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電気回路学の復習(2)
2019.4.15
担当教官 山尾 泰
禁無断複製
回路システム学第二 2019@ YYamao
回路システム学第二 2019@ YYamao
復習項目
1
1. 回路方程式の立て方 KCL, KVL
2. 回路の正弦波定常解 微分方程式
3. 回路の交流インピーダンス
4. フェーザ 振幅と位相 実効値
5. 交流消費電力
6. テブナン/ノートンの定理
Ijdt
dI= =
j
IIdt
cosReRe **
mmL ivIVVIP ===
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テブナンの定理と整合
図1駆動回路
(問題1) 図1の駆動回路を端子v(t)から左に見たときの
テブナンの等価電源電圧 E0,および内部インピーダンス Z0
をフェーザ形式で求めよ.
ただし e(t) = sin ωt [V], R = 1[Ω], L = 1[H], C = 0.5[F] とする
2
フェーザ形式
交流解析
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直流 交流
電圧源
電流源
電源について
回路素子としての <4つの電源>
+
-
+
-
いずれも“理想化された”電源
E
J J(フェーザ)
E(フェーザ)
+
-
3
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電圧源と電流源の等価変換
j(t) v(t)
i(t)
Y0等価
0
0
1
ZY = かつ )(
)()( 0
0
teYZ
tetj ==
e(t) v(t)+
-
Z0
i(t)
ならば
この電圧源と電流源は回路として等価である。
内部インピーダンス/アドミタンスを有する電圧源と電流源があり、
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等価電圧源の定理(テブナンの定理)とは?
電圧源や電流源を含む回路の任意の2端子間にインピーダンス
Zを接続した場合に、 Zに流れる電流 Iは、
V0
+
-(1)2端子間の開放電圧 V0 (等価電源電圧)
Z+
-
I
等価 Z
I
+
-V0
Z0
Z0
+
-
短絡 開放
(2)回路中のすべての電圧源を短絡除去し、
電流源は開放除去した場合に、2端子間から
見たその回路のインピーダンス Z0
ZZ
VI
+=
0
0を用いて と表される。
5
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等価電流源の定理(ノートンの定理)とは?
電圧源や電流源を含む回路の任意の2端子間にアドミタンス Y
を接続した場合に、 Yの端子電圧 Vは、
(1)2端子間の短絡電流 I0 (等価電源電流)
Y0
+
-
短絡 開放
Y+
- V 等価 YVI0
Y0
I0
+
-
(2)回路中のすべての電圧源を短絡除去し、
電流源は開放除去した場合に2端子間から
見たその回路のアドミタンス Y0
YY
IV
+=
0
0を用いて と表される。
6
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等価電源電圧と 内部インピーダンスを求める
図1
(問題1) 図1の回路を端子v(t)から左に見たときのテブナンの
等価電源電圧 E0,および内部インピーダンス Z0 を
フェーザ形式で求めよ.
ただし e(t) = sin ωt [V], R = 1[Ω], L = 1[H], C = 0.5[F] とする
ZZ
EI
+=
0
0
i(t)
E0
Z0
v(t)
7
(1)等価電圧源 E0
ある2端子からみた等価電圧源の電圧 E0 は、その端
子を開放した場合に観測される電圧 V に等しい。
E
L
RCRj
ELjCRLR
LjVE
)(1
120
−+
=+−
==
R = 1[Ω], L = 1[H], C = 0.5[F] を代入すると
)1
2(1
0
−+
=
j
EE
そこで 前回の例題1-(4)で求めたV を用いて
等価電圧源定理(テブナンの定理)から
8
E; 交流電圧源 e(t)のフェーザ
ω;交流電圧源 e(t)の角周波数
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(続き) 交流電圧源 e(t)のフェーザ Eを求めよう
今、 ]2Im[)( tjEete =
2
12 == EeEe tjtj
)1
2(1
1
2
10
−+
=
j
E
これを代入すると
正 解等価電圧源のフェーザが複素数であるから、
もとの電圧源 e(t) に対して位相が回転する
電圧フェーザ E の定義式
]Im[sin tjet == であるから
オイラーの公式
振幅1の正弦波の実効値
( )
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Z0 は回路中のすべての電圧源を短絡除去し、電流源は
開放除去した場合に2端子間から見たその回路のイン
ピーダンスであるから、
(2)内部インピーダンス Z0
Z0R C L
すなわち、 R, C, L の並列インピーダンスを求めればよい。
並列回路のインピーダンスは各アドミタンスの和の逆数として求めるとよい並列回路のインピーダンスは各アドミタンスの和の逆数として求めるとよい
10
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(続き)
−+
=
++
=
L
RRCj
R
LjCj
R
Z
1
11
10
R = 1[Ω], L = 1[H], C = 0.5[F] を代入すると
−+
=
1
21
10
j
Z
正 解
11
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(問題2) 図1の端子に図2の回路を接続したときに、負荷インピーダンスRLで消費される平均電力が最大になる(整合している)ときの電源電圧e (t) の角周波数 ω を求めよ.ただし図1の回路条件に加えて、n1:n2=1:3, R = 9[Ω] とする。
図1+2
図1駆動回路 図2 負荷回路
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変成器を含む回路の等価回路
理想変成器においては、
(1)1次電圧 と2次電圧の比は一定で巻数比に等しい。
2121 :: nnVV =
V1V2
I1 I2
1
1
22 V
n
nV =
13
さらに
(2)1次側に入力される電力と2次側に出力される電力は等しい。
LRV
VI
V
VI
IVIV
1
2
22
1
21
2211
==
=
V2 に(1)の式を代入して
すなわち1次側の電流は、変成器がない
場合に比べると巻数比の2乗倍となる
すなわち1次側の電流は、変成器がない
場合に比べると巻数比の2乗倍となる
V1V2
I1 I2
LR
V
n
nI 1
2
1
21
=
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(続き)
1次側から図2の回路を見た等価インピーダンス Z2 は
V1V2
I1 I2
LRn
n
I
VZ
2
2
1
1
12
==
等価インピーダンスは、2次側の負荷インピーダンスを
巻数比の2乗の逆数倍としたものとなる
等価インピーダンスは、2次側の負荷インピーダンスを
巻数比の2乗の逆数倍としたものとなる
Z2V1
I1
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図2 負荷回路
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これを図2の負荷回路に置き換える。
Z2
LRn
n
I
VZ
2
2
1
1
12
==
ω に無関係
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E0
Z0
また図1の回路を既に求めた等価電圧源に置き換える。
00 21
21
1E
j
Z =
−+
=
)1
2(1
1
2
10
−+
=
j
E
ω に依存する
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(続き)
以上から、図1、図2の回路をすべて等価回路に置き換えると
LRn
n
I
VZ
2
2
1
1
12
==
E0
Z0
Z2
)1
2(1
1
2
10
−+
=
j
E
00 21
21
1E
j
Z =
−+
=
I1
V1
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図1駆動回路 図2 負荷回路
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電源から負荷に供給される有効電力
Z0 = R0+ jX0
Z2=R2+ jX2
I
E0 V
内部インピーダンス Z0 の電源から負荷インピーダンス Z2 の
抵抗 R2 に供給される有効電力 P は
19
( ) ( )
( ) ( )220
2
20
22
0
2
2
02
20
2
20
2 /
XXRR
RE
REXXRR
RP
+++=
+++=
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最大電力供給の法則
負荷に供給される電力が最大となる(整合条件)は
(共役整合条件)02 ZZ =
条件1: Z0 と Z2 の実部が一致すること
条件2: Z0 と (-Z2)の虚部が一致すること
02 RR =
02 XX −=
20
図1、図2の回路が以上の条件を満たすためには
LRn
n
I
VZ
2
2
1
1
12
==
E0
Z0
Z2
−+
=
1
21
10
j
Z
I1
V1
21
図1駆動回路 図2 負荷回路
(共役整合条件)
02 ZZ =
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今 Z2の虚部は 0 であるから、共役整合条件を満足するため
には、 Z0の虚部も 0 である必要がある。
20
1
21
1
21
1
21
1
−+
−−
=
−+
=
j
j
Z
したがって
=− 01
2
虚部
[rad/s]2=
01
21
1
22=
−+
−
j
となる
22
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さらに における実部の整合条件を見ると
][10 =Z
2=
正 解2= [rad/s]
以上から、負荷インピーダンスRLで
消費される平均電力が最大になるωは
][193
12
2 =
=Z
となっており、実部の整合条件も満足されている これは
の条件がたまたま与えられたからである。
( ) RRnnRR LL // , ][ 9 ],[ 1 2
12 ===
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ある電源から任意の負荷に最大電力を供給するには、
条件1: Z0 と Z2 の実部が一致すること
条件2: Z0 と (-Z2)の虚部が一致すること
の2条件を満足させる必要があるため、一般的には2つ
の独立なパラメータを可変とする必要がある
I
V Z2=R2+ jX2E0
Z0 = R2- jX2
R0 X0
<例1:等価電源インピーダンスを可変にする>
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<例2:等価電源インピーダンスに加え変成器を可変とする>
例題では、等価電源インピーダンスを可変にするための変数
は ω のみであったが、実は理想変成器の巻線比率が隠
し変数となっている(既に最適化されている)
E0
Z0(ω) I
V ZL
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整合時に負荷に供給される有効電力 P は
整合時に供給される電力は?
0
2
0
4R
E=
内部抵抗と負荷にかかる電圧がそれぞれ1/2となるので電力は1/4と考えればよい
26
負荷に供給される平均電力(有効電力) P は
IVP Re=
電圧、電流フェーザの積 は複素電力IV
rc PPIVP j+==
( ) ( )220
2
20
22
0XXRR
REP
+++=
さらに整合時以外の一般的な場合について考えると、
例題の負荷回路に供給される有効電力 P は
とおくと
( ) ( )
0,
1,
1
1
12
1
1
1
2
1
2
2
2
12
2020
2
2
2
2
2
0
2
20
2
20
22
0
=
=
+=
+=
++
+=
+++=
XRn
nR
XR
E
XXRR
REP
L
27
1
2−=
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以上を計算すると・・・・・
0
0.02
0.04
0.06
0.08
0.1
0.12
0.14
0 0.5 1 1.5 2 2.5 3
ω [rad/s]
2
0.125
P[W
]
整合条件( )からずれると、供給電力は減少する2=28
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