製粉方法が米粉の特性および製パン性に及ぼす影響the rice flours we1' e 111...

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製粉方法が米粉の特性および製パン性に及ぼす影響 誌名 誌名 兵庫県立農林水産技術総合センター研究報告. 農業編 = Bulletin of the Hyogo Prefectural Technology Center for Agriculture, Forestry and Fisheries. Agriculture section ISSN ISSN 13477722 著者 著者 小河, 拓也 永井, 耕介 巻/号 巻/号 59号 掲載ページ 掲載ページ p. 19-23 発行年月 発行年月 2011年3月 農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター Tsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research Council Secretariat

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Page 1: 製粉方法が米粉の特性および製パン性に及ぼす影響The rice flours we1' e 111 ixed with vital gluten (8:2) and used fo 1' bread 111aking. (1) The median diameter

製粉方法が米粉の特性および製パン性に及ぼす影響

誌名誌名兵庫県立農林水産技術総合センター研究報告. 農業編 = Bulletin of theHyogo Prefectural Technology Center for Agriculture, Forestry andFisheries. Agriculture section

ISSNISSN 13477722

著者著者小河, 拓也永井, 耕介

巻/号巻/号 59号

掲載ページ掲載ページ p. 19-23

発行年月発行年月 2011年3月

農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センターTsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research CouncilSecretariat

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兵庫炭技総セiiHf2(農業)Bull. Hyogo P,・e.Tech. Cent. Agr. Forest. Fish. (Agriculture) 59. 19-23 (2011) [論文 19

製粉方法が米粉の特性および製パン性に及ぼす影響

小河拓 也事 .永 ~:I二耕介事

要約

気ifrL粉砕,スタンプミル等をmいて 7 租~J:iの製粉方法の呉なる米粉を調推した 米粉80%グルテ

ン20%の割合で配合し,ストレート法により製パン試験を行った.

l 米粉のメディアン径は13.3-73.4fl mで、あり. :J'!'i傷デンプン含有率は3.3-12.6%であった.

2 I百jーの粉砕方法の場合,コ メに含まれる水分が多いブjが位!立が刺11か く 1'~1傷デンプン合布率が小

さくなる傾向がみられた.

3 パンの比谷績は2.7-3.7ml/gで、あり .1Nl~)j デン プンおよび佐子とパンの比谷和の!日j に負の相関

IlkJ係がみられた.

4 7Jく限粉砕および、湿式気j片山Jii半で、粉砕した米粉はパン製造に適していると考えられた.

Effect of Milling Methods on the Quality of Rice Flours and

Breads Made from Rice Flours

Takuya OGA W A and Kohsuke NAGAI

Summary

Seven kinds of rice flour we1'e p1'epared by differ巴ntmilling methods such as jet milling and stamp milling. The rice flours we1'e 111ixed with vital gluten (8:2) and used fo1' bread 111aking.

(1) The median diameter of the 1'ice flours 1'anged f1'om 13.3 to 73.4μm, and the damaged starch con tent ranged fr0111 3.3% to 12.6%.

(2) When crushing was pe1'fo1'm巴dwith the same machine, methods involving a high moisture content

led to the rice being c1'ushed 1110re minutely and produced a lower damaged starch content

(3) The specific volume of the breads ranged from 2.7 mνg to 3.7ml/g. A negative co1'relation was foun

d between the amount of damaged sta1'ch, the mean pa1'ticle size of the rice flour, and the specific vo lume of the rice b1'ead.

(4) Rice flou1' produced by milling using a jet mill (wetl or wate1' mill is suitable fo1' making bread

キーワード米粉‘製粉司 パン司損傷デンプン

緒 Eコ

日本の食粒f向給率は19655下にカロリ ーベースで73%で

あったが. 200851三には41%まで低下している .また. 1:1

木人ので食である コメの?ì~íJ'(畳も 長期的に i'Wi減傾向にあ

り. 1962ゴ|三には一人当たり年IHJll8kgを消費していたが,

平成2008年俊一には59kgとよ|三減している これまでコメの

消費拡大への努力が各)J而で払われてきたにもかかわら

2011年1)J 11 FI'豆町

* J~.W県立農林水産技術総合センター北部農業技術センター

ず減少傾向は続いており,炊飯米としてこれ以上の消費

tJl:大をWJ待することは困郊と考えられている

近年jj~飯米以外のコメ の利用方法と して米粉がi:ìニ目

されるようになった.新潟県農業総合研究所食品研究セ

ンターが開発した こ段階製粉法や酵素処理製粉技術

等7 仰の製粉技術や食品製造技術の進展により米粉をパ

ンや処jなどの新規JI'J:i主 に))11工すること が可能とな っ

た!.l ~J 現在,米粉食品に閲して様々な技術開発が行わ

れており今後も進展すると考えられる.米;j1i食l111の|片j発

には枚々な可能'I~ があり ,科ーにパンは小麦粉使川食品の

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20 兵 liii.県立 H!~ ~~'JJ(j主技術総合センタ - 1iJf究'HH:!:-r U見栄編〕第 59号 (2011)

1 .1 1 でも最も LI~i:'(j去の多い I'~'I I~I であるので,米粉パン製造

が}j;:fí}の利 1+1 11-1 .ì主とし て非';.~・ に!!J1待されている.

米粉パン は小麦粉の一千\ 1; を米粉で i;~i 換するタイ プユ '1 ,

米粉とパイタルグルテンをnJl,、るタイプ l.~ I等が1,に主4

j主されている j世i!Iでは,米粉と は児なるが炊飯米など

を :1て地 l こ i主力nする )j法令~~!)¥ 枚々な力式が開発されてい

る これらの1.1.1でパイタルグルテンをJrJし、る米粉パンは,

米粉の化!日制合が7fJいので米粉らしい食!惑のパンになる

また,米粉パンの特性{i]f'Jtという制点から,本y1;は米粉

の特徴がIYJ作に現れるので.その特徴をとらえやすいこ

とが利点となる ;j;:粉ノfンの似究は食品開発を I=ltl0とし

て行われる JJ)jf;が多く,対とあJのヰ\" I~I: と製パン特性の基礎

的なWI係は卜分にはjij!(IY1されていない.これらのJlj!jif(が

進むことにより今後の食品開発への /:1υ IJ が!日H~, できる.

そこで,製粉々法の J~ll なる米 1~} を IIJ いて,米 1~i'の rH~1:

と製パン ~\'It との 1;:1係を調べる EI I'10 で試験を実施した.

材料浸び方法

供試材料は2009{I:. ~Ii の只 Ef' li;~ j笹川とおよび匡11m縦米を氷

j"j'U;(午、|と, li}jii穆は全て1.1.1ア ミロース日l将Iをmいた.

~lA~t食に {II した 7 純鎮の米粉を表 i にぶした.以|、これ

らの米1~jの製粉 );ýtについて記述する. ijJ心待I笑式製~~j

機にう}~ま!されるピンミルを伎HJ して製粉した米粉はK仕

にて委託製造 した ローターを I',::j:i主て、1111板、させて発討す

る <'I~IÓ ~jfL で、粉併するi!'!,\iiíé式粉{i半は, 対とおよ関連業~Wで、気ifiL~:;t

{i~,と 11千ばれることから, オζ 'NÆでもこのブTi:\: ¥こより製粉す

ることを気流製粉と 11子ぶ 気流粉IWでは米粉の製jE過校

において米の水iJt.十分な浸jiyi凸科を粁て,製粉するi!日

式)j式とその まま 粉砕する乾式当ーに分かれる 本尖験で

は j!日式方式およびJ}~ì}l後去ïffi を l: tZ:~~決した íð:粉 !i'l'をわう方

式(半;!日式)を調脊した 気ifi[製粉の米粉はすべてM社

で委託製造した 円本で午u-4Tザ.mの製粉機として一般的

に枠』えしていると|に杓を裕卜させた打撃術監で、粉砕する

スタンプ ミル (JJ向崎製粉機)はK引に委託製造 した 手/1

表 1 {jt試した米粉の製造ブ']'U、

粉砕方式のBifzu 製造方法

ロール ロ ルミルで品iP¥>(Mtlで委託製造)ピルミン ピルミンによる粉昨 (K11で委託製造)

; I \~I~式ピ Jレミン

スタンフ

' I ;,~~..c\気流

i足式気iii.

;kl畷

コメを;j,で:先:争後ピル ミンによるお,i/併

本分22%(Ktlで委託製造)スヂンプミル (1州JMき)で:f,j(i.t-

(K札で委託製造)

コメを水で洗浄後気対CI!)lij'l践による粉砕

水分21% 1Mモlで委託製法)コメを水に決im註昔、流粉昨機による粉作

本分320o(M干lで委託製造)

A、両i粉ú~1提によるおI作 (E lIて'委託事~}Ú\> )

菓子における白玉粉製造にmいられる水中でイー[臼のIITI'I去

によるせん l析 プJ により 粉íi半する水(ifJ~粉砕はE行に, ロー

ルミルはM七iに委託した,

H~11~j デンプン ff有率の iJW定にはMegazymetl:の損傷デ

ンプン iJ!ll7Lキ y 卜を{史月Jした すなわち,米1~} を 11~投生物

山米 α アミラ ーゼで処理!I.し,生 じた分!作物 をさらにグ

ルコースへ分解し比色定:;:することにより米粉に刈する

損傷デンプンの1i司令を求めた 粒度の測定にはSympatec

社製レーザー1111.],1'式乾式粒JJt分布測定装[1立Heros& Roclos

をmいて,粒度分布, メディアン符を求めた.

製パン試験の材料の示rlJえは去2に示 した 使用した材

料はイース ト:1'1 ìi~i フーズ昨1;)~~ ス ーパカメリアドラ イイ

ースト,グルテン:グリコ栄養食Illjll(仰製シトギミックス

グルテ ンA,lJk lJ\'i 1~} :rL , YIIJJJ札砂羽'Lt工jjniをj刊いた

1i?llの条刊でワンロ -7J¥I.!のパン をストレート法によ

り製パンした 製パン U~E においてミ キサーは東芝製

PFC-20FKをj日いた )}'Uw. は(11~ツジ キカイ製コ

ンベク ショブルオーブンを似II-Jした

製パンは 51又彼行い, パンの比谷砧および似さの測定

は製パンの翌LIに淵食した.h'UW.したパンは 1JIキfHJJj5(冷

したのちポリ エチレン袋に術主lし2OOCで保 ~ì会した. f本

表2 米粉パンの刻I.!il

材非| ベーカーズノマーセント ノノJ、iヲl' (96) (g)

対とおI 80.0 240

タルテン 20.0 60 ・F ・・・ ・..""

1沙fJ,!f 8.0 24

111111旨 日0 24

脱JJfi:fi}.'fL 5.0 15

ドライイースト 3.0 9

手u孟 2.0 6

水 80.0 240

ii白ベーカースーパーセントでは、他mするおIを100として、:t}.l.jずる

',1;リ合で他の材中|を六t。本災駁!では米粉+グルテ/'loo%とする。

iJU~5 分 (irllJJ行以外の材料 )

irtJJJfi投入

iru'~ 9分

ベンチタイム 25t 20分

ホイロ 37'C 30分

焼)J比 180.C 30分

ifM';~ PFC -20FK 株式会社東芝

t光成 コンペクションオーブン.株式会社 ツジ ・キカイ

区11 米粉パンの製造条件

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小iITJ拓也・ ;KJI:;f,JI介:製粉プi)ょが米粉の特性および製パン也に及(ます影科;

績は菜極置換i去で容積をif!1J定し,これを重量で除するこ

とによ って比容積を求めた パ ンの硬さは(剛山電製RE-

3305を使用してAmericanAssociation of Cereal Ch巴mlsts

(AACC;去) 74-09にi怪じて行った.

結果

各種の製粉方法の違いが米粉の粒伎に及ぼす影響を図

2に示した 製粉方法の速いにより,分イ1I の形状に~Wニ徴

がみられた.ロールミルは粒度のピークが100μ Jllより

大く全体的に粒度が大きい傾向がみられた. ピンミルは

ピークが'100μ mより 大きく, ピークが鋭い傾向がみら

れ,三!とjE!式ピンミルで1ま分布の傾向は似ているものの,

ピークは100臼 mより小さく,全イ村10に粒度は小さくあ

14

ト一一ー11111111 1

‘ Ii] 一←半湿式ピンミJレ

a ・・ ー

11

! J

w・・44・_k.

ム~-・--企

事// トaー「4・-ム

12

10

208

布06

04

02

。。10 100 粒度(μm) 1000

14

「一一l一|←|半一|湿11式II気l流

→・一湿式気涜/

j J ー適, i d・

F

|丸よノ 可

~ 山富

12

10

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206

04

02

。。10 ~__ 100

粒度(μm)1000

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U

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4

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1

0

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頻度分布

ー....

.. 水型里トーード ..... -<トーロールト一一一「で

i --.ースヲンブ〆" 企づ色

←一ーー~..一一 ー

H Ji

• • .〆¥ • j.-...... .・

~ 正主ー•

A匂

γ'hnU

A

υ

n

U

A

U

10 100 10∞ 粒度(μn古

j'gj2 各種}j式で粉砕した米粉の粒度分布

21

る傾向がみられた.スタンプミルは粒l立のピークは20

μmと小さいが分布が広く,粒l支の細かいものから大き

いものまでが含まれていた.ヰiE,式気流は粒度のピーク

が60μmと比較的高かったが, i,¥F.式気流は粒度のピーク

が20μ ll1とノj、さく,粒j支の分布も広かった.オくf反粉砕は

粒度の細かいものから大きいものまでが含まれていたが,

10μm以下の粒伎の訓合が25%と多かった.

米粉の4判特J4守千制'1'仁パイ'1但性|目1主:fI他[位hおよぴ

各毛有秘m粉{伴lバ玲4半Lリjんj'j:王式tによるメデデ‘イアンf1雫4はi日3.3μ ll1-73.4μ ll1

の車範t凶でで、工司lドZ汀I均今{はま40.9μmでで、あつた ピンミ ルのメテデ.{イア

ンf符手が73.4μmとi故没も大きく ,ついでロー lレが58.0μJll

と高かった.上官己の 2 ブJ 工にはメディアン f圭;カ~100μm以

下の手司令も他と比べて低かった.スタンプミルはメディ

アン径が32.5μmと比絞的小さい一方, 100μm以下の ~iilJ

合は77.5%と比較的向かった.半i!ii¥'j:¥ピンミルはピンミ

ルよりメディアン径は小さく,粒径が100μmの訓合は

大きかった.気流粉砕は全体的に粒JJEはノj、さかったが,

'l:. ì~Jj\式気流は沼式気流に比べメディアン径が大きく, 100

μ口1以下の割合がややノj、さかった.ノk仮はメディアン符

は13.3μmと極めて小さく, 100μm.l-:r卜の主IJf'iは最も大

きかった.

.W似デンプン含有不にI!);Jしては, 3.3-12.6%の純聞で

全試料問、l'均は9.0%であった.ロールが12.6%と最も高

く,スタンプミルと三|土乾式気流が10%以上を超えていた.

半日記式のピンミルとiJR式気流は8.8,7.6%と比較的低く

水械が3.3%と最も低かった.

米粉パンの比科椋は2.7~ 3.6ml/gの範|在i で試料 rlJJ の平

均1u主は3.lll11!gで・あった 7)(<<艇が3.6ml/gと最も大きな比

容秘を示 した,ついでiE式気iiTc粉 が3.4ml!gと大きく,

と!と市!式気流は3.0mlとと1".ì~D\式ピンミルよりやや小さく,

スタンプミルと同程J:i[であった.ロールミル. ピンミル

は比谷紛が小さかった パンの硬さは比容積と逆の傾向

を11'し水破裂粉が2.8kPaと最も小さかった,ついで混式

気流製粉が小さく, 主!とiE式気iALはとl'温!式ピンミルおよび

スタンフ.ミルよりづ、さかった.ロール ミルおよび‘ピンミ

ルは5kPaJ-:.J,Iこと大きくなる傾向がみられた.

表4に米粉および

た 米粉においてメデイアン径と托損i↑傷勧デンフプ。ンには高い

キ相目関閑イ係系はみられなかつた. また, 米粉の損傷デンプン

率とパンの比谷積や米粉のメディアン径100,um以下の

害IJ 千?と パンの傾さ等に ~ftl い負の相関がみられた.

考察

米粉が製パン性に及ぼす影響として粒度,損傷デンプ

ン含有率の他にコメのアミロース合有平副があげられる.

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22 兵庫県立農林水産技術総合センター研究報告[農業編〕第 59号 (2011)

表3 粉併方法が米粉の41 性並びに製パン't~t に及ぼす影響

*粉の特性 製パン性

メディアン径(μm) 損傷デンプン(%) 粒径100ιm以下割合(%) 比容積(JIIt!g) 硬さ(kPa)

ロ-)レ 58.0 126 58.0 2.7 7.6

ビjレミン 73.4 9.6 55.4 2.9 5.7

半j思式ピルミン 47.9 8.8 86.0 3.2 3.6 スタンフ。ミル 32.5 10.6 77.5 3.0 4.0

三1=湿式気対L 33.4 10.8 88.0 3.0 3.4

jE式気流 27.9 7.6 90.1 3.4

水[反 13.3 3.3 90.6 3.6 2.8

表4 米粉における各判手lイ直聞の相関係数

メディアン径 損傷デンプン 100μm以下割合 比容積

メディアン径 1.000

損傷デンプン 0.629 1.000

100μm以下割合 -0.867 ** -0.584 1.000

比谷積 -0.770 * -0.943 ** 0.794 * 1.000

1i1iさ 0.772 * * p<O.05、**p<O.OI

~ì' [II[ の製おJ;沈!検に )[ .J し、たコメは五討て仁1-' ア ミ ロース品種で、

あることから品税の影響は~!!付J~できると考えた.

コメは小変粉と比較し111:乳キII.M誌が硬く,粉砕したJjJ.i合,

粒(が示111かくなりにくいため,物足1!1'10に強く 11;1獲をi]rtlく

かける必裂があり,そのため,様々な製粉}j'法が考案さ

れるようになっている M 様々な氷粉の粒liEが部iJ-'ri:され

ているが111販の上新粉で、平均粒度115.9μm,粒度がロ

ール製おH訟で120-140p 111で、あり, 1負傷デンプンの純|担|

は1.0%-22.1%の範凶である いことと比較すると今回の

製粉された粉は粒子としては比較的小さく,f(-l傷デンプ

ンのIllrfrは小さかった 今IUIJI J し、た米粉は会て J'í;w~ç~ 卜に

おいてii:wmn=J;主川の本粉としてJ支術lilJ発され担粉された

米粉であるため,比較的rlJn¥が小さくなったものと考えら

れる.

米;jうよ製@において街~3:を強く与-え 10子ーをノj、きくするに

U:ってデンプン松子の損傷は大きくなり ,I:[G式のジェッ

トミルでは、[[均の粒!支が8μ111で、デンプン損傷肢は22.1

96 になることカ{~.r=IÆf=;' されている ド ~Ì' 匝|の 1Li 合, î~ .f,攻の

粉砕形式による粒度および損傷デンプン含有率のi~~だけ

でなく ,安Wt粉砕においても i!ii¥):i.:;がよ1:)"¥](,ピンミルに

おいて半jill式がi;吃式より粒一j交および損傷デンプン合有率

とも小さくなるという.粉M'H~J のコメの水分合有率のj主

いによる差がみられた.江)1[" はilobi.:気対L製粉で‘は製粉

i白石1で米粉に合まれる水分の気化により米粉の抄i傷がl坊

がれるとしており,粉M'II与のコメの水分を可能なかぎり

尚めることにより, ~rtt し、衝撃を与える粉砕方法でも損傷

デンプン含有当:~はノl、さくできることが示唆された また,

Fiid ら 日 はコメを;j(と同 II~J にぺースト状 lこ {i半くことによ

0.667 * -0.924 ** -0.825 **

りデンプンを lj'r.fjJ:;1犬 JL~ に il制労!i'I'で、きることを椴告してい

る.水似製粉はこの方法に近く ,1N似デンプン合宿不!立

も3.3%と極めて低いことから,粉砕11;¥;に;j(を介在させ

ることでコメのデンプンを I表すことなく m~ ;j~jM'カf可能に

なったと考えられる

米紛が米粉パンの品質に及L1'す影響としては, f(;l似デ

ンプンのJ';;iJJIIが米粉の製パ ン性と負のキF![見J[共l係にある f)1

ことがキI{~.与されているが,今 1"1 もこのことは袋付けられ

た. また , 、 [~j今粒僚と比谷般の 1m には有立の相間関係が

みられない与の1[11告がなされている 1 酬がみ~li)1 究では11

の相関 [~J係が認められた 通It;~. ,粒径を船端に小さくす

るためには強しヴjをかけコメを粉Mιする必、放のfあり,そ

れが損傷デンプンをJW加させ,負の1{[間関係が認められ

ないWI主iとな っていると J与えられるカ九今1m,iJ日えした

製粉方法において,粒径が小さいにもかかわらず:j'r':i傷デ

ンプン合有率が小さいノドl吸を試料に1JIIえたことが;j月半し

たと考える.

米;扮にグルテンを 2剖柱j支出合して使用するタイプの

米粉パンに関しては多くのii)f究がなされている.:-:, 1

一般的にパンは食!ぷが柔らかく適度な膨らみを持つもの

が好まれることから,ノfンをiiHilfiする方法としてパンの

膨らみの指411である比谷結および磁さがIlJいられている.

小麦粉パンの一般的な比容積は山形食パンで4.0-4.5gl

1111と米粉パンより大きく,米粉ノfンの比谷efl'iと磁さに

.1.1:.の相l弘]を手jする ことから,現状では米粉パンは比谷M

がより大きいほど米粉パンとしては{去れていると考えら

れる.米粉の粒子が荒いJ易ー介パン I.j:.:fili捌捻lI;'jのグルテシ

形成が?巴く,発生 11寺のガス保持が日H しく,デンプン f~l似

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22 兵庫県立農林水産技術総合センター研究報告〔農業編〕第 59一号 (2011)

表3 粉砕;iiよーが米粉の特性eif;びlこ製パン性に及ぼす影響

米粉の特性 製パン性

メディアン径(pm) 損傷デンプン(%) *;'i径IOOf!m以下割合(%) 比谷積(lIIe!g) 硬さ(kPa)

ロール 58.0 12.6 58.0 2.7 7.6 ビjレミン 73.4 9.6 55.4 2.9 5.7 とlijE式ピルミン 47.9 8.8 86.0 3.2 3.6 スタンフ.ミル 32.5 10.6 77.5 3.0 4.0

と17.?鼎式気流 33.4 10.8 88.0 3.0 3.4

j!lT式気流 27.9 7.6 90.1 3.4 3.1

水TY.足 13.3 3.3 90.6 3.6 2.8

まえ 4 米粉における符特性他/:,¥Jの中I,/JY,J係数

メディアン経 損傷デンプン 100ρm以下割合 iヒ容積

メティアン径 1.000 損傷デンプン 0.629 1.000

100p m以下割合 ← 0.867 ** -0.584 1.000

比容積 ー0.770 * -0.943 ** 0.794 * 1.000

花Eさ 0.772 * *pく0.05、**pく0.01

",1mの主2おIi1式!放にJi.lし、たコメは三可て1.11アミロースiiilH(で、

あることから in'IH[の l;~-~響は紙十JLで、きると考えた

コメは小麦粉と比I1攻しIJHL来11織が似く,粉砕したj幼子T,

粒子が~:1lIかくなりにくいため,物足/UIむに強く術岐を ~rt! く

かける必~があり,そのため,枚々な製粉ブh土が与奈さ

れるようになっている'" 1iT;々 な米粉の粒!立が調公され

ているがTI'j!以の上新粉て'3y均松山115.911 Ill. 必.:1立がロ

ール製粉機で120-140p111であり,1ft似デ ンプンの純凶

は1.0%-22.1 %の範[JIIである I1ことと比較すると今回の

製粉された粉はあI了ーとしてはよヒ'Ii土1'19小さく, 4tH話デンプ

ンの II'l i~は小さかった.今/11/JfJ It、た米粉は全て兵Jtii県一卜に

おいて ~i)íj見川途川の米粉としてi):Wi lJf l 発され*~~~j'-された

米粉であるため 比'1攻1'19/111;¥が小さくなったものと考えら

れる

~(粉製造において H!j幣を ~rtl く与え粒子 を小さくするに

従ってデンプン粒イの脳似は大きくなり吃式のジェッ

トミルでは、I;.J~J の粒 肢が8.1.1 111でデ ンプン1fi傷肢は22.1

%になることが手1:1告されている! 今回のj"J)j合,機械の

粉昨形式による粒度およびtTi傷デンプン合有率の差だけ

でなく,気流粉併においても iJ11式がよ|土 i!lÎ~J'I: ,ピンミ ルに

おいて平山式が1112により粒j主およびH;i1あデンプンff有等、

とも小さくなるという‘粉ii'l'II~j'のコメのぶ分合有半のiE

いによる差がみられたー iJ:J11'は;!日式気流製粉で、は製粉

i邑担で米t}に合まれる水分の気化により米粉のj負傷が|坊

がれる としており,粉{i'l"II ~) のコ メの水分を可能なか ぎり

!?Jjめることによ り! ~fl! い H;i~告を 毛j. える粉砕ブJil、でも ttt1%/~

デンプン合イi不は小さくできることが示唆された また,

1-!日ら "はコメをオくと|百円|

0.667 * -0.924 ** -0.825 **

1) デ ンプ ンを ljí 粒状態に 111出制作て、きることを ~~~l} ~'I ;-してい

る 水似製粉はこのプii去に.i5:く, H.[似デンプン合命中肢

も 3.3%と短めて低いことから,粉砕II~ に水を介在させ

ることでコメのデンプンをJ~すことなく微粉併が 1/1 能に

なったと考えられる.

米紛が米粉パンの品1f[(こ及ぼオ ;~;.~~.:Æ としては, 1(,[1おデ

ン プンの 11~)JJIIが米粉の製パン性と f~! の相 1%1 以l係にある !J I

ことが十1iEされているが,今11I1もこのことは袋付けられ

た また.千均粒符と比符仙の/I¥Jにはヂ173;の枕!間関係が

みられない等の;殺行がなされている 1 1() Iが本研究では負

の+u間関係が認められた;W'i;r,.,粒ft.を中û~~'Mi に小さくす

るためには強しリJをかけコメを粉併する必要があり,そ

れが-ti:i1~jデンプンを J';'Î }JUさせ, ~!の 1'1'1 1\\11弘11;f:が認められ

ないJJ;t1必となっていると考えられるが.今回,供試した

製粉JiiLにおいて f立ffカfノl、さし、にもかかわらオサ貨{努デ

ンプン合チi卒が小さい;J(T!艇を試干|に }J II えたことが;;:-~*~~.~し

たと考えるー

米粉にグルテンを 2;1i1j .tu支出合して1~mするタイプの

米;fiiノTンにWIしては多くの研究がなされている, .7‘

般i'Iなにノマンは食!岳が柔らかく適度な膨らみをJすつもの

カ{hまれることから;{ンを合HiIIiするブJi1、としてノマンの

膨らみの折燃である北容桁および.{i主さが)11し、られている.

小変粉パ ンの一般的な比谷町は山形食バンで4.0~4.5g/

1111と米粉パンより大きく ,米粉パンの比谷和 と硬さに

lfの相l主jをイーjすることから,現状では米粉パンは比平河況

がより大きし、ほと1ミ粉パンと しては{長れていると考え ら

れる.米粉の粒子が荒いj劾合パン生地調:!手11寺のグルテン

形成がjEく,発生11、?のガス似H"Jが日Ifしく,デンプン損傷

Page 7: 製粉方法が米粉の特性および製パン性に及ぼす影響The rice flours we1' e 111 ixed with vital gluten (8:2) and used fo 1' bread 111aking. (1) The median diameter

小河拓也・永井耕介:製粉方法が米粉の特性および製パン性に及ぼす影響 23

の大きい米粉は吸水量が増大し, パ ンの製造に悪影響を

及ぼす.従って,比容積の大きい米粉パンを製造するた

めには粒度が小さく,損傷デンプン含有率を出来るだけ

小さくする必要があり,水根製粉および湿式気流粉砕が

適していると考えられる.

ただし,元々,粉砕原理が呉なる製粉方法により調整

した米粉を使用しており,粉砕方式によって粒度の分布

が異なっているため,パン製造における最適の粒度の構

成は明らかでない.また, パ ン加工おいては先述したコ

メペーストや炊飯米の利用により製パン性が向上した報

告3)もみられ,米粉パンの製造における米粉の品質の評

価には不明な点が多くさらなる詳細な調査が必要である.

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