藤巻宣子藤巻宣子藤巻宣子 がん哲学外来研修センター ニュース …€¦ ·...

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がん哲学外来研修センター 私は40代で網膜色素変性症という診断を受けました。 今は全く目が見えません。現在の医療技術では、どうなる ものではないのです。 診断を受けて以来、悩み苦しみながら今日まで来ました。 「何とかしたい。あきらめたくない」。どうしようもないこ とだと思いつつも、あれこれと悩んで心身を疲れさせてき ました。しかし、いつ頃からか、この病気を受け入れて自 分のできることをその範囲でやればいい、と思うようにも なってきました。最近は、毛糸でタワシを編んで東北の震 災災害地の方々や、周囲の方たちに使っていただけるよう お渡ししています。 今日の朗読会は良かったです。4冊の童話の中で「きつ ねのでんわボックス」に特に心惹かれました。母ぎつねが 子ぎつねを失って涙にくれるのですが、電話ボックスに現 れた小さな男の子へと「いのち」がつながっていくように 感じられて、ほっとしました。 「佐久ひとときカフェ」は毎月開かれているとのことです が、私も多くの方々とかかわりを持たせていただき、前向 きに進んで行きたいと思います。皆様、無理をせず、ゆっ くりとまいりましょう。 青木裕子さんの朗読 佐久市 矢口 真智子 ニュースレターNo.21 発行 健康工房 SAKU(2013.3.6) 佐久「ひととき文庫」開設記念 「朗読の集い」に参加して 上田市 田中 明子 ひととき文庫という、ほっと心安らぐ文庫名と青木 裕子さんの朗読を聴きたくて参加いたしました。絵本 を四冊と詩を二編、穏やかに、時には涙に声を詰まら せながらの朗読。私ばかりでなく会場のどなたも温か な裕子さんの朗読に感動していたことと思います。 身近に聴く豊かな生の声はひたひたと心にひびい て至福のひとときとなりました。 朗読を聴きながら思い出した事がありました。十一 年前、乳がんを患い入院中のことです。手術、放射線、 抗がん剤の治療が続いて身も心も弱り切っていた時、 ボランティアの男性が毎土曜日の午後、病室の皆を集 めて本を読んで下さったのです。童話であったり民話 であったり、私たち患者はそのひとときが待ち遠しく て、耳をそばだてて聴き入ったものでした。それは上 手とか下手とかの話でなく、彼の行為そのもの、語り かける声の優しさに癒されていたのです。まるで「大 丈夫、大丈夫だよ…」と背中を温かな手でさすられて いるような、そんな温もりに包まれていたのでした。 青木裕子さんの朗読はまさにその時と同じようで、 私にとって幸せなひとときであったと感謝しており ます。有難うございました。 がん哲学外来研修センター 〒385-0046 長野県佐久市前山 321-3 Tel :0267-63-5369 Mail:[email protected] Open! 福岡「がん対話カフェ」 in 天神 講演会後は「そうご う薬局天神中央店」に会 場を移して、樋野先生に よる「個別相談」が実施 されました。 3月2日(土)、福岡市国際ホールに於いて「がん医 療の隙間を埋める~がん哲学とは~」と題して樋野先生 による講演会がありました。用意された席は満席で、こ の企画を準備した「そうごう薬局」の原田剛光さんから 詳しい経緯が説明されると、会場からの質問が相次ぎま した。原田さんは「がん哲学外来第2回コーディネータ ー養成講座」を受講して、企画されたそうです。 OPEN埼玉県春日部・メディカルカフェ ・4月 14 日(日)13:30~15;30 ・市民公開シンポジウム ・3月11日(月)13:30~ ・順天堂大学本郷キャンパス

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Page 1: 藤巻宣子藤巻宣子藤巻宣子 がん哲学外来研修センター ニュース …€¦ · かける声の優しさに癒されていたのです。まるで「大 丈夫、大丈夫だよ…」と背中を温かな手でさすられて

藤巻宣子藤巻宣子藤巻宣子

がん哲学外来研修センター

私は40代で網膜色素変性症という診断を受けました。

今は全く目が見えません。現在の医療技術では、どうなる

ものではないのです。

診断を受けて以来、悩み苦しみながら今日まで来ました。

「何とかしたい。あきらめたくない」。どうしようもないこ

とだと思いつつも、あれこれと悩んで心身を疲れさせてき

ました。しかし、いつ頃からか、この病気を受け入れて自

分のできることをその範囲でやればいい、と思うようにも

なってきました。最近は、毛糸でタワシを編んで東北の震

災災害地の方々や、周囲の方たちに使っていただけるよう

お渡ししています。

今日の朗読会は良かったです。4冊の童話の中で「きつ

ねのでんわボックス」に特に心惹かれました。母ぎつねが

子ぎつねを失って涙にくれるのですが、電話ボックスに現

れた小さな男の子へと「いのち」がつながっていくように

感じられて、ほっとしました。

「佐久ひとときカフェ」は毎月開かれているとのことです

が、私も多くの方々とかかわりを持たせていただき、前向

きに進んで行きたいと思います。皆様、無理をせず、ゆっ

くりとまいりましょう。

青木裕子さんの朗読 佐久市 矢口 真智子

ニュースレターNo.21 発行 健康工房 SAKU(2013.3.6)

佐久「ひととき文庫」開設記念

「朗読の集い」に参加して 上田市 田中 明子

ひととき文庫という、ほっと心安らぐ文庫名と青木

裕子さんの朗読を聴きたくて参加いたしました。絵本

を四冊と詩を二編、穏やかに、時には涙に声を詰まら

せながらの朗読。私ばかりでなく会場のどなたも温か

な裕子さんの朗読に感動していたことと思います。

身近に聴く豊かな生の声はひたひたと心にひびい

て至福のひとときとなりました。

朗読を聴きながら思い出した事がありました。十一

年前、乳がんを患い入院中のことです。手術、放射線、

抗がん剤の治療が続いて身も心も弱り切っていた時、

ボランティアの男性が毎土曜日の午後、病室の皆を集

めて本を読んで下さったのです。童話であったり民話

であったり、私たち患者はそのひとときが待ち遠しく

て、耳をそばだてて聴き入ったものでした。それは上

手とか下手とかの話でなく、彼の行為そのもの、語り

かける声の優しさに癒されていたのです。まるで「大

丈夫、大丈夫だよ…」と背中を温かな手でさすられて

いるような、そんな温もりに包まれていたのでした。

青木裕子さんの朗読はまさにその時と同じようで、

私にとって幸せなひとときであったと感謝しており

ます。有難うございました。

がん哲学外来研修センター

〒385-0046 長野県佐久市前山 321-3 Tel :0267-63-5369 Mail:[email protected]

Open! 福岡「がん対話カフェ」 in 天神

◇ 講演会後は「そうご

う薬局天神中央店」に会

場を移して、樋野先生に

よる「個別相談」が実施

されました。

3月2日(土)、福岡市国際ホールに於いて「がん医

療の隙間を埋める~がん哲学とは~」と題して樋野先生

による講演会がありました。用意された席は満席で、こ

の企画を準備した「そうごう薬局」の原田剛光さんから

詳しい経緯が説明されると、会場からの質問が相次ぎま

した。原田さんは「がん哲学外来第2回コーディネータ

ー養成講座」を受講して、企画されたそうです。 祝 OPEN!

埼玉県春日部・メディカルカフェ

・4月 14 日(日)13:30~15;30

・市民公開シンポジウム

・3月11日(月)13:30~

・順天堂大学本郷キャンパス