自治体職員向け 食品ロス削減のための取組マニュアル - env環境省 no.1...
TRANSCRIPT
環境省
No.1 福井県 ホテル向け食品ロス削減メニュー開発
県内のホテルと連
携し、食べ残しの
少ないメニューを
開発!
P.1~2
No.2 静岡県 飲食店における「食べきり割」の実施
No.3 滋賀県大津市 ドギーバッグ使用ガイド作成
協力飲食店で料
理を完食した来
店客に割引サー
ビスを実施!
P.3~4
食べ残しの持ち
帰りサービスの
る適切な方法を
飲食店に周知!
P.5~6
No.4 長野県松本市 「残さず食べよう!」推進事業所認定制度
No.5 三重県 「もったいない市」の開催
「料 理 を い た だ
く側」として食品
ロス削減に取り組
む事業所を認定!
P.7~8
県 内 の 食 品 メ ー
カーと連携し、規
格 外 商 品 を 環 境
フェアで販売!
P.9~10
No.6 東京都世田谷区 小学生向けエコなお買い物体験授業の実施
No.7 神奈川県相模原市 食品衛生責任者養成講習会における情報提供
食品ロスの少ない
買い物の体験授業
を区立小学校の授
業として実施!
P.11~12
食品関連事業者向
けの講習会で、食
品ロス削減に関す
る情報を発信!
P.13~14
自治体職員向け
食品ロス削減のための取組マニュアル
第4次循環型社会形成推進基本計画におい
て、2030年度までに家庭からの食品ロスを
半減するとの目標が掲げられる等、食品ロス
の削減は喫緊の課題です。
全国の自治体で食品ロスの削減に向けた取
組が進められていますが、更なる取組の推進
の際に参考になるよう、先進的な取組事例の
実施の流れ・ポイントを取りまとめました。
1 取組の概要
No.1
福井県 ホテルにおける食品ロス削減メニュー開発 -ホテル事業者と共に食べ残しの少ないメニューを開発-
宴会等における食べ残しの現状を分析し、県内ホテルと共に食べ残しが出にくいメニューを開発
■ 実施内容
福井県の食べきり運動協力店では、小盛メニューの設定などさまざまな工夫により生ごみの減量化に
御協力いただいているところだが、大勢の人が集まる宴会やパーティーでは依然として食べ残しが多
い。そこで、ホテルでの宴会・パーティーでの食べ残しの現状と課題を検証し、食べ残しを減らす
「のっこさんメニュー」の開発を試みた。
メニューの検討にあたっては、県内5つのホテルと連携して、3回のワークショップを実施するほか、
食べ残し実態調査を行った。
■ 取組の経緯
飲食店等と連携して食べ残しの削減に取り組む「おいしいふくい食べきり運動」を平成18年度に開始
し、また「福井県廃棄物処理計画」(平成28年3月)においては「『おいしい食べきり運動』の新展
開」を重点施策に定める等、事業者と連携した食品ロス削減の取組に注力している。本取組は、宴会・
パーティー料理については、談笑の時間の長さ等の特有の要因により、食べ残しの削減が難しい傾向に
あり、既存の工夫(パーティー参加者の年齢層の確認等)のみでの対応が困難であったことから、ホテ
ル事業者と連携して実施したものである。
■ 各主体の役割分担
■ 今後の展開
お客様となる消費者の「食べきる」という意識をさらに浸透させるとともに、ホテルが食べきり運動
に取り組んでいることを県のホームページで広報し、県民の食べきり意識とホテルの取組が一致し、宴
会の予約時には適量を注文し食べきりを実践できるようにするなど、双方に働きかけて食べきり運動を
拡大していく。
1人当たりの平均食べ残し量 113.2g(前期実態調査)
・「もてなし」にちょうどいい量 ≠ 食べきれる量 という現状
・「足りないかもしれない」という意識があり注文し過ぎてしまう
・刺身のツマやあしらいなどの添えてある野菜が残されてしまう
・宴会・パーティー料理は、豪華で特別なものだという意識があるため、多めに作ってしまう
①料理の構成 ②料理の見せ方 ③料理の出し方
④お客様の嗜好 ⑤食べやすさ ⑥注文の取り方、勧め方
実態調査結果
6 つ の ポ イ ン ト に 集 約 し た 「のっこさんメニュー」を提案
「のっこさんメニュー」の一例
(※写真はイメージです)
・ホテルの宴会における食べ残しの実態調査実施
* 前期(ポイント実践前):14回、後期(実践後):9回
* ごみの計量・内容物の記録を実施
実態調査委託先
・企画検討
・県内ホテルに対する協力依頼
・実態調査結果の集計、結果分析
・情報発信
県(循環社会推進課)
ホテル
協力依頼
メニューの開発等
・メニュー開発への協力
・ワークショップへの出席
委託
※後期(ポイント実践後)の実態調査では、1人あたりの平均食べ残し量が109.0gとなった。
2
ステップ1 食品ロスの発生要因を検討 (7月~10月)
● 宴会やパーティー料理は、個人でなく万人向けの「もてなし」料理であるため、
見た目の豪華さや豊かさが求められ、食べ残しが出やすいなどの課題を洗い出した。
● ホテル宴会時の食べ残し実態調査(8月~10月、前期調査)
* 委託内容:宴会後の食べ残しごみ量の計測、写真記録、内容把握 (調査回数:14回)
ステップ2 メニュー案の検討・実証 (11月~翌3月)
● 調査結果を基に「のっこさんメニュー」のポイントを検討した。
● ホテル宴会時の食べ残し実態調査(12月~翌3月、後期調査)
* 委託内容:宴会後の食べ残しごみ量の計測、写真記録、内容把握 (調査回数:9回)
ステップ3 実証結果の振り返り (翌3月)
● ポイントの実践後の調査結果では、事前に幹事と打合せをして宴会での声かけをしても、その日の進行
や会の設定により、食べ残しが出てしまうということがわかった。
● 料理が足りなくなることを心配するあまりどうしても多めに注文してしまうなど、お客様が宴会に求め
るもの(足りないよりは余ってもいいから量を求める、豪華さを重視するなど)とホテルの食べ残しを
減らす取組みが必ずしも一致しないこともあり、工夫が生かしにくいなどの困難な点もみられた。
ステップ4 「のっこさんメニュー」の公表 (翌3月)
● 県の広報誌等を使って、ワークショップ参加ホテルの活動状況を積極的に紹介した。
● 客層に合わせた量の設定、簡単に一人分を取り分けられるような盛り付けや、野菜と肉を一緒に食べら
れる工夫などがされた「のっこさんメニュー」をホテルとお客様とで話し合っていくことを提案した。
項目 ポイント
①料理の構成 主食の位置(取り分け型、種類)、メニューのボリュームバランス、提供順
②料理の見せ方 彩り・華やかさ、取り分けやすい盛り付け方
③料理の出し方 食事の提供タイミング、温度管理、ボリューム・バランス
④お客様の嗜好 味の濃淡、好き嫌いの分かれそうなメニュー
⑤食べやすさ 一口大で箸使いが容易なもの、手を汚さずに食べられるもの
⑥注文の取り方、勧め方 幹事へのアドバイス、食事中の呼びかけ
2 取組の実施の流れとポイント
3 実施に要したコスト
〇費用(年度別)
【平成26年度(1年目)】実態調査・ワークショップの実施
約10万円 (内訳:委託経費:約10万円)
〇担当者数:2名
3
飲食店と連携し、協力店舗で食事を食べきった来店客に割引サービスを実施する取組
1 取組の概要
(注)「食べきり割」は県内の食品ロスの削減を目指す「ふじのくに食べきりやっ
たね!キャンペーン」の一環として、飲食店で食事を完食した写真を募集す
る「ごちそうさま!フォトコンテスト」と合わせて実施された。
■ 実施内容
居酒屋を中心に、チェーン店・個人店を問わず協力依頼を依頼し
、平成28年度末には53店舗、平成29年度末には87店舗が「食べき
り割」を実施した。
本取組は暑気払い・忘年会の時期に実施した。平成28年度は期間
を夏季(7/17~8/31)・冬季(11/10~12/10)に分けたが、平成
29年度には期間を統合しわかりやすくした(7/17~1/31)。
■ 取組のきっかけ
「第3次静岡県循環型社会形成基本計画」(平成28年3月)では、一般廃棄物量の1人1日当たり排出量が
平成25年度には917gであるところ、2020年までに815g以下に削減することを目標とし、県民総参加によ
る「衣・食・住」に関連する2R(食品ロス削減を含む)を促進することを定めた。
■ 各主体の役割分担
■ 取組の効果
事業実施後にアンケートを実施し、協力店舗において、従業員の食品ロスに対する理解が
深まり、食品ロス削減の取組が活発化したことを確認した。
〇従業員の食品ロス削減への理解は深まったか(N=57) 〇店舗内で独自の食品ロス削減の取組を始めたか(N=58)
■ 今後の展開 (平成30年度~)
温暖化対策の一環として、協力飲食店で食事を完食する等の温暖化防止行動を取ると、温暖化対策アプ
リ「クルポ」のポイントが貯まり、食事券・商品券等の景品の抽選へ参加できる取組へ移行した。
No.2
静岡県 飲食店における「食べきり割」の実施 -飲食店と連携し、食事を完食した来店客に割引を実施-
はい66.7%
いいえ12.3%
把握して
いない21.1%
はい13.8%
いいえ51.7%
以前から
実施34.5%
【実施中の取組(例)】
・ 仕入れ・仕込みの見直し
・ サイズ別の商品提供
・ 食材の扱い方の再教育 等
(出典)平成29年度 「ふじのくに食べきりやったね!キャンペーン」協力店向けアンケート結果
・飲食店に掲示するツール(ポスター、ステッカー)の作成
・特設サイト、食事を完食した利用客が店員に提示する画面(「食べきり画面」)等の作成
・情報発信(県内向けウェブマガジン、SNSによる情報発信等)
・参加店舗や「食べきり割」の内容等に関する情報管理
ウェブマガジン運営・デザイン会社
・企画検討
・飲食店に対する協力依頼
・情報発信(知事記者会見、県政番組等)
県(廃棄物リサイクル課)
・独自の割引サービスを考案・実施
・ポスター、ステッカー等の店内掲示
飲食店 訪問・協力依頼
※ 割引サービスの例:
「次回来店時に会計から〇%引き」
「宴会コースを10名以上で利用し完食すれば1名分無料」等
委託
食事を完食した利用客が
店員に提示する「食べきり画面」
4
2 取組の実施の流れとポイント
3 実施に要したコスト
(注) *上記の費用は「ふじのくに食べきりやったね!キャンペーン」全体に要したコストであり、「食べきり割」と「ごちそうさま!フォトコン
テスト」の両方に関するコストが含まれている。また、費用については消費者庁 地方消費者行政推進交付金を活用した。
ステップ1 企画検討・内部調整 (10月~翌1月)
● 国の調査で宴会の食べ残しが主な事業系食品ロスの1つとされたため、居酒屋を中心とした飲食店における
取組について、担当者以外の職員も含めて課全体で意見交換し、「食べきり割」のアイディアを得た。
● 一部の飲食事業者に「食べきり割」のアイディアを事前に説明し、実現可能性や参加意向を確認した。
ステップ2 飲食店への協力依頼 (翌2月~翌6月)
● 県内市町村と連携して飲食店を訪問し、取組概要を説明して協力店への参加を呼びかけた。
* 個人経営店:職員のネットワークや、他店からの紹介を通じて協力を依頼
* チェーン店:本社を訪問して協力を依頼(東京など県外への訪問を含む)
● 飲食店の訪問時には、取組の概要をまとめた資料を持参して協力依頼を行った。また、説明の際には、想定
できる参加メリット、飲食店側の負担について明確にすることを心掛けた。環境貢献の観点から基本的に前
向きな返答が聞かれた一方、従業員への教育などオペレーション上の手間に対する懸念が聞かれた。
* 想定できる参加メリット:ごみ処理料金の削減、客数の増加 等
* 飲食店側の負担:割引実施に係る金銭的コスト、オペレーション上の手間(完食の確認等)、協力
店舗であることを示すツール(県が用意するポスター、ステッカー等)の掲示 等
● 協力いただくことが決定した店舗には、ポスター、ステッカー等を配布し、店舗内での掲示を依頼した。
ステップ3 「食べきり割」の実施・情報発信 (翌7月~翌翌1月)
● 「食べきり割」の実施期間の前に、協力店に対してメール・電話によりリマインドを実施した。
● 知事記者会見や県政の広報番組(5分間程度)等を用いて、取組に関する情報発信を行った。
ステップ4 効果評価・次年度以降に向けた取組の見直し(翌翌2月~)
● 協力店に対するアンケートを実施し、取組効果(従業員の食品ロスへの理解の深化、食品ロス削減の取組の
開始の有無等)や、取組内容への意見(実施期間の長さ等)等を集約し、課内で取組の見直しを行った。
● (「クルポ」の取組への移行時)一部の協力店に対し新たな取組の告知と協力依頼を実施した。
〇費用(年度別)
【平成28年度(1年目)】キャンペーン立ち上げ、協力体制構築
約290万円 ( 内訳:特設サイト作成委託費:約200万円、広告等作成費:約52万円 等)
【平成29年度(2年目)】未参加店に対する協力依頼
約70万円(内訳: ちらし・ステッカー等作成費:約30万円、SNSによる広告運用費:約20万円)
〇担当者数:【平成28年度(1年目)】2名 ⇒ 【平成29年度(2年目)】0.5名
5
飲食店が食品衛生上適切な形で食べ残しの持ち帰りに取り組むための方法をガイドブックにまと
め、市内の食品営業許可施設の認定を受けた全ての飲食店に配布
1 取組の概要
■ ガイドブックの記載内容
環境省、消費者庁、農林水産省、厚生労働省が公表した「飲食店等におけ
る食べ残し対策に取り組むにあたっての留意事項」(平成29年5月)に基づ
き、飲食店が食べ残し対策に取り組む際に注意すべき点を整理した。
加えて、大津市独自の工夫として、以下の要素を加えた。
■ ガイドブックの活用方法
ガイドブックを印刷し、食品営業許可施設の認定を受けた全ての飲食店(1,274店)に郵送した。
また、ガイドブックの内容を抜粋してちらしを作成し、市ウェブサイトで発信した。
■ 取組の背景
大津市は「大津市一般廃棄物(ごみ)処理基本計画後期計画」(平成28年3月)において、厨芥類が事業
系一般廃棄物の約4割を占めることを踏まえ、飲食店における食べ残しを含む厨芥類の削減に発生抑制の
段階から取り組むことを定めている。また、市長のイニシアティブの下、SDGs(国連持続可能な開発目
標)の定める17のグローバル目標に紐づいた事業を実施している。
これらの背景から、事業者と連携して厨芥類の排出抑制の取組として、また、SDGsにおける目標12
「持続可能な生産消費形態の確保」に紐づいた取組として、「ドギーバッグ使用ガイド」を作成した。
■ 各主体の役割分担
■ 取組の効果・今後の展開
市内の飲食店1店舗から、取組への賛同を得られた。持ち帰りサービスの実施店舗が増加するよう、
市内飲食店への働きかけの方法を引き続き検討する。
No.3
滋賀県大津市
飲食店向け「ドギーバッグ使用ガイド」の作成 -適切な食べ残しの持ち帰り方法の周知-
協力依頼・ガイドブックの郵送
・企画検討
・ガイドブックの掲載内容の検討
・関係者(保健所、食品衛生協会等)との調整
・ガイドブックの作成・印刷(A4 4ページ)
・ガイドブックの郵送・飲食店への協力依頼 等
・食べ残しを減らす工夫を実施した上で、
食べ残しの持ち帰りサービスを実施
・上記が難しい場合、「三方よしフードエコ
推奨店」運動、3010運動等、他の食品ロ
ス削減の取組に可能な範囲で参加
市内飲食店 市(廃棄物減量推進課 )
追加した要素 内容
取組ルールの追加 ドギーバッグは飲食店が用意し、来店客が持参したものは使わない
具体的な工夫の例示 持ち帰り可能なメニューに「持ち帰りOK」等と記載する 等
関連情報の紹介 SDGs(持続可能な開発目標)や3010運動の紹介 等
6
2 取組の実施の流れとポイント
3 実施に要したコスト
ステップ1 企画検討 (6月~)
● SDGsの目標12「持続可能な生産消費形態の確保」に関連する取組として、ドギーバッグの使用を支援
する施策を担当課内で検討した。
ステップ2 関係者との協議 (7月~)
● 保健所および食品衛生協会の担当者
と協議を重ね、ガイドブックの掲載
内容を検討した。協議の結果、衛生
上のリスクへの懸念から、料理の持
ち帰りそのものを推奨することはせ
ず、適切な持ち帰り方法の周知を行
う内容とした。
● 来店客が持ち込む容器は衛生状態の確認
ができないことから、飲食店が容器を用
意することとした。
● 飲食店の担当者にとってわかりやすいよ
う、具体的な工夫の例を記載し、国が公
表した留意事項上の表現を飲食店側の目
線に立って修正する等の工夫を行った。(例:「客」⇒「お客様」に修正)
ステップ3 市内飲食店への発信 (翌2月~)
● 市の食品営業許可施設一覧に掲載されている全ての飲食店(1,274店)にガイドブックを郵送した。
● 「三方よしフードエコ推奨店」登録制度のちらしを同封し、持ち帰りの実施が難しい場合にも食品ロス
の削減に参画できる旨をご案内した。
ステップ4 今後に向けた企画 (翌3月~)
● 滋賀県買い物ごみ・食品ロス削減推進協議会が実施する、食べ残しの持ち帰りに関する飲食店の意識調
査の結果を踏まえ、持ち帰り容器を準備する事業者を増やすための仕掛けを検討する予定。
〇費用 約18万円
* 内訳:パンフレット郵送費(約1,274件):約18万円
* ガイドブックは庁内で印刷したため、印刷費は発生していない。
〇担当者数:1名
(出典)大津市「ドギーバッグ使用ガイドブック」3ページ
7
1 取組の概要
No.4
長野県松本市
「残さず食べよう!」推進事業所認定制度 -自社の宴会などで食品ロス削減の取組を行う事業者を認定-
「料理をいただく側」として食品ロス削減に取り組む事業所を、市が認定する取組
■ 実施内容と実績
平成28年7月以降、業種を問わず幅広く本制度に関する周知を行い、
平成30年9月末時点で推進事業所の認定数は85件に上った。
■ 取組のきっかけ
松本市が実施する「残さず食べよう!30・10運動」を拡大するためには、飲食店だけでなく、「料理
をいただく側」の取組が不可欠であるため、食品ロス削減に取り組む事業者の認定制度を開始した。
第3次松本市環境基本計画(平成28年度改訂版)では、さらなるごみの減量と3Rの取組の推進のた
め、「30・10運動等協力店数」を平成32年度までに、累計225店とする目標値を設定した。
■ 各主体の役割分担
■ 取組の効果
事業実施後にアンケートを実施し、推進事業所における従業員の環境意識が高まり、
食品ロス削減の取組が活発化したことを確認した。
〇事業に参加してメリットとして感じることは?
(N=34,複数回答可)
〇宴会時、30・10運動の声掛け等の取組を行っているか。
行っている場合、どのような取組を実施しているか。(N=34)
■ 今後の展開
「料理・食材を提供する側」である推進店の取組項目に、小売店向けの取組項目を追加(平成30年8月
~)し、家庭での取組強化も含めて周知啓発を進めることにより、認定事業所数のさらなる増加をねらう。
(画像)推進店・推進事業所に
提供する看板とミニのぼり旗
(出典)「残さず食べよう!」推進事業所に対するアンケート結果
(注) 松本市では、「『残さず食べよう!』推進店・事業所認定制度実施要綱」に基づき、食品ロス削減に「料理・食材を提供
する側」として取り組む飲食店、小売店等と、「料理をいただく側」として取り組む事業所を、それぞれ推進店、推進事
業所として市が認定している。ここでは、「料理をいただく側」である「推進事業所」について主に紹介する。
【推進事業所の取組項目】
①残さず食べよう!30・10運動の実践
②食品ロスに関することについての事業所内における周知、啓発
③食品ロスに関することについての事業所外における周知、啓発
④その他食品ロス削減に資する取組
・事業所等への周知啓発
・申請に基づき、推進事業所を認定
・情報発信(広報誌、HP等)
・啓発品等の作成、配布
・アンケートの実施、結果の分析
市(環境政策課)
・上記の【取組項目】のうち、2項目以上を実施
・市に申請書を提出
・啓発品の活用
・アンケート等により、市の施策等への意見・要望
事業所 協力依頼
申請・意見・要望
行っている91.2%
行っていない5.9%
無回答2.9%
・開宴時の声掛け ・・・29
・お開き前の声掛け ・・・19
・食べ残しの持ち帰り ・・・11
・事前に量の相談 ・・・ 7
・その他 ・・・ 1
(注)推進店・事業所認定数 200件(推進店115件、推進事業所85件)
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ステップ1 既存の取組の調査・認定制度の検討(5月~翌3月)
● 以前から複数の飲食店に、市が提供する「残さず食べよう!30・10運動」の啓発品(ポケットティッ
シュ、コースター等)を活用していただくなど、食品ロス削減の取組に協力いただいていた。
● 事業者の認定制度を先行して実施していた自治体等へ聞き取りを実施し、制度内容について検討した。
ステップ2 実施要綱の制定、啓発品の作成等(翌4月~翌7月)
● 「残さず食べよう!」推進事業所認定制度の実施要綱に、料理をいただく側である事業所を認定対象とし
て追加した。
● 事業開始にあたって、以下の啓発品等を作成した。
① 認定証(300枚作成)※台紙のデザイン・印刷を業者委託し、店名等は差し込み印刷で対応
② 看板(直径150mm円形×厚さ20mm、カラー300個作成、市内産の間伐材を使用、推進店のみに配布)
③ ミニのぼり旗(70×210mm、支柱・台座付き、300個作成)
④ チラシ兼申請書(A4カラー両面、4,500部作成)
● 参加のインセンティブとして推進事業所への登録を「ecoオフィスまつもと認定制度」の加点対象とした。
* 「ecoオフィスまつもと認定制度」:所定の取組項目の実施数を点数化して「一つ星」から「三つ星」に認
定し、ランクに基づいて入札時の総合評価落札方式において加点を受けることなどができる制度。
ステップ3 取組の実施 (翌7月~翌翌3月)
● 認定制度に関するチラシを商工会議所を通じて配布し、事業者に幅広く制度を周知した。
* チラシの配布方法:会報への折り込み、飲食店・宿泊施設への発送
● 申請に基づいて事業所を認定し、認定証・ミニのぼり旗を発送するとともに、ホームページで紹介した。
● 年に数回、認定を受けた事業者に「30・10通信」として環境情報を発信した。また、必要な啓発物品
等を配布した。
ステップ4 効果評価・次年度以降に向けた取組の見直し (翌翌3月~)
● 年度末のアンケートで事業の効果や市の施策に望むこと等を把握し、次年度以降の施策の見直しを実施した。
● その結果を基に、「料理を提供する側」と「いただく側」のマッチングのため、フリーペーパーへの広告掲載
や、 推進店マップ(展開A2サイズ、カラー両面、4,000部作成)の作成・配布を行った。
2 取組の実施の流れとポイント
3 実施に要したコスト
〇費用(年度別)
【平成28年度(1年目)】制度の立ち上げ、協力体制構築
約59万円 ( 内訳:消耗品:約25万円、印刷製本費:約32万円 等)
* ポスター等、推進店・推進事業所等に配布して活用いただく啓発品の作成費用は含まない。
【平成29年度(2年目)】協力店舗に関する情報の発信
約80万円(内訳: 印刷製本費:約38万円、広告費:約42万円)
〇担当者数:2名
9
■ 開催・参加企業の実績
県内で開催された環境フェア4会場と連携して「もったいない市」を
開催し、のべ12社(うち11社が食品メーカー、1社が小売事業者)の食
品関連事業者が参加した。参加企業の4割が菓子メーカーであったため菓
子の販売量が多く、その他としてはこんにゃく、納豆等が販売された。
■ 取組の背景
「三重県廃棄物処理計画」(平成28年3月)において、食品ロスを含むごみの発生・排出抑制の取組を
促進するため、事業者や市町などの多様な主体と連携することを定めた。また、「富山物質循環フレーム
ワーク」(平成28年5月)で食品ロスへの対策の重要性が強調されたことを受け、事業者と連携した食品
ロス削減の取組を検討した。
■ 各主体の役割分担
■ 取組の効果と連携先の反応
通常の販売が難しいために廃棄されがちな規格外品
を、合計5日間の環境フェアで2,251kg販売した。今後
の継続については、出展企業の25%が前向きに検討して
おり、「参加は困難」とした事業者はいない。
■ 今後の展開
「もったいない市」の実施の際に、家庭向けの食品ロ
スに関する意識啓発を行えるような仕組みを検討・実施
予定である。また、平成30年度には「もったいない市」
と併せてフードドライブを実施する。
県内の団体・市が主催する環境フェアで、食品関連事業者が規格外
品を低価格で販売するもったいない市を開催し事業系食品ロスを削減
1 取組の概要
No.5
三重県 環境フェアにおける「もったいない市」の開催
-県内の食品メーカー等が規格外品を低価格で販売-
「もったいない市」を開催した
環境フェア(平成29年度) 主催者
来場者数
(環境フェア)
「もったいない市」参加企業数
販売量(kg)
みえ環境フェア(津市、1日間) 三重県地球温暖化防止活動推進 センター 約5,000人 8社 1,429.0kg
夏のエコフェア(四日市市、2日間) 三重県環境学習情報センター 約4,500人 1社 517.9kg
もったいないフェア(伊勢市、1日間) 伊勢広域環境組合 約2,000人 1社 190.3kg
センターフェスタ(鈴鹿市、1日間) 三重県体育協会 約2,500人 2社 113.8kg
参加を前向
きに検討25.0%
時期、場所、
内容などに
より可否を検
討75.0%
参加は困難0.0%
(出典)出展企業アンケート結果(平成29年度)
・企画検討
・食品関連事業者への協力依頼
・協力事業者、主催者との事前調整
・環境フェアで食品ロス削減の啓発
・取組効果の把握
県
【業界団体】会員企業に情報を共有(メール配信等)
【個別事業者】環境フェアで規格外品を販売
規格外品の販売重量を算出
食品関連業界団体・個別事業者 訪問・協力依頼
※平成29年度は県の外郭団体に委託
事前調整・連携
・環境フェアの主催者として協力
環境フェア主催団体
出展企業の「もったいない市」
への継続参加意向(N=8)
10
2 取組の実施の流れとポイント
3 実施に要したコスト
ステップ1 企画検討・業界団体への協力依頼 (5月~7月)
● 担当課で食品ロス削減の取組を検討する際、集客力の高い環境フェアで食品関連事業者に規格外品を販
売してもらい、来場者への食品ロスの啓発と事業系食品ロスの削減の相乗効果を出すことを着想した。
● 県内の食品関連事業者の業界団体に取組について事前に説明し、会員企業への周知を依頼
することで事業者との協力関係を構築した。
ステップ2 食品関連事業者への協力依頼 (7月~)
● 事業者への協力依頼は、直接訪問または業界団体を通じたメール配信によって実施した。
● 直接訪問する事業者は、規格外品の販売に自主的に取り組んでいる事業者や、業界団体・県内の市町村
・関連団体から紹介があった事業者とした。(平成29年度は66社を訪問)
● 取組への協力を依頼する際には、取組の目的、取組の概要、参加のメリットとコスト、当日のオペレー
ション(ブースの広さ等)を説明した。
● 事業者を直接訪問する場合には、今後の取組の参考にするために、同社における食品ロス削減の取組に
ついてヒアリングを行った。
ステップ3 環境フェア内での「もったいない市」の実施 (12月)
● 出展企業のブースに統一的なのぼりを設置し、目立つように工夫した。
● 来場者向けアンケートにて食品ロスの認知度や「もったいない市」への今後の参加意向等を把握した。
ステップ4 振り返り・次年度に向けた企画 (翌1月~)
● 出展企業に対するアンケートを実施し、販売量や今後の参加意向等を把握した。
● 回答者の多くが、今後も継続して参加する意向を示したため、取組地域を拡大し全県的な取組となるよ
う、「もったいない市」を実施する環境フェアの会場を増やした。
※平成28年度:1会場 ⇒ 平成29年度:4会場
〇費用(年度別)
【平成28年度(1年目)】事業者への協力依頼、連携体制の構築
約30万円 (内訳:のぼり作成費:約10万円、事業者訪問に要した燃料費:約20万円)
【平成29年度(2年目)】実施会場の追加(1⇒4会場)、県の外郭団体への委託実施
約360万円 (内訳:県の外郭団体に対する実施委託費:約360万円)
〇担当者数:2名 作成したのぼり
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No.6
東京都世田谷区
小学生向けエコなお買い物体験授業の実施
-環境にやさしい商品を購入する体験授業を小売店で実施-
小学生が近隣の食品小売店舗で環境にやさしい商品を選んで購入す
る体験授業を、小学校・大学の研究室・消費者団体等と連携して実施
1 取組の概要
■ 授業のプログラム
区立小学校2校(平成29年度)の4年生を対象に、以下の授業を実施した。
【授業実施例】(2クラス、約80名の場合)
■ 取組の背景
世田谷区一般廃棄物処理基本計画において、「事業者・区民との連携」を方針として掲げたことを踏ま
え、平成23年度から「世田谷区2R推進会議」を設置し、事業者・消費者・行政等が連携して様々な取組
を実施してきた。本取組も、会議メンバーからの提案を発端にして実施されたものである。
■ 各主体の役割分担
■ 取組の効果等
授業に参加した小学生に感想を尋ねると、多くが
ごみ問題への理解が深まったと回答した。また、家
族に学んだ内容を話したいという意見も見られた。
■ 今後の展開
授業プログラムをさらに充実させることを重視
し、今後も関係者との連携を深める予定。
【参加した小学生(4年生)の感想】
▪ 「まえにごみのことを学びましたが、今思うと、
お買い物体験がなければ頭でわかっていても体が
わかっていなかったと思います。」
▪ (これから取り組みたいこと)「買い物をすると
き、マイバッグを持参したり、母にマイバッグを
もっていこうとよびかけをすること。」
(出典)小学生向けアンケート結果(平成29年度)
※各実施内容の合間に、移動時間を各20~30分間程度確保したため、合計の実施時間は3時間弱となった。
※本取組は、社会科または総合的な学習の時間の授業の一環として実施した。
区(清掃・リサイクル部) ・当日の受け入れ
協力依頼
+ NPO 食品小売店舗
(サミットストア・東急ストア)
・学生による講義、誘導 東京都市大学 環境学部
・講義、進行 消費者団体
(グリーン購入ネットワーク)
* 本取組は、消費者・事業者・行政等が参加する「世田
谷区2R推進会議」の取組の一環として実施された。小学
校を除くすべての主体が、同会議のメンバーである。
・企画検討、関係者への協力依頼
・当日の講義、時間管理
・アンケート等による効果測定
・プログラム案への意見
・当日の誘導・補助 小学校
協力依頼
委託
実施内容 詳細 実施場所
講義
(35分間)
▪ グリーン購入について(講師:消費者団体) ▪ ウォーターフットプリントと食品ロスについて(講師:大学生) ▪ 世田谷区の食品ロスの現状について(講師:世田谷区)
① 体育館
お買い物体験 (30分間)
各班が指定された品目について、「エコ」だと思う商品を1つ選び、購入(大学生が引率) (指定品目の例:野菜・果物、惣菜、鶏肉 等)
② 食品小売店舗
ワークショップ (30分間)
購入した商品が「エコ」だと考えた理由を各班から発表 (大学生がファシリテーションを実施) ③ 各教室
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2 取組の実施の流れとポイント
3 実施に要したコスト
ステップ1 企画検討・小売事業者等への協力依頼 (6月~)
● 行政・消費者団体・事業者・大学等からなる「世田谷区2R推進会議」のメンバーから、本取組の実施の
提案があったことを受け、区が年度初めに各メンバーを個別訪問して協力を依頼した。
● 食品小売店舗に協力を依頼するにあたり、まず本社の総務・広報部門等に連絡を取ったところ、CSRの
観点から関心を持っていただけた。
ステップ2 小学校への協力依頼・プログラムの調整 (7月~9月)
● 教育委員会から環境教育に熱心な小学校の紹介を受け、そのうち、協力を依頼した食品小売店舗が近隣
に存在する小学校を選定して取組の実施を打診した。
● 小学校側の準備や費用負担の必要がない提案を行うことで、小学校との連携がスムーズだった。
● 無理のないスケジュール設定のため、学校の先生の意見をよく確認した。
ステップ3 体験授業の実施 (10月)
● 当日はしっかりと時間管理を行い、給食時間前に終了するよう心掛けた。
● お買い物体験やワークショップでは、1班に1名の大学生ボランティアが小学生のサポートを行った。
● 小学生全員が発言しやすいよう、1班あたりの人数は4~5名とした。
● 移動中は事故防止のため、学校主事(学校用務員)に誘導を依頼した。
ステップ4 振り返り・次年度に向けた働きかけ (11月~)
● 児童に対するアンケートを実施して、児童の啓発効果を確認した。また、協力事業者に対しても取組へ
の意見等を聴取したところ、特に懸念は寄せられなかった。
● 小学校の担当者が転勤になり、引継ぎが困難になった。年度末までに次年度の依頼を実施すべきであっ
た。(平成29年度末)
〇費用(年度別)
【平成28~29年度(1・2年目)】関係者への協力依頼、体験授業の実施
1校につき 約0.4~0.5万円
* 内訳:小学生による買い物費用(1校当たり):約0.4~0.5万円
* 本取組はNPO法人まちこらぼに委託実施した事業の一部であり、別途人件費が発生している。
〇担当者数:2名
* 当日対応は4名。加えて大学生ボランティア約10名、委託先NPO法人から3名が参加。
* 当日対応の担当者数は、小学校側の人数、大学生ボランティアの人数等によって変動する。
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食品衛生責任者*養成講習会の初回受講者向け講習において、事業系食品廃棄物の発生抑制・再
資源化に関する取組の周知・啓発を実施
1 取組の概要
■
実施内容
食品衛生責任者養成講習会の初回受講者向け講習において、修
了書を交付する5~10分の時間を活用し、生ごみの減量・再資源
化のための取組等を、廃棄物指導課の職員が説明する。
説明資料としては、廃棄物指導課が作成する「事業系ごみの減
量化、資源化及び適正処理ガイドライン」を配布して用いる。
なお、本ガイドラインは、事業系ごみ全般の処理方法、減量・
資源化の方法等についてまとめられたものであり、事業者一般に
向けた情報提供のために使用しているものを活用している。
■
取組の背景
相模原市では平成15年度より、廃棄物指導課と生活衛生課が連携し、食品衛生責任者養成講習会にお
ける食品廃棄物の適正処理に関する情報提供を行ってきた。平成25年3月には「相模原市一般廃棄物処理
基本計画」が改定され、食品廃棄物の減量および資源化に取り組むことが定められた。具体的な取組の1
つとしては、事業者に具体的な取組事例や資源化ルート等の情報提供が挙げられている。
■ 各主体の役割分担
■ 実績
年に11回前後の講習会に参加し、合計約150名の出席者に対して情報提供を行っている。
■ 今後の展開
食品関連事業者に直接取組を呼びかけられる点で貴重な取組であり、今後も継続実施予定である。
No.7
神奈川県相模原市
事業者向け講習会を活用した周知・啓発 -食品関連事業者に対する確実な情報発信-
講習会への出席・参加者への情報提供
*食品衛生責任者とは:食品衛生法施行条例第2条の公衆衛生上講ずべき措置の基準及び食品製造業等取締条例
第6条の衛生管理運営基準により、「営業者は、許可施設ごとに自ら食品衛生に関する責任者となるか、当該施
設において従事者のうちから食品衛生責任者1名を定めておかなければならない」とされている。
〇ガイドライン中で紹介する生ごみ削減の取組
▪ ①仕入れ量の調整
▪ ②発生の抑制(小盛りメニュー、食べ残しの持ち帰りサービス導入等)
▪ ③廃棄の削減(値引きの実施など)
▪ ④水切りの徹底
▪ ⑤リサイクルの実施(リサイクル業者の利用、生ごみ処理機の利用)
〇3010運動(宴会時の食べ残しを削減する取組)の紹介
ガイドライン上の該当ページ
・ガイドライン・ちらしの作成
・講習会における情報提供(年11回前後)
市(廃棄物指導課)
・県の食品衛生協会に委託し、食品衛生責任者養成講習会を開催
市(生活衛生課) 場の提供
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2 取組の実施の流れとポイント
3 実施に要したコスト
1ステップ 企画検討 (平成26年度~)
● 相模原市では平成15年度より、廃棄物指導課と生活衛生課が連携し、食品廃棄物の適正処理に関する
情報提供を食品衛生責任者養成講習会で実施してきた。
● 「相模原市一般廃棄物処理基本計画」の改定時(平成25年3月)に、事業系一般廃棄物である食品廃棄
物の減量および資源化に取り組む旨が定められたことを受け、講習会で説明する情報として、生ごみ
の減量・資源化の取組のポイントを加えることとした。
2ステップ 事業者向けガイドライン等の作成 (1月~3月)
● 相模原市廃棄物処理基本計画(平成25年3月改定)に示された4Rの考え方を説明しながら、事業系一
般廃棄物および産業廃棄物の出し方や、減量・再資源化のための取組についてガイドラインにまとめ
た。
● 生ごみの減量化・資源化の取組を呼び掛けるページでは、食品廃棄の問題をわかりやすく示すため
に、環境省・農林水産省等の関連省庁が発表するデータを用いた。
● 事業者が一目で見てわかりやすいよう、伝えたい内容はできるだけ図表にまとめた。
3ステップ 講習会における情報提供 (5月~翌3月)
● ガイドラインを用いて、生ごみの減量・資源化のための取組について説明を行った。
● 説明時間が5~10分間と短いため、説明する内容を事前に整理してから講習会に臨んだ。
4ステップ 取組の継続に向けて (翌3月~)
● 生ごみの減量・資源化の取組に関する情報を追加しても、廃棄物指導課・生活衛生課の両課に対する
負担は変わらなかったため、特別な調整無く取組を継続することができている。
〇費用:なし
* 別事業で作成したガイドラインを活用しているため、費用は発生していない。
ガイドライン作成事業におけるガイドラインの印刷費は、約60万円である。
〇担当者数:2名
* 講習会の対応は2~3名で実施している。
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発生要因を踏まえて対策を考える
「食品ロス」と一口に言っても、その種類や発生要因は多様です。削減の取組を考える上では、食品ロ
スが発生する要因をしっかり分析し、狙いを絞ることで、効果的な取組を行うことができます。発生要因の
分析においては、消費者、小売事業者や飲食店・ホテル等の食品ロスを発生させる当事者と協働して行う
と、より詳細な把握や、具体的な対策の実施につなげていくことができます。
☞【具体例】福井県 第1ステップ(P.2)
事例から見る取組のポイント
環境省環境再生・資源循環局総務課リサイクル推進室
POINT
1
庁内の関連部局と連携する
食品ロスは、飲食店や小売店による事業活動や、学校における給食等の様々な場面で発生しています。
食品ロス削減の取組を進める上で、これらの主体にアプローチするには、対象となる事業者や学校等を所管
する部局・担当課と連携し、既存の取組やネットワークを活用することが有効です。
☞【具体例】大津市 第2ステップ(P.6)、相模原市 第1ステップ(P.14)
POINT
2
関連事業者・団体との関係構築・企画の早い段階での意見交換
事業者や外部の団体と連携して行う取組は、連携相手の視点を取り入れて企画しなければ、「絵に描い
た餅」となってしまう恐れがあります。できるだけ企画の早い段階から関係する事業者と意見交換を行い、
事業者から見た取組の課題や改善策を踏まえて、取組の内容を作り上げていくことで、実効的な取組にする
ことができます。また、食品ロスに限らず、ごみの減量をテーマとした関係者の会議の場を設置し、日頃か
ら意見効果ができる関係性を構築しておくことも有効です。
☞【具体例】静岡県 第2ステップ(P.4)、三重県 第1ステップ(P.10)、世田谷区 取組の背景(P.11)
POINT
3
事業者が取組に参加するインセンティブを提供する
多くの事業者の参画が必要な取組を実施する上では、事業者にとっての廃棄物処理費用の削減等のメ
リットを提示することや、インセンティブを設けることが有効です。食べきり協力店の取組の場合は、協力
店の情報を自治体ホームページで発信するほか、民間ウェブマガジン等の既存の媒体と連携して発信を行う
ことも考えられます。また、協力店を飲食店に限らず、幅広い事業者を対象にする場合には、自治体の総合
評価落札方式の入札において有利となるポイントを付与する事例もあります。
☞【具体例】静岡県 各主体の役割分担(P.3)、松本市 第2ステップ(P.8)
POINT
4
取組の効果・意見を把握し、今後の展開を検討する際のヒントとする
実施した取組の効果を把握しなければ、効果のない取組を継続してしまう恐れがあり、限られた予算を
無駄にすることになります。可能な限り、取組による食品ロスの削減効果や関係者の啓発効果、取組に対す
る関係者の意見等を把握することで、取組の継続の是非や改善点を検討することができます。
☞【具体例】静岡県 取組の効果(P.3)、松本市 取組の効果(P.7)、三重県 取組の効果と連携先の反応(P.9)
POINT
5