金融市場ウィークリー -...

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2017 4 21 日号 経済・金融市場動向] 金融市場見通し・内外経済指標 地政学的リスクが残存する中、市場は様子見姿勢が 続くと予想。フランス大統領選がルペン氏・メラン ション氏での決選投票となればリスク回避の動きに [トピックス] 米為替報告書(4月) 中国の為替操作国認定は一旦回避も、認定基準追加 で監視リスト国指定継続。日本の為替政策に対する 評価は前回から大きくは変わらず 温度差が目立った日米経済対話第1回会合 個別分野に踏み込むことなく、貿易投資等の3本柱で 進めることに合意して、静かに幕を開けた同対話だ が、今後厳しい対日要求が突きつけられる可能性も 金融市場ウィークリー

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Page 1: 金融市場ウィークリー - mizuho-ri.co.jp為替市場での取引高は1日で約5.1兆ドル(約550兆円、2016年4月平均)と巨額なものだ。 年間 の取引日を250日とすると年1,270兆ドルと天文学的な数字になる。

2017 年 4月 21日号

[経済・金融市場動向]

◆ 金融市場見通し・内外経済指標

地政学的リスクが残存する中、市場は様子見姿勢が

続くと予想。フランス大統領選がルペン氏・メラン

ション氏での決選投票となればリスク回避の動きに

[トピックス]

◆ 米為替報告書(4月)

中国の為替操作国認定は一旦回避も、認定基準追加

で監視リスト国指定継続。日本の為替政策に対する

評価は前回から大きくは変わらず

◆ 温度差が目立った日米経済対話第1回会合

個別分野に踏み込むことなく、貿易投資等の3本柱で

進めることに合意して、静かに幕を開けた同対話だ

が、今後厳しい対日要求が突きつけられる可能性も

金融市場ウィークリー

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金融市場ウィークリー(2017年 4月 21日号)

✣[目次]✣

今週の注目チャート ···················································· 1

Ⅰ.経済・金融市場動向 ················································ 3

金融市場見通し ·································································· 3

金融市場レビュー ································································ 4

内外経済指標の解説と予測 ························································ 5

Ⅱ.トピックス ························································ 8

米為替報告書(4月) ····························································· 8

温度差が目立った日米経済対話第1回会合 ·········································· 10

Ⅲ.参考資料 ························································· 12

今週・来週の主要経済指標 ······················································· 12

月次・四半期のスケジュール ····················································· 14

今週の金融市場の動き ··························································· 17

最新リポート一覧 ······························································· 18

〰〰 マーケット時流潮流 〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰

為替操作をしているのは誰か 調査本部本部長代理 長谷川克之

米財務省が先週、トランプ政権としては初となる半期の為替報告書を発表した。主要貿易相手国を

対米貿易赤字、経常黒字、為替介入実績等を基準に、為替操作国、あるいはその恐れがある監視対象

国として認定するものであり、中国、日本、ドイツ、韓国、スイス、台湾が監視対象国に認定された。

為替政策は本来、外交・安全保障政策とも不可分である。北朝鮮情勢が緊迫化する中で、中国が通

商面や金融面から北朝鮮に対して実効性のある制裁措置をとるかが鍵となっており、米国は為替政策

でも北朝鮮情勢をにらみながら、硬軟織り交ぜた対応を採ることが考えられる。米大統領は中国の北

朝鮮への働き掛けに期待を示しており、当面は為替政策面でも対中強硬姿勢を封印する可能性がある。

そもそも、為替市場を「操作」することは可能なのか。国際決済銀行(BIS)の調べでは、外国

為替市場での取引高は1日で約 5.1 兆ドル(約 550 兆円、2016 年 4 月平均)と巨額なものだ。年間

の取引日を 250日とすると年 1,270兆ドルと天文学的な数字になる。市場間で比較した場合、為替市

場の流動性は最も高いと言ってよい。世界取引所連盟(WFE)によれば、2016 年の世界全体での

年間取引高は、株式市場が約 87 兆ドル、債券市場が約 18兆ドル強である。為替市場は桁違いに大き

い。自由化の途上にあり、資本規制が未だ残存している新興国や一部の小国は別として、ドル、ユー

ロ、日本円といった主要国際通貨の値動きに対して持続的な影響を与えることは不可能に近いだろう。

実のところ、最大の実質的な為替操作国は、他ならぬ米国ではないか。国のリーダーが為替につい

てツイッターでつぶやき、「口先介入」や「指先介入」を繰り返す国など他に見当たらない。為替報

告書を作成し、貿易相手国や為替市場に圧力を加える国、そして、国際政治や二国間の情勢に応じて

その為替政策を露骨に調整する国も米国をおいて他にない。

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Page 3: 金融市場ウィークリー - mizuho-ri.co.jp為替市場での取引高は1日で約5.1兆ドル(約550兆円、2016年4月平均)と巨額なものだ。 年間 の取引日を250日とすると年1,270兆ドルと天文学的な数字になる。

金融市場ウィークリー(2017年 4月 21日号) 1

~今週の注目チャート~ 【 仏市場性公的債務の非居住者保有割合 】

非居住者比率が高く、仏大統領選挙の結果次第では仏金利が大きく変動する可能性

(注)非居住者とは、フランス国外の居住者を指す。 (資料)フランス銀行より、みずほ総合研究所作成

【解説】金融市場では、仏大統領選挙(4/23・5/7)に対する警戒が続いている。フランスの市場性公的債務

に占める非居住者保有割合は、2016 年末時点で 58%と高い。EU離脱を主張するルペン氏やメランション氏

の敗北がメインシナリオであるが、世論調査では 4 名の有力候補の支持率が拮抗している。大統領選挙で波

乱が起これば、仏国債売りが進むことで仏金利が大幅に上昇する可能性があり、注意が必要だ。

【 ドル円相場と TOPIXの 12カ月先予想EPS(1株当たり利益)の推移 】

予想EPSは上方修正が続いているも、高まる為替への警戒感

【解説】アナリストが予想するEPSは 2017年に入りドル円相場が円高に転じても上方修正傾向が続いてい

る。一方、日銀短観(3月調査)の大企業製造業の 2017年度の想定為替レートは 108円台半ばであり、この

水準から離れて円高が進んでいけば業績の下振れが意識される。来週以降に本格化する日本企業の決算発表

では 2017年度の会社計画が注目されるが一段の円高リスクがくすぶる中では押し上げ材料にはなりづらい。

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12カ月先予想EPS ドル円(月中平均)

(円)

(年)(注)予想EPSは、2017年3月末時点。

(資料)IBESより、みずほ総合研究所作成

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金融市場ウィークリー(2017 年 4 月 21 日号) 2

【 ポンドドル相場とユーロドル相場 】

英政権基盤強化への期待からポンド高が進展

(資料)Bloomberg より、みずほ総合研究所作成

【解説】英メイ首相の総選挙の前倒し実施の発表を受け、ポンドドルは昨年 10 月以来の水準までポンド高が

進んだ。メイ首相は 2020 年まで総選挙を行わない方針を示していただけにサプライズであったが、英国の政

権基盤が強化され、EU離脱交渉への不透明感が幾分払拭されるとの期待から、同発表はポンド買いの材料

になった。またポンド高の進展とともに、ユーロも対ドルで通貨高が進んだ。

【 中国の実質GDP成長率と輸出入 】

持ち直す中国経済

【解説】中国の 2017 年 1~3 月期の実質GDP成長率(4/17)は、前年比+6.9 %と 2 四半期連続して上昇

した。前年割れが続いた輸出入についても、2017 年に入ってから増加に転じており、中国経済の循環的な持

ち直しを確認することができる。その一方で、住宅バブルに対する懸念は依然根強い。中国経済に対する市

場の警戒感は払しょくされていないものの、世界経済のけん引力は足元で改善しつつある。

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16/9 16/10 16/11 16/12 17/1 17/2 17/3 17/4

ユーロドル相場

ポンドドル相場(右目盛)

(ドル/ユーロ) (ドル/ポンド)

(年/月)

英首相総選挙

前倒し発表

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金融市場ウィークリー(2017年 4月 21日号) 3

Ⅰ.経済・金融市場動向 ~金融市場見通し~ フランス大統領選が最大

の注目材料

来週にかけての最大の注目材料は週末23日に行われるフランス大統領選

の第1回投票である。5月7日の決選投票にどの2人が進むかは予断を許さな

いが、左派メランション氏の支持率が足元上昇している点には留意が必要

だ。メランション氏はECBの独立性やEUの安定成長協定に反対してお

り、受け入れられなければEUから離脱すべきと提唱している。仮に第1回

投票の結果ルペン氏とメランション氏に絞られれば、市場ではリスク回避

的な動きが強まるだろう。

地政学的リスクにも引き

続き警戒が必要

北朝鮮情勢にも引き続き注視が必要だ。25日に建軍節(朝鮮人民軍創設

記念日)が予定されている。記念日前後に北朝鮮が挑発行為(核実験、大

陸間弾道弾発射など)を行う可能性がある。

日銀、ECBは金融政策を

維持する見込み

日銀金融政策決定会合(4/26・27)、ECB政策理事会(4/27)はいずれ

も政策据え置きを予想する。日銀が発表する経済・物価情勢の展望(展望

レポート)では、2017年度の物価上昇率見通し(現状+1.5%:政策委員見

通し中央値)を引き下げると予想するが、物価目標達成時期の見通し(2018

年度頃)は維持されるだろう。「物価目標達成に向けたモメンタムは維持さ

れているが下振れリスクが大きい」との判断が示されると見ている。

市場は様子見姿勢が続く

と予想

地政学的リスクが残存する中、来週28日の米暫定予算の期限到来を控え、

金融市場は様子見姿勢が続くと予想する。米国株は本格化する決算発表が

総じて良好な内容が期待されることが下支えとなるが、週後半に発表され

る1~3月期米実質GDP成長率(4/28)が前期から減速が見込まれるなど、

経済指標の弱さが意識され易い。日本株は一段の円高懸念が上値を抑制す

るだろう。日米独長期金利は横ばい圏での推移を見込むが、フランス大統

領選の結果や北朝鮮情勢しだいでは、低下圧力が高まる局面が予想される。

日本の10年国債利回りが昨年11月以来となるマイナス圏に低下することも

考えられるが、▲0.1%に近づけば日銀が国債買入れ減額などの対応を行う

だろう。ドル円相場は円高地合いが継続するだろう。 (野口雄裕)

【 来週の予想 】

USD LIBOR 3カ月(%) 1.140 ~ 1.160米10年国債(%) 2.15 ~ 2.35円 TIBOR 3カ月(%) 0.03 ~ 0.0710年国債(%) -0.05 ~ 0.10ダウ平均(ドル) 20,400 ~ 20,900NASDAQ総合指数(ポイント) 5,830 ~ 5,980日経平均(円) 18,200 ~ 19,000TOPIX(ポイント) 1,430 ~ 1,520円/ドル 107.0 ~ 111.5ドル/ユーロ 1.055 ~ 1.100円/ユーロ 114.5 ~ 120.5

為 替

項目 予想レンジ

内外金利

内外株式

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金融市場ウィークリー(2017年 4月 21日号) 4

~金融市場レビュー~

<内外金利動向> 地政学的リスクや仏大統

領選挙への警戒が続き、

米 10年国債利回りは横ば

い圏で推移

先週末以降の米 10年国債利回りは横ばい圏で推移した。地政学的リスク

や仏大統領選挙(第 1回投票 4/23)への警戒から、利回りの上昇しづらい

状況が続いている。英メイ首相が議会の解散・総選挙の実施を発表(4/18)

した後、利回りが低下する場面もあったが、影響は限定的であった。ムニ

ューシン米財務長官が、税制改正について早期に大規模なものを打ち出せ

るだろうと述べた(4/20)こともあり、利回りは 2.2%台まで上昇している。

最新の仏大統領選挙世論調査でマクロン氏の支持率が上昇していることな

どから警戒感がやや和らぎ、独 10年国債利回りは小幅に上昇した。日本の

10年国債利回りは 0%近傍での推移が続いている。 (坂中弥生)

<内外株式動向>

米株は政策期待が再び高

まり上昇、日本株は円高

一服を好感し上昇

先週末以降の米株式相場は、上昇した。予想を上回る内容が多かった 1

~3月期の企業決算が好材料となった。英国の解散総選挙決定や混戦模様を

強める仏大統領選挙等、欧州の政治情勢への不透明感や原油安から軟調に

推移する場面も見られたものの、週後半にかけては、ムニューシン財務長

官の発言をきっかけに税制改革への期待が高まり大きく反発する展開とな

った。日本株は上昇した。先週の短期的な大幅下落の反動から上昇基調に

転じた。週末の米為替報告書や北朝鮮情勢、日米経済対話等のイベントを

無事通過し一段の円高を回避したことで安心感が広がった。週末は米株高

を受けて投資家心理が改善し上昇幅を拡大させた。 (大塚理恵子)

<為替動向> 低調な米景気指標がドル

を下押しも、米財務省長

官の発言がドル買い材料

先週末以降のドル円相場はもみ合う展開。米為替報告書(4/14)では日

本の監視リスト国指定が続いたものの、日本の為替政策に対する評価は前

回(昨年 10 月)と大きくかわらずドル円相場への影響は限定的だった。3

月の米小売売上高、米コアCPIなどの米景気指標は市場予想を下回り、

ドルを下押しした。一方ムニューシン米財務省長官の長期的なドル高を支

持する発言などがドル買い材料になった。ユーロドル相場はドル安ユーロ

高地合い。英メイ首相の総選挙前倒しの計画発表を受け、英政権基盤強化

によりEU離脱交渉への不透明感が幾分払拭されるとの期待が高まり、ポ

ンド高とともにユーロも対ドルで通貨高が進んだ。 (有田賢太郎)

<新興・資源国動向>

地政学的リスクを背景に

新興国株は下落

米国のシリア攻撃後、北朝鮮情勢に飛び火した地政学的リスクを背景に

値を下げた韓国株は、下落に歯止めがかかり、先週末より値を上げている。

しかし、引き続き地政学的リスクに対する懸念が続く中で、多くの新興国

株は今週も弱含んでおり、資源国株は原油相場の続落が下押し要因となっ

ている。中でも今週は、中国株の下落幅が大きい。中国証券監督管理委員

会が本土企業への管理強化を求める方針を示したことや、住宅市場の過熱

抑制策に対する思惑が株安の要因になったと見られる。新興国通貨はドル

安圧力の一服を受け総じて上値が重い展開となるなか、トルコリラが先週

末の国民投票後に反発、南アフリカランドも上昇している。 (井上淳)

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金融市場ウィークリー(2017年 4月 21日号) 5

~内外経済指標の解説と予測~ <国 内> 輸出は均してみれば増加

傾向

今週発表された貿易統計は、輸出の増加傾向が続いていることを確認す

る内容となった。貿易統計(4/20)によると、3月の輸出数量指数(みずほ

総研による季節調整値)は前月比▲3.2%(2月同+3.7%)と2カ月ぶりの

マイナスとなった。特に中国向けの輸出が▲11.1%と大幅に低下しており、

春節の影響を受けて大きく増加した2月の反動減が出たとみられる。もっと

も、1~3月期でみれば前期比+1.8%(10~12月期同+3.3%)と高めのプ

ラスを維持している。先行きについては、海外経済が緩やかに回復する中、

輸出も緩やかな回復基調を維持するだろう。

来週は、鉱工業生産指数や家計関連指標などが発表される。

鉱工業生産は前月比マイ

ナス

3月の鉱工業生産指数(4/28)は、前月比▲0.7%(2月同+3.2%)と2カ

月ぶりの低下を予測する。電子部品・デバイス工業などの生産がIT需要

拡大の一服に伴って減速するため、鉱工業生産指数は前月から小幅に低下

するとみている。

小売業販売額は横ばい 3月の小売業販売額(4/28)は前年比+0.2%(2月同+0.2%)と予測す

る。訪日外国人による化粧品や宝飾品などの免税売上高が増加したものの、

3 月の平均気温が前年よりも低かったことで衣料品の売上が伸びなかった

ため、前年比で小幅の伸びにとどまるだろう。

雇用改善が継続 3月の雇用関連指標(4/28)は、完全失業率が2.8%、有効求人倍率が1.44

倍と予測する。引き続き、中小企業を中心に人手不足感が強いなか、有効

求人倍率は前月から小幅に上昇する見通しだ。

全国コアCPIはプラス

幅が拡大

3月の全国コアCPI(4/28)は前年比+0.3%(2月同+0.2%)と、エ

ネルギー価格の上昇などによりプラス幅が拡大すると予測する。一方、4月

の都区部コアCPIについては、エネルギー価格が上昇するものの、通信

関連費の下落などが下押し要因となり、3月同様、前年水準を小幅に下回る

(▲0.4%)と見込む。 (平良友祐)

【 鉱工業生産の推移 】 【 小売業販売額の推移 】

▲ 6▲ 5▲ 4▲ 3▲ 2▲ 1

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15/1 15/4 15/7 15/10 16/1 16/4 16/7 16/10 17/1

(前月比、%)

(注)2017年3月の値は、みずほ総合研究所による予測値。

(資料)経済産業省「鉱工業指数」より、みずほ総合研究所作成

予測値

(年/月)

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予測値

(前年比、%)

(年/月)

(注)2017年3月の値は、みずほ総合研究所による予測値。

(資料)経済産業省「商業動態統計」より、みずほ総合研究所作成

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金融市場ウィークリー(2017年 4月 21日号) 6

<海 外(米国)> コア小売売上高は持ち直

3月の小売売上高(4/14)は、自動車の売上減少を主因に、前月比▲0.2%

となった。一方、コア小売売上高(自動車・建材・ガソリン・外食除く)

は、幅広い業態の売上が増加したことにより、同+0.5%と持ち直した。

コアCPI上昇率は低下 3月のコアCPI上昇率(4/14)は前月比▲0.1%と、2010年 1月以来の

マイナスとなった。携帯電話料金急落の影響が大きいが(コアに対する寄

与度▲0.14%Pt)、これを除いても弱めの結果となった。衣料品、中古車

価格の下落が財物価の押し下げにつながったほか、航空運賃、宿泊費や帰

属家賃等住居費の減速がサービス物価の下押し要因となった。前年比では

+2.0%と、2016年以降のレンジ(+2.1~+2.3%)を割れた。これらの結

果を踏まえると、3月のコアPCEデフレーター上昇率(5/1公表予定)は

前年比+1.6%(2月+1.8%)に減速する可能性が高い。

住宅着工件数は減少した

が、許可件数は増加

3 月の住宅着工件数(4/18)は前月比▲6.8%の 121.5 万件となった。1

~3月期では 10~12月期比+0.4%と緩やかな増加傾向を維持している。先

行指標の許可件数は前月比+3.6%となり、その水準(126.0 万件)も着工

件数に比べて高いため、住宅着工の回復持続を示唆する結果となっている。

今晩以降発表される経済

指標はまちまちの結果と

なる見通し。1~3 月期の

成長率は 1%台前半に減

速すると予想

今晩以降発表される指標では、3月の住宅販売は中古(4/21)が増加する

一方、新築(4/25)が減少すると予想する。4月のカンファレンスボード消

費者信頼感指数(4/25)は、株価の上昇一服に伴い小幅ながら低下すると

みられる。設備投資の動向を示す 3月のコア資本財受注(4/27)は 2カ月

ぶりに増加すると予想する。ビジネスラウンドテーブルが公表する 1~3月

期のCEO調査(3/14公表)では、6カ月先の設備投資見通し指数が 73.6

と、前回 10~12月期に比べて 18.0ポイント上昇していた。企業収益の改

善や企業業況の堅調さを背景に、コア資本財受注は持ち直すとみられる。

来週末発表の 1~3月期の実質GDP成長率(4/28)は前期比年率+1.3%

と、10~12月期(同+2.1%)から減速すると予想する。個人消費の弱さや

在庫寄与度のマイナスが成長率押し下げの主因である。しかし、設備投資

は 10~12月期から加速すると見込まれる。 (風間春香)

【 小売売上高 】 【 GDP成長率 】

(資料)米国商務省より、みずほ総合研究所作成

(注)2017年 1~3月はみずほ総合研究所予測値。

(資料)米国商務省より、みずほ総合研究所作成

▲1.0

▲0.5

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16/3 16/6 16/9 16/12 17/3

コア小売 自動車・部品

建材・造園 ガソリン

外食 小売売上高

(年/月)

(前月比、%)

(年/四半期)

▲1.2

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2.3 2.02.6 2.0

0.90.8

1.43.5 2.1

1.3

▲ 4

▲ 2

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4

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2014 2015 2016 2017

政府支出 純輸出 在庫投資

設備投資 住宅投資 個人消費

GDP

(前期比年率、%)

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金融市場ウィークリー(2017年 4月 21日号) 7

<海 外(欧州)> 2 月のユーロ圏輸出は増

加。米国向けの減少は一

時的と判断

英国は 6 月に前倒し選挙

を実施

2 月のユーロ圏輸出金額(4/19)は前月比+0.4%と増加し、回復基調を

維持した。仕向地別にみると、中国(同+7.6%)や NIEs・ASEAN(同+6.6%)

などアジア新興国向けが全般に増加した。米国向け(同▲3.4%)は減少に

転じた。暖冬などで米国の個人消費が弱含んだことが影響したと思われる。

今後の輸出は回復を続けるだろう。暖冬要因が剥落するのに伴い、米国向

けも持ち直しに転じる見通しだ。

英国では、メイ首相が下院選挙を 6/8 に前倒しで実施すると発表した

(4/18)。現在、メイ首相率いる保守党の議席は過半数をやや上回る程度

であり(下院の全 650 議席中、保守党は 330 議席)、議会の反対などで対

EU交渉が円滑に進まなくなる可能性があった。メイ首相は、選挙を通じ

て政権基盤を強化することで、EU交渉に対する議会決議が得やすくなる

と考えたのだろう。現時点の政党支持率をみると、保守党(約 40%)の支

持率が野党第 1党である労働党の支持率(約 20%)を大幅に上回っており、

保守党は議席を拡大する公算が大きい。

今晩以降の注目点はフラ

ンス大統領選。EU離脱

を掲げる二人が決選投票

に進むことになれば、金

融市場は混乱しよう

今晩以降は、フランス大統領選の第 1 回投票(4/23)が最大の注目点で

ある。決選投票に進む二人は、EU離脱を掲げるルペン氏とメランション

氏、元首相のフィヨン氏、元経財相のマクロン氏から決まることになりそ

うだ。足元でこれら候補の支持率は拮抗しており、誰が決選投票に進んで

もおかしくない状況だ。決選投票に進むのがルペン氏とメランション氏と

なれば、金融市場は大混乱するだろう。一方、決選投票にマクロン氏が進

むことになれば、もう一人が誰であっても、同氏が大統領になるいう安心

感が広がるだろう。投票は、日本時間の 24日未明に締め切られ、日本時間

の 24日早朝には出口調査で大勢が判明する見通しだ。

経済指標などでは、4月のユーロ圏合成PMI(4/21)の発表や欧州中央

銀行(ECB)の政策理事会(4/27)などが予定されている。PMIは高

水準を維持し、景気の堅調さを示すだろう。ECBは政策の現状維持を決

定するとみられる。 (松本惇)

【 ユーロ圏の仕向地別輸出 】

【 フランス大統領選の主要候補支持率 】

(資料)Eurostatより、みずほ総合研究所作成

(注)調査期間は 4/16~19。

(資料)Ifopより、みずほ総合研究所作成

85

90

95

100

105

110

115

120

125

130

2015/8 15/11 16/2 16/5 16/8 16/11 17/2

輸出全体 米国向け南米・アフリカ向け 中国向けNIEs・ASEAN向け

(2015/1=100)

(年/月)

19

20

24

23

0 5 10 15 20 25

メランション

フィヨン

マクロン

ルペン

(%)

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8 金融市場ウィークリー(2017 年 4月 21 日号)

Ⅱ.トピックス

~米為替報告書(4 月):認定基準追加で、中国の監視リスト国指定を継続~

中国の為替操作国認定は

一旦回避も、監視リスト国

の指定は継続

米国財務省が公表した為替報告書(4/14)では、トランプ大統領の事前

の発言通り、中国の為替操作国認定は回避された。しかし、過去の枠組み

に基づけば中国は監視リスト国から外れる可能性があったが、今回新たな

基準が設けられ、引き続き監視対象となった。前回(昨年 10月)同様、中

国や日本を含めた 6カ国が監視リスト国に指定された(図表 1)。

米為替報告書は米国貿易円滑化・貿易執行法に基づき、①巨額の対米貿

易赤字、②大幅な経常収支黒字、③外国為替市場での持続的かつ一方的な

介入、の 3つの軸で、各国の為替政策を評価してきた。前回報告書までは 3

基準全てを満たした場合は為替操作国に、2つを満たした場合は監視リスト

国に指定され、監視リスト国の指定解除には 2 回連続(すなわち 1 年間)

で基準への該当が 1 つ以下になればよいとされていた。中国は前回も今回

も該当基準では 1つのみであり、指定解除要件を満たしていた。

米政権の自国の貿易不均

衡に対する問題意識の強

さを示した格好

しかし、今回の報告書では「巨額かつ不相応な対米貿易黒字を有する国

は監視リスト対象になる」という基準が新たに設けられた。これは明らか

に中国を監視リスト国として残すための措置であり、かつ米政権の自国の

貿易不均衡に対する問題意識の強さを示したものであった。本基準により

中国が対米貿易黒字を大幅に削減しない限り、今後も米国は中国を監視し

続けることになる。

日本の為替政策の評価は

前回と大きくは変わらず

日本は評価軸のうち 2 基準に該当しており、今回も監視リスト国に指定

された。報告書内では、日本の財政・金融政策への理解が示された一方、

為替介入は例外的状況にとどめるべきとされ、一定のけん制がなされた。

ただ日本の為替政策の評価は前回の報告書と比べても大きくは変わらず、

米国からのけん制圧力が強まったわけではないとみるべきだろう。

以上のように、今回の報告書の最大のポイントは、中国の監視継続であ

り、今後も米国は中国へのけん制を実施していくと考えらえる。一方で、

一時市場で懸念されていた中国の為替操作国認定や、日本に対してけん制

圧力を強めることはなかった。その要因の一つには、足元の米国経済の堅

【 図表 1 各国の為替政策の評価軸と主な基準(2017 年 4月為替報告書) 】

評価軸 大幅な経常黒字持続的・一方的な

為替介入

主な基準 巨額かつ

不相応

対米貿易黒字が

200億ドル超

経常黒字が

GDPの3%超

1年間のネット為替

介入額が

GDPの+2%超

単位 - (億ドル) (%) (%)

中国 ✔ 3,470 1.8% ▲3.9%

日本 689 3.8% 0

ドイツ 649 8.3% -

韓国 277 7.0% ▲0.5%

スイス 137 10.7% 10.0%

台湾 133 13.4% 1.8%(注)1.監視リスト対象6カ国の評価基準。図表上の数値は2016年1月~12月の数値。

   2.今回より、対米貿易赤字が巨額で不相応なシェアを有する国は監視リスト国入りするとの基準が設けられた(中国が対象)。

(資料)米財務省「為替報告書」より、みずほ総合研究所作成

大幅な対米貿易黒字

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9 金融市場ウィークリー(2017 年 4月 21 日号)

調さがあるようだ。米国の景況感を示す指標の一つであるISM指数は製

造業、非製造業ともに目安の 50を上回る状況が続いており、ドル高のネガ

ティブな影響は現時点ではあまり観察されていない(図表 2)。

米国経済の堅調さとドル

高一服から踏み込んだ措

置が避けられた模様

またドル相場も年初に入って以降ややドル安に戻している(図表 3)。原

油価格回復に伴い資源国通貨が買い戻されたほか、ITサイクル改善など

を受け新興国経済が持ち直しつつあり、新興国の資本流出リスクも弱まっ

ていることが背景にあるようだ。また米政権の減税策実現の不透明感が増

していることも、ドル売り材料になっている。米国の経済情勢やドルの方

向感の双方の観点で、中国の為替操作国認定などの踏み込んだ措置を、今

回はあえてとる必要がなかったとも考えられよう。

口先介入は継続し、ドルの

上値を重くする材料に

ただ、トランプ大統領の発言に代表される口先介入は今後もたびたび実

施されるだろう。また今週のG20 財務相・中央銀行総裁会議(4/20・21)

をはじめとする国際会議や二国間協議の場でも、米国からのけん制がなさ

れる可能性があり、ドルの上値を重くする材料になろう。

米国経済が減速した際は、

けん制がより強まる可能

更に米国経済が減速に転じた際には、他通貨安への是正圧力がより強ま

る蓋然性が高い。その場合、中国の為替操作国認定が再び検討される可能

性があり、日本の為替介入に対しても強いけん制が働くことが予想される。

その際に特に影響が懸念されるのはドル円相場だろう。米国経済の減速

時には米金利低下とともに円高ドル安が進みやすい地合いになっていると

考えられる。また、米国経済の減速が新興国経済に波及する可能性があり、

その場合新興国の資本流出リスクが再び高まり、新興国通貨から円に資金

が流入することも充分に想定される。更に中国の為替操作国が認定される

ような事態となれば、米中摩擦が意識されリスク回避の円買いが進むこと

もあり得よう。こうした局面で日本に対して為替介入へのけん制が強まれ

ば、介入が難しいとの市場の思惑から、急激に円高ドル安が進む可能性も

ある。

上記はあくまでリスクシナリオの一つではあるが、今後の為替相場を占

う上で、米国の為替政策や通商政策、米国経済の動向を今後も注意深く確

認していく必要があるだろう。 (有田賢太郎)

【 図表 2 米製造業・非製造業ISM指数 】 【 図表 3ドルの名目実効為替レート 】

110

115

120

125

130

15/1 15/4 15/7 15/10 16/1 16/4 16/7 16/10 17/1 17/4

(資料)FRBより、みずほ総合研究所作成

(年/月)

(1997年1月=100)

45

50

55

60

14/1 14/7 15/1 15/7 16/1 16/7 17/1

米国製造業ISM米国非製造業ISM

(年/月)

(指数)

(注)指数が50以上で景況感の回復、50未満で景況感の悪化を示唆。

(資料)米サプライマネジメント協会より、みずほ総合研究所作成

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10 金融市場ウィークリー(2017年 4月 21日号)

~温度差が目立った日米経済対話第 1 回会合~

静かな幕開けとなった

日米経済対話

4 月 18 日、マイク・ペンス米副大統領が来日し、麻生太郎副総理との間

で「日米経済対話」の第 1 回会合が開催された。日米経済対話は、今年 2

月に行われた日米首脳会談において設置に合意されたものである。

同会合前には、日本国内では、米側から農産物や自動車等の個別分野に

関する市場アクセス拡大の要求があるのではないか、日米FTA(自由貿

易協定)の交渉開始の提案があるのではないか、といった懸念が示されて

いた。また、4月 6-7日に行われた米中首脳会談において、米国の対中貿易

赤字削減のための「100日計画」の策定が合意されたことから、同様の短期

的な成果を求める行動計画策定につき日米間で合意されることを警戒する

声も上がっていた。

しかし、米側で、通商代表に指名されたロバート・ライトハイザー氏の

議会承認が未だ終わっていない等、対話を進める態勢が整っていないこと

もあり、今回の会合では日本側が懸念していた個別分野に踏み込んだ議論

等は行われなかった。1時間ほどで終わった同会合は、2月の日米首脳会談

における合意を再確認し、同対話の枠組みや年内に第 2 回会合を開催する

こと等につき合意するにとどまる静かな幕開けとなった。

3 つの柱で対話を進める

ことに合意

今回の会合では、2月の日米首脳会談における合意を踏襲し、①貿易及び

投資のルール・課題に関する共通戦略、②経済及び構造政策分野での協力、

③分野別協力、という 3 つの柱で日米経済対話を進めていくことが確認さ

れるとともに、「近いうちに具体的な成果をもたらす」ことが合意された

(図表)。なお、分野別協力に関しては、具体的な分野については合意文

書(共同プレス・リリース)では言及されていないが、インフラ、エネル

ギー、サイバー、宇宙等の分野での協力が想定されている。

目立った日米の温度差 他方、今回の会合では、貿易投資分野における日米間の温度差も目立っ

た。日本が、アジア太平洋地域における高い水準の貿易投資ルールの策定

を目指した日米協力という、中長期的に日米両国の利益となる多国間のル

【 図表 日米経済対話第 1回会合で合意された 3つの柱 】

(資料)「麻生日本国副総理とペンス米国副大統領による日米経済対話に関する共同プレス・リリース」

(2017年4月18日)より、みずほ総合研究所作成

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11 金融市場ウィークリー(2017年 4月 21日号)

ール作りを同対話の柱に据えたいとしたのに対し、米国は、日本市場への

アクセス拡大という具体的成果を二国間協議によって短期間で得ることを

目指す姿勢を示した。ペンス副大統領は、同対話が日米の貿易交渉へと発

展する可能性も示唆した。米側の態勢が整えば、農産物や自動車をはじめ

とする市場アクセス分野で厳しい対日要求が突きつけられることも想定さ

れる。

今回の会合では、為替への

言及はなし

為替については、日米経済対話から切り離して日米財務相間で議論する

ことで、2月の日米首脳会談時に一応の合意をみている。しかし、トランプ

大統領がかつて日本の金融緩和策を円安誘導だと批判し、最近もドル高を

牽制する発言を行っていることから、今回の会合でも取り上げられるので

はないかと警戒する声が日本側にはあった。実際には、今回の会合では、

為替については一切取り上げられなかった。

4月 14 日に公表された米財務省による『為替報告書』 は、日本につき、

現在の「円の実質実効レートは過去 20年間の平均から 20%低い」ことを指

摘し、「介入は、極めて例外的な状況に限定され、適切な事前協議を伴う

べき」と釘を刺す一方、「緩和的な金融政策と機動的な財政政策を構造改

革の継続的実行により補完する」ことが重要であるとし、日本の金融政策

等に注文を付けるものにはなっていない。この姿勢は、今回の会合でも同

様であった。

他方、ロス商務長官が、米国の貿易赤字の原因として「為替不均衡

(currency misalignment)」を例示していることは気にかかる。この「為

替不均衡」は、「為替操作(currency manipulation)」だけではなく、意

図的ではない場合でも、為替レートが「正常な価値の範囲外」となってい

る際に生じうるとされる。『為替報告書』においても、従来の「不公正な

為替慣行(unfair currency practices)」に加え、それまでの同報告には

みられなかった「持続的な為替レートの不均衡(persistent exchange rate

misalignments)」が問題として指摘されている。

3 月 31 日に署名された大統領令により、商務長官と通商代表は、米国が

大きな貿易赤字を抱える国とその原因を特定し、90 日以内に報告するよう

求められている。米国の国別貿易赤字額が中国に次いで大きい日本は、当

然に調査対象に含まれる。6月末までに提出される報告は、貿易赤字の原因

としてどのような事項を指摘するかに加え、為替についての言及があるか

も注目される。

本格的な協議は今夏以降

今後は、日米経済対話の枠組みの下、各論点ごとに担当閣僚・実務レベ

ルの協議が行われていくものとみられる。米側の通商交渉の実務部隊の指

名・承認手続に要する時間等を考えると、日米間の協議が本格化するのは

今夏以降になるだろう。日米経済対話も、年内に予定されている次回以降

がいよいよ本番となる。 (菅原淳一)

詳しくは、「静かに幕を開けた日米経済対話」(『みずほインサイト』2017年 4月 19

日、https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/pl170419.pdf)

をご覧ください。

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金融市場ウィークリー(2017年 4月 21日号) 12

Ⅲ.参考資料

今週の主要経済指標

予想:情報ベンダー(Bloomberg、Reuters等)の取りまとめた予想コンセンサス。米国の経済指標は特に断りのない限り季調値。

Rは改定値。

日:日本、米:米国、欧:欧州、英:英国、独:ドイツ、中:中国、韓:韓国、印:インド、尼:インドネシア、

泰:タイ、比:フィリピン、伯:ブラジル、馬:マレーシア

日 付 今回実績 予想

4/14(金) 米 小売売上高(3月) 前月比 ▲0.2% ▲0.2% R ▲0.3%

前月比前月比

▲0.3%▲0.1%

0.0%+0.2%

+0.1%+0.2%

4/17(月) 日

中鉱工業生産(3月)

前年比 +7.6% +6.3%1~2月

+6.3%

前年比 +6.9% +6.8%10~12月期

+6.8%

米 +5.2 +15.0 +16.4

4/18(火) 日

米鉱工業生産指数(3月)設備稼働率(3月)

前月比 +0.5%76.1%

+0.5%76.1%

RR

+0.1%75.7%

住宅着工件数(3月)住宅着工許可件数(3月)

年率年率

121.5万件126.0万件

125.0万件125.0万件

RR

130.3万件121.6万件

4/19(水) 米

4/20(木) 日

貿易統計(3月)

通関収支

輸出輸入

原数値前年比前年比前年比

+6,147億円▲17.5%+12.0%+15.8%

+6,080億円▲18.4%+6.2%

+10.0%

R +8,135億円+245.5%+11.3%+1.2%

米 +22.0 +25.5 +32.8

244千人 240千人 234千人

経 済 指 標 等

消費者物価指数(3月) [食品・エネルギーを除く]

黒田日銀総裁挨拶(第92回信託大会)

実質GDP(1~3月期)

ベージュブック(地区連銀経済報告)

20年利付国債入札:最高利回り 0.565%、 平均利回り 0.562%、 入札倍率 4.06倍

内閣府月例経済報告(4月)

金融政策決定会合(19・20日)

前回実績

フィラデルフィア連銀製造業業況指数(4月)

失業保険新規申請件数(~4/15)

ニューヨーク連銀製造業業況指数(4月)

5年利付国債入札:最高利回り ▲0.152%、 平均利回り ▲0.160%、 入札倍率 3.28倍

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金融市場ウィークリー(2017年 4月 21日号) 13

来週の主要経済指標

予想:[ ]はみずほ総合研究所予想、それ以外はコンセンサス(Bloomberg等)。予定は変更になる可能性があります。

日:日本、米:米国、欧:欧州、英:英国、独:ドイツ、中:中国、韓:韓国、印:インド、尼:インドネシア、

泰:タイ、比:フィリピン、伯:ブラジル、馬:マレーシア

日 付 予 想 前 回 前々回

4/21(金)

日 第3次産業活動指数(2月) 前月比 [+0.3%] +0.0% ▲0.3%

米 中古住宅販売件数(3月) 年率 [580万件] 548万件 569万件

欧 56.4 56.4 56.0

4/24(月) 独 112.3 112.3 111.1

4/25(火) 米 新築住宅販売件数(3月) 年率 [58.0万件] 59.2万件 55.8万件

[124.0] 125.6 116.1

+5.7% +5.7% +5.5%

4/26(水) 日 全産業活動指数(2月) 前月比 [+0.6%] +0.1% ▲0.2%

4/27(木) 日

米 耐久財受注(3月) 前月比 [+1.2%] +1.8% +2.4%

[240千人] 244千人 234千人

前月比 ▲0.5% +5.5% ▲2.8%

4/28(金) 日 鉱工業生産(3月速報) 前月比 [▲0.7%] +3.2% ▲2.1%

完全失業率(3月) [2.8%] 2.8% 3.0%

有効求人倍率(3月) [1.44倍] 1.43倍 1.43倍

前年比 [▲0.5%] ▲3.8% ▲1.2%

新設住宅着工戸数(3月) [96.3万戸] 94.0万戸 100.1万戸

前年比前年比前年比前年比

[+0.3%][+0.3%][▲0.3%][▲0.4%]

+0.3%+0.2%▲0.4%▲0.4%

+0.4%+0.1%▲0.3%▲0.3%

2年利付国債入札

米GDP(1~3月期速報)

[+1.3%]10~12月期

+2.1%7~9月期+3.5%

[97.0]4月速報

98.03月確報

96.9

前期比 +0.6%10~12月期

+0.5%7~9月期+0.6%

G20(20か国財務大臣・中央銀行総裁会議、ワシントンD.C.(アメリカ))(20・21日)

S&P/コアロジックCS住宅価格指数[20都市](2月)

消費者物価(3月全国)   [除・生鮮食品]消費者物価(4月東京都区部)   [除・生鮮食品]

ユーロ圏合成PMI(4月速報)

経 済 指 標 等

ifo景況感指数(4月)

カンファレンスボード消費者信頼感指数(4月)

2年国債入札

5年国債入札

日銀金融政策決定会合(26・27日)

日銀総裁定例記者会見

日銀「経済・物価情勢の展望」(基本的見解)

失業保険新規申請件数(~4/22)

中古住宅販売仮契約指数(3月)

雇用コスト指数(1~3月期)

7年国債入札

ECB政策理事会

実質消費支出[二人以上の全世帯](3月)

季調済年率

前期比年率

ミシガン大消費者信頼感指数(4月確報)

Page 16: 金融市場ウィークリー - mizuho-ri.co.jp為替市場での取引高は1日で約5.1兆ドル(約550兆円、2016年4月平均)と巨額なものだ。 年間 の取引日を250日とすると年1,270兆ドルと天文学的な数字になる。

金融市場ウィークリー(2017年 4月 21日号) 14

4月のスケジュール

国 内 米 国 他 1 1

2 2

3 日銀短観(3月調査)

新車販売台数(3月)

3 米 製造業ISM指数(3月)

4 10年利付国債入札 4 米 貿易収支(2月)

製造業新規受注(2月)

5 5 米 非製造業ISM指数(3月)

FOMC議事録(3/14・15)

6 消費動向調査(3月) 6

7 毎月勤労統計(2月速報)

景気動向指数(2月速報)

7 米 雇用統計(3月)

8 8

9 9

10 景気ウォッチャー調査(3月)

国際収支(2月速報)

10 米 イエレンFRB議長講演(ミシガン)

3年国債入札

11 10年物価連動国債入札 11 米 10年国債入札

12 機械受注統計(2月)

企業物価指数(3月)

12 米 連邦財政収支(3月)

30年国債入札

13 マネーストック(3月速報)

30年利付国債入札

13 米 PPI(3月)

14 14 米 小売売上高(3月)

CPI(3月)

ミシガン大学消費者信頼感指数(4月速報)

15 15

16 16

17 黒田日銀総裁挨拶(第 92回信託大会) 17 米 ネット対米証券投資(2月)

ニューヨーク連銀製造業業況指数(4月)

18 5年利付国債入札 18 米 鉱工業生産・設備稼働率(3月)

住宅着工・許可件数(3月)

19 19 米 ベージュブック(地区連銀経済報告)

20 貿易統計(3月)

内閣府月例経済報告(4月)

20年利付国債入札

20 米 フィラデルフィア連銀製造業業況指数(4月)

景気先行指数(3月)

21 第 3次産業活動指数(2月) 21 米 中古住宅販売件数(3月)

22 22

23 23 仏 フランス大統領選(第 1回投票)

24 24 独 ifo景況感指数(4月)

25 25 米 新築住宅販売件数(3月),2年国債入札

S&P/コアロジックCS住宅価格指数(20都市・2月)

カンファレンスボード消費者信頼感指数(4月)

26 全産業活動指数(2月) 26 米 5年国債入札

27 日銀金融政策決定会合(26・27日)

日銀総裁定例記者会見

日銀「経済・物価情勢の展望」(基本的見解)

27 欧

ECB政策理事会

耐久財受注(3月)

7年国債入札

28 鉱工業生産(3月速報)

家計調査(3月)

労働力調査(3月)

住宅着工統計(3月)

商業動態統計(3月速報)

2年利付国債入札

28 米 GDP(1~3月期速報)

ミシガン大学消費者信頼感指数(4月確報)

シカゴPMI指数(4月)

雇用コスト指数(1~3月期)

29 昭和の日(日本休場) 29

30 30

*印は期日未定、網掛け部分は休場を示す〔予定は変更の可能性があります〕

日:日本、米:米国、欧:欧州、英:英国、独:ドイツ、仏:フランス

Page 17: 金融市場ウィークリー - mizuho-ri.co.jp為替市場での取引高は1日で約5.1兆ドル(約550兆円、2016年4月平均)と巨額なものだ。 年間 の取引日を250日とすると年1,270兆ドルと天文学的な数字になる。

金融市場ウィークリー(2017年 4月 21日号) 15

5月のスケジュール

国 内 米 国 他 1 新車販売台数(4月)

1 米 製造業ISM指数(4月)

個人所得・消費支出(3月)

2 日銀金融政策決定会合議事要旨(3/15・16分) 2

3 憲法記念日(日本休場) 3 米 FOMC(2・3日)

非製造業ISM指数(4月)

4 みどりの日(日本休場) 4 米 貿易収支(3月)

労働生産性(1~3月期暫定)

製造業新規受注(3月)

5 こどもの日(日本休場) 5 米 雇用統計(4月)

6 6

7 7 仏 フランス大統領選(決選投票)

8 消費動向調査(4月) 8

9 10年利付国債入札

毎月勤労統計(3月速報)

9 米 3年国債入札

10 日銀金融政策決定会合における主な意見(4/26・27分)

景気動向指数(3月速報)

10 米 連邦財政収支(4月)

10年国債入札

11 景気ウォッチャー調査(4月)

国際収支(3月速報)

30年利付国債入札

11 英

英中銀金融政策委員会(10・11日)

PPI(4月)

30年国債入札

12 マネーストック(4月速報) 12 米 小売売上高(4月)

CPI(4月)

ミシガン大学消費者信頼感指数(5月速報)

13 13 G7(財務大臣・中央銀行総裁会議、バーリ(イタリア))(11・

13日)

14 14

15 企業物価指数(4月) 15 米 ネット対米証券投資(3月)

ニューヨーク連銀製造業業況指数(5月)

16 第 3次産業活動指数(3月)

5年利付国債入札

16 米 鉱工業生産・設備稼働率(4月)

住宅着工・許可件数(4月)

17 機械受注統計(3月) 17

18 GDP(1~3月期 1次速報)

20年利付国債入札

18 米 フィラデルフィア連銀製造業業況指数(5月)

景気先行指数(4月)

19 19

20 20

21 21

22 貿易統計(4月) 22

23 全産業活動指数(3月) 23 米

新築住宅販売件数(4月),2年国債入札

ifo景況感指数(5月)

24 24 米 FOMC議事録(5/2・3),中古住宅販売件数(4月)

5年国債入札

25 40年利付国債入札 25 米 7年国債入札

26 26 米 耐久財受注(4月),GDP(1~3月期暫定)

企業収益(1~3月期暫定)

ミシガン大学消費者信頼感指数(5月確報)

27 27 G7(サミット、タオルミーナ(イタリア))(26・27日)

28 28

29 29 米 メモリアルデー(米国休場)

30 商業動態統計(4月速報)

2年利付国債入札

家計調査(4月)

労働力調査(4月)

30 米 個人所得・消費支出(4月)

S&P/コアロジックCS住宅価格指数(20都市・3月)

カンファレンスボード消費者信頼感指数(5月)

31 鉱工業生産(4月速報)

住宅着工統計(4月)

31 米 ベージュブック(地区連銀経済報告)

シカゴPMI指数(5月)

*印は期日未定、網掛け部分は休場を示す〔予定は変更の可能性があります〕

日:日本、米:米国、欧:欧州、英:英国、独:ドイツ、仏:フランス

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金融市場ウィークリー(2017年 4月 21日号) 16

四半期スケジュール 6月 7月 8月

日 本 1 法人企業統計調査(1~3月期) 新車販売台数(5月) 10年利付国債入札

2 消費動向調査(5月) 6 毎月勤労統計(4月速報) 30年利付国債入札

7 景気動向指数(4月速報) 8 景気ウォッチャー調査(5月) 国際収支(4月速報)

GDP(1~3月期 2次速報) 5年利付国債入札 9 マネーストック(5月速報)

第 3次産業活動指数(4月) 12 企業物価指数(5月) 機械受注統計(4月)

13 法人企業景気予測調査(4~6月期) 20年利付国債入札 16 日銀金融政策決定会合(15・16日)

日銀総裁定例記者会見 19 貿易統計(5月) 21 全産業活動指数(4月)

27 資金循環統計(1~3月期速報) 2年利付国債入札 29 商業動態統計(5月速報)

30 鉱工業生産(5月速報) 家計調査(5月) 労働力調査(5月)

3 消費動向調査(6月) 日銀短観(6月調査) 新車販売台数(6月)

7 景気動向指数(5月速報) 毎月勤労統計(5月速報) 10 景気ウォッチャー調査(6月)

機械受注統計(5月) 国際収支(5月速報) 11 マネーストック(6月速報)

12 第 3次産業活動指数(5月) 企業物価指数(6月) 20 日銀金融政策決定会合(19・20日)

日銀総裁定例記者会見 日銀「経済・物価情勢の展望」(基本的見解)

全産業活動指数(5月)

貿易統計(6月) 28 商業動態統計(6月速報) 家計調査(6月)

労働力調査(6月) 31 鉱工業生産(6月速報)

1 新車販売台数(7月) 2 消費動向調査(7月) 4 毎月勤労統計(6月速報)

7 景気動向指数(6月速報) 8 景気ウォッチャー調査(7月) 国際収支(6月速報)

9 マネーストック(7月速報) 10 第 3次産業活動指数(6月) 企業物価指数(7月)

機械受注統計(6月) 14 GDP(4~6月期 1次速報) 17 貿易統計(7月)

21 全産業活動指数(6月) 29 家計調査(7月) 労働力調査(7月)

30 商業動態統計(7月速報) 31 鉱工業生産(7月速報)

米 国 1 製造業ISM指数(5月) 労働生産性(1~3月期改訂) 2 貿易収支(4月)

雇用統計(5月) 5 非製造業ISM指数(5月) 12 連邦財政収支(5月)

3年国債入札 10年国債入札 13 PPI(5月)

30年国債入札 14 FOMC(13・14日) 小売売上高(5月)

CPI(5月) 15 鉱工業生産・設備稼働率(5月) ニューヨーク連銀製造業業況指数(6月)

フィラデルフィア連銀製造業業況指数(6月) 16 住宅着工・許可件数(5月) ミシガン大学消費者信頼感指数(6月速報)

20 経常収支(1~3月期) 21 中古住宅販売件数(5月) 22 景気先行指数(5月)

23 新築住宅販売件数(5月) 26 耐久財受注(5月) 2年国債入札

27 S&P/コアロジック CS住宅価格指数 (20都市・4月)

カンファレンスボード消費者信頼感指数(6月)

5年国債入札 28 7年国債入札 29 GDP(1~3月期確定)

企業収益(1~3月期改訂) 30 個人所得・消費支出(5月) シカゴPMI指数(6月)

3 製造業ISM指数(6月) 5 FOMC議事録(6/13・14) 6 非製造業ISM指数(6月)

貿易収支(5月) 7 雇用統計(6月) 11 3年国債入札

12 ベージュブック(地区連銀経済報告) 10年国債入札 13 連邦財政収支(6月)

PPI(6月) 30年国債入札 14 鉱工業生産・設備稼働率(6月)

ミシガン大学消費者信頼感指数(7月速報) 小売売上高(6月) CPI(6月)

17 ニューヨーク連銀製造業業況指数(7月) 19 住宅着工・許可件数(6月) 20 フィラデルフィア連銀製造業業況指数(7月)

景気先行指数(6月) 24 中古住宅販売件数(6月) 25 S&P/コアロジック CS住宅価格指数

(20都市・5月) カンファレンスボード消費者信頼感指数(7月) 2年国債入札

26 FOMC(25・26日) 新築住宅販売件数(6月) 5年国債入札

27 耐久財受注(6月) 7年国債入札 28 GDP(4~6月期速報)

雇用コスト指数(4~6月期) 31 シカゴPMI指数(7月)

1 製造業ISM指数(7月) 個人所得・消費支出(6月) 3 非製造業ISM指数(7月)

4 貿易収支(6月) 雇用統計(7月) 9 労働生産性(4~6月期暫定)

10 連邦財政収支(7月) PPI(7月) 11 CPI(7月)

15 ニューヨーク連銀製造業業況指数(8月) 小売売上高(7月) 16 FOMC議事録(7/25・26)

住宅着工・許可件数(7月) 17 鉱工業生産・設備稼働率(7月) フィラデルフィア連銀製造業業況指数(8月)

景気先行指数(7月) 18 ミシガン大学消費者信頼感指数(8月速報) 23 新築住宅販売件数(7月)

24 中古住宅販売件数(7月) 25 耐久財受注(7月) 29 S&P/コアロジック CS住宅価格指数

(20都市・6月) 29 カンファレンスボード消費者信頼感指数(8月) 30 GDP(4~6月期暫定)

企業収益(4~6月期暫定) 31 個人所得・消費支出(7月) シカゴPMI指数(8月)

欧 州 8 ECB政策理事会 15 英中銀金融政策委員会(14・15日)

20 ECB政策理事会 3 英中銀金融政策委員会(2・3日)

*印は期日未定を示す〔予定は変更の可能性があります〕

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金融市場ウィークリー(2017年 4月 21日号) 17

今週の金融市場の動き

(注)前週末比は、海外などについては現時点での直近値と前週末値との比較。

東京市場の発行日表示値は終値もしくは 11:30時点値。

米国 10年債、米金利スワップ 10年物は Bloombergの終値。

日本株出来高・売買代金はそれぞれ東京証券取引所第一部出来高・売買代金。

TIBORは全銀協発表のユーロ円 TIBOR平均値。

新発 10年国債は日本相互証券発表の気配値。

金利先物は東京金融取引所(TFX)のユーロ円 3ヵ月金利先物。

独・英 10年国債は Bloombergの提示する終値。

為替は NY時間終値(発行日のみ東京時間 11:30時点、出所:Bloomberg)。

[海外金利]4/13 4/14 4/17 4/18 4/19 4/20 4/21 前週末比

ドルLIBOR 3M(%) 1.15844 休場 1.15622 1.15567 1.15317 ▲ 0.005

ユーロドル金先(Dec17) 98.535 98.550 98.585 98.585 98.545 0.010

米国債(10年、%) 2.237 2.250 2.168 2.214 2.232 ▲ 0.005

スワップ金利(10年、%) 2.209 2.212 2.128 2.166 2.203 ▲ 0.006

独国債(10年、%) 0.187 0.156 0.203 0.244 0.057

英国債(10年、%) 1.043 1.014 1.065 1.069 0.026

[内外株式]4/13 4/14 4/17 4/18 4/19 4/20 4/21 前週末比

ダウ平均(㌦) 20,453.25 20,636.92 20,523.28 20,404.49 20,578.71 125.46

S&P500指数 2,328.95 休場 2,349.01 2,342.19 2,338.17 2,355.84 26.89

NASDAQ総合指数 5,805.15 5,856.79 5,849.47 5,863.03 5,916.78 111.63

日経平均(円) 18,426.84 18,335.63 18,355.26 18,418.59 18,432.20 18,430.49 18,589.81 254.18

TOPIX(Pt.) 1,468.31 1,459.07 1,465.69 1,471.53 1,471.42 1,472.81 1,487.18 28.11

出来高(百万株) 1,958.68 1,838.86 1,454.30 1,575.22 1,952.92 1,841.07 - -

売買代金(億円) 22,590.13 20,247.62 16,337.37 17,744.93 23,172.37 21,592.15 - -

日経JASDAQ平均(円) 2,858.12 2,841.31 2,862.35 2,895.54 2,909.43 2,919.59 2,925.23 83.92

[円金利]4/13 4/14 4/17 4/18 4/19 4/20 4/21 前週末比

TIBOR 3カ月(%) 0.05600 0.05600 0.05600 0.05600 0.05600 0.05600 0.05600 0.00000

ユーロ円金先(Sep17) 99.965 99.970 99.975 99.975 99.975 99.975 99.970 0.000

新発国債(10年、%) 0.020 0.010 0.005 0.010 0.005 0.015 0.015 0.005

長国先物(Jun17) 150.91 151.09 151.15 151.03 151.18 151.11 151.08 ▲ 0.010

スワップ金利(5年、%) 0.068 0.055 0.053 0.055 0.056 0.082 0.073 0.018

[為替]4/13 4/14 4/17 4/18 4/19 4/20 4/21 前週末比

円/$ 109.09 108.64 108.91 108.43 108.86 109.32 109.25 0.61

$/EUR 1.0613 1.0618 1.0643 1.0730 1.0711 1.0717 1.0715 0.0097

円/EUR 115.78 115.36 115.91 116.35 116.61 117.16 117.06 1.70

休場

休場

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金融市場ウィークリー(2017年 4月 21日号) 18

最新リポート一覧

<みずほインサイト>

2017年 4月 20日 インドネシア首都州知事選での現職敗退はジョコ大統領にも痛手

https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/as170420.pdf

2017年 4月 19日 英国は 6月 8 日に総選挙へ~メイ首相は何故解散総選挙に踏み切ったのか~

https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/eu170419.pdf

2017年 4月 19日 白紙に戻る米税制改革~当初と比べればシンプルかつ控え目な減税に活路~

https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/us170419.pdf

2017年 4月 19日 静かに幕を開けた日米経済対話~本格的な協議は今夏以降に~

https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/pl170419.pdf

<内外経済見通し>

2017年 3月 8日 2016・17・18 年度 内外経済見通し(2016年 10~12月期 GDP2次速報後改訂)

~企業部門を中心とした日本経済の回復が鮮明に~

https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/forecast/outlook_170308.pdf

2017年 2月 14日 2016・17・18年度 内外経済見通し

~世界経済は拡大基調へ、米国政策や欧州政治が波乱要因~

https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/forecast/outlook_170214.pdf

2016年 5月 10日 MIZUHO Research & Analysis no.1

特集 グローバル経済の中長期展望と日本産業の将来像~パラダイムシフトと日本の針路~

https://www.mizuho-fg.co.jp/company/activity/onethinktank/vol001/pdf/all.pdf

執筆担当者

・市場調査部

武内浩二 03-3591-1244 [email protected]

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井上 淳 03-3591-1197 [email protected]

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・経済調査部

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