養豚用飼料におけるトリプトファン要求量分と低い結果である。大成:養豚用飼料におけるトリプトファン要求量...

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養豚用飼料におけるトリプトファン要求量 誌名 誌名 畜産の研究 = Animal-husbandry ISSN ISSN 00093874 巻/号 巻/号 638 掲載ページ 掲載ページ p. 810-820 発行年月 発行年月 2009年8月 農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター Tsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research Council Secretariat

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養豚用飼料におけるトリプトファン要求量

誌名誌名 畜産の研究 = Animal-husbandry

ISSNISSN 00093874

巻/号巻/号 638

掲載ページ掲載ページ p. 810-820

発行年月発行年月 2009年8月

農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センターTsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research CouncilSecretariat

Page 2: 養豚用飼料におけるトリプトファン要求量分と低い結果である。大成:養豚用飼料におけるトリプトファン要求量 あった。811 上記のL トリプトファン0.115%という値は,CP

810

養豚用銀料におけるトリプトファン要求量

大成

1.トリブトファンとその欠乏症

「栄養学ハンドブックJの須田正巳らによると,

トリプトファンは 1890年,Neumeisterにより発見,

FillingerとFlamandにより合成されたとする場合や,

「世界百科大辞典Jの石本真による HopkinsとCole

により 1901年に,ガゼインのトリプトシン分解中

に発見, Ellingerにより, 2年後に構造が決定された

とする場合などがある。

また,人のベラグラや犬の黒舌病の臨床的な治療

中に発晃したという説もある。

トリプトファンは種々の生物の体内で,ビタミン

Bの一種であるニコチン酸に変化するし,蛋白質を

鉱駿で、加水分解すると分解するので,蛋白質から分

離するには酵素とか,水酸化バリウムにより加水分

解する法が採られている。

トリプトファンには天然の L系と,非天然の D

系があるが,ともに生理的に有効である。またイン

ド、ーノレから 35~45%の好収量で, DL系が合成され

る。

人のベラグラはイタリアなど南欧諸国や,南アメ

リカのトウモロコシと糖蜜を主食とする地方の,い

わば地方病であり,不完全な食物の摂取が原因とさ

れている。

この場合,ビタミン B とくにナイアシン(ニコチ

ン酸)が欠乏し,身体露出部の紅斑および務屑とと

もに,全身症状が現われる。

猿のベラグラもニコチン酸の欠乏症で,食欲の減

退, D毘吐,下痢,衰弱などの症状が特徴的に発現す

る。

犬の黒舌病は,犬におけるニコチン酸欠乏で,恐

らく人のベラグラと向ーの疾患と考えられる。

このようにトリプトファンは,当初はナイアシン

の関係で注目されたが,豚の場合は摂取トリプト

ファン 50mgから, 1mgのナイアシンが体内で作ら

れるし,このような関係からトリプトファンが充分

に与えられると,ベラグラは発生しない。

朱家畜栄養コンサノレタント (KiyoshiOnarj)

1毒*

以前は養豚飼料にも魚粉,肉加工副産物など,

APF(動物性蛋白因子)を含む原料が多く用いられ

た。

研究の進むにつれ,ビタミン B12の存在が明らか

になるのだが,この結果大豆粕が動物性飼料にとっ

て代わり,やがてトウモロコシ・大豆粕飼料が一世

を風擁することになる。

このような飼料事情が基本的には現在も続いて

いるわけだが,主原料のトウモロコシにもアミノ酸

の点で問題があり,第l制限アミノ駿はリジンだが,

第 2制限アミノ酸はトレオニンではなく,トリプト

ファンの場合が多い。

小麦,大麦,ライ麦, トリチケールなどの麦類に

は,トリプトファンが多く含まれているので問題は

少ないが, トウモロコシ飼料には問題が残る。

餌料乾物中のトリプトファン量(%)と, CP中の

トリプトファン最(%)はつぎのとおりである。

トウモロコシ0.08(0.89),ソルガム O.13 (1. 13) ,

小麦 O.17 (1. 18),大麦 O.16 (1. 25),ライ麦 O.12

(1. 09) ,魚粉 (65)O. 77 (1. 05),大豆粕 O.71 (1. 36)

豚に対するトリプトファンの研究は,合成トリプ

トファンの出現により大いに進歩するのだが,その

効果は L型を 100とすれば, D聖は 60,DL型はそ

れらの中間の 80とされている。

2. 離乳子豚の

ト 1) プ トファン要求量

① Beckerの研究

イリノイ大学の D. E. Becker (1955) は,体重

13.6kgの離乳子豚 96頭を用い, CP 15.3%, トリ

プトファン 0.075%,ナイアシン 36mg/kgの基礎飼

料に, Lートリプトファンを段措的に添加,その要

求量を研究した。

この結果, CP 15.3%中の L トリプトファンの

婆求量は 0.115%とした。

この当時の研究では飼料中のトリプトファン量

は, O. 15~0. 2%とされていたので,これよりも随

0369-5247/09/¥500/1論文/JCOPY

Page 3: 養豚用飼料におけるトリプトファン要求量分と低い結果である。大成:養豚用飼料におけるトリプトファン要求量 あった。811 上記のL トリプトファン0.115%という値は,CP

分と低い結果である。

大成:養豚用飼料におけるトリプトファン要求量

あった。

811

上記の L トリプトファン 0.115%という値は,

CP 15.3%飼料だけのものでなく, CP 19.3%館料

でもその値は変わらなかった。

なお, Dートリプトファンでもその利用率は,か

なり高いということである。

② G e I I s らの研 究

J. T. Galls ら(1966) は,早期離乳豚の 21~45 日

齢期のトリプトファン要求愛を知るため, 4回の試

験を実施している。

試験 1と 2はトウモロコシ,カゼイン,魚粉の

CP 20%飼料を用いたが,その結果は増体と飼料効

率の点で,トリプトファン含量が 0.17~0. 19%区が

最も良かった。

試験 3はCP16%のカゼインおよびカゼ、イン加水

分解物を主蛋白源とする飼料を用いたが,この結果

では飼料中のトリプトファン含量が 0.16%の場合,

増体と館料効率の点で最も良かった。

試験 4は CP16%と 20%飼料中の適正トリプト

ファン含量をみたが,この結果は一応 0.14%で充分

ではあるが, 0.18%まではトリプトファン含量の増

加につれ,士弱体最も高くなった。

以上 4聞の試験の結論として, CP 20%の通常の

離乳用飼料中のトリプトファン婆求量は, 0.18~

0.22%ということである。

③ Baker らの研 究

イリノイ大学のD.H. Baker ら(1 971) は,体重6~

10kgの離乳子豚を用いて, 2屈の試験を行なった。

給与基礎飼料は CP17.5%, トリプトファン

0.045%を含むトウモロコシ・ゼ、ラチン飼料である。

試験 1では L型 0.025%添加区, L型 0.05%添加

区, D型 0.05%添加区, D型 0.10%添加区を設け

た。

試験 2 では L 型を 0.024%~0.096%の 4 段階添

加豆, DL型 0.06%添加区, D型 0.08%添加区をそ

れぞれ設けた。試験期間は 2~3 週間である。

試験の結論はL裂の生物学的カ価を 100とすれば,

DL型は 80,D型は 60である。

また,離乳子豚のトリプトファン要求量は,飼料

蛋白質中の量としてL型は0.69%,DL型は0.86%,

D型は1.15%となる。

なお試験2の群銅で自由採食の場合の館料中のト

リプトファン含量は, 0.12%が増体の点で最高で

④ Lawrenceの研究

T. L. J. Lawrence (1972) は,大ヨークシャ一

種離乳豚 72頭を用い,体重 22.7 ~68. Okg期の,ト

リプトファンとリジンの要求量を研究している。

対照区飼料の配合割合はトウモロコシ 82%,魚粉

10%,大豆粕 5.5%,骨粉 1%,その他1.5%である。

含有成分は CP16%,トリプトファン 0.15%,リ

ジン 0.85%で,試験はこの飼料にトリプトファンを

3段階,リジンを 2段階添加し,額料中のトリプト

ファン量を0.15,0.22,0.290/0,リジン含量を0.85%,

0.97%とし,これらを組合せて 6種類の飼料を設け

た。

試験の結果をみると,成長率と餌料効率の点から,

トリプトファンは飼料中 0.22%,リジンは 0.85%

で充分ということである。

⑤ Yen と Veumの研究

ミズリー大学のJ.T. YenとT.L. Veum (1982)

は,体重 7.6kg の離乳子豚 324 頭を用い,離乳後 1~

28日を前期, 29~56 日を後期とする飼養試験を実

施している。

給与飼料の Slは, トウモロコシ 61.51 %,大豆

粕25.33%,ホエー10%,その他3.16%で, CP18. 0%,

リジン 0.96%, トリプトファン 0.23%,DE

3. 41Mcal/kgを含んでいる。

S2は, トウモロコシ 69.93%,大豆粕 16.81%,

ホエー10%,その他 3.26%で, CP 15. 0%, リジン

0.72%, トリプトファン 0.18%,DE 3.43 Mcal/kg

を含んでいる。

前期の試験区分をみると, 1区は Sl餌料のみ, 2

区も S2館料のみ, 3 IRは S2十リジン 0.18%,4区

は S2十リジン 0.18%+Lートリプトファン 0.05で

ある。 5~8 区はカノレパドックスを添加した場合のも

ので,ここでは省略する。

試験の結果をみると,採食日量は l区0.56kg(c),

2 IR O. 44kg (b), 3芭 O.53kg (c), 4 IR O. 50kg (c)

で2区が劣った。

増体日量は l区0.29kg(c), 2区0.22kg(b), 3

IR O. 29kg (c), 4区0.29kg(c)で, 2涯のみ有意に

劣った。

飼料効率は l区0.52(bc) , 2 IR O. 51 (b), 3区

0.56 (bcd) , 4寵 0.88 (cd)で2区が劣った。

この理由として飼料中のリジン含震をみると, 1

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812 道産の研究第 63巻 第8号 (2009年)

区0.96%,2区0.72%,3区0.90%,4区0.90%,

トリプトファン含量は 1区0.23%,2区0.18%,3

区0.18%,4匹0.23%で、あった。

この成績を取りまとめると,採食日量はリジン無

添加誌は 0.58kg(巴), 0.18%添加区は O.61kg (h),

増体日量は O.30kg (e) : O. 35kg (f),飼料効率は

O. 55 (e) : O. 58 (めで,いずれも添加区が有意に優

れた。

トリプトファンの添加についてみると,採食日量

の無添加区は 0.60kg,0.05%添加区も 0.60kg,増

体日量は O.34kg : O. 34kg,餌料効率は 0.57: 0.56

で,いずれも有意差はなかった。

結局のところ,リジンは 0.72%では不足だが,ト

リプトファンの 0.18%は不足ではないということ

である。

離乳後 29~56 日にいたる後期の成績をみると, 1

区は CP16.0%,2区は CP13.0%,3区は 2区にリ

ジン 0.17%添加, 4区は 3思に Lートリプトファン

0.04%添加したものである。

試験の結果をみると,採食臼量は 1芭1.37kg

(cde) , 2区0.99kg(b), 3区1.28kg (c), 4区1.33kg

(cd)で, 21Rが有意に劣った。

増f本日量は 1区O.59kg (cd) , 2底 O.40kg (b), 3

区0.54kg(cd) , 4区0.55kg(cd)で,この場合も 2

区は有意に劣った。

飼料効率は 1区 0.44(d), 2区 0.41 (cd) , 3在

0.43 (d), 4区0.42 (cd)で,惹はなかった。

リジン 0.17%添加の効果をみると,採食日量の無

添加区は1.26kg (e),添加区は1.41kg (f),増体

日量は O.48kg (e) : O. 58kg (f),飼料効率は O.38

(g) : O. 42 (h)で,有意な効果が認められた。

トリプトファン 0.04%添加の効果をみると,採食

白最は無添加区の1.38kgに対し,添加区は1.40kg,

増体日量は O.55kg : O. 56kg,銅料効率は 0.40:O. 40

で,いずれの項gも差はなかった。

2回にわたる試験結果から, トリプトファンの添

加は効果がなく,給与した程度の低 CP飼料でも,

要求量は満たされているものと解せられる。

⑥ Wahlstromらの研究

南ダコタ州立大学の R. C. Wahlstromら(1985)

は, 4週齢,体重 9kgの交雑種離乳豚を用い, 35日

間の餌養試験を行なった。

給与飼料の配合割合と含有成分をみると, CP

12%飼料はトウモロコシ86.7%,ヒマワリ粕 10.2%,

塩酸 L リジン 0.52%,その他 2.58%で,含有成分

は計算催としてリジン 0.87%, トリプトファン

0.11%,トレオニン 0.49%,イソロイシン 0.54%,

メチオニン 0.26%である。

CP 16%飼料は, トウモロコシ 74.67%,ヒマワ

リ粕 22.7%,塩畿Lリジン 0.35%,その他 2.28%

で,含有成分(計算値)はリジン 0.87%, トリプト

ファン 0.17%, トレオニン 0.64%,イソロイシン

0.68%,メチオニン 0.34%である。

試験 l区は CP12%飼料のみ, 2区はトリプトファ

ン 0.05%添加, 3区はトレオニン 0.1%添加, 4区

はトリプトファン 0.05%とトレオニン 0.1%,5区

はトリプトファン 0.05%,トレオニン 0.1%,イソ

ロイシン 0.1%添加, 6区はトリプトファン 0.05%,

トレオニン 0.1%,イソロイシン 0.1%,メチオニ

ン0.1%を, CP 12%飼料をそれぞれ添加した。

試験の結果をみると,増体日量は l区O.30kg (b),

2区O.36kg (bc) , 3 IR O. 29kg (b), 4区0.45kg(cd) ,

5区0.48kg(d), 6区0.47kg(d), 7区0.49kg(d)

で 1,3区は小さく, 5, 6区は CPが4%も多い 7

区と間じ発育をとげた。

採食日量は l区0.86kg(bc) , 2区0.99kg(bc) ,

3区O.78kg (b)と少なく, 4区1.07kg (d), 5箆1.11kg

(d), 6区1.11kg (d), 7区1.10kg (d)と多かった。

銅料要求率は l区2.87(b), 2区2.75(b), 3区

2.63 (bc)と悪かったが, 4区2.37 (cd) , 5区2.33

(d), 6区2.38(cd) , 7区 2.27 (d)と良かった。

血清中の尿素態窒素 (mg/dZ)も閉じ傾向で, 1区

11. 0 (b), 2芭 11.4 (b), 3匹 11.1 (b)と高かった

が, 4 IR 9. 4 (b), 5区7.9(c), 6区9.6(bc)と少

なく, 7区は 14.8(d)と非常に高かった。

ニの結果をみると, リジン添加の CP12%の低蛋

臼賓飼料に, トリプトファン(2区)や, トレオニン

(3区)を単独に添加しても,増体量や餌料要求率に

影響を及ぼさなかった。

しかし,トリプトファンとトレオニンを同時に添

加 (4区)した場合は, CP 16%飼料(7区)と,統計的

には同じ増体量と飼料要求率を示した。

さらにイソロイシン (5区),メチオニン (6区)

を添加しても,成績を改善することはなかった。

このため CP12%のトウモロコシ・ヒマワリ粕飼

料の制限アミノ酸は,トリプトファンとトレオニン

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大成:養豚周飼料におけるトリプトファン要求量 813

ということになり,血清中の尿素態窒素合最も

の事実を裏づけている。

⑦ Wahlstromら の研究

Wahlstromら(1987)は前項に引き続き,低蛋白質

飼料(12%または 13%)に, L-トリプ i、ファンを段

措的に添加した餌料と, CP 18%飼料の飼養成績を

比較している。

試験1は交雑種の離乳子豚(体重6.2~6. 3kg) 144

頭を用い,トウモロコシ81.2%,ヒマワリ粕 14.1%,

その他 4.7%の CP13%飼料に, L-トリプトファ

ンを 0.14%から 0.22%まで, 0.02%刻みに 5段階

添加した飼料と, CP 18%, トリプトファン 0.23%

飼料を比較した。

この結果,憎体日量は O.24kgからトリプトファ

ン添加量の増加とともに漸増し, 0.30kgに達したが,

CP 18%区の 0.35kgに及ばなかった。

採食日量も 0.46kgから O.56kgに増加したが, CP

18%症の 0.58kgに及ばなかった。餌料要求率も同

じ傾向で, 2,05から1.88と改善されたが, CP 18%

区の1.73に及ばなかった。

試験 2は交雑種離乳豚(体重 9.7kg)の離乳豚 96

頭を用い,トウモロコシ86.1%,ヒマワリ粕 10.2%,

その他 3.7%の CP12%飼料(トリプトファン

O. 104%)の 1区に, L トリプトファンを 0.025%

刻みに段j法的に添加した 0.204%館料と, CP 18%

飼料(トリプトファン 0.210%)を比較した。

増f本日量は 1毘(トリプトファン 0.104%)の

0.26kgから, 2区(0.129%)の0.35kg,3区(0.154%)

の0.44kgまで漸増したが, 4IR (0. 179%)も0.44kg,

5区(0.204%)は0.43kgと増加しなかった。CP18%

(0.210%)尽は, 0.45kgである。

採食日量も伺じ傾向で, 1区0.63kg,2区0.79kg,

3区 0.94kgと増加,以後 4区 0.95kg,5区 0.94kg

と横遣いで, CP 18%区は 0.91kgで、あった。

飼料要求率は 1区2.38, 2区2.30,31R2.17, 4

区2.14,5区2.21で, CP18%区は 2.00であった。

以上の成績をもとに種々検討したが,結論として

体重 6~22kg の子豚の,トリプトファンの最少要求

量は 0.16%とみなされた。これは試験 lの2区,試

験 2の 3区に相当する。

⑧ Baker らの研究

イリノイ大学の D. H. Bakerら(1993) は,体

重1O~20kg の子豚のトリプトファン要求量を暁ら

かにするため, 4田の試験を実施した。

試験に用いたトリプトファン欠乏基礎飼料は,ト

ウモロコシ (CP7.5%)32.0%,脱皮大豆粕 (CP

45.9%) 2.0%,フェザーミール(CP80.3%) 10.0%,

コーングルテンミール(CP62.3%)8.4%,乾燥ホ

エー (CP12%) 12.0%,煎糖 10.0%,コーンオイル

2.0%,第 2リンカル1.75%,炭カル1.0%, トレ

スミネラル 0.35%,どタミン 0.2%,塩化コリン

(60%) O. 10%,抗生物質 0.5%,硫駿銅 0.10%,塩

酸 Lーリジン1.0%, DL メチオニン 0.10%,Lー

トレオニン 0.05%,塩酸 L ヒスチジン 0.05%,

コーンスターチ残余,計 100%である。

この飼料は CP18%, ME 3,320kcal/kg, トリプ

トファン 0.11%を含有している。

試験 1は盲腸切除鶏および成鶏を用いた実験で,

基礎飼料中のトリプトファンの真の消化率は 70%,

可消化トリプトファン 0.077%と算定された。

試験 2は体重 9.8kgの子豚 12頭を用い, 14日間

実施した。

1区のトリプ i、ファン欠乏餌料給与豚の増体日量

は 138g(d),飼料効率は 0.318(d), 2置は l区+

Lートリプトファン 0.10%の添加区で,増体日量は

553g (e),館料効率は O.607 (e)である。

3区はトウモロコシ 56.8%,脱皮大豆粕 27.3%,

乾燥ホエー10.0%,コーンオイル 2%,ビタミン,

ミネラル,抗生物繋 3.9%の CP18%飼料を給与し

た。

増休日量は 601g(e),飼料効率は 0.608(e)で,

l区は劣るものの 2区, 3区には有意差は認められ

なかった。

試験 3は体重 10.9kgの子豚 12頭を用い, 18日間

試験を実施した。

試験1区はトリプトファン欠乏飼料区で可消化ト

リプトファンを 0.077%含有した。 2区は l涯に L

トリプトファン 0.015%添加(0.092%),3区は l

E互にトリプトファン 0.03%添加した。百円高化トリプ

トファン量としては, 0.030%である。

4区は 3区に L…トリプトファン 0.045%添加

(0.122%),5区はl区にLートリプトファン0.060%

添加 (0.137%), 6区は 1区に L トリプトファン

0.075%添加 (0.152%)した飼料を給与した。

土首体日量をみると, 1区131g,2区270g,3区298g,

4区430g,5区621g,6区 582gで, 5区の増体が最

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814 畜産の研究第 63巻 第8号 (2009年)

大で、あった。

飼料効率(増体 g/採食量 kg)は,

l区 272g,2区 402g,3区 458g,

4匹 569g,5区 561g,6区 604g

表 l 若齢豚のトリプトファン要求量 (1973以降)D. H. Bakerら, 1993

豚の体重 飼料中のCP トリプトファン要求量

kg % 飼料中% CP中の%

で、あった。Boomgaardt and Baker(1973) 10 10 0.071 0.71 Boomgaardt and Baker(1973) 10 14 0.094 0.67

増 体日最は可消化リジン

0.137%の 5区が,飼料効率は可

消化リジン 0.122%の4区が最大

Boomgaardt and Baker( 1973) 10 18 0.119 0.66 Zimmerman (1975) 5 18.8 0.15 0.80 Leibholz (1981) 6 20.3 0.164 0.80 Wahlstrom et aJ(1985) 9 12 0.16 1.33

となった。LaRue et aJ (1985) 6 15 0.14 0.93 日orget aJ (1985a) 6 13 0.198 1.52 Borg et aJ(1985b) 10 12 0.154 1.28 Borg et aJ(1987) 6 12.5 0.16 1.28 Sato et aJ (1987) 10 17.5 0.16 0.91 NRC(1988) 10 18 0.14 0.78

試験4は体重9.5kgの子豚を用

い, 17日間飼育した。 1区はトリ

プトファン欠乏額料区(可消化ト

リプトファン 0.107%),2区は l

区に Lートリプトファン 0.045%

Burgoon and Knabe (1990) 6 22 0.18 0.82 Han et aJ (1992) NRC(1998)*

添加(0.122%)した。*筆者が記入

3区は l区に Lートリプトファン 0.060%添加

(0.137%),4区は1区にLートリプトファン0.075%

添加 (0.152%)した。

僧体日量は 1区459g,2区574g,3区631g,4区

608gで, 3区の可消化トリプトファン 0.137%区が

最高であった。

館料効率(増体g/採食量kg)は1区550g,2区626g,

3区650g,4区638gで, 3区が最も良かった。

以上試験 3と試験 4の結果から, CP 18%銅料を

給与する場合のトリプトファン要求量は,可消化ト

リプトファンで 0.14%と推定された。

トウモロコシ・大豆粕飼料中の真の消化率は 88%

であるので,トリプトファン含量としては 0.16%と

なる。これを蛋白質中の含量でみると 0.89%にあた

る。

この当時の飼料中の全トリプトファン要求量は,

0.14%というのが主流であるので,上記の 0.16%か

らすれば少ないことになる。表 1はこの当時のトリ

プトファン要求量についての研究の経過を示すが,

現在の NRC標準(1998)の全トリプトファン要求量

は,体重1O~20kg 豚(スタータ一期)は 0.21%で随

分と多い。見かけの回腸消化率の場合は 0.16%,真

の回腸消化率では 0.18%である。

3. 育 成豚のト 1)プトファン要求量

ケンタッキ一大学のL. E. Russellら(1983)は,

育成豚(体重 18~35kg) に対し, CP 12%のトウモロ

コシ・大豆粕飼料に対する,アミノ酸の添加効果を

10 18 0.16 0.89 10 15 0.21 1.40

みている。

試験は銅養試験を 4回,窒素ノ〈ランス試験を l回

実施した。供試豚YH雑種 303頭である。

給与銅料のうち基礎飼料は, トウモロコシ

87.15%,脱皮大豆粕 9.50%,塩酸Lーリジン 0.38%,

MHA 0.12%,その他 2.85%のCP12.0%,計算値

としてリジン0.81%,メチオニン+シスチン0.60%,

イソロイシン 0.60%, トレオニン 0.52%, トリプ

トファン O.14%の餌料である。

正の対照区は, トウモロコシ 77.65%,脱皮大豆

粕 19.50%,その他 2.85%の CP16.0%飼料で,計

算値としてリジン 0.81%,メチオニン+シスチン

0.58%,イソロイシン 0.82%,トレオニン 0.68%,

トリプトファン 0.20%を含んである。

試験 I は体重 23~50kg まで, 42日間実施した。

供試頭数は 75 頭,試験 1~4 区は CP 12%,添加ト

リプトファンは 0%,0.015%, 0.030%, 0.045%と

し, 5区は CP16%の王の対照区飼料を給与した。

結果は増体日量,飼料要求率の点で,いずれの試

験豆も 5区の正の対照区に劣った。

試験区中最も成績の良かった 4区と 5区を比較す

ると,増体日量は 636g:742g,採食日量は1.98kg

1. 99kg,飼料要求率は 3.10・2.69ということであ

る。

試験 2は体重 13.9kgから 29.9kgにいたる 34日

間,供試豚 84頭を用いて実施した。

試験 1~6 区は CP 12%飼料で,これにトリプト

ファンを 0.02%添加 (2区), 0.04%添加 (3区), ト

Page 7: 養豚用飼料におけるトリプトファン要求量分と低い結果である。大成:養豚用飼料におけるトリプトファン要求量 あった。811 上記のL トリプトファン0.115%という値は,CP

大成:養豚用飼料におけるトリプトファン要求量 815

レオニン 0.1%,イソロイシン 0.1%添加(4区),ト

リプトファン 0.02%,トレオニン 0.1%,イソロイ

シン 0.1%添加(5区), トリプトファン 0.04%,ト

レオニン 0.1%,イソロイシン 0.1%添加(6区), 7

区は CP16%飼料とした。

試験の結果をみると, 1~5 症はいずれも正の対照、

区(7亙)に劣り, 6区だけが 7区なみの成績となっ

た。

6区と 7区を比較すると,増体日量は592g:575g,

採食日量は1.41kg : 1. 35kg,飼料要求率は 2.38:

2. 34である。

試験 4は体重 13.7kgから 27.6kgまで 31日間,

供試豚 72頭を用いて行なった。

試験 1~8 区は CP 12%, 9区は CP16%の正の対

照区である。試験 1区はアミノ酸無添加の CP12%

飼料, 2区はトリプトファン 0.04%添加, 3区はト

レオニンを 0.1%添加した。

4区はトリプトファン 0.04%とトレオニンを

0.1%添加, 5区はメチオニン 0.1%添加, 6区はト

リプトファン 0.04%と,メチオニン 0.1%添加, 7

区はトレオニン 0.1%とメチオニン 0.1%添加, 8

区はトリプトファン 0.04%,トレオニン 0.1%,メ

チオニン 0.1%を, CP 12%飼料にそれぞれ添加し

た。

この結果をみると, JEの対照区(9区)に匹敵する

のは,増体日量の点では 4区の 505g,6区の 507g,

8区の 543gで, 9区の 510gに近い。

飼料要求率で 9区の 2.32に匹敵したのは 4毘の

2.39と, 8区の 2.30である。問項医の比較からト

リプトファンの 0.04%,トレオニンの 0.1%が,対

照区の CP16%に近づく大きな要因といえる。

試験5は体重18.4kgから 34.3kgまでの 28日間,

48頭の供試豚を用いて実施した。

給与飼料はし、ずれの区も CP12%飼料で, トリプ

トファン添加量は 1区0%,2臣0.01%,3区0.02%,

4区0.03%,5芭 0.04%,6区0.05%である。

これとは別に給与飼料にはリジン 0.3%,メチオ

ニン 0.1%とトレオニン 0.1%が添加されている。

したがってこの飼料のアミノ酸含量は,リジンの

計算値は 0.81%,分析値は 0.87%,メチオニン十

シスチンは 0.58%と 0.59%,イソロイシンは

0.60%と0.64%, トレオニンは 0.52%と0.56%,

トリプトファンは1.4%と1.4%である。

増体日量,採食日量,飼料要求率の点からトリプ

トファンの適正添加量をみると, 4区の 0.03%添加

で,増体日量は 616g,採食日量は1.49kg,飼料要

求率は 2.43で、あった。

試験結果は窒素摂取量,糞への窒素排池最,尿へ

の窒素排池量,窒素の吸収量,窒素蓄積蓑,窒素の

摂取量に対する蓄積率,窒素の吸収量に対する蓄積

率,血清中の尿素態窒素濃度で比較している。

いま窒素の蓄積量をみると, 1区12.4g,2区12.0g,

3区 12.3g, 4 IK 14. Og, 5註 14.3gで,トリプトファ

ンだ、けの添加は効果がなかったが,トレオニンの添

加により蓄積量を増している。しかし CP16%の正

の対照区には及ばなかった。

つぎ、に 5区と 6区を比較すると,窒素の摂取日最

は23.3g:30. 7g,糞への窒素排池a量は5.9g:6. 9g,

尿への窒素排准日量は 3.Og: 7. 2g,蜜素の吸収R量

は 17.3g:23. 8g,窒素の蓄積日量は 14.3g : 16.6g

と後者が多い。

窒素の摂取量に対する蓄積率は 61.6% : 54.0%,

窒素の吸収量に対する蓄積率は 82.6%: 69. 7%,血

清中の尿素態窒素(mg/dl)は 3.6:7.9で、あった。

試験結果からみると,体重 18~34kg の育成豚に,

トウモロコシ・大豆粕飼料を自由摂取させた場合,

全トリプトファンの要求量は 0.17%,有効トリプト

ファンとしては 0.13%といえる。

この量は NRC標準(1998)のグロワー豚(体重

20~50kg) の要求量と全く同じである。

4. 妊娠豚における

ト リ プ ト フ ァ ン 要 求 量

アイオワ州立大学の MeisingerとSpeer(1979)は,

妊娠豚のトリプトファン要求量について,前期は

1. 44g/ fヨ,後期は1.6g/日(飼料中 0.09%)として

いる。

間大学の LewisとSpeer(1987)は,妊娠期のトリ

プトファン量は 0.072% (CP 7. 1 %),授乳期は館

料中 0.12%,日量にして 6.3gと算定している。

豚に対するトリプトファンの研究は,合成トリプ

トファンの出現により大いに進歩したが,初期の段

階では DLートリプトファンが主に使用されたが,

現在市販されているのはL型である。

妊娠豚におけるトリプトファン要求量を各国の

飼養標準でみると,日本標準(2005)は飼料中 0.08%,

Page 8: 養豚用飼料におけるトリプトファン要求量分と低い結果である。大成:養豚用飼料におけるトリプトファン要求量 あった。811 上記のL トリプトファン0.115%という値は,CP

816 畜産の研究第 63巻第8号 (2009年)

NRC標準(1998)はO.10~0. 11 %, AEC標準(1987)

は0.08%,アイオワ州立大学(1996)は初産豚0.11%,

3産豚は 0.10%とし,結局のところ館料中のトリプ

トファン量は O.08~0. 11 %といったところである。

日本標準では妊娠豚の体重を 175kg,採食B量を

2. 13kgとしているが,精しくは産次により異なる。

つまり初産次は体重 130kg,採金日量 2.04kg,2

産次は 155kgと2.11kg,3産次は 175kgと2.13kg,

4産次は 190kgと2.24kg, 5産次は205kgと2.22kg,

6産次は 215kgと2.17kgである。

NRC標準では,交配時の体重を 125kg,150kg,

175kgと200kgの 4段措,妊娠による増体を 30kg,

35kg, 40kg, 45kgと55kgの5段階,予想、子豚数を

11頭, 12頭, 14頭の 3段階とし,これらを組合せ

て6様のトリプトファン要求量を示している。

かりに交配時体重を 125kg,妊娠による増体を

55kg,予想、産子数を 11頭とすれば,飼料中のトリ

プトファン量は 0.11%となる。

例2の 150kg 45kg -12頭の場合の飼料中のトリ

プトファン量は 0.11%,例 3の 175kg-40kg 12

頭の場合も 0.11%,例 4の 200kg-35kgω12頭の場

合は 0.10%,例 5の 200kg-30kg -12頭の場合も

0.10%,例 6の 200kg叩 35kg-14頭の場合は 0.11%

といった具合である。

いろいろと条件は変わるにせよ,銅料中のトリプ

トファン量は O.10~0. 11%の中に収まる。

以上のトリプトファンは,トータルトリプトファ

ンというべきもので,わが閣では一般にこの種のト

リプトファン量が用いられている。

NRC標準では以上のほか見掛けの回腸消化

率Jとか真の回腸消化率j によるトリプトファ

ン要求量をも示している。

AEC標準では母豚 l頭当たりの年間産子数を 20

頭, 1腹当たりの分娩子豚数を 11.4頭, 1腹当たり

の離乳頭数を 9.5頭,初産自齢を 350日,発情再帰

日数を 10El,母豚の年間分娩回数を 2.4回を目標

として,繁殖豚を飼育している。

アイオワ州立大学の目安は,初回の交配時体重を

132kg,妊娠中の増体最を 1~3 産次は 37~41kg, 4~

5産次は 34kg,6~8 産次は 20kg としている。

妊娠中の母豚の1日当たりのトリプトファン要求

量をみると,ミズリ一大学の Alleeとイリノイ大学

のBaker(1970)は2.0g,Bakerら(1970)は1.Og,

カロライナ州立大学の Clawson(1963)らは 2.0g,

Aubure大学の Frobishら(1966)は2.2g,ミネソタ大

学の HawtonとMeade(1971)は1.8g,テキサス農工

大学の Hesbyら(1970)は 2.6g,アイオワ州立大学

の HoldenらC1968,1971)は1.8g,アイオワ州立大

学の Lucas ら(1969)も1.8g,イリノイ大学の

Miller(1969)は1.9gで,これらを平均すると, 1. 9g

となる。

OSpeerとMeisingerの研究

アイオワ州立大学の V. C. Speerと D. J. Mei

-singer (1979)は,交雑種(HXSXyxL)の若錐豚

25頭を用い,妊娠豚のトリプトファン要求量をみる

ため,飼養試験と窒素出納試験を行なっている。

供試館料はトウモロコシ,ゼラチン,アミノ酸プ

レミックスを用いた半精製飼料で,トリプトファン

摂取量(鎮・日 og)が l区0.64,2区1.04, 3区1.44,

4区1.84, 5区2.24になるよう設定した。

1 El 1頭当たり飼料給与量は,初産豚 2kg,経産

豚1.82kgで,授乳期にはトリプトファン 0.09%を

含むトウモロコシ・大立粕飼料を, 4~4. 75kgを,

全区間ーに給与した。

餌料中のトリプトファン量は,子豚の体重,子豚

の増イ本日量,母豚の泌乳量,母乳の図形分や窒素含

量,発i青再帰日数に大きく関係した。

この結果から妊娠豚に対するトリプトファンは,

1. 44g区(3区)が最適で, トウモロコシのトリプト

ファン利用率を 90%とすると, 1日1頭当たりでは

1. 53gで充分ということである。

これからすれば,リジンを適当に含むトウモロコ

シ・大豆粕餌料を与えている場合は,さらに合成ト

リプトファンなどを添加する必要はないわけであ

る。

5. 援乳豚のトリプトファン要求量

授乳豚におけるトリプトファン要求量は,日本標

準では館料中 0.17%,NRC標準は O.15~0. 19%,

AEC標準は 0.14%,アイオワ州立大学(1996)は表 2

のとおりである。

日本標準では晴乳子豚は 10頭,泌手L量は初産

6.5kg,経産豚 7.5kgを想定,授乳期間は 28日,こ

の間の母豚の体重(体脂肪)減量は 7kg,1日当たり

の減少量は 250gとしている。

初産次の体重は 165kg,採金日量は 4.51kg, 2産

Page 9: 養豚用飼料におけるトリプトファン要求量分と低い結果である。大成:養豚用飼料におけるトリプトファン要求量 あった。811 上記のL トリプトファン0.115%という値は,CP

大成:養豚用飼料におけるトリプトファン要求量 817

表 2 授乳豚m飼料のトリプトファン要求量

一腹採

子豚数 10ポンド 11ポンド 12ポンド4.5kg 5.0kg I 5.4kg

8 0.20% 0.19%1 0.17% 9 0.21 0.20 0.19 10 0.22 0.20 0.19 11 0.23 0.21 0.20 12 0.24 0.22 0.21

lアイオワ州立大学, 1996)

次は 185kg-5. 25kg, 3産次は 200kg-5. 35kg, 4産

次は 215kg“ 5.45kg, 5産次は 225kg-5. 52kg, 6産

次は 230kg-5. 55kgである。

授乳豚の体重を 200kg,採食日量を 5.3kgとした

場合,飼料中のトリプトファン量は 0.17%となる。

1 13量としては 8.9gである。

NRC標準では母豚の分娩持体重は 175kg,授乳期

中の予想、体重変動を Okgまたは-10kg,自甫乳子豚の

増体日量を 150g,200g, 250gとし,これらを組合

せて 6様のアミノ酸要求最を示している。

かりに分娩時体重を 175kg,授乳期中の母豚の体

重変化を Okg,P荷乳子豚の増体日量を 150gとした場

合は,銅料中のアミノ駿含量は 0.15%,200gの場

合は 0.16%,250gの場合は 0.17%となる。

授乳期中の母豚の体重変化がマイナス 10kg,晴乳

子豚の増体日量が 150gの場合は 0.17%,200gでは

0.18%, 250gでは 0.19%となる。

授乳豚のトリプトファン要求量をみると,イリノ

イ大学の Bakerら(1971)は 1日1頭当たり 5.2gと

している。

これは採食日量を 4.0kg,飼料の消化率を 80%,

泌乳日量を 6.0kgを基礎数値としている。

アイオワ州立大学の Holden ら(1968)と, Lucas

ら(1969)は, トリブトファンの必要日量を 5.7gと

しているが,これは採食日量を 5.7kgとした場合の

ものである。

オハイオ州立大学の Mahanら(1971)は, トリプ

トファン必要最を初産豚の場合は 6.0g,経産豚は

7.0gとしているが,前者の採食日量を 3.5kg,後者

を4.1kgと想定している。

アイオワ州立大学の Ganguliら(1971)は, トリプ

トファンの必要最を 5.4gとしているが,この場合

の採食日量は 5.45kgである。

以上 5つの研究報告から,トリプトファンの平均

要求量を求めると 5.9gとなった。

食 日 最13ポンド 14ポンド 15ポンド 16ポンド5.9kg 6.4kg 6.8kg 7.3kg 0.16% 0.15% 0.14% 0.17 0.16 0.15 0.14 0.18 0.17 0.16 0.15 0.19 0.18 0.17 0.16 0.20 0.19 0.18 0.17

OLibalらの研究

南ダコタ州立大学の G. W. Libalら(1997)は,

初産豚(ランドレース種×ラージホワイト種),経産

豚(デュロック種×ハンブロシャ一種)を計115頭を用

い,妊娠期は CP14%の妊豚ffl飼料を l日l頭当た

り1.8~2. Okg給与した。

妊娠 110日に分娩豚舎に移動し,試験期間(授乳

期)の 21日間は,基礎飼料(トリプトファン 0.12%)

と,これに L トリプトファン 0.05%を添加,計

0.17%とした試験区を設けた。

給与館料の配合割合は表 3のとおりである。各餌

料区ともトウモロコシ,大豆粕,第 2リンカル,炭

カル,食塩, トレスミネラノレ,どタミンを用い,塩

酸 Lーリジン, L-トリプトファンにより,アミノ

酸を調節した。

妊娠期餌料は CP13. 7%,リジン 0.65%,トリプ

トファン 0.17%,授乳期飼料は CP11. 5%,リジン

0.75%,トレオニン 0.47%。トリプトファン 0.14%

と0.19%,Ca 1. 8%, P 0.8%である。

供試母豚数は対照区(トリプトファン 0.12%)は

58頭,試験毘(悶 0.17%)は 57頭,生存分娩子豚数

は9.9頭:10.3頭(1日齢), 8.3頭:8.5頭(2113齢),

生存率は 85.0% : 83. 5%で,いずれも有意差は認め

られなかった。

一腹子豚の 21日間の増体量は 34.5kg:34.0kgで¥

この場合も有意差は認められなかった。

母豚の体重は l日齢は 218kg: 225kg, 7日齢は

216kg: 218kg, 14日齢は 211kg:213kgで、差はなかっ

たが, 21 13齢になると 208kg: 212kgで,試験Eが

有意に重かった。

授乳期中の体重変化をみると, (-) 13. 2kg :

(一)9.4kgで,対照区が大きかった。

母豚の採食量をみると, 1~7 日は 33kg: 36kg, 8~

14日は 42kg: 46kg, 15~21 日は 48kg: 55kg,合計

量は 121kg: 136kgとなり, 1~7 日以外はいずれも

Page 10: 養豚用飼料におけるトリプトファン要求量分と低い結果である。大成:養豚用飼料におけるトリプトファン要求量 あった。811 上記のL トリプトファン0.115%という値は,CP

818 畜産の研究第63巻

試験区が勝った。採食日最も 5.8kg : 6. 5kgで,試

験区が有意に多かった。

血築中の尿素態窒素濃度 (mg/dZ),アミノ酸濃度

(mg/dZ)を, 1区(トリプトファン 0.12%),2匹(間

0.17%), 3区(基準飼料)でみている。

供試母豚数は 1,2区は 19頭, 3区は 11頭であっ

た。血築中の尿素態窒素濃度は l区12.2,2区10.0,

3 IK 12.9で, 2区が低かったが有意差はなかった。

アノレギニンは1.61 : 2.75 : 2.79, ヒスチジンは

3.60:4.58:4.99,イソロイシンは 0.89:1.57:1. 42,

ロイシンは 2.06:2. 89: 3.71,リジンは 2.29:3. 56:

3.08,メチオニンは O.18 : O. 32 : O. 20, トレオニン

は 7.77 : 8. 04: 17. 78,チロシンは1.49 : 1. 91 : 1. 75

で,いずれも有意差は認められなかった。

車簡差が有意に認められたのはフェニルアラニ

ンの O.75 : 1. 25 : 2. 06, トリプトファンの 0.26:

1. 18 : 0.64と,パリンの1.60 : 2. 23 : 3. 62の 3種

類だけであった。

以上の結果をみると,授乳豚の場合飼料中のリジ

ン含量が 0.75%, トリプトファン含量が 0.12%で

も飼育が可能だが,採食量や母豚の体重変化などを

考えた場合,トリプトファンは 0.17%の方が良いと

いうことである。

日本標準(2005)では,授乳豚にはリジン 0.87%,

トリプトファン 0.17%を奨めている。

表 3 {共試銅料の配合割合(採食ベース%)

第8号 (2009年)

6. 授乳豚におけるトリプト

ファン:分枝鎖アミノ酸

イリノイ大学の R.A. Easterら(1995)は, YDお

よびケンボロ一種の初産豚 76頭を用い,飼料およ

び血柴中のトリプトファン.分校鎖アミノ駿比が,

採食量や泌乳代謝に及ぼす影響をみている。

なお分校鎖アミノ駿 (Branched-Chin Amino

Acids)とは,ロイシン,パリン,イソロイシンのよ

うな,分校鎖を持つアミノ酸のことで, BCAAと略

されている。

給与飼料は l区(対照、底)と, 2区(試験区)の 2穫

とした。両亙共通の配合割合はトウモロコシ

74.93%,大豆粕 (44%)15. 68%,大豆油 2%,第 2

リンカλレ,炭カル, トレスミネラル食塩,ビタミン

プレミックス計 3.39%である。

これに加えて l区にはコーンスターチ 4%,2区

にはコーンスターチ 2.44%,L-ロイシン 0.438%,

L パリン 0.579%,Lーイソロイシン 0.539%を追

加した。

含有成分(計算値)をみると, CPはともに 14%,

DEは 3.534: 3. 472kcal/kg,リジンはともに 0.68%,

ロイシンは1.46 : 1. 90%,パリンは 0.75:1. 33%,

イソロイシンは 0.60:1. 14%,トリプトファンはと

もに 0.18%である。

分析値はロイシンは1.47: 1. 82%,

パリンは 0.61・1.18%,イソロイシ

授乳期ンは 0.55: 1. 03%, トリプトファン

は O.15 : 0.14%で、あった。

トウモロコシ 82.17 大豆粕 (CP44%) 15.2 第2リン酸カノレシウム 1.2 石灰石粉 0.8 食塩 0.5 塩酸LーリジンLートリプトファントレスミネラノレ,ミックス 0.05 ビタミン,ミックス 0.08 i口k 言十 100 含有成分(計算{直),%

CP 13.7 リジン 0.65 トリフ。トファン 0.17 トレオニン 0.56 Ca 0.66 P 0.55

分析値%CP

リジントリプトファントレオニン

基礎銅料基礎十トリプトファン基準飼料83.2 83.15 83.39 10.1 10.1 10.1 2.7 2.7 2.7 3.0 3.0 3.0 0.5 0.5 0.5 0.32 0.32 0.13

0.05 0.05 0.05 0.05 0.13 0.13 0.13 100 100 100

11.5 11.5 11.5 0.75 0.75 0.60 0.14 0.19 0.14 0.47 0.47 0.47 1.8 1.8 1.8 0.8 0.8 0.8

12.5 12.2 12.2 0.73 0.75 0.63 0.12 0.17 0.11 0.49 0.45 0.50

トリプトファン:BCAAの計算値

は 64.1 : 41. 2,分析値は 58.1 : 35.2

である。

(註)トリプトファン:BCAA比

〔トリプトファン%/(ロイシン%

十パリン%十イソロイシン%)J x

1. 000

供試豚には妊娠 107日から分娩ま

で,各供試餌料を1.8kg給与,授乳

類は不断給飼とし,試験は 2回行なっ

た。

採食日量はグラフで示されている

が,分娩後 6~11 日は 1 区が 2 1Kよ

りも有意(P<0.08)に多かったが,こ

Page 11: 養豚用飼料におけるトリプトファン要求量分と低い結果である。大成:養豚用飼料におけるトリプトファン要求量 あった。811 上記のL トリプトファン0.115%という値は,CP

大成.養豚用飼料におけるトリプトファン要求量 819

表4 標準トリプトファン蚤を充足するに足る主蛋白源、の配合率

体重トリプトファン主筆白源による主蛋自滅による

主蛋白羽車、のkg

飼料名 必要量% 給与率% トリプトファン 主蛋白源、配合率%

給与率%1-5 ミルク,リプレ サ 0.26 100 0.26 脱脂粉乳 55 5-10 プレスクーター 0.24 80 0.192 脱脂粉乳 41 10-20スクーター 0.21 70 0.147 脱脂粉乳 31

乾燥ホェー 79 20-30グロワー(前期) 0.19 50 0.095 大豆粕 36 30-50グロワー(後期) 0.16 40 0.064 大豆粕 24 50ー 70フイニッシャー(前期) 0.14* 30 0.042 大豆粕 16 70-115フィニッシャー(後期) 0.11ネ 30 0.033 大立粕 12 妊娠豚 0.08* 30 0.024 大豆粕 9 授乳豚 0.17 50 0.085 大豆粕 32 *ノj、麦中のトリプトファンは0.150%のため蛋白源の配合は不要

のほかの日齢は差がなかった。

体重変化は YD種と PIC種に分け,棒グラフで示

している。まず前者をみると週と 3週は街区と

も増加し, 2週と 4週はともに減少しているが, 1~

4週でみた場合の体重変化は,両区間に差はなかっ

た。

後者では l週目は体重が増加, 2週障は減少, 3

逓自は増加しているが, 4週目は l区は減少, 2区

は増加した。 1~4 還でみた場合, 1区に対し 2区は

有意に増加した。

授乳期における一腹子の成績をみると,供試母豚

数は l区 32頭, 2区 34襲,分娩時の平均体重は

1. 47 : 1. 47kg,子豚数は 8.53: 8.51頭,一腹子体

重は 12.47: 12. 46kgで全く惹がなかった。

21日齢の成績をみると,平均体重は5.38:5.47kg,

子豚数は 8.15 : 8. 12頭,一腹子体重は 43.44:

43.90kgである。

28日齢の成績は,平均体重は 6.82 : 6. 96kg,子

豚数は 8.12・8.14頭,一腹子体重は 54.90 : 56. 13kg

で,いずれの項目についても有意差は認められな

かった。

血親中の代謝産物についてみると,分娩前 7S,

分娩後 1S, 7日, 14日と 21日に 1区と 2区を比

較している。

パリン(nmol/mt)は l区211,2[K297,ロイシン

は 191:183,イソロイシンは 85:103,トリプトファ

ンは 42:43,アラニンは 545: 578,グルタミンは

386 : 413, グルタミン酸は 254: 199でらあった。

グルコース (mg/dt)は 101: 98, NEFA(遊離脂肪

酸, μEqlOは 190:176,尿素態窒素(mmol/ml)は

4.4: 4.9,アンモニア (nmol/ml)は 154: 161,メチ

ノレヒスチジン(nmol/mt)は 35:39である。

概定した 12項目のうち,有意差の認められたの

は,尿素態窒素だ、けで、あった。

l区の血祭トリプトファン:BCAA比は,分娩前

7 Sは 54.0,分娩後 7日は 76.2を示したが,これ

らの値よりも分娩当日は 111.3が有意に高かった。

BCAAを添加した 2区の血築中のトリプトファ

ン:BCAA比は,分娩当日は 111:63,7日目は 76:

73となり,分娩早期で、は低かったが,他の鼠媛成分

には影響を及ぼさなかった。

分娩当日の採食R量と,血策中の遊離脂肪酸濃度

の間には,有意な棺関が認、められた。

分娩初期の血築中のトリプトファン:BCAA比を

低くすると,採食日量が有意に減少するようである。

日本標準の授乳豚用餌料では,トリプトファンは

0.17%,分校鎖アミノ酸は 2.31%で,その比は 73.6

である。

本試験では飼料中のトリプトファン :BCAA比を

みると,計算値では 1区 64,2区 41,分析値は 1

区58,2区 35で, 日本標準に比べ随分と低い。

トリプトファン:BCAA比の実用的な効果は,ど

の辺にあるのだろうか。

むすび

トリプトファンはリジン, トレオニンとともに,

養豚用館料にとっては,第 2,第 3の制眼アミノ酸

として,とくに重要な栄養成分である。

とりわけトウモロコシを主要穀物源とするわが

国や,アメリカにおいてはそうである。

ところが,小麦やパン屑など麦類を主なエネル

ギー源とする場合は,そうではない。

Page 12: 養豚用飼料におけるトリプトファン要求量分と低い結果である。大成:養豚用飼料におけるトリプトファン要求量 あった。811 上記のL トリプトファン0.115%という値は,CP

820 畜産の研究第63雲寺第8号 (2009年)

表 4は日本標準を基礎として,筆者がとりまとめ

たものであるが,代用乳に脱脂粉乳を 55%以上配合

する場合は,標準量のトリプトファンは充分充足で

きる。

実際の配合において, L-トリプトファンを添加

した方が,経済的で、あり,栄養学的だという場合も

あるであろうが,計算上は上記のとおりである。

表については細かな説明は省略するが,もし小麦

やその製品屑を給与する場合は,体重 50kg以降出

荷までの肉豚や,妊娠豚にはトリプトファンに関す

る補助蛋白源は不婆ということになる。

参考文献1)石本真,世界百科事典(21),P.416,平凡社,東京, 1958

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1995 19) (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 日本飼養襟準豚

(2005年版) 中央畜渡会東京,平成 17年。

新刊紹介

『きれいな牧場はなぜ儲かるのか?ー酪農の現場・ 50話』

著者:永井照久

体裁:B5半Jj110頁

定価:2,190円十税

発行:2009年 6月 20日

目次:1.意識的労働 2牛舎はオーダーメイド 3.合

成の誤謬 4.山あり谷あり 5.整理整頓①6.整理整頓

②7.生産性①8.生産性②9.生産性③10.総合力 11.

多様性 12.段取り勝負 13.知識と知恵 14.投資と効

果 15.目立たない農場 16.クツレーミング 17.ストレ

ス 18寒さ①19.寒さ②20.元気な子牛①21.元気な子

牛②22.五感について 23.五感一視覚24.五感一聴覚

25.五感一臭覚①26.五感 臭覚②27.五感一臭覚③

28暑さ 29.乳牛の靴 30.乳牛の時間割 31.乳牛の縄

張り 32.反甥は不思議33.データの解釈①34.データ

の解釈~35. データの解釈③36. 手L餌比 37. 乳量①38.

乳量②39.乳量④40.手L量④41.分娩間隔①42.分娩

間関②43乳牛からの応え 44.乳房炎①45.乳房炎②

46.繁殖とストレス 47.品種改良48.好奇心と観察力

49情報は有償 50.ピアノ

酪農業は,生乳を生産する「乳牛Jとし、う動物,

そして,それを飼養管理する「酪農家」という人間

によって構成されています。申すまでもない事実で

あり,忘れてはならない原点です。これは酪農が複

雑系と多様性を持ち合わせている産業であること

を表すもので,自然科学の究明によってさらに伸展

する側面を持ちつつも,常識と全体の調和・完成度

の高さを忘れることのないように求めています。安

直なマニュアルで、は歯が立たず¥特定の手法が万能

とはならない酪農の現場は,いつまでも興味が尽き

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