自閉症者への オキシトシン継続投与に対する 遺伝...
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自閉症者へのオキシトシン継続投与に対する
遺伝子多型法による治療効果予測
福井大学
子どものこころの発達研究センター
特命教授 小坂 浩隆
特命助教 岡本 悠子
興味の限定
意味のない習慣にこだわる
（着衣、道順、物の並べ方）
視線が合わない
友達関係が作れない
相手の気持ちがわからない
言葉の遅れ
会話が続かない
オウム返し
②コミュニケーションの障害
③ こ だ わ り
①社会性の障害
自閉スペクトラム症 (autism spectrum disorders: ASD)自閉性障害・アスペルガー障害・広汎性発達障害
自閉症スペクトラム障害者(ASD)への有効な予防法や治療法はない。
オキシトシン: 下垂体後葉から分泌ホルモン
・末梢作用： (1) 乳汁分泌 (2) 子宮収縮
・中枢作用： 社会的行動 （不安↓、信用↑、愛情↑、表情認知↑）
オキシトシン
http://ja.wikipedia.org/wiki/
視床下部 下垂体
出産
陣痛（子宮収縮）
乳汁排出
母性
行動
適切なしつけ（育児）
遊び
社会的交流
個々の識別顔の認識
侵入者や競争への
陰茎勃起性的受容性
配偶者選択信頼感
適切な反応
オキシトシン と 向社会行動＜自閉症との関連＞
• Modahl C et al., 1998, Biol Psy自閉症児は、オキシトシン血中濃度が減少している。
• Green L et al., 2001, Biol Psy自閉症児は、オキシトシンの前駆物質は上昇 →合成方法が問題？
• Takayanagi Y et al., 2005, PNASオキシトシンKO/オキシトシン受容体KOオスマウス： 攻撃性↑ オキシトシンKOマウス： 社会的認知能力↓
（社会的健忘症状Social amnesia）オキシトシン受容体KOメスマウス： 母性行動↓
ASDを対象としたオキシトシン投与の臨床試験
単回投与
継続投与
反復的行動の減少 (Hollander et al., 2003) 感情的なスピーチの理解の向上 (Hollander et al., 2007) Reading the Mind in the Eyes Task (Guastella et al., 2010) Social Ball Tossing Game / Eye movement (Andari et al., 2010)
MR研究 Reading the Mind in the Eyes Test (RMET) (Gordon et al., 2013) face‐matching task (Domes et al., 2013) social psychological task (Watanabe et al., 2014)
(making decisions about social information with conflicting verbal and nonverbal contents) MRS (Aoki et al., 2014) Theory of Mind task (Aoki et al., 2014)
Case report (over 6 months) A 23‐year‐old man (Munesue et al., 2010) a 16‐year‐old girl (Kosaka et al., 2012)
Case series (over 6 months) eight male youth (Tachibana et al., 2013)
Randomised Control Trial (RCT) 6 weeks (Anagnostou et al., 2012) 4 days (Dadds et al., 2013) 8 weeks (Guastella et al., 2014)
福井大学でのオキシトシン継続投与臨床研究Trial Profile
オキシトシン 高用量 (32 IU) オキシトシン 高用量 (32 IU)
オキシトシン 低用量 (16 IU) オキシトシン 高用量 (32 IU)
プラセボ オキシトシン 高用量 (32 IU)
二重盲検 非盲検
高用量群20人
低用量群20人
プラセボ群20人
• 60人 男女高機能ASD群• 15歳以上• 期間24週（二重盲検＋非盲検）
0w 12w 24w
こだわり確認行為
頑固さ
視線が合う相手の気持ち理解
相手への配慮人恋しさ
会話量文章理解力
②コミュニケーションの障害 ③ 想像力の障害
①社会性の障害
福井大学でのオキシトシン継続投与臨床研究自閉症症状の改善例
オキシトシン受容体（第3染色体）
しかし、個人差がある・・・。
遺伝子多型がオキシトシン投与の効果に影響を与えている可能性
発明の波及効果
オキシトシン継続投与治療を開始前に、効果が表れやすい遺伝学的タイプがわかる。
• 臨床医による自閉スペクトラム症者への治療促進、その効果を示す一群の早期発見になる。
• 今まで治療法がなく、社会参画に困難を示していた自閉スペクトラム症者に、治療促進が得られる。
効果が表れにくい遺伝学的タイプの方用に、効果が出現しやすいオキシトシン製剤改良版の開発が進む。
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従来技術とその問題点
自閉スペクトラム症者への治療法がない
自閉スペクトラム症者への治療法がある！
治療効果に遺伝学的個人差がある！
オキシトシン受容体の遺伝子多型測定は・・・
市販化されていない（どこでも出来ない）
煩雑
高額
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新技術の特徴・従来技術との比較
• 自閉スペクトラム症者への治療が期待できることを立証しつつある！
• 治療効果を推定できる遺伝子多型の候補を探求できている！
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企業への期待
• 簡便で、迅速な遺伝子多型測定法の確立
• 遺伝子多型測定の技術をもつ企業との共同研究を希望
• 疾患へのテーラーメイド治療を検討している企業との共同研究を希望
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想定される用途
• 簡便な遺伝子多型測定
• 迅速な遺伝子多型判定
• あらゆる治療効果を予測できる遺伝子多型の一覧作成
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実用化に向けた課題
• 現在、オキシトシン経鼻スプレーの効果を立証しつつあるが、多施設臨床試験、治験と、治療確立とその普及までに年数がかかる
• 治療効果や安全性が、現時点で完全に確立されたわけではない
• 遺伝子学的背景に基づく治療効果判定は、現時点で十分に立証されていない
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本技術に関する知的財産権
• 発明の名称 ：自閉スペクトラム症への治療効果予測のための検査方法
• 出願番号 ：特願2015-99500
• 出願人 ：国立大学法人 福井大学
• 発明者 ：小坂 浩隆、岡本 悠子
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お問い合わせ先
福井大学産学官連携本部
コーディネーター 青 山 文 夫
〒910-8507 福井市文京３丁目９－１
TEL；（0776）27-8956（本部）
TEL；（0776）27-8908（直通）
E-mail； [email protected]