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新たな食品表示制度の 課題と今後の展望 平成27年7月21日 宮城大学名誉教授 池戸 重信 (内閣府消費者委員会食品表示部会委員) 資料2

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新たな食品表示制度の課題と今後の展望

平成27年7月21日

宮城大学名誉教授

池戸 重信

(内閣府消費者委員会食品表示部会委員)

資料2

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1 食品表示の役割と制度の変遷

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◎ 国民が健全な食生活を実現するためには食品及びそれに関連する必要な情報が不可欠。

◎ 表示は、供給サイドからの情報伝達の重要な手段の一つ

◎ 表示は、その利用主体である消費者の立場に立った「知りたい」情報を伝え、かつ供給サイドにとっても消費者に「知ってもらいたい」情報を伝えることができる「重宝」な媒体

◎ 消費者の食生活が多様化することで、知りたい情報も変化

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ー表示のルールが複雑化した主な背景ー

◎ 消費者ニーズの多様化

◎ 生産~消費(フードチェーン)間が多段階・複雑化→生産~消費間の乖離が進展し、川上に対する不安感が増大→情報提供による信頼確保

◎ 個人小売店舗の減少→無言販売形態の増加による「表示」依存

◎ 「国産」等表示による産地振興制度の強化→

外国産との差別化対策としての「表示」

◎ 国際的調和の対応→国際ルールの導入

◎ 表示偽装事件の増大→規制強化

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主な食品表示制度の変遷

◎昭和22年:食品衛生法制定◎昭和23年:一部食品等につき表示すベき事項を規定◎昭和25年:JAS法制定◎昭和27年:栄養改善法制定

(◎昭和35年ニセ牛缶事件→◎昭和37年景品表示法制定→昭和43年消費者保護基本法)◎昭和44年:容器包装加工食品に製造者氏名、一定の添加物等表示の義務づけ◎昭和45年:品質表示基準制度創設◎平成元年:全ての添加物につき表示の義務づけ◎平成3年:特定保健用食品制度創設・特別用途食品の規定◎平成6年:製造年月日から期限表示へ◎平成7年:製造年月日から期限表示へ、栄養表示基準制度の創設◎平成11年:全ての飲食料品に品質表示を義務づけ◎平成13年:遺伝子組換え食品に係る表示の義務づけ、アレルギー物質の表示

の義務づけ、栄養機能食品の表示基準制定◎平成14年:健康増進法制定(◎平成16年:消費者基本法)◎平成15年:食品衛生法の目的改正、品質保持期限を賞味期限に統一、

誇大表示の禁止追加◎平成17年:20食品群の原料原産地表示の義務づけ◎平成20年:業務用食品への表示の義務化

赤字;食品衛生法緑字;JAS法青字;健康増進法

黄字;複数法

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消費者庁「食品表示一元化検討会」資料より

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1人又は2人世帯は30年間で5割増全体の6割を占める⇒販売食品少量化⇒表示可能面積縮小化

少人数世帯の増加

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1974年

1990年

2005年

バーコードや製造方式などが追加

一括表示が枠で囲まれ、キャップのはずし方やリサイクル表示、遺伝子組換え大豆についてなど、様々な情報が盛り込まれ、荷印が一つに

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◎消費者庁・消費者委員会の設立(H21.9)

◎食品表示一元化検討会(H23.9-24.8) ) [第1ステージ]

◎食品表示法案の国会審議⇒食品表示法の公布(H25.9)

[第2ステージ]

◇機能性表示食品制度創設の規制改革会議の計画(H25.6)

食品表示基準の審議◇食品の新たな機能性表示

制度に関する検討会(H25.12-26.7)

◎食品表示基準・関係Q&A・ガイドラインの公示(H27.3)⇒施行[第3ステージ]

●残された課題の検討 [第4ステージ]

新たな食品表示制度へのステップ

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2 消費者の表示に対する意識

◎健康食品以外について

Web調査H23.12.27-28対象;男女各1,000人,有効人数1,083人

◎健康食品についてWeb調査H26.3.5-7対象;男女3,000人(15~79歳),有効人数;3,416人

(いずれも消費者庁調査)

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購入の際に参考にする項目(一つを選択)

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分かりにくい理由(複数回答)

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消費者が食品表示項目を見る理由(n=1,083)[消費者庁H23.12月調査]

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文字の大きさと情報量について

情報の表示以外の媒体利用について

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健康食品に関するアンケート調査 《対象者の群分け》①20~64歳(疾病なし)「診断又は疑いのある疾病」の9項目【糖尿病、脂質異常症(中性脂

肪又はコレステロールが多 い)、高血圧、肥満、貧血、骨粗しょう症、アレルギー(花粉など)症、関節炎、その他の疾病】のい ずれにも該当しない者

②20~64歳(何らかの疾病あり)「診断又は疑いのある疾病」の9項目のいずれかに該当する者

③65歳以上④15~19歳⑤健康食品を摂取している中学生以下の子どもを持つ者「『健康食品』を摂取させている中学生以下のお子様がいらっしゃいますか」という設問に対し、 「いる」と回答した者(①~④の再掲)※グループ①~⑤は、「妊娠中・妊娠計画中の者」を除く。

⑥妊娠中・妊娠計画中の者「妊娠している者」と「妊娠していないが、計画している者」の合計ここでの妊娠計画は、定期的な体温計測など、妊娠に向けて行動することを指す。

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「摂取することで、病気が治る」と思う者の割合は、グループ①に比べ、グ ループ④[15~19歳]⑤[摂取している中学生以下の子供を持つ者]で高い傾向

消費者庁H25度調査回答者3.416名

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3 残された課題への対応

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(今後の主な要検討事項)

◎ 情報の重要性の整序◎ 中食・外食のアレルギー表示◎ インターネット販売の表示◎ 「異種混合」の定義◎ 遺伝子組換え・添加物表示◎ 加工食品の原料・原産地表示

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情報の重要性の整序(「食品表示一元化検討会報告書」より)

◎情報の重要性は消費者や食品によって異なる

→表示されている事項の全てを見ている消費者

は必ずしも多くはない。

◎できる限り多くの情報を表示させることを基本に検討を行うことよりも、より重要な情報がより確実に消費者に伝わるようにすることを基本に検討を行うことが適切(表示義務として行政が積極的に介入すべきは、特に安全性確保に関する情報)

情報の重要性に違いがあることを前提とした制度設計

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義務表示の範囲(基本的考え方)

◎ 安全性確保を優先し、消費者にとって真に必要な

情報を検証

◎ 容器包装or代替手段、実行可能性と供給コスト等

消費者のメリット・デメリットのバランス検討

◎ 安全性確保関係事項を優先

◎ その他の重要性は消費者によって異なる

→これまでの議論も踏まえつつ現行項目の検証し優

先順位の考え方導入

◎ 将来的な表示事項の見直しに当たっても、優先順位

に留意+コーデックス等国際的動向も踏まえる。

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(参考)外食・中食におけるアレルギー表示に関するアンケート調査結果

農林水産省補助事業「平成25年度食料品バリューチェーン構築支援事業

加工食品製造・流通指針策定事業報告書(平成26年3月)」[外食・中食産業等食品表示適正化推進協議会]より

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◎ 調査対象等

● 事業者アンケート・ 外食企業 98 社(384社中回収率 25.5%)・ 中食企業 24 社(267社中回収率 9.0%)・ 量販店 14 社(100社中回収率 14.0%)

記述調査 [実施時期]平成26年1~2月● 消費者アンケート◆ 民間調査会社登録モニターから有効サンプル数1,000人、Webアンケート [実施時期]平成25年9月◆ アレルギー患者の会約500人中有効回答者数184人、記述調査 [実施時期]平成26年2月

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● 事業者アンケート

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● 消費者アンケート

3%9%

20%

20%

20%

28%

5%

9%

20%

24%

24%

18%ほぼ毎日

週に数回

月に数回

年に数回

あまり利用しない

(数年に1回程度)まったく利用しない

3%

14%

25%

19%

15%

24%

6%

9%

29%

20%

16%

20%

ほぼ毎日

週に数回

月に数回

年に数回

あまり利用しない(数年

に1回程度)

まったく利用しない

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● 患者の会アンケート

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「生鮮食品」には原産地表示、「加工食品」には期限表示が義務づけされている。次の食品はどちらか?

①キャベツ丸ごと②キャベツの千切り③キャベツの千切り+赤キャベツの千切り④キャベツ千切り+カットレタス⑤メバチマグロ赤身⑥メバチマグロ赤身+メバチマグロ中トロ⑦メバチマグロ赤身+みずだこ(生)⑧牛ロース+牛カルビ⑨牛ロース+豚ロース⑩牛ロース+牛塩タン

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異種混合の定義

異種混合の種別

考え方 区分

組合せ・盛り合わせ

各々の生鮮食品を単に組み合わせたり盛り合わせただけで、ばらばらに飲食、調理等されることが想定されるもの

生鮮食品

混合

各々の生鮮食品が混合されて、1つの商品としてそのまま飲食、調理等されることが想定されるもの

加工食品

食品を摂取する際の安全性の観点及び事業者の実行可能性を踏まえ、さらなる商品実態や消費者が選択する際の食品表示に関する意識も調査した上で、検討が必要

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遺伝子組換え表示制度の前提として「遺伝子組換え食品」に対する認識の議論が必要か◎「遺伝子組換え」又は「不分別」表示がされている食品があったとしても、安全性が確認された食品のみが流通◎「遺伝子組換えでない」表示が無くとも、遺伝子組換え農産物は不使用◎飼料を含め、年間2,000万トン以上の遺伝子組換え農産物が輸入(世界での遺伝子組換え農産物の作付面積は約1億7,000万haで日本の全耕地面積約450万haの約38倍)

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「食品表示一元化検討会報告書(平成24年8月9日)」より

JAS法に基づく加工食品の原料原産地表示は、次の品目横断的な2要件に照 らして対象品目を選定するという方法により、現行では22食品群及び個別の4食品が義務付けの対象とされている。① 原産地に由来する原料の品質の差異が、加工食品として品質に大きく反映され ると一般的に認識されている品目のうち、② 製品の原材料のうち、単一の農畜水産物の重量の割合が 50%以上である商品

本検討会では、これまでの「品質の差異」の観点にとどまらず、新たな観点から原料原産地表示の義務付けの根拠とすることについて議論を進めたが、合意には至らなかった。当該事項については、食品表示の一元化の機会に検討すべき項目とは別の事項として位置付けることが適当である。

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「食料・農業・農村基本計画」より(平成27年3月閣議決定)

「加工食品の原料原産地表示について、実行可能性を確保しつつ拡大に向けて検討する。」

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4 今後求められる対応策

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◎ 個別課題や専門的内容に関する検討・環境整備→消費者・事業者に対する情報の周知→行政内の知識の普及と相談対応の強化(ワンポイント

サービス+回答の同一性)

→理解度・活用実態について正確なモニタリグの実施◎ 積み残し課題等今後の検討に当たっては「食品表示一

元化検討会」 の報告等これまでの検討経緯や国際的整合性を踏まえること

◎ 消費者に対しての食育、特に学校教育の強化◎ 事業者における正確かつ適切なデータ管理の推進

◆原材料等の購入元~社内(工場内)~製品の納品までの「製品+その関連の情報」の管理が必要

◆特に、原産地、原材料、アレルゲン等→個別トレーサビリティの導入促進

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トレーサビリティの仕組み(チェーントレーサビリティ)

農業者グループ農業法人個人生産者 小売

市場卸

生鮮履歴情報

履歴と農薬のチェック

消費者

JA団体

生産履歴情報開示

生産履歴情報開示

生産履歴情報開示

事故発生時の追跡・遡及

識別コードの発行

物流ラベルバーコード

(ケース単位)

(川上) (川下)

商品ラベル(商品単位)

集荷業者商品の流れ

生産履歴・流通履歴

発注情報

生産履歴情報開示

生産情報出荷実績

にんじん

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◎トレーサビリティの定義

◆ Codex委員会総会(2004年6~7月)での合意

「生産、加工及び流通の特定の一つ又は複数の段階を通じて、食品の移動を把握できること」

◎ 「移動を把握できる」;川下方向へ追いかける追跡と、川上方向へ遡る遡及の両方を意味

個別トレーサビリティ

チェーントレーサビリティ

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ご清聴ありがとうございました。