予防接種行政について · 2017-02-14 · 本⽇の内容...

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0 予防接種行政について 兵庫県立健康生活科学研究所講演会 平成26221厚生労働省健康局結核感染症課 予防接種室

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予防接種行政について

兵庫県立健康生活科学研究所講演会

平成26年2月21日厚生労働省健康局結核感染症課

予防接種室

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本⽇の内容

1. 予防接種法の概要と制度見直しのこれまでの経緯

2. 予防接種制度改正後(平成25年度)の議論

3. 予防接種に関する評価・検討組織について(厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会及び3部会)

4. 副反応報告制度について

5. 予防接種健康被害救済制度について

6. その他トピックス

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1.予防接種法の概要と制度見直しのこれまでの経緯

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社会状況 予防接種制度の主な変更昭和23年(1948)

●感染症の患者・死者が多数発⽣●感染症の流⾏がもたらす社会的損失防⽌が急務●社会防衛の強⼒な推進が必要

●痘そう、百⽇せき、腸チフス等12疾病を対象●罰則付きの接種の義務付け

昭和51年(1976)

●感染症の患者・死者が減少●予防接種による健康被害が社会問題化●腸チフス等について、予防接種以外の有効な予防

⼿段が可能に

●腸チフス、パラチフス等を対象から除外し、⾵しん、⿇しん、⽇本脳炎を追加

●臨時の予防接種を⼀般臨時と緊急臨時に区分●罰則なしの義務接種(緊急臨時を除く)●健康被害救済制度を創設

平成6年(1994)

●感染症の患者・死者が激減●医療における個⼈の意思の尊重●予防接種禍訴訟における司法判断

●痘そう、コレラ、インフルエンザ、ワイル病を対象から削除し、破傷⾵を追加

●義務規定から努⼒義務規定へ●⼀般臨時の予防接種の廃⽌

平成13年(2001)

●公衆衛⽣⽔準、医療⽔準は⾶躍的に向上●インフルエンザ予防接種率の低下●⾼齢者におけるインフルエンザの集団感染や症状

の重篤化が社会問題化

●⾼齢者のインフルエンザを追加(⼆類)●⼀類疾病=努⼒義務あり、接種勧奨

⼆類疾病=努⼒義務なし(個⼈の判断による)

平成23年(2011)

●平成21年に新型インフルエンザ(A/H1N1)発⽣●今後同様の事態に備え、緊急的な対応

●新たな臨時接種の創設●接種勧奨規定の創設

平成25年(2013)

●他の先進諸国との「ワクチン・ギャップ」●予防接種制度についての幅広い⾒直し

●Hib感染症、⼩児の肺炎球菌感染症、ヒトパピローマウイルス感染症を追加

●予防接種基本計画の策定●副反応報告制度の法定化 3

予防接種制度と社会状況の変化

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平成22年4月~ 予防接種部会で制度の見直しについて議論

平成22年10月6日 予防接種部会意見書

平成23年7月25日 これまでの主な議論の中間的な状況の整理

平成23年9月29日 予防接種制度の見直しの方向性についての検討案

平成24年5月23日 予防接種制度の見直しについて(第二次提言)

平成25年3月1日 予防接種法改正法案提出(平成25年3月29日成立)

ヒブ、小児用肺炎球菌、子宮頸がん予防ワクチン

について、定期接種化する方向で急ぎ検討すべき。

平成21年12月25日 厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会設置

平成22年2月19日 予防接種部会「第一次提言」とりまとめ

平成22年3月12日 予防接種法改正法案提出(平成23年7月15日成立)

対象疾病、接種事業の適正な実施の確保、情報提供のあり方、費用負担、評価・検討組織のあり方、ワクチンの研究開発の促進等

新型インフルエンザ対策として「緊急」に講ずべき措置

抜本的な見直しの議論が必要と考えられる事項

予防接種制度の見直しについての最近の経緯

子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業(H22・23補正予算)~24年度末まで

4平成25年4月1日 予防接種法改正法 施行 / 予防接種・ワクチン分科会の設置 4

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○ 平成25年4月1日

○ 予防接種施策の総合的な推進を図るため、厚生労働大臣は、「予防接種の総合的な推進を図るための計画」を策定することとする。○ 予防接種を取り巻く状況の変化や施策の効果への評価等を踏まえ、少なくとも5年に一度検討し必要に応じ計画を変更するものとする。

○ 一類疾病はA類疾病、二類疾病はB類疾病に変更。○ 定期接種の対象疾病として、A類疾病にHib感染症、小児の肺炎球菌感染症及びヒトパピローマウイルス感染症を追加する。○ B類疾病について、新たなワクチンの開発や感染症のまん延に柔軟に対応できるよう、政令で対象疾病を追加できることとする。

○ 予防接種施策の適正な推進を図るため、今まで実施してきた副反応報告制度を法律上に位置付け、医療機関から厚生労働大臣への報告を義務化する。

○ 医療機関からの報告に関する情報整理及び調査については、(独)医薬品医療機器総合機構に行わせることができることとする。○ 厚生労働大臣は、報告の状況について(4)の評価・検討組織に報告し、その意見を聴いて、必要な措置を講ずるものとする。

(1).予防接種の総合的な推進を図るための計画の策定

(4).評価・検討組織への付議

(3).副反応報告制度の法定化

2.改正の概要

○ 先進諸国と比べて公的に接種するワクチンの種類が少ない、いわゆるワクチン・ギャップの問題の解消や、予防接種施策を総合的かつ継続的に評価・検討する仕組みの構築等のため、予防接種制度について幅広い見直しを行う必要がある。

○ 予防接種施策の総合的な推進を図るため、平成24年5月に厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会で取りまとめた「予防接種制度の見直しについて(第二次提言)」を踏まえ、定期接種の対象疾病の追加等所要の措置を講ずるもの。

予防接種法改正の概要1.改正の背景

○ 厚生労働大臣は、予防接種施策の立案に当たり、専門的な知見を要する事項について、評価・検討組織(厚生科学審議会に予防接種・ワクチン分科会を設置)に意見を聴かなければならないこととする。

(2).定期接種の対象疾病の追加

3.施行期日

予防接種法改正の概要

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○ 伝染のおそれがある疾病の発⽣及びまん延を予防するために公衆衛⽣の⾒地から予防接種の実施その他必要な措置を講ずることにより、国⺠の健康の保持に寄与する

○ 予防接種による健康被害の迅速な救済を図る

目的

○対象疾病■ A類疾病(主に集団予防、重篤な疾患の予防に重点。本⼈に努⼒義務。接種勧奨有り)

ジフテリア、百⽇せき、急性灰⽩髄炎(ポリオ)、⿇しん(はしか)、⾵しん、⽇本脳炎 、破傷⾵、結核、Hib感染症、⼩児の肺炎球菌感染症、ヒトパピローマウイルス感染症(⼦宮頸がん予防)、痘そう(天然痘)※ 痘そうは政令事項。定期接種は現在実施していない。

■ B類疾病(主に個⼈予防に重点。努⼒義務無し。接種勧奨無し。)インフルエンザ

○定期の予防接種(通常時に⾏う予防接種)・実施主体は市町村。費⽤は市町村負担(経済的理由がある場合を除き、実費徴収が可能。)

○臨時の予防接種・まん延予防上緊急の必要があるときに実施。実施主体は都道府県⼜は市町村。・努⼒義務を課す臨時接種と、努⼒義務を課さない臨時接種(弱毒型インフルエンザ等を想定)がある。

予防接種の実施

予防接種法の概要(その1)

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※下線部は今回の改正事項

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○ 厚⽣労働⼤⾂は、予防接種施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、予防接種基本計画を策定しなければならない。

○ 厚⽣労働⼤⾂は、特に予防接種を推進する必要がある疾病について、個別予防接種推進指針を予防接種基本計画に即して定めなければならない(現在は⿇しん、結核、インフルエンザ)

計画及び指針の策定

予防接種法の概要(その2)

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○ 医療機関等は、予防接種による副反応を知ったときは、厚⽣労働⼤⾂へ報告。○ 厚⽣労働⼤⾂は、報告の状況について審議会に報告し、必要に応じて予防接種の適正な実施のために必要な措置を講ずる。

○ 副反応報告に係る情報の整理及び調査は(独)医薬品医療機器総合機構に委託可能。

副反応報告制度

○ 予防接種により健康被害が⽣じた場合には、医療費・医療⼿当、死亡した場合の補償(死亡⼀時⾦等)、障害年⾦等が⽀払われる。

健康被害救済制度

○ 厚⽣労働⼤⾂は、予防接種施策の⽴案に当たり、専⾨的な知⾒を要する事項について、厚⽣科学審議会の意⾒を聴かなければならない。(例)定期接種の対象年齢・使⽤ワクチンの決定、予防接種基本計画の策定・変更など

審議会への意見聴取

※ その他、国等の責務規定など所要の規定が存在

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定期接種(5条1項) 臨時接種(6条1項⼜は2項) 新臨時接種(6条3項)A類疾病 B類疾病

考え⽅

⼈から⼈に伝染することによるその発⽣及びまん延を予防するため、⼜はかかった場合の病状の程度が重篤になり、若しくは重篤になるおそれがあることからその発⽣及びまん延を予防するために、定期的に⾏う必要がある(社会防衛)

個⼈の発病⼜はその重症化を防⽌し、併せてこれによりそのまん延の予防に資することを⽬的として、定期的に⾏う必要がある(個⼈予防)

まん延防⽌上緊急の必要がある

まん延防⽌上緊急の必要がある

〔臨時接種対象疾病より病原性が低いものを想定〕

実施主体 市町村 市町村都道府県(国が指⽰⼜は⾃ら実施)市町村(都道府県が指⽰)

〔厚労⼤⾂が疾病を定めた場合に実施〕

市町村(国が都道府県を通じて指⽰)〔厚労⼤⾂が疾病を定めた場合に実施〕

接種の努⼒義務 あり なし あり なし勧奨 あり なし あり あり

接種費⽤の負担

市町村(低所得者分は交付税措置)

市町村(低所得者分は交付税措置)

○都道府県が実施した場合国1/2 都道府県1/2

○市町村が実施した場合国1/3 都道府県1/3 市町村1/3

国1/2 都道府県1/4 市町村1/4(低所得者分のみ)

低所得者以外から実費徴収可能

低所得者以外から実費徴収可能 実費徴収不可 低所得者以外から

実費徴収可能

健康被害救済に係る給付⾦額

(例)

【⾼額】障害年⾦(1級)

486万円/年死亡⼀時⾦4,250万円

【低額】障害年⾦(1級)

270万円/年遺族⼀時⾦708万円

【⾼額】障害年⾦(1級)

486万円/年死亡⼀時⾦4,250万円

【B類定期とA類定期・臨時の間の⽔準】障害年⾦(1級)

378万円/年死亡⼀時⾦3,310万円

(※被害者が⽣計維持者の場合)

対象疾病ジフテリア百⽇せき

急性灰⽩髄炎(ポリオ)Hib 等

インフルエンザ(⾼齢者に限る)

A類疾病及びB類疾病のうち厚⽣労働⼤⾂が定めるもの

B類疾病(インフルエンザ)のうち厚⽣労働⼤⾂が定めるもの

各種予防接種の法的位置付け予防接種法における予防接種の類型

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実施主体 負担

定期接種(一類疾病・二類疾病)

市町村

実施主体 負担割合

3ワクチンヒブ

小児用肺炎球菌子宮頸がん予防

市町村

※ 一類定期接種については、多くの市町村では実費を徴収していない

2~3割程度地方交付税で手当

市 町 村(実費など)(低所得者分)

実費など

1/2市町村国

公費負担カバー率 9割

1/2 ※ 地方交付税で手当

実施主体 負担

定期接種(A類疾病)

市町村

9割を地方交付税で手当

市 町 村

※ B類疾病に係る地方交付税の手当は今までと同様

今までの予防接種法

子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業(平成22年度・23年度補正予算 平成24年度末で終了)

平成25年4月1日~(予防接種法改正後)

3ワクチンの定期接種化

(A類疾病に位置付け)

実費など

定期接種の費用負担

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昭和23年 予防接種法制定費用負担は国、都道府県、市町村で1/3ずつ経済的困窮者を除き、実費徴収しなければならない

昭和36年 経済的困窮者を除き、実費徴収できる規定に改正

昭和56年 国、都道府県の費用負担が廃止され、一般財源化

平成11年 地方分権一括法により予防接種は市町村の自治事務となる

平成25年 A類定期接種の地方財政措置を2割から9割に引き上げ

予防接種の費用負担等の経緯

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2.予防接種制度改正後(平成25年度)の議論

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○ 4ワクチンの定期接種化に係る技術的検討

○ 予防接種基本計画の策定

○ HPVワクチン積極的勧奨の一時差し控えの対応について 等

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主に議論・検討が行われたもの

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○ 25年4⽉に⽴ち上げた、予防接種・ワクチン分科会及び予防接種基本⽅針部会において、広く接種機会を提供する仕組みとして、4ワクチンの接種を実施する場合における、接種対象者や接種⽅法等について、専⾨家による技術的な検討を⾏ってきた。

○ その結果、過去の12⽉までに開催した分科会・基本⽅針部会において、⽔痘、成⼈⽤肺炎球菌の2ワクチンについては、概ね技術的な課題について整理できた。

○ あわせて、必要となる財源の捻出⽅法等を関係者と協議を⾏ってきたが、地⽅交付税措置を前提に26年度中に2ワクチンを定期接種化することについて調整が図られた。

○ 厚⽣科学審議会予防接種・ワクチン分科会(1⽉15⽇開催)で以下の内容について、審議・了承。・26年度は⽔痘、成⼈⽤肺炎球菌の2ワクチンについて定期接種化する。・残りのB型肝炎、おたふくかぜ、ロタウイルスワクチンは引き続き検討。・⽔痘はA類疾病、成⼈⽤肺炎球菌はB類疾病に位置付ける。・いずれもワクチンも26年10⽉開始(26年7⽉公布、10⽉施⾏)。・定期接種化に向けて政省令改正、ワクチンの供給等の準備を進める。

(導⼊までのスケジュール)26年1⽉ 第3回厚⽣科学審議会予防接種・ワクチン分科会(2ワクチンの定期接種化について審議)

3⽉ 副反応検討部会(⽔痘、成⼈⽤肺炎球菌の報告基準について検討)

4⽉ 予防接種法の政省令改正に向け法令審査5⽉〜6⽉ 予防接種法の政省令改正のパブリックコメント7⽉ 予防接種法の政省令関係公布

10⽉ 予防接種法の政省令関係施⾏

今後の定期接種に追加するワクチン及び対応について

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委員からの主な意見・審議内容

【26年度中に定期接種化】

水痘

○ 生後12月から生後36月に至るまでの間にある者を対象に、3ヵ月以上の間隔をおいて2回接種することとし、標準的な接種方法としては、生後12月以降なるべく早期に初回接種の機会を確保した後、初回接種終了後6月から12月に至るまでの間隔をおいて2回目を接種する。

○ 将来、成人での重症水痘の増加を防ぐため、経過措置として3歳及び4歳の者に1回接種する。(平成26年度限り。)

肺炎球菌感染症(成人)

○ 65歳の者及び60歳以上で日常生活が極度に制限される程度の基礎疾患を有する者を対象(インフルエンザの定期接種対象者と同様)に、1回接種する。

○ 経過措置として、平成26年度から30年度までは「70,75,80,85歳・・・(5歳刻みの年齢ごと)」を対象とする。

○ 平成31年度以降は、経過措置の接種状況や、接種記録の保管体制の状況等踏まえ、改めて検討をする。

【引き続き検討となったワクチン】

おたふくかぜ

○ 仮りに広く接種をするに当たっては、より高い安全性が期待出来るワクチンの承認が前提であり、新たなMMRワクチンの開発が望まれる。

○ 仮りにそのようなワクチンが開発・承認された場合には、生後12月から24月に至るまでの間にある者を対象に1回接種し、小学校就学の始期に達する日の1年前の日から当該始期に達する日の前日までの間にある者を対象に2回目の接種をすることが望ましい。

B型肝炎○ 今後、接種対象者やスケジュール、使用するワクチンを定めていくため、小児期の水平感染の実

態のさらなる把握、異なる遺伝子型ウイルスに対するワクチンの予防効果(遺伝子型Cウイルスワクチン)について、引き続き研究・検討していく必要がある。

ロタ○ ロタウイルス感染症発症者数(入院者数)や腸重積症のベースラインデータ、ワクチン導入後の

腸重積症患者数など追加データを収集し、有効性・安全性の評価や医療経済学的な評価等が引き続き必要。

4ワクチンの接種法等に関する予防接種・ワクチン分科会及び予防接種基本方針部会での審議内容

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※いわゆる「ワクチンギャップ」は、今回追加した3ワクチンのほか、4ワクチン(⽔痘、おたふく、肺炎球菌(成⼈)、B型肝炎)を指すのが⼀般的。

4ワクチンのうち、2ワクチン(⽔痘、肺炎球菌(成⼈))は26年度に定期接種化予定、残り2ワクチンについては今後、ワクチンの供給・実施体制の確保、必要となる財源の捻出⽅法等について、関係者と協議しながら検討。○:公的予防接種として実施 (⽇本においては定期接種) ×:未実施△:ハイリスク者のみ □: ⼀部の州・準州のみ*1 ⽇本以外はハイリスク者のみ*2 ⽶国は全年齢、他国は⾼齢者のみ*3 B型肝炎ウイルス⺟⼦感染の予防の⽬的で使⽤ (保険適⽤)*4 2歳以上の脾摘患者における肺炎球菌による感染症の発症予防⽬的で保険適⽤あり

厚⽣労働省結核感染症課調べ 平成25年12⽉時点

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予防接種基本計画の策定について

平成25年3⽉の予防接種法改正に伴い、予防接種基本計画(予防接種に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための計画)を策定することとされ、25年度中に定めることとしている。

現在、厚⽣科学審議会予防接種・ワクチン分科会基本⽅針部会等で議論されており、今後、予防接種・ワクチン分科会において審議されることとなっている。

経緯

※ 予防接種・ワクチン分科会において、少なくとも5年ごとを目途に見直しを検討。

第1 予防接種に関する施策の総合的かつ計画的な推進に関する基本的な⽅向第2 国、地⽅公共団体その他関係者の予防接種に関する役割分担に関する事項第3 予防接種に関する施策の総合的かつ計画的な推進に係る⽬標に関する事項第4 予防接種の適正な実施に関する施策を推進するための基本的事項第5 予防接種の研究開発の推進及びワクチンの供給の確保に関する施策を推進するための

基本的事項第6 予防接種の有効性及び安全性の向上に関する施策を推進するための基本的事項第7 予防接種に関する国際的な連携に関する事項第8 その他予防接種に関する施策の総合的かつ計画的な推進に関する重要事項

予防接種基本計画の内容(予防接種法第3条において規定)

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第1 予防接種に関する施策の総合的かつ計画的な推進に関する基本的な⽅向

予防接種基本計画(案)の概要

はじめに

・予防接種がもたらした成果と健康被害の教訓

・予防接種施策への基本的理念(予防接種/ワクチンで防げる疾病は予防する)、科学的根拠に基づく施策の評価・検討について

第2 国、地⽅公共団体その他関係者の予防接種に関する役割分担に関する事項

・各関係者(国、都道府県、市区町村、医療関係者、ワクチンの製造販売・卸売販売業者)の役割について

第3 予防接種に関する施策の総合的かつ計画的な推進に係る⽬標に関する事項

・いわゆる「ワクチン・ギャップ」の解消、接種率の向上、新たなワクチン開発、普及啓発・広報活動の充実等について

第4 予防接種の適正な実施に関する施策を推進するための基本的事項

・予防接種に要する費⽤、健康被害救済制度、予防接種記録の整備について

第5 予防接種の研究開発の推進及びワクチンの供給の確保に関する施策を推進するための基本的事項

・ワクチンの研究開発、⽣産・流通体制について・開発優先度の⾼いワクチン

第6 予防接種の有効性及び安全性の向上に関する施策を推進するための基本的事項

・副反応報告制度、科学的データの収集・解析、予防接種関係者の資質向上について

第7 予防接種に関する国際的な連携に関する事項

・国際的な連携、国際化に向けた対応について

第8 その他予防接種に関する施策の総合的かつ計画的な推進に関する重要事項

・同時接種・接種間隔、関係部局間との連携について

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○ 予防接種に関する施策の実施状況や成果を図るため、工程表を作成し、PDCAサイクル(計画・実施・評価・改善)による定期的な検証の実施。

○ ワクチン・ギャップの解消に向けて、残りのおたふくかぜ、B型肝炎及びロタウイルスワクチンについて、技術的課題等の整理・検討。

○ 開発優先度の高い6ワクチンを定め、新たなワクチンの開発を推進。* 6ワクチン(麻しん・風しん混合(MR)ワクチンを含む混合ワクチン、百日せき・ジフテリア・破傷風・不活化ポリオ

混合(DPT-IPV)ワクチンを含む混合ワクチン、経鼻投与ワクチン等の改良されたインフルエンザワクチン、ノロ、RSV、帯状疱疹)

○ 予防接種に関し、一般国民や被接種者・保護者が正しい知識を持つため、分かりやすい形での普及啓発・広報活動の充実。

○ 予防接種記録の電子化や成人後も予防接種歴が確認できる仕組みの検討。

○ 同時接種、接種間隔等の技術的検討 等

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予防接種基本計画に盛り込まれ、今後、実施及び検討が進められていくもの

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平成25年6月14日に、第2回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会が開催され、以下のとおり専門家による

検討・評価がなされた。

子宮頸がん予防(HPV) ワクチンの副反応に関するこれまでの経緯について

【概要】

・ ワクチン接種の有効性との比較考量の中で、定期接種を中止するほどリスクが高いとは言えない。・ しかし、ワクチンとの因果関係を否定できない持続的な疼痛が、HPVワクチンの接種後に特異的に見られたことから、この副反応の発生頻度等がより明らかになり、国民に適切な情報提供ができるまでの間、定期接種を積極的に勧奨すべきではない。

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1月20日開催 第7回副反応検討部会における

子宮頸がん予防(HPV)ワクチンの審議結果(概要)

子宮頸がん予防ワクチン接種後に副反応として報告された症例、主に広範な疼痛又は運動障害を来した症例について、論点整理を行い、以下のような合意が得られた。

1.海外においても同様の症例の報告はあるものの、発症時期・症状・経過等に統一性がないため、単一の疾患が起きているとは考えられず、ワクチンの安全性への懸念とは捉えられていない。

2.2剤間の比較では、局所の疼痛の報告頻度は、サーバリックスの方が有意に高く見られるものの、広範な疼痛又は運動障害には、有意な差はない。

3.広範な疼痛又は運動障害を来した症例のうち、関節リウマチやSLE等の既知の自己免疫疾患等と診断されている症例については、ワクチンとの因果関係を示すエビデンスは得られていない。

4.今回の症状のメカニズムとして、①神経学的疾患、②中毒、③免疫反応、④心身の反応が考えられるが、①から③では説明できず、④心身の反応によるものと考えられる。

5.子宮頸がん予防ワクチンは局所の疼痛が起きやすいワクチンであり、接種後の局所の疼痛や不安等が心身の反応を惹起したきっかけとなったことは否定できないが、接種後1か月以上経過してから発症している症例は、接種との因果関係を疑う根拠に乏しい。

6.心身の反応が慢性に経過する場合は、接種以外の要因が関与している。

7.リハビリなど身体的アプローチと心理的アプローチ双方を用いて、集学的な治療により重症化・長期化を防ぎ、軽快させていくことが重要である。

報告書案をとりまとめ、次回以降(次回は2月を予定)、積極的な接種勧奨の再開の是非について改めて審議。

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3.予防接種に関する評価・検討組織について(厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会及び3部会)

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予防接種行政に関する審議会・審査会について(25年度以降)

厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会

疾病・障害認定審査会

予防接種・基本方針部会

研究開発及び生産・流通部会

副反応検討部会

1.予防接種及びワクチンに関する重要事項の調査審議2.予防接種法の規定により審議会の権限に属させられた事項の処理

1.予防接種法の規定により審議会の権限に属させられた事項の処理(副反応検討部会に属するものを除く)2.予防接種及びワクチンに関する重要事項を調査審議

1.ワクチンの研究開発及び⽣産・流通に関する重要事項の調査審議

1.予防接種法の規定により審議会の権限に属させられた事項の処理(副反応報告に係る事項に限る)2.予防接種による副反応に関する重要事項を調査審議

感染症・予防接種審査分科会

1.予防接種と疾病、障害、死亡との因果関係に関する審議2.予防接種による健康被害(障害)の状態についての等級に関する審議

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○第1回厚⽣科学審議会予防接種基本⽅針部会(平成25年5⽉17⽇)①部会⻑、部会⻑代理の選出 ②予防接種基本計画の策定に関するフリートーキング③ロタウイルス作業班の設置について

○第2回厚⽣科学審議会予防接種基本⽅針部会(平成25年6⽉24⽇)①予防接種基本計画の策定に向けたヒアリング②⼩児⽤肺炎球菌ワクチンの予防接種(使⽤ワクチンの7価から13価への変更)について③⾵しん対策

○第3回厚⽣科学審議会予防接種基本⽅針部会(平成25年7⽉10⽇)①予防接種基本計画の策定に向けたヒアリング ②⾵しん対策③4ワクチンに関する技術的検討

・⽔痘ワクチン ・おたふくかぜワクチン ・肺炎球菌(ポリサッカライド)ワクチン・B型肝炎ワクチン

④⼩児⽤肺炎球菌ワクチン(使⽤ワクチンの7価から13価への変更)の予防接種について

○第4回予防接種基本⽅針部会(平成25年8⽉9⽇)①予防接種基本計画の策定について②報告事項

・⾵しん対策について ・⿇しんの予防接種率について(過去5年間)・集団予防接種等によるB型肝炎感染拡⼤の検証及び再発防⽌に関する検討会報告

○第5回予防接種基本⽅針部会(平成25年9⽉6⽇)①予防接種基本計画の策定について ②⾵しん対策について

23

予防接種基本⽅針部会における審議状況について①

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○第6回厚⽣科学審議会予防接種基本⽅針部会(平成25年10⽉17⽇)①予防接種基本計画の策定について ②同⼀ワクチンの接種間隔について③報告事項

・⾵しんに関する⼩委員会における検討状況について・集団予防接種等によるB型肝炎感染予防拡⼤の再発防⽌策について(平成25年6⽉18⽇)を受

けた予防接種⾏政のための厚⽣労働省の取組(案)

○第7回厚⽣科学審議会予防接種基本⽅針部会(平成25年11⽉18⽇)①予防接種基本計画の策定について ②B型肝炎ワクチンについて③成⼈⽤肺炎球菌ワクチンについて ④同⼀ワクチンの接種間隔について⑤⽇本脳炎の特例措置対象者(平成26年度)について⑥報告事項

・ロタウイルスワクチン作業班中間報告について ・ワクチン価格等調査について・⾵しんに関する⼩委員会の進捗報告

○第8回厚⽣科学審議会予防接種基本⽅針部会(平成26年1⽉31⽇)①⾵しんに関する特定感染症予防指針(案)について②成⼈⽤肺炎球菌ワクチンの接種記録について③今後の予防接種施策に関する課題等について ④ワクチン評価に関する⼩委員会の設置について

24

予防接種基本⽅針部会における審議状況について②

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第1回 厚⽣科学審議会研究開発及び⽣産・流通部会(平成25年5⽉23⽇)①部会⻑、部会⻑代理の選出 ②ワクチンの研究開発の促進及び⽣産基盤の確保について

第2回 厚⽣科学審議会研究開発及び⽣産・流通部会(平成25年6⽉25⽇)①関係者からのヒアリング(ワクチン産業協会、国⽴感染症研究所 )②ワクチンの研究開発の促進等について

第3回 厚⽣科学審議会研究開発及び⽣産・流通部会(平成25年7⽉19⽇)①関係者からのヒアリング(⽇本製薬⼯業協会、医薬基盤研究所、予防接種推進協議会)②開発優先度の⾼いワクチンについて ③不活化ポリオワクチンのⅡ期接種に向けた研究開発について

第4回 厚⽣科学審議会研究開発及び⽣産・流通部会(平成25年9⽉13⽇)①関係者からのヒアリング(⽇本医薬品卸売業連合会) ②ワクチンの⽣産・流通体制のあり⽅について③開発優先度の⾼いワクチンについて ④予防接種基本計画の策定について

第5回 厚⽣科学審議会研究開発及び⽣産・流通部会(平成25年10⽉31⽇)①予防接種基本計画の策定について ②開発優先度の⾼いワクチンについて③新型インフルエンザワクチン開発・⽣産体制整備事業について

第6回 厚⽣科学審議会研究開発及び⽣産・流通部会(平成25年11⽉28⽇)①今後開発される混合ワクチンにおける接種時期について②新型インフルエンザワクチン開発・⽣産体制整備事業について

研究開発及び⽣産・流通部会における審議状況について

25

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第1回 厚⽣科学審議会副反応検討部会(平成25年5⽉16⽇)①部会⻑、部会⻑代理の選出②⼦宮頸がん予防ワクチンについて

第2回 厚⽣科学審議会副反応検討部会(平成25年6⽉14⽇)①ヒブワクチン、⼩児⽤肺炎球菌、不活化ポリオ、混合不活化ポリオ、インフルエンザ、⽇本脳炎

ワクチンの安全性について②⼦宮頸がん予防ワクチンについて

第3回 厚⽣科学審議会副反応検討部会(平成25年9⽉12⽇)○ジフテリア、破傷⾵、百⽇せき、⿇しん、⾵しん、BCG、おたふくかぜ、⽔痘、A型肝炎、B型肝

炎、ロタウイルス、成⼈⽤肺炎球菌のワクチンの安全性について

第4回 厚⽣科学審議会副反応検討部会(平成25年10⽉28⽇)○ヒブワクチン、⼩児⽤肺炎球菌、不活化ポリオ、混合不活化ポリオ、⽇本脳炎、⼦宮頸がん予防

ワクチンの安全性について

第5回 厚⽣科学審議会副反応検討部会(平成25年12⽉16⽇)○⼦宮頸がん予防ワクチン接種後の副反応報告について(個別症例検討)

第6回 厚⽣科学審議会副反応検討部会(平成25年12⽉25⽇)①⼦宮頸がん予防ワクチン接種後の副反応報告について(個別症例検討)②⼦宮頸がん予防ワクチンについて

第7回 厚⽣科学審議会副反応検討部会(平成26年1⽉20⽇)○⼦宮頸がん予防ワクチンについて

26

副反応検討部会における審議状況について

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4.副反応報告制度について

27

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③情報の整理・報告の調査を委託

⑤調査結果等の通知

地方公共団体

②副反応報告の情報提供

④調査

⑦意見

⑥調査結果等の報告・意見聴取

⑧必要な措置(情報提供、接種の見合せ等)

薬事・食品衛生審議会

連携

(独)医薬品医療機器総合機構(PMDA)

副反応検討部会(審議・評価)

○ 予防接種制度上の副反応報告と薬事制度上の副作用等報告を厚生労働省に一元化し、医療機関の報告事務を簡素化。

○ 報告を受けた副反応報告の個別事例について、厚生労働省が(独)医薬品医療機器総合機構に情報整理及び調査を委託。

○ 厚生科学審議会が薬事・食品衛生審議会と連携して副反応報告に係る評価を行った上で、厚生労働省が必要な措置を行う。

医療機関(調査への協力)

厚生労働省(国立感染症研究所と協力・連携)

(注)被接種者や保護者等からも副反応報告を集める。

副反応報告制度(平成25年4月~)

28

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5.予防接種健康被害救済制度について

29

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予防接種健康被害救済制度

健康被害を受けた者

疾病・障害認定審査会(感染症・予防接種審査分科会)厚生労働省

市町村

① 申請

③ 意見聴取

④ 意見

⑥ 支給・不支給

申達

認定・否認

○ 予防接種の副反応による健康被害は、極めてまれではあるが不可避的に生ずるものであることを踏まえ、接種に係る過失の有無にかかわらず、迅速に救済。

○ 専門家により構成される疾病・障害認定審査会において、因果関係に係る審査。

必要に応じ、医療機関等に対し、審査に係る資料の提出を求める。

○ 予防接種法に基づく予防接種を受けた者に健康被害が生じた場合、その健康被害が接種を受けたことによるものであると厚生労働大臣が認定したときは、市町村より給付。

都道府県

救済制度の流れ

A類疾病の定期接種 B類疾病の定期接種

医療費 自己負担分 A類疾病の額に準ずる

障害児養育年金

1級 (年額) 151万円2級 (年額) 121万円

1級 (年額) 84万円2級 (年額) 67万円

障害年金 1級 (年額) 483万円2級 (年額) 386万円3級 (年額) 290万円

1級 (年額) 268万円2級 (年額) 214万円

死亡した場合の補償

死亡一時金 4,220万円 ・生計維持者遺族年金 (年額)234万円

(最長10年)

・生計維持者でない遺族一時金 703万円

給付の内容(主なもの)

30

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健康被害救済制度の変遷

経 緯 給付額

昭和45年(1970年)

「閣議了解」

予防接種健康被害に対する救済措置が講じられる。(医療費、後遺症一時金及び弔慰金の給付)

○後遺症一時金 130万円~330万円○弔慰金 270万円~330万円

昭和51年(1976年)

「予防接種法改正」

予防接種による健康被害に対する法的救済制度が創設される。(医療費・医療手当、障害児養育年金、障害年金、死亡一時金、葬祭料)

○障害児養育年金 216千円~624千円○障害年金 816千円~1,668千円○死亡一時金 11,700千円○葬祭料 44千円

平成6年(1994年)

「予防接種法改正」

法の目的に「予防接種による健康被害の迅速な救済を図ること」が追加され、保健福祉事業が法定化されるとともに、給付設計の抜本的見直しによる救済給付額の大幅な改善及び介護加算制度の創設等の措置が講じられる。

○障害児養育年金(※) 1,205千円~2,332千円○障害年金(※) 2,892千円~5,643千円○死亡一時金 42,100千円○葬祭料 149千円

(※)介護加算額を含む。

平成13年(2001年)

「予防接種法改正」二類疾病の定期の予防接種について①個人予防目的に比重②義務が課されていない

ことから、一般の医薬品副作用被害救済と同程度の救済給付水準とした。

(一類疾病)○障害児養育年金(※) 1,244千円~2,422千円○障害年金(※) 2,983千円~5,839千円○死亡一時金 43,500千円○葬祭料 179千円(二類疾病)○障害年金 2,209千円~2,762千円○遺族年金 2,416千円○遺族一時金 7,247千円○葬祭料 179千円

(※)介護加算額を含む。

※医療費については、昭和45年から現在において、自己負担相当額を給付。31

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臨時接種及びA類疾病の定期接種 B類疾病の定期接種 (参考)医薬品副作⽤被害救済制度

⽣物由来製品感染等被害救済制度

医療費 健康保険等による給付の額を除いた⾃⼰負担分

A類疾病の額に準ずる 健康保険等による給付の額を除いた⾃⼰負担分

医療⼿当 通院3⽇未満 (⽉額)通院3⽇以上 (⽉額)⼊院8⽇未満 (⽉額)⼊院8⽇以上 (⽉額)同⼀ ⽉ ⼊ 通 院 ( ⽉ 額 )

33,300円35,300円33,300円35,300円35,300円

A類疾病の額に準ずる 通院3⽇未満 (⽉額) 33,300円通院3⽇以上 (⽉額) 35,300円⼊院8⽇未満 (⽉額) 33,300円⼊院8⽇以上 (⽉額) 35,300円同⼀⽉⼊通院(⽉額) 35,300円

障害児養育年⾦

1級 (年額) 1,509,600円2級 (年額) 1,207,200円

1級 (年額) 838,800円2級 (年額) 670,800円

障害年⾦ 1級 (年額) 4,825,200円2級 (年額) 3,860,400円3級 (年額) 2,896,800円

1級 (年額) 2,680,800円2級 (年額) 2,144,400円

1級 (年額) 2,680,800円2級 (年額) 2,144,400円

死亡した場合の補償

死亡⼀時⾦ 42,200,000円 ・⽣計維持者でない場合遺族⼀時⾦ 7,034,400円

・⽣計維持者である場合遺族年⾦ (年額)2,344,800円

(10年を限度)

・⽣計維持者でない場合遺族⼀時⾦ 7,034,400円

・⽣計維持者である場合遺族年⾦(年額)2,344,800円

(10年を限度)

葬祭料 201,000円 A類疾病の額に準ずる 201,000円介護加算 1級 (年額) 834,200円

2級 (年額) 556,200円

32

給付額の比較

(注1)単価は平成25年10月現在。(注2)具体的な給付額については、政令で規定。(注3)B類疾病の定期接種に係る救済額については、医薬品副作用被害救済制度の給付額を参酌して定めることとされている

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過去の給付件数(予防接種法)

33

該当年度医療費・医療手当

障害児養育年金

障害年金 死亡一時金 遺族年金 遺族一時金 葬祭料

20年度 48 7 3 0 0 0 121年度 27 4 5 2 0 0 222年度 26 2 3 1 0 0 123年度 41 5 7 5 0 0 524年度 50 3 2 1 0 0 1

該当年度 審査件数 認定件数 否認件数 保留件数 認定割合(%)

20年度 71 57 8 6 87.721年度 67 38 9 20 80.922年度 52 31 5 16 86.123年度 74 57 8 9 87.724年度 85 56 20 9 73.7

(内訳)

(認定件数の推移)

(注1)該当年度中に審議結果が出た件数である。(注2)同一人から複数の申請がされる事例(医療費・医療手当と障害年金など)があるため、件数は人数と必ずしも一致しない(注3)認定割合は、保留となったものを含めずに計算している。

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1.予防接種事故発生調査費(補助金)

予防接種による健康被害発生時に、市町村が設置する予防接種調査委員会に対す

る補助○補助先:都道府県(市町村)○補助率:2/3(国1/2、都道府県1/4、市町村1/4)○補助額:事故調査1件あたり239,000円×補助率

2.ポリオ生ワクチン2次感染対策事業(補助金)

定期接種時に使用されていた生ポリオワクチンの2次感染により、健康被害となっ

た者を対象とする救済措置に対する補助○補助先:都道府県(市町村)○補助率:2/3(国1/2、都道府県1/4、市町村1/4)○補助内容 ※⽀給額は医薬品副作⽤被害救済制度並び

・医療費・医療手当・特別手当(障害児養育年金、障害年金、死亡一時金)・葬祭料

34

国の補助事業について(健康被害救済制度関係)

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35

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6.その他のトピックス

36

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風しん 定点当たり報告数の推移(小児科定点,1982年~2006年)

[感染症発生動向調査より]

0.00

0.02

0.04

0.06

0.08

0.10

1999

/ 14

2000

/ 1

2001

/ 1

2002

/ 1

2003

/ 1

2004

/ 1

2005

/ 1

2006

/ 1

/ 13

定点あたり報告数

0.0

1.0

2.0

3.0

4.0

5.0

6.0

7.0

8.0

9.0

10.0

11.0

12.0

1982

 / 1

1983

 / 1

1984

 / 1

1985

 / 1

1986

 / 1

1987

 / 1

1988

 / 1

1989

 / 1

1990

 / 1

1991

 / 1

1992

 / 1

1993

 / 1

1994

 / 1

1995

 / 1

1996

 / 1

1997

 / 1

1998

 / 1

1999

 / 1

2000

 / 1

2001

 / 1

2002

 / 1

2003

 / 1

2004

 / 1

2005

 / 1

2006

 / 1

Year / Week

1977年から女子中学生に対する風疹定期予防接種開始

1981年7月厚生省サーベイランス事業開始

1989年4月から1993年4月まで定期麻疹予防接種時にMMRワクチンの選択が可能

1995年4月から生後12~90か月の男女に対する定期予防接種開始、中学生は男女ともに定期予防接種対象となる

2006年4月1日から、定期予防接種としてMRワクチンの使用開始、同年6月2日から1歳児と小学校入学前1年間の2回接種開始

2004年推定患者数3.9万人

(国立感染症研究所感染症疫学センター作成資料に一部改変))

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風しん患者報告数(2013年1‐50週)

国立感染症研究所感染症疫学センター作成

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風しん抗体保有状況(2011年感染症流行予測調査より)

男性

女性

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風しん定期接種制度の変遷

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○目標

早期に 先天性風しん症候群の発生をなくすとともに、平成三十二年度 までに風しんの排除を達成することを目標とする 。

○ 定期予防接種の接種率目標(95%以上)の達成・維持

風しんの定期接種(1歳児、小学校入学1年前の2回)の接種率をそれぞれ95%以上とする。

○ 成人に対する抗体検査・予防接種の推奨

企業等と連携し、雇用時等の様々な機会を利用して、従業員等が罹患歴又は接種歴を確認でき

るようにするとともに、いずれも確認できないものに対して、抗体検査や予防接種を推奨する。(注)平成25年度補正予算案において、検査費用の助成を計上(約12億円)

○ 先天性風しん症候群の児への医療等の提供

日本医師会や関係学会等と連携し、先天性風しん症候群と診断された児が症状に応じ適切な

医療や支援制度を受けられるよう、情報提供及び制度のより適切な運用等を行う。

風しんに関する特定感染症予防指針(案)(概要)

○ 今後の予定

年度内に告示を行い、平成26年度から施行予定。

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H8

18H917

H10

16H11

15H12

14

H13

13H14

12H15

11H16

10H17

9H18

8H19

7H20

6H21

5H22

4H23

3

※生まれた年度/平成26年度に迎える年齢(歳)

平成17~21年度に9歳。2期の積極的勧奨を中止

平成17~21年度に3歳。1期・1期追加の積極的勧奨を中止

●積極的勧奨を実施する期間(標準的な接種年齢)1期(2回接種)・・・3歳 1期追加(1回接種)・・・4歳2期(1回接種)・・・9歳

・マウス脳由来ワクチン接種後の重症のADEM(急性散在性脳脊髄炎)の発生を踏まえ、平成17年5月30日から、積極的勧奨を差し控え、特に希望する者のみに接種することとした。

・平成21年2月に「乾燥細胞培養日本脳炎ワクチン」が薬事承認されたことから、積極的勧奨の差し控えは平成22年3月31日に終了し、ワクチンの供給状況を踏まえつつ、順次、積極的勧奨を再開している。

平成25年度までの対応

平成22年度~:3歳児の積極的勧奨を再開(通常の接種スケジュールで実施)

・平成28年度から、積極的勧奨再開後の9歳児の2期接種の勧奨を予定

A B

生年度

年齢

●定期接種の対象年齢1期・・・生後6か月以上7歳6か月未満2期・・・9歳以上13歳未満

平成26年度の対応(予定)

政令上の接種対象年齢

標準的な接種年齢

○ 日本脳炎の定期の予防接種について →26年度の見通し【イメージ】

H24

2

23・1期追加

24・1期

【積極的勧奨の実施】

平成24年度:8歳、9歳(1期)、10歳(1期追加)接種の積極的勧奨

通常のスケジュールで実施

H25

1

25・1期

25・1期追加24・1期追加

23・1期

【政令改正】・ 20歳まで接種可能とする者に、平成7年4月2日~5月31日生まれの者を追加(25年度)

【積極的勧奨の実施】・1期接種の積極的勧奨 → Bの25年度時に7歳(H18年度生) 、8歳(H17年度生)の者・1期追加接種の積極的勧奨 → Bの25年度に時9歳(H15年度生)、10歳(H16年度生)の者・2期接種の積極的勧奨 →  Aの当時18歳(H7年度生)の者

→ Bのうち積極的勧奨の差し控え期間中に1期・1期追加の接種を完了した者(ただし市町村が実施可能な範囲で実施)

平成17年度に4歳。

1期追加の積極的勧奨を中止

26・1期追加

26・2期

H26

0

・1期追加の積極的勧奨 → Bの8歳(H18年度生) 、9歳(H17年度生)・2期接種の積極的勧奨 → Aの18歳(H8年度生)

→ Bのうち積極的勧奨の差し控え期間中に1期・1期追加の接種を完了した者(ただし市町村が実施可能な範囲で実施)

H7

19

25・2期

平成23年度:9歳(1期)、10歳(1期追加 )接種の積極的勧奨

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予防接種センター機能推進事業について

○ 予防接種要注意者(基礎疾患を有する者、アレルギー体質の者等)が安⼼して接種できる医療機関を設ける

○ 夜間・休⽇に予防接種できる体制を整備する○ 予防接種に関する知識や情報提供、予防接種の事前事後の医療相談の実施する

→ これらの整備のため、国から都道府県に1か所の設置を依頼及び国庫補助を実施

1.当初(平成13年度)の目的

○予防接種を巡る医療現場の急激な変化への対応・近年急増している接種ワクチンの増加に伴う接種本数や接種間隔等の複雑化・予防接種やワクチンに関する最新知⾒を得る機会や研修の必要性

○予防接種の安全性に関する⼀般国⺠や関係団体の関⼼の⾼まり・個別接種の原則やインフォームド・コンセントの浸透・被接種者のワクチンの安全性や副反応に関する関⼼の⾼まり・「集団予防接種等によるB型肝炎感染拡⼤の検証及び再発防⽌に関する検討会」報告書等の再発防⽌策等

に、接種事故防⽌に関する教育や研修の取り組みや向上の要望【取組の強化】

26年度予算(案)で、①補助メニューに医療従事者を対象とする研修事業を追加、②1件あたり補助額を278万円から446万円に増額

2.課題と強化について

*予防接種センター機能推進事業地⽅⾃治体での予防接種要注意者や情報提供、医療相談等を実施するための機能病院の設置に必要な経費について、

補助を実施。○補助先:都道府県 ○補助率:1/2 ○補助額:1件あたり273万円× 1/2

地域での予防接種の中核機能として、予防接種センターの機能の全都道府県設置及び機能強化について、ご理解とご協⼒をお願いしたい。 43

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予防接種センター機能の設置状況(25年7月時点)※予定含む

設置府県 病院数

センター機能病院

19 24

【現在の設置数】

44

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予防接種制度の⾒直しについて(第⼆次提⾔)の概要

2.予防接種の総合的な推進を図るための計画(仮称)

○評価・検討組織で5年に1度を目途に見直す。

○医学的観点からは、7ワクチン(子宮頸がん、ヒブ、小児用肺炎球菌、水痘、おたふくかぜ、成人用肺炎球菌、B型肝炎)について、広く接種を促進することが望ましい。

○新たなワクチンの定期接種化には、継続的な接種に要する財源の確保が必要。

○子宮頸がん、ヒブ、小児用肺炎球菌の3ワクチンは、24年度末まで基金事業を継続できるが、25年度以降も円滑な接種を行えるようにする必要がある。

○ロタは24年内を目途に専門家の評価を行う。

4.予防接種法上の疾病区分○疾病区分の2類型を維持。

○機動的な見直しのため、2類疾病についても政令で対象疾病を追加できるようにする。

○「1類・2類疾病」の名称は、変更を検討。

○7疾病の分類案・1類疾病要件①:集団予防を図る目的

【ヒブ、小児用肺炎球菌、水痘、おたふくかぜ】

要件②:致命率が高いこと等による重大な社会的損失の防止を図る目的

【子宮頸がん、B型肝炎】

・2類疾病:個人予防目的に比重【成人用肺炎球菌】

5.接種費用の負担のあり方○定期接種は市町村の支弁による自治事務

であり、地域住民の健康対策として安定的に運営されている。低所得者を除き実費徴収できるが、ほとんどの市町村では実費徴収せず公費負担。

○3ワクチンは22年度から公費負担対象者が9割相当となる仕組みを導入し、接種促進を図っている。

○接 種 費 用 の 負 担 の あ り 方 に つ い て 、 市 町村等関係者と十分に調整しつつ検討。

6.ワクチン価格等の接種費用

○ワクチン価格の実態等を勘案しつつ、予防接種施策の効率的な実施に必要な措置を講ずる。

○適切な問診料の水準について検討。

○子どもの予防接種は、次代を担う子どもたちを感染症から守り、健やかな育ちを支える役割を果たす。

○ワクチン・ギャップに対応し、予防接種施策を中長期的な観点から総合的に評価・検討する仕組みを導入。

8.関係者の役割分担

○国、地方自治体、医療関係者、ワクチン製造販売業者等の役割分担を「2」の計画で定める。

11.感染症サーベイランス

○予防接種が有効か、新たに導入すべきワクチンはあるか等を随時評価。

12.ワクチンの研究開発の促進と生産基盤の確保

○必要とされるワクチンに関して、研究開発の優先順位や方向性を提言。

○ワクチン製造販売業者等の研究開発力を強化し、国際競争力を確保。

1.見直しの目的

平成24年5月23日厚 生 科 学 審 議 会感 染 症 分 科 会予 防 接 種 部 会

7.予防接種に関する評価・検討組織

○医療関係の専門家、地方自治体、経済学者、法律家、メディア等を委員とし、傍聴者から発言を求めることも検討。

○公募枠の導入など、公開性・透明性を一層高めるための方策を検討。

○現在の予防接種部会を発展的に充実化。厚労省健康局が国立感染症研究所等と連携して事務局を務め、体制を充実・強化。

9.副反応報告制度、健康被害救済制度

○ 副 反 応 報 告 を 医 療 機 関 に 義 務 づ け 、薬事法上の報告と一元化。

○PMDAが情報整理・調査を行い、医療機関等は調査に協力するよう努める。

○評 価 ・ 検 討 組 織 が 評 価 を 行 い 、 国 が 必要に応じて接種の一時見合わせ等の措置を講ずる。

○一般から寄せられる副反応情報を含め、幅広く情報収集。

10.接種方法、接種記録、情報提供

○接種記録は、予防接種台帳のデータ管理の普及や活用について、さらに検討。

○予防接種の意義やリスクに関する分かりやすい情報提供が重要。

3.予防接種法の対象疾病・ワクチンの追加

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いっそうのご支援ご協力をお願いいたします

ご清聴ありがとうございました

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