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耐力要素の 強度性能評価書 貫(回転モーメント) (平成 22 年3月版) ・記載された条件に該当しない場合は適用できません。 ・適用範囲を確認の上、設計者の判断で使用して下さい。 (実験及び評価書原案作成:ハウスプラス確認検査(株)) 一般社団法人 木を活かす建築推進協議会

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Page 1: 耐力要素の 強度性能評価書²«...耐力要素の 強度性能評価書 貫(回転モーメント) (平成22年3月版) ・記載された条件に該当しない場合は適用できません。

耐力要素の

強度性能評価書

貫(回転モーメント)

(平成 22 年3月版)

・記載された条件に該当しない場合は適用できません。

・適用範囲を確認の上、設計者の判断で使用して下さい。

(実験及び評価書原案作成:ハウスプラス確認検査(株))

一般社団法人 木を活かす建築推進協議会

Page 2: 耐力要素の 強度性能評価書²«...耐力要素の 強度性能評価書 貫(回転モーメント) (平成22年3月版) ・記載された条件に該当しない場合は適用できません。

一般社団法人 木を活かす建築推進協議会

(平成 22 年 3 月版)

2

1.接合部名称

貫(回転モーメント)

2.短期許容回転モーメント

短期許容回転モーメントは以下のとおりとする。

寸法型式

標準貫-柱樹種-柱断面-貫断面

短期許容回転

モーメント

(kN・m)

回転剛性

(kN.m/rad.)

※参考値

短期基準回転

モーメント

(kN・m)

標準貫-S-120-27×115 0.40 12.0 0.48

標準貫-H-120-27×115 0.40 10.0 0.40

標準貫-S-150-27×115 0.45 15.0 0.53

標準貫-S-120-27×105 0.40 12.0 0.45

標準貫-H-120-27×105 0.40 16.0 0.43

標準貫-S-150-27×105 0.45 14.0 0.51

提案貫-アゴ 0.40 16.0 0.48

提案貫-アゴ+栓 0.45 13.0 0.55

提案貫-片蟻(※) 0.30 15.0 0.37

提案貫-片蟻+栓(※) 0.35 11.0 0.41

提案貫-差込(※) - - 0.12

提案貫-差込+隙間(※) 0.15 19.0 0.19

提案貫-栓楔 0.40 18.0 0.47

提案貫-栓楔+片蟻(※) 0.30 9.0 0.38

※:回転の方向性がある。本表の値は、両方向の平均値。

(註)差込貫は、貫の先端に隙間があるのが一般的であるから、本表の「提案貫-差込+隙間」を用いるこ

と。

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一般社団法人 木を活かす建築推進協議会

(平成 22 年 3 月版)

3

3.特性値

特性値は以下のとおりとする。ただし、この値は、低減係数αを乗じる前のものである。利用に当たって

は、適切にαを考慮する必要がある。回転の方向性があるものの本表の値は、両方向の平均値である。また、

差込貫は、貫の先端に隙間があるのが一般的であるから、本表の「提案貫-差込+隙間」を用いる。

S-120-27×115 0.40 0.25 0.52 0.22 0.18 0.22 24.0

H-120-27×115 0.46 0.22 0.51 0.16 0.14 0.16 22.4

S-150-27×115 0.53 0.30 0.66 0.26 0.21 0.26 26.0

S-120-27×105 0.43 0.24 0.51 0.22 0.18 0.22 21.6

H-120-27×105 0.41 0.30 0.53 0.30 0.26 0.30 30.0

S-150-27×105 0.57 0.32 0.73 0.25 0.20 0.25 27.1

アゴ 0.48 0.31 0.60 0.32 0.28 0.31 29.8

アゴ+栓 0.56 0.27 0.65 0.25 0.21 0.25 22.6

片蟻 0.36 0.27 0.47 0.28 0.25 0.27 32.9

片蟻+栓 0.33 0.21 0.45 0.24 0.21 0.21 20.7

差込 0.13 0.13 0.14 0.15 0.13 0.13 27.2

差込+隙間 0.15 0.21 0.19 0.20 0.20 0.15 34.7

栓楔 0.42 0.32 0.52 0.35 0.30 0.32 34.1

栓楔+片蟻 0.26 0.21 0.44 0.17 0.14 0.17 20.9

種別

① ② ③ ④ 参考 ⑤ ⑥

(kN・m) (kN・m) (kN・m)

My 0.2Mu/Ds 2/3Mmax M(1/120)

(kN・m) (kN・m) (kN・m/rad)

M(1/150) min(①~④) K

(kN・m)

標準貫

提案貫

S-120-27×115 0.64 0.0171 0.0270 0.0269 0.0655 2.49 0.50 めり込み、楔割れ

H-120-27×115 0.66 0.0224 0.0308 0.0330 0.0605 1.88 0.60 めり込み、楔割れ

S-150-27×115 0.85 0.0201 0.0279 0.0323 0.0667 2.00 0.58 めり込み、楔割れ

S-120-27×105 0.66 0.0197 0.0264 0.0304 0.0663 2.12 0.56 めり込み、楔割れ

H-120-27×105 0.66 0.0135 0.0239 0.0219 0.0667 2.98 0.45 めり込み、楔割れ

S-150-27×105 0.94 0.0205 0.0309 0.0338 0.0667 1.90 0.60 めり込み、楔割れ

アゴ 0.74 0.0160 0.0256 0.0235 0.0654 2.76 0.47 めり込み、楔割れ

アゴ+栓 0.87 0.0239 0.0308 0.0368 0.0667 1.65 0.66 めり込み、楔割れ

片蟻 0.60 0.0127 0.0210 0.0213 0.0584 3.53 0.41 めり込み、楔割れ

片蟻+栓 0.59 0.0157 0.0256 0.0279 0.0601 2.09 0.56 めり込み、楔割れ

差込 0.18 0.0056 0.0073 0.0074 0.0525 7.30 0.27 めり込み、楔割れ

差込+隙間 0.25 0.0046 0.0069 0.0068 0.0572 8.86 0.24 めり込み、楔割れ

栓楔 0.67 0.0119 0.0199 0.0189 0.0667 3.31 0.42 めり込み、楔割れ

栓楔+片蟻 0.48 0.0146 0.0281 0.0200 0.0608 2.83 0.46 めり込み、楔割れ

Mu θy θ(2/3Pmax) θv

⑦ ⑧ ⑨

Ds

⑪ ⑫ ⑬

種別

(kN・m) (rad) (rad)(rad)

θu μ

(rad)

標準貫

提案貫

破壊形式

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一般社団法人 木を活かす建築推進協議会

(平成 22 年 3 月版)

4

寸法型式\回転角(×10-3rad) 特定変形時の回転モーメント(kN・m) (信頼水準 75%の 50%下限値)

30.0 35.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 90.0 100.0 125.0 150.0

標準貫-S-120-27×115 0.52 0.55 0.60 0.65 0.71 0.74 0.76 0.75 0.73

標準貫-H-120-27×115 0.45 0.48 0.53 0.60 0.69 0.75 0.84 0.90 0.96

標準貫-S-150-27×115 0.65 0.73 0.79 0.85 0.95 1.02 1.10 1.14 1.21 1.24

標準貫-S-120-27×105 0.53 0.56 0.62 0.64 0.75 0.77 0.85 0.89 0.94 1.02

標準貫-H-120-27×105 0.55 0.60 0.65 0.69 0.75 0.80 0.87 0.92 0.97 1.09

標準貫-S-150-27×105 0.68 0.76 0.84 0.93 1.05 1.14 1.23 1.30 1.37 1.53

提案貫-アゴ 0.61 0.64 0.70 0.77 0.80 0.85 0.91 0.89 0.84

提案貫-アゴ+栓 0.59 0.68 0.76 0.84 0.93 1.00 1.07 1.16 1.15 1.23

提案貫-片蟻 0.48 0.52 0.55 0.56 0.58 0.54 0.50 0.37 0.21

提案貫-片蟻+栓 0.48 0.49 0.54 0.56 0.59 0.53 0.49 0.39 0.29

提案貫-差込 0.18 0.15 0.14 0.16 0.17 0.17 0.18 0.19 0.20 0.23

提案貫-差込+隙間 0.23 0.22 0.22 0.23 0.25 0.26 0.27 0.28 0.30 0.32

提案貫-栓楔 0.58 0.62 0.67 0.70 0.75 0.77 0.83 0.86 0.89 0.91

提案貫-栓楔+片蟻 0.42 0.45 0.49 0.52 0.57 0.54 0.59 0.57 0.51 0.31

・この値は、低減係数αを乗じる前のものである。利用に当たっては、適切にαを考慮する必要がある。

・回転の方向性があるものの本表の値は、両方向の平均値である。また、差込貫は、貫の先端に隙間がある

のが一般的であるから、本表の「提案貫-差込+隙間」を用いる。

・min(My, 0.2Mu/Ds, 2/3Mmax,M(1/120))(基準耐力):

許容耐力(モーメント)を決める際の基準とした耐力。鉛直構面を構成する柱-貫接合部の「評価用回

転モーメント」 (M)―接合部の回転角(θ)関係を完全弾塑性モデルに置換し、特性値①降伏モーメント

(My)、特性値②終局モーメント(Mu)×(0.2/Ds)、特性値③最大モーメントの 2/3 の値(2/3Mmax)特

性値④回転角 1/120rad 時のモーメントを求める。

ここで、「接合部の回転モーメント」は、貫材の曲げ歪と貫材の曲げヤング率及び断面係数から求め

た「貫の曲げモーメント」を元に接合部の節点位置の値を算出したものであり、「評価用回転モーメン

ト」と異なる。

「評価用回転モーメント」は、鉛直構面試験体の水平荷重実測値と構成する貫接合部要素のモーメン

トの加算から求めた鉛直構面の水平荷重が一致するように、実測した水平荷重を各貫要素接合部の回転

モーメント比例配分し、補正したものである。

評価の対象とする変形角の範囲は、耐力壁の評価方法に準じ、最大モーメント (Mmax)経験後の

0.8Mmax 時変形角までもしくは最大変形角 1/15rad までとした。

基準耐力は、特性値①、②、③、④それぞれに 8 箇所の接合部(鉛直構面試験体が 2 体の場合は 16 箇

所)の平均値と変動係数から、信頼水準 75%の 50%下限値を求め、最も小さい値を採用した。

・Mu(終局モーメント) :完全弾塑性モデルにおける終局モーメントの信頼水準 75%の 50%下限値とした。

・K(初期剛性) :完全弾塑性モデルにおける初期剛性の信頼水準 75%の 50%下限値とした。

・破壊形式 : 各仕様で最も多かった破壊形式を記載した。

・特定変形時の耐力 :4(8)箇所の接合部の特定変形時における耐力の信頼水準 75%の 50%下限値を示して

いる。

寸法型式\回転角(×10-3rad) 特定変形時の回転モーメント(kN・m) (信頼水準 75%の 50%下限値)

1.0 2.0 3.0 5.0 7.5 10.0 12.5 15.0 17.5 20.0 25.0

標準貫-S-120-27×115 0.06 0.08 0.10 0.15 0.21 0.25 0.30 0.34 0.38 0.41 0.48

標準貫-H-120-27×115 0.04 0.06 0.08 0.11 0.15 0.20 0.23 0.27 0.31 0.33 0.39

標準貫-S-150-27×115 0.04 0.07 0.10 0.16 0.23 0.30 0.37 0.43 0.46 0.51 0.60

標準貫-S-120-27×105 0.04 0.07 0.09 0.14 0.20 0.25 0.30 0.35 0.38 0.42 0.49

標準貫-H-120-27×105 0.04 0.10 0.15 0.22 0.28 0.33 0.38 0.42 0.44 0.48 0.53

標準貫-S-150-27×105 0.05 0.07 0.10 0.15 0.23 0.30 0.37 0.43 0.48 0.53 0.62

提案貫-アゴ 0.08 0.13 0.18 0.24 0.30 0.35 0.39 0.44 0.48 0.50 0.58

提案貫-アゴ+栓 0.06 0.10 0.13 0.18 0.23 0.27 0.32 0.36 0.40 0.45 0.53

提案貫-片蟻 0.08 0.13 0.17 0.22 0.27 0.30 0.34 0.37 0.39 0.42 0.47

提案貫-片蟻+栓 0.06 0.10 0.13 0.18 0.23 0.25 0.28 0.32 0.35 0.36 0.43

提案貫-差込 0.06 0.09 0.10 0.12 0.14 0.15 0.16 0.16 0.17 0.17 0.16

提案貫-差込+隙間 0.08 0.14 0.17 0.19 0.20 0.21 0.21 0.21 0.22 0.21 0.22

提案貫-栓楔 0.09 0.15 0.20 0.26 0.32 0.38 0.42 0.46 0.48 0.51 0.56

提案貫-栓楔+片蟻 0.04 0.06 0.08 0.11 0.15 0.19 0.23 0.26 0.29 0.32 0.38

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一般社団法人 木を活かす建築推進協議会

(平成 22 年 3 月版)

5

「標準貫-S-120-27×115」の回転モーメント-回転角関係

(0~150×10-3rad)

0

0.5

1

1.5

2

2.5

0 20 40 60 80 100 120 140 160

回転角(×10-3

rad.)

モー

メント(k

N・m

) 95%上限値

50%下限値

95%下限値

(0~10×10-3rad)

0

0.5

1

1.5

2

2.5

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

回転角(×10-3

rad.)

モー

メント(k

N・m

)

「標準貫-H-120-27×115」の回転モーメント-回転角関係

(0~150×10-3rad)

0

0.5

1

1.5

2

2.5

0 20 40 60 80 100 120 140 160

変位(×10-3

rad.)

モー

メント(k

N・m

) 95%上限値

50%下限値

95%下限値

(0~10×10-3rad)

0

0.5

1

1.5

2

2.5

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

変位(×10-3

rad.)

モー

メント(k

N・m

)

「標準貫-S-150-27×115」の回転モーメント-回転角関係

(0~150×10-3rad)

0

0.5

1

1.5

2

2.5

3

0 20 40 60 80 100 120 140 160

回転角(×10-3

rad.)

モー

メント(k

N・m

) 95%上限値

50%下限値

95%下限値

(0~10×10-3rad)

0

0.5

1

1.5

2

2.5

3

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

回転角(×10-3

rad.)

モー

メント(k

N・m

)

「標準貫-S-120-27×105」の回転モーメント-回転角関係

(0~150×10-3rad)

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

1.2

1.4

1.6

1.8

2

0 20 40 60 80 100 120 140 160

変位(×10-3

rad.)

モー

メント(k

N・m

) 95%上限値

50%下限値

95%下限値

(0~10×10-3rad)

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

1.2

1.4

1.6

1.8

2

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

変位(×10-3

rad.)

モー

メント(k

N・m

)

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一般社団法人 木を活かす建築推進協議会

(平成 22 年 3 月版)

6

「標準貫-H-120-27×105」の回転モーメント-回転角関係

(0~150×10-3rad)

0

0.5

1

1.5

2

2.5

0 20 40 60 80 100 120 140 160

回転角(×10-3

rad.)

モー

メント(k

N・m

) 95%上限値

50%下限値

95%下限値

(0~10×10-3rad)

0

0.5

1

1.5

2

2.5

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

回転角(×10-3

rad.)

モー

メント(k

N・m

)

「標準貫-S-150-27×105」の回転モーメント-回転角関係

(0~150×10-3rad)

0

0.5

1

1.5

2

2.5

3

0 20 40 60 80 100 120 140 160

回転角(×10-3

rad.)

モー

メント(k

N・m

) 95%上限値

50%下限値

95%下限値

(0~10×10-3rad)

0

0.5

1

1.5

2

2.5

3

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

回転角(×10-3

rad.)

モー

メント(k

N・m

)

「提案貫-アゴ」の回転モーメント-回転角関係

(0~150×10-3rad)

0

0.5

1

1.5

2

2.5

3

3.5

4

0 20 40 60 80 100 120 140 160

回転角(×10-3

rad.)

モー

メント(k

N・m

) 95%上限値

50%下限値

95%下限値

(0~10×10-3rad)

0

0.5

1

1.5

2

2.5

3

3.5

4

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

回転角(×10-3

rad.)

モー

メント(k

N・m

)

「提案貫-アゴ+栓」の回転モーメント-回転角関係

(0~150×10-3rad)

0

0.5

1

1.5

2

2.5

3

0 20 40 60 80 100 120 140 160

回転角(×10-3

rad.)

モー

メント(k

N・m

) 95%上限値

50%下限値

95%下限値

(0~10×10-3rad)

0

0.5

1

1.5

2

2.5

3

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

回転角(×10-3

rad.)

モー

メント(k

N・m

)

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一般社団法人 木を活かす建築推進協議会

(平成 22 年 3 月版)

7

「提案貫-片蟻」の回転モーメント-回転角関係

(0~150×10-3rad)

0

0.5

1

1.5

2

2.5

0 20 40 60 80 100 120 140 160

回転角(×10-3

rad.)

モー

メント(k

N・m

) 95%上限値

50%下限値

95%下限値

(0~10×10-3rad)

0

0.5

1

1.5

2

2.5

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

回転角(×10-3

rad.)

モー

メント(k

N・m

)

「提案貫-片蟻+栓」の回転モーメント-回転角関係

(0~150×10-3rad)

0

0.5

1

1.5

2

2.5

0 20 40 60 80 100 120 140 160

回転角(×10-3

rad.)

モー

メント(k

N・m

) 95%上限値

50%下限値

95%下限値

(0~10×10-3rad)

0

0.5

1

1.5

2

2.5

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

回転角(×10-3

rad.)

モー

メント(k

N・m

)

「提案貫-差込」の回転モーメント-回転角関係

(0~150×10-3rad)

0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0 20 40 60 80 100 120 140 160

回転角(×10-3

rad.)

モー

メント(k

N・m

) 95%上限値

50%下限値

95%下限値

(0~10×10-3rad)

0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

回転角(×10-3

rad.)

モー

メント(k

N・m

)

「提案貫-差込+隙間」の回転モーメント-回転角関係

(0~150×10-3rad)

0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0 20 40 60 80 100 120 140 160

回転角(×10-3rad.)

モー

メント(k

N・m

) 95%上限値

50%下限値

95%下限値

(0~10×10-3rad)

0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

回転角(×10-3

rad.)

モー

メント(k

N・m

)

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(平成 22 年 3 月版)

8

「提案貫-栓楔」の回転モーメント-回転角関係

(0~150×10-3rad)

0

0.5

1

1.5

2

2.5

3

3.5

0 20 40 60 80 100 120 140 160

回転角(×10-3

rad.)

モー

メント(k

N・m

) 95%上限値

50%下限値

95%下限値

(0~10×10-3rad)

0

0.5

1

1.5

2

2.5

3

3.5

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

回転角(×10-3

rad.)

モー

メント(k

N・m

)

「提案貫-栓楔+片蟻」の回転モーメント-回転角関係

(0~150×10-3rad)

0

0.5

1

1.5

2

2.5

0 20 40 60 80 100 120 140 160

回転角(×10-3

rad.)

モー

メント(k

N・m

) 95%上限値

50%下限値

95%下限値

(0~10×10-3rad)

0

0.5

1

1.5

2

2.5

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

回転角(×10-3

rad.)

モー

メント(k

N・m

)

4.仕様

各寸法型式の仕様は以下のとおりとする。

寸法型式

柱の

断面(mm)

柱の樹

貫の断面 貫の

樹種 貫の加工

貫穴の

寸法(mm)

楔形状 補助部材 幅(mm)

成(mm)

標準貫-S-120-27×115 120 角 スギ 27 115 スギ なし 30×130 三角型 なし

標準貫-H-120-27×115 120 角 ヒノキ 27 115 スギ なし 30×130 三角型 なし

標準貫-S-150-27×115 150 角 スギ 27 115 スギ なし 30×130 三角型 なし

標準貫-S-120-27×105 120 角 スギ 27 105 スギ なし 30×125 三角型 なし

標準貫-H-120-27×105 120 角 ヒノキ 27 105 スギ なし 30×125 三角型 なし

標準貫-S-150-27×105 150 角 スギ 27 105 スギ なし 30×125 三角型 なし

提案貫-アゴ 120 角 スギ 27 115 スギ アゴ 30×130 三角型 なし

提案貫-アゴ+栓 120 角 スギ 27 115 スギ アゴ 30×130 三角型 込栓φ15mm

提案貫-片蟻 120 角 スギ 27 115 スギ 片蟻掛け 30×130 三角型 なし

提案貫-片蟻+栓 120 角 スギ 27 115 スギ 片蟻掛け 30×130 三角型 込栓φ15mm

提案貫-差込 120 角 スギ 27 115 スギ 差込 75mm 30×130 三角型 なし

提案貫-差込+隙間 120 角 スギ 27 115 スギ 差込 75mm 30×130 三角型 なし

提案貫-栓楔 120 角 スギ 27 115 スギ なし 30×130 栓型 なし

提案貫-栓楔+片蟻 120 角 スギ 27 115 スギ 片蟻掛け 30×130 栓型 なし

※材料は、天然乾燥材を使用、栓はカシ材を使用、楔はスギ材を使用

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(平成 22 年 3 月版)

9

標準貫接合部仕様

柱: 120×120 スギ10 0

15

標準 貫 - S-1 20- 27× 11 5

115

貫: 27×115 スギ

12 0

15 0

27

三角型楔:スギ

10 0

15

115

貫: 27×115 スギ

12 0

15 0

27

三角型楔:スギ

柱: 120× 120 ヒノキ

標準 貫 - H-1 20- 27× 11 5

15

115

貫: 27×115 スギ

15 0

27

三角型楔:スギ

10 0

15 0

柱: 150×150 スギ

標準 貫 - S-1 50- 27× 11 5

12 0

15 0

27

三角型楔:スギ

貫: 27×105 スギ

15

10 0

105

柱: 120× 120 ヒノキ

標準 貫 -H -120 -27× 10 5

12 0

15 0

27

三角型楔:スギ

貫: 27×105 スギ

15

10 0

105

標準 貫 -S -120 -27× 10 5

柱: 120× 120 スギ

15 0

27

三角型楔:スギ

15 0

標準 貫 -S -150 -27× 10 5

15

10 0 柱: 150× 150 スギ

105

貫: 27×105 スギ

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10

提案貫接合部仕様

15

15

柱 :1 2 0× 12 0 ス ギ

貫 : 27× 1 1 5 ス ギ

標 準 貫 - H- 12 0- 2 7× 1 0 5

標 準 貫 - S- 15 0- 2 7× 1 0 5

提 案 貫 -ア ゴ

提 案 貫 -片 蟻 + 栓

提 案 貫 -ア ゴ +栓

提 案 貫 -片 蟻

提 案 貫 -差 込

提 案 貫 -栓 楔

提 案 貫 -栓 楔 + 片 蟻

標 準 貫 -足 固 -1 2 0

標 準 貫 -足 固 -1 8 0

27

100

150

15

三 角 型 楔 : ス ギ

105

120

柱 :1 2 0× 12 0 ヒ ノ キ

15

150

100

27

150

105

柱 :1 5 0× 15 0 ス ギ

貫 :2 7× 10 5 ス ギ

貫 : 27× 1 0 5 ス ギ

柱 : 12 0× 1 20  ス ギ

3030

60

45

120

足 固 : 12 0× 12 0 ス ギ

180

90

90

樫 込 み 栓 18× 1 8

埋 め 木 :ス ギ

柱 : 12 0× 1 20  ス ギ

3030

60

45

120

足 固 : 12 0× 12 0 ス ギ

60

60 120

樫 込 み 栓 18× 1 8

埋 め 木 :ス ギ

小 根 ホ ゾ 幅 30 m m

小 根 ホ ゾ 幅 30 m m

100

15

27

15015

15 15

三 角 型 楔 : ス ギ115

120

100

15

27

150

15

15 15

115

120

柱 :1 2 0× 12 0 ス ギ

貫 : 27× 1 1 5 ス ギ込 み 栓 φ 1 5

三 角 型 楔 : ス ギ

15

27

150

15

115

120

貫 : 27× 1 1 5 ス ギ

三 角 型 楔 : ス ギ

柱 :1 2 0× 12 0 ス ギ

27

150

15

115

120

三 角 型 楔 : ス ギ

柱 :1 2 0× 12 0 ス ギ

貫 : 27× 1 1 5 ス ギ

75柱 :1 2 0× 12 0 ス ギ

貫 :2 7× 11 5 ス ギ

120

三 角 型 楔 : ス ギ

27

150

27

150

80

15

75柱 :1 2 0× 12 0 ス ギ

貫 :2 7× 11 5 ス ギ

120

三 角 型 楔 : ス ギ

27

150

27

150

80

3

15

100

提 案 貫 -差 込 +隙 間

115120

貫 :2 7× 11 5 ス ギ

柱 :1 2 0× 12 0 ス ギ

120

18

45 45栓 型 楔 : ス ギ

15

15

120 45

18

45栓 型 楔 : ス ギ

115

120

貫 :2 7× 11 5 ス ギ

柱 :1 2 0× 12 0 ス ギ15 15

15

込 み 栓 φ 1 5

30

45

57.5

57.5

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11

5.適用範囲

許容耐力および接合部倍率の適用範囲は以下のとおりとする。

貫接合部の適用範囲

適用範囲

部材 樹種 断面寸法(mm) 含水率(%)

柱 スギ E50以上 120×120以上 20以下

貫 スギ E50以上 27×105以上 20以下

楔 スギ 楔形状参照 20以下

乾燥の方法:内部割れが生じないこと。

その他:楔の横幅は貫穴(30mm)以上とし、固く打ち込む。

部材は構造上問題となる欠点がないこと

接合部仕様

形式 貫穴寸法(mm) 貫加工 楔形状

通し貫(三角型楔) 30×(貫成+15) 加工なし 三角型

勾配2/10程度

楔長さ150mm程度

通し貫(栓型楔) 30×(貫成+15) 加工なし 栓型

□30mm×18mm

長さ210mm程度

通し貫(アゴ付) 柱面から15mmまで 30×(貫成+15)

柱面から15mm内側 30×貫成

アゴ(15mm欠込み、15mm大入れ) 三角型

勾配2/10程度

通し貫(アゴ付+栓) 柱面から15mmまで 30×(貫成+15)

柱面から15mm内側 30×貫成

アゴ(15mm欠込み、15mm大入れ)

込み栓φ15mm

三角型

勾配2/10程度

片蟻(三角型楔) 蟻頭成、15mm落とし掛け 片蟻

(蟻首:貫成-15mm、15mm大入れ)

三角型

勾配2/10程度

楔長さ150mm程度

片蟻(三角型楔+栓) 蟻頭成、15mm落とし掛け 片蟻

(蟻首:貫成-15mm、15mm大入れ)

込み栓φ15mm

三角型

勾配2/10程度

楔長さ150mm程度

片蟻(栓型楔) 蟻頭成、

15mm落とし掛け

片蟻

(蟻首:貫成-15mm、15mm大入れ)

栓型

□30mm×18mm

長さ210mm程度

差込み貫 30×(貫成+15)

穴深さ75以上

差込長さ+3以下

加工なし

差込長さ75mm以上

三角型

勾配2/10程度

楔長さ150mm程度

仕込み楔長さ80mm程度

貫接合部試験体仕様(参考)

試験体仕様

部材 樹種 断面寸法(mm) 含水率(%)

柱 スギE50~E90、ヒノキE90~E150 120×120、150×150 13.0~34.0

貫 スギ E50~E130 27×105、27×115 11.5~30.0

楔 スギ 楔形状参照 -

接合部仕様

形式 貫穴寸法(mm) 貫加工 楔形状

通し貫(三角型楔) 30×130 加工なし 三角型

勾配27/150

楔長さ150mm

通し貫(栓型楔) 30×130 加工なし 栓型

□30mm×18mm

長さ210mm

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12

通し貫(アゴ付) 柱面から15mmまで 30×130

柱面から15mm内側 30×115

アゴ(15mm欠込み、15mm大入れ) 三角型

勾配27/150

楔長さ150mm

通し貫(アゴ付+栓) 柱面から15mmまで 30×130

柱面から15mm内側 30×115

アゴ(15mm欠込み、15mm大入れ)

込み栓φ15mm

三角型

勾配27/150

楔長さ150mm

片蟻(三角型楔) 蟻頭成、

15mm落とし掛け

片蟻

(蟻首:貫成-15mm、15mm大入れ)

三角型

勾配27/150

楔長さ150mm

片蟻(三角型楔+栓) 蟻頭成、

15mm落とし掛け

片蟻

(蟻首:貫成-15mm、15mm大入れ)

込み栓φ15mm

三角型

勾配27/150

楔長さ150mm

片蟻(栓型楔) 蟻頭成、

15mm落とし掛け

片蟻

(蟻首:貫成-15mm、15mm大入れ)

栓型

□30mm×18mm

長さ210mm

差込み貫 30×130

穴深さ75mm

穴深さ78mm

加工なし

差込長さ75mm

三角型

勾配27/150

楔長さ150mm

仕込み楔長さ80mm

その他:部材は天然乾燥材とした。

6.許容耐力の検討

(1)概要

耐力要素に「貫-柱接合部」をもつ耐力壁として土塗壁がある。参考文献1*によると、運用倍率算定時の

低減係数は短期基準せん断耐力に対して 0.75 と設定されている。土塗壁の倍率算定において、貫-柱接合部

のモーメント抵抗は主要な抵抗メカニズムとして評価されていないが、微小ながらも耐力要素の一部として

寄与していると考えれば、「貫-柱接合部」の短期基準回転モーメントに乗ずる低減係数の 1 つとして同値を

用いてもよいと考えた。

その他の低減係数として、接合部の耐力特性値評価結果に対する鉛直構面の水平荷重から算出した接合部

1 箇所当たりの耐力特性値を比較した。

「貫-柱接合部」の許容耐力(モーメント)は単に接合部としての許容値を検討するだけでなく、鉛直構

面の耐力要素としての接合部耐力を加算した結果が、鉛直構面の許容耐力と概ね一致する必要があると考え

られる。

(2)短期許容モーメントの設定手順

以下の手順で設定した。

手順1.鉛直構面試験体の水平荷重-せん断変形角(γ)関係包絡線を接合部箇所数で除し、接合部 1 箇所

当たりの平均負担水平荷重を求める。このとき、鉛直構面試験体が2体の場合は、2体の水平荷重

の平均値を用いた包絡線を作成し、求めた。ここで、γは見かけのせん断変形角である。

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(平成 22 年 3 月版)

13

手順2.平均負担水平荷重に鉛直構面試験体の標点高さを乗じ、それを接合部一箇所当たりの「平均回転

モーメント」として、平均回転モーメント-せん断変形角関係包絡線を求める。ここで、「平均回転

モーメント」は図 6-1 のモデルを元に算出している。

図 6-1 試験体のモデル

手順 3.「平均回転モーメント(Mγ)」-せん断変形角(γ)関係包絡線完全弾塑性モデルに置換し、構面の短

期基準せん断耐力の評価方法と同様に、特性値①降伏モーメント(Mγy)、特性値③最大モーメン

トの 2/3 の値(2/3Mγmax)、を求めた。ここで、接合部では必ずしも必要ではないが、参考まで

に、特性値②終局モーメント(Mγu)×(0.2/Ds)、特性値④せん断変形角 1/120rad 時のモーメント

(Mγ(1/120))も求めた(表 6-1)。

表 6-1 水平荷重から求めた接合部 1 箇所当たりの特性値

Ⅰ 水平荷重から求めた接合部1箇所当たりの特性値

試験体

シリーズ名

標準貫-S-120-27×115 0.48 0.23 0.52 0.21 0.17 19.2 0.70

標準貫-H-120-27×115 0.40 0.20 0.51 0.16 0.13 16.0 0.65

標準貫-S-150-27×115 0.53 0.29 0.67 0.25 0.19 24.2 0.87

標準貫-S-120-27×105 0.45 0.23 0.53 0.21 0.17 19.5 0.69

標準貫-H-120-27×105 0.43 0.27 0.53 0.27 0.23 24.7 0.68

標準貫-S-150-27×105 0.51 0.27 0.65 0.21 0.17 22.0 0.85

提案貫-アゴ 0.48 0.29 0.60 0.30 0.25 26.1 0.78

提案貫-アゴ+栓 0.55 0.26 0.66 0.24 0.21 20.8 0.89

提案貫-片蟻 0.37 0.26 0.48 0.27 0.23 24.3 0.62

提案貫-片蟻+栓 0.41 0.21 0.50 0.23 0.19 17.2 0.67

提案貫-差込 0.12 0.15 0.14 0.16 0.14 26.5 0.18

提案貫-差込+隙間 0.21 0.21 0.19 0.22 0.21 33.4 0.25

提案貫-栓楔 0.47 0.31 0.56 0.33 0.27 30.0 0.72

提案貫-栓楔+片蟻 0.38 0.20 0.44 0.18 0.15 16.5 0.59

標準貫-足固-120 0.81 0.50 0.95 0.56 0.46 53.1 1.23

標準貫-足固-180 1.06 0.69 1.37 0.66 0.54 64.1 1.73

Mγ (1/120)

(kN・m/rad) (kN・m)(kN・m) (kN・m) (kN・m) (kN・m)(kN・m)

Mγ y 0.2Mγ u/Ds 2/3Mγ max Mγ (1/150) K Mγ u

⑥ ⑦① ② ③ 参考④

A

B

C

D

1 2 3

Ma3Ma1

Mb1 Mb3

Mc3

Md3

Mc1

Md1

F

E

G

Qab1

Qbc1

Qcd1

Qdf1

Qab3

Qbc3

Qcd3

Qdf3

Qga1 Qga3

内力

P

Q図 (一定 )

Mb1+Mb3

Mc1+Mc3

Md1+Md3

Qga

Qab

Qbc

Qcd

Qdf

外力

外力

外力

外力

P

P

512.5

530

530

530

725

2,827.5

1,820

Ma1+Ma3

P = ΣQ

=(Ma1+Ma3+Mb1+Mb3+Mc1

+Mc3+Md1+Md3)/H(2.875m)

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(平成 22 年 3 月版)

14

手順 4.接合部の「評価用回転モーメント(M)」―接合部の回転角(θ)包絡線より求めた特性値の平均値(表

6-2)と Mγ-γ包絡線から求めた特性値(平均値に相当する)を比較し、その比率を求めた(表 6-3)。

ここで、実験結果から回転各接合部の角(θ)と構面のせん断変形角(γ)は概ね一致していることを

確認しており、接合部の耐力評価結果の単純加算により、構面の耐力と一致すると仮定した。

表 6-2 貫の曲げモーメントから求めた接合部の特性値(平均値)

Ⅱ 曲げモーメントから求めた特性値(平均)

試験体

シリーズ名

標準貫-S-120-27×115 0.43 0.26 0.55 0.23 0.19 25.7 0.68

標準貫-H-120-27×115 0.49 0.23 0.54 0.18 0.15 26.8 0.71

標準貫-S-150-27×115 0.55 0.31 0.69 0.27 0.22 27.0 0.88

標準貫-S-120-27×105 0.44 0.25 0.53 0.23 0.19 22.3 0.69

標準貫-H-120-27×105 0.43 0.31 0.58 0.31 0.28 31.1 0.71

標準貫-S-150-27×105 0.60 0.33 0.77 0.27 0.22 28.7 0.99

提案貫-アゴ 0.53 0.33 0.65 0.33 0.30 31.4 0.81

提案貫-アゴ+栓 0.61 0.29 0.68 0.26 0.23 24.4 0.94

提案貫-片蟻 0.39 0.28 0.51 0.29 0.26 35.9 0.65

提案貫-片蟻+栓 0.36 0.23 0.48 0.25 0.22 21.7 0.64

提案貫-差込 0.14 0.15 0.15 0.16 0.15 32.1 0.19

提案貫-差込+隙間 0.24 0.23 0.20 0.22 0.21 39.4 0.27

提案貫-栓楔 0.46 0.35 0.59 0.38 0.33 36.8 0.75

提案貫-栓楔+片蟻 0.30 0.24 0.49 0.19 0.16 24.0 0.54

標準貫-足固-120 0.90 0.71 1.06 0.84 0.75 101.8 1.24

標準貫-足固-180 1.15 0.74 1.44 0.82 0.70 79.7 1.86

① ② ③ 参考④ ⑥ ⑦

My 0.2Mu/Ds 2/3Mmax M(1/150) K Mu

(kN・m) (kN・m) (kN・m) (kN・m)

M(1/120)

(kN・m) (kN・m/rad) (kN・m)

表 6-3 比較(=Ⅰ/Ⅱ)

Ⅲ Ⅰ/Ⅱ

試験体

シリーズ名

標準貫-S-120-27×115 1.13 0.87 0.95 0.91 0.88 0.75 1.03

標準貫-H-120-27×115 0.83 0.85 0.95 0.93 0.89 0.60 0.92

標準貫-S-150-27×115 0.97 0.93 0.98 0.91 0.85 0.89 0.99

標準貫-S-120-27×105 1.01 0.93 0.99 0.91 0.88 0.87 1.00

標準貫-H-120-27×105 1.00 0.86 0.93 0.86 0.80 0.79 0.96

標準貫-S-150-27×105 0.85 0.80 0.85 0.79 0.77 0.77 0.86

提案貫-アゴ 0.91 0.89 0.94 0.90 0.86 0.83 0.96

提案貫-アゴ+栓 0.90 0.90 0.97 0.92 0.91 0.85 0.96

提案貫-片蟻 0.94 0.93 0.95 0.93 0.90 0.68 0.95

提案貫-片蟻+栓 1.12 0.92 1.03 0.91 0.85 0.79 1.04

提案貫-差込 0.86 1.05 0.90 0.99 0.94 0.83 0.92

提案貫-差込+隙間 0.85 0.89 0.95 1.00 0.96 0.85 0.93

提案貫-栓楔 1.01 0.88 0.94 0.86 0.82 0.81 0.97

提案貫-栓楔+片蟻 1.26 0.83 0.91 0.93 0.91 0.69 1.09

標準貫-足固-120 0.90 0.69 0.90 0.66 0.61 0.52 1.00

標準貫-足固-180 0.92 0.93 0.95 0.80 0.77 0.80 0.93

参考 ⑥ ⑦① ② ③ ④

My 0.2Mu/Ds 2/3Mmax M(1/120) M(1/150) K Mu

(kN・m) (kN・m) (kN・m) (kN・m) (kN・m) (kN・m/rad) (kN・m)

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一般社団法人 木を活かす建築推進協議会

(平成 22 年 3 月版)

15

手順 5.期許容回転モーメントの設定

接合部の寸法・形状・樹種による比較をするために、鉛直構面の水平荷重から求めた接合部1箇所

当たりのMγ-γ骨格曲線を図 6-1~図 6-2 に示す。

図 6-1 は、柱および貫の断面寸法・樹種を比較対象とした標準貫の骨格曲線の一覧である。

骨格曲線からは以下の傾向が挙げられる。

・柱材の樹種は、スギとヒノキを比較した場合、耐力に影響しない。

・貫の成は、105mm と 115mm を比較した場合、耐力に影響しない。

・柱の断面寸法は、120mm 角と 150mm 角を比較した場合、変形角が大きくなるに従い、150mm 角

の負担モーメントが 120mm 角よりも多くなり、1/120rad 変形時には 120mm 角に比して 1.2 倍程度負担

する。

図 6-1 標準貫の骨格曲線一覧(Mγ-γ関係)

図 6-2 は貫の形状を比較対象とした提案貫の骨格曲線の一覧である。標準貫 S-120-27×115 を参

考として一覧に加えた。

骨格曲線からは以下の傾向が挙げられる。

・差込貫を除き標準貫と同様な性状を示す。

・変形角 1/15rad までの骨格曲線から標準貫と同等以上に耐力評価できる貫形状は「アゴ」、「アゴ+

栓」、「片蟻」、「栓楔」である。

・込み栓を打込んだ接合部は込栓無しの接合部と比較して変形角 1/30rad までの変形領域において

負担モーメントが小さい(剛性が小さい)。

・差込み貫は、隙間を有する接合部の方が僅かに負担するモーメントが大きい。

標準貫骨格曲線比較

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

1.2

1.4

1.6

0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14γ (rad)

Mγ (kN・m)

標準貫-S-120-27×115(平均)

標準貫-H-120-27×115(平均)

標準貫-S-150-27×115(平均)

標準貫-S-120-27×105(平均)

標準貫-H-120-27×105(平均)

標準貫-S-150-27×105(平均)

標準貫骨格曲線比較

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

1.2

1.4

1.6

0 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 0.07γ (rad)

Mγ (kN・m)

標準貫-S-120-27×115(平均)

標準貫-H-120-27×115(平均)

標準貫-S-150-27×115(平均)

標準貫-S-120-27×105(平均)

標準貫-H-120-27×105(平均)

標準貫-S-150-27×105(平均)

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(平成 22 年 3 月版)

16

図 6-2 提案貫の骨格曲線一覧(Mγ-γ関係)

「表 6-1 水平荷重から求めた接合部1箇所あたりの特性値」を基本として、ばらつきや乾燥を

考慮して、低減係数を 0.9 とした。その値を基準として、最終的な短期許容モーメントは、荷重変

形曲線を考慮して、工学的な判断でまとめた。(表 6-4)。

表 6-4 短期基準許容モーメント等の算定

寸法型式

(標準貫-柱樹種-柱断

面-貫断面)

My

(kN.m)

2/3Mmax

(kN.m)

min(①、

②)

(kN.m)

短期許容モ

ーメント

(kN.m)

剛性 K

(kN.m/rad.)

回転剛性

(kN.m/rad.)

標準貫-S-120-27×115 0.48 0.52 0.48 0.40 13.45 12.0

標準貫-H-120-27×115 0.40 0.51 0.40 0.40 10.02 10.0

標準貫-S-150-27×115 0.53 0.67 0.53 0.45 17.47 15.0

標準貫-S-120-27×105 0.45 0.53 0.45 0.40 14.17 12.0

標準貫-H-120-27×105 0.43 0.53 0.43 0.40 17.84 16.0

標準貫-S-150-27×105 0.51 0.65 0.51 0.45 15.63 14.0

提案貫-アゴ 0.48 0.60 0.48 0.40 18.54 16.0

提案貫-アゴ+栓 0.55 0.66 0.55 0.45 14.45 13.0

提案貫-片蟻(※) 0.37 0.48 0.37 0.30 16.70 15.0

提案貫-片蟻+栓(※) 0.41 0.50 0.41 0.35 12.31 11.0

提案貫-差込(※) 0.12 0.14 0.12 - 16.89 15.0

提案貫-差込+隙間(※) 0.21 0.19 0.19 0.15 22.04 19.0

提案貫-栓楔 0.47 0.56 0.47 0.40 20.85 18.0

提案貫-栓楔+片蟻(※) 0.38 0.44 0.38 0.30 10.79 9.0

提案貫骨格曲線比較

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

1.2

1.4

1.6

0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14γ (rad)

Mγ (kN・m) 提案貫-アゴ(平均)

提案貫-アゴ+栓

提案貫-片蟻(平均)

提案貫-片蟻+栓

提案貫-差込

提案貫-差込+隙間

提案貫-栓楔

標準貫-S-120-27×115(平均)

提案貫骨格曲線比較

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

1.2

1.4

1.6

0 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 0.07γ (rad)

Mγ (kN・m)

提案貫-アゴ(平均)

提案貫-アゴ+栓

提案貫-片蟻(平均)

提案貫-片蟻+栓

提案貫-差込

提案貫-差込+隙間

提案貫-栓楔

標準貫-S-120-27×115(平均)