

〇新規性

産業上

利用

が可

能ア

ラビ

ア語

国際

意匠

分類

・願

書・

意匠

(又

は見

本)

〇〇

〇制度あり ×制度なし

 -

情報

なし

※1 事実上運用されて

いな

い。

※2 登録手続きが存在

しな

い。

514

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N. 概

括表

 意

匠(2) (2016年

12月

時点

第三

者に

よる

情報

提供

制度

出願公開制

度審査請求制度

秘密意匠

分割に

関す

る制

出願

の変

更に

関す

る制

度異

議申

立に

関す

る制

度拒

絶査

定不

服審

判無効審判

訂正審判

審査結果の通知及び応答

(方式審査)

審査結果の通知及び応答

(実体審査)

GCC

××

××

××

××

××

××

トルコ

××

××

公告の繰り

延べが可能

〇×

〇〇

裁判

所へ

の申

立〇

裁判

所への申立

×不備がある場合に補正命

令-

イスラエル

××

×〇

〇 ※3

×〇

〇〇

〇決定から3月以内

決定から3月以内

イラン

××

××

公開の繰り

延べが可能

××

×〇

〇〇

通知から30日以内に訂正

を求められる。

通知から30日以内に訂正

を求められる。

UAE

××

××

××

〇×

〇裁

判所への申立

×通知より30日以内に補正

可能

-

バーレーン

××

××

××

×〇

〇〇

補正可能

補正可能

クウェート

※1

※1

※1

※1

※1

※1

※1

※1

※1

※1

※1

※1

オマーン

××

××

×〇

〇裁

判所

への

申立

〇裁

判所

への

申立

〇裁

判所への申立

〇裁判所への申立

通知から60日以内に補正

が求められる。

通知から60日以内に補正

が求められる。

カタール

※2

※2

※2

※2

※2

※2

※2

※2

※2

※2

※2

※2

サウジアラビア

××

××

××

〇〇

〇×

通知より90日以内に補正

可能

×

ヨルダン

××

××

××

〇〇

裁判

所へ

の申

立〇

裁判

所への申立

×不備がある場合に補正命

令通知あり

エジプト

××

××

××

〇〇

裁判

所へ

の申

立〇

裁判

所への申立

×不備がある場合に補正命

令補正可能

〇制

度あ

り 

×制度なし -情報なし

※2 登

録手

続き

が存在しない。

※1 事

実上

運用

されていない。

※3 分

割で

きる

との

情報

があ

る。

515

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N. 概

括表

 商

標(1) 

(2016年

12月

時点

保護

対象

権利

の存

続期

間権

利の

効力

優先

権新

規性

喪失

の例

外登

録要

件出

願言

語使

用分

類(

2016年

12月

時点

)出

願日

の認

定方

式審

査実

体審

GCC

××

××

××

××

××

×

トル

コ文

字、

商品

形状

等で

、印

刷に

より

刊行

及び

複製

可能

なも

のか

ら構

成さ

れた

、自

他商

品識

別の

ため

の商

出願

から

10年

10年

ごと

の更

新可

自己

の登

録商

標の

他人

の使

用を

阻止

する

権利

(使

用と

は、

登録

商標

と同

一の

商標

の指

定商

品・

役務

での

使用

、登

録商

標と

混同

の恐

れの

ある

標章

の使

用、

又は

登録

商標

の範

囲に

は該

当し

ない

が周

知の

登録

商標

の評

判を

利用

して

不当

な利

益を

得る

若し

くは

害す

るお

それ

のあ

るも

のの

使用

をい

う。

第1国

出願

から

6月

×識

別性

トル

コ語

国際

分類

(第

10版

・願

書・

商標

見本

・商

標が

使用

され

る商

品・

役務

のリ

スト

・手

数料

納付

の領

収書

〇〇

イス

ラエ

ル2次

元ま

たは

3次

元の

文字

、数

字、

単語

、図

案又

は記

号、

又は

それ

らの

組み

合わ

せ、

及び

音響

、触

覚、

芳香

10年

10年

ごと

の期

間延

自己

の登

録商

標を

排他

的に

使用

する

権利

(使

用と

は、

登録

商標

が付

され

た商

品及

び関

連す

る事

項へ

の商

標の

使用

をい

う。

第1国

出願

から

6月

×識

別性

ヘブ

ライ

語ア

ラビ

ア語

英語

国際

分類

(第

9版

)出

願様

式出

願費

用〇

イラ

ン視

覚的

標識

10年

10年

ごと

の期

間延

自己

の登

録商

標を

排他

的に

使用

する

権利

(使

用と

は、

登録

商標

の標

章の

使用

、当

該標

章と

類似

した

標章

の使

用、

又は

当該

標章

が関

係す

る類

似し

た商

品・

役務

との

間で

混同

を起

こす

使用

をい

う。

第1国

出願

から

6月

×識

別性

ペル

シャ

語国

際分

類(

第9版

)※

1出

願様

式出

願費

用〇

UAE

識別

力を

有す

る形

態を

備え

た任

意の

もの

(音

声も

対象

10年

10年

ごと

の更

新可

自己

の登

録商

標を

排他

的に

使用

する

権利

(使

用と

は、

登録

商標

と同

一又

は類

似の

商標

を使

用し

て消

費者

に混

同を

生じ

させ

る行

為を

いう

。)

6月

×識

別性

アラ

ビア

語国

際分

類(

10版

)※

1

願書

手数

料委

任状

、な

ど〇

バー

レー

名称

、文

言、

シグ

ネチ

ャー

、キ

ャラ

クタ

ー、

記号

、数

字、

題名

、印

章、

図面

、画

像、

刻印

、梱

包、

図形

的要

素、

形状

又は

色、

色群

又は

色の

組合

せ、

その

他の

標識

又は

標識

群等

、及

び音

、匂

いも

対象

10年

10年

ごと

の期

間延

自己

の登

録商

標を

排他

的に

使用

する

権利

(使

用と

は、

登録

商標

と同

一又

は類

似の

商標

を、

指定

商品

・役

務と

同一

、類

似又

は関

連が

ある

商品

・役

務に

用い

て消

費者

に誤

認を

引き

起こ

す行

為を

いう

。)

第1国

出願

から

6月

×識

別性

アラ

ビア

語国

際分

類(

第10版

)※

1出

願様

式出

願費

用〇

クウ

ェー

名称

、文

言、

シグ

ネチ

ャー

、キ

ャラ

クタ

ー、

記号

、数

字、

題名

、印

章、

図面

、画

像、

刻印

、梱

包、

図形

的要

素、

形状

又は

色、

色群

又は

色の

組合

せ、

その

他の

標識

又は

標識

群等

、及

び音

、匂

いも

対象

10年

10年

ごと

の期

間延

自己

の登

録商

標を

排他

的に

使用

する

権利

(使

用と

は、

登録

商標

と同

一又

は類

似の

商標

を、

指定

商品

・役

務と

同一

、類

似又

は関

連が

ある

商品

・役

務に

用い

て消

費者

に誤

認を

引き

起こ

す行

為を

いう

。)

第1国

出願

から

6月

×識

別性

アラ

ビア

語国

際分

類(

第8版

)※

1出

願様

式出

願費

用〇

オマ

ーン

識別

性(

音、

匂い

、味

も対

象)

10年

10年

ごと

の期

間延

自己

の登

録商

標を

独占

排他

的に

使用

する

権利

(使

用と

は、

登録

商標

と同

一又

は類

似の

商標

を、

指定

商品

・役

務と

同一

又は

類似

の商

品・

役務

に用

いる

行為

をい

う。

第1国

出願

から

6月

×識

別性

アラ

ビア

語国

際分

類(

版、

不明

)※

1出

願様

式〇

カタ

ール

視覚

的に

認識

可能

で、

製品

を区

別す

るこ

とが

でき

るす

べて

の明

確な

標章

10年

10年

ごと

の期

間延

自己

の登

録商

標を

排他

的に

使用

する

権利

(使

用と

は、

登録

商標

の使

用、

登録

商標

と顧

客を

誤認

させ

る商

標を

指定

商品

・役

務と

同一

又は

類似

の商

品・

役務

に用

いる

行為

をい

う。

)6月

×固

有の

形態

アラ

ビア

語国

際分

類(

第8版

)※

1願

書手

数料

〇〇

サウ

ジア

ラビ

ア自

己の

製品

又は

サー

ビス

に用

いら

れる

商標

10年

10年

ごと

の期

間延

自己

の登

録商

標を

排他

的に

使用

する

権利

(使

用と

は、

登録

商標

と同

一又

は類

似の

商標

を、

指定

商品

・役

務と

同一

、類

似又

は関

連が

ある

商品

・役

務に

用い

て消

費者

に誤

認を

引き

起こ

す行

為を

いう

。)

6月

×識

別性

アラ

ビア

語国

際分

類(

第10版

)※

1

願書

手数

料サ

ウジ

アラ

ビア

領事

館に

より

署名

、認

証さ

れた

委任

状(

代理

人に

よる

場合

〇〇

ヨル

ダン

自己

の商

品又

はサ

ービ

スに

用い

られ

る視

覚に

よっ

て認

識で

きる

標章

出願

から

10年

10年

ごと

の更

新可

自己

の登

録商

標を

排他

的に

使用

する

権利

(使

用と

は、

登録

商標

と混

同を

生じ

るほ

ど同

一又

は類

似す

る標

章の

使用

をい

う。

)6月

×識

別性

アラ

ビア

語国

際分

類(

第8版

)願

書商

標〇

エジ

プト

自己

の商

品又

はサ

ービ

スに

用い

られ

る視

覚に

よっ

て認

識で

きる

標識

出願

から

10年

10年

ごと

の更

新可

能自

己の

登録

商標

を使

用許

諾を

する

権利

第1国

出願

から

6月

×自

他商

品識

別性

使用

又は

使用

予定

アラ

ビア

語国

際分

類(

第10版

願書

標章

の画

像標

章標

章に

係る

製品

の種

〇〇

〇制

度あ

り 

×制

度な

し 

-情

報な

し※

1 

保護

の例

外あ

516

Page 33: 中東諸国における特許・実用新案・意匠・商標の 審 …...2017/10/09  · 年8月16 日に改正発効 1.2.2. 管轄官庁及び人的体制 特許をGCC 特許庁が管轄する。職員数は100

N. 概

括表

 商

標(2) 

(2016年

12月

時点

第三者によ

る情報提供

制度

出願公

開制

度審

査請

求制

度秘

密特

許分

割に関する

制度

出願の変更

に関する制

度異議申立に関する制度

拒絶査定不服審判

無効審判

訂正審判

審査結果の通知及び応答

(方式審査)

審査結果の通知及び応答

(実体審査)

GCC

××

××

××

××

××

××

トルコ

〇×

×-

〇×

〇公告から3月

〇〇

裁判所への

申立

×不備がある場合に補正命

令補正可能という情報があ

る。

イスラエル

〇慣行として

実施

××

早期

審査

を請

求で

きる

。×

〇分

類の

分割

×〇

公告から3月

〇×

裁判所に取消

請求

×所定の期限内に応答可能

所定の期限内に応答可能

イラン

××

××

××

〇公告から30日

〇×

裁判所に取消

請求

×通知の日から2か月以内

通知の日から2か月以内

UAE

××

××

××

〇公告から30日

〇×

裁判所に取消

請求

×通知の日から60日以内

補正可能

バーレーン

××

××

××

〇公告から60日

〇×

裁判所に取消

請求

〇決定の通知日から90日以

内決定の通知日から90日以

クウェート

××

××

××

〇公告から60日

〇×

裁判所に取消

請求

〇通知された日から90日以

内通知された日から90日以

オマーン

××

××

××

〇公告から90日

〇裁判所への申立

×裁判所に取消

請求

×通知を受領した日から60

日以内

通知を受領した日から60

日以内

カタール

××

××

××

〇公開から4月

〇×

裁判所に取消

請求

〇補正可能

補正可能

サウジアラビア

××

××

××

〇〇

×裁判所に取消請求

〇決定の通知日から90日以

内決定の通知日から90日以

ヨルダン

××

××

××

〇〇

裁判所への申立

×取消審判あ

り×

補正又は修正が可能

補正又は修正が可能

エジプト

××

××

××

〇〇

裁判所への申立

×裁判所に取消

請求

〇不備がある場合に補正命

令補正可能

〇制度あり ×制度

なし

 -

情報

なし

517

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平成 29 年 3 月 平成 28 年度 特許庁産業財産権制度各国比較調査研究等事業

中東諸国における特許・実用新案・意匠・商標の審査運用の実態 および審査基準・審査マニュアルに関する調査研究 報告書

本調査研究報告書の著作権は特許庁に帰属します。

作成: 一般社団法人 日本国際知的財産保護協会

〒105-0001 東京都港区虎ノ門 1-14-1 郵政福祉琴平ビル4階 電話 (03)3591-5315 FAX (03)3591-1510

http://www.aippi.or.jp/