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20
参考資料

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参考資料

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品種の開発による農業への貢献① 「つや姫」

○ ⼭形県が開発した⽔稲「つや姫」は1998年に交配し2011年に品種登録となった。品種登録に併せてパッケージ等の商標登録も申請。2010年から販売開始。

○ これまでの県育成品種と異なり、県内の栽培適地の技術⼒のある農家に限定して栽培を許諾して⼀定⽔準の品質を確保し、⼀⽅で県外にも県奨励品種であることなどを条件に許諾を⾏い普及。

○ このような育成者である⼭形県におけるブランド化の取組に加え、従来、⽶の⾷味の最⾼峰を誇る「コシヒカリ」を上回る評価を得るなど、「⽢み」「うまみ」「艶」などに優れており、需要者からの評価が⾼く、他の銘柄の価格が伸び悩む年であっても⾼価格帯での引き合いが安定。⽇本を代表するブランド⽶としての地位を確⽴。

【育種経過】1998年:「山形70号」、宮城県育成の「東北164号」

を交配2004年:地方系統番号「山形97号」を付与2007年:第1回ブランド戦略会議2008年:山形県奨励品種に決定2009年:品種名が「つや姫」と決定2011年:品種登録

山形70号つや姫

東北164号

山形48号キヌヒカリ

味こだま

ひとめぼれ

「つや姫」の系譜

コシヒカリ

コシヒカリ

新潟14号

突然変異

0

2000

4000

6000

8000

10000

12000

14000

16000

18000

0

100000

200000

300000

400000

500000

600000

100

200

300

400

(千トン)

玄米検査数量

平均相対取引価格

年 産

(60kg/円)

コシヒカリ(価格)

はえぬき(価格)

つや姫(価格)

(全国平均価格)

その他品種(数量)

コシヒカリ(数量)

ひとめぼれ(数量) つや姫(数量)

はえぬき(数量)

⼭形県産⽶の検査数量と価格帯の推移

「つや姫」商標1

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9,721 9,671 9,317

7,3586,922

7,790 7,4886,8096,556

4,4005,306

4,4295,160 5,121

3,8854,389

2,037 2,013 1,6942,386 3,637

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年

作付面積

品種の開発による農業への貢献② 「べにはるか」

○ (国研)農業・⾷品産業技術総合研究機構が開発したかんしょ(サツマイモ)品種「べにはるか」は、従来の主⼒品種であったベニアズマや⾼系14号(ベニサツマ、鳴⾨⾦時等を含む)と⽐べ⽢みが強く、⼝当たりがよいことに加え、外観が美しく揃いがよいといった栽培特性が優れる⻘果⽤品種として開発。

○ 消費者の需要が「ベニアズマ」に代表される粉質系から通称「安納いも」に代表される粘質系の⾷感へシフトする中、同様に粘質の「べにはるか」は急速に栽培⾯積が拡⼤し、⼤分県の「⽢太くん」、⿅児島県JAいぶすきの「えい太くん」、茨城県JAなめがたしおさいの「紅優⽢」、新潟市の「いもジェンヌ」など次々とブランド化が進められ、⻘果⽤かんしょの主⼒品種となった。

主要な⻘果⽤かんしょの作付⾯積推移

資料:都道府県報告に基づく農林水産省推計

九州121号べにはるか

春こがね

九系58九系61

関東103号ベニアズマ

「べにはるか」の系譜【育種経過】

1996年:九州農業試験場(※)で「九州121号」と「春こが

ね」を交配

2001年:系統適応性・地域適応性検定試験開始

2007年:「べにはるか」と命名

2010年:品種登録

資料:農研機構

べにはるか

高系14号(ベニサツマ、鳴門金時等)

ベニアズマ

2

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91年条約(新条約)

加盟国・地域:5778年条約(旧条約)

加盟国:18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗、収穫物、特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

※1 UPOV条約には新・旧の条約が併存しており、保護対象・権利の範囲等が異なる。

※2 加盟国数は、2017年11月現在。

【参考】WTO加盟国:164カ国・地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国:191ヵ国・地域

(2018年2月現在)

※ OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる、知的財産に関する国際機関(本部:カメルーン)。2014年7月にUPOVに加盟。

UPOV加盟国(75カ国・地域)

UPOV条約(UPOV: Union Internationale pour la Protection des Obtentions Végétales)

新品種の保護の条件、保護内容、最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度、体制を整備 1968年に発効。締約国は全世界で75カ国・地域(EU、OAPIを含む)

UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)

3

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我が国における品種の出願件数の推移

0

200

400

600

800

1000

1200

1400

1600

53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29

うち外国育成

うち国内育成

年 度

○ 平成29年度の我が国における年間品種出願件数は994品種(うち外国育成424品種)、平成29年度までの出願累計は、農産種苗法による出願 217品種を含み、33,207品種(うち外国育成11,069品種)となっている。

○ 年間出願件数については、平成20年移⾏、漸減傾向にある。

4

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○ 現在権利存続中の品種数は8,331品種、平成10年以降の累計登録は権利が消滅したものも含め20,361品種(平成29年度末時点)。

○ 登録品種を作物別にみると、草花類(63%)、観賞樹(18%)、野菜(6%)の順で多く、また権利者の類型別にみると、種苗会社(56%)、個⼈(25%)、都道府県等(9%)の順で多くなっている。

登録品種の状況(作物別、権利者別)

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

9000

S53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 H1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29

① 権利存続中の登録品種数(各年度末)

② 登録品種の作物別割合(H10~29計) ③ 登録品種の権利者の類型別割合(H10~29計)

※ラウンドの関係で割合の合計は100%にならない場合がある

63%

18%

6%5% 4% 4%

草花類

観賞樹

野菜

食用作物

果樹

その他

56%

25%

9%

5%3% 1% 1%

種苗会社

個人

都道府県

食品会社等

農協

大学5

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① 登録品種の作物別の割合 ② 登録品種の権利者の類型別の割合

○ 旧種苗法(昭和53年)から平成29年度末までの登録累計は、26,744(権利が消滅したものも含める)。

○ 平成29年度末現在、権利存続中の品種は8,311。○ 作物別の登録品種の割合では、草花類、観賞樹、野菜、⾷⽤作物の順で多く、また権利者の類型別にみると、種苗会社、個⼈、都道府県等の順で多くなっている。

登録累計と権利存続中品種の登録割合

※ラウンドの関係で割合の合計は100%にならない場合がある

51%

61%

18%

17%

9%

7%

9%

5%

7%

5%

6%

4%

草花類 観賞樹

野菜 食用作物

果樹 その他

S53~H29年度登録累計

権利存続中の品種

49%

53%

21%

26%

15%

10%

4%

5%

8%

4%

2%

1%

1%

1%

種苗会社 個人都道府県等 食品会社等国等 農協等大学

S53~H29年度登録累計

権利存続中の品種

6

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種苗の国際競争の激化

(単位:百万USドル)

【世界合計】

44,925百万USドル

14,093(31%)

14,120(31%)

10,690(24%)

4,393(10%)

500(1%)

1,129(3%)

010002000300040005000600070008000900010000110001200013000

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020

(1)世界の種苗の貿易額の推移

(単

位:百

万U

Sド

ル)

(資料:国際種⼦連盟(ISF)web site)

(2)世界の種苗市場規模(2012年)

単位:百万USドル

うち野菜

①アメリカ 12,000 1,531 529 13,531

②中国 9,950 251 158 10,201

③フランス 2,800 1,804 349 4,604

④ブラジル 2,625 165 14 2,790

⑤カナダ 2,120 323 6 2,443

⑥オランダ 590 1,583 1,255 2,173

⑦インド 2,000 67 36 2,067

⑧ドイツ 1,170 727 58 1,897

⑨日本 1,350 145 91 1,495

⑩アルゼンチン 990 150 15 1,140

⑪イタリア 767 315 116 1,082

⑫トルコ 750 55 12 805

⑫スペイン 660 145 51 805

その他 7,153 3,282 757 10,435

合計 44,925 10,543 3,447

輸出額国内流通額国名 計

(3)国別種子産業の規模(2012年)

○ 世界の種苗の貿易額は、80年代後半以降、急速に拡⼤し、2016年(平成28年)においては約114億USドル(約1兆2,400億円)となっている。

○ 世界の種苗の市場規模は、おおむね450億ドル程度と⾒積られており、我が国は、サカタのタネ及びタキイ種苗が野菜種⼦の分野で、上位に⼊る販売規模を有しているところ。

○ 国際的な競争が激化することで、国際的な種苗会社の統合も進んでいる

7

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我が国の種苗会社の世界の中の地位

(資料:(社)農林水産先端技術振興センター「我が国における野菜種苗の安定供給に向けて(平成21年度))

○サカタのタネ

・ ブロッコリーの約65%、トルコギキョウの約75%、パンジーの約30%の世界シェア

(海外拠点)注1

米国、メキシコ、グアテマラ、ブラジル、チリ、アルゼンチン、韓国、中国、ベトナム、タイ、インド、フランス、デンマーク、オランダ、イギリス、スペイン、トルコ、南アフリカ

○タキイ種苗

・ キャベツのインドネシアでのシェア約70%、タイでのシェア約50~60%

・ 観賞用ヒマワリ及びハボタンの世界シェア約70~80%(海外拠点)注2

オランダ、米国、デンマーク、中国、韓国、トルコ、インドネシア、ベトナム、フランス、タイ、チリ、ブラジル、スペイン、インド

(注1)サカタのタネ ウェブサイト「拠点・ネットワーク 海外」より(https://www.sakataseed.co.jp/corporate/info/network/overseas/index.html)(注2)タキイ種苗 ウェブサイト [会社概要]事業所案内 より(http://www.takii.co.jp/company/base.html)

(1)我が国の種苗会社の海外展開事例 (2)野菜種子の主要会社のシェア

○ 世界の主要な種苗会社の販売実績をみると、サカタのタネ及びタキイ種苗が世界上位10社に⼊っている。

○ これらの種苗会社は野菜や花きのF1品種の種⼦を中⼼に多くの国に展開しているグローバル企業で、F1品種という強みを活かし、品種の保護をしつつ、広域な展開を実現している。

○ 特に、野菜種⼦においては上位を占めている品⽬もあり、サカタのタネはブロッコリーで⾼い世界シェア、タキイ種苗は東南アジアのキャベツで⾼いシェアを有している。

販売実績(億円)

モンサント(米) 890

シンジェンタ(スイス) 600

ビルモラン(仏) 510

ナンザ(蘭) 270

サカタのタネ 210

タキイ種苗 210

ライク・ズワーン(蘭) 210

エンザ(蘭) 180

その他 920

8

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F1(ハイブリッド)品種とは

○ 異なる品種を掛け合わせて得られた「雑種」(ハイブリッド;hybrid)の第⼀世代(F1世代)は、雑種強勢という現象により、その⼀代に限り、両親より優れ均⼀な性質を⽰すことが知られている。この仕組みを利⽤した品種を「F1品種」、「⼀代雑種」、「ハイブリッド品種」、「交配種」等と呼称している。

○ 現在流通しているほとんどの野菜類は⼀代雑種品種であるため、⾼品質で、均質な収穫物が得られる⼀⽅で、F1品種の種⼦を購⼊した農家が採種し、雑種第2代(F2世代)を得たとしてもその性質はF1世代とは異なり、不均⼀となるため通常の営農上有意な再⽣産は不可能。

固定種の栽培

種子

種子

他の品種の交配を行わない限り同じ性質の収穫物を何度も得ることができる

種子

種子

種子

農業者に販売

種子

収穫物の一部から採種

優良で均一な性質

F1世代から種採りをしても第二世代(F2)はバラバラな性質で使えない

ハイブリッド品種の栽培

親品種①

親品種②

交配(掛け合わせ)

種苗業者段階

収穫物(F1世代)

種苗業者段階

農業者に販売

農業者段階

農業者段階

収穫物

○ 固定品種は物理的に種子の流出防止を行うこと

が困難であるため、無断栽培防止のためには、品

種登録を行い、法制度で育成者権の保護が必要。

○ F1品種は、栽培特性上、種苗業者段階で親品

種の種子を厳重に確保することで、品種の流出を

防止することが可能であるため、特にF1品種が多

い野菜では品種登録が行われないことが多い。

9

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りんどうの新品種の開発と国内外の知的財産権活用

EU市場

米国市場

チリ

周年供給

切り花輸出

ニュージーランド生産者数:3栽培面積:2.0ha販売金額:14万NZ$(内国内消費10万NZ$)

生産者数:3栽培面積:6.0ha販売金額:4万US$

種・苗供給

ロイヤリティ回収(販売金額の3%)

(2万本)

日本市場切り花輸出

(22万本)(4万本)

2016年のデータに基づき作成

鉢物用苗供給

○ ⼋幡平市がりんどうの新品種を開発し、国内外で知的財産権(育成者権、商標権)を取得、「安代りんどう」 をブランド化。

○ ⽣産者と専⽤利⽤契約を結び、種・苗の供給、栽培指導を⾏うほか、ロイヤリティを回収し、新品種育成資⾦を確保。2016年よりEUでの鉢物契約栽培を開始。

○ 南半球での契約栽培により、世界市場へ周年供給が可能。さらに、ニュージーランドとの共同育種を実施。

ピーク時販売金額4,500万円(2008年)近年は販売縮小

10

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種子繁殖性イチゴ「よつぼし」海外展開

UPOV条約加盟でイチゴ品種保護制度がある国において権利の取得と事業を展開

種子生産事業者

・三好アグリテック・バイオ・ユー・三重興農社

種子生産許諾

相手国(権利取得した国)

相手国での利用権許諾

種子輸出

国内

「よつぼし」育成機関

三重県・香川県・千葉県・農研機構

・品種登録事務・権利侵害対応・利用権行使

・果実生産提携先企業

パートナー企業

=契約

✖国外への種苗・生果の

持出し

相手国における日本のイチゴ品種の

市場開拓

㈱ミヨシ

品種登録出願国→オーストラリア、ニュージーランド、ロシア

㈱サカタのタネ又は

㈱ミヨシが選定

イチゴ新品種「よつぼし」とは?

品種の特徴

・種子から育てるから、病害虫が少なく増殖率が高い。・長日条件で花芽ができやすい四季成り性を持つ。・鮮紅色で形の良い、濃厚な食味。

期待される効果

・増殖効率が飛躍的にアップ。病害虫やウイルスに感染していない苗が容易に得られる。

・イチゴ生産者は苗の入手が楽になり、育苗労力が大幅に削減されるうえ、規模拡大や新規参入も容易になる。

従来品種は親株から増殖した苗を配布

よつぼしは種子を配布

㈱サカタのタネ

品種登録出願国→中国、韓国、ベトナム、アメリカ、

カナダ、メキシコ、EU、トルコ、モロッコ

病害虫フリーの苗が容易に得られる

○ 三重県、⾹川県、千葉県、農研機構(育成4機関)が種⼦繁殖性イチゴ(F1品種)を開発。○ 育成4機関は、国内のパートナー企業を選定し、国外における⽣産を許諾。パートナー企業は、UPOV条

約加盟国の各国で育成者に代わって品種登録出願、登録維持、権利侵害対応費⽤と事務を負担する⼀⽅、権利取得した国での独占的な利⽤権を⾏使することが可能(ただし、権利取得した国以外へ種苗と⽣産物を輸出することは不可)。

〇 検疫条件により⽇本からイチゴ⽣果の輸出ができない国において、種⼦を輸出し現地でイチゴ⽣産を拡⼤することにより、⽇本のイチゴ品種の市場開拓が期待される。

11

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(参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行387種類)

【種苗法施行規則別表第3に掲載されている植物種】※赤字は新たに追加(H31.3.26)された植物(31種類)。野菜 アサツキ種、アピオス属、オクラ種、オモダカ属、カブ変種、カリフラワー変種、キャベツ亜種、キュウリ種、ケール変種、コールラビ変種、サイシン変種、シシウド属(トウキ種を除く)、

シマツナソ種、スイカ種、スマランサス属、セイヨウワサビ属、セルリー種、ダイコン種、タイサイ亜種、トマト種、ナス種、ニンジン種、フダンソウ変種、ブロッコリー変種、ブロッコリー変種×ケール変種、ペピーノ種、ホウレンソウ種、メキャベツ変種、メキャベツ変種×ケール変種、メセンブリアンテムム属、メロン種、ユウガオ種、ワケギ種

(33種類)

果樹 カリン属、クルミ属、スグリ属、ナツメ属、パパイヤ属、バンレイシ属、マツブサ属、マルピーギア属、ムサ・アクミナタ種

(9種類)

草花類 アイリス属、アガウェ属、アガスタケ属、アガパンツス属、アグラオネマ属、アゲラツム属、アザミ属、アサリナ属、アジアンタム属、アゼトウガラシ属、アタナシア属、アニゴザントス属、アプテニア属、アユガ属、アルストロメリア属、アルテミシア属、アルトロポディウム属、アルブカ属、アルメリア属、アロエ属、アロカーシア属、アンゲロニア属、イソトマ属、イヌノハナヒゲ属、イベリス属、イワダレソウ属、イワヒバ属、ヴァーレンベルギア属、ウェストリンギア属、ウツボグサ属、ウンキニア属、エウコミス属、エウパトリウム属、エオニウム属、エクサクム属、エスキナンツス属、エピデンドラム属、エビネ属、エピフィルム属、エボルブルス属、エリゲロン属、エリシムム属、エリンギウム属、オーニソガラム属、オシロイバナ属、オダマキ属、オトメリア属、オドントグロッサム属、オノセリス属、オリガヌム属、オリヅルラン属、オンシジウム属、ガーベラ属、ガステラロエ属、カスマンティウム属、カスミソウ属、カトレア属、カヤツリグサ属、カラテア属、カランコエ属、カリオプテリス属、カリシア属、カリブラコア属、カンナ属、カンプロクリニウム属、キキョウ属、キジムシロ属、キンギョソウ属、クガイソウ属、クサフヨウ種、クセロクリスム属、クニフォフィア属、クラーキア属、クラッスラ属、グラプトペタルム属、グランマトフィルム属、クリヴィア属、クレマチス属、グロキシニア属、グロリオサ属、ケラタンツス属、ケロネ属、ケンタウリウム属、コルタデリア属、コンウォルウルス属、ザルジアンスキア属、サンダーソニア属、サントリナ属、ジゴカクタス属、ジゴペタラム類、シダルケア属、ジニンギア属、シラン属、シンゴナンツス属、シンビジウム属、スイセン属、スカエウォラ属、スキンダプスス属、スコパリア属、ストレリチア属、ストロマンテ属、スパシフィラム属、セネキオ属(シネラリア種を除く)、セントポーリア属、センノウ属、ソリダゴ属、ソリダステル属、タゲテス属、タッカ属、タツナミソウ属、タナケツム属、タマシダ属、チゴユリ属、チヂミザサ属、チューリップ属、ツユクサ属、ツンベルギア属、ディアスキア属、ディーフェンバキア属、ディオニシア属、ディギタリス属、ディサ属、ディスキディア属、デンドロビウム属、トウゴマ属、トケイソウ属、トラキメネ属、トラデスカンティア属、ナデシコ属、ネモフィラ属、ネリネ属、ノウゼンハレン属、ノコギリソウ属、ノラナ属、ハエトリグサ属、ハベナリア属、パラヘーベ属、ハラン属、ハワーシア属、ハンゲ属、バンダ属、ヒアシンス属、ヒエンソウ属、ヒオウギ属、ビデンス属、ヒナギク属、ビャクブ属、ピレア属、ヒロデンドロン属、ファレノプシス属、フィソステギア属、フィットニア属、フウラン属、プシリオスタキス属、プラティア属、フリージア属、ブリグハミア属、プレクトランツス属、ペクテイリス属、ペチュニア属、ペツコア属、ヘミジギア属、ヘメロカリス属、ペラルゴニウム属、ヘレニウム属、ヘレボルス属、ペロフスキア属、ホウセンカ属、ホテイアオイ属、ホトトギス属、ポネロルキス属、ポリアンテス属、マルコミア属、マルバビユ属、マンネングサ属、ミムルス属、ミルトニア属、メシダ属、メカルドニア属、メランポディウム属、モウセンゴケ属、モナルダ属、ヤグルマギク属、ヤメスブリッテニア属、ユーホルビア・ミリー種、ラシュナリア属、ラッキョウ種×キイイトラッキョウ種、ラッキョウ種×ヤマラッキョウ種、リアトリス属、リカステ属、リコリス属リナリア属、リベルティア属、リンドウ属、ルイシア属、ルドベッキア属、ルモーラ属、ルリハコベ属、レウカンテムム属、ローダンセマム属、ロードキシス属、ローマカミツレ属

(202種類)

観賞樹 アカシア属、アジサイ属、アセビ属、アデニウム属、アフェランドラ属、アブティロン属、アンティゴノン属、イトスギ属、イボタノキ属、イワナンテン属、エゴノキ属、エスカリョニア属、エニシダ属、エルウァタミア属、エレモフィラム属、カナメモチ属、ガマズミ属、カラタチ属、カンノンチク属、キダチチョウセンアサガオ属、キダチルリソウ属、キョウチクトウ属、キリ属、クチナシ属、グミ属、クルシア属、グレヴィレア属、クレロデンドルム属、クロバナロウバイ属、グロブラリア属、クロベ属、ゲッケイジュ属、ケファランツス属、ゴオデニア属、コルムネア属、サカキ属、ササ属、サピウム属、サルココッカ属、シェフレラ属、シキミ属、ジャスティシア属、ショワジア属、シラタマノキ属、シリンガ属、ジンチョウゲ属、シンフォリカルポス属、ストロビランテス属、セルリア属、センダン属、センナ属、ソケイ属、ソネリラ属、タバコソウ属、ツタ属、ディエルビエラ属、ディクロア属、デイコ属、ディジゴテカ属、テコマ属、テトラテカ属、デロスペルマ属、ドウダンツツジ属、ドゥランタ属、トキワマンサク属、ドドナエア属、トベラ属、ドリクニウム属、ナツツバキ属、ナナカマド属、ニレ属、ネムノキ属、ノウゼンカズラ属、ノブドウ属、ノリナ属、バウエラ属、パキラ属、ハナズオウ属、バラ属、バンクシア属、ヒサカキ属、ピティロディア属、ビャクシン属、ファツヘデラ属、フィゲリウス属、フジ属、ブライニア属、ブラシノキ属、プロスタンテラ属、ヘーベ属、ヘスペロジギス属、ベルセリア属、ポインセチア種、ボケ属、ポリスキアス属、マダケ属、マンサク属、ミヤマシキミ属、ムラサキシキブ属、メディニラ属、メラレウカ属、モクレン属、ヤツデ属、ヤナギ属、ユスラウメ種、ラウァンドゥラ属、ルクリア属、ルスクス属、レンギョウ属、ロフォミルツス属

(110種類)

きのこ あらげきくらげ種、うすひらたけ種、えのきたけ種、エリンギ種、おおひらたけ種、きくらげ種、きぬがさたけ種、くりたけ種、くろあわびたけ種、こむらさきしめじ種、しいたけ種、しろたもぎたけ種、たまちょれいたけ種、たもぎたけ種、つくりたけ種、とんびまいたけ種、なめこ種、におうしめじ種、ぬめりすぎたけ種、はたけしめじ種、はなびらたけ種、ひめまつたけ種、ひらたけ種、ひらたけ種×エリンギ種、ぶなしめじ種、ぶなはりたけ種、ほんしめじ種、まいたけ種、まんねんたけ種、むきたけ種、むらさきしめじ種、やなぎまつたけ種、やまぶしたけ種

(33種類)

○ ⾃家増殖に育成者権の効⼒が及ぶのは、下記植物に属する登録品種のみ。

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自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(野菜・果樹)別表第3に記載されている

植物種類 対象となる作物例

野菜

アサツキ種 アサツキ

アピオス属 アピオス(ホドイモ、アメリカホドイモ)

オクラ種 オクラオモダカ属 クワイカブ変種 カブ、ノザワナカリフラワー変種 カリフラワーキャベツ亜種 キャベツキュウリ種 キュウリケール変種 ケールコールラビ変種 コールラビサイシン変種 サイシンシシウド属(トウキ種を除く) アシタバ

シマツナソ種 モロヘイヤ

スイカ種 スイカ

スマラサンサス属 ヤーコンセイヨウワサビ属 セイヨウワサビ(ホースラディッシュ)セルリー種 セルリー(セロリ)ダイコン種 ダイコンタイサイ亜種 タイサイ、チンゲンサイなどトマト種 トマトナス種 ナス

ニンジン種 ニンジン

フダンソウ変種 フダンソウ

ブロッコリー変種 ブロッコリー

ブロッコリー変種×ケール変種 ブロッコリーとケールの交配種

ペピーノ種 ペピーノ

ホウレンソウ種 ホウレンソウ

メキャベツ変種 メキャベツ

メキャベツ変種×ケール変種 メキャベツとケールの交配種

メセンブリアンテムム属 アイスプラント

メロン種 メロン、マクワウリ、シロウリなど

ユウガオ種 ユウガオ、ヒョウタン

ワケギ種 ワケギ

果樹カリン属 カリンクルミ属 クルミ、オニグルミ、シナノグルミなどスグリ属 スグリ、クロスグリ、フサスグリなどナツメ属 ナツメパパイヤ属 パパイヤバンレイシ属 バンレイシ、チェリモヤ、アテモヤなどマツブサ属 マツブサマルピーギア属 アセロラムサ・アクミナタ種 バナナ※自家増殖が制限されるのは登録品種に限られます。

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育成者権者は、侵害者と交渉する上で必要な証拠確保の⽀援を種苗管理センターから受けることが可能育成者権者

種苗管理センター

育成者権の侵害への対応

○ 育成者権の保護の強化を図るため、現在の(国研)農業・⾷品産業技術総合研究機構種苗管理センターは平成17年度より、①育成者権侵害対策に係る相談の受付及び助⾔、情報の収集及び提供、②育成者権侵害状況の記録、③証拠品となる侵害品の種苗等の寄託及び④育成者権者等からの依頼に基づいた品種類似性試験等の活動を実施。

相談の受付・助⾔情報の収集・提供

(約25件/年)

育成者権侵害状況記録書作成

(約1件/年)

証拠品となる侵害品の種苗等を受託(約17件/年)

品種類似性試験(約8件/年)

対応を相談

記録作成依頼

侵害品を寄託

類似性確認を依頼

種子、球根、苗、切り花、収穫物、加工品、DNA

疑義情報の確認記録作成

寄託物が切り花の場合はセンターで株を再生

寄託の可能な形態

目視・計測による特性比較

寄託された疑義品種と登録品種の品種類似性試験

比較栽培試験

DNA分析による品種判別

必要に応じて弁護士等と相談し、・許諾契約・示談・訴訟・税関における水際取締

等の対応を実施

侵害者と交渉

侵害を把握 証拠の確保 侵害品の保管 侵害事実の確認

※年間件数はH25年~H29年実績の平均

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UPOV加盟国

育成者権の権利の効力の及ぶ範囲について

育成者権者

日本

増殖・販売

持ち出し

種苗の増殖業者

(

通常利用権者)

種苗の流通業者

販売苗の販売

利用条件(国内での栽培に

限定する 等)

利用権

育成者権は消尽利用条件も消滅

○ 製品としての種苗が販売されれば育成者権は消尽し、利⽤条件も消滅。

種苗の増殖 種苗

業者

UPOV非加盟国

増殖・販売

持ち出し 種苗

業者

育成者権者、専用利用権者若しくは通常利用権者の行為又は第1項各号に掲げる行為により登録品種等の種苗、収穫物又は加

工品が譲渡されたときは、当該登録品種の育成者権の効力は、その譲渡された種苗、収穫物又は加工品の利用には及ばない。た

だし、当該登録品種等の種苗を生産する行為、当該登録品種につき品種の育成に関する保護を認めていない国に対し種苗を輸出

する行為及び当該国に対し最終消費以外の目的をもって収穫物を輸出する行為については、この限りでない。

購入者

種苗法 第21条 第4項(育成者権の効力が及ばない範囲)

持ち出しには育成者権者の許諾が

必要

国内での栽培に限定していても種苗法上

は規制できない

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育成者権が及ぶ範囲

新品種の種苗

種苗 収穫物及び加工品の一部

※その他、収穫物から直接生産される加工品の一部(小豆の水煮及び餡、いぐさのござ、米飯、製茶)を含む

◯ 育成者権は、その新品種の種苗、収穫物、加⼯品(政令で定めるものに限る)の利⽤に及ぶ。➀ 種苗の利⽤・・・・種苗の⽣産、調整、譲渡の申出、譲渡、輸出、輸⼊⼜はこれらの⾏為

をする⽬的をもって保管する⾏為② 収穫物の利⽤・・・種苗を⽤いることにより得られる収穫物の⽣産、譲渡若しくは貸出し

の申出、譲渡、貸渡し、輸出、輸⼊⼜はこれらの⾏為をする⽬的をもって保管する⾏為

③ 加⼯品の利⽤・・・種苗を⽤いることにより得られる収穫物から直接得られる加⼯品の⽣産、譲渡若しくは貸渡しの申出、譲渡、貸渡し、輸出、輸⼊⼜はこれらの⾏為をする⽬的をもって保管する⾏為

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伝統野菜等の保護(GI制度の事例)

生産地:京都府綾部市、舞鶴市

及び福知山市

登録団体:全国農業協同組合連合会

産品概要:ピーマンのような肉厚な果肉を有する辛み成分の

ない甘味種とうがらし。舞鶴市万願寺地区で「伏見とうがら

し」が自然交雑して誕生した「万願寺甘とう」の在来種を基に

京都府が品種「京都万願寺2号」を育成。種子の採種など品

種の維持については、生産地の生産者部会と地元JAによっ

て管理されており、この地域でしか生産できない。

万願寺甘とう

生産地:福井県鯖江市

登録団体:

鯖江市伝統野菜等栽培研究会

産品概要:吉川ナスは、光沢のある黒紫色をした直径10cmほどの大きさの楕円~やや巾着型をした、肉質が緻密な丸

ナスである。水分量が多いため、火を通すととろみのある食

感が生まれ、煮崩れしにくく、味が濃く大果で独特の形をし

ている。鯖江市の旧吉川村一帯で品種改良されることなく

継承されてきたナスである。

吉川ナス

生産地:

福井県三方上中郡若狭町山内

登録団体:

山内かぶらちゃんの会

産品概要:円錐形で肌に窪みとヒゲ根が多い。肉質は緻

密で硬く、煮ても煮崩れせず、漬けると歯ごたえがある

漬物に仕上がる。「山内かぶら」は古くから若狭町山内

で栽培されてきた在来品種。種子の採取を一括管理す

ることにより他のカブとの交配を避け、特徴を継承し続

けている。

山内かぶら

生産地:石川県能美市及び

小松市(高堂町、野田町、一針町)

登録団体:

南加賀地区丸いも生産協議会

産品概要:ソフトボール大の丸い形を特徴として、高級

食材として知られるやまといも。粘り成分が多く、水分

が少ないため、すりおろすと強い粘りを呈する。昭和9年の手取川の洪水によって川砂が流入した田んぼでい

もを栽培すると、形の丸いいもが採れるようになった。

加賀丸いも

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伝統野菜等の保護(GI制度の事例)

生産地:鹿児島県肝属郡肝付町、

南大隅町

登録団体:

鹿児島きもつき農業協同組合

産品概要:ダイダイとは異なる系統の地域固有の香酸柑橘

類。果実は、ダイダイに比べて小ぶり。「辺塚だいだい」の名

前の由来である「辺塚集落」は、山と海に囲まれ以前は周囲

から隔絶された地域。この地に古くから自生している地域固

有の香酸柑橘で、地域限定の特産物として、町外への苗木

持ち出しを禁止し、この地域で守り育てられている。

辺塚だいだい

生産地:新潟市西区(黒埼地区、

小新的場地区、亀貝寅明地区)

登録団体:新潟市黒埼地区

茶豆組合協議会

産品概要:明治末期に山形県鶴岡の血縁者から取り寄せた

茶豆を、黒埼地区(小平方集落)において長い年月をかけて

選抜。栽培管理が難しい品種であるが、地域一体となって

栽培技術の向上・鮮度保持に取り組み産地化が図られた。

くろさき茶豆

生産地:岩手県北上市

登録団体:

二子さといも協議会

産品概要:味が濃く、食感は滑らか。柔らかいが強い粘り気

があり、煮崩れしない。粒ぞろいが良く大玉のサトイモ。貯

蔵が難しい種芋を保存技術を伝承するとともに、種芋の保

存に失敗した場合には、生産者がお互いに種芋を融通する

習慣が古くから定着。先祖から受け継いだ技術と種芋を地

域全体で守り続けている。

二子さといも

生産地:鳥取県八頭郡八頭町

登録団体:鳥取いなば農業協同組合

産品概要:旧郡家(こおげ)町の在来品種で

200年以上前から栽培されている「花御所

柿」。昭和22年には戦後初の全国果実展示

品評会において、花御所柿が柿の部1等賞

となるなど、高く評価されている。一般的な

柿と比べて甘く、果肉が緻密でジューシー。

1780年頃に奈良県から御所柿を持ち帰って

栽培したことが発祥。

こおげ花御所柿

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種苗制度に係る閣議決定等

未来投資戦略2018-「Society5.0」「データ駆動型社会」への変革-(抜粋)(2018年6月15日 閣議決定)第2.具体的施策1.農林水産業全体にわたる改革とスマート農林水産業の実現(3)新たに講ずべき具体的施策ⅰ)農業改革の加速 ②バリューチェーン全体での付加価値の向上

ウ)知的財産の戦略的推進

・ 輸出戦略上重要な種苗の海外流出の防止及び新品種の開発を促進する観点から、種苗の流通監視や適切な利用管理を進めるための方策や、品種登録制度の充実に向けた検討を行う。

知的財産推進計画2018(抜粋)(2018年6月12日 知的財産戦略本部決定)2.「知的財産推進計画2018」重点事項(1)これからの時代に対応した人材・ビジネスを育てる

③ 地方・中小企業・農業分野の知財戦略強化支援

・ 種苗法における侵害の立証の適正化、権利範囲の明確化、品種登録情報へのアクセスの在り方などについての検討をさらに進めるとともに、職務育成品種の帰属、異議申立などの在り方についても検討を行う。

・ 我が国で開発された植物品種の海外への流出に対応するため、海外への品種登録出願の支援や、重要な品種についての国内での品種保護の在り方について、必要に応じ制度的な手当も含め検討する。

○ 輸出戦略上重要な種苗の海外流出の防⽌や新品種の開発を促進する観点から、現⾏の種苗制度が抱える課題について検討が求められている。

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