回転軸:回転と動力を伝える...5.1.3 軸の強さ 軸に作用する荷重の種類 ①...
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第6章 軸・軸継手 6.1 回転軸
6.1.1 軸の種類
回転軸:回転と動力を伝える
主な軸の種類
5.1.2 軸設計における基本事項
・強さ(強度):軸に加わる様々な荷重に対して、十分な 強度を持つ ・剛性:荷重によるたわみやねじれなどの変形を押さえる ↓ 剛性設計 ・振動:危険速度を高めたり、回避する工夫をする ・腐食・摩耗:腐食や摩耗に耐性を持たせる
入手性、コスト、加工性等を考慮 +
5.1.3 軸の強さ
軸に作用する荷重の種類 ① ねじりモーメントだけが作用 ② 曲げモーメントだけが作用 ③ ねじりと曲げが同時に作用 ④ 軸力(軸方向荷重)が付加
(1) 曲げだけを受ける軸
円形断面のはりとして扱う 第3章を参照
・中実軸
・中空軸
計算されたd、d2よりも一回り大きな 寸法を表6-2から選ぶ
(実用的には、軸受がある直径にする)
(2) ねじりだけを受ける軸 ・中実軸
・中空軸
・伝達動力から軸径を求める場合 動力[kW]をn[min-1]で伝達する時のトルクT[N・mm]
(3) 曲げとねじりを受ける軸 軸に曲げモーメントMとねじりモーメントTが同時に加わる
相当ねじりモーメントTeと相当曲げモーメントMeに換算し、 大きい方の軸径とする
相当曲げモーメントからの計算
相当ねじりトルクからの計算 比較して 大きい軸径 を選ぶ
6.1.4 軸の剛性
(1) 曲げ剛性 剛性:単位荷重当たりの変形量 → 小さく抑える必要がある
軸の中央に集中荷重Wが作用した時の最大たわみ
両端支持はりとして、
一般の軸では、 最大たわみを 0.35mm/m 以下にする
(2) ねじり剛性
長さlの軸にトルクTが作用した場合のねじれθは、
ねじれをθ以下にするために必要な軸径は、
動力P[kW]を伝えるためには、
軸のねじれ許容値は、1m当たり1/3°や1/4°
材料が鉄鋼ならば、
軸径としては、曲げ、ねじりの許容値を満たす 軸径の大きい方を採用する
6.1.5 軸に回転部品を取り付ける要素 (1) キー
軸と歯車、プーリなどへトルクを伝達する機械要素
キーは中央部でせん断を受けるので、せん断力で破壊 しない断面積(幅と長さ)を確保して、表6-3から寸法を 選択する。
(2) ピン
ピンの用途 ・位置決め ・部品間のずれ防止 ・ ・
(3) スプライン
(4) セレーション
軸とハブに複数の歯と溝を加工し、 かみ合いによってトルクを伝達する
溝数は、6 or 8
スプラインと同じ原理でトルクを伝達 するが、歯が小さく、多い
歯の形は、三角やインボリュート 歯数は、
(5) フリクションジョイント
軸との間にすきまを設けて、 その部分を膨張させること によって、摩擦力を発生 させて、トルクを伝達する
キー溝などの加工が不要に なるが、装置自体が大きく、 重く、アンバランスを大きく する
6.2 軸継手 駆動源(モータ等)と軸をつなぐ機械要素
回転トルクだけを伝達する
6.2.1 軸継手の設計で注意すべき事項
さらに、2軸の偏心、角度誤差、継手自体の大きさ等
6.2.2 おもな軸継手 (1) 固定軸継手 ・2軸の軸線がよく一致していることが必要 ・フランジ型の場合は、 ① フランジ端面の摩擦力 ② ボルトのせん断抵抗 でトルクを伝達する
(2) たわみ軸継手 ・2軸の軸線を合わせることが難しい場合 ・振動や衝撃を緩和(伝えたくない)場合 に使用する
2軸の軸線誤差は、常に小さくする必要がある (高速回転における振動上昇の原因)
(3) オルダム継手
2軸の平行心ずれが大きい場合にも適用できる
機構学で 学習済み(?)
(4) 自在継手(ユニバーサルジョイント)
2軸の角度誤差が大きい場合にも適用できる
機構学で 学習済み(?)
α≦30°
しかし、原動軸(入力)の回転 と従動軸(出力)の回転には
位相差(速度むら) がある
軸のもう一端に 同じ角度でもう 1つ設置すると 位相差を相殺 できる
今週の演習問題
テキストP144、問題6
ただし、中空軸の 外径を40mmに変更