準天頂衛星を利用する gnss 実験観測 及び技術指針の検討 - gsi3...

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準天頂衛星を利用する GNSS 実験観測 及び技術指針の検討 報告書 平成 24 3 国土交通省国土地理院 1

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  • 準天頂衛星を利用する GNSS 実験観測 及び技術指針の検討

    報告書

    平成 24 年 3 月

    国土交通省国土地理院

    1

  • 2

    目 次 1.概要 .................................................................................................................................................... 3

    1-1 目的 ................................................................................................................................................ 3 1-2 実験観測 ........................................................................................................................................ 3

    2.GNSS実験観測の実施 ........................................................................................................................ 4

    2-1GNSS比較基線場での検定 ............................................................................................................. 4 2-2 公共測量1級・3 級基準点測量を模した観測 ................................................................................ 5 2-3 上空視界不良地区の観測 .............................................................................................................. 11

    3.データ品質の調査及び評価 .............................................................................................................. 13

    3-1 サイクルスリップ ........................................................................................................................ 13 3-2 欠測 .............................................................................................................................................. 14 3-3RTKPLOTによるプロット図 ....................................................................................................... 15

    4.基線解析による評価 ......................................................................................................................... 16

    4-1GNSS比較基線場(短距離基線) ................................................................................................. 16 4-2GNSS比較基線場(長距離基線) ................................................................................................. 17 4-3 スタティック法 ......................................................................................................................... 17 4-4 キネマティック法...................................................................................................................... 21

    5.上空視界制限(高度角マスク) ....................................................................................................... 24 6.まとめ .............................................................................................................................................. 29

  • 3

    総合技術開発プロジェクト名:

    「高度な国土管理のための複数の衛星測位システム(マルチ GNSS)による

    高精度測位技術の開発」

    業務名:準天頂衛星を利用する GNSS 実験観測及び技術指針の検討 1.概要

    1.1 目的

    国土地理院では、米国の「GPS」をはじめ、日本の準天頂衛星「QZSS」、ロシアの「GLONASS」、EU の「Galileo」等、複数の衛星(GNSS*衛星)測位システムのデータを統合的に利用したマルチ GNSS 高精度測位技術の開発及び標準化を進めている。 本業務では、その一環として、GPS、GLONASS、QZSS の3機種の GNSS 衛星の観測を行い、データ品質等を評価し、併せて観測データを活用して、測量作業において準天頂衛星を GPS 衛星の「補完」として用いる場合の技術的な課題及び技術指針を検討することを目的とする。 1.2 実験観測

    QZSS は、GPS 衛星の補完・補強機能を目的に、わが国が独自に開発を進めている測位衛星である。平成 22 年 9 月 11 日に初号機である「みちびき」が打ち上がり、各種実証実験が行われているが、QZSS が日本上空の天頂付近に滞在するのは8時間程度であるため、24 時間運用には 3機の衛星が必要となる。 今回の実験観測は、「みちびき」が昼間時に天頂附近に在る冬季に実施した。

    (1) 観測作業期間:平成 23 年 12 月 6 日~平成 23 年 12 月 16 日 各観測月日と観測場所は以下の通りである。

    1) GNSS 比較基線場での検定 :平成 23 年 12 月 7 日 2)公共測量1級・3級基準点測量を模した観測 :平成 23 年 12 月 6 日、8 日、9 日、16 日 1級基準点測量を行うための与点の設置観測含む(12 月 6 日) 3)上空視界不良地区 :平成 23 年 12 月 13 日、14 日 (2) 使用した主要測量機器

    1)受信機 : JAVAD DELTA-G3T1 4 台 : LEICA GS10 3 台

    2)アンテナ : JAVAD GrAnt-G3T 4 台 : LEICA AS10 3 台

    3)受信器コントロール用 PC 2 台

    *「GNSS (Global Navigation Satellite System)」とは、GPS、QZSS、GLONASS、Galileo 等を含む衛星測位システムの総称 1 JAVAD DELTA-G3T:JAVAD GNSS 社の QZSS、GLONASS を含む GNSS 衛星の信号受信できる 1 級 GNSS測量機(ただし、国土地理院登録機種の1級 GNSS 測量機として対応できる衛星測位システムは GPS 衛星のみ)

  • 4

    (3) 基線解析・平均計算等に使用したソフトウエア

    1)RINEX 変換ソフトウエア : JAVAD JPS2RIN(V 2.0.39) : RTKLIB2 RTKCONV(V 2.4.1)

    2)基線解析ソフトウエア : RTKLIB RTKPOST(V 2.4.1) : JAVAD JUSTIN(V 1.89.111.1) : LEICA GEO OFFICE(V 8.2.0.0)

    3)GNSS データ品質評価 : RTKLIB RTKPLOT(V 2.4.1) : UNAVCO TEQC3

    4)網平均ソフトウエア : ELLIPSE Neo(V 3.1.0.2) 4 : GPS3DN2(V.4.2.01.005.28)5 (4) 実験観測の位置

    1) GNSS 比較基線場での検定:図 1-1 参照 2) 公共測量 1 級・3級基準点測量を模した観測:図 1-1、1-2 参照 3) 上空視界不良地区:経緯度原点及び一等三角点東京(大正):図 2-7 参照

    同時観測点として:つくば超長基線電波干渉計観測点金属標(経緯度原点原方位標)

    2 RTKLIB:オープンソースの測位演算ソフトウエア(本業務時において、GPS、QZSS、GLONASS の解析ができる唯一のソフトウエア)。http://www.rtklib.com/ 3 UNAVCO TEQC:米国 UNAVCO 社の RINEX データ編集等のソフトウエア 4 ELLIPSE Neo:GPS 公共測量用ソフトウエア 5 GPS3DN2:朝日航洋(株)が開発した網平均計算ソフトウエア

  • 図 1-1 GNSS 比較基線場と公共測量 1 級・3級基準点測量観測実施位置図

    図 1-2 公共測量 1 級・3級基準点測量を模した観測

    5

    2.観測の実施

  • 2.1 GNSS 比較基線場での検定(図 1-1 参照)

    使用する2種類の受信機(1-2(2)参照)のうちDELTA-G3Tが、準天頂衛星を含むGNSS受信機として使用する測量機である。このため、GNSS比較基線場(図 1-1)において「測量機器性能検定要領6」に基づき検定を行った。

    (1) 測量機器性能検定要領による検定 1)第 23 条 GNSS 測量機の外観検定において規定条項について問題は、認められなかった。 2)第 24 条構造及び機能について業務実施の過程で確認し異状は、見当たらなかった。 3)第 26 条総合性能検定は、第 2 項検定方法に定める 2 周波スタティック法及び 1 周波スタ

    ティック法を、国土地理院 GNSS 比較基線場において実施した。 与点観測を除いた他の観測には JAVAD の受信機とアンテナを使用した。全ての基線解析にお

    いて PCV 補正を設定した。PCV 補正には、アンテナ定数を用いた。 (2) 機器と番号割り当て

    観測に先立ち DELTA 受信機、アンテナのシリアル番号により組合せを固定し、通称番号を表 2-1.の通り定めた。以降、受信機番号はこの通称番号を用いる。

    表 2-1 JAVAD 受信機番号の設定 通称番号 受信機番号 アンテナ番号

     No1 00874 01678 No2 00873 01687 No3 00876 01689 No4 00879 01757

    (3) 衛星システムと略称と表記 表 2-2 に衛星測位システムの略称と表記を示す。本文中では、主に略称を用いるが表及びデータファイル名等に略表記を用いている。

    表 2-2 衛星システムの略称と表記

    システム名 略称 略表記Global Positioning System GPS GGlobal Navigation Satellite System GLONASS RQuasi-Zenith Satellite System QZSS J

    衛星測位システム

    (4) GNSS 比較基線場での観測 検定のための観測は、平成 22 年 12 月 7 日に実施した。観測セッションは、表 2-4 のとおり

    である。センション 1207A は、1 周波スタティック法、センション 1207B は、2 周波スタティック法である。

    なお、観測に際しては、GPS、GLONASS 衛星の衛星数及び DOP 図等を考慮した。

    6

    6 測量機器性能検定要領:平成 18 年 2 月 10 日改正版

  • 図 2-1 アンテナ高計測状況 図 2-2 観測時の受信器設置状況 2.2 公共測量 1級・3級基準点測量を模した観測

    公共基準点を新設することを想定して、次の実験観測を行った。 (1) 1級基準点測量を行うための与点の設置(図 1-2、図 2-3、図 2-4 参照)

    (2) 与点(1 級基準点相当)の観測

    1級基準点2点を新設すると想定して、周囲にそのための与点を3点設置する。その与点の

    既知点は、図 2-3 に示す「つくば1」、「石下」、「阿見」の電子基準点3点とした。受信機はLEICA GS1073台を使用し、12 月 6 日に観測を行った。また、観測結果を網平均計算し、成果を算出した。網平均計算の標準偏差を表 2-3 に示す。

    凡 例 ◇ 電子基準点 ◎ 与 点

    図 2-3 与点(1 級基準点)測量平均計画図

    7

    7 LEICA GS10 は、この与点(1 級基準点相当)観測にのみ使用した。

  • 図 2-4 観測中の状況

    表 2-3 網平均結果の標準偏差

    N E U1011 ±6.2 ±6.2 ±10.91004 ±6.2 ±6.2 ±10.91009 ±6.2 ±6.2 ±10.9

    網平均計算結果の標準偏差[mm]観測点番号

    (3) 1級基準点測量及び3級基準点測量 与点3点を既知点として、1 級基準点2点を、また、この 1 級基準点2点を既知点として3

    級基準点2点を設置した。観測したセッションは、表 2-4 に示す。 1)1 級基準点測量 公共測量作業規程 1 級基準点測量の GNSS 測量に準拠し実施した。観測は、12 月 8 日、

    12 月 9 日、12 月 16 日に行った(図 2-5 参照)。12 月 9 日の観測データのダウンロード中に2 台の受信機の RAW データが消滅するアクシデントがあり、代替として 12 月 16 日に再測を行った。

    なお、このデータ消滅について原因は特定出来ていない。

    8

  • 12/16 セッションC

    キネマティック法/16(A、B)/16(F、G)

    1212

    12/8 セッションC

    12/8 セッションA

    12/16 セッションD

    12/8 セッションB

    12/16 セッションE

    公共No.41004

    1級No.2102

    公共No.91009

    院内No.1110113級No.1301

    3級No.2302

    3級基準点測量観測図

    1級No.1101

    注.囲みは上段が点名、下段は基線解析時の番号

    約1.1km

    約1.0km

    図 2-5 公共基準点測量観測図

    図 2-6 観測点の写真(写真左:1 級 No1(101)、写真右:1 級 No2(102))

    2) 3 級基準点測量 3 級基準点測量では、スタティック法のほかキネマティック法でも観測を行った(表 2-4

    参照)。院内 No.11(1011)と1級 No.1(101)をそれぞれ固定局(既知点)として往復観測を実施した。観測時間は、既知点で 2 分間、新点で1分間とした。

    9

  • 図 2-6 キネマティック法の観測風景

    表 2-4 観測した全セッション その1

    開始 終了NO10 No1 0.160 No1_30_1207A 9:19 11:30 2:11NO3 No2 0.160 No2_30_1207B 10:05 11:33 1:28NO2 No3 0.160 No3_30_1207A 10:08 11:35 1:27NO1 No4 0.160 No4_30_1207A 10:03 11:35 1:32NO13 No1 0.160 No1_30_1207B 12:10 15:30 3:20NO3 No2 0.160 No2_30_1207C 11:40 15:57 4:17NO2 No3 0.160 No3_30_1207B 11:38 15:30 3:52NO1 No4 0.160 No4_30_1207B 11:37 15:30 3:531009 No1 1.600 No1_30_1208A 9:20 10:50 1:30102 No2 1.600 No2_30_1208A 9:22 10:50 1:28

    1011 No3 1.700 No3_30_1208A 9:21 10:50 1:29101 No4 1.600 No4_30_1208A 9:25 10:50 1:25

    1004 No1 1.600 No1_30_1208B 11:20 12:35 1:15102 No2 1.600 No2_30_1208C 11:16 12:35 1:19

    1011 No3 1.700 No3_30_1208D 11:15 12:35 1:20101 No4 1.600 No4_30_1208C 11:20 12:35 1:15301 No1 1.600 No1_30_1208C 13:15 14:30 1:15302 No2 1.600 No2_30_1208F 13:16 14:30 1:14

    1011 No3 1.700 No3_30_1208F 13:15 14:30 1:15101 No4 1.600 No4_30_1208E 13:15 14:30 1:15

    1011301,302

    101 No4 1.600 No4_01_1208F 14:50 15:01 0:11302,301

    1011011 No4 1.600 No4_01_1208H 15:16 15:26 0:10

    スタティック

    1周波

    キネマティック

    0:112.000

    No3_01_1208E 15:16 15:26 0:102.000

    No3

    No3

    No3_01_1208B 14:50 15:01

    基線場検定

    1208A

    観測方法

    観測区分

    公共基準点測量

    1208B

    1208C

    1208D

    1208E

    アンテナ高(m)

    1207A1周波

    1207B2周波

    スタティック

    セッション名

    受信機番号

    観測点名又は番号

    ファイル名(RINEX2.12)

    時刻(JST) 観測時間

    10

  • 表 2-4 観測した全セッション その2

    開始 終了501 No1 6.070 No1_30_1213C 10:30 12:40 2:10503 No2 1.600 No2_30_1213A 10:30 12:40 2:10502 No3 1.600 No3_30_1213A 10:30 12:40 2:10501 No1 6.070 No1_30_1213E 13:00 15:10 2:10503 No2 1.600 No2_30_1213C 13:00 15:10 2:10502 No3 1.600 No3_30_1213B 13:00 15:10 2:10501 No1 6.070 No1_30_1214A 9:30 11:40 2:10503 No2 4.480 No2_30_1214A 9:30 11:40 2:10502 No3 4.505 No3_30_1214A 9:30 11:40 2:10501 No1 6.070 No1_30_1214C 12:00 14:10 2:10503 No2 4.480 No2_30_1214B 12:00 14:10 2:10502 No3 4.505 No3_30_1214B 12:00 14:20 2:20301 No1 1.600 No1_30_1216B 10:15 11:45 1:30302 No2 1.600 No2_30_1216A 10:32 11:45 1:13

    1011 No3 1.700 No3_30_1216D 10:17 11:45 1:28101 No4 1.600 No4_30_1216C 10:21 11:45 1:24

    1009 No1 1.600 No1_30_1216C 12:05 13:20 1:15102 No2 1.600 No2_30_1216B 12:10 13:20 1:10

    1011 No3 1.700 No3_30_1216E 12:05 13:20 1:15101 No4 1.600 No4_30_1216D 12:05 13:20 1:15

    1004 No1 1.600 No1_30_1216D 13:40 14:50 1:10102 No2 1.600 No2_30_1216C 13:40 14:50 1:10

    1011 No3 1.700 No3_30_1216F 13:40 14:51 1:11101 No4 1.600 No4_30_1216E 13:40 14:50 1:10

    1011301,302

    101 No4 1.600 No4_01_1216A 9:00 9:13 0:13302,301

    1011011 No4 1.600 No4_01_1216B 9:48 10:01 0:131011

    301,302101 No4 1.600 No4_01_1216F 15:07 15:20 0:13

    302,301101

    1011 No4 1.600 No4_01_1216G 15:35 15:48 0:13

    ファイル名(RINEX2.12)

    時刻(JST) 観測時間

    アンテナ高(m)

    セッション名

    受信機番号

    観測点名又は番号

    観測方法

    観測区分

    1216A

    1216B

    1216F

    1216G

    スタティック

    1周波

    キネマティック

    9:48 10:01 0:132.000

    No3 No3_01_1216A 9:00 9:13 0:132.000

    15:35 15:48 0:132.000

    No3 No3_01_1216G 15:07 15:20 0:132.000

    上空視界不良

    No3 No3_01_1216H

    No3 No3_01_1216C

    1213A

    1213B

    1214A

    1214B

    スタティック

    2周波

    公共基準点測量

    1216C

    1216D

    1216E

    注.後日、再計算する必要が生じる場合を考慮し保存したファイル名を記録しておく

    11

  • 2.3 上空視界不良地区の観測

    高層建築物の谷間、つまり上空視界が不良な観測点で、準天頂衛星を含む GNSS 観測を行いデータ品質の評価を行うため、観測点として、「経緯度原点」とその東隣の一等三角点「東京(大正)」

    及び「つくば超長基線電波干渉計観測点金属標(経緯度原点原方位標)」の 3 点で、12 月 13 日、14 日に観測を実施した(表 2-4 参照)。

    12

    503

    経緯度原点原方位標501

    図 2-7 上空視界不良地区の位置図及び観測図

    12/13 セッション A

    12/13 セッション B

    12/14 セッション A

    12/14 セッション B

    経緯度原点 502

    東京(大正)503

    502 503

    501

  • 13

    12 月 13 日は、通常の地上観測としてアンテナ高を 1.600mに設置。また、翌 14 日は、長脚と2mポールを組合せて、経緯度原点(502)のアンテナ高は 4.505m、一等三角点東京(大正)(503)のアンテナ高は 4.480mとした。 両点とも平成 23年 6月に直営において約 15mのアンテナ高において改測が実施されている(東

    日本大震災に伴う成果改正)。今回のアンテナ高は、準天頂衛星の補完として機能が果たせるかの

    検証として設定したものである。

    の風景(上段左から 501、502、503、下段左から 502、503)日間とも同じだが、502、503 は異なる(下段が 12 月 14 日)

  • 3. データ品質の調査及び評価

    データ品質評価の一つの方法として、RAWデータをRINEX2.12 ファイルに変換(JPS2RIN)し、RTKPLOT8を使用して、各セッションのデータを図解した。

    3.1 サイクルスリップ

    RTKPLOT により作成されたプロット図から、サイクルスリップについて表 3-1 にまとめた。この中で、特に顕著なサイクルスリップは、No3 受信機の 12 月 8 日セッション A(図 3-1、3-2参照)及び受信機 No1 の 12 月 14 日のセッション A、12 月 16 日のセッション D、E である(背景色水色)。これらに共通していることは、サイクルスリップの発生が GPS と QZSS に限定されていることと、特定の時間帯で発生していることである。12 月 8 日では、断続的にサイクルスリップが繰り返されているのに比べ 12 月 14 日では、サイクルスリップが連続して起きている点が異なる。

    表 3-1 サイクルスリップ点検表(表中青文字は、キネマティック観測を表す)

    受信間隔(秒) セッション

    受信機番号

    点番号 現象 発生状況 衛星番号 プロット図

    30 1208A No3 1011 サイクルスリップ 時間限定、断続 GPS,QZSS SKYPLOT、RAW1 1208D No4 -- サイクルスリップ 限定的 G_PRN2 SKYPLOT、RAW1 1208E No4 -- データ欠落 時間限定 QZSS SKYPLOT、SNR、RAW

    30 1213A No3 502 サイクルスリップ 断続的 G_PRN28 SKYPLOT、RAW30 1214A No1 501 サイクルスリップ 時間限定 GPS,QZSS SKYPLOT、SNR、RAW30 1214A No2 503 サイクルスリップ 連続 G_PRN11 SKYPLOT、RAW1 1216B No3 -- サイクルスリップ 時間限定 GPS SKYPLOT、RAW

    30 1216D No1 1009 サイクルスリップ 時間限定 GPS,QZSS SKYPLOT、RAW30 1216E No1 1004 サイクルスリップ 時間限定 GPS,QZSS SKYPLOT、RAW

    図 3-1 12 月 8 日セッション A、1011 観測点(受信機組合せ:No3)の SKYPLOT(左) 右図は、SKYPLOT と観測点上空写真を合成し、GLONASS は青線、QZS は黒線で表示。 なお、SKYPLOT は、1周波解析のため L1 のみを表示している。

    14

    8 RTKPLOT:RTKLIB に付随する観測データや測位解をプロットするためのアプリケーション

  • 図 3-2 12 月 8 日セッション A、1011 観測点(受信機組合せ No3)の RAW/L1

    31 は準天頂衛星

    GLONASS衛星は、R の頭文字

    サイクルスリップは、隣接する観測点では、まったく発生していない場合がほとんどである。 また、受信機の組合せでみた場合、 ・4 台とも発生している。 ・受信機 No4 は、スタティック法ではあまり発生していないが、キネマティック法では発生している。また、衛星高度は低い時間帯であるが特定の GPS に同じようなサイクルスリップが発生している。 こうしたことから、固有の受信機の問題とは断定できない。また、発生箇所も特定出来ない。

    3.2 欠測

    図 3-3 は、GNSS 比較基線場(高岡)における観測点の SKYPLOT である。高岡は、最長 1kmの短距離基線であり、比較基線場であるため上空視界は良好である。

    15

    図中、赤破線のサークルは高度角 0 度と 15 度を表す 図 3-3 1207A セッション(短距離基線)の SKYPLOT、左から NO10、NO2、NO1 観測点

  • 図 3-3 から、NO10 観測点(受信機 No1)で、他の観測点では観測できている GPS_No.20 が受信できていない(緑破線楕円)ことがわかる。このような欠測は、この事象以外にも発生して

    いる。 図 3-4 は、上空視界不良地域 1213A セッション(図 2-7)の SKYPLOT と各観測点の上空視界

    を示しいる。当然のことであるが、建物等による上空視界制限のため SKYPLOT には観測点固有の偏りが見られる。 一方、上空視界が確保できているにもかかわらず受信できない観測点が上段の SKYPLOT 図で

    確認できる。図中の ・赤破線○印は、501、503 で受信でき、502 では受信できていない衛星の軌跡 ・青破線○印は、501、502 で受信でき、503 では受信できていない衛星の軌跡

    を表している。可視状態にありながら受信できていない(欠測)のはいずれも GLONASS 衛星である。 受信機の組合せでは、501 が No1、502 が No3、503 は No2 となっており、受信機 No2、No3

    に欠測が生じたことになる。受信機の不安定さに起因するのか特定出来ていない。

    図 3-4 1213A セッション時の左から 501、502、503 観測点の SKYPLOT(上) 下段は、SKYPLOT と観測点上空写真の合成。(G:GPS 緑線、R:GLONASS 青線、J:QZSS 黒線で表示)

    3.3 RTKPLOT によるプロット図

    16

    全てのプロット図は、個々には示さず、資料編に綴る。

  • 4.基線解析による評価

    基線解析ソフトウエアには、RTKLIB(V2.4.1)のRTKPOSTを使用した。RTKLIBは、RINEXデータのみを対応としているため、基線解析の前にJPS2RINを使用してRINEXデータ変換を行った。その結果、解析計算におけるサイクルスリップの検出がされずFIX解、FLOAT解が断続する傾向が多く見られた9。

    このため、RINEX データ変換プログラムである RTKCONV を用いて RINEX データを再変換した。以降、1 級基準点、3 級基準点、上空視界不良地域にける観測データについても RTKCONV を使用し RINEX データを変換し解析を行った。 また、RTKPOST の出力設定には SINGLE と ALL がある。ALL は、観測エポックごとの解が連続して出力される。連続した出力の解には、FIX 解や FLOAT 解が含まれる。SINGLE は、その解の最後に FIX した解を出力する。このことから出力は、ALL に設定し中間での FIX 状況の把握や FIX 率の計算に用いることにした。採用 FIX 解としては、最後の FIX 解を採用することとした。この設定は、全ての基線解析に共通して用いている。 なお、FIX 率は、FIX 解の数/観測エポック数で算出した。

    4.1 GNSS 比較基線場(短距離基線)

    短距離基線は、約 1km 程度であることから 1 周波(L1)スタティック法として解析を行った。 衛星の組合せでは、G、GR、GJ、GRJ の 4 通りの組合せについて実施した。また、この短距

    離基線では 1 時間あまりの観測を実施しており、解析時間は、1 時間 10 分に統一して行った。

    表 4-1 GNSS 比較基線場(短距離基線)における衛星組合せ別 FIX 率と衛星組合せによる較差

    ⊿x ⊿y ⊿z ⊿n ⊿e ⊿u ⊿s1207A_NO10_NO1 G 139 140 99.3 1,0301207A_NO10_NO1 GR 140 140 100.0 1,030 -0.5 0.3 1.0 0.5 0.1 1.1 0.51207A_NO10_NO1 GJ 140 140 100.0 1,030 2.6 -2.6 -1.9 0.6 0.3 -4.1 0.71207A_NO10_NO1 GRJ 140 140 100.0 1,030 1.5 -1.9 0.1 1.5 0.5 -1.9 1.61207A_NO10_NO2 G 134 140 95.7 1,0001207A_NO10_NO2 GR 140 140 100.0 1,000 0.2 -0.3 -0.5 -0.2 0.1 -0.6 0.21207A_NO10_NO2 GJ 135 140 96.4 1,000 0.6 -0.5 -0.3 0.2 0.0 -0.8 0.21207A_NO10_NO2 GRJ 140 140 100.0 1,000 0.6 -0.7 -0.6 0.1 0.2 -1.1 0.21207A_NO10_NO3 G 140 140 100.0 9601207A_NO10_NO3 GR 140 140 100.0 960 -1.7 0.7 1.8 0.4 0.6 2.5 0.71207A_NO10_NO3 GJ 140 140 100.0 960 1.4 -1.4 -1.2 0.2 0.2 -2.3 0.31207A_NO10_NO3 GRJ 140 140 100.0 960 -0.4 -0.7 1.1 1.0 0.8 0.5 1.3

    [mm]セッション名と基線 FIX数 観測数 FIX率組

    合せ[mm]

    基線長m

    表 4-1 は、GNSS 比較基線場のうちの短距離基線(図 1-1 中の高岡)解析結果で FIX 率と GPSの解を基準とした衛星組合せ較差(⊿x⊿y⊿z、⊿n⊿e⊿u 及び⊿s)を示す。FIX 率については、どの基線も 95%以上(図 4-1)であり、また、⊿n⊿e⊿u では、GPS 衛星による解を基準にした衛星組合せ間の較差は高さ方向(⊿u )も含め 5mm 以下であり、組合せによる較差は小さい。

    17

    9JPS2RIN により変換された RINEX データには、LLI(サイクルスリップ情報)が全く出力されないことが指摘された。RTKPOST では、この LLI からサイクルスリップ情報を得ていることから基線解析には、適さないことが判明した。

  • 4.2 GNSS 比較基線場(長距離基線)

    長距離基線は、約 11km(図 1-1 中の国松と高岡)であることから 2 周波(L1+L2)スタティック法の観測を実施した。解析における衛星の組合せは、短距離基線と同様の 4 通りについて実施した。また、解析時間は 3 時間 10 分に統一した。 表 4-2 に解析結果の FIX 率と GPS の解を基準とした衛星組合せ較差(⊿x⊿y⊿z、⊿n⊿e⊿u

    及び⊿s)を示す。また、図 4-1 は、表 4-1、表 4-2 の FIX 率についてグラフ化したものである。 セッション 1207B の NO13-NO3 基線の FIX 率が非常に低い値となっている。しかし、基線

    長を見てもわかるように、NO13 から、NO1-NO3 間は数 10m の違いであり、基線長の長短による FIX 率の差が出るとは考えられない。NO3 観測点の受信機は、No2 であるが特に大きなサイクルスリップ等は、確認されていない。 また、衛星の組合せで見ると GLONASS を含むと FIX 率が低下する結果となったが、これも

    受信状況によって異なるため、断定はできない。

    表 4-2 GNSS 比較基線場(長距離基線)における衛星組合せ別 FIX 率と衛星組合せによる較差

    ⊿x ⊿y ⊿z ⊿n ⊿e ⊿u ⊿s1207B_NO13_NO1 G 358 380 94.2 11,6601207B_NO13_NO1 GR 203 380 53.4 11,660 2.9 -2.0 -0.4 1.7 -0.3 -3.1 1.81207B_NO13_NO1 GJ 293 380 77.1 11,660 7.3 -10.3 -5.5 2.8 3.2 -13.1 4.21207B_NO13_NO1 GRJ 173 380 45.5 11,660 13.6 -12.8 -6.6 5.7 1.1 -19.0 5.81207B_NO13_NO2 G 244 380 64.2 11,6311207B_NO13_NO2 GR 194 380 51.1 11,631 1.4 -1.2 -1.5 -0.1 0.0 -2.4 0.11207B_NO13_NO2 GJ 235 380 61.8 11,631 4.9 -6.1 -2.8 2.3 1.5 -7.8 2.71207B_NO13_NO2 GRJ 187 380 49.2 11,631 3.7 -5.2 -3.4 0.9 1.6 -7.0 1.81207B_NO13_NO3 G 64 380 16.8 11,5931207B_NO13_NO3 GR 51 380 13.4 11,593 -4.1 0.9 -2.8 -4.5 1.9 1.4 4.91207B_NO13_NO3 GJ 50 380 13.2 11,593 6.0 -6.1 -3.1 2.5 0.8 -8.7 2.61207B_NO13_NO3 GRJ 29 380 7.6 11,593 5.8 -2.2 -5.5 -1.0 -2.0 -8.0 2.3

    セッション名と基線組

    合せFIX数 FIX率観測数 基線長m [mm] [mm]

    図 4-1 GNSS 比較基線場における衛星組合せ別 FIX 率(左:短距離基線、右:長距離基線)

    4.3 スタティック法

    (1) 1級基準点測量及び3級基準点測量の基線解析 基線解析は、4.1 GNSS 比較基線場(短距離基線)と同様に、衛星の組合せでは、G、GR、

    GJ、GRJ の 4 通りの組合せについて、また、各セッションでは 1 時間あまりの観測を実施しており、解析時間は、1 時間 10 分に統一して行った。

    18

  • 表 4-3 は、図 2-5 に示す 1 級基準点測量の 1208A、B セッション、1216D、E セッションの解析結果を表しており、⊿x⊿y⊿z は、GPS のみの結果を基準にセッション内で衛星の組み合わせとの差を求めたものである。また、⊿n⊿e⊿u 及び⊿s は、⊿x⊿y⊿z から求めたものである。 表 4-3(1周波スタティック)1級基準点測量の FIX 率と衛星組合せによる較差 その 1

    ⊿x ⊿y ⊿z ⊿n ⊿e ⊿u ⊿s1208A_1009_1011 G 124 140 88.6 2,0651208A_1009_1011 GR 123 140 87.9 2,065 0.5 1.2 -0.4 -0.6 -1.2 0.1 1.41208A_1009_1011 GJ 124 140 88.6 2,065 -1.5 2.0 1.2 -0.5 -0.6 2.7 0.71208A_1009_1011 GRJ 123 140 87.9 2,065 -0.8 2.7 0.5 -1.0 -1.6 2.2 1.81208A_1009_102 G 132 140 94.3 1,0291208A_1009_102 GR 132 140 94.3 1,029 -0.5 0.1 0.7 0.3 0.2 0.8 0.41208A_1009_102 GJ 134 140 95.7 1,029 -0.7 0.9 0.5 -0.3 -0.2 1.2 0.31208A_1009_102 GRJ 133 140 95.0 1,029 -1.1 1.0 1.1 0.0 -0.1 1.8 0.11208A_1011_101 G 132 140 94.3 5171208A_1011_101 GR 116 140 82.9 517 4.1 -3.8 -4.1 0.0 0.3 -6.9 0.31208A_1011_101 GJ 133 140 95.0 517 0.6 -0.8 -0.3 0.3 0.2 -1.0 0.41208A_1011_101 GRJ 117 140 83.6 517 3.9 -3.5 -4.0 -0.1 0.2 -6.6 0.21208A_101_102 G 140 140 100.0 6891208A_101_102 GR 61 140 43.6 689 -0.4 0.3 0.4 0.0 0.0 0.6 0.01208A_101_102 GJ 140 140 100.0 689 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.01208A_101_102 GRJ 67 140 47.9 689 -0.4 0.1 0.4 0.1 0.2 0.5 0.21208B_1004_1011 G 127 140 90.7 1,0691208B_1004_1011 GR 135 140 96.4 1,069 2.6 -1.3 -0.1 1.6 -0.7 -2.3 1.71208B_1004_1011 GJ 130 140 92.9 1,069 -1.1 0.9 0.9 -0.1 0.0 1.7 0.11208B_1004_1011 GRJ 136 140 97.1 1,069 1.4 -0.2 1.0 1.5 -0.7 -0.4 1.71208B_1004_102 G 127 140 90.7 1,1101208B_1004_102 GR 138 140 98.6 1,110 1.6 -0.8 0.1 1.1 -0.4 -1.3 1.21208B_1004_102 GJ 133 140 95.0 1,110 -2.1 1.7 1.5 -0.4 0.0 3.1 0.41208B_1004_102 GRJ 137 140 97.9 1,110 -0.2 0.8 1.6 0.9 -0.5 1.5 1.01208B_1011_101 G 133 140 95.0 1,2061208B_1011_101 GR 138 140 98.6 1,206 0.2 -0.2 -0.2 0.0 0.0 -0.3 0.01208B_1011_101 GJ 138 140 98.6 1,206 -1.9 1.4 1.2 -0.4 0.1 2.6 0.41208B_1011_101 GRJ 138 140 98.6 1,206 -1.2 1.1 1.0 -0.2 -0.1 1.9 0.21208B_101_102 G 130 140 92.9 6891208B_101_102 GR 138 140 98.6 689 -1.8 0.8 0.4 -0.8 0.5 1.8 1.01208B_101_102 GJ 134 140 95.7 689 0.8 -0.7 -0.6 0.1 0.0 -1.2 0.11208B_101_102 GRJ 138 140 98.6 689 -0.9 0.0 -0.4 -0.7 0.6 0.3 0.9

    基線長m[mm] [mm]

    観測数 FIX率セッション名と基線 組合せ

    FIX数

    図 4-2 基線長による水平方向の較差(GPS スタティック基準)

    19

  • 表 4-3(1周波スタティック)1級基準点測量の FIX 率と衛星組合せによる較差 その 2

    ⊿x ⊿y ⊿z ⊿n ⊿e ⊿u ⊿s1216D_1009_1011 G 37 140 26.4 2,0651216D_1009_1011 GR 36 140 25.7 2,065 -1.8 1.0 0.7 -0.6 0.4 2.0 0.71216D_1009_1011 GJ 38 140 27.1 2,065 1.2 -1.0 -0.9 0.2 0.0 -1.8 0.21216D_1009_1011 GRJ 36 140 25.7 2,065 -0.7 0.1 -0.2 -0.5 0.4 0.4 0.61216D_1009_102 G 35 140 25.0 1,0271216D_1009_102 GR 34 140 24.3 1,027 0.9 -0.9 -0.5 0.3 0.1 -1.3 0.41216D_1009_102 GJ 34 140 24.3 1,027 0.6 -0.5 -0.4 0.1 0.0 -0.9 0.11216D_1009_102 GRJ 34 140 24.3 1,027 1.1 -1.0 -0.6 0.4 0.1 -1.6 0.41216D_1011_101 G 140 140 100.0 5171216D_1011_101 GR 140 140 100.0 517 -2.6 1.6 0.6 -1.3 0.4 2.8 1.41216D_1011_101 GJ 140 140 100.0 517 -2.3 1.9 3.2 0.8 0.0 4.3 0.81216D_1011_101 GRJ 140 140 100.0 517 -3.9 2.8 2.2 -1.0 0.4 5.2 1.11216D_101_102 G 138 140 98.6 6891216D_101_102 GR 138 140 98.6 689 1.3 -0.9 -2.0 -0.7 -0.1 -2.5 0.71216D_101_102 GJ 138 140 98.6 689 0.3 -0.2 -0.3 0.0 0.0 -0.5 0.01216D_101_102 GRJ 138 140 98.6 689 1.1 -0.8 -1.8 -0.7 -0.1 -2.2 0.71216E_1004_1011 G 105 140 75.0 1,0691216E_1004_1011 GR 112 140 80.0 1,069 0.0 0.0 -0.5 -0.4 0.0 -0.3 0.41216E_1004_1011 GJ 111 140 79.3 1,069 -1.1 1.2 0.7 -0.4 -0.2 1.7 0.41216E_1004_1011 GRJ 111 140 79.3 1,069 -0.8 0.8 0.1 -0.6 -0.1 1.0 0.61216E_1004_102 G 101 140 72.1 1,1101216E_1004_102 GR 107 140 76.4 1,110 -0.3 0.8 0.9 0.3 -0.4 1.1 0.51216E_1004_102 GJ 106 140 75.7 1,110 -4.5 4.3 2.9 -1.3 -0.4 6.7 1.41216E_1004_102 GRJ 104 140 74.3 1,110 -3.4 3.6 3.3 -0.2 -0.6 5.9 0.61216E_1011_101 G 131 140 93.6 5171216E_1011_101 GR 139 140 99.3 517 -1.7 2.3 1.3 -0.6 -0.7 3.0 0.91216E_1011_101 GJ 136 140 97.1 517 -3.4 3.8 1.8 -1.5 -0.7 5.1 1.71216E_1011_101 GRJ 138 140 98.6 517 -3.3 3.8 2.4 -1.0 -0.8 5.4 1.31216E_101_102 G 135 140 96.4 6891216E_101_102 GR 136 140 97.1 689 2.0 -2.1 0.5 2.1 0.3 -2.0 2.11216E_101_102 GJ 136 140 97.1 689 -0.7 0.7 0.4 -0.3 -0.1 1.0 0.31216E_101_102 GRJ 136 140 97.1 689 1.3 -1.5 1.0 2.0 0.3 -1.0 2.0

    基線長m[mm] [mm]

    観測数 FIX率セッション名と基線 組合せ

    FIX数

    図 4-3 基線長による高さ方向の較差(GPS スタティック基準)

    20

  • (2)上空視界不良地区(図 2-7、2-8、3-4 参照) 3観測点の解析結果を表 4-4 に示す。 ・2日間4セッション全てにおいて FIX 率が低い。 ・502~503 間は、1周波による解析である。4セッション全てで解を得た。 ・501(つくば)との長距離では、解が得られない場合も多い ・3辺の解が得られたのは 1214B セッションだけであった。

    表 4-4 (2周波スタティック)上空視界不良地区の FIX 率と衛星組合せによる較差

    21

    ⊿x ⊿y ⊿z ⊿n ⊿e ⊿u ⊿s1213A_501_502 G 0 360 0.0 58,5211213A_501_502 GR 1 360 0.3 58,5211213A_501_502 GJ 0 360 0.0 58,5211213A_501_502 GRJ 0 360 0.0 58,5211213A_501_503 G 0 360 0.0 58,5031213A_501_503 GR 0 360 0.0 58,5031213A_501_503 GJ 0 360 0.0 58,5031213A_501_503 GRJ 0 360 0.0 58,5031213A_502_503 G 32 360 8.9 771213A_502_503 GR 20 360 5.6 77 3.0 -2.8 1.4 3.5 0.2 -2.5 3.61213A_502_503 GJ 36 360 10.0 77 -12.1 9.2 6.4 -3.8 0.7 16.0 3.81213A_502_503 GRJ 23 360 6.4 77 -9.4 6.8 7.4 -0.8 0.8 13.7 1.21213B_501_502 G 48 360 13.3 58,5211213B_501_502 GR 0 360 0.0 58,5211213B_501_502 GJ 37 360 10.3 58,521 -0.5 1.1 -0.4 -1.0 -0.5 0.6 1.11213B_501_502 GRJ 0 360 0.0 58,5211213B_501_503 G 28 360 7.8 58,5031213B_501_503 GR 0 360 0.0 58,5031213B_501_503 GJ 28 360 7.8 58,503 7.9 -9.2 -5.6 2.5 2.0 -13.0 3.21213B_501_503 GRJ 0 360 0.0 58,5031213B_502_503 G 94 360 26.1 771213B_502_503 GR 34 360 9.4 77 25.2 -59.3 -7.0 28.2 29.3 -50.5 40.61213B_502_503 GJ 114 360 31.7 77 11.0 -15.6 -5.3 6.6 4.9 -18.0 8.21213B_502_503 GRJ 48 360 13.3 77 23.7 -57.6 -7.4 26.5 29.0 -48.9 39.31214A_501_502 G 7 360 1.9 58,5211214A_501_502 GR 28 360 7.8 58,521 2.5 -0.8 -2.2 -0.3 -1.0 -3.3 1.01214A_501_502 GJ 6 360 1.7 58,521 1.9 -1.2 -1.4 0.2 -0.3 -2.6 0.31214A_501_502 GRJ 0 360 0.0 58,5211214A_501_503 G 4 360 1.1 58,5031214A_501_503 GR 0 360 0.0 58,5031214A_501_503 GJ 9 360 2.5 58,503 5.0 -10.4 -3.0 3.8 4.8 -10.3 6.11214A_501_503 GRJ 0 360 0.0 58,5031214A_502_503 G 65 360 18.1 771214A_502_503 GR 35 360 9.7 77 -39.9 -3.5 13.3 -6.0 28.3 30.7 28.91214A_502_503 GJ 91 360 25.3 77 -21.4 -14.8 5.8 0.6 25.1 9.0 25.11214A_502_503 GRJ 55 360 15.3 77 -33.7 -7.9 10.6 -3.7 27.7 23.0 27.91214B_501_502 G 91 360 25.3 58,5211214B_501_502 GR 29 360 8.1 58,521 6.2 -1.6 -7.0 -2.2 -2.8 -8.8 3.61214B_501_502 GJ 88 360 24.4 58,521 8.7 -7.0 -5.6 2.1 -0.2 -12.3 2.11214B_501_502 GRJ 28 360 7.8 58,521 9.8 -5.2 -9.9 -1.6 -2.3 -14.6 2.81214B_501_503 G 61 360 16.9 58,5031214B_501_503 GR 27 360 7.5 58,503 -0.9 2.2 -4.2 -4.6 -1.1 -0.8 4.81214B_501_503 GJ 58 360 16.1 58,503 0.5 -0.5 -0.7 -0.2 0.1 -1.0 0.21214B_501_503 GRJ 27 360 7.5 58,503 -0.7 1.9 -4.6 -4.8 -1.0 -1.3 4.91214B_502_503 G 70 360 19.4 771214B_502_503 GR 35 360 9.7 77 30.4 -19.4 -22.7 2.7 -4.6 -42.3 5.41214B_502_503 GJ 93 360 25.8 77 4.9 -3.1 -4.7 -0.4 -0.8 -7.4 0.91214B_502_503 GRJ 38 360 10.6 77 29.5 -18.7 -22.2 2.5 -4.6 -41.1 5.2

    基線長m[mm] [mm]

    観測数 FIX率セッション名と基線 組合せ

    FIX数

  • 4.4 キネマティック法

    (1) 基線解析 3級基準点網については、スタティック法の他にキネマティック法(図 2-6)を 12 月 8 日及

    び 16 日に実施(表 2-4)した。両日とも、1 級基準点 1011(院内 No11)、101 を既知点とする往復観測を実施した。 基線解析ソフトウエアは、RTKLIB(V2.4.1)の RTKPOST を使用した。2 周波(L1+L2)

    キネマティック法として図 4-2 に示す設定及びオプション設定を下記のとおりで基線解析を行った。また、衛星の組合せでは、G、GR、GJ、GRJ の 4 通りの組合せについて実施した。

    Setting2 →デフォルト Output →XYZ Statistics →デフォルト Positions → アンテナ:JAV_GRANT_G3T Base Station:成果の XYZ Delta-E/N/U:アンテナ高

    図 4-4 RTKPOST オプション設定

    表 4-4 及び図 4-3 にスタティック法を基準としたキネマティック法との較差を示す。1011(院内 No11)は、与点成果との比較である。セッションによって例えば、1216B セッションでは、G 及び GJ では受信できるが、R が加わると解が得られない。また、同じ日の 1216F セッションは、解は得られても FLOAT 解になるなど、受信が不安定であることを示している。 ただし、解が得られた場合は、固定局との距離(基線長)や衛星の組合せによる較差は小さ

    く、公共測量作業規程「準則」の許容範囲を満たしている。

    22

  • 表 4-5 キネマティック法によるセッション及び衛星の組合せごとの較差

    固定局 移動局 ⊿n ⊿e ⊿u ⊿s1011 517 -1.0 -1.9 31.7 2.1 1301 358 -3.0 -3.3 9.1 4.5 1302 217 -6.9 -7.9 13.6 10.5 1

    1011 517 -0.6 -2.6 23.7 2.7 1301 358 -3.9 -4.3 7.9 5.8 1302 217 -4.4 -7.0 12.3 8.3 1

    1011 517 0.5 -1.6 28.6 1.7 1301 358 -1.8 -3.3 4.3 3.8 1302 217 -5.2 -7.7 9.0 9.3 1

    1011 517 0.1 -2.3 22.9 2.3 1301 358 -3.2 -4.0 5.0 5.1 1302 217 -3.4 -6.6 9.6 7.4 1101 517 -1.0 -1.4 -27.8 1.7 1302 302 -5.6 -2.9 -20.5 6.3 1301 160 -4.3 3.6 -13.6 5.6 1101 517 -1.1 -1.3 -25.5 1.7 1302 302 -3.8 -3.1 -18.3 4.9 1301 160 55.0 -55.6 104.6 78.2 2101 517 -1.0 -1.4 -27.8 1.7 1302 302 -5.7 -3.0 -22.0 6.4 1301 160 -4.3 3.2 -16.7 5.4 1101 517 -1.1 -1.3 -26.4 1.7 1302 302 -3.9 -3.1 -20.1 5.0 1301 160 54.9 -55.6 102.5 78.1 2101 517 -1.4 -2.1 -18.4 2.5 1302 302 -9.4 1.6 -29.4 9.5 1301 160 -3.0 -5.9 -12.9 6.6 1101 517 *302 302 *301 160 *101 517 -5.5 -3.5 -14.1 6.5 1302 302 -12.1 0.4 -23.5 12.1 1301 160 -4.4 -7.2 -7.3 8.4 1101 517 *302 302 *301 160 *

    1011 517 98.8 -296.0 -102.5 312.1 2301 358 315.8 -235.9 353.4 394.2 2302 217 13.2 0.4 16.0 13.2 1

    1011 517 187.4 -274.7 -138.2 332.5 2301 358 266.5 -174.1 282.8 318.3 2302 217 232.6 -118.5 323.5 261.0 2

    1011 517 108.0 -304.7 -106.8 323.3 2301 358 324.4 -244.6 345.4 406.3 2302 217 14.3 0.5 16.9 14.3 1

    1011 517 186.7 -274.7 -135.8 332.1 2301 358 265.9 -174.0 282.4 317.8 2302 217 231.8 -118.5 323.7 260.3 2101 517 2.7 3.0 -17.0 4.0 1302 302 -4.3 10.5 -7.0 11.3 1301 160 -379.0 574.0 828.9 687.8 2101 517 2.2 2.1 -20.4 3.0 1302 302 -3.7 10.5 -11.7 11.1 1301 160 -317.7 405.8 533.1 515.4 2101 517 -0.3 3.0 -21.1 3.0 1302 302 -6.3 10.5 -10.1 12.2 1301 160 -379.6 573.9 825.3 688.1 2101 517 2.2 2.1 -23.4 3.0 1302 302 -3.7 10.5 -13.9 11.1 1301 160 -317.6 406.0 530.3 515.5 2

    1208D

    セッション名

    衛星組合せ

    観測点番号

    G 1011

    G 101

    GJ 101

    GR 101

    GRJ 101

    1208E

    GR

    GR 1011

    GJ 1011

    1216B

    1216F

    1216G

    解基線長 [m]

    1011

    G 1011

    GRJ 1011

    較  差 [mm]

    GJ 1011

    G 1011

    GRJ 1011

    GRJ 1011

    G 101

    GJ 101

    GR 101

    GRJ 101

    GJ 1011

    GR 1011

    注.表中、解の欄 1:FIX 解 2:FLOAT 解 *:解析できず

    23

  • a.1208D セッション(水平) b.1208D セッション(上下)

    c.1208E セッション(水平) d.1208E セッション(上下)

    f.1216G セッション(上下)

    24

    図 4-5 キネマティック法による各セッションの衛星組合せの較差(スタティック法基準) e.1216G セッション(水平)

  • 25

    5.上空視界制限(高度角マスク)

    RTKPOST の機能の衛星高度角マスクを使用し、上空視界を制限した形で基線解析を行った。対象基線は、地形や構造物、植生などで上空視界の影響の少ない良好な観測点とし、1 級基準点測量時の 1 級 No.1(101)と 1 級 No.2(102)及び 3 級基準点測量時の 1 級 No.1(101)と 3 級No.2(302)の 2 辺とした。

    また、データ品質調査と評価の項でサイクルスリップが多発した測点も同様に不適当と判断し

    た。高度角は、45°から 60°までを 5°刻みで行った。 使用した 1 級基準点のデータは、 ・12 月 8 日セッション A、 ・12 月 16 日セッション E 3 級基準点は、 ・12 月 8 日セッション C ・12 月 16 日セッション C

    である。基線解析ソフトウエアは、RTKLIB(V2.4.1)の RTKPOST を使用した。 両基線とも 1km 程度以内の短距離基線であるため、1 周波(L1)スタティック法として 1 級基

    準点と同じ設定及びオプション設定で基線解析を行った。 また、衛星の組合せでは、 ・G、GR、GJ、GRJ の 4 通りの組合せについて実施した。 観測データは 1 時間以上あるため、解析時間を 1 時間 10 分(140 エポック)に統一して行った。 基線解析結果を表 5-1~5-4、図 5-1~5-4 に示す。 表中の ・FIX 率は、FIX 数/観測数から求めた。 ・ns は、FIX 解が採用された際の時刻の合計衛星数である。

    ・⊿n⊿e⊿u 及び⊿s は、1・3級基準点測量網平均計算結果の⊿x⊿y⊿z 平均値を基準とした差から求めた。

  • 表 5-1 高度角マスクを用いた基線 101-102 間の FIX 率と衛星の組合せ(1208 セッション A)

    マスク ns G R J ⊿n ⊿e ⊿u ⊿s15° G 140 140 100.0 7 7 0.9 -0.4 -31.1 1.045° G 71 140 50.7 5 5 1.1 -0.7 -36.1 1.350° G 49 140 35.0 4 4 1.2 0.2 -35.1 1.255° G 0 140 0.060° G 0 140 0.015° GR 61 140 43.6 12 7 5 0.9 -0.3 -30.5 0.945° GR 81 140 57.9 7 5 2 1.0 -0.8 -35.5 1.350° GR 49 140 35.0 6 4 2 0.0 -2.1 -33.5 2.155° GR 0 140 0.060° GR 0 140 0.015° GJ 140 140 100.0 8 7 1 0.9 -0.4 -31.1 1.045° GJ 80 140 57.1 6 5 1 0.8 -0.9 -34.1 1.250° GJ 54 140 38.6 5 4 1 -0.3 -1.5 -33.8 1.555° GJ 0 140 0.060° GJ 0 140 0.015° GRJ 67 140 47.9 13 7 5 1 1.0 -0.2 -30.6 1.045° GRJ 107 140 76.4 8 5 2 1 0.8 -0.8 -34.1 1.150° GRJ 62 140 44.3 7 4 2 1 0.1 -2.0 -33.9 2.055° GRJ 0 140 0.060° GRJ 0 140 0.0

    [mm]衛星数観測数 FIX率組

    合せFIX数

    20 

    40 

    60 

    80 

    100 

    15° 45° 50° 55° 60°

    G

    GR

    GJ

    GRJ

    FIX率

    「高度角マスク」及び「衛星組合せ」別FIX率の状況(12/8 9:20‐10:50頃の観測) 観測点:101、102

    注.受信機とアンテナの組合せは、101:No.4、102:No.2 である。

    図 5-1 1208 セッション A の SKYPLOT と上空視界写真(写真撮影は観測日と異なる) 左図に観測点 101、右側に観測点 102 を示す。観測時における衛星の軌跡(緑線:GPS、青

    線:GLONASS、黒線:QZS)。赤破線は、高度角マスクを表す(外側から 15°、45°、60°)。

    本来、高度角が大きくなるにつれて、可視衛星数が少なくなるので、これに伴って FIX 率も小

    さくなるはずである(棒グラフが全体的に、また個々の組合せも右下がり)。しかし、表及びグラ

    フから GLONASS 衛星を解析に加えるとこのことが逆になる結果となった。何故このように FIX率が逆転するのか原因不明である。

    26

  • 表 5-2 高度角マスクを用いた基線 101-102 間の FIX 率と衛星の組合せ(1216 セッション E)

    ns G R J ⊿n ⊿e ⊿u ⊿s15° G 135 140 96.4 7 7 -10.0 -3.6 -33.6 10.645° G 17 140 12.1 4 4 4.9 -1.2 -21.5 5.050° G 0 140 0.055° G 0 140 0.060° G 0 140 0.015° GR 136 140 97.1 12 7 5 -7.9 -3.3 -35.6 8.645° GR 121 140 86.4 5 3 2 -2.7 1.0 -32.3 2.950° GR 101 140 72.1 5 3 2 -2.0 -0.3 -24.4 2.055° GR 30 140 21.4 5 3 2 -1.7 0.9 -3.7 1.960° GR 0 140 0.015° GJ 136 140 97.1 8 7 1 -10.2 -3.7 -32.5 10.945° GJ 136 140 97.1 4 3 1 -9.0 -2.4 -25.7 9.350° GJ 112 140 80.0 4 3 1 -5.9 -3.6 -10.8 6.955° GJ 3 140 2.1 4 3 1 -7.6 -8.1 -28.3 11.160° GJ 0 140 0.015° GRJ 136 140 97.1 13 7 5 1 -8.0 -3.3 -34.6 8.745° GRJ 137 140 97.9 6 3 2 1 -4.8 -1.0 -24.9 4.950° GRJ 117 140 83.6 6 3 2 1 -3.2 -2.1 -11.2 3.855° GRJ 50 140 35.7 6 3 2 1 -2.3 -0.7 3.4 2.460° GRJ 16 140 11.4 5 2 2 1 -7.1 5.1 -19.4 8.7

    組合せ

    FIX数 観測数 FIX率 衛星数 [mm]

    20 

    40 

    60 

    80 

    100 

    15° 45° 50° 55° 60°

    G

    GR

    GJ

    GRJ

    「高度角マスク」及び「衛星組合せ」別FIX率の状況(12/16 13:40‐14:50の観測) 観測点:101、102FIX率

    高度角マスク

    受信機とアンテナの組合せは、101:No.4、102:No.2 である。

    左図に観測点 101、右側に観測点 102 を示す。観測時における衛星の軌跡(緑線:GPS、青線:GLONASS、黒線:QZS)。赤破線は、高度角マスクを表す(外側から 15°、45°、60°)。

    図 5-2 1216 セッション E の SKYPLOT

    両観測点の SKYPLOT から高度角マスク 60°以上に GPS 衛星2機、GLONASS 衛星2機、

    QZS1機の合計5衛星がほぼ1時間程度可視状態に飛来している。しかし、GPS、GLONASS それぞれ2機では FIX できず、QZS を追加する(合計衛星数 ns=5)ことで解析できることがグラフから見て取れる。 また、GJ の組合せでは、GPS3機、QZS1機の合計4機で FIX 解を得ている。このときの較差⊿n⊿e⊿u 及び⊿s は、特段に大きな数値となっていない。

    27

  • 表 5-3 高度角マスクを用いた基線 101-302 間の FIX 率と衛星の組合せ(1208 セッション C)

    ns G R J ⊿n ⊿e ⊿u ⊿s15° G 135 140 96.4 7 7 1.1 -0.4 8.0 1.245° G 17 140 12.1 4 4 0.0 -1.8 2.9 1.850° G 0 140 0.055° G 0 140 0.060° G 0 140 0.015° GR 136 140 97.1 12 7 5 0.8 -0.2 7.8 0.845° GR 127 140 90.7 6 3 3 -0.2 -1.3 7.3 1.350° GR 112 140 80.0 6 3 3 -0.4 -1.1 9.6 1.255° GR 82 140 58.6 5 2 3 -0.4 -0.2 3.8 0.460° GR 0 140 0.015° GJ 136 140 97.1 8 7 1 1.3 -0.4 7.8 1.445° GJ 119 140 85.0 4 3 1 0.9 -2.0 6.8 2.250° GJ 104 140 74.3 4 3 1 0.6 -2.7 7.5 2.855° GJ 43 140 30.7 4 3 1 0.5 -3.4 10.9 3.460° GJ 0 140 0.015° GRJ 136 140 97.1 13 7 5 1 0.8 -0.2 7.8 0.845° GRJ 139 140 99.3 7 3 3 1 -0.2 -1.4 7.9 1.450° GRJ 131 140 93.6 7 3 3 1 -0.6 -1.5 8.7 1.655° GRJ 100 140 71.4 6 2 3 1 0.0 0.2 1.5 0.260° GRJ 39 140 27.9 6 2 3 1 0.7 0.9 -2.6 1.1

    組合せ

    FIX数 観測数 FIX率 衛星数[mm]

    20 

    40 

    60 

    80 

    100 

    15° 45° 50° 55° 60°

    G

    GR

    GJ

    GRJ

    「高度角マスク」及び「衛星組合せ」別FIX率の状況(12/8 13:15‐14:30の観測) 観測点:101、302FIX率

    高度角マスク

    注.受信機とアンテナの組合せは、101:No.4、302:No.2 である。

    28

    図 5-3 1208 セッション C の SKYPLOT と上空視界写真(写真撮影は観測日と異なる) 左に観測点 101、右側に観測点 302 を示す。観測時における衛星の軌跡(緑線:GPS、青線:GLONASS は、高度角マスクを表す(外側から 15°、45°、60°)。 )。赤破線

    このセッションでも QZSS を加えることで、FIX 率が向上することがわかる。

    図 5-4 GPS補完機能(http://qzss.jaxa.jp/03.html)

    http://qzss.jaxa.jp/03.html

  • 表 5-4 高度角マスクを用いた基線 101-302 間の FIX 率と衛星の組合せ(1216 セッション C)

    ns G R J ⊿n ⊿e ⊿u ⊿s15° G 136 140 97.1 10 10 0.5 -1.8 6.9 1.945° G 0 140 0.050° G 0 140 0.055° G 0 140 0.060° G 0 140 0.015° GR 140 140 100.0 14 10 4 -0.3 -1.6 7.6 1.645° GR 69 140 49.3 6 2 4 -1.2 -1.5 9.7 1.950° GR 2 140 1.4 5 2 3 -1.0 0.1 21.8 1.055° GR 0 140 0.060° GR 0 140 0.015° GJ 139 140 99.3 11 10 1 0.4 -1.9 6.8 1.945° GJ 106 140 75.7 4 3 1 -1.6 -1.4 7.5 2.150° GJ 4 140 2.9 4 3 1 -1.7 -2.0 5.0 2.655° GJ 0 140 0.060° GJ 0 140 0.015° GRJ 140 140 100.0 15 10 4 1 -0.4 -1.6 7.4 1.645° GRJ 137 140 97.9 7 2 4 1 -1.3 -0.9 6.1 1.650° GRJ 129 140 92.1 6 2 3 1 -1.5 -1.3 2.6 2.055° GRJ 60 140 42.9 5 2 2 1 -0.6 -0.7 3.8 0.960° GRJ 0 140 0.0

    [mm]組合せ

    FIX数 観測数 FIX率 衛星数

    20 

    40 

    60 

    80 

    100 

    15° 45° 50° 55° 60°

    G

    GR

    GJ

    GRJ

    「高度角マスク」及び「衛星組合せ」別FIX率の状況(12/16 10:20‐11:45ころの観測) 観測点:101、302FIX率

    高度角マスク

    注.受信機とアンテナの組合せは、101:No.4、302:No.2 である。

    29

    図 5-5 1216 セッション C の SKYPLOT 左に観測点 101、右側に観測点 302 を示す。観測時における衛星の軌跡(緑線:GPS、青線:GLONASS は、高度角マスクを表す(外側から 15°、45°、60°)。 )。赤破線

    1216EセッションのSKYPLOTからは、高度角 60°以上でGPS、GLONASSが各2衛星可視状態でもQZSが加わらないと(合計5衛星以上にならないと)FIX解が得られない。同様のことは、1208C、1216Cセッションでも言える。また、このことは現行の「準則」37 条(観測の実施)にも記載されている。

    1208A セッションを除く3セッションでは、GPS3機、QZS1機の合計4機で FIX 解を得ており、QZS が GPS 補完の役割をしていることが実証されている。 今後は、実際に即した実験も含めデータの取得解析を行うべきである。

  • 6.まとめ 本業務では、準天頂衛星を含む GNSS 衛星の観測を行い、データ品質等を評価し、測量作業において準天頂衛星により GPS 補完を行う場合の技術的な課題及び技術指針を検討することを目的として実施したものである。 観測データの条件としては、サイクルスリップの多発など決して良好な内容ではないにも関わ

    らず、特定の条件下、たとえば、急峻な山地部の谷間で観測を想定し衛星数を制限した実験解析

    では、準天頂衛星がない場合と比較し解が得られる確率が向上する可能性も確認できた。また、

    精度的に GPS と同じ扱いができることの可能性が示された。 このことで公共測量における GPS の補完機としての有効性の目処を得たと言える。今後具体的な実証実験での有効性等も含めデータを蓄積し複数の解析ソフトを使用するなど段階的な判断を

    必要とする。 現状では、運用中の準天頂衛星が1機であるため、観測に利用できる時間帯に制約があり、い

    つでも観測できる状況にない。また、準天頂衛星に対応する受信機・解析ソフト等もメーカー側

    に積極的な参加を期待するところであり、市販ソフトの存在なしには「準則」への適用もない。

    図 6-1 各衛星の民生信号と互換性 同様に、現在電子基準点の受信機・アンテナが測位衛星の近代化に呼応して GNSS 化に更新さ

    れつつあり、電子基準点を既知点とした基準点測量等が GLONASS 衛星の使用も含めてこれまでと同様に観測できるには、解析用の汎用ソフトが一般に利用されることが「準則」改訂の前提と

    なる。今後これらを考慮した試験観測等にも取り組む必要がある。

    30

    1.概要1.1 目的2.1 GNSS 比較基線場での検定(図1-1参照)