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科目名 サブタイトル 担当教員 配置学年期 特別教養講座A 広く、深く学ぶ 高橋 真悟 1 年次前期 本講義は、交通・流通・情報・観光等の専門分野から様々な切り口で講義が行われることによ り、一つの分野の奥深さを学ぶとともに、多様な分野の知識を幅広く身につけることを目的とし て講義を行います。 一つの分野の奥深さを知ること、そして大学生として知っておくべき教養や社会人としての常識 を幅広く身につけることが、この講義の到達目標です。 本講義は他の講義と異なり、外部から講師の先生をお招きして、毎回違ったテーマで講義が行わ れます。講師の先生方は、大学の先生を始めとして、企業で実際に活躍されている先生もいるこ とから、その業界を目指す人にとっては、現場の「生の声」を聴く貴重な経験となるはずです。 また、各界で活躍している卒業生の方の講義もあり、特別教養講座は、「広く、深く」学ぶことが 出来る講座といえます。 第1講 「特別教養講座カリキュラム」および各講義の要綱を参照してください。 第2講 第3講 第4講 第5講 第6講 第7講 第8講 第9講 第 10 講 第 11 講 第 12 講 第 13 講 第 14 講 第 15 講 原則として講義形式で授業が進められ、最後に質問を受け付けます。それぞれが独立した講義な ので、質問のある場合は、必ずそれぞれの講義内でしてください。 事前学習として、次回の講師がどのような人なのかを学生要覧等で確認してください。また、事 後学習として、配布された資料などを見直し、重要な点などを書き残しておく必要があります。 本試験(レポート)70%、平常点(授業内課題)30%を総合して評価します。 レポートの詳細に ついては、学期後半に学内掲示板で連絡します。 毎回、各講師が用意した資料を配布します。 特になし。 この講義は公開講座ですので、学外からの聴講生もいます。他の授業同様、私語・飲食厳禁は当 然ですが、さらにそうした聴講生の迷惑にならないように、そして講師の先生に失礼のないよう に、授業態度には十分気をつけて下さい。 公開講座/基礎科目

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Page 1: 公開講座/基礎科目toko.hosho.ac.jp/pdf/12_06_06.pdf科目名 サブタイトル 担当教員 配置学年期 特別教養講座A 広く、深く学ぶ 高橋 真悟 1年次前期

科目名 サブタイトル 担当教員 配置学年期

特別教養講座A 広く、深く学ぶ 高橋 真悟 1 年次前期

講義の

目的

本講義は、交通・流通・情報・観光等の専門分野から様々な切り口で講義が行われることによ

り、一つの分野の奥深さを学ぶとともに、多様な分野の知識を幅広く身につけることを目的とし

て講義を行います。

到達目標

一つの分野の奥深さを知ること、そして大学生として知っておくべき教養や社会人としての常識

を幅広く身につけることが、この講義の到達目標です。

講義内容

本講義は他の講義と異なり、外部から講師の先生をお招きして、毎回違ったテーマで講義が行わ

れます。講師の先生方は、大学の先生を始めとして、企業で実際に活躍されている先生もいるこ

とから、その業界を目指す人にとっては、現場の「生の声」を聴く貴重な経験となるはずです。

また、各界で活躍している卒業生の方の講義もあり、特別教養講座は、「広く、深く」学ぶことが

出来る講座といえます。

講義スケジュール

第1講 「特別教養講座カリキュラム」および各講義の要綱を参照してください。

第2講

第3講

第4講

第5講

第6講

第7講

第8講

第9講

第 10 講

第 11 講

第 12 講

第 13 講

第 14 講

第 15 講

指導

方法

原則として講義形式で授業が進められ、最後に質問を受け付けます。それぞれが独立した講義な

ので、質問のある場合は、必ずそれぞれの講義内でしてください。

授業外

学習

事前学習として、次回の講師がどのような人なのかを学生要覧等で確認してください。また、事

後学習として、配布された資料などを見直し、重要な点などを書き残しておく必要があります。

成績評価

方法

本試験(レポート)70%、平常点(授業内課題)30%を総合して評価します。 レポートの詳細に

ついては、学期後半に学内掲示板で連絡します。

テキ

スト

毎回、各講師が用意した資料を配布します。

参考

書籍

特になし。

特記

事項

この講義は公開講座ですので、学外からの聴講生もいます。他の授業同様、私語・飲食厳禁は当

然ですが、さらにそうした聴講生の迷惑にならないように、そして講師の先生に失礼のないよう

に、授業態度には十分気をつけて下さい。

公開講座/基礎科目

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科目名 サブタイトル 担当教員 配置学年期

特別教養講座B 広く、深く学ぶ 高橋 真悟 1 年次後期

講義の

目的

本講義は、交通・流通・情報・観光等の専門分野から様々な切り口で講義が行われることによ

り、一つの分野の奥深さを学ぶと共に、多様な分野の知識を幅広く身につけることを目的として

講義を行います。

到達目標

一つの分野の奥深さを知ること、そして大学生として知っておくべき教養や社会人としての常識

を幅広く身につけることが、この講義の到達目標です。

講義内容

本講義は他の講義と異なり、外部から講師の先生をお招きして、毎回違ったテーマで講義が行わ

れます。講師の先生方は、大学の先生を始めとして、企業で実際に活躍されている先生もいるこ

とから、その業界を目指す人にとっては、現場の「生の声」を聴く貴重な経験となるはずです。

また、各界で活躍している卒業生の方の講義もあり、特別教養講座は、「広く、深く」学ぶことが

出来る講座といえます。なお、各講義は独立しているので、特別教養講座 Aを受講していなくも

問題ありません。

講義スケジュール

第1講 「特別教養講座カリキュラム」および各講義の要綱を参照してください。

第2講

第3講

第4講

第5講

第6講

第7講

第8講

第9講

第 10 講

第 11 講

第 12 講

第 13 講

第 14 講

第 15 講

指導

方法

原則として講義形式で授業が進められ、最後に質問を受け付けます。それぞれが独立した講義な

ので、質問のある場合は、必ずそれぞれの講義内でしてください。

授業外

学習

事前学習として、次回の講師がどのような人なのかを学生要覧等で確認してください。また、事

後学習として、配布された資料などを見直し、重要な点などを書き残しておく必要があります。

成績評価

方法

本試験(レポート)70%、平常点(授業内課題)30%を総合して評価します。 レポートの詳細に

ついては、学期後半に学内掲示板で連絡します。

テキ

スト

毎回、各講師が用意した資料を配布します。

参考

書籍

特になし。

特記

事項

この講義は公開講座ですので、学外からの聴講生もいます。他の授業同様、私語・飲食厳禁は当

然ですが、さらにそうした聴講生の迷惑にならないように、そして講師の先生に失礼のないよう

に、授業態度には十分気をつけて下さい。

Page 3: 公開講座/基礎科目toko.hosho.ac.jp/pdf/12_06_06.pdf科目名 サブタイトル 担当教員 配置学年期 特別教養講座A 広く、深く学ぶ 高橋 真悟 1年次前期

開講日 テーマ 講義要綱

2019年4月13日 大 坂 直 樹 株式会社 東洋経済新報社 記者 鉄道を通じて経済、社会を学ぶ 168

2019年4月20日 平 田 一 彦株式会社 東武カードビジネス常勤監査役

社会経済環境の変化と都市鉄道経営 168

2019年4月27日 荻 原 俊 夫 元東京急行電鉄株式会社 鉄道員としての毎日 168

2019年5月11日 石 村 誠 人ちよだ政策総合研究所代表(駅デザインとパブリックアート研究会代表)

これからの駅舎建築とパブリックアート管理の在り方等を通じて学ぶべきこと(生きること、働くことの意味は何か)

169

2019年5月18日 新 野 誠 一NHK 編成局 展開戦略推進部チーフプロデューサー

日英国際共同制作番組から考える鉄道の安全 170

2019年5月25日 野 尻 俊 明学校法人日通学園 流通経済大学学長

貨物自動車運送事業規制の変遷 170

2019年6月1日 井 上  治 拓殖大学政経学部長・教授 インドネシアの鉄道事情 170

2019年6月8日 亀 山 直 人日本貨物鉄道株式会社関東支社総務部部長

鉄道貨物輸送の現状 170

2019年6月15日 齋 藤 順 治株式会社 JR東日本ステーションサービス 相談役

JR東日本グループの発足から将来について 171

2019年6月22日 石 上 七 鞘松蔭大学 コミュニケーション文化学部長 教育開発センター長 古代の交通と信仰 171

2019年6月29日 鹿 住 良 人 株式会社 かすみ交通 代表取締役タクシー新時代―未来社会が求めるタクシーサービスとは―

172

2019年7月6日 前 田  忍公益財団法人 浜松・浜名湖ツーリズムビューロー理事・事業本部長

鉄道事業と地域の活性化 173

2019年7月13日 広 田 健 介株式会社 全日警 人事本部人材採用部長

広域高速鉄道網等のインフラ建設を推進して、インド・太平洋地域の経済発展に日本は、如何に貢献するべきか!!

173

2019年7月27日 武 田 浩 一 本学同窓会副会長 鉄道業界は「こうだった」を運転士が教えます 173

開講日 テーマ 講義要綱

2019年9月28日 尾 崎 正 明東京急行電鉄株式会社 内部統制室専任主幹

鉄道運転士に求められるもの 175

2019年10月5日 岩 武 光 宏 近現代史研究家 幕末維新と社会変動 175

2019年10月12日 平 柳  聡 造景師(情景モデラー) 模型で表現する生活に密着する鉄道の魅力 176

2019年10月19日 半 沢 貞 夫本学同窓会会長・元交通新聞社出版編集部長

鉄道開業150年 成立と発展に尽くした人々 177

2019年10月26日 花 上 嘉 成元東武博物館名誉館長、現東武博物館友の会会長

鉄道の役割 177

2019年11月2日 岡 本  久 本学元学科長・本学名誉教授 これからの交通を考えてみよう 177

2019年11月9日 川 島 一 郎東日本鉄道OB会東京地方本部専務理事

元気なJR東日本グループ 178

2019年11月16日 大 島  功 株式会社 ジェイアール東日本都市開発 総務部次長

JR東日本の現状と企業が求める社会人について 178

2019年11月30日 田 中 宏 司 本学元学長・本学名誉教授コンプライアンス経営とCSR経営~企業人になるための心構え~

179

2019年12月7日 成 瀬 敏 郎 東京情報大学名誉教授 法的リスク・マネジメントの世界 179

2019年12月14日 平 野  九州大学大学院経済学府専任講師

鉄道事故の防止とリスクマネジメント 179

2019年12月21日 佐 藤 美知男公益財団法人 交通協力会鉄道史資料調査センター研究員

私が旅で知得したこと―百聞も一見も― 180

2020年1月11日 吉 田 一 宏 東武鉄道株式会社資産管理部課長 鉄道業における資産活用について 180

2020年1月18日 米 山 淳 一公益社団法人横浜歴史資産調査会常務理事

鉄道遺産を生かしたまちづくりと観光 180

(敬称略)

講演者

講演者

2019年度 特別教養講座日程表前期(土)13:10~14:40

後期(土)13:10~14:40

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前 期

趣味としてとらえられがちな鉄道を深く知ることは、経済や社会の仕組みやあり方を考

えることでもあります。

学生のみなさんも毎日乗車している通勤電車の現状を通して、鉄道が世の中にどのよう

な影響を与えているのか、鉄道業界にはどのような未来が待っているのかについて考えた

いと思います。

このほかにも時間が許す限り、さまざまなトピックスを通じて、鉄道と経済・社会のあ

り方に迫る。そんな講義を目指します。

日本の鉄道事業は、少子高齢化を伴う人口減少社会の到来や情報通信技術の発達により、

長期的には需要の減少が見込まれる一方、首都圏においては引き続き需要が増大し、混雑

緩和対策が必要な路線も見られます。また、バリアフリー対策やインバウンド対応が進め

られる一方、地球環境温暖化に対応するため、環境負荷の小さな公共交通に対する期待が

一層の高まりを見せています。

この講義では、こうした経営環境の変化について、グラフ等をもとにわかりやすく説明

するとともに、鉄道事業、特に大手民鉄グループが、こうした変化に対し、どのように対

応しているかを紹介し、今後の鉄道整備、鉄道経営のあり方について論じていきたいと思

います。

鉄道会社で、43年間さまざまな業務を通して経験した事柄を紹介する。

主に交通事業に従事し、車両部門では新しい車両の企画、設計、既存車両の改造、車両

の保守などを、運輸部門では駅業務、運転業務、旅行代理店、駅資産活用、交通広告、駅

の清掃の管理などを、電気部門では信号、通信、変電、電路、駅務機器などを担当した。

株式会社パスモに出向した際は、各社から集まったメンバーと首都圏の鉄道、バスで共

通に使用できるIC乗車券の業務を担当し、2007年にサービスを開始させ、今では全国で利

用できるようになった。

工事会社では鉄道電気工事、鉄道車両の改造と保守、バスの改造、シミュレータなどの

教材製作などに関与してきた。

鉄道は各部門の連携により、安全・安定輸送が遂行されている。その一端を経験した実

鉄道を通じて経済、社会を学ぶ 株式会社 東洋経済新報社 記者

大坂 直樹

社会経済環境の変化と都市鉄道経営 株式会社東武カードビジネス

常勤監査役 平田 一彦

鉄道員としての毎日 元東京急行電鉄株式会社 荻原 俊夫

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例に基づき、皆様にお話したい。

なお退職後も業界で知己を得た方々とお会いしてお話を伺うほか、一乗客として国内外

の鉄道に乗車して、見聞を広めるよう努めている。

1999 年 4 月から 2004 年 5 月に、私が在籍した大江戸線環状部を建設した第三セクター

の東京都地下鉄建設㈱と開銀時代、出向・派遣などの経験(成功・失敗事例)を通じて得たこ

とを中心に、時間の限り、お話します。

(0)自己紹介(①学ぶ、②働く、③遊ぶ、④社会貢献、⑤人生は 80~100 年時代)

(1)大江戸線環状部の特徴 (①プロポーザル・コンペで選ばれた 15 建築家による地域の

歴史・文化を入れた個性的建築デザインの駅舎、②各駅の改札口付近に税金を使わずパ

ブリックアート作品 29 点をコンペ等により設置)映像で紹介

(2)これからの駅舎管理の在り方について(①新設、②改築、③30~50 年先までのメンテ

ナンス)

(3)生きるということ(①生まれることは自分では選択できない、②目的を持って生き

る)

(4)働くということ(①働く≒時間の切り売り、②出来れば好きな仕事を選ぶ、③嫌いな

仕事は出来るだけ避ける、④出来れば、社会に貢献することが大きい仕事を選ぶ)

(5)情報の収集・分析・発信について(①複数の情報源から入手し、比較し、正しく分析する

ことが重要、②情報を活かさなければ、価値は半減→できるだけ発信する)

(6)健康管理について(①身体と心(≒精神)の健全さが重要、②身体と心の運動、健康診断

と歯磨きが大切)

(7)その他(①時代は常に変化している→変化に対応できなければ衰退する→IT システム

と高速交通機関の発達でグローバルな競争社会実現。再生可能自然エネルギーと蓄電

池の進歩等で第 4 次産業革命が起きている、②10~15 年の長期的視点、相手側から見

る、天井から眺める習慣が重要、③総合プロデュース(企画+宣伝+営業+販売で収支

相償する仕事を目指そう)、④“異”との接触が頭の柔らかさを生む(異国・文化・歴史・

地域・性・年齢・業種、同窓会)、⑤生き金と死に金、⑥人間の 5 欲、⑦シンプルライフの

奨め(一人静かに遊ぶことが基本)、⑧豊かに生きるには、日本だけで働く時代は終わっ

た、⑨エネルギーと農業・食料問題を見ていると世の中が見えてくる(日本は小資源国で

災害多発国だが、中長期政策を誤らなければ、勤勉性と技術力ある日本人の将来は暗く

ない→何が問題なのか?)、⑩世界の多くの国から尊敬され、豊かで平和な国を目指し

て、日本および個人は何をすべきか?

(8)おわりに 質疑応答(配布したアンケートに連絡先メール番号を書いておけば、後日回

答します) <質問等の連絡先メール:[email protected]>

これからの駅舎建築とパブリックアート管理の在り方等を通じて

学ぶべきこと(生きること、働くことの意味は何か) ちよだ政策総合研究所代表

(駅デザインとパブリックアート研究会代表) 石村 誠人

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2005年、兵庫県尼崎市で通勤時間帯の快速電車がカーブで脱線、マンションに衝突し

107人が死亡、500人以上が負傷したJR福知山線脱線事故。事故の9年後、NHKとイギ

リスBBCはこの事故の教訓を問うドキュメンタリー「Brakeless(止まらない列車)」

を国際共同制作し、日・英・米・蘭・デンマークなどで放送され大きな反響を呼んだ。世

界が“他人事ではない”と感じたこの事故の教訓とは?番組を視聴し、「安全」と「鉄

道」そして「社会」について考える。

わが国の貨物自動車(トラック)運送事業をめぐる政府の規制政策について、その淵源

から今日までを略述する。道路運送法、貨物自動車運送事業法の制定、改廃を中心に、わ

が国の貨物運送(物流)の展開についても、触れておきたい。現在の「物流(ロジスティ

クス)の危機」の制度的背景について理解を深めていただける講義にしたい。

インドネシアは人口約2億5500万人、国土領域はスペインからモスクワまでに匹敵する

東南アジアの大国である。経済成長も目覚ましく、2030年には世界第5位の経済大国にな

るともいわれている。だがそのためには克服しなければならない課題もある。そのひとつ

が交通渋滞の解消である。大きな経済的損失をもたらす交通渋滞を解消するために、イン

ドネシアでは近年、急ピッチで鉄道網の整備が進められている。この講義では、インドネ

シアにおける鉄道の歴史と現状そして将来に向けた取り組みについて紹介する。

国鉄改革により日本全国の鉄道貨物輸送を一元管理する唯一の事業体として発足した日

本貨物鉄道株式会社(JR貨物)の現状について、平成29年度に策定したJR貨物グループ中

期経営計画2021の目標である「多少の経済変動等があっても、長期持続的に利益が確保」

できる『経営の自立』への多面的な取組みを紹介させて頂き、鉄道貨物輸送並びに総合物

流企業を目指すJR貨物を広く知って頂く一助とする。

日英国際共同制作番組から考える鉄道の安全 NHK 編成局 展開戦略推進部

チーフプロデューサー 新野 誠一

貨物自動車運送事業規制の変遷 学校法人 日通学園 流通経済大学

学長 野尻 俊明

インドネシアの鉄道事情 拓殖大学政経学部・教授 井上 治

鉄道貨物輸送の現状 日本貨物鉄道株式会社 関東支社総務部部長 亀山 直人

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JR東日本グループは、昨年7月新たな経営ビジョン「変革2027」を発表した。JR東日本

グループ発足以降、「鉄道の再生・復権」に取り組んできたが、この経営ビジョンは、経

営環境が人口減少や自動運転技術の実用化など、急激な変化に対応し先手を打ったもので

ある。これまでの「鉄道を起点としたサービスの提供」から「ヒトを起点とした価値・サ

ービスの創造」に転換し、新たな成長戦力に挑戦するという決意表明でもある。

国鉄改革・会社発足からこの4月で32年経過するが、この新しい経営ビジョンがスター

トしたからと言ってその発足経緯と歩んできた道筋を無視して将来はない。

「安全」がJR東日本グループのトッププライオリティであることが会社発足当時から不

偏であるように、変えてはならないものと変えていかなければならないものがある。そし

て、過去に経験してきたことで決して忘れてはならないものがあり、それを確実に継承し

ていかなければならない。

講義では、「第一の出発点である国鉄改革」の契機になった状況から「第二の出発点で

ある東日本大震災」を経験して現在に至るまでの歩みと、新たな経営ビジョン「変革

2027」に描いている10年後についてお話しするとともに、JR東日本グループの「駅業務サ

ービスの戦略会社」としての当社の現状も紹介したい。

また、多様化する今年度の採用活動の状況と採用スケジュールやJR東日本や当社がどの

ような人材を求めているのかについても話していきたい。

JR東日本グループの発足から将来について 株式会社JR東日本ステーションサービス

相談役 齋藤 順治

古代の交通と信仰 松蔭大学コミュニケーション文化学部長

教育開発センター長 石上 七鞘

日本の古代の道路は、細々とした小径・けもの道だと考えられてきました。1970年に岸

俊男が、上ツ道・中ツ道・下ツ道などが直線的な計画道路であったことを発表し、古代道

路の研究が一気に注目を集め始めました。1970年代には、直線的な計画道路が全国に及ぶ

こと、広い幅員を持つことなどが判明しました。1980年代後半には、全国的に古代道路の

発掘調査が行われ、古代道路が考古学的な裏付けにより明らかとなっていった。1990年代

には、古代道路が直線的で大規模な計画道路だったことは常識となり、多くの地域で、郷

土史の一環として古代道路の路線復元などが試みられています。

駅路は五畿七道のうち山陽道と西海道の一部(都から大宰府)を大路、東海道・東山道

の主道を中路、その他を小路と三段階にわけています。駅家には駅馬(えきば・はゆま)

が置かれ、大路では20匹、中路では10匹、小路では5匹とされていました。駅馬は、群と

諸国の間の緊急連絡、公文書の伝達、特別の要務による官人の旅行などに用いられ、その

利用にあたって使者は利用証として駅鈴(えきれい・やくりょう)を携行するきまりがあ

りました。駅鈴は、使者の位階によって剋(きざみ)数がことなり乗用の駅馬の数が示さ

れます。剋が多ければ利用できる馬数が多くなることになります。駅家には駅戸(えき

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こ)を配置し、駅戸から駅子が出て駅馬の飼養やその他の駅務に従事します。駅戸の中か

ら駅長を一人任命し駅家の管理にあたらせています。駅家は全体的には国司の管轄下にあ

りました。

また道路には、地蔵信仰・六地蔵・道祖神などが建立され、人々を守っていました。こ

れらは、人々の平穏と安全の守り神として、また、子供の守り神として祀られました。さ

らに大きな道路の側に1里毎に旅行者の目印として設置した塚(土盛り)一里塚がありま

した。

旅は、自国を離れて、不安に満ちたものでした。人々は、自らの魂を慰めつつ、旅先の

それぞれの神に旅の安泰、安全を祈願していました。土地の地名や土地の風光明媚や特色

を歌い誉めることが、旅行く者にとっての必須の課題でもありました。そこでは、いろい

ろの鎮魂の技が旅人達によってなされました。

昔の旅は、死を覚悟しての厳しいものでした。道行き疲れて、病気や怪我でしんでしま

う人も大勢いました。死んでも祀(まつ)られない死者の魂はさ迷うので、死者の魂を鎮め

るため、歌や供物を手向(たむ)け、魂の安定を願いました。

2019年度は、アジアの地域にまで広げてみたい。

■授業の目標・内容

タクシー業界は新たな時代に突入しました。許認可事業として決められた運行台数、料

金設定、サービス内容などに従うことで競争から守られてきたのがこれまでのタクシー業

界です。しかし、インターネット、スマート端末、ビッグデータ活用など急速に発展して

いる情報コミュニケーション技術がこの産業の姿を大きく変えつつあります。「ウーバ

ー」や「全国タクシー」などのアプリ名に聞き覚えのある学生も多いでしょう。こうした

日本の現状は世界から遅れをとっているのも事実です。

本講義では、従来のタクシー業界の歩みと問題点に触れながら、新たな動向について机

上の論議だけでなく現場感覚に基づいた検証を進めていきます。皆さんが「タクシー」に

ついてどのようなイメージや期待をもっているかも参考にさせて頂きながら、将来のある

べき姿を一緒に考えていければと思います。私達の社会がどう変わっていくのかにも関心

を持ってもらえれば嬉しいです。

■授業計画

1.「MaaS」Mobility as a Service

2.配車アプリ競争

3.ウーバー、みんなのタクシー、DeNA0円タクシー

4.JAPANタクシー

5.自動運転(無人タクシー)

6.タクシー運賃の変遷

タクシー新時代 ―未来社会が求めるタクシーサービスー 株式会社かすみ交通代表取締役

鹿住 良人

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7.ドライバー不足、外国人ドライバー解禁

8.訪日客、インバウンド対策、

■授業の方法

視覚的に理解し易いようにパワーポイントを使って講義を進める。適宜、テキストや

参考図書を紹介し、より深い理解の助けとする。

■教科書・参考書

教科書は特に定めず、必要に応じ関連資料を配布する。

日本国内では鉄道の観光活用が最近注目されるようになった。特にローカル鉄道事業者

の取り組みは、多額の投資が出来ない為に、各事業者が工夫してコンテンツづくりを行っ

てきている。今回の講義は、観光業のトレンドを見ながら、鉄道業の経営の方向性を明示

し、その中でも大井川鐵道の取り組み事例や今後の鉄道事業の目指すべき方向性を提示す

るものである。

私が、今までに提案してきた「上海鉄道環状線建設に関する一提案」「日中 中国鉄

道網建設協力30年計画協定案」「インド・ASEAN広域高速鉄道網建設30年計画」「北

アメリカ大陸広域高速鉄道網建設30年計画」、そして、昨年9月20日に安倍総理に提案し

た「TPP11」加盟国の高速鉄道網建設、都市鉄道建設、その鉄道沿線の都市開発を三点セ

ットとして提案し建設することで、投資対象国の自立的経済発展が可能になる経済支援

を実施するべきである。このことによって中国の進める「一帯一路」経済圏構築構想と、

一線を画するべきであると主張しています。

この考えは、更に「インド・太平洋地域」へ拡大するべきであると考えています。

今回の講演では、このような説明を中心にお話をさせていただきたいと考えております。

1.「こうだった」を伝えたい

(1)なぜ伝えたいか?

学長からよく依頼される事として、また同窓生が受講を聞いて思った事で「もっと現

広域高速鉄道網等のインフラ建設を推進して、インド・太平洋地域の経済発展に日本

は、如何に貢献するべきか!! 株式会社全日警人事本部

人材採用部長 広田 健助

鉄道業界は「こうだった」を運転士が教えます 本学同窓会副会長 武田 浩一

鉄道事業と地域の活性化 公益財団法人 浜松・浜名湖ツーリズムビューロー

理事・事業本部長 前田 忍

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場の厳しさを伝えて欲しい」とあった。

その気付きを得て、厳しさだけではなくあらゆる面について、鉄道業界の「こうだっ

た」そして鉄道現場の「お客さまから見えない部分」を伝える。

実際に現場に行って心が折れないように、心身の準備をしてほしい。

(2)駅務係の「こうだった」

①清掃業務

②雑務(食事作りなど)

③イベント対応など

(3)乗務員の「こうだった」

①車両故障

②避難誘導

③事故対応(人身事故等)

(4)本社勤務は「こうだった」

①津々浦々に対応

②当然しんどい

③中小私鉄だとさらにしんどい

2.鉄道員になって「こうだった」良かった点

(1)当然鉄道に詳しくなる

(2)様々な勤務形態

(3)車両に携えられる

(4)イベントに携える

3.短大を卒業して「こうだった」

(1)仲間と支え合う

(2)同窓会はこんな活動をしております

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後 期

私は東京急行電鉄と東急車輛製造にて、車両部門(車両整備部署と新造車両企画部署)

に延べ25年、動力車操縦者養成所長を2年、車両製造の技術・品質管理に6年携わりました。

これらの経験をベースに、学生の進路の選択に役立つ講義を目指します。

目次は以下の通りです。

・自己紹介

・あなたの就職志望会社は日本型or欧米型

・日本型企業と欧米型企業の違い

・鉄道係員の昇進ルートの例

・駅務員の仕事(将来を見通して)

・車掌になる

・運転士のキャリアアップ(東急電鉄例)

・運転士から助役になる

・まとめ(皆さんに期待したいこと)

鉄道運転士に求められるもの 東京急行電鉄株式会社内部統制室専任主幹 尾崎 正明

幕末維新と社会変動 近現代史研究家 岩武 光宏

昨年は明治維新150周年の節目でもあり、テレビドラマをはじめとして多くのメディア

で近現代史は脚光をあびた。さて、今年は平成が幕をおろし、新元号となる節目の年であ

る。そのため、ふたたび近現代史を振り返る機会が増すと思われる。新しい時代の到来だ

からこそ、歴史を読み解く面白さ、および「維新の本質」とは何かを論じたい。

本講義では、わが国が近代国家へと踏み出した「幕末維新~鉄道開業」について楽しく、

分かりやすく概説していく。歴史には、人々の夢とロマン、歓喜、緊張、対立、嫉妬、怨

嗟、葛藤、相克などの人間ドラマの光と影が凝縮しており、これを学ぶことが実社会で生

き抜くための有効な知見を得ることに繋がるものと考える。幕末動乱期には、現代社会で

も活かせる現実形成力のエッセンスが満載されており、単なる教養に留まらない実践力あ

る学びのヒントを掴んでいただきたいと考える。

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<生活に密着した鉄道情景の魅力を模型表現で紹介する>

1.自己紹介

(1)BS放送「鉄道模型ちゃんねる」に出演した折の、「鉄道模型マイスター」

という番組の様子をDVDにより披露。

(2)本人の生活環境の紹介

①職業・職場環境

②鉄道に関わる家系

(3)本人の趣味の紹介

①スポーツ

②のりもの(「撮り鉄」との関わり)

③「模型鉄」(雑誌の掲載・メディア出演)

2.鉄道の成立の話

(1)鉄道の成り立ちと軌間(ゲージ)の関わり

(2)我が国の鉄道

①官鉄と民鉄

②軽便鉄道

3.生活に密着した鉄道の魅力と模型

(1)幹線と支線

(2)地方鉄道の魅力

(3)軽便鉄道の魅力

①盛衰について

②現存の軽便鉄道(ナローゲージ)

(4)鉄道の模型化のリアル感の追求

①テクニックとして

ア.場面設定と切り取りの構成、構図

イ.塗り(・ウェザリング、エイジング、ダメージング)

ウ.素材

エ.人物とのストーリー性

②時代考証

ア.建造物

イ.脇役

・のりもの

・看板

③季節感と自然

(5)失われた鉄道と人との関わりについて

①歴史の喪失の重大さ

模型で表現する生活に密着する鉄道の魅力 造景師(情景モデラー) 平柳 聡

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②生活環境の変換

③生活とのかかわり

④「つながり」の話

(6)質疑応答

日本の鉄道は、2022年に創業150周年を迎えます。創業から現在まで、多くの先人が鉄道

に情熱を抱き、生涯をかけて鉄道を育んできました。

講義では、鉄道を学ぶに当たり知っておきたい人物の中で、幕末イギリスに密航し鉱山

と鉄道を学び、帰国後は鉄道頭、鉄道局長、鉄道局長官として日本の鉄道の方針を決め「鉄

道の父」と言われた井上勝、お雇い外国人で初代鉄道兼電信建築師長のエドモンド・モレ

ル、初代鉄道院総裁で、鉄道の百年先を見通した計画を立て、また鉄道教習所、鉄道病院

などを設立し、国鉄職員の精神的支柱となった後藤新平、国鉄総裁として新幹線を走らせ

た男、十河信二について、業績を探ります。

また、44回目となる公益財団法人交通協力会主催の交通図書賞につきまして紹介します。

1.最近の鉄道事情

(1)鉄道の本来の使命と在り方

(2)鉄道と地域の発展

(3)近年の車両状況

2.東武鉄道の話題

(1)蒸気列車の増強について

(2)東武鉄道の車両状況

これからの交通を考えると、いろいろな要因を多面的な視点で見ていかなくてはなり

ません。

つまり、人口問題(少子高齢化、人口減少、地方の過疎化等々)、経済問題(経済成

長・金融・財政等々)、環境問題、情報通信(IT)の進展動向などの交通市場を取り

巻く外的要因と、鉄道をはじめとした交通事業者および交通利用者の抱える諸要因に関

する総合的視点が必要とされます。

鉄道150年 成立と発展に尽くした人々 本学同窓会会長

元交通新聞社出版編集部長 半沢 貞夫

鉄道の役割 元東武博物館名誉館長・現東武博物館友の会会長 花上 嘉成

これからの交通を考えてみよう 本学元学科長・本学名誉教授 岡本 久

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本講義では、上記の諸要因をみなさんに提示した上で、今後想定される動向を踏まえ、

「これからの交通の姿」についてみなさんに考えてもらうきっかけになることを目的と

します。

明治5年から続いた鉄道輸送の長い歴史が破綻し、昭和62年4月、国鉄分割民営化により、

国鉄時代の負債を持って「東日本旅客鉄道(JR東日本)」等がスタートしました。

JR東日本は発足から32年経過し、首都圏中心の通勤通学輸送、新幹線等の都市間輸送

に加え、地方ローカル線やバス事業、モノレール事業など幅広い輸送業務を担って、安心

安全安定輸送で信頼度高く、JR東日本グループを挙げて着実な経営を行っております。

各種通勤車両が省エネ車両に置き換えられ、「トランスイート四季島号」を始め、ハイ

ブリッド車両、蓄電池車両など目に見える技術革新、無線制御導入や自動運転試験など隠

れた技術革新も進んでいます。自営の水力・火力発電所に加え、メガソーラー発電や風力・

地熱発電・バイオマス発電など自然エネルギー利用の取組みも成果を示し、地域活性化に

貢献した農業・製菓等事業等も行っています。

また、インドネシア共和国、ミヤンマー連邦共和国、タイ王国への車両輸出と技術指導

に加え、インド高速鉄道建設、イギリスでの鉄道運営など、安心安全安定輸送の海外展開

も進んでいます。

これら総合力を発揮している「元気なJR東日本グループ」の現状を理解しましょう。

好きな鉄道業務と共に55年余、駅・操車場・車掌の現業業務、人事・総務等管理部門、

駅長・車掌区長の管理職を務め、グループ会社で鉄道関連業務など幅広い経験をもとに、

交通業界等での活躍を目指す学生諸君に役立つものとします。

元気なJR東日本グループ 東日本鉄道OB会東京地方本部専務理事 川島 一郎

JR東日本の現状と 株式会社ジェイアール東日本都市開発

企業が求める社会人について 総務部次長 大島 功

JR東日本発足から、32年が経過し、当社グループは、究極の安全の追求は勿論、グルー

プ経営ビジョン「変革2027」のもと、「鉄道を起点としたサービス提供」から「ヒトを起

点とした価値・サービスの創造」へと新たな成長戦略を果敢に推進していきます。

平成23年3月に発生した東日本大震災では、企業としての存在意義を再認識させられ、

JR東日本として第二のスタートを切りました。

講義では、「国鉄改革」から現在までの歩み、JR東日本の概要並びにJR東日本とグルー

プ会社の関連についてお話したい。

また、学生諸君が社会人になっていくにあたり、社会人として必要な知識と心構え、

JR東日本が求める人材について、私の経験を交えて紹介すると同時に、学生諸君が関心の

ある、JR東日本の業務内容や駅社員、乗務員の勤務体系等について、実際に働いてきた経

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験者として分かり易くお話したいと思います。

1.企業不祥事と社会の視線

・企業不祥事からの教訓等

2.仕事を通じたコンプライアンスの実践

・コンプライアンスの実践と定着への具体的な方法等

3.ハラスメントへの対応

・パワーハラスメント対策等

4.CSRの本質とCSR経営の実践

・CSR経営の内容等

5.ケーススタディー(全体討議)

本講義では企業の法的リスク・マネジメントの関係を講ずる予定です。

企業は、諸法令に対し遵法を旨として経営にあたっており、その事業形態により一般法

と各種の事業法など様々な法令の規制を受けています(例えば、物流事業では物流に関す

る各種事業法。不動産事業では建築基準法や金融商品取引法など)。

これらの法制度は、社会情勢の変化に応じて改正、強化、解釈の変更などが生じます。

この結果、その対応のため新たな負担の発生や事業展開の変更が必要となる可能性が生

じ業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

コンプライアンス経営とCSR経営-企業人になるための心構え-

本学元学長・本学名誉教授 田中 宏司

法的リスク・マネジメントの世界 東京情報大学名誉教授 成瀬 敏郎

鉄道事故の防止とリスクマネジメント 九州大学大学院経済学府専任講師

平野

交通産業において、事故を未然に防ぐことが重要であることは異論がないところです。

近年、事故を未然に防ぐために、多くの事業者がリスクマネジメントに積極的に取り組ん

でいます。鉄道事業者のホームページにおいても、各社のリスクマネジメントの取り組み

を見ることができます。学生の皆様も“リスク”あるいは“リスクマネジメント”という

言葉を一度は聞いたことがあると思います。しかし、改めて“リスク”とは何か?“リス

クマネジメント”とは何をすることなのか?と問われた場合、すぐには答えられないので

はないでしょうか。

本講義では、そもそもリスクとは何かという基礎的な点からリスクマネジメントの内容

について学び、リスクマネジメントがどのように交通産業の事故防止に役立つかという点

を事例を交えて学びます。

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私が旅で知得したこと―百聞も一見も― 公益財団法人交通協力会鉄道史資料調査センター

研究員 佐藤 美知男

私は旅が好きで、若い頃から旅に出かけている。しかし日本全国や世界各地を回りつく

したわけではなく、少なく限られた場所でしかない。それでも旅をしてきた中で目撃した

ことや気付いたことはいろいろある。本講では、主にこれら自分の見聞や体験から知得し

たことをお話ししたい。ただし、旅番組や旅行ガイド、あるいはネットのお得情報のよう

な内容ではない。

まず、旅と旅行についての言葉やことわざなどを紹介して旅の形態やあり方について考

えてみる。次いで私の旅行史の概略やその一部をお話しして、さらにその中からいくつか

の地域を例として採り上げ、解説を加えたい。

「百聞も一見も」をキーワードに、私が体験した旅の中で学んだことや旅に対する姿勢

を伝えたい。なお、日本と世界の地理の、大まかな知識があることが望ましい。

鉄道事業は、土地、線路や電車等の設備がなければ事業が成り立ちません。また、鉄道

事業の他にも、スカイツリーや駅ビル等の商業施設、住宅分譲や賃貸事業についても土地

や建物の資産が必要となります。

東武鉄道における社有資産の活用を例に出しながら、鉄道業における資産活用の現状お

よび将来展望について講義いたします。

その他、駅長(元東武池袋駅長)および採用担当(元東武ステーションサービス)の経

験をもとに、鉄道会社を志望するみなさんに、就職活動についてのアドバイスもしたいと

思います。

全国各地で蒸気機関車の復活が華やかだ。また、歴史的鉄道車両や駅舎をはじめとする

施設、構造物等が近代化遺産(我が国の近代化に貢献した産業、交通、土木遺産)として

国登録有形文化財や国指定重要文化財になっている。鉄道遺産は、近代化遺産として保存

に留まらず一般の社寺仏閣、歴史的町並み他の文化財と同様にまちづくりの核や観光資源

として活用され地域活性化に寄与している。

全国各地やイギリスの事例を通じて鉄道遺産の魅力を探ることを目的とする。

鉄道遺産を生かしたまちづくりと観光 公益社団法人横浜歴史資産調査会

常務理事 米山 淳一

鉄道業における資産活用について 東武鉄道株式会社資産管理部課長 吉田 一宏