【選択問題】 環境,資源・エネルギー問題に関して,問1 問4に ... ·...
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環境,資源・エネルギー問題に関して,問 1~問 4に答えよ。
問 1 シンさんは資源・エネルギー問題について調べ,資料 1を得た。資料 1中のA~Cは,そ
れぞれカナダ,アメリカ合衆国,インドのいずれかである。資料 1中のA~Cと国名の組合
せとして最も適切なものを,下の 1~ 4のうちから一つ選べ。解答番号は 17 。
資料 1 主な国の 1 次エネルギー消費量と一人当たりの 1 次エネルギー消費量(2008 年)
A B C
1 カナダ アメリカ合衆国 インド
2 アメリカ合衆国 カナダ インド
3 アメリカ合衆国 インド カナダ
4 インド アメリカ合衆国 カナダ
【選択問題】
5
注) 1 次エネルギーとは,石炭,原油,天然ガス,原子力,水力,地熱などの自然から採取されたままの物質を使用したエネルギーのことで,ここでは石油換算してある。
(『世界国勢図会 2012/13 年版』により作成)
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
(t)
(億t)
AB
C
フランス
一人当たりの1次エネルギー消費量
ロシア
日本イギリス
ブラジル 中華人民共和国
1 次エネルギー消費量
0 50 100 150 200 250
2013KN1A-04-078
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問 2 シンさんは,中華人民共和国の石炭の生産や消費に興味をもち,資料 2と資料 3を得た。
これらの資料から読み取った文として最も適切なものを,下の 1~ 4のうちから一つ選べ。
解答番号は 18 。
資料 2 石炭の生産量と消費量の推移
資料 3 石炭の輸入量と輸出量の推移
1 資料 2から,1990 年以降,生産量,消費量とも,一貫して増加し続けた。
2 資料 3から,2001 年以降,輸入量は毎年増加し続け,輸出量は毎年減少し続けた。
3 資料 3から,2008 年までは輸出超過であったが,2009 年からは輸入超過となった。
4 資料 2と資料 3から,石炭の輸出量が減少したのは生産量が減少したことが原因であ
る。
(『中国統計年鑑』などにより作成)
350
300
250
200
150
100
50
0(年)
(億t)
消費量生産量
20102005200019951990
(『中国海関統計』などにより作成)
18
1416
121086420
(年)
(億t)
輸出量輸入量
20102005200019951990
2013KN1A-04-
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問 3 シンさんは,日本が国際貢献の一環としてフィリピンで送電線敷設をしていることを知
り,資料 4~資料 7を得た。これらの資料を読み取った文として最も適切なものを,あとの
1~ 4のうちから一つ選べ。解答番号は 19 。
資料 4 レイテ-ボホール連結送電線事業の概要
フィリピンでは,予備電力を効率的に運用しながら安定的な電力供給を行うため,主
要な島々を送電線で連結させ,国全体の電力系統を一つにまとめる計画を進めていた。
この計画の主要ルートに位置するボホール島では各種企業が進出予定だったが,既存の
設備では発電容量が不足していたため,レイテ島からの送電によって電力を補わなけれ
ばならなかった。
日本はボホール島とレイテ島の間に海底送電線を敷設し,両岸に関連地上送電線と変
電設備の建設を支援した。これによりボホール島のリゾートホテルではエアコン等が安
定して稼動するようになりサービス向上につながった。このような電力の安定供給は,
観光業のビジネス運営の環境改善をもたらし観光産業ブームの下支えとなった。
資料 5 レイテ島とボホール島での連結送電線事業の写真
(http://www.jica.go.jp/oda/project/ により作成)
2013KN1A-04-080
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1 資料 4と資料 5から,日本の支援によりフィリピン国内のすべての島々に新たに地上送
電線が増設され,一つの電力系統で連結した。
2 資料 4と資料 7から,レイテ島とボホール島の間には両島を結ぶ橋が建設され,送電線
もその橋に敷設されている。
3 資料 4と資料 7から,日本がレイテ島とボホール島を結ぶ送電線を敷設したことで,両
島では初めて電気が通った。
4 資料 4と資料 7から,送電線が連結し安定した電力供給が可能になったボホール島で
は,観光客が訪れやすい環境が整い観光ブームがおこった。
資料 6 フィリピンのレイテ島と
ボホール島の位置
資料 7 レイテ島とボホール島の両島における
連結送電線事業の地図
(http://www.jica.go.jp/oda/project/ により作成)
レイテ島レイテ島
既存の送電線この事業で敷設された送電線変電所
ボホール島
ボホール島
2013KN1A-04-
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081
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問 4 シンさんは,関東地方の産業廃棄物の広域移動状況に興味をもち,資料 8と資料 9を得た。
これらの資料を読み取った文として不適切なものを,あとの 1~ 4のうちから一つ選べ。
解答番号は 20 。
資料 8 中間処理目的の産業廃棄物の広域移動状況
注) ・産業廃棄物とは,事業活動に伴って生じた廃棄物のうち,燃えがら,汚泥,廃油,廃酸,廃アルカリ,廃プラスチックなど 20 種類の廃棄物をいう。
・中間処理とは,収集したごみの焼却,下水汚泥の脱水,不燃ごみの破砕,選別など,できるだけごみの体積と重量を減らすための処理のこと。
(『環境白書 2012 年版』より作成)
北海道・東北地方
近畿地方
中部地方
九州地方
神奈川県
東京都
埼玉県
群馬県
栃木県
茨城県
千葉県
5 万トン以上~10 万トン未満
10 万トン以上~100 万トン未満
100 万トン以上
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資料 9 最終処分目的の産業廃棄物の広域移動状況
1 中間処理目的の産業廃棄物が,東京都から埼玉県,千葉県,神奈川県へ,それぞれ 100
万トン以上移動している。
2 埼玉県と栃木県は,関東地方の他の都県から,中間処理目的の産業廃棄物をいずれも
10 万トン以上受け入れている。
3 中間処理と最終処分の両目的の産業廃棄物が,関東地方のすべての都県から北海道・東
北地方へ, 5 万トン以上移動している。
4 東京都と神奈川県は,中間処理目的の産業廃棄物の受け入れはあるが,最終処分目的の
産業廃棄物の 1 万トン以上の受け入れはない。
注) 最終処分とは,埋立てによるごみの処分のこと。 (『環境白書 2012 年版』より作成)
北海道・東北地方
中国地方
中部地方
九州地方
神奈川県
東京都
埼玉県
群馬県
栃木県
茨城県
千葉県
1 万トン以上~ 5 万トン未満
5 万トン以上
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居住,都市問題に関して,問 1~問 4に答えよ。
問 1 資料 1は重要伝統的建造物群保存地区に選定されている竹富町と白川村の位置である。竹
富町の伝統的な家屋について資料 2中のア,イの説明と,資料 3中のA,Bの景観の組合せ
として最も適切なものを,あとの 1~ 4のうちから一つ選べ。解答番号は 17 。
資料 1
資料 2 家屋についての説明
ア
ここは 1 月から 2 月の季節風が大雪をもたらす豪雪地帯で,積雪は多いときで 4 メー
トル,積雪期間 4 か月という状態である。このような厳しい自然のなかで,風,雨,雪
と地震にも強く,現金収入源となる養よう
蚕さん
に適した建物として作り上げたのが合掌造家屋
である。
イ
ここは台風がもたらす自然的悪条件のなかで,赤瓦の屋根とサンゴの石灰岩で積まれ
た石垣が発達した。石垣は,家屋を強風から守るためのもので,高さは 1.5 メートル前
後である。生垣には,台風時の強風や干かん
ばつに強いものを植栽し,地域固有の集落景観
をつくっている。
【選択問題】
6
白川村(岐阜県)竹富町(沖縄県)
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資料 3 家屋の景観
A B
(『街並み保存のネットワーク』により作成)
資料 2 資料 3
1 ア A
2 ア B
3 イ A
4 イ B
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問 2 資料 4は,世界の人口密度を 3 段階の数値別に表した地図である。それぞれの地図から読
み取った文として最も適切なものを,あとの 1~ 4のうちから一つ選べ。
解答番号は 18 。
資料 4 人口密度を数値別に表した地図(2010 年)
注)人口密度は,正積円筒図法によって描かれた地図に表されている。 (Derek Watkins ホームページにより作成)
人口密度 5 人/km2 以上
人口密度 100 人/km2 以上
人口密度 300 人/km2 以上
45°
0°
45°
45°
0°
45°
45°
0°
45°
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087
人口密度 5 人/km2 以上の分布は,赤道直下の地域にはない。
人口密度 100 人/km2 以上の分布は,赤道以南では,南アメリカ地域が最大である。
人口密度 300 人/km2 以上の分布は,ヨーロッパ地域と北アメリカ地域が多い。
三つの地図を見ると,いずれも赤道から北緯 45 度付近までに人口密集地域が広く分布
している。
1
2
3
4
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問 3 資料 5~資料 7は,南・北アメリカ州の都市について調べたものである。資料 7中のA,
Bは,それぞれサンパウロ,デトロイトのいずれかの都市の説明である。上位 10 位までに
入る都市の数が増えた地域は南・北アメリカ州のうちのどちらで,資料 7中のA,Bのうち
サンパウロを示すのはどちらか。その組合せとして最も適切なものを,あとの 1~ 4のうち
から一つ選べ。解答番号は 19 。
資料 5 1970 年と 2010 年における都市人口の上位 10 都市
1970 年
2010 年
メキシコシティニューヨーク
ロサンゼルスブエノスアイレス
シカゴリオデジャネイロフィラデルフィア
ボストン0 5 10 15 20 25
(百万人)
サンパウロ
デトロイト
注)都市の人口は,国連統計局の都市的集積地域をさす。 (『United Nations World Urbanization Prospects‚ the 2011 Revision』により作成)
メキシコシティニューヨーク
ブエノスアイレスロサンゼルス
リオデジャネイロシカゴ
リマボゴタ
サンチアゴ0 5 10 15 20 25
(百万人)
サンパウロ
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資料 6 両地域の区分と 1970 年,2010 年の都市人口の上位 10 都市
資料 7
上位 10 都市の数が増えた地域 サンパウロ
1 北アメリカ A
2 北アメリカ B
3 南アメリカ A
4 南アメリカ B
注)地図中にグリーンランドは記載されていない。
デトロイト
北アメリカ
南アメリカ
ボストンニューヨーク
フィラデルフィア
リオデジャネイロ
ブエノスアイレス
サンチアゴ
ボゴタ
メキシコシティ
ロサンゼルス
シカゴ
リマ
サンパウロ
1970 年のみ上位 10 位に入った都市
2010 年のみ上位 10 位に入った都市
1970 年,2010 年どちらも上位 10 位に入った都市
A
現在は,この国や地域の最大の都市となり,経済・文化の中心地である。一方,市の中心部
では,慢性的な交通渋滞や大気汚染,スラムと呼ばれる貧困地区の形成が深刻である。
B
湖の水運を利用し,1900 年頃から自動車産業が発達した。その後,自動車産業の停滞により
インナーシティと呼ばれる都市内部の衰退が起き,近年は再開発や環境改善に取り組んでいる。
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問 4 資料 8~資料 11は,国際協力機構(JICA)が中央アメリカ地域の 6 か国を対象に実施
している「中米広域防災能力向上プロジェクト“BOSAI”」(プロジェクトBOSAI)に関
するものである。資料 11中の X , Y に当てはまる語の組合せとして最も適切
なものを,あとの 1~ 4のうちから一つ選べ。解答番号は 20 。
資料 8
資料 9 対象の 6 か国と,この地域の主な火山
エルサルバドル
グアテマラ
ホンジュラス
ニカラグア
コスタリカ
主な火山
パナマ
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091
資料10 JICAによる「プロジェクトBOSAI」の取組
ア 低・中所得者向け普及住宅の耐震性向上
イ 古タイヤを利用した堤防建設
資料11 エルサルバドルにおける「プロジェクトBOSAI」の取組
対象の 6 か国は,南北アメリカ大陸をつなぐ地峡部に位置し, X の一部にあるた
め火山が多く地震が頻発する。また,中央アメリカでは「防災といえば日本」といわれるほ
ど日本の存在感は大きく,ハリケーンによる風水害など日本と同様の自然災害リスクを抱え
ていることから,各国と防災能力向上のため資料10のような技術協力を行っている。2001
年の自然災害では,広範な地域で死者 1,200 人,家屋損壊 16 万件,特に貧困層が被害を
受けた。この自然災害に対し資料 8の「プロ
ジェクトBOSAI」の一環として同国の住宅
都市開発庁や各地の地域住民らと協力し資料
10の Y のような技術協力を行っている。
その一方で,日本の東日本大震災に際し
ては,エルサルバドルから義援金や励まし
の手紙などが多数寄せられた。
(『国際協力機構(JICA)年次報告書 2010』などにより作成)
X Y
1 環太平洋造山帯 ア
2 環太平洋造山帯 イ
3 アルプス・ヒマラヤ造山帯 ア
4 アルプス・ヒマラヤ造山帯 イ
エルサルバドルでの被害状況(2001 年)