機械負荷トルクの計算法 - mekatoro...common matter c-2 機械負荷トルクの計算法...

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Common Matter C-2 機械負荷トルクの計算法 機械を運転するに要する正味の動力は、負荷条件の設定や、伝達効率などの関係で算出が困難な場合が多く、したがって一 般には経験的に求められている場合が多いようです。しかし電磁クラッチの選定には、負荷トルクの把握が必要ですので、 下記にその一般式を列記します。 なお計算に際しては、前述のように不確定要素が多いので、経験値も重視するようにしてください。 1. モータからトルク 負荷トルクがはっきりしないで、モータ出力のみ判明して いるときは次式によります。 TL=9550 P N η ••••••••••••••••••••••(1) ただし、 TL : 負荷トルク(N・m) P :モータ定格出力( kW ) N :クラッチ軸の回転速度( r/min ) η : モータ軸からクラッチ軸までの機械伝導効率 2. 上下運動する仕事 ( 例 :ホイスト用 ) TL= W・V 6.3N・η •••••••••••••••••••••••(2) ただし、 TL : 負荷トルク(N・m) W : 上下運動する部分の全質量( N ) V : 上下運動する部分の速度( m/min ) N :トルクを求める軸の回転速度( r/min ) η :効率 (例:歯車,チェン,ベルトなどでは一対当たり0.95程度) 注 :この式は同じような仕事をする施盤主軸用などにも適用 できます。 この場合 Wは、切削抵抗( N )にしてください。 3. 摩擦を伴う水平運動する仕事 ( 例 : テーブル送り、クレーンの走行用 ) TL= μ ・W・V 6.3N・η •••••••••••••••••••••••(3) ただし、 μ : 走行抵抗( 摩擦係数 ) 例 : ボールベアリングでは 0.005 程度 ベッド面では 0.15 程度※ W : 水平運動する部分の全質量( N ) V : 水平運動する部分の速度(m/min) 注 : ※は機械の組立・ 仕上状態によっては、さらに大きくな ることもあります。

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Page 1: 機械負荷トルクの計算法 - Mekatoro...Common Matter C-2 機械負荷トルクの計算法 機械を運転するに要する正味の動力は、負荷条件の設定や、伝達効率などの関係で算出が困難な場合が多く、したがって一

Common M

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C-2

機械負荷トルクの計算法機械を運転するに要する正味の動力は、負荷条件の設定や、伝達効率などの関係で算出が困難な場合が多く、したがって一般には経験的に求められている場合が多いようです。しかし電磁クラッチの選定には、負荷トルクの把握が必要ですので、下記にその一般式を列記します。 なお計算に際しては、前述のように不確定要素が多いので、経験値も重視するようにしてください。

1.モータからトルク負荷トルクがはっきりしないで、モータ出力のみ判明して いるときは次式によります。

TL=9550 PN η ••••••••••••••••••••••(1)

ただし、 TL :負荷トルク(N・m)P :モータ定格出力(kW) N :クラッチ軸の回転速度(r/min) η :モータ軸からクラッチ軸までの機械伝導効率

2.上下運動する仕事(例:ホイスト用)

TL= W・V6.3N・η

•••••••••••••••••••••••(2)

ただし、 TL :負荷トルク(N・m)W :上下運動する部分の全質量(N) V :上下運動する部分の速度(m/min) N :トルクを求める軸の回転速度(r/min) η :効率 (例:歯車,チェン,ベルトなどでは一対当たり0.95程度)注:この式は同じような仕事をする施盤主軸用などにも適用

できます。 この場合Wは、切削抵抗(N)にしてください。

3.摩擦を伴う水平運動する仕事(例 :テーブル送り、クレーンの走行用)

TL= μ・W・V6.3N・η

•••••••••••••••••••••••(3)

ただし、 μ : 走行抵抗(摩擦係数)

( 例:ボールベアリングでは0.005程度 ベッド面では0.15程度※ )

W : 水平運動する部分の全質量(N) V : 水平運動する部分の速度(m/min)

注:※は機械の組立・仕上状態によっては、さらに大きくなることもあります。