施餓鬼の経典...6併せて訳注を行うことにした。なしきばiととぎや...

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施餓鬼会の典拠となった阿難尊者と焔口餓鬼(面然餓鬼)との因縁を載せた経典としては、唐の実叉難陀(六五一一

~七一○)訳『救面然餓鬼陀羅尼神呪経〈以下、『面然餓鬼経』と略記)』一巻と、唐の不空(七○五~七七四)訳の『仏説

救抜焔口餓鬼陀羅尼経(以下、『焔口餓鬼経』と略記)』一巻、『璃伽集要救阿難陀羅尼焔口軌儀経竺巻、『輸伽集要焔

口施食起教阿難陀縁由』一巻の計四種類が知られている。何れも『大正新脩大蔵経』第二十一冊に収載されてお

り簡単に見ることができるが、「聡伽集要」が冠せられた後半の二つは、朱・元の大蔵経や高麗蔵には入れられ

ておらず、明蔵以降に広く知られる様になったものである。

四種類の中で一般に最もよく知られているのは弘法大師空海(七七四~八三五)が大同元年〈八○六)に日本に将

来したと言われる〈『御請来目録』弓呂・]&]ワ)、不空訳の『焔ロ餓鬼経』であり、内容的にもよく綴まっていているが、

詳しい訳注書はこれまで作られておらず、読解するのに不便であった。

そこで平成十五年度、教学研究委員会ではこの『焔口餓鬼経』を訳注の対象として取り上げ、その正確な理

解を助けるために、同経の「異訳」(『仏欝解説大辞典』第二巻・三五○頁下段)とされる実叉難陀訳の『面然餓鬼経』

施餓鬼の経典

はしがき

l訳注『仏説救抜焔口餓鬼陀羅尼経昌仏説救面然餓鬼陀羅尼神呪経』I

教学研究委員会編

81

6併せて訳注を行うことにした。

なしきばIととぎや

訳注を行った両経には、済門の施餓鬼会に用いられる『開甘露門』に見える「焔口陀羅尼」(Ⅱ南無薩婆馳珍伽

針騨騨榊靜懸三瞬麟聿騨噸峨)が載せられており、その意味でも興味深い経典である。特に『焔口餓鬼経』

所掲の陀羅尼はほぼ現用のものと同じ形となっている。

なむすりよばやIと

尚、『開甘露門』に載せられた施食に関わる残り一一つの陀羅尼、つまり「施甘露水陀羅尼」(Ⅱ南無蘇噌婆耶多

雌鵬参嚇舞蝿嚇噸騨嚥辮韓騨孵鰯職蝉恥鴎鍵欝藝誹)と「施乳海陀羅尼」(Ⅱ廓趣→|壁舞鐸騨嚇餓)の二つは

何れも今回訳出から外した『聡伽集要焔口施食起教阿難陀縁由』に載せられており(同一・soの、合一ご参照)、『開

甘露門』の成立を考えるためにも訳出する必要性があると考えるが、経文の分量が多く、また所掲の陀羅尼も

十四を数え、訳注作業に時間がかかるため別の機会に譲ることとした。

また訳注作業半ばの平成十五年七月に発売された『大法輪』八月号に、伊藤蓮空師(高野山真言宗密門会講師)に

よる「現代意訳『仏説救抜焔口餓鬼陀羅尼経Eが掲載されたが、参考するにとどめた。

(野口善敬)

82

○底本には磧砂蔵本を用い、『焔口餓鬼経』は台湾新文豊出版公司影印出版の『宋版磧砂大蔵経』第一一一四冊(:一四

~巴心)所収本を、『面然餓鬼経』は同じく第一三冊(で.g△)所収本を用いた。

○原文の文字の校勘には高麗蔵本に拠っている『大正新脩大蔵経』第二一冊所収の両経(三・』』己息]L①合~

急g及びZ。・一四一一コ画一‐急、の~念①す)を使用し、【校注】として原文の後に付録した。

○原文は当用漢字を用い、書き下し文は現代かな使いとした。

○現代語訳は直訳を心掛けたが、必要と思われる場合は〔〕で適宜ことばを補った。

○訳注作業に際しては段落分けを行い、担当者に割り当てて訳注を行い、合同で討議を行った。そのため、気

を付けたつもりではあるが、担当者により訳語・付注などに若干の差異が存している。

○注に引用した書籍については、その初出の箇所に版本等を明記した。また大正大蔵経・大日本続蔵経(卍続蔵)

についてはそれぞれ「T」「Z」の略号を用いた。その他の略号は次の通り。

『中村』Ⅱ中村元『仏教語大辞典』(東京書籍)

『広説』Ⅱ同『広説仏教語大辞典』(同前)

『望月』Ⅱ望月信亨『仏教大辞典』(世界聖典刊行会)

『禅学』Ⅱ駒沢大学『新版禅学大辞典貝大修館書店)

○この訳注は『仏説救抜焔口餓鬼陀羅尼経』及び『仏説救面然餓鬼陀羅尼神呪経』の訳注を「原文」「校注」「書き

下し文」「語注」「口語訳」の順で掲載し、両経の比較を容易にするために上段を『焔口餓鬼経』、下段を『面然

餓鬼経』とする二段組みとした。

《凡例》

83

『大漢和』Ⅱ諸橋轍次『大漢和辞典』

○読書会に参加して原稿を分担して作成した担当者は次の五名である。(会にはオブザーバーとして今年度も玄侑宗久

師が参加され、積極的な意見を頂蛾した。)

朝山一玄・徳重寛道・並木優記・野口善敬・矢多弘範(あいうえお順)

『岩波』Ⅱ岩波『仏教辞典』

『仏光』Ⅱ『仏光大辞典』(台湾仏光出版社)

『織田』Ⅱ織田得能『仏教大辞典』

84

爾時世尊、在迦砒羅城尼拘律那僧伽藍所、

井諸菩薩無数衆会、前後園篭而為説法。

爾時阿難独居静処、念所受法。即於其夜三

一餓鬼名日焔口。其形醜随、身体枯痩、口

(I)

如針鋒、頭髪鑑乱、爪牙長利、甚可怖畏。

(■

白阿難言、却後一二日、汝命将尽、即便生阯

是時阿難聞此語已、心生憧怖、問餓鬼言、

餓鬼者、行何方便、得免斯苦。

(し)

爾時餓鬼白阿難曰、汝於明日、若能布施一

恒河沙数餓鬼弁百千婆羅門仙等、以摩伽陀

各施一斜飲食、井及為我供養三宝、汝得増

於餓鬼之苦、得生天上。

阿難見此焔口餓鬼身形扇痩、枯樵極醜、口

(九)(一○)

如針鋒、頭髪髪乱、爪牙長利、又聞如旱

甚大驚怖、身毛皆竪。

『仏説救抜焔口餓鬼陀羅尼経』

【原文】

{一)

仏説救抜焔口餓鬼陀羅尼経

大興善寺三蔵沙門大広聟小空奉詔訳

(円)

羅城尼拘律那僧伽藍所、与諸大比丘〈八)

若能布施百千那市画佗

、以摩伽陀国所用之斜、

宝、汝得増寿、令我雛

口中火然、咽

是不順之語、

。住阿難前、

(トハ)

此餓鬼之中。

若我死後生

更已後、見

中火然、咽

爾時餓鬼報阿難言、汝於晨朝、若能布施百千那由他恒

(』ハ)

河沙数餓鬼弁百千婆羅門及仙人等、以摩伽陀国斜、各

施一斗飲食、井及為我供養三宝、汝得増寿、令我離於

餓鬼之苦、得生天上。

阿難見此面然餓鬼、身形廟痩、枯樵極醜、面上火然、

(七)

其咽如針、頭髪霊乱、毛爪長利、身如負重、又聞如是

(八)

不順之塞巾、甚大驚怖、身毛皆豊。

『仏説救面然餓鬼陀羅尼神呪経』

【原文】

(一)

仏説救面然餓鬼陀羅尼神呪経

唐子閥三蔵実叉難陀訳

(一一)

爾時世尊、在迦砒羅城尼倶律那僧伽藍所、与諸比丘井

令二(四)

諸菩薩無数衆生。周市園邇而為説法。

(五)

爾時阿難独居浄処、一心繋念。即於其夜三更之後、見

一餓鬼名日面然。住阿難前、白阿難言、却後三日、汝

命将尽、即便生此餓鬼之中。是時阿難聞此語己、心生

憧怖、問餓鬼言、我此災禍、作何万計、得免斯苦。

85

(一一)

即従座起、疾至仏所、五体投地、頂礼仏足、身体顛櫟、

而白仏言、願救我苦。所以者何、我住静処、念所授法、

見焔口餓鬼、而語我言、汝過三日、必当命尽、生餓鬼中。

我即問言、云何令我得免斯苦。餓鬼答言、汝今若能施

(一一一)

於百千那由佗恒河沙数餓鬼及百千婆羅門仙等種種飲

食、汝得増寿。世尊我今云何能弁若干餓鬼仙人等食。

爾時世尊告阿難言、汝今勿怖。我有方便、令汝能施若

干百千値河沙餓鬼及諸婆羅門仙等種種飲食。勿生憂悩。

仏告阿難、有陀羅尼、名曰無愚威徳自在光明殊勝妙力。

(一一一一)

若有諦此陀羅尼者、即能充足倶砥那由佗百干恒河沙数

餓鬼及婆羅門仙等上妙飲食、如是等衆乃至二皆得摩

伽陀国所用之斜七七斜食。

(一四)

阿難、我於前世作婆羅門、於観●目在笠口薩所、及世間自

在威徳如来所、受此陀羅尼故、能散施与無趾餓鬼及諸

仙等種種飲食、令諸餓鬼解脱苦身、得生天上。阿難汝

今受持、福徳寿命皆得増長。

鯛時世尊即為阿難説陀羅尼曰、

(一七)(一八)

襲藍瀞噸錘鯉、下側但佗睡践別二

{凡}卜C){二・)

卿路弓枳帝二崎

即従座起、疾至仏所、五体投地、頂礼仏足、身心戦懐

而白仏言、救我世尊、救我善逝。過此三日命将終尽。

昨夜見一面然餓鬼、而語我言、汝於三日、必当命尽、

生餓鬼中。我即問言、以何方計、得免斯苦。餓鬼答言、

汝若施於百千那由他恒河沙数餓鬼、及百千婆羅門井諸

仙等飲食、汝得増寿。世尊我今云何得免此苦。

鯛時世尊告阿難言、汝今勿怖。有異方便、令汝得施如

是餓鬼諸婆羅門及仙等食。勿生憂悩。

仏告阿難、有陀羅尼、名日一切徳光無量威力。若有調

此陀羅尼者、即成己施倶砥那由他百千恒河沙数餓鬼、

及六十八倶砥那由他百千婆羅門井諸仙等前、各有摩伽

(九)

陀斜四斜九斗飲食。

仏告阿難、我於前世曾為婆羅門時、於観世音菩薩及世

間自在徳力如来所、受此陀羅尼。我当以此陀羅尼力便

得具足施於無量無数餓鬼及婆羅門井仙等食。以我施諸

餓鬼食故、捨離此身、得生天上。阿難、汝今受持此陀

羅尼、当自護身。

即説呪日、

(一○)

那麿薩縛無可反、下同但他掲多去由、呼縛路枳帝一(噸〉

86

南謨多宝如来

愛識櫻埣四熱彌帝一応一鉢曝一一一鐸部引唾嚥但襲二台蛙慨佗引

列一一一一一一一一一一一逢舸一晩一鵬一一一敗鱗一昨兆一一醍仏告阿難、若有善男子善女人、欲求長寿福徳増栄、速

能満足檀波羅蜜、毎於晨朝及一切時、悉無障磯、取一

(二九)

(三○)

{一・一一}

浄器、盛以浄水、置少飲麩及諸餅餅等、以右手按器、

(一一一一一)

諦前陀羅尼満七編、然後称四如来名号。

(『一一『一一〉

由称多宝如来名号加持故、能破

(四一)

(四二)

悪業、罪障消滅、即得福徳円満。

(四三)

蛎峡野二

南謨広博身如来

曇謨引婆識嚇帝掴尾術騨識塒へ一担嚥一一蝿非

冗式)

鰄繩馴紬鰕洲緋素噌蕊楡一引蠅樫佗訓諭離野一一玉一由称妙色身如来名号加持故、能破諸鬼醜晒悪形、即得

(六C)

閉山称広榑身如来名号加持故、能令諸鬼咽喉寛大、所施

色相具足。

(五二)

之食、窓意充飽。

(三九)-

睡暖3

野二

能破一切諸鬼多生已来樫倍

(五八)-

野但佗3

一一一上関下側敗碑褐反、下向畷三敗曝二虚朧一一隼、四一一(一一一)

つ五)

仏二口、阿難、若欲作此施食法者、先取飲食安置浄盤器中、

諭此陀羅尼呪、呪食七遍、於門内立、展臂戸外、置盤

(一一ハ)

浄地、弾指七下。

87

(七四)

阿難、若有比丘比丘尼優婆塞優婆夷、常以此真一一一一口及四

(七五)

如来名号加持食施餓鬼、便能具足無量福徳、則同供養

百千倶砥如来功徳等無差別、寿命延長、増益色力、善

根具足、一切非人、夜叉羅刹、諸悪鬼神、不敢侵害。

又能成就無量福徳寿命。

(七六)

若欲施諸婆羅門仙等、以浄飲食満盛一器、即以前真二同

(七七)

(七八)

加持一一七偏、投於浄流水市下。如是作已、即為以天諸美

(七九)

妙飲食、供養百千倶砥恒河沙数婆羅門仙。彼諸仙人得

(八○)

加持食故、以呪威徳、各各成就根本所願諸善功徳、各

斜食。錘

於天上。

(六八)(六九)

仏生口阿難、若族姓子等、称四如来名号加持巳、弾指七

(七○)

編、取於食器於浄地上、展臂潟之。作此施己、於其四

(七一)

(七二)

万有百千那市山佗恒河沙数餓鬼、前各各有摩伽陀国七七

(七三)

斜食。受此食己、悉皆飽満。是諸鬼等、悉捨鬼身、生

減、雛餓鬼趣。

由称離怖畏如来名号加持故、能令諸鬼一切恐怖悉皆除

(一ハー)

南謨離怖畏如来

(六や)

襲謨婆去勢

》準麟一列雌一一

(へ。今.)

識嚇帝・阿上婆氏孕迦嚥峅塑雌怪佗鰈

復言、阿難、若比丘比丘尼優婆塞優婆夷、若能常調此

陀羅尼井奉飲食、即為具足無量功徳、命得延長、即成

供養百千倶砥如来功徳、顔色鮮潔、威徳強記、一切非

人歩多鬼等、夜叉羅刹井諸餓鬼、皆畏是人、心不忍見。

是人即為成就具足大力勤進。

復言、阿難、若欲施婆羅門及仙食者、当取飲食満置鉢

中、論此陀羅尼呪、呪食七遍、(鯨流水中、具足奉献無

量倶胆百千恒河沙数婆羅門及諸仙等、如天飲食。其婆

羅門井仙人等、喫此食已、諸根具足、円満吉祥、各発

作此施已、於其四方、有百千倶砥那由他恒河沙数餓鬼、

(一七)

於一一餓鬼前、各有摩伽陀斜四鯛九斗飲食、如是鬼等

遍皆飽満。是諸餓鬼、喫此食己、悉臘魁身、尽得生天。

88

(八二(八二)

各同時発誓願一口、願施食人寿命延長、色力安楽。又令

其人心所見聞、正解清浄、具足成就梵天威徳、行梵天

(八三)

行。又同供養百千恒河沙如来功徳、一切怨醗不能侵宝ロ。

若比丘比丘尼優婆塞優婆夷、若欲供養仏法僧宝、応以

(八四)

(八五)

香華及浄飲食、以前真一一一一百加持二十一偏、奉献一一一宝。是

(八六)

(八七)

善男子及善女人、則成以天鯖欝上味、奉献供養満十方

(八八)

世界仏法僧宝、亦為讃歎勧請随喜功徳、恒為諸仏憶念

称讃、諸天善神恒来擁護、即為満足檀波羅蜜。

阿難、汝随我語、如法修行、広宣流布、令諸衆生普得

見聞、獲無量福。是名救畑口餓鬼及苦衆生陀羅尼経。

以是名字、汝当奉持。

一切大衆及阿難等、聞仏説已、一心信受、歓喜奉行。

(八九)

仏説救抜焔口餓鬼陀羅尼経

【校注】

(二大興Ⅱ大正蔵はこの上に「開府儀同三司特進試鴻臘

卿粛国公食邑三千戸賜紫贈司空議大霧正号

大広智」の三十一字有り。

(二)大広智Ⅱ大正蔵にこの三字無し。

其願、讃歎施人。其施食人、心得清浄、而便疾証梵天

威徳、常修浄行、具足成就供養百千倶胆恒河沙数如来

功徳、於諸怨敵而常得勝。

若比丘比丘尼優婆塞優婆夷、若欲供養一切三宝、応

当具弁香華飲食、論此陀羅尼呪、呪所施食及香華等

二十一通、供養三宝。此善男子善女人等、具足成就諸

天妙供及無上供、尊重讃歎一切如来、刹土三宝、諸仏

憶念、称揚讃歎、諸天擁護。

仏言、汝去、阿難。当自護身、井及広為諸衆生説、令

諸衆生成就具足無量功徳、所生之世、常値百千倶砥諸

仏。

(二○)

仏説面然餓鬼陀羅尼経

-、 ̄、 ̄、グー、

四三二、-ジ、-=、‐〆、=ン

【校注】大正蔵は「経」の下に「一巻」の二字あり。

砒Ⅱ大正蔵は「毘」に作る。

市Ⅱ大正蔵は「匝」に作る。

選Ⅱ大正蔵は「綴」に作る。

89

(一一一)

(四)

(五)

(一ハ)

(七)

(八)

(九)

二○)

(一一)

(一一一)

(一一一一)

二四)

二五)

(一一ハ)

二七)

二八)

二九)

(二○)

(一一一)

(一一一一)

(一一一一一)

(二四)

(二五)

(一一一ハ)

砒Ⅱ大正蔵は「毘」に作る。

拘Ⅱ大正蔵は「倶」に作る。

窯Ⅱ大正蔵は「蓬」に作る。

此Ⅱ大正蔵は「於」に作る。

日Ⅱ大正蔵は「言」に作る。

佗Ⅱ大正蔵は「他」に作る。

率Ⅱ大正蔵は「蓬」に作る。

爪牙Ⅱ大正蔵は「毛爪」に作る。

顔Ⅱ大正蔵は「戦」に作る。

佗Ⅱ大正蔵は「他」に作る。

佗Ⅱ大正蔵は「他」に作る。

自在Ⅱ大正蔵は「世音」に作る。

愛莫Ⅱ大正蔵は「那謨」に作る。

無可反下同Ⅱ大正蔵にこの五字無し。

佗婆路Ⅱ大正蔵は「他蘂多」に作る。

引一Ⅱ大正蔵は「引」に作る。

路Ⅱ大正蔵は「虜」に作る。

駁Ⅱ大正蔵は「婆」に作る。

羅Ⅱ大正蔵は「畷」に作る。

去Ⅱ大正蔵に無し。

;’二引三’111

11大大大正正正蔵蔵蔵にIこに無無無ししし。。。

三Ⅱ大正蔵は「参」に作る。

 ̄、 ̄、グー、 ̄、

○九八七、-〆~グ~〆 ̄〆

 ̄、戸一、

六五、 ̄--

〆■、

四~=

(五)

(一ハ)

(七)

(八)

(九)

二○)

(’一)

(一一一)

(一一一一)

繁Ⅱ大正蔵は「計」に作る。

斜Ⅱ大正蔵は「斗」に作る。

単Ⅱ大正蔵は「蓬」に作る。

蜜Ⅱ大正蔵は「竪」に作る。

斜Ⅱ大正蔵は「斗」に作る。

呼Ⅱ大正蔵は「呼之」に作る。

嘘Ⅱ大正蔵に無し。

褐Ⅱ大正蔵は「栂」に作る。

畔Ⅱ底本は左側部分が不鮮明であるが「許」に似る。

今回は大正蔵に拠り「件」に改めた。

二合三Ⅱ底本は「三合二」に作るが明らかに誤りなの

で、大正蔵に拠り「二合三」に改めた。

盤Ⅱ大正蔵は「薬」に作る。

下Ⅱ底本は「T」に見えるが欠画である。大正蔵に拠っ

て「下」に改めた。

斜Ⅱ大正蔵は「斗」に作る。

鬼Ⅱ大正蔵は「虚」に作る。

潟Ⅱ底本は「蔦」に作るが、大正蔵の「潟」に拠った。

経Ⅱ大正蔵は「神呪経」に作る。

90

〈二七)

(二八)

(二九)

(三○)

(一一一一)

(一一一一一)

(一一一一一一)

(三四)

(三五)

(一一エハ)

(三七)

(三八)

(三九)

(四○)

(四二

(四二)

(四三)

(四四)

(四五)

(四六)

(四七)

(四八)

(四九)

野但佗引Ⅱ大正蔵は「但他」に作る。

婆唆引Ⅱ大正蔵は「寧多」に作る。

野二Ⅱ大正蔵は「也」に作り、下に「此云多宝如来」と

按Ⅱ大正蔵は「加」に作る。

偏Ⅱ大正蔵は「週」に作る。

南謨多宝如来Ⅱ大正蔵にこの六字無し。

飲Ⅱ大正蔵は「飯」に作る。

酢Ⅱ大正蔵は「食」に作る。

引四Ⅱ大正蔵に無し。

畷Ⅱ大正蔵は「多」に作る。

去Ⅱ大正蔵に無し。

罪障消滅Ⅱ大正蔵にこの四字無し。

得Ⅱ底本は「徳」に作るが、大正蔵に拠って改める。

南謨妙色身如来Ⅱ大正蔵にこの七字無し。

愛護Ⅱ大正蔵は「南縛」に作る。

縛Ⅱ大正蔵は「噂」に作る。

三敗羅Ⅱ大正蔵は「参婆畷」に作る。

二合Ⅱ大正蔵に無し。

播Ⅱ大正蔵は「波」に作る。

野但佗引Ⅱ大正蔵は「耶但他」に作る。

野二Ⅱ大正蔵は「也」に

いう六字の割り注有り。

|Ⅱ大正蔵に無し。

二合Ⅱ大正蔵はこの下に「枳嬢二合」の四字有り。

Ⅱ大正蔵に無し。

91

(六八)

(六九)

〈六○)

〈一ハー)

(一ハーー)

(一ハーーー)

(六四)

(六五)

(一ハーハ)

(六七)

(五七)

(五八)

(五九)

(五二)

〈五三)

(五四)

(五五)

(五六)

(五○)

(五二

引Ⅱ大正蔵に無し。

野但佗去Ⅱ大正蔵は「也但他」に作る。

要畷引Ⅱ大正蔵は「蕊多」に作る。

野二Ⅱ大正蔵は「也」に作り、「二」の替わりに「此云離

怖畏如来」の七字の割り注有り。

姓子Ⅱ大正蔵は「姓善男子」に作る。

称Ⅱ大正蔵は「既称」に作る。

一去'111

大大正正蔵蔵にIこ

無無しし。。

南謨離怖畏如来Ⅱ大正蔵にこの七字無し。

に「此云広博身如来」の七一

樽Ⅱ大正蔵は「博」に作る。

二合引Ⅱ大正蔵は「二合」に作る。

野但佗引Ⅱ大正蔵は「也但他」に作る。

嬰悠野二Ⅱ大正蔵は「蕊多也」に作り、「二」の替わり

に「此云広博身如来」の七字の割り注有り。

字が本文として入っている。

一Ⅱ大正蔵に無し。

補羅Ⅱ大正蔵は「鉢麗二合」に作る。

引Ⅱ大正蔵にこの字は無く、替わりに「擬華多」の三

二Ⅱ大正蔵にはこの字が無く、替わりに「此云南無妙

色身如来」の九字の割り注有り。

南謨広博身如来Ⅱ大正蔵にこの七字無し。

引Ⅱ大正蔵に無し。

路Ⅱ大正蔵は「畷」に作る。

92

 ̄、 ̄、 ̄■ヘダー、 ̄、 ̄、 ̄民一再ニー、 ̄、 ̄■ ̄へ-、 ̄、 ̄、

八八八八八八八八八八七七七一七七七九八七六五四三二一○九八七六五四一〆-〆 ̄〆~ン-〆 ̄〆 ̄〆~〆、-〆~〆、-ン、 ̄、 ̄、 ̄、-〆、-〆

(七○)

(七二

(七二)

(七三)

各各有Ⅱ大正蔵は「各有」に作る。

編Ⅱ大正蔵は「週」に作る。

佗Ⅱ大正蔵は「他」に作る。

寿命Ⅱ大正蔵は「令寿」に作る。

呪Ⅱ大正蔵は「密言」に作》

施Ⅱ大正蔵は「是」に作る。

真言Ⅱ大正蔵は「密言」に搾

偏Ⅱ大正蔵は「週」に作る。

諸Ⅱ大正蔵は「仙」に作る。

施餓鬼Ⅱ大正蔵は「施鬼」に作る。

真言Ⅱ大正蔵は「密言』に作る。

等悉Ⅱ底本は「悉等」に作るが、

いので、大正蔵に拠って改めた。

真言Ⅱ大正蔵は「密言」に作る。

鯖Ⅱ大正蔵は「鰯」に

世界Ⅱ大正蔵は「界」

仏説Ⅱ大正蔵に無し。

真言Ⅱ大正蔵は「密言」に作る。

偏Ⅱ大正蔵は「週」に作る。

怨Ⅱ大正蔵は「宛」に作る。

飲Ⅱ大正蔵は「之」に作る。

呪Ⅱ大正蔵は「密言一に作る。

及Ⅱ大正蔵に無し。

に作る。

臼に作る。

四字句として切れな

93

とど

もう

きやくご《川〉

阿難の前に住まり、阿難に白して言う、「却後一二日に

すなわ

Iして、汝の命将に尽きて、即便ち此の餓鬼の中に生ぜ

ん」と。是の時、阿難、此の語を聞き己わhソて、心に

こうふ(肺)

憧怖を生じ、餓鬼に間いて一一口う、「若し我れ死後に餓

(〃)

一」

鬼に生ぜんとならば、何の方便を行わぱ、斯の苦を免

するど

利く、甚だ怖畏す可’し。

【書き下し文】

》《つせつぐばつえんくがざだらに■よっ

仏説救抜焔口餓鬼陀羅尼経

薄いこうぜんじ(1)

ふくうZ

大興善寺の一二蔵沙門、大広智不空、詔を奉じて訳す

そかびらじよう(釦)にくりつな(1ぞうがらん{旦

爾の時、世尊、迦砒羅城の尼拘律那僧伽藍所に在って、

なら

諾もろの大比丘井ぴに諸もるの菩薩、無数の衆と〈玄し、

いにょう

前後圃遺せられて為に説法す。

そじようしよ(辿

爾の時、阿難、静処に独居し、受くる所の法を念ず。

さんこう(7)

(H》あら

即ち其の夜の二一更已後に於いて、|餓鬼見わる、名づ

えんく(M}

し今つろう〈川)

こそう(Ⅲ)

けて焔口と曰う。其の形醜晒にして、身体枯痩し、口

ものど(に)

はう(い)そうが(M)

中に火然え、咽、針鋒の如く、頭髪素乱し、爪牙長く

そもう

爾の時、餓鬼、阿難に白して曰く、「汝、明日に於いて、

なゆた(Ⅱごうがしや{川)

若し能/、百千那由佗恒河沙数の餓鬼、井びに百千

るることを得んや」と。

そ(7)

爾の時、餓鬼、阿難に報じて一一口う、「汝、晨朝に於いて、

なゆたごうがしや

若し能/、百千那由他恒河沙数の餓鬼、井びに百千婆羅

とど

もう

阿難の前に住まhソて、阿難に白して言う、「却後一一一日

すなわ

にして、汝の命将に尽き、即便李っ此の餓鬼の中に生ぜ

おこうふ

ん」と。是の時阿難、此の語を聞き己わ胴ソ、心に慢怖

を生じて、餓鬼に問いて言う、「我が此の災禍、何の

ほうけ(冊)

P」

方計を作さば、斯の苦を免るる一」とを得んや」と。

【書き下し文】

ぶつせつぐめんいんがきだらにじんしゆきよう

仏説救面然餓鬼陀羅尼神呪経

うてん(1)

じっしゃなん鱈(凶)

唐の干闘の一二蔵、実叉難陀訳す

そかびらじようにくりつなそうがらん

爾の時、世尊、迦砒羅城の尼倶律那僧伽藍所に在りて、

とも

諸もるの比丘弁びに諸もるの菩薩、無数の衆生と与な

しゆうそういにょう

り。周市圃選せられて為に説法す。

そ(邪)

けぬん(4)

爾の時、阿難、浄処に独居し、一心に繋念するに、即

あら

ち其の夜の一二更の後に於いて、一餓鬼見わる、名づけ

めんわん(5)

て面然と日う。

94

阿難、此の焔口餓鬼仇射勝離騨凹、枯鱒して極めて

ものど

醜く、口中に火然え、咽、針鋒の如く、頭髪案乱し、

するど

か(郡)

爪牙長く利きを見、又た是くの如き不順の垂叩を聞き、

はなは

甚大だ驚怖し、身毛皆な堅つ。

(却){即)

窪がだ(馨

の婆羅門・仙等に布施すう。に、摩伽陀国にて用ううC所

まず(割)

こぐおんじき

なら

の斜を以てl」て、各おの一斜の飲食を施し、井及びに

ざんぼう

いのち

我が為に二一宝に供養せぱ、汝、寿を増すことを得、我

をして餓鬼の苦を離れ、天上に生ずることを得しめん」

と(m)

即ち座従hソ起ちて、疾く仏の所に至hソ、五体役地して、

(洲)

せんりつ(割)

もう

仏足を頂礼し、身体顕懐して、仏に白して一三口う、「願

いかん

わくは我が苦を救いたまえ。所以は何となれば、我、

とど

静処に住まりて、授かる所の法を念ずプ○に、焔口餓鬼

あら

つかなら

見われて、我に語げて言う、『汝、一二日を過ぎて、必当

ず命尽きて、餓鬼の中に生ぜん』と。我即ち間いて言う、

いかん

》」

『云何が我をして斯の苦を免ろろことを得しめん』と。

なゆたこうがしや

餓鬼答えて言う、『汝くう若し能く百千那由佗恒河沙数

おんじき

の餓鬼及び百千の婆羅門・仙等に種種の飲食奉已施当ごぱ、

0戸)◎

まがだます

門、及び仙人等に布施すう◎に、摩伽陀国の斜を以て、

なら

各おの一斗の飲食を施し、弁及びに我が為に一二宝に供

いのち

養せば、汝、寿を増すこし」を得、我をして餓鬼の苦を

離れ、天上に生ずることを得しめん」と。

しんざよるるいそう

阿難、此の面然餓鬼の、身形扇痩Iし、枯樵して極めて

ものど

醜くくⅡして、面上に火然え、其の咽、針の如くして、

〈H)するど

おもに

頭髪衆乱し、毛爪長/、利くして、身童を負うが如きを

みか

はなはだ

見、又た是くの如き不順の語を聞雪C、甚大だ驚怖して、

身毛皆な豊つ。

即ち座従り起ちて、疾く仏の所に至り、五体役地して、

せんりつ

もう

仏足を頂礼し、身心戦櫟して、仏に白して言う、「我

ぜんぜい(‘)

を救いたま』え世尊よ。我を救いたまえ善逝よ・此れを

いのちまさ

過ぐること一二日にして命将に終尽せんとす。昨夜、一

あら

面然餓鬼見われて、我に語げて言う、『汝、二一日に於

かなら

いて必当ず命尽妻巨、餓鬼の中に生ぜん』と。我即ち問

}』

いて一一口う、『何の方計を以て、斯の苦を免ろることを

なゆたごうが

得んや』と。餓鬼答えて一一口う、『汝若し百千那由他恒河

しや

おんじぎ

沙数の餓鬼及び百千婆羅門、井びに諸仙等に飲食を施

95

いかん

汝、寿を増すことを得ん』と。世尊よ、我今、云何が

能く若干の餓鬼・仙人等の食を弁ぜん」と。

そおぞ

爾の時、世尊、阿難に告げて一一口う、「汝今、怖るるこ

と勿かれ・我に方働有り、汝をして能く若干百千恒河

沙の餓鬼及び諸もるの婆羅門・仙等に種種の飲食を施

さしめん。憂悩を生ずること勿かれ」と。

むりよろいとくじ

仏、阿難に告ぐ、「陀羅尼有hソ、名づけて『無量威徳自

ざいこうみようしゆしようみょうりs

在光明殊勝妙力』と曰う。若し此の陀羅尼を論すz》

者有らぱ、即ち能く倶燭那由佗百千恒河沙数の餓鬼

及び婆羅門・仙等に上妙の飲食を充足I」、是くの如き

ます

等の衆、乃至一一皆な摩伽陀国にて用うる所の斜j四〕て

こく

七七斜の食圭年一得ん。

阿難よ、我、前世に於いて婆羅門と作りしとき、観自

在菩戯の所、及び世間自在威徳如絢の所に於いて、此

の陀羅尼を受くるが故に、能く散じて無量の餓鬼及び

諸仙等に種種の飲食を施与し、諸もるの餓鬼をして苦

身を解脱し、天上に生ずることを得しむ。阿難よ、汝

今受持せぱ、福臓寿命、皆な増長することを得ん」と。

さば、汝、寿を増すことを得ん』と。世尊よ、我今、

いかん

云何が此の苦を免ることを得ん」と。

そおそ

爾の時、世尊、阿難に告げて一一一回う、「汝今、怖ろるこ

と勿かれ。異方便有り、汝をして是くの如き餓鬼、藷

もろの婆羅門及び仙等に食を施すことを得しめん。憂

悩を生ずること勿かれ」と。

いつ尊いとつこうむ

仏、阿難に上口ぐ、「陀羅尼有り、名づけて『一切徳光無

bよういり■

量威力』と日う。若し此の陀羅尼を諭すろ者有らぱ、

即ち倶砥那由他百千恒河沙数の餓鬼及び六十八倶砥那お

由他百千の婆羅門、井びに諸仙等に施すことを成じ巳

ます

こく

わり、前に各おの摩伽陀の斜にて四餅九斗の飲食有ら

ん」と。

仏、阿難に止口ぐ、「我、前世に於いて曾て婆羅門為り

し時、観世音菩薩及び世間自在徳力如来の所に於いて、

此の陀羅尼を受く。我当に此の陀羅尼の力を以て、便

ち無量無数の餓鬼及び婆羅門、弁ぴに仙等に食を施す

}」とを具足するを得。我、諸もるの餓鬼に食を施すを

以ての故に、此の身を捨離して、天上に生ずることを

得。阿難よ、汝今、此の陀羅尼を受持し、当に自ら身

96

ナウボミロウシキシンニョライ(脚)

南謨妙色身如来

騨灘一鶏揮)・識騨薇刷一鉢鶴一へ“・柵I峻

曝担曇へ”す.聯低価解・簿麟Ⅷ~野;

アラタンナウ

とな

多宝如来の名号を称えて加持するに由るが故に、能く

一切諸鬼の多生己来の樫倍の悪業を破り、罪障消滅し、

即ち福徳円満なることを得ん。

繭識魏劃姉蒋靴一

を護るべし」と。

爾の時、世尊、即ち阿難の為に陀羅尼を説きて曰極、即ち呪を説きて曰く、

騨欝一獅一露懲淨曝隆・rMじ低僻鍵卿麟州く一聴路Ⅷく・枳

那鴎露繍繍の興卜剛じ・低他榊扮歩脚蝿誼紳勝榊禰一・

パローキ

薇二噛痙…劃樋肋懸一コ跡鱒噸魎内・

噸劃化岻ド胸じ・脱砕耀幽}FMと・勝一一蹴聯:.時噸:範…な

仏、阿難に土口ぐ、「若しくは善男子、善女人有り、長仏言う、「阿難よ、若し此の施食の法を作さんと欲す

〈綱〉

寿にして福徳増栄し、速やかに能く檀波羅蜜を満足し、ろ者は、先ず飲食を取りて浄らかな盤器の中に安置し、

つれ

毎に晨朝及び一切時に於いて、悉く障擬無からんこと此の陀羅尼呪を論して、食に呪すること七遍し、門内

を求めんと欲せぱ、一浄器を取り、盛るに浄水を以てに於いて立ちて、臂を戸外に展ぱし、盤を浄地に置き

シ回文編》

ハン

し、少しの飲麹及び諸もるの餅餅等を置き、右手を以て、弾指すること七下せよ。

さ匂

て器を按じ、前の陀羅尼を調する一」と満七偏して、然

とな

る後、四如来の名号を称えよ」と。

ナウポ(鰯}パギャパテイ

襲謨婆識縛帝.

ソロ

素噌.『〈、

播fqlI《

ヤ(肺)タター

野担佗別く

97

く諸もるの鬼の、

することを得ん。

ナウポコウハクシンニョライニ

とな

妙色身如来の名号を称えて加持するに由フCが故に、能

しゆりろうあくぎよう

(、)

く諸込Dろの鬼の、醜晒悪形なろを破り、即ち色相具足

ナウポコウハクシンーーョライ(卵)

南謨広博身如来

ナウポーパギャパテイ(型ピホラギャータラI

襲謨Ⅲく婆識嚇帝.尾補羅識Ⅷく但畷:n引く

もて、窓意充飽せしめん。

ナウ狼リブイニョライ(川)

とな

広博身如来の名号を称えて加持するに由フCが故に、能

く諸もるの鬼の咽喉をして寛大ならしめ、施す所の食

南謨離怖畏如来

ナウポパ

ギャパテイ(艇)ア(卿)

曇謨婆よ〔抑〕識噌帝阿化(抑〕

噸刎く醗一低膨齢派〕騨噸Ⅷく野.

とな

雛怖畏如来の名号を称えて加持するに由ヲCが故に、能

ことごと

く諸山。ろの鬼の一切の恐怖をして悉皆く除減し、餓鬼

ぞくしようし(鰯)

仏、阿難に告ハ、、「若しくは族姓子等、四如来の名号

を称えて加持-し己わらぱ、弾指すること七偏し、食器

のば

モモ

を浄地の上に取Lnソて、臂を展して之を潟げ。此の施を

趣を離れしめん」と。

襲謨Ⅲく婆識騨帝.

蝿一低佃Ⅲく騨沙野:

ギャタヤ

識吟陸野..

婆よ〔川〕

エンキヤ

孕迦

此の施を作’し己わらぱ、其の四方に於いて、百千倶砥

那由他恒河沙数の餓鬼有るも、この餓鬼の前に於い

ます

て、各おの摩伽陀の鋼にて四餅九斗の飲食有価ソ、是く

98

若し諸もるの弊蹴鵬雌蕊隅雌ざんと欲せぱ、浄らか

さき

な飲食を以て一器に満盛し、即ち前の真一一口を以て加持か

する一」と一一七偏して、浄らかな流水の中に投ぜよ・是

なお

みみよう

くの如く作し巳わらぱ、即ち天の諾もろの美妙なる飲

ひやくせんぐていごうがしや

食を以て、百千倶砥恒河沙数の婆羅門仙に供養するこ

とを為す。彼の諸もるの仙人、加持せる食を得るが故

に、呪の威徳を以て、各各根本所願の諸もるの善功徳

作l」己わらぱ、其の四方に於いて百千那由佗恒河沙数

まえ

の餓鬼有るj粉)、前に各おの摩伽陀国の七七餌の食有ら

おことごと

ん。此の食を受け己わらぱ、悉皆く飽満し、是の諸』尚》

ろの鬼等は、悉く鬼身を捨てて、天上に生ぜん」と。

阿難よ、若しくは地丘、地&腓、倒弊識折憾弊識櫟っ

(柵)

(m}

て、常に此の真一百及び四如来の名号を以って食に加持lし

ばどこTなわよ

て餓鬼に施さば、便ち能/、無量の福徳を具足せん。則

ひやくせんぐてい(列)

ち百千倶砥の如来に供養すzU功徳に同じく、等しくし

て差別無く、寿命延長し、色力を増益し、善楡耳足し、

〈だ)

一切の非人、夜”鬮紬←諾もろの悪鬼神jD、敢えて侵

害せず、又た能く無量の福徳と寿命を成就せん。

の如き鬼等、遍く皆な飽満し、是の諸もるの餓鬼、此

の食を喫し己わらば、悉く鬼身を捨てて、尽く天に生

ずることを得ん」と。

びくびくに5ばそく

復た一一口う、「阿難よ、若しくは比丘、比丘尼、優婆塞、

うばい

よじゆ

優婆夷、若し能/、常に此の陀羅尼を論し、井ぴに飲食

を奉ぜぱ、即ち為に無量の功徳を具足し、命、延長す

ひやくせんぐてい

るこし」を得、即ち百千倶砥の如来に供養する功徳を成

(町)

ふだ

服して、顔色鮮潔、威徳強記ありて、一切の非人、歩多

ざ(川)やしやらせつ

一』

鬼等、夜叉・羅刹弁ぴに諸jDろの餓鬼、皆な是の人を

畏れて、心、見るに忍びざらん。是の人、即ち為に大

(、》(Ⅲ》

力勤進迄己成就具足せん」し」。ばらもん

復たこロう、「阿難よ、若し婆羅門及び仙に食を施さん

みた

と欲すうつ者は、当に飲食を取りて鉢中に満置し、此の

だらにじゅ

陀羅尼呪を講すべし。食に呪するこL」七通し、流水の

そそ

⑰りょうぐていひやくせんごうがしや

市〒に潟がぱ、無量倶胆百千恒河沙数の婆羅門、及び

諸仙等に、天の如き飲食を具足奉献せん。其の婆羅

お(Ⅲ)

門、井びに仙人等、此の食を喫し己わ芦つば、諸根具足

し、円椒吉楠ならん。各おの其の願を発して、施す人

おづ』

99

を成就し、各各同時に誓願を発して言わん、『願わく

じぎほどこ

は食を施すの人、寿命延長し、色力安楽ならんことを。

又た其の人の心の見聞する所をして、し暉騨瀞浄なら

(、)

しめ、梵天の威徳を具足成就して、梵天の行を行ぜし

ひやくせんごうがしや

めんことを。又た百千恒河沙の如来に供養する功徳に

同じく、一切の織鍵獣害すること能わざらんことを』

あた

若しくは比丘、比丘尼、優婆塞、優婆夷、若し仏法僧

まさこうげ

宝に供養せんと欲せぱ、応に香華及び浄らかな飲食を

以てし、前の真言を以て加持すること二十一編して、

}』

一一一宝に奉献せよ。是の善男子及び善女人、則ち天鯖鱈

上味を以て満十方世界の仏法僧宝に奉献供養すること

を成じ、亦た讃歎勧請随喜の功徳を為して、恒に諸仏

に憶念称讃せられ、諸天善神、恒に来たりて擁護し、

(川)

即ち檀波羅蜜を満足することを為さん。

(腱)

阿難よ、汝、我が垂叩に随いて、如法に修行し、広宣流

布して、諸もるの衆生をして普く見聞することを得て、

ぐえんくがきぎゆらぐしゆじよう

無量の福を獲さしめよ。是れを『救焔口餓鬼及苦衆生

だらにきょう

陀羅尼経』と名づく。是の名字を以て、汝当に奉持す

1〆」。

しょうじょう

を讃歎せん、『其の食を施す人、心、清浄なることを

とじようざよう(麹)

得て、便ち疾/、梵天の威徳を証して、常に浄行を修し、

百千倶砥恒河沙数の如来に供養する功徳を具足成就し

て、諸もるの怨敵に於いて常に勝つことを得んことを』

し」。

若しくは比丘、比丘尼、優婆塞、優婆夷、若し一切の

まさに

一二宝に供養せんと欲せぱ、応当香華飲食を具弁して、

此の陀羅尼呪を調し、施す所の食及び香華等に呪する

こと二十一遍して、三宝に供養すべし。此の善男子、

善女人等、諸天の妙供及び無上の供を具足成就して、

せつど(鋤)

一切の如来と刹土の一二宝とを尊重讃歎し、諸仏は億念

して、称揚讃歎し、諸天擁護せん」と。

なら

仏一一一回う、「汝去れ、阿難よ・当に自ら身を護り、弁及

びに広く諾もろの衆生の為に説きて、諸もるの衆生を

して無量の功徳を成就具足し、生ずる所の世、常に

ぐてい(湖)

百千倶砥の諸仏に値わしむくIし」と。

100

『仏説救抜焔口餓鬼陀羅尼経』

【語注】

(1)大興善寺Ⅱ西安の南二・五キロに位置する。興善寺ともい

う。隅の文帝が長安の南東に大興城を興し、遵善坊の左に

寺を建ててはじめは遵善寺と称していた。寺領が広大であ

ることに加えて堂塔も勇壮で、階唐以来の長安第一の寺と

され、各地から学僧が集まって寺は非常に栄えた。階の開

皇年間(五八九~六○○)にはインド僧の闇那堀多、達摩笈

多などが前後して長安にやって来て、この寺に住して密教

を伝えた。唐代には善無畏、金剛智、不空の三人がここに

とどまって密教経典を訳した。当時この寺は長安三大訳経

場の一つとされていた。〈『仏光』pms)

(2)不空Ⅱインド名(盲田富亙国。神竜元年~大暦九年(七○五

~七七四)。北印度の人二説にスリランカ)。賜号は大広

智三蔵。羅什・真諦・玄葵とならぶ四大翻訳家の一人。中

国密教の大成者。真言宗付法の第六祖。バラモンの出身。

金剛智三蔵に師事して十五歳で得度、金剛頂経系の密教

を学ぶ。師の死後、遺言に随ってスリランカに渡り梵本

くし」と。

一切の大衆、

に信受して、

及び阿難等、

歓喜奉行す。

仏の説を聞き己わ.hソ、

『仏説面然餓鬼陀羅尼経』

【語注】

(1)干閥Ⅱタリム盆地南辺のオアシス都市国家。天山南路南

道の要地にあり、東西貿易の中継市場として漢代から繁栄

し、唐代には安西四鎖の一つとなった。良質の玉を産し、

また仏教東伝に大きな役割を果たした。

(2)実叉難陀Ⅱインド名⑫一厨目自忌。永徽三年~景雲元年

(六五二~七一○)。学喜三蔵と称する。子閥出身の訳経僧

で、唐の則天武后の時代に中国に入り、証聖元年(六九五)

~聖暦二年(六九九)にかけて菩提流支や義浄とともに

『八十華厳』(新訳華厳経)を訳出した。また、『入橿伽經』七

巻をはじめ、十九部の経典を訳出。長安四年(七○四)に帰

国したが、再三の要請によって景龍二年(七○八)に再び中

国に至り、大薦福寺に住して景雲元年(七一○)に五九歳で

示寂した。(『仏典入門辞典』己・ロ圏)

(3)浄処Ⅱ清浄な場所。けがれのないところ。(『大漢和』⑦

己・国①)(4)繋念Ⅱ一所に思いをかけて、他のことを思わないこと。

101

五○○部の密教論典を持ち長安に帰り翻訳事業を行う。玄

宗・粛宗・代宗の唐王朝三代の皇帝の信任篤く潅頂を授け、

降雨・止雨の秘法を修し霊験をあらわす。その翻訳の多く

は金剛頂経系に属する。(『仏典入門辞典』勺、急)

(3)迦砒羅城Ⅱ釈尊の故郷の町で、釈尊の属した釈迦族の首

都。現在のネパールのタラーイ地方、ティロラコット付近

にあたる。梵語百で冨薗⑫曰。迦毘羅衛と音写される。(『望月』

己・急①、『岩波』で」頤『、『仏光』己・患&)

(4)尼拘律那Ⅱニヤグローダ樹。バニヤン樹。梵語昌僧8」旨

の音写。長大な喬木で枝葉がよく繁茂し、木陰では厳しい

日光を避けることができる。修行者がこの木の下に止住す

ることもある。その種子はとても小さく、僅かな布施でも

仏への供養は大きな果報をもたらすことを示す際の讐輪と

して多くの仏典にその名が用いられる。迦毘羅城南方のニ

ャグローダ樹園は、釈尊が成道の後に帰郷して父王等のた

めに説法した場所として知られる。(『望月』勺・合隠、『中村

広説』で」ざ])

(5)僧伽藍Ⅱ僧院。僧園。多数の出家修行者が共住して修

行する清浄閑静な場所。梵語圏白面厨国目の音写。僧伽

藍摩と表される場合もある。(『望月』や89、『中村広説』

や』g一壱・画暖「伽藍」)

(6)静処Ⅱ静かな場所。一人でいる場所。梵語n畳o悪冨。森林

の中の静かな場所。梵語:口冨。(『中村広説』で。、g)

(7)三更Ⅱ「更」は夜間の時刻の変わりめ。日没から夜明けま

心をとどめること。(『中村広説』で・路、)

(5)面然Ⅱ原語はヨロ穿凹自一‐高一色(火の燃え盛るロまたは顔を

持つ者)。顔が炎に包まれているざま、あるいは口から火を

吹くさまを表す。「焔ロ」と漢訳される場合もある。「望月』

己・暗弓「施餓鬼会」、『仏光』己・巴&)

(6)方計Ⅱ方法。方便。前出「方便」の項も参照。「中村広説』

己」、○国)

(7)農朝Ⅱ明け方。早朝。また、昼を三時に分けたうちの卯

の刻から巳の刻(午前六時~十時)をいう。(『中村広説』

ロ・のS、『大漢和』⑤己・患、)

(8)毛爪Ⅱ体毛と爪。

しゆが竃すが

(9)雷逝Ⅱぜんぜぃ。梵語吻皀西国臼の漢訳語で、「修伽陀」「須伽

陀」などと音写する。原意は「よくゆきし人」であり、幸福

な人、完成した者、よく悟りに到達した人をも意味し、仏

のことを指称する。(『岩波』で.、g)

(、)那麿Ⅱ以下、読みは原則として坂内館雄『真言陀羅尼三平

河出版社・一九八一、p画巴)所掲の「慣用音」に従い、反

切などで指示がある個所はそれに従って変更を加えたが、

「那麿」の二字は「ナウマク」と読めないので一般の音で表

記した。

(、)呼Ⅱ大正蔵は「呼之」に作る。「多」の字だけは別の字より

大きな声で謝える意か。

(尼)上声Ⅱ「三」には上平と去声しかないが、ここでは特に上

声(第三声)で調えよという指示であろう。

02

でを五分して、約二時間ごとに区分する。夜番の者が更代

する時刻を表したことに拠る。現在の時刻では「初更」は午

後八時、「二更」は午後十時、「三更」は午前零時、「四更」は

午前二時、「五更」は午前四時。(『中村広説』ヤヨー、『大漢和』

①で・急の「五更」)

(8)餓鬼Ⅱ梵語官§は「死せる者」「逝きし者」を意味し、元

来は死者の魂、祖霊を表す語。仏教に取り入れられて、飢

えて食物を待つ死者を表すようになった。六道輪廻の中、

餓鬼道に住む者。悪業の報いとして飢渇に苦しむ亡者。常

に飢えと渇きに苦しんでいる者。(『中村広説』や」用、『岩波』

で・一つ①)

(9)焔口Ⅱ原語は目巨厚針已‐}ご山一図(火の燃え盛る口または顔を

持つ者)。口から火を吹くさま、あるいは顔が炎に包まれて

いるさまを表す。「面然」と漢訳される場合もある。「望月』

已・8s「施餓鬼会」、『仏光』で。、9m)

(、)醜晒Ⅱ容貌が醜く卑しいざま。(『大漢和』⑪已巴)

(、)枯痩Ⅱ枯れて痩せる。痩せ衰える。(『大漢和』⑥で・田。)

(皿)針鋒Ⅱ針の先。微細であること、極めて細いさまの讐噛。

(『大漢和』⑪や、g「鍼鋒」)

(旧)殻乱Ⅱ髪が乱れるざま。(『大漢和』⑫や⑦台)

(M)爪牙Ⅱ爪と牙。爪と歯。(『大漢和』⑦で.、R)

(旧)却後Ⅱそののち。あとで。「却」も後の意。六朝以来の古

い俗語。宋代以降は用いられなくなった。(『禅語辞典愚・田)

(肥)憧怖Ⅱ恐れる。恐れおののく。「恒」は心が動揺すること。

(旧)稗褐反Ⅱ「賊」の音は、稗(唖のHと褐(”)の卿を併せ

て「ハツ」となる。

(凶)二合Ⅱ虎(、)と件(、)の二字を一拍として一宇分の長

さで読めという意味であろう。

(応)強記Ⅱきょうき、記憶力の良いこと〈『大漢和』④ロ・ヨー)。

但し、これでは上の「威徳」と繋がらない。推測であるが、

勢力や元気などが盛んな様を表す「強気」「大漢和』同)の

ことか。

(肥)歩多鬼Ⅱ不明。浮茶鬼のことか。浮茶鬼は□日凶冒の音写で、

臭餓鬼と漢訳する。餓鬼のなかでは福の最も優れたものと

いう。(『中村広説』ご」造巴

(灯)大力Ⅱl、偉大な力、また、すぐれた能力を表す。2、三

昧の一種。(『中村広説』中已・三思)

(旧)勤進Ⅱ勉力進取(『漢語大詞典』②で・巴の)。つとめて進み

求めること。

(旧)諸根Ⅱ眼耳鼻舌身の五根。(『中村広説』中で.①ご)

(、)円満Ⅱみたすこと、成就すること、願いが実現すること。

(『中村広説』上己・一念)

訂)吉祥Ⅱめでたいこと、安穏なる心のやすらぎ。(『広辞苑』)

(型)浄行Ⅱサンスクリットす『昌目‐&旦画の音写。清らかな生

き方、また、清らかな行いに努めている人。「中村広説』中

で。②心②)(翌刹土Ⅱ国、国土。廓・§の音写である「刹」に漢訳の土を

加えたもの。(『中村広説』中己・一三⑦)

103

(『大漢語林昌.、上)

(U方便Ⅱ巧みな手段。特に、衆生を導くためのすぐれた教

化方法をいう。梵語巨凰意。(『岩波』で.『g)

定)那由他Ⅱ数の単位。極めて大きい数。梵語目百日の音写。

「那由多」と表されることもある。具体的には一千億を指す

とされる場合が多いが、その他にも千万二兆など、異説が

多い。(『中村広説』己」日⑭、『岩波』で.①暖、『仏光』で.②C圏)

(四)恒河沙Ⅱガンジス川の砂のように多いざま。数え切れな

いほど数が多いことの讐嚥。「恒河」はガンジス河を表す梵

語西目圏の音写。(『中村広説』で・台の、『岩波』で・暖、)

〈型婆羅門Ⅱバラモン。司祭者。インドにおける四姓(カース

ト)のうち、最高位の者。梵語颪一目自璽の音写。(『中村広説』

壷)摩伽陀国Ⅱマガダ国。梵語目畠昌冨。インドのビハール州、

ガンジス河南部の古称。古代インドで強大であった国で、

首都王舎城(梵語且僧讐鴎)は釈尊が最も長く居住した地で、

竹林園や霊鷲山などでしばしば説法を行ったことで知られ

(、)仙Ⅱインド一鰡

村広説』で」g」)

(幻)料Ⅱ容積を量る容器の名称。また、容積の単位。石。一

斗の十倍。周代の一斗は約十九・四リットル。また、容積を

量る容器の名称でもある。(『大漢和』⑤己.白い、『大漢語林』

で。①②四)

勺・国g、『岩波』勺・&『)

る。(『岩波』で。『巴壱・患「王舎城」)

仙Ⅱインド一般に存在する行者。聖仙。仙人。梵語風。(『中

函)倶砥Ⅱ梵語「コーティ(丙且)」の音写。数の単位で十の七乗。

(『中村』や四$)ここでは、数え切れない程非常に多くの数

量を表す。

104

(羽)世間自在威徳如来Ⅱそのままの名称は辞癬類に見えない

(釦)倶砥Ⅱ岸且の音写。数の単位で十の七乗。十万・千万、あ

るいは億・万億または京とする。(『中村后・四$)

(犯)観自在菩薩Ⅱ慈悲、救済を特色とした菩薩の名。梵語名

はシ薗一C医風薗国(観察することに自在な、の意)。(『岩波』

(配)不順Ⅱ道理に合わない。道にたがう。(『大漢和』①で団盆)

(”)五体投地Ⅱ五体とは全身のこと。全身をその前に投げ伏

して仏や高僧、師匠(巴目)などを礼拝する。インドにおい

て最も丁重な礼拝の仕方。現実には仏像や仏塔、僧侶に対

して額と両肘。両膝を地に着けて礼拝する。(『岩波』や日『)

(聖頂礼Ⅱ古代インドにおける最高の敬礼法で、尊者の足下

にひれ伏し、頭の先を地につける。仏教でも仏の両足に頭

をつけるのを〈頂礼仏足〉といい、両手両足頭を地につける

五体投地は最上の敬礼法とされる。(『岩波』P巴①)

弱)顛懐Ⅱ戦傑と同義。ふるえおののくこと。

(釦)方便Ⅱ接近する、到達する、という意味の動詞から派生

した梵語の巨凰着であり、衆生を導くためのすぐれた教化

方法、巧みな手段を意味する。方便は真実と対になる概念

で、衆生に真実を明かすまでの暫定的な手段を意味する。

(型)鳳痩Ⅱやせ衰える。疲れやせる。(『大漢和』⑨ロ・田)

(躯)枯樵Ⅱ枯れ疲れる。枯れ乾く。(『大漢和』⑥や国g「枯焦」、

⑦勺周}「樵」)

己・一心の)

で、衆生に真{

(『岩波』で。『巴)

105

(弱)曇莫薩卿…Ⅱ以下の呪は「焔口陀羅尼」と呼ばれ、『開甘鰯

門』に入れられている。但し、文字表記は大きく異なって

いて、「南無薩婆、馳悠伽多、嚇蝋枳帝、蝿、三摩畷、三摩

畷、件」となっており、読みは「ナムサポ1、トトギャトー、

ポリョキチイ、エン、サンモラー、サンモラー、キン」となっ

ている。「焔口陀羅尼」については木村俊彦・竹中智泰著『禅

宗の陀羅尼昊大東出版社)に注釈が載せられている。和訳

は「一切如来に観察ざれしものに帰依いたします。オーム。

保ちたまえ、保ちたまえ。フーン」となり、還元梵文は「冒目農

⑰閏富国S凶悪曰く四一.底[、◎白田目ワ冒国困自ワ富国百日・」となる。

尚、今回、呪の読み仮名については、坂内駆雄『真言陀羅尼』

(平河出版社・一九八一、や、巴)所掲の「慣用音」に従い、

反切などで指示がある個所はそれに従って変更を加えた。

(妬)愛護Ⅱ以下の「南謨昌那歴」も同じで、|股には「南無」

と書かれることが多い。感嘆詞目白勝(頭を下げる.敬礼

する.帰依する)の終止形目目島。与格名詞あるいは対格

(弧)福徳Ⅱ功徳、一切の善行,

ろ。(『中村広説』下己・-台の)

が、『望月仏教大辞典』第三冊「世自在王仏」条によれば、『救

抜焔口餓鬼陀羅尼経』には、釈尊が過去に婆羅門たりし時、

観世音菩薩及び世間自在威徳如来の所に於て餓鬼陀羅尼を

受け施を散じたることを記せり。此の中、世間自在威徳如

来は恐らく世自在王仏と同一梵名なるべし」(己.$画一)と言

7.

切の善行とそこから生じる福利を意味す

106

名詞・処格名詞を支配して「~に帰依する」の意を表わす。

(釘)薩嚇但佗要路Ⅱ形容詞圏。四二切の.全ての)と名詞

国〔冨恩国(如来)、および動詞自画へ一。【(見る.観察する.

認める)の過去受動分詞形昌』一.厚い(観察されたもの)の

複合語⑰凶。“‐国S賢§‐豊田一・面Bの男性・単数・処格形

⑫胃菌白日樹嵐冨-.面[の(一切如来に観察されしものに)の意。

この陀羅尼が観世音菩薩及び世間自在威徳如来から受けた

とされることからも、『禅宗の陀羅尼』(b・-3)にある如く、

四且。面白から“く四一.底白‐『葛『色(観自在菩薩)が連想されるが、

〈犯)無可反Ⅱ反は反切のことで、漢字の発音表示法。二つの

漢字を使って一つの漢字の音を示す。具体的には上の字の

始めの子音と、下の字の母音とを組み合わせるもので、こ

こでは無(色の子音のBと可(砲)の母音のaとを足して

;へa》PPE,3。

〈釦)俺Ⅱ聖音0日の音写。訳出は困難。「ダラーー等の呪文の冒

頭に唱えられる聖音。元来ウパニシャッド文献等にみえて、

神秘的な意味をもち、密教では大日如来そのものをあらわ

すともいわれる」(『禅宗の陀羅尼』で」一$。

(伽)去Ⅱ去声のこと。「三」には上平(今の第一声で、「みつつ」

の意)と去声(第四声で、「しばしば、なんども」の意)があ

、〃〆雨Ⅲ]、1J■J〃田・ノゴ

(羽)要Ⅱ川同じ文字は『大漢和辞典』などの字欝類に見えない。

恐らく學の誤りであろう。掌は華と同字であり、音はゲッ

確かに文法的には無理があろう。

である。

(比)となる。

107

(妬)多宝如来Ⅱ不空訳『輸伽集要救阿難陀羅尼焔口軌儀経(以

下『聡伽集要経』と略記ごに拠れば、「諾もろの仏子等、若

し多宝如来の名号を間かば、能く汝等をして財宝を具足

し、意の須うろ所に称いて、受用すること無尽ならしめん」

(鍋)愛護婆…Ⅱ以下、四如来の陀羅尼の読みは、原則として

『真言陀羅尼』(壱・四侭~侭、)所掲の「五如来宝号召請陀羅

尼」の「慣用音」に従い、反切などで指示がある個所はそ

れに従って変更を加えた。この陀羅尼は文字の異同はある

(幻)愛護Ⅱ前述と同じであるが、ここでの語尾は連声形の●

(妬)飲麹Ⅱ未詳。麦粉や米粉を湯や水に溶いたものか。麩は「む

ぎこがし。麦や米をいり、ひいて粉にしたもの」(角川『新

(“)檀波羅蜜Ⅱ布施(ほどこし)の完成。布施を完全なものに

るが、ここでは後者の声調で読むという指示。

(妃)三賊羅Ⅱ動詞圏ヨヘニ『(集める・用意する.維持する・

養う等)の命令法・二人称・単数・他動態愚目9画『四・「集

めたまえ」「保ちたまえ」「養いたまえ」等の意。

(網)畔Ⅱ聖音冒冒の音写。訳出は困難。「諸尊に共通する種子

(諸仏・諸尊を象徴的にあらわした梵字)ともいわれ、また

念怒の相を象徴する音ともいわれている三『禅宗の陀羅尼』

ぎこがし。麦や

字源』で」]巴)。

でo」」②)。

となっている。以下も同じ。

1K一

(自画]

すること。(『中村』っ・亀)

。←『]四)し」一一言レフ。

108

(別)妙色身如来Ⅱ『聴伽集要経』には「諸もるの仏子等、若し

妙色身如来の名号を間かば、能く汝等をして醜晒を受けず、

諸根具足、相好円満、殊勝端厳にして、天上人間、最も第

一と為らしめん」(息一・台」四)とある。

(弱)愛護婆識縛帝…Ⅱ以下の妙色身如来の陀羅尼の意味は、

「世尊〔すなわち〕美しい容姿を持つ如来に帰依致します」

で、還元梵文は「冒白。g色恩菌[囲巨日凰Bs幽彊国憲」となる。

(記)素噌播野Ⅱ接頭辞目(美しい.妙なる)と凰冨(いろ・か

(麺)鍵Ⅱ注(犯)参照。

(田)鉢鰯部鯵畷但愛野Ⅱ形容詞官号盲目(多量の.勝れた.現

れた)と名詞目日凹(財宝・宝石)の複合語己『号百s‐『色目四(多

くの宝を持つもの.勝れた宝を持つもの・宝を現ずろもの)

の男性・単数・与格形官号百国日日四着。「多くの宝を持つも

の〈Ⅱ多宝)に」「勝れた宝をもつものT宝勝)に」の意。

(兜)但佗嬰畷野Ⅱ名詞国s凹彊国(如来・如去)の男性・単数・

与格形国昌筒息冨。「如来に」の意。以下も同じ。

が、『五如来宝号招請陀羅尼』の中の「多宝如来」の陀羅尼

に相当する。還元梵文は「目白◎す富遍く胃⑱己国9口国忌日四冨

国島街愚息」であり、和訳は「世尊〔すなわち〕多くの勝れ

た宝を持つ如来に帰依致します」となる。

(ぬ)去Ⅱ婆房)は下平だが去声(第四声)で読めという指示。

(印)婆識嚇帝Ⅱ婆識縛帝Ⅱ形容詞喜色彊菌『(尊敬すべき・崇拝

すべき・神聖な)の男性・単数・与格形三m恩ご胃⑮。「世尊に」

の意。以下も同じ。

109

品)尾補羅識但嘱野Ⅱ形容詞己で鳥〈大きい.広い.長い.厚

い)と名詞西凹【『國富(身体・手足)の所有複合語ご一宮一』,忍圓(長

大な手足をもつもの)の男性・単数・与格形ご官一蝉‐恩5百。

(団)雛怖畏如来Ⅱ『聡伽集要経』には「諸もるの仏子等、若し

雛怖畏如来の名号を間かば、能く汝等をして常に安楽を得、

永く驚怖を離れて、清浄快楽ならしめん」(台冒)とある。

鹿)愛護婆去〔声〕識噌帝一…Ⅱ以下の雛怖畏如来の陀羅尼の

意味は、「世尊〔すなわち〕恐怖をなからしめる如来に帰依

致します」で、還元梵文は「冒冒○ヶ冨恩菌[の号冨百日‐百国富

(聖愛護識噌帝一…Ⅱ以下の広博身如来の陀羅尼の意味

は、「世尊〔すなわち〕長大な手足を持つ如来に帰依致

します」で、還元梵文は「冒曰・房色彊薗扁1で臣一四‐恩[3百

(卵)広博身如来Ⅱ『職伽集要経』には「諸もるの仏子等、若し

広博身如来の名号を間かば、能く汝等餓鬼の針のごとき咽

をして、業火、焼くを停めて清涼通達し、受くる所の飲食、

たち)の所有複合語呂目官(美しい姿をもつもの)の男性・

単数・与格形目昌凰冒。「美しい容姿のものに」の意。

缶)具足Ⅱ①十分に備わること。具備に同義。得るの意。②

円満に同じ。また完全の意。それぞれの用法として、③「具

足して」は「完全に」の意。④「具足せば」は「詳しく言えば」

の意。⑤「具足し」は「いっぱい」の意。(『中村広説』上Pg①)

国昌凶悪□ご凶・」となる。

をして、業火、焼くを停めて清涼癌

甘露味を得しめん」(合一巴とある。

(角川『新字源』で・場)

110

〈的)真言Ⅱ密教でいう真実絶対のことばで、仏や菩薩などの

本質を表す秘密の語。漢訳では呪、神呪、密呪、密言という。

呪・陀羅尼と同義に用いられるが、ときとして、陀羅尼の

短いものを指し示すことがある。〈『中村広説』中已・のち)

(匝優婆塞Ⅱ在俗の男性信者のこと。もともとの語源は、仕

える人ないしは奉仕する人の意で、出家修行者に仕え、そ

の世話をする人々の一般名詞であり、インドでは全ての宗

教に共通する名称であった。梵語臣風留置の音写。漢訳は

情信士、近事男、善宿男、近善男。(『中村広説』上b・二○)

(船)優婆夷Ⅱ在俗の女性信者。信女。優婆塞に同意。巨凰鴬色

の音写で清信女、近善如、近事女、近宿女と漢訳する。(『中

(“)族姓子Ⅱl、良家の子。正しい信仰をもつ人。立派な男

子。善良な紳士。普通は在家の男性に対して用いる。善男

子に同じ。2、比丘のことを称していうこともある。「中村』

(髄)去Ⅱ注(網)参照。

(“)阿婆孕迦曝野Ⅱ形容詞豊富急〈畏れの無い.安全な・確実

な)の中性・単数・対格形:盲看目と名詞匿国(為すこと.

作ること)の格限定複合語:旨く:‐百団意の男性・単数・

与格形号冨百日‐百国憲。「恐怖なからしむるものに」の意。

国曰凹彊国富・」となる。

(田)上Ⅱ「阿』は平声・上声・去声の三つの声調があるが、そ

己。、の。)

村広説』上己・二つ)

の中の上声で読めという指示。

111

(己夜叉Ⅱ八部衆の一つで、もともとは人を食らうなどの悪

事を事とする鬼神であるが、須弥山の北方に住する毘沙

門天(多間天)の巻属としての夜叉は、帝釈天の譽属とし

ての仁王尊などの夜叉とともに、仏法守護の良き鬼神と

されている。また、しばしば羅刹と併称される。言禅学』

(、)百千倶砥・百千倶胆恒河沙数・百千恒河沙Ⅱそれぞれ無限、

数え切れないを表現する語。(『中村広説』上亨台①等参照)

(だ)色力Ⅱ身体の力。〈『中村広説』中や2m)

(ね)善根Ⅱ功徳のもと。良い報いを受くべき善行、すなわち

正しい行為を意味する。善を樹の根に職えていう。「中村

(わ)加持Ⅱ祈祷、またはその儀式をいう。本来は加持と祈祷

は全く異なった概念である。加持は四冒吻旨冒の訳で、確

立ないしは決意の義から転じて加護の意味に用いられる。

祈祷とは仏菩薩の冥助を求めて招福擾災を祈念することで

ある。密教では加持に対して特殊な解釈をして「加」とは

仏の大悲大智が衆生に加わること、「持」とは衆生がこれを

受持することであるとするが、またある効験を願って特定

の陀羅尼や印契を修して、その効験を念じるといった呪術

作法をも意味するようになった。そして、これが転じて祈

祷と同義に用いられるようになったのである。(今泉淑夫編

(だ)羅刹Ⅱ悪鬼の通名。人畜の血肉を食らい、空を飛び、地

されている。士

已」国璽⑦、一m四コ)

広説』で』9s

『日本仏教史辞典』で.]g)

112

(配)如法Ⅱ法にかない、

りの。(『中村』で」9s

〈犯)正解Ⅱ悟り。(『中村広説』中己・玉、)

(ね)梵天Ⅱ仏典では梵天は仏の説法を聴き、仏教に帰依し、

仏教を保護する神とされる。(『禅学』己・二g)

(帥)怨懲Ⅱうらみあう関係になること、また、うらみそのも

のを意味する語。(角川『新字源』やいg)

(団)檀婆羅密Ⅱ梵語忌冒‐凰冒己薗の音写。檀婆羅密多とも布

施波羅密ともいう。布施(ほどこし)の完成。また、布施を

(方)仙Ⅱ印度一般に存在する行者。巷

たは聖仙。(『中村広説』中ロ・己巴)

(布)婆羅門Ⅱバラモン。司祭者。印度における四姓(カースト)

の最高位。梵語ヶ図ゴ目冒の音写。(『中村広説』下で.]②g)

(万)仙Ⅱ印度一般に存在する行者。梵語国、漢訳では仙人ま

施波羅密ともいう。布施(ほどこ’

完全なものにすることを意味する。

中を行き、その行動は敏捷にして畏れられた。普通には夜

叉羅刹とか悪鬼羅刹というようにしばしば併称されて用い

られろ。(『禅学』己.}9-)理にかなうこと。仏の説いた法とお

113

【口語訳】

えんく

焔口という名の餓鬼を救うための陀羅尼を説く経典

大興善寺の三蔵沙門、大広智不空が詔を頂いて訳す

かびらまちにくりつな

その時、世尊は迦毘羅の城の尼拘律那僧院において、

そうりょ

諸もるの立派な比丘や、諸もるの菩薩、無数の聴衆に

囲まれ、〔彼らの〕ために説法を行っていた。

先のように細く、頭髪は乱』

ても恐ろしいものであった。

おしえ

その時、阿難は静かな場所で〔釈尊か戸D〕受けた法

えんく

を一人瞑想していた。その夜の夜半jD過ぎた頃、焔口

すがたみにく

という名の餓鬼が現れた。その形は醜晒/、、身体は枯

れ木のように痩せこけ、口の中で火が燃え、喉は針の

先のように細く、頭髪は乱れ、爪と歯は長く鋭く、と

〔その餓鬼は〕阿難の前に立って申し上げた、「これ

から三日後にあなたの命は尽きてしまい、この餓鬼〔の

世界〕に生まれるでしょう」と。その時、その言葉を

聞いた阿難は、心に恐怖が湧き起こり、餓鬼に質問し

た、「もし私が死後に餓鬼〔の世界〕に生まれるという

ほうばう

のであれば、どのような方便によれば〔餓鬼道に落ち

【口語訳】

めんねん

じゅもん

面然という名の餓鬼を救うための神呪を説く経典

うてん

じっしやなんだ

唐代の干闘の僧、実叉難陀訳す

かびらまちにくりつな

その時、世尊は迦毘羅の城の尼倶律那僧院において、

そうりょ

諸もるの比丘や、諸もるの菩薩、無数の聴衆とともに

いた。〔彼らに〕周囲を囲まれて、〔彼らの〕ために説法

を行った。

その時、阿難は清浄な場所に一人いて、一心に瞑想

めんねん

していた。その夜の夜半も過ぎた頃、面然という名の

餓鬼が現れた。

〔その餓鬼は〕阿難の前に立って申し上げた、「これ

から三日後にあなたの命は尽きてしまい、この餓鬼〔の

世界〕に生まれるでしょう」と。その時その言葉を聞

いた阿難は、心に恐怖が湧き起こり、餓鬼に質問した、

わざわい

「私にそのような災禍がもたらされるなら、どのよう

ほうばう

な方計を〔実行〕すれば、その苦しみを免れることが

114

そして座から立って、急いで仏の所に至り、五体役

ふるわせ

地して、仏の足を頂礼し、身体を顧懐ながら仏に申し

上げた、「願わくは私の苦しみをお救いください。ど

すがた

阿難は、この焔口〔し」いう名の〕餓鬼の身形が、や

せ細り衰え疲れて極めて醜く、口中に火が燃え、喉が

針先のように細く、頭髪が乱れて、爪と歯とが長く鋭

いざまを見た上に、このような道理に合わない言葉を

聞いてとても驚き怖れ、全身の毛が逆立った。

それを聞いた餓鬼は阿難に申し上げた、「あなたが

明日、数限りない餓鬼および多くの婆羅門や仙人たち

虫がだ

に布施を行うのに、一人一人に〔対して〕摩伽陀国で

虫T

こく

使用している斜で一人一人に一石の飲食を与え、さら

に私のために三宝に供養するならば、あなたは寿命を

延ばすことができ、私にこの餓鬼〔の世界〕の苦しみ

を離れて天上〔世界〕に生まれさせることができるで

ろという〕

うか」と。

しよう」と。

阿難は、

その苦しみから免れることができるであるできるであろうか」と。

Tがた

〔阿難は、この面然という餓鬼の身形が、やせ細hソ

衰え疲れて極めて醜く、顔面で火が燃え、喉が針のよ

うに細く、頭髪が乱れて、体毛と爪とが長く鋭く、身

体に重荷を負っ〔たように腰が曲がっ〕ているのを見

た上に、このような道理に合わない言葉を聞いてとて

も驚き怖れ、全身の毛が逆立った。

そして座から立って、急いで仏の所に至り、五体役

ふろわ

地して、仏の足を頂礼し、身jD心も戦懐せて仏に申し

ばとけ

上げた、「私迄巳お救いください、世尊よ。私をお救い

その時、〔それを聞いた〕餓鬼は阿難に告げて言った、

「あなたが早朝、数限りない餓鬼および多くの婆羅門

まがだ

や仙人たちに布施を行うのに、摩伽陀国で使用してい

ます

ろ斜で、一人一人に一斗の飲食を施し、さらに私のた

めに三宝に供養するならば、あなたは寿命を延ばすこ

とができ、私にこの餓鬼〔の世界〕の苦しみを離れて

天上〔世界〕に生まれさせることができるでしょう」と。

115

その時、世尊は阿難に告げて言った、「お前は今、

てだて

怖れることはない。私によい方便がある。お前に数限

りない餓鬼および諸もるの婆羅門や仙人たちに種々の

しんぽい

飲食を施すことができるようにさせよう。憂悩するな」

うしてかというと、私が静かなところにじっとして、

おしえ

〔仏より〕授けられた法を瞑想していると、焔口餓鬼

が現れて、私に告げて言いました、『あなたは三日たっ

たら、きっと命がなくなって、餓鬼〔の世界〕に生ま

れるでしょう』と。私は〔餓鬼に〕質問しました、『ど

うしたら私はこの苦しみから免れることができだろう

か』と。餓鬼は答えて言いました、『あなたは今、数限

りない餓鬼および多くの婆羅門や仙人たちに種々の飲

食を施すならば、あなたは寿〔命〕を延ばすことがで

きるでしょう』と。世尊よ、私は今どうすれば若干の

餓鬼や仙人たちの食事を工面することができましょう

むりよろいとくじざいこうみょっしゅしようみょうりざ

仏は阿難に生□げた、「『無量威徳自在光明殊勝妙力』

とな

という名前の陀羅尼がある。J四)しこの陀羅尼を調えろ

と。

か」と。

その時、世尊は阿難に告げて言った、「お前は怖れ

すぐてだて

ることはない。異れた方便がある。お前にこのような

餓鬼や諸もるの婆羅門および仙人たちに食事を施すこ

しんぽい

とができるようにさせよう。憂悩するな」と。

ばとけ

おわって

ください、善逝よ・〔私は〕今から一二日たつと命が終尽

しまいます。昨夜、ある面然餓鬼が現れて、私に告げ

て言いました、『あなたは三日で必ず命が尽き、餓鬼〔の

世界〕に生まれるでしょう』と。私は〔餓鬼に〕質問し

ぼうぼう

ました、『どんな方計で、この苦しみを免れることが

できるだろうか』と。餓鬼は答えて言いました、『あな

たがもし数限りない餓鬼および多くの婆羅門と諸もる

の仙人たちに飲食を施すならば、あなたは寿〔命〕を

延ばすことができるでしょう』と。世尊よ、私はどう

すればこの苦しみを免れることができましょうか」と。

いっさいとつこうむりよういりざ

仏は阿難に告げて一三口った、「『一切徳光無量威力』と

とな

いう名前の陀羅尼がある。jじしこの陀羅尼を調える者

116

者がいれば、数限りない餓鬼および婆羅門や仙人たち

すばらしい

に上妙飲食を十分足りるようにし、このような人々そ

まず

れぞれ皆なが摩伽陀国で用いる劇で四十九石の食を得

るだろう。

かんじざ恥

阿難よ、私は前世に婆羅門であったときに、観自在

ぼさつ

せけんじざいいとくによらい

菩薩の所および世間自在威徳如来の所で、この陀羅尼

を授かったので、無量の餓鬼および諸もるの仙人たち

に種々の飲食を分け与え、諸もるの餓鬼を苦しみを受

ぬけだ

けている肉体から解脱させ、天上世界に生まれさせ

〔ることができ〕た。阿難よ、お前は今〔この陀羅尼を〕

おぼえて

ふえ

受持おけば、福徳も寿命も共に増長ろだろう」と。

その時、世尊は阿難のために陀羅尼を説いて言った、

「鋤鳶職聯〔汗は〕パドもMじ。低僻騨蹴〔鹸川を〕仲ぱす・〔ここまでが〕節呵.騨蹴〔廠鐙〕仰ぱす・糾擶〔ここまでが〕鋪1噸〔府を〕仰ぱす.(ここ童でが〕節…糊.ヨ歩椰〔で純⑰〕跡勝一藤榊峨〔…〕伽ばす・〔ここまでが〕節Ⅶ句。」

だんせ印じよせい

仏は阿難に上pげた、「立派な男子・女人で、長寿で

があれば、数限りない餓鬼および数多くの婆羅門や諾

もろの仙人たちに〔食事を〕施してしまったことにな

り、〔それらの餓鬼、婆羅門、仙人たちの〕前に各おの

まず

摩伽陀の解で四石九斗の飲食があろう」と。

仏は阿難に告げて言った、「私は、前世でかつて婆

かんぜおんぼさつ

せけんUざいとくりさによらい

羅門だった時、観世立曰菩薩および世間自在徳力如来の

所で、この陀羅尼を授かった。私はすぐさまこの陀羅

尼の力で、無量無数の餓鬼および婆羅門や仙人たちの

食〔事〕を十分に満足させることができた。私は諸も

るの餓鬼に食〔事〕を施したので、〔餓鬼たちは〕その

ぬけだ

身体を捨離して、天上に生まれることができた。阿難

おぼえ

よ、お前は今、この陀羅尼を受持て、きっと自分で身

を護りなさい」と。

そこで呪を説いて言った、

「搬勝鱈紳〔瀧川は〕パ・ドもⅢじ・性他撒多術〔で縫な〕・人仰で鋼える.縛跡榔禰〔ここまでが〕節・句・噸一一k脚〔宇砿えろ〕・下も側じ・腕〔商は〕ハツ。下もⅢじ.聯三一蹴嚇〔ここまでが〕鄭一刺・勝聡.γを合わせ〔て.Mで説な〕。〔ここまでが〕節》.。句。」

仏は言った、「阿難よ、もしこの食べ物を施す作法

】17

くどくぞうか

福徳が増栄し、速やかに布施の行をやhソ遂げることが

あざ

しようがい

でき、晨朝山Uどんな時もいつでもまったく障擬がない

ことを求めたいと思うならば、一つの清浄な器を持つ

おもゆ

てきて、清浄な水を盛hソ、飲麩や餅・飯などを少しば

かり中に入れ、右手で〔その〕器を持って、先の陀羅

とな

尼を満七遍調えてか芦ワ、〔次に示す〕四如来の名号を称

ナウポタホウニョライ

「南謨多宝如来。

鰯瀞蝉去蔵〔で抗む〕・識繍蔽〔ここまでが〕第一句・鈎囎一宇を合わせ〔て一柚で挑む〕・柵〔府を〕伸ばす.瞬鵬慨鍵:一合わせ〔て一拍で鉈⑥〕”野但佗〔府を〕伸ばす.騨噺〔…〕伸ばす.聯(ここまでが〕翔側」ヤタター

となざとう

「多宝如来の名号を称えて加持するから、一切の餓

ものおしみ

鬼たちが多生にわたって積み重ねて二ごた樫倍の悪業を

打ち破ることができ、〔餓鬼たちの〕罪障が消滅して、

くどくかんぜん

即座に福徳が円満になろう」。

えなさい」。

ナウポミコウシキシンニ団ライ

「南謨妙色身如来。

鍵謝欝識縛禰〔ここまでが〕輔一句。菊騨二塗川を合わせ〔て一拍で銃む〕・播〔高を〕伸ばす.聯低豚(薇を〕伸ばす。瀞勝聯〔ここまでが〕節二句・」パー

じゅもん

ざとう

「妙色身如来の名号を称えて加持するから、諸々の

を実施しようと思う者は、まず飲食を持ってきて清浄

うつわ

とな

な盤器の中に置き、この陀羅尼呪を調えて、〔お供え

する飲〕食に七遍呪文をかけ、門の内側に立って、腕

うつわ

を戸の外に伸ばし、盤を清浄な地面に置いて、指を七

回鳴らしなさい。

118

餓鬼の、醜く卑しい悪しき姿を打ち破り、そのまま〔仏

のような〕美しい姿を完全に具えることになろう」。

ご)L-

じゅもんとなざとう

「広博身如来の名号を称えて加持するから、〔針のし士

のど

そなえもの

うに首が細い〕諸々の鬼の咽喉迄巴広げて、施した食物

を欲しいままに〔食べさせ、〕満腹させることが出来よ

じゅもんとなざとう

「雛怖畏如来の名号を称えて加持するか{ワ、諸々の

おそれ

〔餓〕鬼の一切の怖畏を悉く除き去hソ、餓鬼の世界か

ら離れさせることが出来るであろう」と。

仏が阿難に告げた、「立派な男子たちよ、四つの如

きとう

来の名号を称えて加持しおわったなら、指を七遍鳴ら

ナウポコウハクシンニョライ

「南謨広榑身如来。

ナウポリブイーーョライ

「南謨離怖畏如来。

騨瀞輿上川〔で焼む〕・識卿荊〔ここまでが〕鋼句・卿止抑〔で雌⑪〕・婆公川〔で腕む〕・懸岬噸〔舟を〕仲ぱす・跡性修飾〔で挑む〕・蝉

仲ぱす・騨瞬齢〔ここまでが〕輔跡.」

襲謨(…〕…脅諏聯禰(ここまでが〕:屏榊鰯講濡を〕

ナウポー

伸ばす.⑪蝿一所を合わせて(.柚で焼み〕.〔池川を〕伸ばす.聯低僻〔商を〕

畷〔行を〕仲ぱす・卿〔ここまでが〕鏑一句.ター

この施しをなし終わったならば、その四方に数えき

れない無数の餓鬼がいたとしても、その一人一人の餓

119

して、食器を清浄な地面から取り上げ、腕を伸ばして

〔その中味を地面の上に〕注ぎなさい。その施しをな

し終わったならば、その四方に数えきれない無数の餓

まず

鬼がいたとしても、その前に各々マガダ国の〔升で〕

こく

七七〔四十九〕料の食べ物があることになろう。〔そし

て〕この食べ物を受け終わったならば、みんな腹一杯

になり、そのもろもろの餓鬼たちは、ことごとく餓鬼

の身を捨てて天上〔世界〕に生まれることになろう」。

阿難よ、若し、比丘や比丘尼、在俗の男性や女性の

信者がいつもこの真言や四如来の名号を〔唱え、〕食物

ざとう

に加持して餓鬼に施すならば、すぐに〔彼らは〕無量

くどく

の福徳を完全に具えることができるであろう。そして

くどく

〔この福徳は〕数え切れないほどの如来に供養する功

かつりよく

徳とまったく変わりなく、寿命は延長し、色力はいよ

ぜんどんそな

いよ増し、善根は具足わり、一切の人間以外のものや、

夜叉、羅刹、諸もるの悪しき鬼神はむやみに害を加え

くどく

そなわ

ることはなく、また無量の福徳と寿命が成就ろである

浄7.

また言った、「阿難よ、あるいは比丘・比丘尼や在

家の男性や女性の信者がもしも普段一生懸命にこの陀

たぺもの

羅尼を唱えて、また飲食を献ずることができるならば、

そなえ

たちまちに〔彼らは〕無量の功徳を具足て、寿命を延

ばすことができ、たちまちに数え切れないほどの如来

に供養した〔のと同じ〕功徳を成就し、顔色は清らかで、

威徳があって記憶力も優れたものとなり、一切の人間

やしゃらせつ

以外のもの、歩多鬼など〔の鬼神〕や、夜叉・羅刹な

らびに諸々の餓鬼は、皆この人を畏れて、見るに耐え

られない心持ちとなるであろう。〔そして、これにより〕かん

この人は偉大な力で〔解脱を〕勤め求める〔能力〕を成

まず

鬼の前に、各々マガダ国の斜で四石九斗の飲食があ

り、これらの餓鬼たちは誰もがみんな腹一杯になるだ

ろう。〔そして〕この食べ物を食べ終わったならば、こ

とごとく餓鬼の身を捨てて、残らず天〔上世界〕に生

まれることができるだろう」。

120

ばらもん

JUし諸々の婆羅門や仙人たちに施しをしようと思う

たぺもの

ならば、浄らかな飲食を一つの器に山のように盛hソつ

きとう

けて、前の真言を一一七〔十四〕週唱えて加持し、浄ら

かな流水の中に投げ入れなさい。このようにやり終

おいたぺもの

わったならば、天界の諸々の美妙1」い飲食を、数え切

ばらもん

れないほどの婆羅門や仙人に供養したこし」になろう。

廷とう

かの諸々の仙人たちは加持した食物を得るので、〔食

物に込められた〕呪の威徳によって、各々のもともと

ねがい

の所願である善功徳を成就↑して、各々が同時に誓願を

発して言うであろう、『願わくは〔我等に〕食物を施し

いのち

からだげんこう

てくれた人の寿命が延長’し、色力が安楽でありますよ

うに。また、その人が心で見聞するところ〔のもの〕

ざとり

が、清浄なる正解となり、梵天の威徳が身にきちんと

備わって、梵天の行が行えますように。また、数え切

れないほどの如来に供養〔して得られ〕ろ功徳と同じ

かたき

ょうに、一切の怨醗が〔その人力こ〕侵害できませんよ

●ように、

うに』と。

あるいは比丘や比丘尼、在俗の男性や女性の信者が、あるいは比丘や比丘尼、在俗の男性や女性の信者が、

せい

就させ完全に具えるであろう」と。

また言った、「阿難よ、もし婆羅門や仙人に食物を

たべもの

施そうし」思う者がいれば、かならず飲食を鉢の中いつ

だらに

ぱいに盛出リ、この陀羅尼呪を唱えよ。食物に七週呪を

モモ

くり返して〔唱え〕、流水の中に潟げぱ、数限りないたぺ

ほどの婆羅門や諸々の仙人たちに、天にあヱ》ような飲

筌ものじゅうぶん

食を具足に献上したこL」になる。その婆羅門や仙人等

からだ

はこの食べ物を食べ終わったならば、五根の不具〈ロは

なくなり、円満に〔何欠けることなく〕安穏な心の安

おこ

らぎを得三)であろう。〔そして〕各々その願いを発し

て〔食べ物を〕施した人を〔次の様に〕讃歎するであろ

う、『その食べ物を施した人は、心が清浄となり、速

剴』し』

やかに梵天の威徳を証って、つねに清らかな行いを修

かんぜん

め、数限恥リない如来に供養する功徳を具足に成就して、

諸々の怨敵に対して常に勝つことができますように』

●し」。

121

もし仏法僧〔の三〕宝に供養をしようと思うならば、

はな

たべもの

かならず香華と浄らかな飲食をもちい、前の真二ロを

二十一通唱えて加持して三宝に献上しなさい。この〔供

養を行った〕立派な男子と女人は、天のごちそうの〔殊

あらゆろ

に〕美味なるものを、十方世界に満ち満ちている仏法

僧の三宝に献上供養したこととなるし、また、〔三宝を〕

まねよるこ

讃歎し勧請き随喜ぶという功徳〔を積むこと〕となり、

おも

つれに諸仏に憶念われ、称賛され、諸々の天〔上世界〕

にいる善き神々がつねに擁護しにやって来て、すぐさ

じょうじゆ

ま布施行が満足されるであろう。

おまえ

阿難よ、汝は私の一一一口葉に従って教えの通りに修行を

し、〔この仏の教えを〕説き広め、諸々の衆生が〔その

教えを〕余すことなく見聞して無量の福徳を享受でき

ぐえんくがきび⑨うぐしゆ

るようにさせなさい。この経典を『救焔口餓鬼及苦衆

しようだらに包よう

生陀羅尼経(焔ロ餓鬼及び苦しみし衆生を救う陀羅尼の経)』

おまえおぼえ

と名付ける。この〔経典の〕名前を、汝は奉持ておき

なさい」と。

すべての聴衆および阿難たちは、仏が説くのを聞き

おえると、〔この教えを〕心から信奉し、歓喜して実践

もし全ての三宝に供養しようと思うならば、かならず

はなたぺもの

香華や飲食をきちんと準備して、この陀羅尼を唱え、

はな

だらに

施そうとしている食物や香華などに一一十一週呪をくり

返して〔唱えてから〕、三宝に供養しなさい。〔そうす

れば、〕これら立派な男子や女人らは諸天の最上の供

かんぜんなし

物やこの上もない供物を〔献上することを〕具足に成

とげ

くに

就て、すべての如来や〔その如来の〕刹土の一二宝を尊

重し讃歎し〔たことになり〕、諸仏は〔この善男子や善かみ

女人のことを〕深く記憶し、褒め称えるし、〔また〕諾

がみ

天は〔彼らを〕助け護るであろう」と。

仏は一一一口われた、「去け、阿難よ・きっと自らの身を〔こ

の経典によって〕護りながら、広く諸もるの衆生のた

めに〔この経典を〕説いて、諸もるの衆生に無量の功

徳を完全に具備させ、〔将来〕生まれ〔変わ〕る世〔界〕で、

いつも数え切れない程多くの諸仏たちに値えるように

させなさい」と。

〔以上で〕『仏説面然餓鬼陀羅尼経罠終わり。〕

22

した。

〔以上で頁仏説救抜焔ロ餓鬼陀羅尼経罠終わり〕

123

薪騨筆者プロフィール】

やすながそどう

のぐちぜんけい

安永祖堂一九五六年愛媛県生まれ。花園大学卒業。野口善敬一九五四年福岡県生まれ。九州大学大学

天龍寺国際禅堂師家。大阪府松雲寺住職。

院博士課程中退。福岡県長性寺住職。妙心

花園大学教授。

寺派教化センター教学研究委員。福岡女子

大学非常勤講師。

かさいこうゆう

葛西好雄胤迩譲繼騨逵議議熊講献騨蝋薩誌一九五・年東京都生まれ・学習院大学大

住職。

学院博士課程単位取得。東京都金龍寺住職。

妙心寺派教化センター教学研究委員。

たけなかちたい

竹中智泰胤私鈍率艀藝椎畔鍛、率辨舞唇鐸》』噸需斡鄙鰍鮮靴鮒雛雌一ら虹一九五九年島根県生まれ・早稲田大学大大学(教育学部)教授。

学院博士課程単位取得。島根県観音寺住職。

妙心寺派教化センター教学研究委員。花園

罫むらしゅんげん

木村俊彦一九四○年京都府生まれ。東北大学大学

大学非常勤講師。

院博士課程修了。京都府養徳院先副住職。とくしげかんどう

四天王寺国際仏教大学教授。国際仏教文化徳重寛道一九六六年北海道生まれ。北海道大学大

研究所長。文学博士(東北大学)。

学院修士課程修了。北海道明心寺住職。妙

心寺派教化センター教学研究委員。

ひろたそうげん

廣田宗玄胤迩識麗臘鯉艤野鰄鰭杙孵萎謹一九七・年大分県生まれ・東洋大学卒業・

心寺派教化センター教学研究委員。文学博

大分県曹源寺住職。妙心寺派教化センター

士(花園大学)

教学研究委員。

124

【編集後記】

「読書百遍、意自ずから通ず」と言うが、毎朝お経を論んでいながら、一向に「通じる」気配がない。南宋

の大慧宗杲禅師は「禅は仏の心で、教は仏の口だ(禅是仏心、教是仏口)」(『大慧普説』巻四)と言い、元の中峰明

本禅師は「禅は文字を離れた経であり、経は文字がある禅だ(禅即離文字之教、経即有文字之禅)」(『東語西話統集』

巻上)と述べられた。だから、禅宗坊主たるもの、せめて自分が唱えている経典くらい「通じる」よう勉強せ

ればと何時も思いながら、これがなかなか難しい。教学研究委員会でほそぽそと経典の訳注を続けているの

は、不勉強ながらもその思いを少しでも遂げたいと考えてのことである。

早いもので創刊号を発刊してから一年が過ぎてしまった。第二号を出すに当たって、怠惰な私と違って日々

研讃を積み重ねておられる諸大徳より、貴重な原稿をたくさん寄せて頂いた。花園大学教授の安永祖堂老師

からは禅門の雑誌を飾るに相応しい玉稿を頂戴し、宗門の碩学である竹中智泰師および木村俊彦師からは、

お忙しい中ご無理をお願いして、論文と資料紹介をそれぞれ賜った。また、洞門の葛西好雄師からは禅門の

戒に関する貴重な研究を載せて頂けることになった。論文を投稿いただいた廣田宗玄師は花園大学大学院の

課程博士第一号であり、宗門における新進気鋭の研究者である。諸師に対し心から御礼を申し上げたい。

ただ、諸事情により発刊が大幅に遅れ、寄稿頂いた方々に多大の迷惑をおかけしてしまった。深くお詫び

申し上げる次第である。

既に頭の中は第三号の編集のことで一杯だが、特に若い学僧からの投稿を渇望してやまない。「何ごとも怠

けて得られたためしはない(未曾有一法従獺惰僻怠中得)」(曾陽禅師語録』)。宗門を挙げて共に努力していくこと

を切に願うだけである。尚、英文題目については、長興寺住職・松下宗柏師の御指導を得た。感謝の念を付

記したい。

(野口善敬記)

125

冒臨済宗妙心寺派教学研究紀要』論文執筆要項】

《締め切り》

《発刊》

《応募先》

《枚数》

《書式》

《テーマ》

毎年十二月末日

翌年四月(予定)

臨済宗を中心とした禅宗に関するもの。

(ただし、仏教全般に亙る内容で、宗学に資すると考えられるものについては、これを認める。)

原稿用紙四十枚程度(注を含む)

・本文は日本語とする。

・縦書きを原則とする。(サンスクリット等の資料を中心とした論文の場合は、横書きも認める。)

・本文・資料共に漢字は原則として当用漢字を用いる。

・資料として書き下し文を用いる場合、仮名遣いは新旧任意とする。

・資料を口語訳した場合には必ず原文を付す。

・ワープロの場合は、打ち出し原稿とテキストファイルのフロッピーを提出のこと。

〒六一六’八○三五京都市右京区花園妙心寺町六四

妙心寺派宗務本所教化センターh○七五’四六三’三一二一㈹

※封筒の表に「紀要原稿在中」と明記のこと。

毎年十二月末日(厳守)

126

臨済宗妙心寺派教学研究紀要第二号

平成十六年五月十五日発行

発行人細川畳一

編集妙心寺派宗務本所教化センター

印刷所信天堂

発行所妙心寺派宗務本所教化センター

〒六一六’八○三五

京都市右京区花園妙心寺町六十四

電話(○七五)四六一一一-一一一一二一

あいz]⑬心⑪‐四仁切、

127