人間生活文化研究所の使命と活動 .pdf ·...

34

Upload: others

Post on 06-Sep-2019

0 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

1.大妻女子大学人間生活文化研究所における研究支援事業

• 学内に競争的研究費を新設、そして科研費申請へ。

• 人間生活文化研究所が中心となって大学内で行うプロジェクト

「戦略的個人研究費」 「学内共同研究プロジェクト」

「大学院生研究助成」 「研究員研究助成」

• これらのプロジェクトの募集、審査、採択を行い、その研究成果報

告をオンラインジャーナル「人間生活文化研究」(International

Journal of Human Culture Studies)に掲載する。

2.科研費獲得のための研修会「科研塾」の開催

• 4月(初任者の研修)、7月、10月(直前研修)で開催

• 個人相談 、申請書の添削指導などは随時行っている。

3.電子書籍「Otsuma eBook」 により教員、大学院生の出版を支援

人間生活文化研究所の使命と活動人間生活文化研究所の研究支援活動

科研費獲得のための研修会「科研塾」科研費獲得のための研修会「科研塾」

■研究支援室(H30年度新設)と共同開催■2019年度は年に3回開催

• 4月(2回開催):新任者に対する「研究活動スタート支援」「科研費申請の基礎知識」6月:「科研費申請のポイント・戦略」など

• 7月:「研究計画調書の作成方法」など• 10月:科研費申請直前講座

■講師:研究所長、学内のベテラン教員、学外の専門家(日本学術振興会職員他)

■対象:本学教職員、人間生活文化研究所研究員、本学大学院生、近隣の大学教職員

■受講者にかぎらず、年間を通じて科研申請内容についての個別相談や申請書の添削に対応している。

学内競争的資金「戦略的個人研究費」(1)学内競争的資金「戦略的個人研究費」(1)

目的◇学内の研究活動の活性化・高度化

◇外部競争的資金を獲得するためのもととなる研究を助成

研究支援室と共同で管理・運営

教員の研究費(経常費)の一部を「戦略的個人研究費」に当てている。平成26年度新設された。

採択率 申請課題のうち大部分を採択して学内の研究活動を支援している。

■対象:本学専任教員個人が行う研究

■一般課題の他に、学長要望課題を設定(例:大学教育改革に資する研究」など

■研究助成金の上限度実験を伴う研究(実験系) :150万円実験を伴わない研究(非実験系):100万円

※フィールドワークなどについては、実験系を選択することが可能としている。■研究期間:1年間

「戦略的個人研究費」(2)「戦略的個人研究費」(2)

■審査の評定要素(2019年度)(1)研究課題の学術的な重要性・妥当性及び波及

効果(2)研究計画、研究方法及び経費の妥当性(3)研究遂行能力及び研究環境の適切性(4)科学研究費に対する応募状況(5)申請条件への適合性(6)学長要望課題に申請した場合には、その適合性

について

1研究課題につき3名の審査員(学内外)が書面審査を行い、その結果をもとに選考する。

「戦略的個人研究費」(3)「戦略的個人研究費」(3)

戦略的個人研究費の特徴■科研費と概ね同様の項目の研究計画調書■科研費と概ね同様の審査評定要素と審査

戦略的個人研究費 研究計画調書(申請書)抜粋

「戦略的個人研究費」(4)「戦略的個人研究費」(4)

※採択された課題は研究成果を論文として、オンラインジャーナル 『人間生活文化研究』に必ず投稿。

■2019年度の事務スケジュール

2019年 3月 公募情報の公開

4月 応募受付 4月1日~26日

5月中旬~ 審査

6月末 採択課題決定

7月初め 実施計画書提出

11月中旬 中間報告書提出

2020年 3月中旬 収支等実施報告書提出

6月~10月 研究成果論文投稿

「戦略的個人研究費」(5)「戦略的個人研究費」(5)

学内競争的資金

「学内共同研究プロジェクト」(1)学内競争的資金

「学内共同研究プロジェクト」(1)

■2008年度より実施している。

■目的 ◇新たな研究課題等の発掘◇学内における研究者間交流の促進◇競争的外部資金への応募の促進

■対象:「人間の生活と文化」に関する共同研究(研究代表者は、本学専任教職員)

■助成金額の上限:100万円

■研究期間:1年間

■2018年度:申請課題の大半を採択している。

■申請条件:

研究組織は学内の所属部局を横断した複数の研究者人で構成

※異分野の研究者による研究課題を優先的に採択

■審査の評定要素(2019年度)(1)研究課題の学術的な重要性・妥当性及び波及効果(2)研究目的、研究方法及び経費の妥当性(3)研究遂行能力及び研究環境の適切性(4)科学研究費に対する応募状況(5)申請条件への適合性

1研究課題につき3名の審査員(学内外)が審査を行い、学長、研究所長が選考。

「共同研究プロジェクト」(2)「共同研究プロジェクト」(2)

■科研費と同様の項目の研究計画調書■科研費と同様の審査評定要素■研究所研究員や大学院生が研究組織に入ることが

可能(若手研究者のトレーニング)

■2019年度の事務スケジュール

2019年 12月 公募情報の公開

2020年 2月 応募受付

3月 審査

5月 採択課題決定、実施計画書提出

11月中旬 中間報告書提出

2021年 3月中旬 収支等実施報告書提出

3月下旬 研究実施報告書提出

「学内共同研究プロジェクト」(3)「学内共同研究プロジェクト」(3)

若手研究者向け学内競争的資金若手研究者向け学内競争的資金「大学院生研究助成(A)(B)」共同研究プロジェクトとほぼ同様の募集要項・審査(2名の

審査)対象者と助成金額の限度

種目(A) :博士後期課程在籍者 15万円種目(B) :修士課程在籍者 10万円研究期間 :1年間

2018年度 申請課題全件を採択(本学大学院生約50名)

「研究員研究助成」共同研究プロジェクトとほぼ同様の募集要項・審査(2名の

審査)対象者と助成金額の限度:

人間生活文化研究所研究員 20万円研究期間:1年間

2018年度 申請課題全件を採択

オンラインジャーナル『人間生活文化研究』(1)International Journal of Human Culture Studies

学内競争的資金による研究成果のほか修士,博士 論文の他、「人間の生活と文化」に関わる投稿論文を随時受け付け、掲載している。

スコープ:生活科学、文学、社会学、心理学、教育学、 情報科学、環境科学など分野は問わない。

投稿資格:制限はない。(学内外、国内外を問わない。)

■年1回、試験的に冊子も発行⇒Webへ

論文投稿料・掲載料:無料

投稿者が査読の有無を選択:査読ありは原著論

文、短報、査読なしは報告、資料

査読ありの場合:投稿者が査読者候補者3名~5名を

推薦し、編集委員会が2名を指名する。

使用言語:査読ありの場合は日本語か英語、査読な

しの場合は使用言語は問わない

論文掲載までの期間:最短で投稿から2週間程度

http://journal.otsuma.ac.jp/ 査読ありの論文は、J-STAGEでも公開 年間3万件のダ

ウンロード数+本誌直接のアクセス数=約4万件

創刊以来、250編以上の投稿論文を掲載

『人間生活文化研究』(2)

電子書籍「Otsuma eBook」(1)

研究成果としての図書出版費用を大幅に軽減する。将来的には教科書も eBook化へ

出版された図書にはISBNには付与し、人間生活文化 研究所Webサイト「Otsuma eBook」で公開

http://www.ihcs.otsuma.ac.jp/ebook/ H24年度開始以来、60冊以上の図書を発行

三巻本宝物集平仮名本 片仮名本 対照本文

編者:小井土守敏(文学部教授)吉村桃実(大学院生)和田あや香 (同上)

2015年2月発行

日本古典文学入門(大妻女子大学テキストシリーズ)

編者:柏木由夫(文学部教授)君嶋亜紀(文学部専任講師)倉住薫(同上)小井土守敏 (文学部教授)

2015年3月発行

ハワイ語の世界

著者:古川敏明(文学部専任講師)

(現准教授)

2016年10月発行

電子書籍「Otsuma eBook」(2)

『人間生活文化研究所ニューズレター』

研究所の各種事業に関する情報の他、研究に役立つ情報が満載!!(平成27年度創刊)

◇科研費採択者とその研究の紹介

◇本学の科研費採択状況・採択課題紹介◇学内競争的資金のスケジュール・採択課題紹介◇オンラインジャーナル『人間生活文化研究』掲載

論文・電子書籍「Otsuma eBook」近刊図書紹介

■平成30年度は、4回発行予定■発行部数:6000部⇒Web化へ学内の他、全国の大学・大学院、企業研究所、研究助成団体、官公庁などの関係機関に配付。

◇ 科研費で研究PDCAを回す

学内の競争的研究費の申請から科研費申請へ

「科研費申請 Plan 」 →科研費獲得

⇒「研究活動 Do 」⇒「成果の報告・論文などの研

究業績 Check/Act」 ⇒「次の科研費の構想へ Act」

このPDCAサイクルを持続することが

研究者として成長を促す。

大学の研究者は科研費申請プランを構想し、研究費

を獲得することで、計画的に研究水準を維持してゆく。

科研費申請のホップ・ステップ・ジャンプ

◇科研費獲得に向けてまず

心得てほしいポイント

① 募集要項を熟読する。しばしば変更あり。読まなければ不採択へ。本学の採択率は31.6%。

② 指示に対応した書き方をする。一昨年度から大幅変更+Research map で業績目録を整備する。

③ (研究課題を十分に吟味するなど)じっくりと時間をかけて取り組む。付け焼刃では不採択となる。

④ 第3者(採択経験者など)による添削が不可欠。

科研費は全分野、基礎から応用まで自由な発想による研究を対象としており全研究者が応募可能。

基礎研究でも低評価になることはない。

特に若手研究は若手研究者の独り立ちを支援するもので研究への熱意を研究計画調書で示すことが重要。2018年度からは若手研究は学位取得が条件となり、取得後8年間有効。

成果が上がらなくてもペナルティーはない。

◇知っておきたいポイント(1)

第1段審査(書面審査)は、研究計画調書のみが判定材料。専門外の審査員にも分かるように、平易な言葉で説明。審査では、計画が十分に練られていること、実現性があることがポイント。特に、平成30年度からは周辺分野の審査員が入るので、異分野の審査委員でも理解できるように、専門的概念をより理解しやすいように記述する。

審査に際しては申請者、連携研究者らの実名が審査委員に見られる。審査委員が申請者について知りえる情報や印象は審査に影響しやすい。

日ごろから関連する学会などで知ってもらうことも大切。

◇知っておきたいポイント(2)

〇総合評点では、評定要素に関する評価結果を参考に、4段階評価を行う。

この場合、研究種目・区分ごとに審査委員が担当する研究課題全体の中で、評点分布を目安にした評定が行なわれる、相対的な評価。

「4」また「3」は全体の上位30%内に入ることが必要。審査委員の誰にも「2」以下をつけられないこと。

一読して分かりにくいと思われると「1」、「2」が付され易く、その場合は総合評点で採択候補「3」、「4」になりにくい。

◇知っておきたいポイント(3)

○審査の評定要素では「4 優れている」もしくは「3 良好である」を取るように。

総合評点では、「4 非常に優れた研究課題であり、最優先で採択すべき」、「3 優れた研究課題であり、積極的に採択すべき」を得られることを目指します。

「2」では採択されない。

◇知っておきたいポイント(4)

◇知っておきたいポイント(5)

(1)研究課題の学術的重要性

・学術的に見て推進すべき重要な研究課題か。・研究課題の核心をなす学術的「問い」は明確か。・学術的独自性や創造性が認められるか。・研究計画の着想に至る経緯や、関連する国

内外の研究動向と研究の位置づけは明確か。・本研究課題の遂行によって、より広い学術、

科学技術あるいは社会などへの波及効果が期待できるか

(2)研究方法の妥当性• 研究目的を達成するため、研究方法等は具体的

かつ適切であるか。また、研究経費は研究計画と整合性がとれたものとなっているか。

• 研究目的を達成するための準備状況は適切であるか。

(3)研究遂行能力及び研究環境の適切性• これまでの研究活動等から見て、研究計画に対す

る十分な遂行能力を有しているか。• 研究計画の遂行に必要な研究施設・設備・研究資• 料等、研究環境は整っているか。

• 〔総合評点〕

– 理想的設計図代表者: 源頼光(948-1021)

近年、大江山の鬼(酒呑童子)は美しい娘を

次々に誘拐するなど、都を荒らしまわっていま

すが、強すぎて誰も倒せません。これまで私は

鬼を倒す計画を練ってきましたが、最近童子

切安綱という天下無双の名刀を手に入れまし

た。これを使って鬼を倒す計略も思い立ちまし

た。まず山伏に変装して鬼を油断させ、神便鬼

毒酒という鬼に効く毒酒で酔わせた後に切り

倒してみせます。私には平井保昌ら最強の仲

間達もおり、準備は万全です。鬼を倒すことが

できれば都に平和が訪れます。

Ⅰ課題名研究費などweb入力

Ⅱ研究組織web入力

p.1

概要、研究の学術的背景、研究課題の核心をなす学術的「問い」

p.2

研究目的と独自性と創造性、

何をどこまで明らかにするのか。

p.3

研究目的、研究方法つづき

p.4

つづき

p.5

本研究の着想に至った経緯、関連する国内外の研究動向と位置づけ

p.6

応募者の研究遂行能力と研究環境

p.7

つづき

p.8

人権の保護と法令等の遵守への対応

p.9

研究経費と必要性などweb入力

p.10~

研究経費と必要性web入力

p.12

応募中の研究費・エフォート

p.12

受け入れ予定の研究費エフォート

2019年度の申請書(基盤研究B)

研究計画調書の構造

◇「着想に至った経緯」の書き方

○本研究の着想にいたる経緯前段での学説史的な記述に対して、個人的な研究史。端的に簡明に書く。

○研究動向と本研究の位置づけ

研究史の中での本研究の位置づけ。素人の審査員に対しては重要な判断材料。現状はどのような状況で、その弱点をどんな着想で克服する。革新性、独自性をアピール。

○それによってどんな方向が出てくるのか、やがてどんな波及効果が現れるか。学術的な重要性をアピール。

○これまでの研究活動

今までの研究成果、科研費の採択実績、そして申請課題への必然性を記述。

○準備状況と実行可能性

現有のネットワーク、設備・実験装置、フィールドの準備状況、習得している特技、技術、準備OKを書く。このような準備状況なので必ず研究成果をあげられる・・・と書く。

◇「研究方法」は明解で具体的に書く

例)○○大学にある△△資料を、□□の方法を用いてAとBとCを検討し・・・

購入物品・経費がを全て記載する。

研究方法の中身(計画)と経費は正確に対応させる。

旅費は研究方法に対応させる。

研究費の使用目的を明瞭に。

年度計画があったほうが実現可能性が強調される。

例)1年目はデータの収集、2年目はデータの追加と解析、3年目は新説・モデルの提案など

数値目標や具体的な区切りを書き込む。最終年度まで明解に書き込んであると実現可能性を訴え易い。

◇人権の保護と法令の遵守

該当がある場合は必ず記載し、法令・内規等に基づいた手続きに問題がないことを明確にして下さい。該当しながら記載がない場合、落とされる可能性が高い。

近年では個人情報や軽度のアンケート調査でも審査が必要な場合がある。大学内には迅速審査の制度があれば、一応受けておいたほうが安心。

申請書の提出までに倫理審査が終わっていない場合は、採択後に審査を受けてもよい。

◇「研究体制」で失敗しないように研究課題に合った「研究体制」を設計する

予算規模に対し研究分担者が多すぎる。逆に、大きな研究計画に対して協力者がいない。

研究分担体制の役割に明確な必然性がない:

分担者の専門と役割が違う場合や高名な分担研究者が不相応の役割をする計画。

名前だけの分担者、恩師や友人が羅列してある:これらは一見して審査員に対して印象を悪くする。

了解を得ずに分担者にしている。

◇分担金が不自然でないように

採択後に分担金は変更可能。

◇審査を意識した計画調書つくりを

① 研究成果の社会的、学問的な波及効果を書き込む。

② 内的な整合性を保つ。⇒審査員が頭を使わずにスーッと理解できるのが望ましい。

③ 独創的であること、新奇性を示す。何が新しいのかを、素人に分かりやすく説明し説得する。

④ 研究費をもらうための企画書が申請書である。いくら立派な研究でも経費がどうしても必要である、と書かないと企画は通らない。

⑤ 例えれば、新築の家を設計し、工程表を示し、完成すれば快適な住空間が得られる。⇒経費は〇〇円です。というようなもの。

⑥ 研究費が必要であるということを相手にわからせ、その計画に見合った金額をいただけば、期待どおりの成果をあげて見せます。というのが科研費である。

提出前に確認すべき重要事項

重要性、独創性をもつテーマを工夫する。(社会的利益

と個人的関心が一致を目指して)

研究成果の学的・社会的な波及効果を視野に入れる。

研究目的にあった研究方法、研究体制、経費、期間、

調査地などの妥当性、整合性と計画の実現可能性を

求める。

新しい形式では、書式の自由度が増したので、計画と

しての厳密さが低下しがちになろう。それだけに旧形式

に近いきちんとした研究計画を立てるほうがよい。

提出前に確認すべき重要事項

周辺領域の人にも分かる申請書をこころがける。

カンバス上にいかに整然と審査しやすく情報を配置するかのデザイン力が一つのポイントとなろう。

Web上で記入する部分:

どの分野に申請するかは非常に重要。

熟慮すること。

同じ申請書でも分野が違えば結果は異なる。