農業振興地域制度に関するガイドライン - maff.go.jp...12構改c第261号...

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農業振興地域制度に関するガイドライン (平成12年4月1日付け12構改C第261号) 〔最終改正 平成28年3月30日付け27農振第2462号〕

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農業振興地域制度に関するガイドライン(平成12年4月1日付け12構改C第261号)

〔 終改正 平成28年3月30日付け27農振第2462号〕

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12構改C第261号

平成12年4月1日

( 終改正 平成27年3月30日付け27農振第2462号)

各地方農政局長

沖縄総合事務局長 あて

都 道 府 県 知 事

農林水産省構造改善局長

農業振興地域制度に関するガイドラインの制定について

農業振興地域の整備に関する法律の一部を改正する法律(平成11年法律第120号)並び

に農業振興地域の整備に関する法律施行令の一部を改正する政令(平成12年政令第3号)及

び農業振興地域の整備に関する法律施行規則の一部を改正する省令(平成12年農林水産省令

第20号)が平成12年3月20日から施行された。

農業振興地域の整備に関する法律(昭和44年法律第58号)は、農業の振興を図るべき地

域を明らかにし、土地の農業上の有効利用と農業の近代化のための施策を総合的かつ計画的に

推進することを目的として、昭和44年に制定され、以来、本法に基づき全国約三千の市町村

について農業振興地域の指定、農業振興地域整備計画の策定が行われ、農業の健全な発展を図

るための条件を備えた農業地域の保全・形成及び農業の近代化のための各種の施策の計画的な

推進が図られてきたところである。

しかしながら、近年、農業及び農村をめぐる情勢は、農地面積の減少や耕作放棄地の増大、

農業従事者の減少等が進行しているところであり、このような情勢の下で、農業生産にとって

も基礎的な資源である農用地等を良好な状態で確保するとともに、土地の農業上の利用を確

保しながら農業振興に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るとの観点から、今回法改正

が行われたものである。

その主要な内容としては、第一に、農林水産大臣による農用地等の確保等に関する基本指針

の策定であり、この基本指針には、農業生産にとって も基礎的な資源である農用地等の確保

に関する基本的な方向のほか、農業振興地域の指定の基準等が定められたものである。

第二に、農業振興地域整備基本方針及び農業振興地域整備計画の内容の拡充であり、その内

容としては、農地における土壌浸食や崩壊の防止等農用地等の保全に関する事項並びに新規就

農者に対する研修施設等の農業を担うべき者の育成及び確保のための施設の整備に関する事項

が新たに定められたものである。

第三に、これまで通達により運用されてきた農用地区域に定める土地の基準等について、法

律上明確に定められたことである。

また、地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律(平成11年法律第87

号)の施行(平成12年4月1日)に伴い、現在市町村が農業振興地域整備計画を定めるに当

たって必要な都道府県知事の認可が協議となるほか、法定受託事務である特定利用権制度を除

き、農業振興地域制度に係る市町村又は都道府県の事務は自治事務となり、これまでの関係通

達が廃止されたところである。

このような中で、農業振興地域の整備に関する法律の一部を改正する法律等の改正内容及び

従来の通達の内容を踏まえ、農業振興地域制度全般について、技術的助言として、別添「農業

振興地域制度に関するガイドライン」を定めたので、御了知の上、今後の農業振興地域制度を

円滑かつ適正に運用するに当たって参考とされたい。

、 、 、 。なお 特定利用権制度については 別途処理基準として通知するので 念のため申し添える

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(別添) 農業振興地域制度に関するガイドライン

目 次

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥第1 農業振興地域制度の基本的な考え方 1

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥第2 法第3条関係(定義) 1

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1 法第3条第1号に掲げる土地(農用地) 1

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2 法第3条第2号に掲げる土地(混牧林地) 1

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3 法第3条第3号に掲げる土地(土地改良施設用地) 1

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥4 法第3条第4号に掲げる土地(農業用施設用地) 1

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥第3 法第3条の2関係(基本指針の作成) 2

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥第4 法第3条の3関係(基本指針の変更) 2

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥第5 法第4条関係(農業振興地域整備基本方針の作成) 3

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1 基本方針の性格等(法第4条第1項) 3

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) 基本指針との整合 3

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(2) 定める区域の区分 3

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2 基本方針に定める事項(法第4条第2項) 3

(1) 確保すべき農用地等の面積の目標その他の農用地等の確保に関する事項(法第

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥4条第2項第1号) 3

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(2) 農業振興地域指定予定地域(法第4条第2項第2号) 3

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(3) 基本的事項(法第4条第2項第3号) 4

‥‥‥‥‥‥‥① 農業生産の基盤の整備及び開発(法第4条第2項第3号イ)関係 4

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥② 農用地等の保全(法第4条第2項第3号ロ)関係 4

③ 農業経営の規模の拡大及び農用地等又は農用地等とすることが適当な土地の

‥‥‥‥農業上の効率的かつ総合的な利用の促進(法第4条第2項第3号ハ)関係 4

‥‥‥‥‥‥④ 農業の近代化のための施設の整備(法第4条第2項第3号ニ)関係 4

⑤ 農業を担うべき者の育成及び確保のための施設の整備(法第4条第2項第3

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥号ホ)関係 4

⑥ ③の事項と相まつて推進する農業従事者の安定的な就業の促進(法第4条第

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2項第3号ヘ)関係 5

⑦ 農業構造の改善を図ることを目的とする主として農業従事者の良好な生活環

‥‥‥‥‥‥‥‥境を確保するための施設の整備(法第4条第2項第3号ト)関係 5

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3 諸計画との調和(法第4条第3項) 6

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) 法第4条第3項に規定する計画 6

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(2) その他の計画との調和 6

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥4 農林水産大臣との協議(法第4条第5項) 6

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) 協議機関 6

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(2) 協議資料 6

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(3) 同意基準 6

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(4) 標準処理期間 6

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥5 その他留意事項 6

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) 都道府県関係団体との調整 6

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(2) 自然公園担当部局との調整 7

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(3) 都市計画・開発許可担当部局との調整 7

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‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(4) 住宅担当部局との調整 7

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(5) 職業安定・職業訓練部局との調整 7

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(6) 就業担当部局等との調整 7

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(7) 産業廃棄物担当部局との調整 7

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥第6 法第5条関係(農業振興地域整備基本方針の変更) 7

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1 変更事由(法第5条第1項) 7

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2 農林水産大臣の変更の指示(法第5条第2項) 7

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3 変更に係る留意事項 8

第7 法第5条の2関係(確保すべき農用地等の面積の目標の達成状況に関する資料の

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥提出の要求等) 8

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1 資料の提出の要求(法第5条の2第1項) 8

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) 資料の提出の要求の時期 8

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(2) 資料の提出を求める事項 8

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(3) 資料の提出を求める事項の把握 8

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2 目標の達成状況の公表(法第5条の2第2項) 8

‥‥‥‥‥‥‥第8 法第5条の3関係(農用地等の確保を図るための是正の要求の方式) 8

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1 是正の要求の要件 8

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2 措置内容 9

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) 農業振興地域の指定に関する事務(法第5条の3第1号) 9

‥(2) 農業振興地域の区域の変更又は指定の解除に関する事務(法第5条の3第2号) 9

‥‥‥(3) 農用地利用計画の策定又は変更の同意に関する事務(法第5条の3第3号) 9

‥‥(4) 農用地利用計画の変更をするための指示に関する事務(法第5条の3第4号) 9

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3 是正の要求の実施 9

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥4 その他目標の達成に向けた取組の推進 9

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥第9 法第6条関係(農業振興地域の指定) 10

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1 基本的事項(法第6条第1項・第2項) 10

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) 市町村の一部の区域の指定 10

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(2) 農業振興地域を指定することが適当ではない土地の区域 10

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(3) 埋立又は干拓地 10

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2 都市計画との関係(法第6条第3項) 11

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3 関係市町村との協議(法第6条第4項) 11

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥4 関係部局との調整に関する留意事項 11

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) 教育委員会への通知 11

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(2) 自然公園担当部局との調整 11

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(3) 都市計画担当部局との調整 11

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(4) 都道府県関係団体との調整 11

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥第10 法第7条関係(農業振興地域の区域の変更等) 12

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1 農業振興地域の区域の変更(法第7条第1項) 12

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2 変更に係る留意事項 12

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥第11 法第8条関係(市町村の定める農業振興地域整備計画) 12

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1 市町村整備計画の性格等 12

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) マスタープラン 12

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(2) 諸計画との調和 12

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(3) 農業協同組合等からの意見の聴取 12

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(4) 市町村の住民からの意見書の提出 13

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‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(5) 一体性 13

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(6) 農業振興の方向 13

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(7) 市町村整備計画の計画書の様式 13

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2 農用地利用計画(法第8条第2項第1号) 13

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) 土地利用区分の方向 13

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(2) 農用地利用計画の表示 14

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3 市町村整備計画に定める農用地利用計画以外の事項 14

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) 農業生産基盤の整備開発計画(法第8条第2項第2号) 14

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(2) 農用地等の保全計画(法第8条第2項第2号の2) 15

(3) 農業経営の規模の拡大及び農用地等の農業上の効率的かつ総合的な利用の促進

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥計画(法第8条第2項第3号) 15

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(4) 農業近代化施設の整備計画(法第8条第2項第4号) 16

‥‥(5) 農業を担うべき者の育成・確保施設の整備計画(法第8条第2項第4号の2) 17

‥‥‥‥‥‥‥‥(6) 農業従事者の安定的な就業の促進計画(法第8条第2項第5号) 18

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(7) 生活環境施設の整備計画(法第8条第2項第6号) 19

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(8) 森林の整備その他林業の振興との関連(法第8条第3項) 20

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥4 市町村整備計画の都道府県知事との協議 20

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) 事前相談 20

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(2) 都道府県関係団体との調整 20

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥5 その他留意事項 20

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) 農用地利用計画(法第8条第2項第1号)関係 20

(2) 農業経営の規模の拡大及び農用地等の農業上の効率的かつ総合的な利用の促進

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥計画(法第8条第2項第3号)関係 22

(3) 農業を担うべき者の育成・確保施設の整備計画(法第8条第2項第4号の2)

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥関係 23

‥‥‥‥‥‥(4) 農業従事者の安定的な就業の促進計画(法第8条第2項第5号)関係 23

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(5) 生活環境施設の整備計画(法第8条第2項第6号)関係 23

‥‥‥‥‥‥‥‥‥(6) 森林の整備その他林業の振興との関連(法第8条第3項)関係 24

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(7) その他 24

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥第12 法第9条関係(都道府県の定める農業振興地域整備計画) 24

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1 都道府県整備計画の性格等 24

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) マスタープラン 24

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(2) 市町村整備計画等との関連 25

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(3) 広域的事業との関連 25

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2 関係行政機関等との調整等 25

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) 教育委員会への連絡 25

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(2) 自然公園担当部局との調整 25

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(3) 林業担当部局との調整 25

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(4) 森林管理局との調整 25

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3 推進体制 25

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥4 都道府県整備計画の策定・変更手続等 25

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥第13 法第10条関係(農業振興地域整備計画の基準) 26

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1 農用地区域として定める土地(法第10条第3項) 26

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) 集団的に存在する農用地(法第10条第3項第1号) 26

‥‥‥‥‥‥(2) 土地改良事業等の施行に係る区域内の土地(法第10条第3項第2号) 26

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(3) 集団的に存在する農用地及び土地改良事業等の施行に係る区域内の土地の保全

‥‥‥‥‥‥‥又は利用上必要な施設の用に供される土地(法第10条第3項第3号) 27

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(4) 農業用施設用地(法第10条第3項第4号) 27

(5) 農業振興地域における地域の特性に即した農業の振興を図るためその土地の農

業上の利用を確保することが必要であると認められる土地(法第10条第3項第5

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥号) 28

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2 用途区分(法第10条第第3項) 29

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) 用途区分の種別(規則第4条の2第1項第1号) 29

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(2) 用途区分の基準(規則第4条の2第1項第2号) 29

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(3) 特別の用途の指定(規則第4条の2第2項) 29

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3 農用地区域に含まれない土地(法第10条第4項) 30

(1) 土地改良法第7条第4項に規定する非農用地区域(法第10条第4項、令第8条

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥第1号) 30

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(2) 優良田園住宅の用に供される土地(令第8条第2号) 30

‥‥‥‥‥‥(3) 農工法等の法律に基づく施設の用に供される土地(令第8条第3号) 30

(4) 公益性が特に高いと認められる事業に係る施設の用に供される土地(令第8条

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥第4号、規則第4条の4第1項第1号から第26号まで) 31

(5) 市町村が条例に基づく地域の農業の振興に関する地方公共団体の計画において

定める施設の用に供される土地(令第8条第4号、規則第4条の4第1項第26号

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥の2) 31

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥① 諸計画との調和 31

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥② 非農用地予定区域の性格 31

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥③ 対象地域 32

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥④ 都道府県知事との事前の調整 32

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥⑤ 土地改良事業等完了後8年未経過の土地 32

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥⑥ 農業用用排水施設の新設又は変更の事業等 32

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥⑦ 規則第4条の4第1項第26号の2各号の要件の内容 33

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥⑧ その他 35

(6) 地域の農業の振興に関する地方公共団体の計画に定める施設の用に供される土

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥地(令第8条第4号、規則第4条の4第1項第27号) 35

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥① 諸計画との調和 35

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥② 都道府県知事との事前の調整 35

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥③ 土地改良事業等完了後8年未経過の土地 36

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥④ 農業用用排水施設の新設又は変更の事業 36

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥⑤ 規則第4条の4第1項第27号各号の要件の内容 36

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥⑥ その他 40

(7) 市町村整備計画に定める施設(令第8条第4号、規則第4条の4第1項第28号

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥及び第2項) 40

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥① 農用地区域に含まれない土地 40

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥② 施設の定め方 40

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥③ 農用地区域以外の区域の施設 41

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥第14 法第11条関係(農業振興地域整備計画の案の縦覧等) 41

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1 市町村整備計画の案の縦覧等(法第11条第1項) 41

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) 市町村整備計画を策定し又は変更しようとする旨の公告 41

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(2) 公告の場所・方法 41

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‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(3) 市町村整備計画の案の縦覧 41

2 市町村整備計画を策定し又は変更する理由を記載した書面に記載すべき事項(法

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥第11条第1項) 41

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) 市町村整備計画の策定・変更理由 42

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(2) 農用地利用計画の策定・変更理由 42

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3 市町村整備計画の案への意見書の取扱い(法第11条第2項) 42

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) 意見書の確認 42

(2) 意見書の要旨及び処理結果の公告(法第12条関係(農業振興地域整備計画の決

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥定の公告等 ) 43)

‥‥‥‥‥4 農用地利用計画の案に対する異議の申出等(法第11条第3項から第9項) 43

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) 農用地利用計画の決定の考え方 43

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(2) 異議の申出の処理 43

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(3) 審査の申立ての処理 45

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(4) その他留意事項 47

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥第15 法第12条の2関係(農業振興地域整備計画に関する基礎調査) 48

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1 基礎調査の方法 48

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) 基礎資料収集 48

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(2) 整備計画策定調査 48

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2 市町村整備計画の管理等 48

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) 市町村整備計画の管理 49

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(2) 普及啓発活動 49

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(3) 農業関係施策等の審査 49

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥第16 法第13条関係(農業振興地域整備計画の変更) 49

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1 市町村整備計画の変更事由(法第13条第1項) 49

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) 変更事由 49

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(2) 都道府県知事との協議 51

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2 農用地利用計画の変更 51

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) 法第10条第3項に関係する変更 51

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(2) 法第10条第4項に関係する変更 52

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(3) 法第13条第2項に関係する変更 53

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(4) その他の留意事項 55

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3 農用地利用計画以外の事項の変更(法第13条第1項) 55

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥4 軽微な変更(法第13条第4項) 55

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) 令第10条第1項第2号関係 56

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(2) 令第10条第1項第3号関係 56

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(3) 令第10条第1項第4号関係 56

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥第17 法第13条の2から第13条の5まで関係(交換分合) 56

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1 法第13条の2第1項の交換分合(線引き関連交換分合) 56

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2 法第13条の2第2項第1号の交換分合(林地等交換分合) 56

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) 趣旨 56

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(2) 交換分合ができる場合 56

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3 法第13条の2第2項第2号の交換分合(協定関連交換分合) 57

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) 趣旨 57

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(2) 交換分合ができる場合 57

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥4 交換分合の対象とすべき土地 57

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‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) 交換分合の対象とすべき土地 57

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(2) 農用地区域除外の基準 57

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(3) 林地等交換分合及び協定関連交換分合 57

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥5 交換分合計画の定め方 58

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) 農用地の集団化促進等 58

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(2) 失うべき土地 58

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥6 創設交換分合制度 58

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) 創設交換分合の対象となる施設 58

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(2) 創設交換分合の土地の取得者 58

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥7 交換分合計画の決定手続 58

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) 権利を有する者の議決等 58

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(2) 失うべき土地を定める場合の同意 59

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(3) 農用地利用計画変更手続との関係 59

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥第18 法第14条関係(土地利用についての勧告) 59

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥第19 法第15条の2関係(農用地区域内における開発行為の制限) 59

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1 開発行為の範囲(法第15条の2第1項本文) 59

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2 開発行為の許可の申請(規則第34条) 59

‥‥‥‥‥‥‥‥3 開発許可を受けることを要しない行為(法第15条の2第1項各号) 60

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) 法第15条の2第1項第3号に掲げる行為 60

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(2) 法第15条の2第1項第4号に掲げる行為 60

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(3) 法第15条の2第1項第5号に掲げる行為 60

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(4) 法第15条の2第1項第7号に掲げる行為 60

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥4 市町村長の送付(法第15条の2第3項) 61

‥‥‥‥5 開発行為の許可の可否の決定に当たっての留意事項(法第15条の2第4項) 61

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) 実地調査等 61

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(2) 審査に当たっての基準 61

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(3) その他都道府県部局間等調整 62

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥6 許可の条件(法第15条の2第5項関係) 63

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥7 許可指令書の交付及び事後確認 63

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) 指令書の公布 63

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(2) 開発行為の確認 64

8 国又は地方公共団体が行う開発行為に係る協議の成立基準(法第15条の2第7項

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥関係) 64

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥第20 法第15条の3関係(監督処分) 64

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1 監督処分を行うに当たっての留意事項 64

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2 市町村の処理 65

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) 違反行為者の連絡 65

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(2) 開発行為の中止 65

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(3) 履行の指導 65

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(4) 履行完了の連絡 65

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(5) 履行停滞に対する指導及び連絡 65

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(6) 違反事案処理簿 65

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3 都道府県知事等の処理 65

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) 勧告 65

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(2) 命令 66

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‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(3) 他法令監督処分担当部局との調整 66

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(4) 違反事案処理簿 66

‥第21 法第15条の4関係(農用地区域以外の区域内における開発行為についての勧告等) 66

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1 運用に当たって留意すべき事項 66

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) 勧告の発動要件 66

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(2) 配慮事項 66

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(3) 開発行為の許可不要対象 66

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(4) 公表 66

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2 市町村の処理 66

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) 開発行為者の連絡 66

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(2) 履行の指導 67

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(3) 履行完了の連絡 67

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(4) 履行停滞に対する指導及び連絡 67

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3 都道府県知事等の処理 67

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) 勧告 67

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(2) 公表 67

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(3) 他法令許可担当部局との調整 67

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥第22 法第18条の2から第18条の13まで関係(協定制度) 67

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1 協定の性格等 67

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2 施設の配置に関する協定 68

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) 施設の配置に関する協定の締結 68

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(2) 協定の認可 69

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(3) 協定の認可に係る法的効果等 70

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(4) 協定の変更 71

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(5) 協定の廃止 71

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(6) 協定の認可の取消し 71

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3 施設の維持運営に関する協定 71

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) 協定を締結する者等 71

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(2) 維持、運営その他の行為 72

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(3) 土地改良区の意見 72

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(4) 費用の負担 72

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(5) その他必要な事項 72

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥4 その他留意事項 72

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) 法定外の協定 72

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(2) 公共施設 72

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(3) 公共施設の用に供する土地に準ずるもの 73

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(4) 禁止行為 73

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(5) 入会権者等 73

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(6) 関係法令 73

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(7) 法第18条の3第2項の計画 73

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(8) 一般廃棄物担当部局との調整 73

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(9) 法令に基づかない国及び地方公共団体の計画 73

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(10) あっせん 74

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(11) 認可の取消し 74

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(12) 公共施設の用に供する土地等に該当した場合 74

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‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(13) 農業用用排水施設による利益 74

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(14) 農業集落排水施設 74

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(15) 農業用用排水施設に関する協定 74

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(16) 廃棄物の処理及び清掃に関する法律又は浄化槽法との関係 74

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(17) 維持運営に要する費用の負担の方法 74

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(18) 脱退する者に関する事項 74

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(19) 河川法又は下水道法との関係 74

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥農業振興地域制度に関する参考様式集 別紙

(注意事項)

・ 本ガイドラインの語尾等の表現について

本ガイドラインに記述されている各事項には、当該事項ごとに求められる内容に差異

があることから、各事項の語尾については、次のような整理に基づき記述している。

① 「・・・解される」

「解釈される」の意であり、法令の規定の意味・内容を明らかにしたもの。

② 「・・・べきものである」

「当然」の意を表し、法令の規定、制度の趣旨等から、記述された運用が当然のも

のとして強く要請されると考えているもの。

③ 「・・・ことが適当である 「・・・ことが適当と考えられる」」、

「うまくあてはまること。かなっていること。ふさわしいこと 」の意であり、法。

令の規定する条件・目的・要求から、②ほど強くはないものの、記述された運用が求

められると考えているもの。

④ 「・・・ことが望ましい」

「そうあってほしい。願わしい 」の意であり、制度の趣旨等から、記述された運。

用が期待されている(される)と考えているもの。②や③よりも要請・期待の度合は

弱い。

⑤ 「・・・ことが考えられる」

記述された事項による運用を例示的に示したもの。

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第1 農業振興地域制度の基本的な考え方

農業振興地域の整備に関する法律(昭和44年法律第58号。以下「法」という )は、総合。

的に農業の振興を図るべき地域を明らかにし、土地の農業上の有効利用と農業の近代化のた

めの施策を総合的かつ計画的に推進することを目的として制定されたものであり、国による

農用地等の確保等に関する基本指針(以下「基本指針」という )の策定、都道府県による。

農業振興地域整備基本方針(以下「基本方針」という )の策定及び農業振興地域の指定並。

びに市町村による農業振興地域整備計画の策定を中心として、国内の農業生産の基盤である

農用地等の確保を図るための基本となる制度である。

また、国の基本指針及び都道府県の基本方針の基本的な考え方に即して市町村が定める農

業振興地域整備計画において、地域の農業の振興を図るために講ずべき施策の具体的な実施

の方向を基本計画(マスタ-プラン)として明確にし、当該施策による効用が十分に発揮さ

れるよう土地利用計画を定め、開発行為や農地転用の制限等の措置を講ずることを内容とし

ており、農業に関する公共投資等の農業振興地域の整備のための施策は、農業振興地域整備

計画に基づいて計画的に推進することを原則としている。

第2 法第3条関係(定義)

「農用地等」とは、法第3条各号に掲げる土地をいい、具体的には、それぞれ次のとおり

である。

1 法第3条第1号に掲げる土地(農用地)

法第3条第1号に掲げる土地は、農地法(昭和27年法律第229号)第2条第1項に規定

する「農地」及び「採草放牧地」に該当するものをいう。

2 法第3条第2号に掲げる土地(混牧林地)

法第3条第2号に掲げる土地は、主として木竹の生育に供されるものであって、従とし

て耕作又は養畜の業務のための採草又は家畜の放牧の目的に供される土地(以下「混牧林

地」という )をいう。。

3 法第3条第3号に掲げる土地(土地改良施設用地)

、 、法第3条第3号に掲げる土地は 同条第1号又は第2号に掲げる土地における土壌浸食

地すべり等の災害を防止するために必要なため池、排水路、階段工、土留工、防風林等及

び土地の農業上の効用を高めるために直接必要なかんがい排水施設、農道、牧道等の施設

の用に供される土地(以下「土地改良施設用地」という )をいう。。

4 法第3条第4号に掲げる土地(農業用施設用地)

(1) 法第3条第4号に掲げる土地は、畜舎、蚕室、温室(床面がコンクリート敷のものを

含む 、植物工場(閉鎖された空間において生育環境を制御して農産物を安定的に生。)

産する施設をいう 、たい肥舎、サイロ、農産物の集出荷、加工、貯蔵又は販売のた。)

めの施設、農機具等収納施設等、農業振興地域の整備に関する法律施行規則(昭和44年

農林省令第45号。以下「規則」という )第1条各号に掲げる施設の用に供される土地。

(以下「農業用施設用地」という )をいう。。

(2) 規則第1条第1号の「閉鎖された空間において生育環境を制御」するとは、施設内の

光、温度、湿度、二酸化炭素濃度その他データを測定した結果に基づき、季節や天候に

左右されず、農産物を計画的かつ安定的に生産できるような生育環境を作り出すことを

いう。

なお、温室で生育環境を制御して農産物を生産する施設(いわゆる太陽光利用型植物

工場)は、温室と植物工場の双方に該当する。

(3) 規則第1条第3号に規定する施設は、当該施設を設置・管理する農業者(以下(3)に

おいて単に「農業者」という )が生産する農畜産物の製造(加工)又は販売を行う施。

第1(農業振興地域制度の基本的な考え方)~第2(定義)

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設であって、農業生産を行う上で必要不可欠な次に掲げるものをいう。

① 規則第1条第3号イに掲げる施設

規則第1条第3号イに掲げる施設は、農業者自らの生産する農畜産物又は当該農畜

産物及び当該施設が設置される市町村の区域内若しくは農業振興地域内で生産される

農畜産物(以下「農業者自らの生産する農畜産物等」という )の製造(加工)施設。

であって、農業者自らの生産する農畜産物等の使用の割合が他の農畜産物よりも量的

又は金額的に多いものをいう。

なお、農畜産物を製造(加工)するため、必要不可欠な農畜産物以外の原材料を使

用することは差し支えないと考えられる。

② 規則第1条第3号ロに掲げる施設

規則第1条第3号ロに掲げる施設は、農業者自らの生産する農畜産物等の販売施設

又は農業者自らの生産する農畜産物等を原材料として製造(加工)したものを販売す

る施設であって、農畜産物の販売施設にあっては、農業者自らの生産する農畜産物等

の販売の割合が他の農畜産物よりも量的又は金額的に多いもの、農畜産物を原材料と

して製造(加工)したものを販売する施設にあっては、農業者自らの生産する農畜産

物等を量的又は金額的に5割以上使用して製造(加工)したものを販売するものをい

う。

なお、農畜産物を製造(加工)するため、必要不可欠な農畜産物以外の原材料を使

用することは差し支えないと考えられる。

③ 規則第1条第3号イ又はロの「主として」は 「自己の生産する農畜産物又は当該、

農畜産物及び当該施設が設置される市町村の区域内若しくは農業振興地域内において

生産される農畜産物を原料又は材料として使用する」又は「自己の生産する農畜産物

等又は自己の生産する農畜産物等を原料若しくは材料として製造され若しくは加工さ

れた」のみにかかるものであり 「製造又は加工の用に供する施設」又は「販売の用、

に供する施設」にかかるものではない。このため、施設の一部を製造(加工)又は販

売以外の用に供する場合には同号イ又はロに掲げる施設には該当しない。

④ 市町村は、規則第1条第3号に掲げる施設について、農畜産物の使用状況等を定期

的に把握しておくことが望ましい。

(4) 規則第1条第4号に規定する施設には、農業生産活動により生じる家畜ふん尿、稲わ

ら、もみがら等のバイオマスを利用してたい肥化、発電等を行う施設も該当する。

(5) 農用地又は農業用施設の管理又は利用のために必要不可欠な施設であって、当該農用

地又は農業用施設に併設して設置されるものについては、規則第1条第5号に規定する

休憩所、駐車場及び便所以外の施設も農業用施設に該当する。

(6) 農業用施設用地に該当するものと該当しないものの別については、別紙「農業振興地

域制度に関する参考様式集」第6に農業用施設用地例を示すので、参考とされたい。

第3 法第3条の2関係(基本指針の作成)

法第3条の2第1項の規定により国が定める基本指針は、おおむね10年を見通した我が国

の確保すべき農用地等の面積(農用地区域内の農地( 耕地及び作付面積統計」(農林水産省「

大臣官房統計部公表)において定義する「耕地」をいう )の面積をいう。以下同じ )の目。 。

標や都道府県において確保すべき農用地等の面積の目標の設定基準を定めるとともに、農用

地等の確保等に関する国の基本的な考え方を示すものである。

第4 法第3条の3関係(基本指針の変更)

農林水産大臣は、食料・農業・農村基本法第15条第1項の食料・農業・農村基本計画の変

第2(定義)~第4(基本指針の変更)

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更等を踏まえ、おおむね5年ごとに基本指針を変更することとなる。このため、都道府県知

、 、 、 、事は 基本指針の変更により必要が生じたときは 遅滞なく 基本方針を変更するとともに

市町村は、基本方針の変更により必要が生じたときは、遅滞なく、市町村の定める農業振興

地域整備計画(以下「市町村整備計画」という )を変更することとし、これにより、国、。

都道府県及び市町村が一体となって、基本指針に基づく農用地等の面積の目標の達成を図る

よう努めるものとする。

第5 法第4条関係(農業振興地域整備基本方針の作成)

1 基本方針の性格等(法第4条第1項)

基本指針に基づき都道府県知事が定める基本方針は、農業振興地域の指定及び市町村整

備計画の策定に際し、その基準ないし基本となるべき事項につきおおむね10年を見通して

定めるものであり、その策定については次のことに留意することが適当と考えられる。

(1) 基本指針との整合

「基本指針に基づき」とは、基本方針に定められた事項が基本指針に定められた事項

とそれぞれ整合しているものであることをいう。

(2) 定める区域の区分

基本方針において定めるべき事項の内容については、当該都道府県の自然的経済的社

会的諸条件及び3の(2)の諸計画における地域区分を考慮して、広域的な見地からみた

地域の特性にふさわしい農業の振興と農用地等の確保を図るため、当該都道府県の区域

を区分して定めることができること。

2 基本方針に定める事項(法第4条第2項)

基本方針を定めるに当たっては、基本指針に基づく必要があるほか、次の事項に留意す

ることが適当と考えられる。

なお、基本方針に定める内容について、別添の農業振興地域制度に関する参考様式集の

第1に農業振興地域整備基本方針参考例を示すので参考とされたい。

(1) 確保すべき農用地等の面積の目標その他の農用地等の確保に関する事項(法第4条第

2項第1号)

この事項においては、基本指針に定める確保すべき農用地等の面積の目標その他の農

用地等の確保等に関する基本的な方向に基づき、集団的に存在する農地や農業生産基盤

整備事業の対象地等の優良な農地を良好な状態で維持・保全し、かつ、その有効利用を

図るための基本的な方向を定めること。また、確保すべき農用地等の面積の目標は、基

本指針に定める都道府県において確保すべき農用地等の面積の目標の設定の基準に関す

る事項を基に、基本指針に定める確保すべき農用地等の面積の目標の考え方との整合が

図られるように定めること。

なお、基本方針において確保すべき農用地等の面積の目標を定めるに当たって、各都

道府県において定める目標値の達成状況を適切に管理する観点から、基本指針に定める

設定基準に基づく部分と、各都道府県において独自に考慮する地域の事情に関する部分

について、それぞれ明確にした上で定めることが望ましい。

(2) 農業振興地域指定予定地域(法第4条第2項第2号)

この事項においては、法第6条第2項及び法第3条の2第2項第3号に基づき基本指

針に定める農業振興地域の指定の基準に照らし、農業振興地域として指定することを相

当とする地域(以下「指定予定地域」という )の位置及び規模を明らかにすること。。

この場合、その地域の位置は、市町村の区域をもって示すことを原則とし、必要な場合

には、市町村の区域の一部をもって示すことも差し支えないものであること。また、地

域の規模は、その地域の総面積及びこれに含まれる農用地の面積をもって示すこと。

第4(基本指針の変更)~第5(農業振興地域整備基本方針の作成)

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なお、指定予定地域の範囲を明らかにした図面(20万分の1程度)を指定予定地域図

として作成し、説明資料として添付すること。

(3) 基本的事項(法第4条第2項第3号)

農業振興地域の基本的事項を定めるに当たっては、次のことに留意することが適当と

考えられる。

① 農業生産の基盤の整備及び開発(法第4条第2項第3号イ)関係

ア 良好な営農条件を備えた農地及び農業用水の確保のために実施する必要のある農

用地等の整備等に関する構想を農業振興地域における農業上の土地利用の基本的方

向に即して明らかにすること。

イ 農業振興地域を通ずる広域的な見地から行うことが相当な農業生産基盤の整備等

に関する事項を明らかにすること。

② 農用地等の保全(法第4条第2項第3号ロ)関係

集団的に存在する農地や農業生産基盤整備事業の対象地等の優良な農地を良好な状

態で維持・保全し、かつ、その有効利用を図るため、農用地等の保全に関する事業の

実施や活動の推進等の基本的な方向を明らかにすること。

③ 農業経営の規模の拡大及び農用地等又は農用地等とすることが適当な土地の農業上

の効率的かつ総合的な利用の促進(法第4条第2項第3号ハ)関係

ア 今後における農業生産構造の変化、農地の利用集積の動向等を勘案し、効率的か

つ安定的な農業経営の目標並びにこれらを実現するための農業経営の規模拡大及び

農地の集団化の基本的な方向を明らかにすること。

イ 農用地等の効率的かつ総合的な利用の促進を図るための農作業の受委託、農作業

の共同化、地力の維持増進その他農用地等の効率的かつ総合的な利用の促進の基本

的な方向を明らかにすること。

④ 農業の近代化のための施設の整備(法第4条第2項第3号ニ)関係

ア 農業上の土地利用の基本的方向、農業生産の基盤の整備に関する構想等との関連

に配慮して、農業の近代化に必要な農業生産施設、流通加工施設等の基本的施設の

整備についての構想を明らかにすること。

イ 農業振興地域を通ずる広域的な見地から行うことが相当な農業近代化施設の整備

に関する構想を明らかにすること。

⑤ 農業を担うべき者の育成及び確保のための施設の整備(法第4条第2項第3号ホ)

関係

ア 農業上の土地利用の基本的方向、農業生産の基盤の整備及び開発に関する構想等

との関連に配慮して、農業を担うべき者の育成及び確保を図るために必要な施設の

整備についての構想を明らかにすること。

イ 施設を即地的に定めるものではないこと。

ウ 本事項において定める施設としては、例えば次のものが考えられること。

a 農作業体験施設、就農支援施設、農業情報に係る情報通信施設及びこれに類す

る施設

b 農業を担うべき者及びその家族が利用する福祉施設並びに医療施設

c 「農業従事者及び就農希望者のうち研修を受け将来にわたって農業に従事する

ことが確実な者」の居住のための一団地の住宅施設であって、他の「農業を担う

べき者の育成及び確保のための施設」の整備・活用と一体となって整備されるも

なお、この場合、都市計画法(昭和43年法律第100号)に基づく用途地域による

規制が必要となるような大規模又は複合的な施設は該当しないことに留意する必要

第5(農業振興地域整備基本方針の作成)

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があること。

エ 本事項には、次の施設は含まれないこと。

a 工場

b ショッピングセンター、ショッピングモール等小売店舗その他の商業施設

c ゲレンデスキー場、ゴルフ場、ゴルフ練習場、テニスコート、マリーナ、フィ

ットネス施設、ダイビング施設

d 学習塾、カルチャーセンター(農作業体験及びそれに付随するものを除く )。

e 遊園地

f ホテル、旅館

オ 福祉施設

本事項に福祉施設の整備を盛り込むに当たっては、

a 老人福祉法(昭和38年法律第133号)第20条の9第1項に規定する都道府県老

人福祉計画

b 介護保険法(平成9年法律第123号)第118条第1項に規定する都道府県介護保

険事業支援計画

c 障害者基本法(昭和45年法律第84号)第9条第2項に規定する都道府県障害者

計画

等の都道府県における保健福祉に関する計画との調和が保たれたものとなるよう配

慮すること。

⑥ ③の事項と相まつて推進する農業従事者の安定的な就業の促進(法第4条第2項第

3号ヘ)関係

ア 農用地等の効率的かつ総合的な利用の促進等を図る見地から、併せて、都道府県

における産業及び経済の将来の見通し等を勘案して、農業従事者の安定的な就業の

促進の目標及びこれを達成するための農村地域における就業機会の確保のための構

想を明らかにすること。

イ 施設を即地的に定めるものではないこと。

ウ 本事項において定める施設は、工場、流通業務施設であり、都市計画法に基づく

用途地域による規制が必要となるような大規模又は複合的な施設の整備は含まれな

いこと。

⑦ 農業構造の改善を図ることを目的とする主として農業従事者の良好な生活環境を確

保するための施設(以下「生活環境施設」という )の整備(法第4条第2項第3号。

ト)関係

、 、 、ア 今後における農業構造の変化 農村地域社会の情勢の変化等を勘案し 集会施設

農村公園等生活環境を確保するための施設の整備についての構想を明らかにするこ

と。

イ 公園、緑地、広場の整備に関する事項は、当該市町村に居住する主として農業従

事者の日常的健康増進といこいの場を提供することを目的としたものであること。

ウ 本事項には、次の施設の整備に関する事項は含まれないこと。

a 都市公園法(昭和31年法律第79号)の都市公園

b 下水道法(昭和33年法律第79号)の公共下水道、流域下水道及び都市下水路

c 道路法(昭和27年法律第180号)の道路

d 河川法(昭和39年法律第167号)が適用され、又は準用される河川その他の河

e 社会福祉事業に係る施設、保健衛生施設、医療施設等及び運輸行政に関する事

業に係る施設

第5(農業振興地域整備基本方針の作成)

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エ 農業用道路及び農業集落排水施設の整備については 法第4条第2項第3号イ 農、 (

業生産の基盤の整備及び開発)に掲げる事項において定めること。

3 諸計画との調和(法第4条第3項)

基本方針を定めるに当たっての諸計画との調和については、次のことに留意することが

適当と考えられる。

(1) 法第4条第3項に規定する計画

法第4条第3項に規定する計画には、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構

及び成田国際空港株式会社の施設に関する計画、鉄道事業法(昭和61年法律第92号)に

基づく国の行政処分、石油パイプライン基本計画並びに港湾区域、臨港地区及び港湾隣

接地域に関する計画が含まれること。

また 「地域振興に関する計画」には農村地域工業等導入促進法(昭和46年法律第112、

号。以下「農工法」という )第4条第1項に規定する基本計画が 「施設に関する国。 、

の計画」には関西国際空港株式会社法(昭和59年法律第53号)第3条第1項の国土交通

大臣が定める基本計画が含まれること。

(2) その他の計画との調和

① 法第4条第3項に規定する計画のほか、都道府県における総合的な開発計画、農業

振興に関する計画、地域の振興に関する計画その他の計画との調和及び調整を図るこ

と。

② 公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律(昭和42年

法律第110号)第9条の3第2項の空港周辺整備計画と十分に調和が保たれること。

③ 農業集落排水施設整備及び農業廃棄物処理施設の整備に関する事項は、公害防止計

画等環境の保全に関する計画と調和が図られるよう留意すること。

4 農林水産大臣との協議(法第4条第5項)

(1) 協議機関

都道府県知事は、基本方針を定めようとする場合において、法第4条第5項の規定に

より農林水産大臣と協議するときは、地方農政局長(沖縄県にあっては、内閣府沖縄総

合事務局長)を経由して(北海道にあっては、直接)行うことが適当である。

(2) 協議資料

基本方針の協議に当たっては、確保すべき農用地等の面積の目標の算定根拠及び考え

方並びに農業振興地域として指定することを相当とする地域に関する資料を参考として

提出することが適当である。

(3) 同意基準

基本方針の協議に対する農林水産大臣の同意は、基本指針に定める確保すべき農用地

等の面積の目標の達成に向けて、各都道府県において確保すべき農用地等の面積の目標

及びその目標を達成するための各都道府県の施策等の方針を十分に調整した上で判断さ

れるものである。

(4) 標準処理期間

基本方針の協議に対する農林水産大臣の回答は、都道府県知事の協議の申出書が(1)

の提出先の機関に到達してから60日以内に行うことを標準とする。

5 その他留意事項

都道府県知事が基本方針を定めるに当たっては、次のことに留意することが望ましい。

(1) 都道府県関係団体との調整

都道府県知事は、基本方針の策定に当たっては、法令に定める関係市町村及び学識経

験を有する者(当該都道府県の都市計画担当部局が推せんする都市計画関係の専門家を

含む )の意見を聴くほか、関係部局間の連絡調整を円滑に行うとともに、都道府県農。

第5(農業振興地域整備基本方針の作成)

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林業団体、都道府県都市計画審議会、市長会、町村会、商工会議所連合会、商工会連合

会、中小企業団体連合会その他都道府県の関係団体をそれぞれ代表する者等から必要に

応じ幅広く意見を求めること。

(2) 自然公園担当部局との調整

都道府県農林担当部局は、基本方針の策定をしようとする場合において、その内容が

国立公園、国定公園又は都道府県立自然公園に係るものであるときは、都道府県自然公

園担当部局と必要な調整を図ること。

(3) 都市計画・開発許可担当部局との調整

都道府県農林担当部局は、法第4条第2項第3号ホ又はヘに掲げる事項の策定に当た

って、都市計画等他の計画との調整の必要があると認めるときは、都道府県都市計画担

当部局及び開発許可担当部局と調整を図ること。

(4) 住宅担当部局との調整

都道府県農林担当部局は、法第4条第2項第3号ホに掲げる事項において住宅施設の

、 。整備に関する事項を記載する場合には 都道府県住宅担当部局と必要な調整を図ること

(5) 職業安定・職業訓練部局との調整

都道府県農林担当部局は、法第4条第2項第3号ホに掲げる事項の作成に当たって、

職業安定・職業訓練部局と必要な調整を図ること。

(6) 就業担当部局等との調整

都道府県農林担当部局は、法第4条第2項第3号ヘに掲げる事項の策定に当たって、

就職先となるべき事業の業種担当部局及び職業安定・職業訓練部局と必要な調整を図る

こと。

(7) 産業廃棄物担当部局との調整

都道府県農林担当部局は、法第4条第2項第3号トに掲げる事項において、一般廃棄

物の処理に関連を有する事項を定める場合には、当該事項が市町村の事務であることに

十分留意するとともに、産業廃棄物の処理に関連を有する事項を定める場合には、必要

に応じ都道府県産業廃棄物担当部局と調整を図ること。

第6 法第5条関係(農業振興地域整備基本方針の変更)

1 変更事由(法第5条第1項)

都道府県知事は、基本指針の変更により又は経済事情の変動その他情勢の推移により必

要が生じたときは、遅滞なく、基本方針を変更することとされている。

したがって、都道府県知事は、基本指針が変更された後、遅滞なく、基本方針の変更の

必要性について検討し、必要と判断したときは、基本方針を変更することとなるが、この

「遅滞なく」については、原則として、おおむね6か月間以内とすることが適当と考えら

れる。

なお、基本方針において指定予定地域とされている地域について、農業振興地域の指定

が行われておらず、かつ、今後とも農業振興地域の指定が見込まれない場合には、通常基

本方針を変更することが適当と考えられる。

2 農林水産大臣の変更の指示(法第5条第2項)

法第5条第2項の「必要があると認めるとき」としては、例えば、次に掲げる場合が想

定される。

(1) 基本指針が変更されてから一定期間(おおむね6か月間)が経過しても、基本方針の

変更事務が行われず、当該都道府県における農地の確保に支障が生じていると認められ

る場合

(2) 基本指針策定後の農用地の減少に対処するため、全国的な農地の賦存状況等を勘案し

第5(農業振興地域整備基本方針の作成)

~第6(農業振興地域整備基本方針の変更)

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て、特定の都道府県に対して農地の確保をより積極的に行う特段の要請を行う必要があ

る場合

(3) 食料需給のひっ迫等経済事情の変動が発生し、緊急的に農地の確保を図る必要が生じ

た場合

3 変更に係る留意事項

基本方針の変更を行うに当たっては、第5の内容に準じて運用すること。

第7 法第5条の2関係(確保すべき農用地等の面積の目標の達成状況に関する資料の提出の

要求等)

1 資料の提出の要求(法第5条の2第1項)

農林水産大臣が、毎年、都道府県に対して行う、当該都道府県の基本方針に定める確保

すべき農用地等の面積の目標の達成状況についての資料の提出の要求は、地方自治法(昭

和22年法律第67号)第245条の4第1項に基づき、次のとおり行うこととする。

(1) 資料の提出の要求の時期

資料の提出の要求は、毎年12月31日時点の達成状況について、翌年の3月末を期限と

して行う。

(2) 資料の提出を求める事項

資料の提出を求める事項は、毎年12月31日時点の農用地区域内の農地面積及び荒廃農

地面積、過去1年間の農用地区域への編入及び除外の状況並びに荒廃農地の発生及び解

消の状況を市町村別に取りまとめるものとする。

(3) 資料の提出を求める事項の把握

都道府県は、(2)の資料の提出を求める事項を把握するため、管内の市町村に対し、

必要な資料の提出の要求を行い、取りまとめを行うことが適当と考えられる。

2 目標の達成状況の公表(法第5条の2第2項)

農林水産大臣は、1により各都道府県から提出を受けた資料により把握した目標の達成

状況を取りまとめて 「荒廃農地の発生・解消状況に関する調査要領 (平成20年4月15、 」

日付け19農振第2125号農林水産省農村振興局長通知)に基づく調査の取りまとめとの調整

を図った上で、公表するとともに、都道府県に対し送付する。

なお、この取りまとめに当たっては、必要に応じ、都道府県及び市町村の農林担当部局

からの聴き取り調査や現地確認等を実施する。

第8 法第5条の3関係(農用地等の確保を図るための是正の要求の方式)

1 是正の要求の要件

、 、 、(1) 法第5条の3の規定による是正の要求は 当該都道府県の事情も勘案し 必要に応じ

地方自治法第245条の4第1項の規定による技術的な助言又は勧告を行った上で、法第

5条の3各号に掲げる都道府県の事務の処理が、農用地等の確保の観点からは不十分で

あり、目標面積の達成に著しい支障を生じさせていると認められるときに行うこととす

る。

なお 「目標面積の達成に著しい支障を生じさせていると認められる」か否かの判断、

については、設定された目標と実績とを単純に比較することのみをもっては行わず、地

方の実情を十分に踏まえるものとする。

(2) 都道府県知事は、是正の要求がなされた場合には、地方自治法第245条の5第5項に

おいて 「当該事務の処理について違反の是正又は改善のための必要な措置を講じなけ、

ればならない」とされており、是正の要求により示された講ずべき措置の内容に即した

措置を行うこととなること、及び第7の2により目標の達成状況の公表がなされること

第6(農業振興地域整備基本方針の変更)

~第8(農用地等の確保を図るための是正の要求の方式)

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にも十分に留意し、日ごろから基本方針に定める確保すべき農用地等の面積の目標の達

成に向けた法第5条の3各号に掲げる事務の適正な処理に努めることが適当と考えられ

る。

2 措置内容

是正の要求により示すこととなる講ずべき措置の内容としては、以下のものが想定され

る。

(1) 農業振興地域の指定に関する事務(法第5条の3第1号)

基本方針に定める指定予定地域の区域内に、農業振興地域の指定がなされていない区

域がある場合において、その指定を行うこと。

(2) 農業振興地域の区域の変更又は指定の解除に関する事務(法第5条の3第2号)

基本方針に定める指定予定地域の区域内にあり、法第6条第2項及び基本指針に定め

る農業振興地域の指定基準を満たす区域について、農業振興地域への編入のための区域

の変更を行うこと。

(3) 農用地利用計画の策定又は変更の同意に関する事務(法第5条の3第3号)

農用地等以外の用途に供することを目的として農用地区域内の土地を農用地区域から

除外するために行う農用地利用計画の変更に関し、基本方針に定める確保すべき農用地

等の面積の目標の達成に支障を生じないよう、都道府県知事の同意を抑制すること。

その具体的な例としては、

① 毎年複数回、農用地等以外の用途に供することを目的として農用地区域内の土地を

農用地区域から除外するための農用地利用計画の変更を行っているなど、国の基本指

針及び都道府県の基本方針の基本的な考え方に沿った市町村整備計画の計画的な管理

を行っていない市町村

② 都市化の進展に伴い、都市計画法の市街化区域の拡大等により必要な土地利用の需

要に対応している一方で、経済事情の変動その他情勢の推移を理由に非農業的な土地

利用の需要に対応して、農用地区域内の土地を農用地区域から除外するための農用地

利用計画の変更を行っている市町村

等に対し、おおむね5年ごとに法第12条の2第1項の規定により実施する基礎調査等に

基づく市町村整備計画の変更以外の変更に係る同意を抑制するよう求めることなどが想

定される。

(4) 農用地利用計画の変更をするための指示に関する事務(法第5条の3第4号)

法第10条第3項各号のいずれかに該当する土地について、農用地区域に編入していな

い市町村に対し、具体的な位置を示して、当該土地を農用地区域に編入するための農用

地利用計画の変更を行うよう指示すること。

3 是正の要求の実施

農林水産大臣は、是正の要求の実施に当たっては、必要に応じ、地方農政局(沖縄県に

あっては、内閣府沖縄総合事務局)を通じて(北海道にあっては、直接 、都道府県及び)

市町村の農林担当部局、農業協同組合、土地改良区、農業委員会等からの聴き取り調査並

びに現地確認を行い、都道府県及び市町村による農業振興地域制度の運用の状況等を確認

するとともに、学識経験者等の第三者の意見を聴いて、その実施の必要性及び具体的な措

置の内容について検討するものとする。

4 その他目標の達成に向けた取組の推進

(1) 都道府県は、基本方針に定める確保すべき農用地等の面積の目標を達成するため、農

業振興地域制度の適正な運用に加えて、法第4条第2項第3号に規定する基本的な事項

に即した農業生産基盤の整備、農用地等の保全、農業経営の規模の拡大等の諸施策を通

じ、農用地区域への編入や荒廃農地の発生の防止・解消等による農用地等の確保のため

第8(農用地等の確保を図るための是正の要求の方式)

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の取組の推進を図ることが適当と考えられる。

(2) 市町村は、都道府県の基本方針が反映された市町村整備計画の計画的かつ適正な管理

を図ることに加え、当該計画に基づいた農業振興施策の計画的な実施や法第13条の2の

交換分合及び法第14条の規定による土地利用についての勧告等の措置の積極的な活用に

より、農用地区域内の農地の確保を図ることが適当と考えられる。

(3) 農林水産大臣は、法第13条の2の交換分合、法第14条の土地利用についての勧告、法

第15条の都道府県知事の調停、法第15条の2の農用地区域内における開発行為の制限、

法第18条の5の協定の認可及び法第18条の12の施設の維持運営に関する協定の締結等の

各制度の実績については、農用地等の確保に関連するものであることから、毎年、農林

水産大臣が都道府県に対して行う法第5条の2第1項の規定による資料の提出の要求と

併せて、地方自治法第245条の4第1項の規定により、毎年、都道府県に対し、資料の

提出の要求を行い、その結果を取りまとめて、都道府県及び市町村に対して事務の適正

な処理の参考となる情報を提供することとする。

第9 法第6条関係(農業振興地域の指定)

1 基本的事項(法第6条第1項・第2項)

農業振興地域の指定は、基本方針に基づくとともに、法第6条第2項の農業振興地域の

指定要件及び法第3条の2第2項第3号に基づき基本指針に定める農業振興地域の指定の

基準に関する事項に基づいて行うこと。また、農業振興地域の指定に当たっては、次の事

項に留意することが適当と考えられる。

(1) 市町村の一部の区域の指定

農業振興地域は、市町村ごとにその区域の全部又は一部について指定するとされてい

るが、市町村の区域の一部についての農業振興地域の指定は、その市町村の区域内に市

街化区域等除外すべき土地がある場合に行うべきであり、市町村の区域内にある農用地

等として利用すべき土地の一部、例えば、土地改良事業などの実施を予定する区域のみ

を対象として指定することはできないと解されること。

なお、市町村合併により、一の市町村に複数の農業振興地域が存在する場合には、市

町村の区域に複数の農業振興の考え方が存在することとなり市町村としての統一的な農

業振興施策に支障を生じるおそれがあることから、合併後速やかに農業振興地域の指定

の変更を行うことが望ましいこと。

(2) 農業振興地域を指定することが適当ではない土地の区域

農業振興地域を指定することが適当ではない土地の区域は、基本指針に定める農業振

興地域の指定の基準に関する事項に掲げる区域であるが、例えば、次のような区域等に

ついても農業上の利用の確保を図ることが相当ではないものとして、農業振興地域に指

定しないことが適当と解されること。

① 山林原野

農用地区域の保全と直接かかわりのない山林原野の区域

② 非農業的土地利用施設

非農業的土地利用に供されている規模の大きい面的な施設(住宅団地、工業団地、

スポーツ・レクリエーション施設(ゴルフ場等 )の区域)

③ 地域農業の振興と関係がない農業的利用施設

農業的利用に供されている規模の大きい面的な施設の区域で地域農業の振興と直接

関係がないと認められるもの(農業試験場、家畜改良センター、肥飼料検査所等)

(3) 埋立又は干拓地

埋立又は干拓地については、公有水面埋立法(大正10年法律第57号)第22条第1項の

第8(農用地等の確保を図るための是正の要求の方式)~第9(農業振興地域の指定)

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規定による竣工認可前又は同法第42条第2項の規定による竣工通知前であっても事実上

土地として利用できる段階で速やかに農業振興地域の指定及び農用地区域の設定を行う

ことが適当であること。

2 都市計画との関係(法第6条第3項)

(1) 都市計画法第23条第1項の規定による農林水産大臣との協議が調って定められた市街

、 ( )。化区域については 農業振興地域の指定は行わないこととされている 法第6条第3項

この協議は、農用地区域内の土地及び農業振興地域の区域(農用地区域を除く )内の。

農用地を市街化区域に含める場合に行うこととされており、当該協議が調って市街化区

域が定められる場合には、速やかに農業振興地域の区域を変更すること。

また、農業振興地域の区域(農用地区域を除く )内の土地で協議の対象となってい。

ないものについて市街化区域が定められる場合であって、都道府県都市計画担当部局か

ら連絡を受けたときは、都道府県農林担当部局は速やかに農業振興地域の区域を変更す

ること。

(2) 市街化調整区域については、市街化を抑制すべき区域とされている(都市計画法第7

条第3項)ことにかんがみ、積極的に農業振興地域の指定を行うこと。さらに、市街化

区域内農地のうち、当分の間営農が継続されることが確実で、計画的な市街地整備の見

込みがないものについては、積極的に市街化調整区域に編入することとされていること

から、これに併せて、必要に応じ、農業振興地域に指定するとともに、農用地区域とし

て設定し、その確保を図ること。なお、指定に当たっては、区域区分を定めている都市

計画区域の整備、開発及び保全の方針(都市計画法第6条の2参照)に配慮すること。

3 関係市町村との協議(法第6条第4項)

農業振興地域の指定は、基本方針に定められる指定予定地域につき、都道府県知事が、

必要に応じて現地調査等を実施した上で指定すべき区域を定め、法第6条第4項に基づき

関係市町村と協議することとし、協議を受けた市町村は、地域住民の意向調査等を行い、

都道府県知事から示された地域指定について、その諾否又は地域の範囲等に関し、その態

度を決定することが望ましいと考えられる。

4 関係部局との調整に関する留意事項

上記のほか、農業振興地域の指定に当たっては、次の事項に留意することが望ましい。

(1) 教育委員会への通知

都道府県知事は、農業振興地域の指定を行うに当たって、その区域を明らかにして都

道府県教育委員会に通知すること。

(2) 自然公園担当部局との調整

都道府県農林担当部局は、農業振興地域の指定を行うに当たって、当該地域が国立公

園、国定公園又は都道府県立自然公園の区域に係るものであるときは、都道府県自然公

園担当部局と必要な調整を図ること。

(3) 都市計画担当部局との調整

都道府県農林担当部局は、都市計画区域内において農業振興地域の指定を行うに当た

ってはその指定する地域の案の作成段階から、都道府県都市計画担当部局と必要な調整

を十分に図ること。

この場合、都道府県農林担当部局は、その都市計画区域が市街化調整区域とされてい

るとき、当該市街化調整区域における整備、開発又は保全の方針との調和を図る観点か

ら、都道府県都市計画担当部局と必要な調整を図ること。

(4) 都道府県関係団体との調整

都道府県知事は、農業振興地域の指定に当たっては、関係部局間の連絡調整を円滑に

行うとともに、都道府県農林業団体、都道府県都市計画審議会、市長会、町村会、商工

第9(農業振興地域の指定)

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会議所連合会、商工会連合会、中小企業団体連合会その他都道府県の関係団体をそれぞ

れ代表する者等から必要に応じ幅広く意見を求めること。

第10 法第7条関係(農業振興地域の区域の変更等)

1 農業振興地域の区域の変更(法第7条第1項)

都道府県知事は、基本方針が変更された後、遅滞なく、農業振興地域の区域の変更の必

要性について検討し、必要と判断したときは、農業振興地域の区域を変更すること。その

際、農業振興地域が基本方針の指定予定地域に関する事項及び基本指針に定める農業振興

地域の指定基準に基づくものとなるよう留意することが適当と考えられる。

2 変更に係る留意事項

農業振興地域の区域の変更を行うに当たっては、第9に準じて運用すること。

第11 法第8条関係(市町村の定める農業振興地域整備計画)

1 市町村整備計画の性格等

(1) マスタープラン

農業振興地域整備計画には、農業振興地域の全部又は一部がその区域内にある市町村

が策定する市町村整備計画のほか、広域の見地からこれを補完し又はこれに代替して都

道府県が策定するもの(以下「都道府県整備計画」という )があるが、市町村整備計。

画の農用地利用計画の部分を別とすれば、いずれもその性格はいわゆるマスタープラン

であり、これを実現するために必要な事業は、これらの計画に基づいてそれぞれ事業ご

とに個別の計画が策定され、事業が実施されるものである。

また、国の補助融資等の事業の基本となる「農業振興地域整備の推進について (平」

成14年11月1日付け14農振第1179号農林水産事務次官依命通知 (いわゆるメリット通)

知)において 「農業に関する公共投資その他農業振興に関する施策は、基本指針の考、

え方が反映された農業振興地域整備計画(法第8条第2項に規定する事項)に基づき計

画的かつ集中的に実施されなければならない 」こととしているところである。。

なお、市町村整備計画は、一の市町村の区域を越えて農業振興地域を指定する場合で

あっても、農業振興地域の一部をその区域内に含む市町村がそれぞれの市町村整備計画

を策定するものである。この場合、それぞれの市町村の策定する計画が矛盾することと

ならないよう関係市町村の間で密接な連絡調整を行うことが重要である。

市町村合併により、一の農業振興地域に指定が変更された後においても、一の市町村

に複数の市町村整備計画が存在する場合には、速やかに市町村整備計画の統合を行うこ

とが望ましいこと。

(2) 諸計画との調和

、 、 、市町村整備計画は 基本方針に適合するとともに 第5の3の(2)の諸計画と調和し

かつ、地域の農林業者の意向が十分に反映されたものとすることが適当と考えられる。

(3) 農業協同組合等からの意見の聴取

市町村は、市町村整備計画を策定し又は変更するに当たっては、次に掲げる者の意見

を聴くこととされているが、この趣旨については、それぞれ次のとおりであると解され

ること。

① 農業協同組合、土地改良区及び森林組合(農業振興地域の整備に関する法律施行令

(昭和44年政令第254号。以下「令」という )第3条)。

当該団体については、市町村整備計画の推進に必要な農業生産基盤整備、農業近代

化施設の整備等の諸施策の実施に関連する団体であり、これらの施策が適切に行われ

るよう、意見を聴くこととしているものであること。

第9(農業振興地域の指定)~第11(市町村の定める農業振興地域整備計画)

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② 農業委員会(規則第3条の2)

農業委員会については、市町村整備計画の推進に必要な農地の流動化等農地の利用

関係の調整、集団化等構造政策の推進上重要な役割を担っており、これらの施策が適

切に行われるよう、意見を聴くこととしているものであること。

(4) 市町村の住民からの意見書の提出

法第11条第1項では、市町村整備計画を策定し又は変更しようとするときは、市町村

整備計画の案に当該市町村整備計画を策定し又は変更しようとする理由を記載した書面

を添えて縦覧に供することとされ、同条第2項では、市町村の住民は縦覧に供された市

、 、町村整備計画の案について意見書を提出することができるとされているが この趣旨は

農業振興施策や農用地利用計画の策定・変更についての情報公開を促進し、農業振興地

域整備計画制度の公正性・透明性の向上を一層図ることにより、地域住民の理解と合意

に基づく計画的かつ円滑な農業振興施策の展開を推進しようとするものであることと解

されること。

(5) 一体性

市町村整備計画は、法第8条第2項に規定された各事項が、その農業振興地域におい

て総合的に農業の振興を図るために必要なものとして互いに関連をもった一体的なもの

とすることが適当と考えられる。

(6) 農業振興の方向

市町村整備計画は、おおむね10年を見通し、例えば次のような当該農業振興地域にお

ける農業振興の方向を明らかにし、これに即して策定することが適当と考えられる。

① 地域の概況

立地条件、産業経済の動向、地域の開発構想(建設、産業振興、地域開発等に関す

る地方公共団体、事業者等の計画又は構想 、土地利用の状況(土地利用現況図 、) )

農業生産及び農業構造の概況、農業関係事業の実施状況(農業生産基盤整備、農業近

代化施設整備)

② 農業振興の基本構想

当該農業振興地域における近代化の方向についての基本的な考え方

③ 農業生産等の目標

重点作目の選定、重点作目の作付面積、家畜飼養頭羽数及び生産量の目標

④ 農業経営等の目標

農家戸数及び農業就業人口の見通し、目標とする営農類型(作目構成、経営面積、

家畜飼養頭羽数、労働力及び農業所得 、農業生産組織の活動促進の方針)

(7) 市町村整備計画の計画書の様式

市町村整備計画の計画書の様式については、別紙「農業振興地域制度に関する参考様

式集」第3に市町村農業振興地域整備計画書参考例を示すので、参考とされたい。

2 農用地利用計画(法第8条第2項第1号)

(1) 土地利用区分の方向

農用地利用計画は、農業振興の基盤となるべき農用地の確保、農業生産基盤の整備の

計画的な実施及びその効果の維持保全並びに農業構造の改善の推進を図るため、農業振

興地域における農業上の土地利用の計画化をねらいとするものである。したがって、今

後相当長期(おおむね10年以上)にわたり農業上の利用を確保すべき土地である農用地

区域の設定に先立って、次の事項を内容とする土地利用区分の方向を明らかにすること

が適当と考えられる。

① 土地利用の方向

現況の農用地を他用途の用地として予定する場合のその土地の利用構想を、当該農

第11(市町村の定める農業振興地域整備計画)

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業振興地域における土地利用の動向、人口及び産業の将来の見通しと関連させて明ら

かにするとともに、併せて農用地区域に含まれない土地を明らかにすることにより農

用地区域とする土地の区域のおおよその範囲を示すこと。

② 農業上の土地利用の方向

農業振興の方向で明らかにした農業生産等の目標を前提として、用途別の面積を明

らかにするとともに、土地条件をも勘案しつつ用途区分の構想(特別な用途区分を含

む )を明らかにすること。なお、土地利用区分の方向を図化した土地利用区分構想。

図を添付すること。

(2) 農用地利用計画の表示

農用地利用計画の表示は、規則第4条に定めるところにより、特定の土地が農用地区

域に含まれているか否か、どの用途に区分されているかが明らかとなるよう、その表示

に当たっては、次の事項に留意することが適当と考えられる。

ア 一定の地物、施設、工作物

規則第4条の「一定の地物、施設、工作物」とは、例えば、道路、鉄道、河川、

水路、建築物等をいうが、固定的でなく容易に移設又は移動できるものは不適当で

あること。

イ 平面図

表示の手段として平面図を用いる場合の平面図の縮尺は、おおむね500分の1な

いし2,500分の1程度であること。

ウ 表示の時点

表示に当たっては、表示の時点を附記すること。

エ 附図

附図としては、農用地区域及び用途区分された土地の区域のおおよその範囲を明

らかにした図面(1万分の1ないし5万分の1)を添付すること。

なお、農用地区域の表示を検討する際には、法第10条第3項各号のいずれに該当する

かについても考慮することが適当と考えられること。

3 市町村整備計画に定める農用地利用計画以外の事項

(1) 農業生産基盤の整備開発計画(法第8条第2項第2号)

① 記載事項

法第8条第2項第2号の「農業生産の基盤の整備及び開発に関する事項」に係る計

画の記載事項としては、次のものが考えられる。

ア 農業生産基盤の整備及び開発の方向

当該農業振興地域における農地の区画の拡大、水田の汎用化、農業用用排水施設

の機能の維持増進その他の農業生産基盤の整備及び開発についての構想

イ 事業の種類

用水改良、排水改良、区画整理、農道(牧道、索道)整備、暗きょ排水、客土、

農用地造成等の事業の種類。なお、当然のことながら事業の種類は、現行の補助事

業にとらわれず、市町村独自のものを記載しても差し支えない。

ウ 事業の概要

事業の種類ごとの主要工事の内容

エ 受益地域の範囲

事業の種類ごとのおおよその受益地域の所在とその面積。なお、その受益地が数

団地に分かれる場合は、団地ごとに記載すること。

オ 他事業との関連

農業振興地域整備基本方針で明らかにしてある広域的な見地から行うことが相当

第11(市町村の定める農業振興地域整備計画)

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な農業生産基盤の整備、開発に関する構想並びに現に実施中であるか、又は実施が

計画されている広域的な農業生産基盤整備事業及び治水、発電、上水道、一般道路

等の事業との関連

カ 附図

事業種類ごとのおおよその受益範囲を示した図面

② 諸計画との調和

本計画は、原則として農用地区域を対象として用途区分に照応して定め、河川、道

路等に関する国、地方公共団体等の計画と矛盾しないように配慮することが適当と考

えられる。

(2) 農用地等の保全計画(法第8条第2項第2号の2)

法第8条第2項第2号の2の「農用地等の保全に関する事項」に係る計画の記載事項

としては、次のものが考えられる。

ア 農用地等の保全の方向

当該農業振興地域における農地の保全のための農業生産基盤の整備開発や農用地

等としての機能低下を防止するための活動についての構想

イ 農用地等の保全のための事業

農用地等の土壌浸食や崩壊等を防止するための排水施設・防災ダム等の防災施設

整備などの自然災害等による悪影響を除去するために行う事業やほ場整備事業等に

よる荒廃農地等の整備・復旧について、(1)と同様の事項

ウ 農用地等の保全の活動

農地中間管理機構等による農用地等の管理耕作等への支援や効率的かつ安定的な

農業経営を営む者への利用集積の促進、基金造成や集落協定に基づく棚田等の持続

的な保全活動といった耕作放棄や管理不十分による農用地等としての機能低下を防

止するための活動及び中山間地域等における耕作放棄の発生を防止し多面的機能を

確保する活動の観点からの直接支払いの実施についての内容

(3) 農業経営の規模の拡大及び農用地等の農業上の効率的かつ総合的な利用の促進計画

(法第8条第2項第3号)

法第8条第2項第3号の「農業経営の規模の拡大及び農用地等又は農用地等とするこ

とが適当な土地の農業上の効率的かつ総合的な利用の促進のためのこれらの土地に関す

る権利の取得の円滑化その他農業上の利用の調整(農業者が自主的な努力により相互に

協力して行う調整を含む )に関する事項」に係る計画の記載事項としては、次のもの。

が考えられる。

ア 農業経営の規模の拡大及び農用地等の効率的かつ総合的な利用に関する誘導方向

当該地域における農業経営の規模の拡大及び農用地等の効率的かつ総合的な利用

の促進を図るための農用地等の流動化、農作業の受委託、農作業の共同化、地力の

維持増進等の誘導方向(必要に応じ、地域を区分すること 。なお、この場合、。)

数値又はその基本的考え方も併せて記載すること。

また、農業経営の規模の拡大に係る誘導方向については、営農類型別に戸数、規

模、作目構成等をもって目標となる農業経営を明らかにした上で定めることが望ま

しいこと。特に、農業生産と食品産業との連携を図りつつ、需要に即応した原材料

の安定供給に努めることが一層重要となってきていることにかんがみ、加工原材料

用の農産物を生産する地域においては、当該作目に係る農業経営を別途記載するこ

と。

イ 農業経営の規模の拡大及び農用地等の効率的かつ総合的な利用の促進を図るため

の方策

第11(市町村の定める農業振興地域整備計画)

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アの誘導方向を実現するため、次のaからgまでに掲げる方策等のうち、推進し

ようとする方策。

、 、 、なお 当該地域において重点的に講ずべき方策ごとに 必要な調査及び広報活動

対象とする者及び地域の範囲、方策推進に当たって指導的役割を果たすべき者等を

記載すること。

また、混牧林利用等林地の農業的利用を効率的に行うために必要な土地利用調整

方策も併せて記載すること。

a 認定農業者等の育成対策

b 農用地の集団化対策

c 農業経営基盤強化促進事業、農地保有合理化事業、農地移動適正化あっせん事

業等農用地の流動化対策

d 農作業の受委託の促進対策

e 農作業の共同化対策

f 農業生産組織の活動促進対策

g 地力の維持増進対策

(4) 農業近代化施設の整備計画(法第8条第2項第4号)

① 記載事項

法第8条第2項第4号の「農業近代化のための施設の整備に関する事項」に係る計

画の記載事項としては、次のものが考えられる。

ア 農業近代化施設の整備の方向

農業振興の方向を前提として重点作物別の農業生産工程の分担の在り方(営農集

団又は営農集団を超える広域単位がそれぞれ分担する生産工程等 、農業生産組織)

及び生産から流通加工に至る一体的な施設整備の構想

イ 施設の種類

共同栽培管理施設(農業機械、育苗施設、温室管理施設、れき耕施設等 、共同)

集出荷貯蔵施設(集荷所、貯蔵所、集乳所等 、共同処理加工施設(穀類乾燥調整)

施設、乾燥施設、加工施設、畜産物処理所等 、共同飼料供給施設(農業機械、飼)

料調整貯蔵運搬施設等 、共同飼養管理施設(畜舎、家畜用水施設、放牧施設、家)

畜管理所等)等の種類。なお、施設は、現行の補助事業にとらわれず、市町村独自

のものを記載しても差し支えない。

ウ 施設の位置及び規模

当該施設を設置しようとする場所の字名及びおおよその処理能力、設置台数、飼

養頭羽数等

エ 施設の受益範囲

当該施設のおおよその利用農家数及び受益面積

オ 施設の利用組織

当該施設を利用する場合の組織

カ 附図

附図としては、施設のおおよその設置場所と受益範囲を示した図面(施設の用に

供される土地を規則第4条の4第2項の規定により、法第10条第3項の農用地等及

び農用地等とすることが適当な土地に含まれないものとするときは、施設の区域を

示したおおむね2,500分の1ないし5,000分の1程度の図面についても添付するこ

と )。

② 留意事項

本計画を定めるに当たっては、次のことに留意することが適当と考えられる。

第11(市町村の定める農業振興地域整備計画)

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ア 受益者

本計画は、主として当該農業振興地域における重点的な作目に係る農業生産及び

農産物の流通加工に関する共同利用施設を定めるもので、その受益者は、主として

農用地区域内の農用地等を利用する農家であること。

イ 組織の整備

本計画は、単に既存の営農、集出荷、加工組織を前提とした整備を図るにとどま

らず、当該農業振興地域の農業振興の方向に対応した組織の整備を前提として施設

の整備を図るよう定めること。

ウ 施設相互間の関連

本計画は、本計画に係る施設が当該農業振興地域における重点的な作目の生産、

集出荷又は加工の合理化を図る観点から施設相互間で総合的な関連をもつように定

めること。

エ 既存施設との調整

本計画の対象とする施設は、技術的に安定性が高く、当該農業振興地域において

整備の緊要度が高いものであって、既存の同種施設との調和及び調整が図られたも

のであること。

(5) 農業を担うべき者の育成・確保施設の整備計画(法第8条第2項第4号の2)

法第8条第2項第4号の2の「農業を担うべき者の育成及び確保のための施設の整備

に関する事項」に係る計画の記載事項としては、次のものが考えられる。

ア 農業を担うべき者の育成・確保施設の整備の方向

新規就農者を確保するための、技術習得、情報提供等の施策の基盤となる研修施

設や情報通信施設等の構想

イ 施設の種類

a 農作業体験施設、就農支援施設、農業情報に係る情報通信施設及びこれに類す

る施設

b 農業を担うべき者及びその家族が利用する福祉施設並びに医療施設

c 「農業従事者及び就農希望者のうち研修を受け将来にわたって農業に従事する

ことが確実な者」の居住のための一団地の住宅施設であって、他の「農業を担う

べき者の育成及び確保のための施設」の整備・活用と一体となって整備されるも

ただし、都市計画法に基づく用途地域による規制が必要となるような大規模又は

複合的な施設は該当しないと考えられること。

ウ 施設の位置及び規模

当該施設を設置しようとする場所の字名及びおおよその利用者数等

エ その他農業を担うべき者の支援の活動

、 、 、イの施設の整備以外の 農業の技術・知識の習得 就農準備等に必要な資金手当

生産基盤となる農地の円滑な取得、就農や経営向上のため必要な各種の情報提供体

制、将来の効率的かつ安定的な農業経営を営む者の確保等の観点からの農業教育の

推進などの各種支援施策の内容

オ 附図

附図としては、施設のおおよその設置場所と受益範囲を示した図面(施設の用に

供される土地を規則第4条の4第2項の規定により、法第10条第3項の農用地等及

び農用地等とすることが適当な土地に含まれないものとするときは、施設の区域を

示したおおむね2,500分の1ないし5,000分の1程度の図面についても添付するこ

と )。

第11(市町村の定める農業振興地域整備計画)

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(6) 農業従事者の安定的な就業の促進計画(法第8条第2項第5号)

① 記載事項

法第8条第2項第5号の「農業従事者の安定的な就業の促進に関する事項で、農業

経営の規模の拡大及び農用地等又は農用地等とすることが適当な土地の農業上の効率

的かつ総合的な利用の促進と相まつて推進するもの」に係る計画は、農用地等の効率

的かつ総合的な利用の促進を図るためには、併せて、農業従事者の不安定な就業形態

を解消し、安定的な就業機会の確保を図ることが必要かつ有効であるとの観点から定

めるものであり、その記載事項としては、次のものが考えられる。

ア 農業従事者の安定的な就業の促進の目標

当該地域において(3)の計画と相まって推進する必要のある農業従事者の安定的

な就業の促進の目標

イ 農業従事者の安定的な就業の促進を図るための方策

アの目標を実現するため、次の方策等のうち、推進しようとする方策

a 就業先となるべき事業に係る施設

b 農業従事者の就業意向等を把握するための対策

c 農業従事者に対する就業相談活動の強化対策

d 農工法等に基づく計画の達成を図るための対策

e 企業等進出に際しての地域関係者等との連絡調整方策

f 地域農林水産物及びその他の地域資源の利活用による地場産業への就業機会の

確保対策

g 上記対策を円滑に推進するための体制整備に関する対策

なお、農工法に基づく計画等地域における就業機会の確保に資する計画がある場

合には、これらの計画との関連についても併せて記載すること。

ウ 施設の位置及び規模

就業先となるべき事業に係る施設を設置しようとする場所の字名及びおおよその

就業者数(うち農業従事者数)等

当該施設としては、工場、流通業務施設に関するものが該当するが、都市計画法

に基づく用途地域による規制が必要となるような大規模又は複合的な施設の整備は

なじまないこと。

エ 附図

附図としては、施設のおおよその設置場所と受益範囲を示した図面(施設の用に

供される土地を規則第4条の4第2項の規定により、法第10条第3項の農用地等及

び農用地等とすることが適当な土地に含まれないものとするときは、施設の区域を

示したおおむね2,500分の1ないし5,000分の1程度の図面についても添付するこ

と )。

② 留意事項

本計画を定めるに当たっては、次のことに留意することが適当と考えられる。

ア 就業の目標

農業従事者の安定的な就業の目標は、地域における産業経済の動向等を踏まえ、

不安定兼業に従事している農業従事者の実態の把握等を行った上で定めること。当

該目標は、必要に応じて、安定就業の形態別又は産業別若しくは業種別に定めるこ

と。

イ 就業の促進を図るための方策

就業の促進を図るための方策については、当該地域において重点的に講ずべき方

策ごとに、実施時期、方策推進に当たって指導的役割を果たすべき者等を定めると

第11(市町村の定める農業振興地域整備計画)

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ともに、必要に応じて、方策が主として対象とする産業又は業種を定めること。

ウ 地場産業

地場産業への就業機会の確保対策を定める場合には、地場産業の振興等に関する

国、都道府県又は市町村の定める計画との調和及び調整に十分留意すること。

エ 推進組織

諸対策を円滑に推進するための体制整備の例としては、市町村において、農業協

同組合、森林組合、商工会議所、商工会等関連諸団体で構成される推進組織の設置

が考えられること。

(7) 生活環境施設の整備計画(法第8条第2項第6号)

① 記載事項

法第8条第2項第6号の「農業構造の改善を図ることを目的とする主として農業従

事者の良好な生活環境を確保するための施設の整備に関する事項」に係る計画は、農

村地域における兼業化、混在化等の進展に伴い、地域の農業構造の改善を促進してい

くためには、良好な生活環境を確保するための施設整備を行うことが重要であるとの

観点から定めるものであるが、その記載事項としては、次のものが考えられる。

ア 生活環境施設の整備の目標

優良農地の確保に十分配慮した施設整備の構想

イ 生活環境施設の種類

集会施設、農村公園、農村広場等の施設名。なお、当然のことながら、施設の種

類は、現行の補助事業にとらわれず、市町村独自のものを記載して差し支えないこ

と。

ウ 生活環境施設の位置及び規模

当該施設を設置しようとする場所の字名及びおおよその規模等

エ その他の施設の整備に係る事業との関連

現に実施中であるか、又は実施が計画されている農業集落排水事業、農道整備事

業、一般道路整備事業等、他の事業との関連

オ 附図

附図としては、施設のおおよその設置場所と受益範囲を示した図面(施設の用に

供される土地を規則第4条の4第2項の規定により、法第10条第3項の農用地等及

び農用地等とすることが適当な土地に含まれないものとするときは、施設の区域を

示したおおむね2,500分の1ないし5, 000分の1程度の図面についても添付するこ

と )。

② 留意事項

本計画を定めるに当たっては、次のことに留意することが適当と考えられる。

ア 定住条件の整備等

、 、本計画は 地域における農業構造の改善を促進する観点から定めるものとするが

併せて、地域における定住条件の整備及び農業後継者の確保にも資するものとなる

よう配慮すること。

イ 地域居住者の生活環境

本計画においては、良好な生活環境を確保するための施設のうち、その受益者が

主として農業従事者であるものを対象とするが、併せて、農業従事者以外の地域居

住者に係る良好な生活環境の確保についても配慮すること。

ウ 効率的かつ適切な利用

本計画においては、生活環境施設がその整備の目的に即して効率的かつ適切に利

用されるように定めることとされていること(法第10条第5項 。)

第11(市町村の定める農業振興地域整備計画)

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(8) 森林の整備その他林業の振興との関連(法第8条第3項)

本計画を定めるに当たっては、次のことに留意することが適当と考えられる。

① 農業の振興が森林の整備その他林業の振興と密接に関連する地域

、 、農業の振興が森林の整備その他林業の振興と密接に関連する地域とは 一般的には

山村振興法(昭和40年法律第64号)により振興山村の指定を受けている地域、市町村

森林整備計画を策定しているか又は策定することが確実である地域を含む農業振興地

域を指すので、原則としてこれらの農業振興地域では、林業振興の実態を踏まえ、森

林の整備その他林業の振興との関連を定めること。

② 森林の整備その他林業の振興との関連に係る事項

森林の整備その他林業の振興との関連に係る事項の例としては、次に掲げるものが

考えられるが、その他地域の実情に応じた事項を定めること。

ア 農道及び林道の一体的整備(法第8条第2項第2号の計画事項関連)

イ 林間放牧の推進(法第8条第2項第3号の計画事項関連)

ウ 間伐材を用いた畜舎の整備及びバークたい肥の活用促進のための施設整備(法第

8条第2項第4号の計画事項関連)

エ 農林地を一体とした観光的利用の促進による就業機会の確保(法第8条第2項第

5号の計画事項関連)

オ 農家と林家を一体的に捉えた生活環境施設の整備(法第8条第2項第6号の計画

事項関連)

③ 関連としての事項

この事項は、独立した計画事項ではないので、法第8条第2項第2号から第6号ま

でに掲げる事項に係る計画を定める際に、それぞれの事項に係る計画ごとにその関連

を定めるものであること。

④ 森林の整備その他林業の振興方向の把握

森林の整備その他林業の振興の方向につき、地域森林計画、市町村森林整備計画、

林業生産流通総合対策事業計画等によりその内容を十分把握するとともに、その内容

に即したものとなるように定めるものとするほか、必要に応じて、地域林業の中核的

担い手である森林組合等を通じてその実状を把握することにより、本事項の実効性を

期するものであること。

4 市町村整備計画の都道府県知事との協議

(1) 事前相談

市町村は、市町村整備計画の策定又は変更に当たって、事務の円滑な処理を図る観点

から、市町村整備計画の案について必要に応じて都道府県に対し事前の相談を行うこと

が望ましい。

(2) 都道府県関係団体との調整

都道府県知事は、市町村整備計画の協議に対する回答を行うに当たっては、関係部局

間の連絡調整を円滑に行うとともに、都道府県農林業団体、都道府県都市計画審議会、

市長会、町村会、商工会議所連合会、商工会連合会、中小企業団体連合会その他都道府

県の関係団体をそれぞれ代表する者等から必要に応じ幅広く意見を求めることが望まし

い。

5 その他留意事項

上記のほか、市町村整備計画の策定又は変更に当たっては、次の事項に留意することが

望ましい。

(1) 農用地利用計画(法第8条第2項第1号)関係

① 両立し得る農業を行い得ない土地

第11(市町村の定める農業振興地域整備計画)

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次の地区等に含まれる土地であって、その設定の趣旨と両立し得る農業を行い得な

いものについては、農用地区域に含まれないこと。

ア 自然公園法(昭和32年法律第161号)の国立公園又は国定公園の特別保護地区以

外の特別地域

イ 森林法(昭和26年法律第249号)の保安林若しくは保安施設地区又は同予定地区

及び全国森林計画において特定保安林の指定が計画されている土地の区域

② 工場適地

工場立地法(昭和34年法律第24号)の調査対象地区内の団地で、農林水産省と経済

産業省との間で協議を了して工場又は事業場の立地に適当であるとされているものに

ついては、農用地区域に含まれないこと。

③ 都市計画施設

現に農用地区域に設定されていない土地について、新たに農用地区域を設定しよう

とする場合において、既に都市計画において定められている都市施設の用に供される

土地については、農用地区域に含まれないこと。

④ 下水道事業計画

現に農用地区域に設定されていない土地について、新たに農用地区域を設定しよう

とする場合において、既に下水道法に基づく事業計画において定められている下水道

の用に供される土地については、農用地区域に含まれないこと。

⑤ 市民農園施設

市民農園整備促進法(平成2年法律第44号)第2条第2項第2号に規定する市民農

園施設のうち、農地の保全又は利用上必要な施設である、園内道路、柵及び給水施設

については、農用地区域として定める土地である集団的に存在する農用地及び土地改

良事業等の施行に係る区域内の土地の保全又は利用上必要な施設の用に供される土地

(法第10条第3項第3号)に該当すること。

⑥ 農業用施設用地

市街化調整区域において、規則第1条第3号の製造又は販売の用に供する施設で、

都市計画法第29条又は第43条第1項の許可が見込まれないものについては、市町村整

備計画に定めることは適当ではないこと。

⑦ 都市計画担当部局との調整

都道府県農林担当部局は、都市計画区域内において農用地区域の設定又は変更の協

議の回答をしようとする場合において、当該都市計画区域が市街化区域及び市街化調

整区域との区分を行わないものであるときは、十分検討可能な期間を考慮して、都道

府県都市計画担当部局と必要な調整を図ること。

なお、都道府県農林担当部局は、その都市計画区域が市街化調整区域とされている

場合であって、当該市街化調整区域における整備、開発又は保全の方針との調和を図

るため必要があると認められるときは、都道府県都市計画担当部局に連絡し調整を図

ること。

⑧ 防衛施設局への連絡

市町村は、農用地区域の設定に当たっては、法第11条第10項に該当しない場合にお

いても、防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律(昭和49年法律第101号)第

2条第2項に規定する防衛施設及びその隣接地域に係るものであるときは、同法第2

章の規定の趣旨にかんがみ、防衛施設局に連絡し必要な調整を図ること。

⑨ 河川管理者等との調整

市町村及び都道府県は、次に掲げる土地であって当該土地の区域の設定の趣旨と両

立し得る農業を行い得るものについて、新たに農用地区域の設定を行う場合にあって

第11(市町村の定める農業振興地域整備計画)

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は、当該土地の区域の管理者等と調整し、市町村整備計画の実施に支障がないことを

確認してから行うこと。

ア 河川法による河川区域又は河川予定地

イ 海岸法(昭和31年法律第101号)による海岸保全区域

ウ 砂防法(明治30年法律第29号)による砂防指定地

エ 地すべり等防止法(昭和33年法律第30号)による地すべり防止区域

オ 急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律(昭和44年法律第57号)による急

傾斜地崩壊危険区域

(2) 農業経営の規模の拡大及び農用地等の農業上の効率的かつ総合的な利用の促進計画

(法第8条第2項第3号)関係

「農業上の利用の調整」には、農用地又は農用地等とすることが適当な土地の利用と

農林業以外の土地利用との調整を含まないこと。

(3) 農業を担うべき者の育成・確保施設の整備計画(法第8条第2項第4号の2)関係

① 定めない施設

本計画には次の施設は含まれないこと。

a 工場

b ショッピングセンター、ショッピングモール等小売店舗その他の商業施設

c ゲレンデスキー場、ゴルフ場、ゴルフ練習場、テニスコート、マリーナ、フィ

ットネス施設、ダイビング施設

d 学習塾、カルチャーセンター(農作業体験及びそれに付随するものを除く )。

e 遊園地

f ホテル、旅館

② 福祉施設

本計画に福祉施設の整備を盛り込むに当たっては、

ア 老人福祉法第20条の8第1項に規定する市町村老人福祉計画

イ 介護保険法第117条第1項に規定する市町村介護保険事業計画

ウ 障害者基本法第9条第3項に規定する市町村障害者計画

等の市町村における保健福祉に関する計画との調和が保たれたものとなるよう、関係

部局相互間の連絡調整を図ること。

③ 地区計画の活用

農業を担うべき者の育成及び確保のための施設を定める場合、必要に応じ、都市計

画法第12条の4第1項第1号の地区計画を定めることが望ましく、また、同法第29条

に基づく開発許可又は同法第43条第1項に基づく建築許可がなされる見込みがない施

設については定めないこと。

④ 住宅担当部局との調整

市町村農林担当部局は、市町村整備計画の策定又は変更に当たって、本計画におい

て住宅施設の整備に関する事項を記載する場合には、市町村住宅担当部局と必要な調

整を図ること。

また、都道府県農林担当部局は、市町村整備計画の策定又は変更に係る協議の回答

に当たって、本計画において住宅施設の整備に関する事項を含む場合には、都道府県

住宅担当部局と必要な調整を図ること。

⑤ 職業安定・職業訓練部局との調整

市町村農林担当部局は、市町村整備計画の策定又は変更に当たっては、本計画につ

いて、市町村職業安定・職業訓練部局と十分調整すること。

また、都道府県農林担当部局は、市町村整備計画の策定又は変更に係る協議の回答

第11(市町村の定める農業振興地域整備計画)

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に当たって、本計画について、都道府県職業安定・職業訓練部局と必要な調整を図る

こと。

(4) 農業従事者の安定的な就業の促進計画(法第8条第2項第5号)関係

① 地区計画の活用

農業従事者の安定的な就業の促進のための施設を定める場合、必要に応じ、都市計

画法第12条の4第1項第1号の地区計画を定めることが望ましく、また、同法第29条

に基づく開発許可又は同法第43条第1項に基づく建築許可がなされる見込みがない施

設については定めないこと。

② 職業安定・商工担当部局等との調整

市町村農林担当部局は、本計画の策定又は変更に当たっては、本計画について、市

町村職業安定・職業訓練部局と十分調整すること。

また、都道府県農林担当部局は、市町村整備計画の策定又は変更に係る協議の回答

に当たって、本計画について、都道府県職業安定・職業訓練部局及び商工担当部局と

必要な調整を図ること。

(5) 生活環境施設の整備計画(法第8条第2項第6号)関係

① 配慮事項

本計画を定めるに当たっては、次の事項に配慮すること。

ア 公園、緑地、広場

公園、緑地、広場の整備に関する事項は、当該市町村に居住する主として農業従

事者の日常的健康増進といこいの場を提供することを目的としたものであること。

イ 定めない施設

次の施設の整備に関する事項は、含まれないこと。

a 都市公園法の都市公園

b 下水道法の公共下水道、流域下水道及び都市下水路

c 道路法の道路

d 河川法が適用され、又は準用される河川その他の河川

e 社会福祉事業に係る施設、保健衛生施設、医療施設等及び運輸行政に関する事

業に係る施設

② 農業用道路及び農業集落排水施設

農業用道路及び農業集落排水施設の整備については、法第8条第2項第2号に掲げ

る事項に、また、農業廃棄物処理施設の整備については、法第8条第2項第4号に掲

げる事項において定めること。

③ 一般廃棄物の処理

市町村農林担当部局は、一般廃棄物の処理に関連を有する事項を定める場合には、

市町村一般廃棄物担当部局と連絡調整し、また、都道府県知事は、一般廃棄物の処理

に関連を有する事項を含む市町村整備計画の協議の回答に当たっては、当該事項が市

町村の事務であることにかんがみ、当該計画に係る事項を尊重すること。

④ 産業廃棄物の処理

都道府県農林担当部局は、市町村整備計画の策定又は変更に係る協議の回答に当た

って、本計画において産業廃棄物の処理に関連を有する事項を含む場合には、都道府

県産業廃棄物担当部局と必要な調整を図ること。

⑤ 林業担当部局との調整

都道府県農業担当部局は、市町村整備計画の策定又は変更に係る協議の回答に当た

って、森林法による保安林、保安施設地区、保安林予定森林及び保安施設地区予定地

区の区域内において本計画の施設を設置する計画を含む場合には、都道府県林業担当

第11(市町村の定める農業振興地域整備計画)

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部局と必要な調整を図ること。

(6) 森林の整備その他林業の振興との関連(法第8条第3項)関係

、 、市町村農業担当部局は 本事項を含む市町村整備計画の策定又は変更を行う場合には

市町村林業担当部局と必要な調整を図ること。

また、都道府県農業担当部局は、市町村整備計画の策定又は変更に係る協議の回答に

当たって、市町村整備計画に本事項を含む場合には、都道府県林業担当部局と必要な調

整を図ること。

(7) その他

① 教育委員会への連絡

都道府県農林担当部局は、史跡名勝天然記念物の所在する土地又は埋蔵文化財を包

蔵する土地として周知されている土地について、市町村整備計画の策定又は変更の協

議の回答をするに当たって、当該計画が法第8条第2項第1号及び第2号に関するも

のであるときは、都道府県教育委員会に連絡し必要な調整を図ること。

② 都市計画・開発許可担当部局との調整

市町村農林担当部局は、市町村整備計画(法第8条第2項第4号の2及び第5号に

関するものに限る )の策定又は変更に当たって、都市計画等との調整の観点から必。

要があると認めるときは、市町村都市計画担当部局及び開発許可担当部局と調整を図

ること。

また、都道府県農林担当部局は、上記の市町村整備計画の策定又は変更に係る協議

の回答に当たって、都道府県都市計画担当部局及び開発許可担当部局と必要な調整を

図ること。

③ 中心市街地活性化基本計画との調和

市町村整備計画の策定又は変更に当たっては、市町村整備計画と中心市街地の活性

化に関する法律(平成10年法律第92号)第9条第1項に基づく基本計画とを、相互に

調和のとれた計画とするよう配慮すること。

④ 自然公園担当部局との調整

都道府県農林担当部局は、国立公園、国定公園又は都道府県立自然公園の区域内の

土地について、市町村整備計画の策定又は変更の協議の回答をするに当たって、都道

府県自然公園担当部局に連絡し必要な調整を図ること。

⑤ 森林管理局との調整

都道府県知事は、市町村整備計画の策定又は変更の協議の回答に当たって、当該計

画に係る農業振興地域に国有林野が含まれるときは、その計画のうち国有林野に関連

する部分について当該国有林野を管轄する森林管理局(分局)長に連絡し必要な調整

を図ること。

⑥ 市町村関係団体との調整

市町村長は、市町村整備計画の策定又は変更に当たっては、関係部局間の連絡調整

を円滑に行うとともに、法令に定めるほか、関係農業団体、商工会議所、商工会その

他市町村の関係団体、自治会及び集落代表者等から必要に応じ幅広く意見を求めるこ

と。特に、地域の商工業の振興の関連から必要があると認めるときは、商工会議所、

商工会その他市町村の関係団体から意見を聴くこと。

第12 法第9条関係(都道府県の定める農業振興地域整備計画)

1 都道府県整備計画の性格等

(1) マスタープラン

都道府県整備計画は、第11の1の(1)にあるように、その性格はいわゆるマスタープ

第11(市町村の定める農業振興地域整備計画)~第12(都道府県の定める農業振興地域整備計画)

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ランであり、これを実現するために必要な事業は、市町村整備計画及び本計画に基づい

てそれぞれ事業ごとに個別の計画が策定され、事業が実施されるものである。また、都

道府県整備計画は、広域の見地から定めることが相当であるものを定めることとなって

いるが、これは市町村整備計画を補完し、又はこれに代替するものとして定めることを

認める趣旨であり、現実には法第8条第2項各号に掲げる事項の一部について定める場

合が多いと考えられる。

(2) 市町村整備計画等との関連

都道府県整備計画は、市町村整備計画及び本計画以外の広域整備計画との関連が保た

れ、全体として地域の総合的な整備を推進するものとなるよう配慮することが適当と考

えられる。

(3) 広域的事業との関連

都道府県整備計画の内容とすべき事項のうち、これを実現するための具体的な事業が

通常一の農業振興地域を超える広域の見地から取り上げることが適当である場合が少な

くないと考えられるので、このような場合には、都道府県は、関係市町村と連絡協調し

て都道府県整備計画の策定に積極的に取り組むよう配慮することが適当と考えられる。

2 関係行政機関等との調整等

都道府県整備計画については、都市計画を始めとする各種の施策及び計画と密接な関連

を有していることから、本計画を定め、又は変更しようとするに際して、次の事項に留意

することが望ましい。

(1) 教育委員会への連絡

都道府県農林担当部局は、史跡名勝天然記念物の所在する土地又は埋蔵文化財を包蔵

する土地として周知されている土地について、都道府県整備計画の策定又は変更に当た

っては、本計画が法第8条第2項第2号に関するものであるときは、都道府県教育委員

会に連絡し必要な調整を図ること。

(2) 自然公園担当部局との調整

都道府県農林担当部局は、国立公園、国定公園又は都道府県立自然公園の区域内の土

地について、都道府県整備計画の策定又は変更に当たっては、都道府県自然公園担当部

局に連絡し必要な調整を図ること。

(3) 林業担当部局との調整

都道府県農業担当部局は、都道府県整備計画の策定又は変更に当たって、森林法によ

る保安林、保安施設地区、保安林予定森林及び保安施設地区予定地区の区域内において

法第8条第2項第6号に規定する施設を設置する計画を含む場合には、都道府県林業担

当部局と必要な調整を図ること。

(4) 森林管理局との調整

都道府県が都道府県整備計画を定め、又は変更しようとする場合において、当該計画

に係る農業振興地域に国有林野が含まれるときは、その計画のうち国有林野に関連する

部分について当該国有林野を管轄する森林管理局(分局)に連絡し必要な調整を図るこ

と。

3 推進体制

都道府県知事は、都道府県整備計画の策定又は変更に当たっては、関係部局間の連絡調

整を円滑に行うとともに、都道府県農林業団体、都道府県都市計画審議会、市長会、町村

会、商工会議所連合会、商工会連合会、中小企業団体連合会その他都道府県の関係団体を

それぞれ代表する者等から必要に応じ幅広く意見を求めることが適当と考えられる。

4 都道府県整備計画の策定・変更手続等

都道府県整備計画の策定・変更手続を行うに当たっては、第14に準じて運用すること。

第12(都道府県の定める農業振興地域整備計画)

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なお、都道府県整備計画の計画書の様式については、別紙「農業振興地域制度に関する

」 、 。参考様式集 第5に都道府県農業振興地域整備計画書参考例を示すので 参考とされたい

第13 法第10条関係(農業振興地域整備計画の基準)

1 農用地区域として定める土地(法第10条第3項)

農用地区域として定める土地は、法第10条第3項各号に定めるとおりであるが、その運

用に当たっては、次の事項に留意することが適当と考えられる。

(1) 集団的に存在する農用地(法第10条第3項第1号)

① 集団的に存在する農用地については、農用地が連たんすることによる農作業の効率

性等の面から優良な農用地として農用地区域とするものであり、その集団性の規模で

ある10ヘクタール以上(令第6条)であるかどうかの判断に当たっては、このような

優良な農用地を今後とも良好な状態で確保することを旨として行うことが必要であ

る。このため、道路、鉄道その他の施設、河川、がけその他の地形、地物等があって

も通作等に支障が生じないものである場合には、一団の土地とすること。

、 、 、例えば 国・都道府県道などの道路をもって集団農地の境界とする場合には 幅員

構造等からみて、これらの道路を横断して容易に一連の農作業が行えると認められる

場合には、その道路は、団地性を分断する境界とはなり得ないものであること。

② 農用地の集団性の境界の確認は、次によること。

ア 現地調査等による状況の把握

農用地の通作や農作業の状況を、現地調査、図面、写真等により確認すること。

イ 地域農業者等の意見の反映

地域の農業者や農業委員会、農業協同組合、土地改良区等の農業関係団体の意見

を聴いて、客観的な視点から農作業等への支障を確認すること。

③ なお、本号の要件に該当する農用地については、例えば、基礎調査の際に、現地調

査の結果、図面及び写真を基にして、農業委員会、農業協同組合及び土地改良区並び

に地域の農業を担う者等の意向を聴くとともに、必要に応じて都道府県の意見を聴い

た上で、農用地利用計画及びその附図にあらかじめその範囲を示しておくことが望ま

しいと考えられる。

(2) 土地改良事業等の施行に係る区域内の土地(法第10条第3項第2号)

土地改良事業等の事業が行われた土地は農業生産性が高い土地であることから、農用

地区域とするものであるが、一定の整備水準が確保されており、かつ、施行に係る区域

の特定が可能であることが必要であることから、国の直轄又は補助に係る事業で土地改

( ) 。良法 昭和24年法律第195号 の施行後に実施されたものを対象としたものであること

農用地区域の設定に当たっては、これら土地改良事業等の個々の事業については次の

ように解されること。

① 農業の生産性を向上することを直接の目的としない事業

規則第4条の3第1号の「主として農用地の災害を防止することを目的とするもの

その他の農業の生産性を向上することを直接の目的としないもの」には、主として農

用地の災害を防止することを目的とするいわゆる防災事業のほか、非農用地区域捻出

を主な目的とする集落土地基盤整備事業や緊急に必要な補強工事を行うことにより農

業用用排水施設の機能の維持及び安全性の確保を図る基幹水利施設補修事業などが該

当するものであり、これらは土地改良事業等には含まれないものであること。なお、

農業用用排水施設の変更であって、農業用用排水施設の従前の機能の維持を図ること

を目的とする更新事業については、単純更新の事業であっても、既存の老朽した施設

が更新され耐用年数が長期のものとなり、農業の生産性の向上に資するものと考えら

第12(都道府県の定める農業振興地域整備計画)~第13(農業振興地域整備計画の基準)

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れることなどから、土地改良事業等に含まれるものであること。

② 農業の生産性の向上が相当程度図られると見込まれない土地

規則第4条の3第1号イの「当該事業の施行により農業の生産性の向上が相当程度

図られると見込まれない土地にあつては、当該事業を除く」とは、農業用用排水施設

の新設又は変更の事業の実施に際して、その対象とする農用地以外の農用地で、対象

とする農用地と同一の用排水系統に属するものの現況用水量の確保ないしは現況排水

処理の確保のため、不可避的に一体として当該事業の受益地となる農用地(いわゆる

不可避受益地)については、土地改良事業等の施行に係る区域内の土地には該当しな

いとして取り扱われるということであり、当該土地は農用地区域として定める土地と

はならないこと。

③ 旧制度開拓事業

規則第4条の3第1号ハにおいて定められているとおり 「昭和35年以前の年度に、

その工事に着手した開墾建設工事」であるいわゆる旧制度開拓事業の施行に係る区域

内の土地は、当該事業が戦後の食糧難に対処するための緊急開拓として実施され、造

成された農地の中には、入植者の離農によって荒廃が著しく、保全の必要性の低い農

地も含まれるものであるため、当該工事の施行に係る区域内の土地は、農用地区域と

して定める土地とはならないこと。

また、現にその土地が旧制度開拓事業に該当するか否かについては、事業実施主体

及び土地改良区等の農業関係団体への聴き取りによる確認をもって判断することが望

ましい。

④ 法第3条第1号及び第2号に掲げる土地の改良又は保全のため必要な事業

規則第4条の3第1号ホの「法第3条第1号及び第2号に掲げる土地の改良又は保

全のため必要な事業」とは、客土、暗きょ排水、深耕、れきの除去、心土破砕、床締

め、切り盛り等であること。

⑤ 独立行政法人水資源機構等による事業

規則第4条の3第2号ロの国が直接又は間接に経費の補助を行う事業には、独立行

政法人水資源機構、国立研究開発法人森林総合研究所等による事業も含まれること。

(3) 集団的に存在する農用地及び土地改良事業等の施行に係る区域内の土地の保全又は利

用上必要な施設の用に供される土地(法第10条第3項第3号)

法第3条第3号の施設(いわゆる土地改良施設。以下同じ )の用に供される土地で。

あるが、このうち集団的に存在する農用地及び土地改良事業等の施行に係る区域内の土

地に接しているものが一般的に該当するものであること。

(4) 農業用施設用地(法第10条第3項第4号)

農用地利用計画に含めるべき農業用施設用地については、次のように解されること。

① 集団的な農業用施設用地

集団的な農業用施設用地としての規模である2ヘクタール以上(令第7条)につい

ては、河川、道路等線的な施設により土地が分断されている場合であっても、その相

互間の往来に支障がなく、土地利用上一体的なものとして考え得る場合には、一の団

地として扱うことができること。

② 地域の農業生産との関連

農用地区域内の土地は当該地域の農業者による農業生産の必要上計画的に利用する

ために確保するものであり、個人利用施設であると共同利用施設であるとを問わない

が、主としてその農業者又はその農業者の構成する団体が管理利用する施設でないも

のなど、地域農業者による農業生産との関連が希薄な施設の用地については、なじま

ないものであること。

第13(農業振興地域整備計画の基準)

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③ 農業用施設の計画的な配置

農業用施設用地については、地域の農業振興上相当長期にわたって確保することが

必要な農業用施設の必要性を見通し、これらの農業用施設の用に供される土地を農用

地区域内の農用地の農業上の効率的な利用に支障を及ぼすおそれがない土地に計画的

に用途を区分し定めた上で、農業用施設の配置を行うことが適当であること。

なお、利用者が広域にわたる農業用施設を配置しようとする場合には、集団的な農

用地の縁辺部に配置するようにすることが適当と考えられる。

④ 混在施設

1個の建築物その他の工作物で法第3条第4号に規定する施設に該当する部分と該

当しない部分から構成されている施設の用地は、農業用施設用地にはなじまないもの

であること。

⑤ 農業用施設用地としての利用の確保

農業用施設用地は、その利用が相当長期にわたって確保されるべき土地である。

また、当該土地については、農業用施設用地としての利用が確保され、他目的への

転用が規制され、税制上の優遇措置等が措置されている。

このため、農業用施設用地について、その目的どおりの利用がなされていない場合

には、農用地利用計画において指定した用途に供されていないものとして、法第14条

第1項の規定による土地利用についての勧告を行うことが可能であることから、この

ような農用地利用計画を達成するための措置を積極的に活用して、農用地区域内の土

地の農業上の利用の確保を図ること。

(5) 農業振興地域における地域の特性に即した農業の振興を図るためその土地の農業上の

利用を確保することが必要であると認められる土地(法第10条第3項第5号)

農業振興地域における地域の特性に即した農業の振興を図るためその土地の農業上の

利用を確保することが必要であると認められる土地として農用地区域を定めるに当たっ

ては、その土地の位置、地形その他の自然的条件、土地利用の動向、地域の人口及び産

業の将来の見通し等を考慮するとともに、地域の農業者の意見を十分聴いて、将来のあ

るべき土地利用の方向を見定めつつ、優良な農用地等の確保に努めることが重要である

が、その具体的なものを例示すれば、次のとおりであること。

① 産地形成の観点から確保することが必要なもの

・ 果樹や茶等の地域の特産物を生産している農地で産地の形成上確保しておくこと

が必要なもの

・ 設置された農業近代化施設を活用して地域の農業振興を図るためには、施設の受

益地として確保しておく必要がある農地

・ 高収益をあげている野菜のハウス団地

② 優良農地の保全や一体的整備等の観点から確保することが必要なもの

・ 国が補助を行わない土地改良事業等の施行に係る区域内にある土地

・ 市町村整備計画において農業生産基盤整備事業(国が補助を行わないものを含

む )を実施することが予定されている土地。

・ 当該農地が開発されれば、周辺の優良農地の保全や農業水利上悪影響を及ぼすお

それがあるため確保しておく必要がある農地

③ 効率的かつ安定的な農業経営を営む者の育成の観点から確保することが必要なもの

・ 農業経営基盤強化促進法(昭和55年法律第65号)に基づく認定農業者、特定農業

法人及び特定農業団体に集積することによって、経営規模の拡大と農業経営の合理

化を図ることが適当な土地

④ 環境保全の観点等から確保することが必要なもの

第13(農業振興地域整備計画の基準)

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・ 都市住民の農業理解を深めるためのいわゆる棚田オーナー制度の対象地

2 用途区分(法第10条第3項)

用途区分の設定に当たっては、その土地の自然的条件のみならず、交通、市場等の立地

条件、その他地域の経済的、社会的条件も併せて考慮し、農業上の 適利用が図られるよ

うに定めることが重要である。

このため、各種の土地が交錯し、混在することを避け、効率的な農業生産基盤整備及び

農作業の行い得る形状とすることが適当と考えられる。

このほか、農業上の用途の指定に当たっては、次の事項に留意することが適当と考えら

れる。

(1) 用途区分の種別(規則第4条の2第1項第1号)

用途区分の種別は、規則第4条の2第1項第1号のとおりであるが、市町村整備計画

の附図等に表示する際には、次のかっこ内の記載とすることは差し支えないこと。

① 耕作の目的に供される土地(農地)

② 主として耕作又は養畜の業務のための採草又は家畜の放牧の目的に供される土地

(採草放牧地)

③ 法第3条第2号に掲げる土地(混牧林地)

④ 法第3条第4号に掲げる土地(農業用施設用地)

なお、法第3条第3号に掲げる土地(土地改良施設用地)については、当該土地に隣

接する①から④までに掲げる土地の用途区分に従い指定することとされていること(規

則第4条の2第1項第1号後段 。)

(2) 用途区分の基準(規則第4条の2第1項第2号)

農業上の用途は、農用地区域内における農用地の集団化、農作業の効率化その他土地

の農業上の効率的かつ総合的な利用に支障を及ぼすおそれがないよう指定することとさ

れているが、農業用施設用地については、土地改良施設の有する機能に支障を及ぼすお

それがないようにも配慮した上で指定することが望ましいこと。

(3) 特別の用途の指定(規則第4条の2第2項)

農用地区域内の一定の区域における当該区域の特性にふさわしい農業の振興を図るた

めに必要があると認められるときは、特別の土地の区分を設け、更に細分して農業上の

用途を指定することができることとされているが、この特別の用途区分は、農地や農業

用施設用地など通常の用途区分の範囲内において定めるものであり、例えば、次のよう

な例が考えられること。

① 農地(高生産性農業区域)

特に生産性が高く、地域農業の中核を担う農地として保全・整備

・ 大規模に土地利用型農業を展開している農地

・ 全国的に市場シェアが高い特産地

② 農地(ふれあい農園区域)

都市近郊の農地等、都市と農村の交流に資するとともに、緑地空間として保全・整

・ 都市住民向けの市民農園

・ 学童農園

③ 農地(棚田)

棚田(水田)として保全・整備

・ 地形条件の制約上棚田利用が経済的な農地

・ 都市住民との交流の資源として活用

④ 農業用施設用地(温室団地)

第13(農業振興地域整備計画の基準)

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集団的な温室団地として整備

・ 防虫、防疫や集出荷等の効率的実施

・ 温室利用による特産地化の推進

⑤ 農業用施設用地(養豚団地 、農業用施設用地(養鶏団地))

集団的な養豚、養鶏団地として整備

・ 廃水排出処理の一元的管理

・ 防疫や集出荷等の効率的実施

なお、市町村長は、農用地利用計画において指定した用途に供されていない場合にお

いて、市町村整備計画の達成のため必要があるときは、その土地の所有者等に対し、指

定した用途に供すべき旨を勧告することができることとされているが(法第14条第1

項 、これは特別の用途についても同様であること。)

3 農用地区域に含まれない土地(法第10条第4項)

法第10条第4項は、同条第3項の農用地等及び農用地等とすることが適当な土地であっ

ても農用地区域には含まれないこととする土地を規定しているが、具体的な適用に当たっ

ては、次の事項に留意することが適当と考えられる。

( 、 )(1) 土地改良法第7条第4項に規定する非農用地区域 法第10条第4項 令第8条第1号

農用地区域に含まれない土地として非農用地区域を農用地区域から除外するのは、当

該非農用地区域の区域が確定した段階に行うことが望ましいことから、土地改良事業計

画等の変更により非農用地区域の区域が変更されるおそれがある場合には、換地の確定

や事業の完了を待って、当該地を農用地区域から除外することとしても差し支えないこ

と。

また、非農用地区域内の土地について、土地改良施設用地又は農業用施設用地として

その用地の確保と計画的な配置を図る場合等、地域の農業振興を図る上で農用地区域に

含めることが適当と考えられる場合については、農用地区域から除外しないこととして

も差し支えないと考えられること。

なお、非農用地区域の設定を伴う土地改良事業を行うに当たっては、当該非農用地区

域の設定のための農用地利用計画の変更により変更後の農用地利用計画に支障を及ぼさ

ないこと、すなわち周辺の農用地区域内の農地の営農環境を保全する観点から一定の要

件への適合が確認されることが必要であり、事業実施主体、市町村及び都道府県は、非

農用地区域の設定について、農用地区域以外の区域内の土地をもって代えることが困難

であり(法第13条第2項第1号と同様の要件 、周辺の農用地の農業上の効率的かつ総)

合的な利用に支障がなく(同項第2号と同様の要件 、かつ、周辺の土地改良施設の機)

能に支障がない(同項第4号と同様の要件)ことを満たすよう努めること。

(2) 優良田園住宅の用に供される土地(令第8条第2号)

優良田園住宅の建設の促進に関する法律(平成10年法律第41号)第4条第1項の認定

を受けた同項に規定する優良田園住宅建設計画に従って行われる同法第2条に規定する

優良田園住宅の用に供される土地については、農用地区域に含まれない土地とするもの

であるが、これに該当するのは同法第4条第4項及び第5項の規定による協議が調った

ものに限られること。

(3) 農工法等の法律に基づく施設の用に供される土地(令第8条第3号)

令第8条第3号イからニまでに掲げる農工法等の法律に基づく計画又は構想において

は、施設整備の対象になる区域が定められているが、当該施設の立地により農用地利用

計画に支障を及ぼさないことが確認されることが必要であり、具体的には、周辺の農用

地の農業上の効率的かつ総合的な利用に支障がなく(法第13条第2項第2号と同様の要

件 、かつ、周辺の土地改良施設の機能に支障がない(同項第4号と同様の要件)と認)

第13(農業振興地域整備計画の基準)

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められるものに限り、農用地区域の除外が可能になることから、農用地区域から除外す

る時期は、事業実施主体が確定し、施設の用に供する土地の区域が明確となるなど整備

が具体化する段階が適当であること。

また、施設整備の具体化に際し、市町村及び都道府県の内部において、施設整備担当

部局と農振担当部局は相互に連絡調整を行うとともに、農振担当部局は上記の要件を満

たすことについて十分確認することが適当であること。

( 、(4) 公益性が特に高いと認められる事業に係る施設の用に供される土地 令第8条第4号

規則第4条の4第1項第1号から第26号まで)

公益性の特に高い事業に係る施設の用に供される土地のうち、道路、鉄道等の線的施

設及び航路標識、灯台、信号のような特定地点に存する点的施設など、その立地がやむ

を得ず、農業的土地利用に支障を及ぼすおそれが少ない施設の用に供される土地をいう

ものであること。

(5) 市町村が条例に基づく地域の農業の振興に関する地方公共団体の計画において定める

施設の用に供される土地(令第8条第4号、規則第4条の4第1項第26号の2)

市町村が地域の農業の振興を図る観点から条例に基づき定める「地域の農業の振興に

関する地方公共団体の計画(以下「振興条例計画」という 」において当該計画に係。)

る区域内の農用地等の保全及び効率的な利用を確保する見地から定められている当該区

域内において農用地等以外の用途に供することを予定する土地の区域内に設置されるも

のとして当該計画に定められている施設の用に供される土地については、当該計画が、

同号イからホまでに掲げる要件のすべてを満たすこととされ、かつ、同計画において定

められている施設が同項第28号イからヘまでに掲げる要件のすべてを満たすこととされ

ており、農業的土地利用と他の土地利用との計画的な調整が図られることとなるもので

あるとともに、市町村が条例に基づく手続により地域住民の合意を得て、地域における

農用地等の保全及び効率的な利用を確保しつつ、地域の農業振興を図る観点から定めら

れる地方公共団体の計画であることにかんがみ、農用地等及び農用地等とすることが適

当な土地であっても農用地区域に含まれないこととするものであること。

なお、市町村が振興条例計画を策定する場合には、次のことに留意する必要があるこ

と。

① 諸計画との調和

振興条例計画は地域の農業の振興に資するものであり、当該市町村の農業の振興方

策等に即したものであることはもとより、議会の議決を経て定められた当該市町村の

建設に係る基本構想その他当該市町村の地域振興に関する計画との調和が図られたも

のであること。

② 非農用地予定区域の性格

規則第4条の4第1項第26号の2柱書にある 「当該計画に係る区域内の農用地等、

の保全及び効率的な利用を確保する見地から定められている当該区域内において農用

地等以外の用途に供することを予定する土地の区域 (以下「非農用地予定区域」と」

いう )は、当該計画に係る区域内の農用地等の保全及び効率的な利用を確保するた。

めに、振興条例計画において定める、地域において通常発生している非農業的な土地

利用需要に計画的かつ適切に対応する区域をいい、当該地域において今後とも農用地

として保全する区域(以下「農用地保全区域」という )と併せて定められるものが。

該当すると解されること。

このため、この非農用地予定区域は、積極的に非農業的な土地利用を図る区域とい

う性格ではないことに十分留意するとともに、他に代替すべき土地がないと判断され

る場合を除き、主として法第10条第3項各号に該当する土地以外の土地において定め

第13(農業振興地域整備計画の基準)

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られるものであること。

一方、農用地保全区域は、非農業的な土地利用需要を非農用地予定区域に計画的に

誘導することにより今後継続的かつ安定的に農用地として保全していく区域であるこ

とから、農用地区域以外の農用地等であって法第10条第3項各号に掲げる土地に該当

するものが含まれる場合は、速やかに農用地区域に編入するととともに、農用地区域

内にある土地については、規則第4条の2第2項の特別の用途の指定を積極的に推進

し、当該区域内にある農用地等の農業上の総合的かつ効率的な利用に努めることによ

り、継続的かつ安定的に優良農地の確保と有効利用を図ること。

したがって、当該区域内の土地について農用地等以外の用途に供することを目的と

した農用地区域からの除外をすることは適当ではなく、原則として非農用地予定区域

として定められている区域において計画的に対応すること。

③ 対象地域

振興条例計画の対象地域は、市町村の農業振興の方向及び市町村の条例に基づく土

地利用の方針に即しつつ、住民の合意を基本として地域の農用地の保全及び効率的な

利用を継続的かつ安定的に確保する観点から、その範囲は、農業集落の区域(農林業

センサス規則(昭和44年農林省令第39号)第7条第2項の規定により認定された区域

をいう )以上(農業集落、小学校区及び旧町村の区域等)とされていることが適当。

と考えられること。

④ 都道府県知事との事前の調整

振興条例計画に定められている非農用地予定区域内において設置されるものとして

当該計画に定められている施設の用に供される土地が公益性が特に高いと認められる

事業に係る施設の用に供される土地に該当し農用地区域に含まれない土地となるの

は、当該計画が規則第4条の4第1項第26号の2各号に規定する要件のすべてを満た

し、かつ、当該施設が同項第28号各号に規定する要件のすべてを満たす場合である。

したがって、当該施設の用に供する土地を農用地区域から除外するための農用地利

用計画の変更の協議を受けた都道府県知事が、これらの要件を満たしていないと判断

した場合には、農用地区域の変更ができないこととなることから、振興条例計画の案

の策定に当たっては、あらかじめ都道府県知事と調整することが望ましいこと。

⑤ 土地改良事業等完了後8年未経過の土地

振興条例計画に定める施設の用に供される土地については、規則第4条の3第1号

ロからニまでに該当する事業を除く土地改良事業等の工事完了後8年を経過していな

い土地であっても、農用地区域から除外するための農用地利用計画の変更ができるこ

とから、このような受益地において施設を立地する振興条例計画を定めようとする場

合には、その必要性について十分検討することが重要であること。

⑥ 農業用用排水施設の新設又は変更の事業等

、 、農業用用排水施設の新設又は変更の事業については 事業実施期間が長期にわたり

市街地の周辺を含め、広範囲の農地が受益地となることが通常であり、土地改良事業

等の工事完了後8年を経過していない受益地について、一切の農用地区域の除外を認

めないことは、かえって農業の振興を阻害することも考えられる。また、当該地域の

集落周辺の土地の大部分が農用地区域内の土地及び農用地区域に含めるべき土地であ

る場合に、地域の農業振興の観点から必要と認められる非農業的な土地利用需要に適

切に対応することも農用地区域への編入の円滑な推進とその確保・保全に寄与するも

のと考えられる。

このため、自然的経済的社会的諸条件からみて、このような地域において農地に対

する非農業的な土地利用需要が発生すると見込まれる場合には、当該非農業的な土地

第13(農業振興地域整備計画の基準)

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利用需要に計画的かつ適切に対応しつつ、農用地等の保全と効率的な利用による地域

の農業の振興を図る観点から、例えば、農業従事者の住宅等の小規模な施設を集落周

辺等に計画的に誘導するための振興条例計画を策定することが想定されること。

⑦ 規則第4条の4第1項第26号の2各号の要件の内容

振興条例計画の作成に当たって、規則第4条の4第1項第26号の2各号に係る解釈

は次のとおりであること。

ア 市町村の条例の性格等

振興条例計画は、近年の住民主体の地域づくりに対する関心の高まりに応じて、

市町村が条例に基づく総合的な土地利用計画等を策定することにより、住民合意に

基づく農用地等の保全と効率的な利用を確保しながら魅力ある美しい農村づくりを

行おうとする取組を促進することが、継続的かつ安定的な優良農地の保全と地域農

業の振興に寄与するものであると判断されることから措置されているものである。

この振興条例計画の性格にかんがみ、対象となる市町村の条例については、少な

くとも、次のような位置付けがなされていることが望ましいこと。

・ 農用地の保全と効率的な利用の確保を含めた地域の農業振興が基本的な考え方

に含まれていること

・ その基本的な考え方を実現するための土地利用の計画づくりは行政部局主導で

はなく土地所有者等も含めた住民の合意を基本とする仕組みとなっていること

・ その土地利用計画の達成を担保するために当該地域において行われる開発行為

等について市町村への事前届出とその内容についての協議の義務付けがなされて

いること

イ 規則第4条の4第1項第26号の2各号の要件の解釈

a 規則第4条の4第1項第26号の2イ(農業委員会の意見聴取)

振興条例計画を定めるに当たっては、農業委員会の意見を聴くこととされてい

るが、これは、農業委員会が、農地の利用関係の調整等構造政策の推進上重要な

役割を担っており、これらの施策が適切に行われるよう、市町村が市町村整備計

画を策定・変更するに当たって、その意見を聴くものとされており(規則第3条

の2 、あらかじめ市町村内部の執行機関である農業委員会の意見を反映するも)

のであること。

b 規則第4条の4第1項第26号の2ロ(振興条例計画の案の縦覧等)

振興条例計画を定めるに当たっては、計画案を縦覧に供し、市町村の住民の意

見を聴取することとされているが、これは、振興条例計画は、市町村が定める計

画であることから、公正性・透明性の確保の観点から、その策定又は変更に当た

っては、行政内部の検討にとどまらず、広く地域の住民の意見を反映させること

が適当であることによる。

また、このことによって、より効果的な地域の農業の振興に関する計画を策定

することが可能となるものと考えられる。

なお、計画案の縦覧等に当たっては、次に留意することが望ましいこと。

(a) 振興条例計画案の縦覧方法等は、第14の1に準じて行うこと。

(b) 振興条例計画案の縦覧等は、市町村整備計画の策定・変更に係る案を策定す

る前に了していること。

c 規則第4条の4第1項第26号の2ハ(農用地等以外の用途の土地利用の需要の

見込み)

当該計画に係る区域内の自然的経済的社会的諸条件からみて、法第10条第3項

各号に掲げる土地を農用地等以外の用途に供することが見通されることとされて

第13(農業振興地域整備計画の基準)

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いるが、これは、自然的経済的社会的諸条件からみておおむね10年程度の間で地

域において通常発生すると見込まれる非農業的な土地利用需要の見込み及び非農

用地予定区域において設置することが必要と認められる施設の通常の利用形態か

、 、らみて 同項各号に掲げる農用地区域に含めるべき土地以外の土地だけではなく

現に農用地区域が設定されている土地の区域を含めた農用地区域に含めるべき土

地についてもその一部を非農業的な土地利用の用に供せざるを得ない需要の見通

しのあることが必要であること。

このため、市町村が条例に基づく民主的な手続により非農用地予定区域を定め

ていても、地域内に農用地区域が設定されている土地の区域を含めた農用地区域

に含めるべき土地以外の土地が存在する場合には、見通される非農業的な土地利

用需要からみて当該土地においてその需要に対応できると判断される場合は、こ

の要件を満たさないので留意すること。

また、非農業的な土地利用需要を見通す際は、農家の分家住宅をはじめとした

一般住宅、工場(既存の工場を拡張する場合を含む 、主として当該地域内の。)

居住者等の利便に供される店舗、事務所その他の生活利便施設、農産物加工施設

その他の当該地域内で農業を営む者の経営上必要な施設、主として当該地域内の

居住者等の利用に供される集会施設、農村公園その他の公共施設その他農業集落

地域において設置することが通常適当であると認められる非農業的な土地利用需

要に対応するものとすることが必要であり、当該市町村において積極的に非農業

的な土地利用を図ることにより都市化の進展を促進させるような土地利用需要又

は著しく規模の大きな店舗等までを見通しの対象とすることはなじまないものと

解されること。

d 規則第4条の4第1項第26号の2ニ(非農用地予定区域の位置・規模)

非農用地予定区域に含まれる農用地区域内の土地を含む農用地区域に含めるべ

き土地が適切な位置にあり、かつ、妥当な規模を超えないものであることとされ

ているが、これは、非農用地予定区域について実際に農用地等以外の用途に供さ

れた場合の周辺の農用地等における農業上の効率的かつ総合的な利用の確保の見

地から、当該区域が適切な位置、妥当な規模であることを求める要件である。こ

のため、当該地域の農用地区域の相当部分を含めるものや集団的に存在する農用

地の中央部に位置するものなど、当該区域によって農用地の集団化や農作業の効

率化等による地域の農業振興に支障を及ぼすようなものについては、当然のこと

ながら非農用地予定区域として定め得ないこと。

e 規則第4条の4第1項第26号の2ホ(面的整備事業の受益地の取扱い)

非農用地予定区域に含まれる農用地区域内の土地が、法第10条第3項第2号に

掲げる土地のうち、規則第4条の3第1号ロからニまでのいずれかに該当する事

業の施行に係る区域内の土地を含む場合にあっては、これらの事業が、農用地と

しての土地の区画を整え併せて換地による効率的かつ安定的な農業経営を営む者

に対する農用地の利用集積を行い、又は新たに農業生産条件に優れた農用地を創

出するなど、農業生産の向上に加えて、農用地の集団化及び農作業の効率化を目

的として行われるものであり、一定期間その公共投資の効用を確保することが必

要不可欠であることから、これらの事業については、実施中又は工事が完了後8

年を経過していない受益地を含まないものであること。

f 規則第4条の4第1項第26号の2イからホまでに加え満たすべき要件

非農用地予定区域内に設置する施設が第28号イからヘまでのすべての要件を満

、 。たす場合に 農用地区域に含まれない土地として農用地区域の変更が可能となる

第13(農業振興地域整備計画の基準)

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このため、仮に農用地区域が含まれている場合でも、非農用地予定区域内にある

土地であるというだけでは農用地区域からの除外はできないことに十分留意する

ものとするとともに、非農用地予定区域内の農用地区域の性格が変更されるもの

ではないことから、当該計画に定める施設の用に供される農用地区域内の土地に

ついて、周辺の農用地区域内の農地の営農環境を保全する観点からの法第13条第

2項第1号から第4号までに掲げる要件と同様の要件及び行政庁による処分見込

み並びに土地改良事業等実施中の事業実施主体の同意に係る要件を満たす必要が

あること。

⑧ その他

ア 市町村長は、市町村整備計画を補完するための振興条例計画の策定又は変更に当

たっては、市町村整備計画と同様に、第11の5の(7)の⑥により、関係部局間の連

絡調整を円滑に行うとともに、法令に定めるほか、関係農業団体、商工会議所、商

工会その他市町村の関係団体、自治会及び集落代表者等から必要に応じ幅広く意見

を求めることにより、市町村整備計画を補完するに足る振興条例計画としての客観

性・透明性の確保に努めることが望ましい。

イ 振興条例計画を定める際には、市町村の農林担当部局と土木担当部局との間で必

要な調整を図ることが望ましい。

ウ 振興条例計画の計画書の様式については、別紙「農業振興地域制度に関する参考

様式集」第7に地域の農業の振興に関する地方公共団体の計画(振興条例計画)参

考様式を示すので、参考とされたい。

(6) 地域の農業の振興に関する地方公共団体の計画に定める施設の用に供される土地(令

第8条第4号、規則第4条の4第1項第27号)

地方公共団体が地域の農業の振興を図る観点から「地域の農業の振興に関する地方公

共団体の計画(以下「振興計画」という 」においてその種類、位置及び規模が定め。)

られている施設の用に供される土地については、当該計画が、同号イからヲまでに掲げ

る要件のすべてを満たすこととされており、農業的土地利用と非農業的土地利用との計

画的な調整が図られることとなるものであるとともに、特定の農業者の利益ではなく地

域の農業振興を図る観点から定められる地方公共団体の計画であることにかんがみ、農

用地等及び農用地等とすることが適当な土地であっても農用地区域には含まれないこと

とするものであること。

なお、市町村が振興計画を策定する場合には、次のことに留意する必要があること。

① 諸計画との調和

振興計画は、地域の農業の振興に関する計画であることから、市町村整備計画の農

業振興の方向に合致するものであることはもとより、市町村整備計画を補い、その達

成を促進し得るものでなければならないこと。

また、議会の議決を経て定められた当該市町村の建設に係る基本構想その他当該市

町村の地域振興に関する計画との調和が図られたものであること。

② 都道府県知事との事前の調整

振興計画に定める施設の用に供する土地が農用地区域に含まれない土地となるの

は、規則第4条の4第1項第27号各号に定める要件のすべてを満たす場合である。し

たがって、当該施設の用に供する土地を農用地区域から除外するための農用地利用計

画の変更の協議を受けた都道府県知事が、これらの要件を満たしていないと判断した

場合には、農用地区域から除外できなくなることから、振興計画の案の策定に当たっ

ては、あらかじめ都道府県知事と調整を図ることが望ましいこと。

また、この都道府県知事との調整に当たっては、同号イにより聴取した農業委員会

第13(農業振興地域整備計画の基準)

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の意見の概要及び当該意見の振興計画の案への反映状況を明らかにするほか、あらか

じめ、同号ヲの施行者の同意として土地改良事業等の事業実施主体の同意を得ている

とともに、農業協同組合及び土地改良区の意見を聴いておくことが望ましいこと。

③ 土地改良事業等完了後8年未経過の土地

振興計画に定める施設の用に供する土地については、規則第4条の3第1号ロから

ニまでに該当する事業を除く土地改良事業等の工事完了後8年を経過していない土地

、 、であっても 農用地区域から除外するための農用地利用計画の変更ができることから

このような受益地において施設を立地する振興計画を定めようとする場合には、その

必要性について十分に検討することが重要であること。

④ 農業用用排水施設の新設又は変更の事業

農業用用排水施設の新設又は変更の事業については、事業実施期間が長期にわたっ

たり、市街地や集落の周辺を含め、広範囲の農地が受益地となるなど、土地改良事業

等の工事の完了後8年を経過していない受益地が当該市町村の大部分を占める場合も

想定され得るところ、このような場合であっても、一切の農用地区域からの除外を認

めないことは、かえって農業の振興を阻害することが考えられる。このため、このよ

うな場合には、農業用用排水施設の新設又は変更の事業に係る計画の達成に著しい支

障を及ぼすおそれがないと認められる範囲内において、状況の変化に応じ、地域の特

性に応じた農業の振興を図る観点から、例えば、農業従事者の住宅等の小規模な施設

が立地する土地を集落周辺等に定める振興計画を策定することも想定されること。

⑤ 規則第4条の4第1項第27号各号の要件の内容

振興計画の作成に当たって、規則第4条の4第1項第27号各号に係る解釈は次のと

おりであること。

また、市町村整備計画において定める施設に該当する施設は同項第28号により対応

し、振興計画については、各市町村の農業振興地域の特性に応じた農業の振興の方針

及び達成すべき目標に沿って必要な施設を定めることとすることが適当と考えられ

る。

なお、定住促進や雇用の受け皿の確保のみを目的とするなど、振興計画に定めよう

とする施設の目的が、直接農業の振興を図るものでない場合には、本号の計画にはな

じまないものであること。

ア 規則第4条の4第1項第27号イ(農業委員会の意見聴取)

振興計画を定めるに当たっては、農業委員会の意見を聴くこととされているが、

これは、農業委員会が、農地の利用関係の調整等構造政策の推進上重要な役割を担

っており、これらの施策が適切に行われるよう、市町村が市町村整備計画を策定・

変更するに当たって、その意見を聴くものとされており(規則第3条の2 、あら)

かじめ市町村内部の執行機関である農業委員会の意見を反映するものであること。

なお、農業委員会の意見を聴くに当たっては、少なくとも、振興計画の案と併せ

て、市町村整備計画の農業振興の方針との関係についても明らかにしておくととも

に、農業委員会の意見を聴取した後、聴取した意見をどのように反映するかについ

て検討し、その反映状況及び理由を整理しておくことが望ましいこと。

イ 規則第4条の4第1項第27号ロ(振興計画の案の縦覧等)

振興計画を定めるに当たっては、計画案を縦覧に供し、市町村の住民の意見を聴

取することとされているが、これは、振興計画は、市町村が定める計画であること

から、公正性・透明性の確保の観点から、その策定又は変更に当たっては、行政内

部の検討にとどまらず、広く地域の住民の意見を反映させることが適当であること

による。

第13(農業振興地域整備計画の基準)

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また、このことによって、より効果的な地域の農業の振興に関する計画を策定す

ることが可能となるものと考えられる。

なお、計画案の縦覧等に当たっては、次に留意すること。

a 振興計画案の縦覧方法等は、第14の1に準じて行うこと

b 振興計画案の縦覧等は、市町村整備計画の策定・変更に係る案を策定する前に

了していること。

ウ 規則第4条の4第1項第27号ハ(定期的な検証)

振興計画に定めようとする施設について、地域の農業の振興との関連が希薄であ

る場合には、法第10条第4項の趣旨に合致しないと判断されることから、振興計画

が真に地域の農業の振興に寄与するものであり、当該農業振興地域の特性に応じた

総合的な農業の振興に必要なものであるか否かについて、定期的に検証することと

したものである。

このため、この検証は、次に掲げるところにより実施することが適当と考えられ

る。

a 検証の時期

検証は、振興計画に定められた施設が、当該振興計画に従って農用地区域から

除外され農用地等以外の土地とされた年の翌年以降、当該振興計画が定められた

日から起算して5年を経過する日までの間(当該振興計画に従って農用地区域か

ら除外され農用地等以外の土地とされたのが当該振興計画が定められた日から起

算して4年を経過する日以降である場合にあっては、その翌年まで 、毎年実施)

すること。

なお、eにより、当該振興計画に定める目標の達成が著しく不十分であると認

められる施設があり、当該目標の達成に向けて必要な措置を講じた場合において

は、その後おおむね5年間にわたって、毎年、達成状況を把握すること。

b 検証の方法

振興計画に定める当該農業振興地域の特性に応じた農業の振興の方針及び達成

すべき目標に沿って、当該振興計画に従って設置された施設が効用を発揮してい

るか否か及び当該目標を達成することができるか否かについて、検証するもので

あること。

c 客観性の確保

検証に当たっては、農業委員会、農業協同組合、土地改良区等の意見を聴くこ

と。

d 検証結果の公表

検証結果については、その取りまとめ後速やかに、その概要を市町村の広報等

により公表すること。

e 検証後講ずる措置

検証の結果、当該振興計画に定める目標の達成が著しく不十分であると認めら

れる施設がある場合には、当該目標の達成に向けて、例えば、農業従事者の雇用

を促進するための事業者との調整を図るなど必要な措置を講ずること。

f 検証結果の振興計画への反映

検証結果については、当該振興計画の変更又はその後の振興計画の策定等に際

してそれぞれ反映させること。

エ 規則第4条の4第1項第27号ニ(振興計画に定める施設の規模)

振興計画に定める施設の用に供される農用地区域内の土地を含む農用地区域に含

めるべき土地については、妥当な規模を超えないものであることとされているが、

第13(農業振興地域整備計画の基準)

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本計画が地域の農業の振興の観点から定めるものであることから、土地改良事業等

の工事完了後8年未経過の土地の受益地のほとんどを転用するものや当該地域の農

用地区域の相当部分を転用するものなど、施設の規模が大きく、当該開発により地

域の農業振興に重大な支障を及ぼすようなものなどについては、当然のことながら

施設の用に供する土地として定め得ないこと。

オ 規則第4条の4第1項第27号ホ(農用地等以外の用途に供することが必要かつ適

当であり、法第10条第3項各号に掲げる土地以外の土地をもって代えることが困難

であること)

法第10条第3項各号に掲げる土地を振興計画に定める施設の用に供することは、

周辺の農用地及び農用地とすることが適当な土地の営農環境を保全する観点から行

われるものであることから、法第13条第2項第1号と同様の要件を満たす必要があ

るとしているものである。

このため、本号の要件を満たすか否かについては、第16の2の(3)の①に留意し

て判断する必要があること。

なお、規則第4条の4第1項第26号の2の規定により振興条例計画が定められて

いる区域においては、振興計画を定めることは適当ではなく、情勢の変化に対応し

て、地域の農業の振興を図るためにやむを得ず当該区域において振興計画を定める

ことが必要と判断された場合であっても、農用地区域に含めるべき土地以外の土地

に加え非農用地予定区域においても代替すべき土地がないと認められる場合に限っ

て、当該振興計画に定められている施設の用に供される土地が農用地区域に含まれ

ない土地となること。

カ 規則第4条の4第1項第27号ヘ(周辺の土地の農業上の効率的かつ総合的な利用

に支障を及ぼすおそれがないこと)

振興計画に位置付けられた施設の用に供する土地が、農用地等及び農用地等とす

ることが適当な土地に含まれないものとして、市町村整備計画が変更された後にお

いて、当該施設の種類、位置、規模等からみて、周辺の農用地の農業上の効率的か

つ総合的な利用に支障が生じないよう、法第13条第2項第2号と同様の要件を満た

す必要があるとしているものである。

このため、本号の要件を満たすか否かについては、第16の2の(3)の②に留意し

て判断する必要があること。

キ 規則第4条の4第1項第27号ト(効率的かつ安定的な農業経営を営む者に対する

農用地の利用の集積に支障を及ぼすおそれがないこと)

本号の要件を満たすか否かについては、第16の2の(3)の③に留意して判断する

必要があること。

ク 規則第4条の4第1項第27号チ(土地改良施設の有する機能に支障を及ぼさない

こと)

本号の要件を満たすか否かについては、第16の2の(3)の④に留意して判断する

必要があること。

なお、本号の要件については、振興計画に位置付けられた個々の施設ごとに判断

されるべきものであり、その程度の大小にかかわらず支障の有無について明らかに

されるべきものであること。

ケ 規則第4条の4第1項第27号リ(面的整備事業の受益地の取扱い)

振興計画に位置付けられた施設の用に供することとした農用地区域内の土地が、

法第10条第3項第2号に掲げる土地のうち、規則第4条の3第1号ロからニまでの

いずれかに該当する事業の施行に係る区域内の土地を含む場合にあっては、これら

第13(農業振興地域整備計画の基準)

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の事業が、農用地としての土地の区画を整え併せて換地による効率的かつ安定的な

農業経営を営む者に対する農用地の利用集積を行い、又は新たに農業生産条件に優

れた農用地を創出するなど、農業生産の向上に加えて、農用地の集団化及び農作業

の効率化を目的として行われるものであり、一定期間その公共投資の効用を確保す

ることが必要不可欠であることから、これらの事業については、実施中又は工事が

完了後8年を経過していない受益地を含まないものであること。

コ 規則第4条の4第1項第27号ヌ(5年以内の整備見込み)

振興計画に定める施設については、当該振興計画の策定の日から5年を超えない

日までに施設整備の事業が開始される見込みがあることとされており、その整備の

実現性について十分検討すること。

また、振興計画策定後5年以内に新たな施設の追加等により計画内容を変更する

必要が生じた場合には、上記の趣旨から、当初の計画における地域の農業振興の方

向と十分整合がとれたものとすること。

なお、施設の追加等により計画内容が変更された場合であっても、規則第4条の

4第1号第27号ヌの「5年を超えない日」の起点は、当該振興計画の策定の日であ

ること。

サ 規則第4条の4第1項第27号ル(行政庁による処分見込み)

振興計画に定める施設については、整備するに際して行政庁による許認可等の処

分を必要とする場合には、これらの処分がされていること又はこれらの処分がされ

る見込みがあることとされていること。したがって、市町村は、振興計画に定める

施設を整備するに際して行政庁による許認可等の処分を必要とする場合には、振興

計画の策定に当たって、あらかじめ許認可等を行う行政庁と十分な時間的余裕をも

って調整し、書面によりその見込みを確認することが望ましいこと。

特に、農地法に規定する甲種農地又は第1種農地を含んで当該振興計画を策定す

る場合には、農地法施行令(昭和27年政令第445号)第10条第1項第2号への「地

域の農業の振興に関する地方公共団体の計画(土地の農業上の効率的な利用を図る

ための措置が講じられているものとして農林水産省令で定めるものに限る )に従。

つて行われる場合で農林水産省令で定める要件に該当するものであること 」に該。

当すると農地転用許可権者が判断する場合に限り、当該振興計画に定める施設が不

許可の例外として許可されることとなるので、あらかじめ農地転用許可権者との間

で調整を行うことが重要であること。

なお、農業振興地域のうち農用地区域以外の区域において定められる場合につい

ても、同様であること。

シ 規則第4条の4第1項第27号ヲ(土地改良事業等実施中の事業実施主体の同意)

振興計画に定める施設の用に供する土地に、法第10条第3項第2号の土地改良事

業等を実施中の地区が含められている場合には、当該事業の実施に支障が生じない

。 、よう事業実施主体とあらかじめ調整し同意を得ることが必要であること この場合

市町村は、土地改良区、都道府県土地改良事業担当部局及び地方農政局(北海道に

あっては農村振興局、沖縄県にあっては内閣府沖縄総合事務局。以下同じ )土地。

改良事業担当部局並びに独立行政法人水資源機構、国立研究開発法人森林総合研究

所等と十分な時間的余裕をもって調整し、書面により同意を確認することが適当で

あること。

なお、国や独立行政法人水資源機構等が実施する事業等、広範囲の区域において

実施している事業に係る調整に当たっては、迅速に調整する観点から、事業実施を

直接的に所管している事業所等とまず調整することが適当であること。

第13(農業振興地域整備計画の基準)

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ス 各要件の適用

規則第4条の4第1項第27号各号の要件は、農用地等及び農用地等とすることが

適当な土地に含まれない土地に該当するとして、農用地利用計画を変更しようとす

るときに満たしている必要があるものであること。

これは、振興計画として市町村が地域の農業の振興の観点から任意に作成する計

画が、規則に基づくすべての要件を満たすと判断された場合に限り、農用地区域に

含まれない土地とされるものであり、その適用は、地域の農業の振興との関係が明

確であり、かつ、すべての要件を満たすことが明確である場合に限られることに留

意すること。

また、特に、振興計画の案を縦覧に供し地域住民の意見を聴取することとしてい

、 、 、ることにかんがみ 振興計画の策定段階において 同号各号の要件を満たしている

若しくは満たすべき見込みがあることについて明確にされていることが望ましいこ

と。

なお、同号各号の要件については、例えば、振興計画に位置付けられた施設を設

置する者及び施設を設置する予定の土地の所有者の判断によるものではなく、振興

計画を定める市町村において各々判断されるべきものであること。

⑥ その他

ア 市町村長は、市町村整備計画を補完する振興計画の策定又は変更に当たっては、

市町村整備計画と同様に、第11の5の(7)の⑥により、関係部局間の連絡調整を円

滑に行うとともに、法令に定めるほか、関係農業団体、商工会議所、商工会その他

市町村の関係団体、自治会及び集落代表者等から必要に応じ幅広く意見を求めるこ

とにより、市町村整備計画を補完するに足る振興計画としての客観性・透明性の確

保に努めることが望ましい。

イ 振興計画を定める際には、市町村の農林担当部局と土木担当部局との間で、必要

な調整を図ることが望ましい。

ウ 振興計画の計画書の様式については、別紙「農業振興地域制度に関する参考様式

集」第8に地域の農業の振興に関する地方公共団体の計画(振興計画)参考様式を

示すので、参考とされたい。

(7) 市町村整備計画に定める施設(令第8条第4号、規則第4条の4第1項第28号及び第

2項)

市町村整備計画において定められる法第8条第2項第4号、第4号の2、第5号又は

( 。) 、第6号に掲げる事項に係る施設 法第3条第4号に規定する施設を除く については

次のことに留意すること。

① 農用地区域に含まれない土地

市町村が定める農業振興のための計画である市町村整備計画に基づき整備するこれ

ら施設の用に供する土地についても、振興条例計画及び振興計画と同様、農用地区域

に含まれない土地とするものであり、(6)の振興計画についての要件(同項第27号ホ

からチまで、ル及びヲ)と同様の要件(同項第28号イからへまで)のすべてを満たす

ものであること。

なお、市町村整備計画にこれらの施設を定めると同時に当該施設の用に供する土地

の区域を農用地区域から除外するものであること。

② 施設の定め方

市町村は、これらの施設の用に供される土地を法第10条第3項の農用地等及び農用

地等とすることが適当な土地に含まれないものとするときは、市町村整備計画におい

て当該施設の種類、位置及び規模が明らかになるように定めなければならないとされ

第13(農業振興地域整備計画の基準)

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ていること(規則第4条の4第2項 。)

③ 農用地区域以外の区域の施設

市町村整備計画において種類、位置及び規模が定められる施設が農業振興地域のう

ち農用地区域以外の区域で定められる場合についても、農用地区域で定められる場合

と同様、農地法施行令第10条第1項第2号へに基づく甲種農地又は第1種農地の不許

可の例外の適用を受けようとする場合には、市町村整備計画に当該施設を定めること

について農地転用許可権者と調整を図ることが重要と考えられること。

第14 法第11条関係(農業振興地域整備計画の案の縦覧等)

1 市町村整備計画の案の縦覧等(法第11条第1項)

(1) 市町村整備計画を策定し又は変更しようとする旨の公告

市町村整備計画を策定し又は変更しようとする旨の公告を行うに当たっては、次の事

項を明確に示すことが適当であると考えられる。

① 市町村整備計画の策定・変更を行う旨

② 市町村整備計画の案及び市町村整備計画を策定し又は変更しようとする理由を記載

した書面(以下「変更等理由書」という )を縦覧する旨。

③ 縦覧期間及び縦覧場所

④ 市町村整備計画の案に対して、市町村の住民が意見を提出することができる旨

⑤ 意見書の提出先、提出方法、提出期限、提出に当たっての注意事項

⑥ 提出された意見書について要旨を取りまとめ処理結果を公告する旨

⑦ 農用地利用計画の案について、農用地区域内の土地の所有者等が異議を申し出るこ

とができる旨

⑧ 異議の申出先、申出方法、申出期限、申出に当たっての注意事項

(2) 公告の場所・方法

公告の場所は、市町村の裁量に委ねられるが、広く周知する観点からも、市町村の支

所等における公告も併せて行うことが望ましい。

また、市町村の広報誌やインターネットの活用等多様な方法により、市町村整備計画

の策定・変更をしようとする旨を地域の住民や農業関係団体等が確実に知り得るように

することが望ましい。

(3) 市町村整備計画の案の縦覧

市町村整備計画を策定し又は変更しようとするときの市町村整備計画の案及び変更等

理由書の縦覧については、次の事項に留意すること。

① 縦覧期間

公告した日の翌日から起算しておおむね30日間の期間を定めて縦覧すること (な。

お、 終日が市町村の休日である場合はその翌日まで縦覧に供すること )。

② 縦覧場所

縦覧に供する市町村整備計画の案は、当該市町村の主たる事務所に常時備え付けて

おくこと。

③ 縦覧方法

市町村整備計画の変更の場合にあっては、市町村整備計画の案の全体を縦覧に供す

るとともに、新旧対照形式で縦覧するなど変更の内容を容易に確認することができる

ものとすること。また、図面等の補足資料が必要である場合には、市町村整備計画に

添えて縦覧すること。

2 市町村整備計画を策定し又は変更する理由を記載した書面に記載すべき事項(法第11条

第1項)

第13(農業振興地域整備計画の基準)~第14(農業振興地域整備計画の案の縦覧等)

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(1) 市町村整備計画の策定・変更理由

変更等理由書には、基本方針の変更、農業振興地域の区域の変更のほか、基礎調査の

結果による場合は、農業生産の動向と目標、農業生産基盤の現状、農用地等の保全及び

利用の状況、農業近代化施設整備の現状、農業就業者の育成・確保の現状等の分析を踏

まえて、当該農業振興地域の計画的かつ総合的な整備を図る観点から、農業生産基盤、

農業近代化施設、農業従事者の就業促進施設の整備等について変更の必要が生じたと判

断する具体的な理由を 経済事情の変動その他情勢の推移による場合は 第16の1の(1)、 、

の④の例示に準じ、情勢が推移したと判断する具体的な理由を記載すること。

(2) 農用地利用計画の策定・変更理由

① 農用地区域への編入

農用地区域へ編入する土地にあっては、編入する土地の所在、地番及び編入の理由

等を記載すること。

なお、編入の理由については、編入する土地が農用地区域の設定基準(法第10条第

3項各号)に該当することとなった理由を具体的に記載すること。

② 農用地区域からの除外

農用地区域から除外する土地にあっては、除外する土地の所在、地番及び除外の理

由等を記載すること。

なお、除外の理由については、除外する土地が農用地区域の設定基準(法第10条第

3項各号)に該当しない土地となった理由、農用地区域に含まれない土地(法第10条

第4項、令第8条各号、規則第4条の4第1項各号)となった理由又は農用地等以外

の用途に供することを目的として農用地区域から除外することを適当とした理由(法

第13条第2項各号の要件のすべてを満たすと判断した理由)を記載するとともに、根

拠となる法令の条項を記載すること。

③ 用途変更

農用地区域内において用途区分を変更する土地にあっては、変更する土地の所在、

地番及び変更の理由等を記載すること。

3 市町村整備計画の案への意見書の取扱い(法第11条第2項)

(1) 意見書の確認

市町村整備計画の案について市町村の住民から提出のあった意見書を確認するに当た

っては、次の事項に留意することが適当と考えられる。

① 確認すべき事項

市町村は、住民から提出された意見書について、次の事項について確認すること。

ア 意見を提出した者が市町村の住民であること。

イ 意見の提出が市町村整備計画の案の縦覧期間内に行われていること。

ウ 提出された意見の対象が市町村整備計画の案に係るものであること。

② その他

ア 市町村の住民とは、当該市町村の区域内に住所を有する者であると考えられるこ

とから、当該市町村内に事務所を有する法人も含まれると解されること。

イ 市町村の住民以外から提出された意見書、縦覧期間満了の日後に提出された意見

書は効力を有しないものとして取り扱って差し支えないと解されるが、これらの意

見書であっても市町村の自主的判断で参考とすることは差し支えないと解されるこ

と。

ウ 縦覧された市町村整備計画の案以外に対しては意見を提出することはできないと

解されるが、イと同様、市町村の自主的判断で参考とすることは差し支えないと解

されること。

第14(農業振興地域整備計画の案の縦覧等)

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(2) 意見書の要旨及び処理結果の公告(法第12条関係(農業振興地域整備計画の決定の公

告等 ))

、(1)の①のアからウまでの事項のすべてに該当することが確認された意見書について

その要旨及び処理結果を市町村整備計画を策定し又は変更した旨の公告と併せて公告す

るときは、一覧表に記載すること等により、その内容ごとに要旨、提出数及び処理結果

を明確に示すことが適当と考えられる。

4 農用地利用計画の案に対する異議の申出等(法第11条第3項から第9項まで)

(1) 農用地利用計画の決定の考え方

法第11条第3項又は第5項の規定により農用地区域の設定について異議の申出又は審

査の申立てがあった場合に、これを容認すべきかどうかは、それぞれ事例ごとに判断す

ることになるが、この場合、農用地利用計画の基準として法第10条第3項第5号におい

て規定されている「土地の農業上の利用を確保することが必要である」ものかどうかの

、 、 ( 、判断は 単にその土地のみに着目せず その周辺の土地との土地利用上の関連 例えば

その土地を農業上の利用に供しないことが周辺の農用地について効率的な農業生産基盤

の保全整備を行い又は農業機械を導入し、農作業の能率化を図る上で障害とならないか

どうか等)を十分考慮してすることが適当と考えられる。

なお、用途区分についての異議の申出又は審査の申立てについても、農業生産基盤の

保全、整備及び開発を計画的に推進することを基本として処理することが適当と考えら

れる。

(2) 異議の申出の処理

農用地利用計画の案に対する異議の申出に当たっては、次の事項に留意することが適

当と考えられる。

① 異議の申出

ア 異議の申出ができる者

法第11条第3項の規定に基づき異議の申出ができる者は、法第11条第1項の規定

により縦覧に供された市町村整備計画のうち、農用地利用計画の案において農用地

区域としている区域内の土地の所有者であるか又はその土地に関し法律上保護され

る権原、例えば地上権、永小作権、質権、使用貸借による権利、賃借権、抵当権、

鉱業権等を有している者(以下「所有者等」という )であると解されること。し。

たがって、例えば法第11条第1項の規定により縦覧に供された農用地利用計画の案

において農用地区域としている区域内の土地について事実上耕作又は養畜の業務を

営んでいるにすぎない者は、同一世帯に属する他の者が当該土地の所有者等であっ

ても異議の申出をすることができないと解されること。

また、農用地利用計画の変更により変更前の農用地利用計画における農用地区域

から除外されることとなる土地の所有者等は、当該農用地利用計画の変更案に対し

て異議の申出をすることができないと解されること。

なお、計画変更が、農用地区域の一部の区域を除外することのみを内容とするも

のであっても法第11条第1項の規定による市町村整備計画の決定手続を省略するこ

とはできないと解されること。

イ 異議申出の内容

異議の申出は、農用地利用計画の案の内容全般について行うことができると解さ

れること。したがって、例えば法第11条第1項の規定により縦覧に供された農用地

利用計画の案において農用地区域としている区域内の土地の所有者等は、その異議

の申出に係る土地が当該区域内にあるかどうか、又はその異議の申出に係る土地の

第14(農業振興地域整備計画の案の縦覧等)

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所有者等であるかどうかにかかわらず、その異議の申出に係る土地がその区域に含

められるか否かについて利害関係を有する場合には、異議の申出ができると解され

ること。

ウ 異議申出の方式

異議の申出は、次の事項を記載した書面に異議申出人が押印して行うこと。この

場合、異議申出人が法人その他の社団若しくは財団であるとき、総代を互選したと

、 、 、 、き 又は代理人によって異議申出をするときは 異議申出書には 次の事項のほか

その代表者若しくは管理人、総代又は代理人の氏名及び住所又は居所を記載するこ

と(行政不服審査法(平成26年法律第68号。以下「審査法」という )第61条にお。

いて準用する同法第19条第1項4項 。)

また 異議の申出は 行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律 平、 、 (

成14年法律第151号)第3条第1項に規定する電子情報処理組織を使用して行うこ

とができること。

、 、 、なお 代表者若しくは管理人 総代又は代理人をして異議の申出をするときには

その資格を証明する書面を異議申出書に添付すること(行政不服審査法施行令(平

成27年政令第391号。以下「審査法施行令」という )第3条 。。 )

a 異議申出人の氏名又は名称及び住所又は居所

b 異議申出に係る農用地利用計画の案

c 異議申出人が農用地利用計画の案に係る農用地区域内の土地について有する所

有権その他の権利の種類及びその土地の所在並びにその土地について異議申出人

以外の者が有する所有権、その他の権利の種類及びその者の氏名又は名称又は居

d 異議申出に係る農用地利用計画の案の縦覧があったことを知った年月日

e 異議申出の趣旨及び理由

f 市町村の異議申出ができる旨の教示の有無及びその内容

g 異議申出の年月日

エ 異議申出の期間

異議の申出は、農用地利用計画の案の縦覧期間満了の日の翌日から起算して15日

以内にしなければならないが、正当な理由があるときはこの限りではないとされて

いること(法第11条第3項及び審査法第61条において準用する同法第18条第1項た

だし書 。)

オ 補正

不適法な異議申出に対しては、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべ

きことを命じること(審査法第61条において準用する同法第23条 。)

② 異議申出の取下げ

異議の申出は、その異議の申出に対する決定があるまでの間は、いつでも取り下げ

ることができるが、この取下げは書面によること(審査法第61条において準用する同

法第27条 。)

③ 異議申出の決定

ア 決定の時期

市町村は、異議の申出を受けたときは、農用地利用計画の案の縦覧期間満了後60

日以内に決定しなければならないが(法第11条第4項 、この決定は、土地利用の)

総合的調整の観点から、すべての異議の申出を受けた後に行うこと。

イ 参加人

a 市町村は、異議申出人がその異議の申出に係る土地の所有者であってその土地

第14(農業振興地域整備計画の案の縦覧等)

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について所有権以外の権利を有する者があるときはその権利を有する者に対し

て、異議申出人がその異議申出に係る土地について所有権以外の権利を有する者

であるときはその土地の所有者に対して、異議申出人がその異議の申出に係る土

地の所有者等でないときはその異議の申出に係る土地の所有者等に対して、当該

異議申出に参加するかどうかを確認すること。

b 市町村は、必要があると認める場合には、利害関係人に対し、参加人として異

議の申出に参加することを求めることができること(審査法第61条において準用

する同法第13条 。)

ウ 審理の方法

a 市町村は、審理を書面で行うこととするが、異議申出人又は参加人から申出が

あった場合には、その申出人に口頭で意見を述べさせること。この場合、市町村

は、期日及び場所を指定し、全ての審理関係人を招集するものとする(審査法第

61条において準用する同法第31条 。)

また、市町村は、必要があると認めるときは、その職員に異議申出人又は参加

人の意見の陳述を聴かせることができること(審査法第61条において準用する同

法第9条第4項 。)

b 市町村は、必要に応じ手続の併合又は分離を行うことができること(審査法第

61条において準用する同法第39条 。)

エ 異議申出に対する決定

市町村は、異議の申出に対する決定を、次により主文及び理由から構成される決

定書によって市町村の長が押印して行うこと。市町村は、この決定に際して、決定

に対して不服がある異議申出人は、決定があった日の翌日から起算して30日以内に

都道府県知事に対し審査の申立てができる旨をその決定書に記載して、このことを

教示すること(法第11条第5項並びに審査法第61条において準用する同法第50条及

び第60条第2項 。)

a 市町村は、相当な期間を定め、その期間内に異議申出書の不備を補正すべきこ

とを命じた場合において、異議申立人が当該期間内に不備を補正しないときは、

審理手続を経ないで、決定で、異議申出を却下することができる(審査法第61条

において準用する同法第23条及び第24条第1項 。)

b 異議の申出が(2)の①のアの異議の申出ができる者以外の者からの申出である

とき、農用地利用計画の案以外のことに対する異議の申出であるとき、(2)の①

のエの異議の申出の期間経過後の異議申出であるとき等不適法であるときは、そ

の異議申出を却下すること。

c 異議の申出が理由がないときは、これを棄却すること。

d 異議の申出に理由があると認めるときは、縦覧に係る農用地利用計画の案の全

部又は一部を修正すること。

なお、市町村は、dを内容とする決定をした場合には、農用地利用計画の案の

修正を異議申出人に不利益にならないように行うとともに、修正後の農用地利用

計画の案を法第11条の規定に基づき再度公告し、縦覧に供すること。

オ 決定の効力発生

決定は異議申出人に送達された時に効力が発生するので、市町村は、決定書の謄

本を確実に異議申出人に送達すること(郵送する場合は「配達証明」による )と。

し、相手方の住所が知れないときは、公示の方法によって行うこと(審査法第61条

において準用する同法第51条 。)

(3) 審査の申立ての処理

第14(農業振興地域整備計画の案の縦覧等)

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農用地利用計画の案への異議の申出に係る市町村の決定に対する審査の申立ての処理

に当たっては、次の事項に留意することが適当と考えられる。

① 審査の申立て

市町村の決定に対して不服がある異議申出人は、その決定があった日の翌日から起

算して30日以内にその者が押印した書面正副2通を提出して都道府県知事に対し審査

を申し立てること。この場合、審査の申立ては市町村を通じて行うことができ、市町

村へ審査申立書の提出があったときは、市町村は、直ちに当該申立書を都道府県知事

に送付すること(審査法第21条 。)

また、審査の申立ては、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律第

3条第1項に規定する電子情報処理組織を使用して行うことができること。

② 異議申出を経ない審査の申立て

市町村に対する異議の申出を経ないで行う都道府県知事に対する審査の申立ては、

原則として認められないが、審査法第5条第2項各号に該当する場合はこの限りでは

ないこと。

③ 審理手続を経ない裁決

都道府県知事は、相当な期間を定め、その期間内に審査申立書の不備を補正すべき

ことを命じた場合において、審査申立人が当該期間内に不備を補正しないときは、審

、 、 ( )。理手続を経ないで 裁決で 審査申立てを却下することができること 審査法第24条

また、審査申立てが、①の審査申立て期間経過後になされたものであるとき、その

、 ( )。他不適法であるときは 裁決によりその審査申立てを却下すること 審査法第45条

④ 審理員の指名

都道府県知事は、その所属する職員のうちから審理手続を行う者(以下「審理員」

という )を指名し、その旨を審査申立人及び市町村に通知すること(審査法第9条。

第1項 。)

なお、審理員は、審査法第9条第2項各号に該当する者は指名できないこととなっ

ているが、特に、同項第1号に該当する者として、当該審査申立ての処分に関与した

都道府県農振担当部局担当者、当該事務を直接又は間接的に指揮監督する者等が該当

すること。

⑤ 弁明書、反論書及び意見書の提出

審理員は、都道府県知事から指名されたときは、直ちに、審査申立書の副本を市町

村に送付し、相当の期間を定めて弁明書(正本並びに当該弁明書を送付すべき審査申

立人及び参加人の数に相当する通数の副本)の提出を求めること。審理員は、市町村

から弁明書の提出があったときは、反論書又は意見書を提出すべき相当の期間を定め

てその副本を審査申立人又は参加人に送付すること。この場合、その定められた期間

内に、審査申立人は反論書を、参加人は意見書をそれぞれ提出することができること

(審査法第29条及び第30条、審査法施行令第6条 。)

⑥ 審査申立ての裁決

ア 審理の方法等

(2)の②並びに③のイ及びウは、審査の申立てについても同様であること。

審理員は、審査申立人若しくは参加人の申立てにより又は職権で次の事項を行う

ことができること。

a 書類その他の物件の所持人に対して、相当な期間を定めて、その物件の提出を

求めることができること(審査法第33条 。)

b 適当と認める者に、参考人としてその知っている事実の陳述又は鑑定を求める

ことができること(審査法第34条 。)

第14(農業振興地域整備計画の案の縦覧等)

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c 必要な場所につき、検証することができること。なお、審理員は、審査申立人

又は参加人の申立てにより検証をしようとするときは、あらかじめ、その日時及

び場所を当該申立てをした者に通知し、これに立ち会う機会を付与しなければな

らない(審査法第35条 。)

d 審査申立てに係る事件に関し、審査申立人、参加人及び市町村(以下「審理関

係人」という )に質問できること(審査法第28条及び第36条 。。 )

イ 審理手続の終結等

審理員は、審理手続を終結したときは、遅滞なく、都道府県知事がすべき裁決に

関する意見書(以下「審理員意見書」という )を作成し、事件記録とともに都道。

府県知事に提出しなければならない(審査法第42条 。)

ウ 裁決期間及び裁決

都道府県知事は、審理員から審理員意見書が提出されたときは、遅滞なく裁決を

しなければならないとされており、審査の申立てに対する裁決を審査申立てを受理

した日の翌日から起算して60日以内に、主文、事案の概要、審理関係人の主張の趣

旨及び理由から構成される裁決書に都道府県知事が押印して行うとともに、審理員

意見書を添付すること(法第11条第6項、審査法第44条及び第50条 。)

都道府県知事は、裁決書の謄本を審査申立人に送達するほかその謄本を参加人及

び市町村に送付すること(審査法第51条 。)

なお、裁決書の記載事項のうち、その内容が審理員意見書の記載内容(主文を除

く )と同一である事項については、審理員意見書に記載のとおりである旨を記載。

して差し支えないこと。

また、審理員意見書と異なる内容の主文で裁決する場合には、判断過程の透明性

の確保及び審理関係人への説明の観点から、異なることとなった理由を記載するこ

と。

都道府県知事は、審査申立てに理由がないと認めたときは、裁決によりその審査

申立てを棄却することとし、理由があると認めたときは、裁決により市町村の決定

の全部又は一部を取り消すこと。

エ 審査申立ての認容の取扱い

市町村は、ウの裁決により市町村の決定の全部又は一部が取り消された場合は、

その裁決の内容に従って農用地利用計画の案を修正し、その修正後の農用地利用計

画の案を法第11条の規定に基づき再度公告し、縦覧に供すること。

(4) その他留意事項

① 標準的な審理期間の設定

市町村又は都道府県は、異議申出書又は審査申立書がその事務所に到達してから当

該異議申出に対する決定又は当該審査申立てに対する裁決をするまでに通常要すべき

標準的な期間を定めるよう努めること。なお、標準的な期間を定めたときには、市町

村又は都道府県の事務所における備付けその他の適当な方法により公にしておくこと

(審査法第16条(同法第61条において準用する場合を含む 。))

② 審理員(名簿)

都道府県は、審理員となるべき者の名簿を作成するよう努めること。なお、審理員

となるべき者の名簿を作成したときは、都道府県の事務所における備付けその他適当

な方法により公にしておくこと(審査法第17条 。)

③ 異議申出又は審査申立ての期間

郵便又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成14年法律第99号)第2条

第6項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第9項に規定する特定信書便事業者

第14(農業振興地域整備計画の案の縦覧等)

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による同条第2項に規定する信書便により異議の申出又は審査の申立てをしたときに

は、その送付期間は異議申出又は審査申立ての期間に算入しないこと(審査法第18条

第3項(同法第61条において準用する場合を含む 。))

④ 異議申出書又は審査申立書の補正

市町村又は都道府県が異議申出書又は審査申立書の不備の補正を命じる場合の「相

当の期間」とは、補正箇所を補正するために社会通念上必要とされる期間をいう。し

たがって、指定された期間が社会通念に照らして不十分な期間であれば、当該指定は

不適法と解されること(審査法第23条(同法第61条において準用する場合を含む 。))

⑤ 提出書類等の閲覧等

審査申立人又は参加人は、審理手続が終結するまでの間、審理員に対し、市町村等

から審理員に提出された書類その他の物件等の閲覧又は当該書面若しくは当該書類の

写し等の交付を求めることができること(審査法第38条 。)

第15 法第12条の2関係(農業振興地域整備計画に関する基礎調査)

1 基礎調査の方法

法第12条の2第1項に基づく基礎調査については、次の内容を参考に行うことが望まし

い。

(1) 基礎資料収集

政府又は地方公共団体が行う調査結果による資料のほか、農業委員会、土地改良区、

、 、 、普及指導センター 森林組合 商工団体又は試験研究機関等の有する各種資料を収集し

必要に応じ現地調査等を実施して各種基礎資料を整備すること。

なお、各種基礎資料の整備に当たっては、別紙「農業振興地域制度に関する参考様式

集」第4に示す市町村農業振興地域整備計画基礎調査に関する基礎資料を参考とされた

い。

(2) 整備計画策定調査

① 市町村整備計画の構想

整備された基礎資料を基に都道府県知事が定める基本方針、当該地域に係る各種の

地域開発計画及び農業振興計画、当該市町村の建設に関する基本構想等を勘案して一

応の構想をまとめ、意向調査等による地域農林業者の意見を聴き、農業振興の方向及

び市町村整備計画の構想を定めること。

② 構想に基づく調査

この構想に基づいて、市町村整備計画を策定するための具体的な調査項目及び調査

方法等を定め、基礎資料の準備に応じて必要な調査を実施すること。

③ 意向調査

意向調査は、調査の各段階において必要な調査項目を定め、集落座談会又はアンケ

ート調査方式等により実施すること。

2 市町村整備計画の管理等

市町村整備計画は、農業の振興を図るべき地域において、土地の農業上の有効利用と農

業の近代化のための施策を計画的に推進することを目的として策定しているものであり、

需要の動向に即応した農産物の安定的な供給と効率的かつ安定的な農業経営の育成を実現

するためには、市町村整備計画の達成を図ることが肝要と考えられる。

このためには、市町村整備計画で定められた内容を保全し及びその計画的実施を推進す

るとともに、市町村整備計画をその策定後の情勢の変化に対応した適切な計画として確保

する必要があることから、基礎調査に加え、次に示すとおりこれに必要な市町村整備計画

の管理を実施することが望ましい。

第14(農業振興地域整備計画の案の縦覧等)

~第15(農業振興地域整備計画に関する基礎調査)

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(1) 市町村整備計画の管理

市町村は、農用地利用計画に基づいた農用地区域内にある土地の農業上の計画的な利

用を図るとともに、農業生産基盤の整備開発計画、農用地等の保全計画、農業経営の規

模の拡大及び農用地等の農業上の効率的かつ総合的な利用の促進計画、農業近代化施設

の整備計画、農業を担うべき者の育成・確保施設の整備計画、農業従事者の安定的な就

業の促進計画並びに生活環境施設の整備計画に基づいた各種農業施策の計画的な実施を

図り、もって市町村整備計画の達成を期するため、次の事項を内容とする市町村整備計

画の管理を実施すること。

① 市町村整備計画の達成状況の把握

市町村は、農業協同組合、土地改良区、農業委員会、学識経験者等の協力を得て、

定期的に農用地区域内にある土地の利用実態、その利用に関する農業者の意向等を調

査するとともに、農業振興地域における補助融資等の農業施策の実施状況を調査し、

市町村整備計画の達成状況を把握すること。

② 土地利用に関する措置

市町村長は、①による調査の結果、市町村整備計画の達成のため必要があると認め

るときは、法第14条の規定による土地利用についての勧告を行うなど法第5章の規定

による土地利用に関する措置等の活用を図ること。

(2) 普及啓発活動

市町村は、農用地区域内にある土地が農用地利用計画において指定された用途に供さ

れるようあらゆる機会を通じ積極的な普及啓発活動を行うこと。

また、都道府県は、市町村整備計画の管理の適正な実施に資するため、市町村職員を

対象として市町村整備計画の管理の考え方、方法等についての研修会等を開催し、その

趣旨の徹底を図るとともに、市町村整備計画の管理の適正な実施の観点から必要な事項

について助言すること。

(3) 農業関係施策等の審査

都道府県は、農業関係施策の実施のための計画の審査等に当たっては、市町村整備計

画との整合性を確保するものとし、市町村整備計画の達成が図られるよう努めること。

また、国の補助融資等の事業については 「農業振興地域の整備の推進について」に、

基づき、農業振興地域の整備の推進を図ることに留意すること。

第16 法第13条関係(農業振興地域整備計画の変更)

農業振興地域整備計画の変更に当たっては、第11及び第12によるほか、次によることが適

当と考えられる。

1 市町村整備計画の変更事由(法第13条第1項)

市町村整備計画の変更を行うに当たっては、次の事項に留意することが適当と考えられ

る。

(1) 変更事由

市町村整備計画の変更は、法第13条第1項に基づき、次の事由により必要が生じたと

きに行うものと考えられること。

なお、市町村は、市町村整備計画の変更を行う必要が生じた事由を具体的かつ明確に

して示し、当該市町村の関係機関や団体、農業者及び住民に対して、広く知らしめるこ

とが望ましい。

① 基本方針の変更

ア 指定予定地域の変更

指定予定地域が縮小される場合には、農用地区域の該当部分は、農用地区域から

第15(農業振興地域整備計画に関する基礎調査)

~第16(農業振興地域整備計画の変更)

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除外するため農用地利用計画を変更すること。なお、指定予定地域が拡大された場

合には、必要な部分につき拡大のための変更をすること。また、これらの場合、指

定予定地域の変更に伴い農用地利用計画以外の部分につき変更の必要が生じたとき

は、その部分の計画についても変更すること。

イ ア以外の部分の変更

、 、ア以外の部分の変更に伴い 市町村整備計画の変更を必要とするか否かを検討し

必要に応じて所要の変更をすること。

② 農業振興地域の区域の変更

農業振興地域の区域が縮小される場合には、農用地利用計画の該当部分は、農用地

区域から除外するため農用地利用計画を変更すること。また、農業振興地域が拡大さ

れた場合には、必要に応じ農用地利用計画を変更すること。

③ 基礎調査(法第12条の2第1項)の結果

法第12条の2第1項の規定による基礎調査の実施により、当該農業振興地域の実態

を総合的に把握し、情勢の変化に対応した適切な計画として確保するため、市町村整

備計画の再検討を行うこととなるが、市町村整備計画の変更をしなければならない場

合としては、次の場合が考えられること。

ア 農用地利用計画の変更

農用地利用計画の変更として、集団的農用地としての要件を欠くこととなった農

地の農用地区域からの除外や新たに農業生産基盤整備事業の実施が予定されている

土地の農用地区域への編入など、法第10条第3項及び第4項に規定する農用地区域

の基準に照らして、その区域を変更する必要がある場合

イ 農用地利用計画以外の事項の変更

農用地利用計画以外の事項の変更として、農業生産基盤、農業近代化施設、農業

を担うべき者の育成・確保施設、就業促進施設、生活環境施設等について、農用地

利用計画との整合性を図るとともに、総合的かつ計画的な整備を確保する観点から

変更する必要がある場合

また、市町村は、農用地利用計画を変更する場合は、次の事項に留意すること。

a 農用地区域への編入

農業振興地域のうち農用地区域以外の区域内の土地については、当該土地の農

用地としての優良性、農用地としての整備の可能性等を検討するものとし、農用

、 。地区域に含めることが相当なものについては 積極的に農用地区域に含めること

また、法第10条第3項各号に該当する土地について、農用地等以外の目的に供

することを相当として農用地区域に含めていない場合で、基礎調査により当該目

、 。的に供しないことが明らかとなった場合には 速やかに農用地区域に含めること

b 農用地区域からの除外

農業上の利用に供する目的で農用地区域に含められている山林原野について

は、農業生産基盤整備事業の実施等により農業上の土地利用を進める具体的な見

通しがないものは、農用地区域から除外すること。

さらに、農業経営の規模の拡大及び農用地等の農業上の効率的かつ総合的な利

用の促進計画については、農地中間管理事業の推進に関する法律(平成25年法律

第101号)第2条第3項に規定する農地中間管理事業等の活用に十分配慮するこ

と。

④ 経済事情の変動その他情勢の推移

、 、いずれの場合がこれに該当するかは 具体的事例に即して判断されることとなるが

「経済事情の変動その他情勢の推移」としては、例えば、現に農用地区域に設定され

第16(農業振興地域整備計画の変更)

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ている土地が法第10条第4項の規定に該当することとなった場合のほか、農産物の需

給事情の変化、農業技術の進展等に応じた生産方式の変更、当該市町村における工業

化、鉄道、軌道の乗降場、高速自動車国道等のインターチェンジの設置等による都市

化の進展、都道府県整備計画の策定又は変更などが考えられること。

また、既に山林原野化し、農地法第2条第1項に規定する「農地」に該当しないと

判断された農用地区域内の土地については、③の基礎調査を行わなくても「経済事情

の変動その他情勢の推移」により農用地区域からの除外も可能であること。

なお、法第10条第3項各号に該当する土地について、農用地等以外の目的に供する

ことを相当として農用地区域に含めていない場合で、経済事情の変動その他情勢の推

移により当該目的に供しないことが明らかとなった場合には、速やかに農用地区域に

含めること。

(2) 都道府県知事との協議

① 市町村整備計画を変更しようとする市町村は、都道府県知事に対する整備計画変更

の協議を行うに当たって、市町村整備計画の変更理由及び変更計画の概要を内容とす

る市町村整備計画変更理由書を作成するとともに、上記(1)の③の基礎調査の結果に

より市町村整備計画の再検討を行うものである場合には、第11の1の(6)に準じた資

料を添付すること。

② 都道府県知事は、市町村整備計画の変更に伴う法第8条第4項の同意を行うか否か

の判断に当たっては、基本方針における「確保すべき農用地等の面積の目標」の確保

のみを前提として、都市計画法第7条第1項の市街化区域及び市街化調整区域の区域

区分に関する都市計画や法第13条第2項等による非農業的な土地利用の需要に対応し

た農用地区域内の土地の同区域からの除外のための市町村整備計画の変更を抑制する

のではなく、法第8条第2項第2号から第6号までに掲げる事項も含めて、変更後の

市町村整備計画全体に基づく今後の農用地等の確保の見通しを十分に確認した上で、

市町村整備計画と基本方針とが整合するように調整することが適当と考えられる。

2 農用地利用計画の変更

市町村整備計画のうち農用地利用計画の変更を行うに当たっては、次の事項に留意する

ことが適当と考えられる。

(1) 法第10条第3項に関係する変更

① 法第10条第3項各号の要件を満たす農用地等

ア 法第10条第3項各号に掲げる要件を満たすと判断される土地については、速やか

に、農用地区域として設定するための市町村整備計画の変更をしなければならない

こと。

なお、速やかに農用地区域として設定することが困難な場合であっても、農用地

区域として設定するための取組を積極的かつ継続的に行うこと。

イ 法第10条第3項各号に掲げる農用地等及び農用地等とすることが適当な土地の要

件を満たさないこととなった場合としては、集団的に存在する農用地の規模が10ヘ

クタールを下回った場合(第1号関係 、土地改良事業等を実施中であったが計画)

変更により当該事業の施行に係る区域でなくなった場合(第2号関係 、集団的に)

存在する農用地や土地改良事業等の施行に係る区域内にある土地の保全又は利用上

必要な施設の用に供されてきた土地が当該施設の廃止、縮小等によりその用に供さ

れないこととなった場合(第3号関係 、農業用施設用地の規模が2ヘクタールを)

下回った場合(第4号関係)などが想定されること。

ただし、このような場合に直ちに当該土地が農用地区域から除外されることとな

ると、当該農用地区域内の土地において営農活動を行っていた農業者が農業振興施

第16(農業振興地域整備計画の変更)

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策を受けられなくなる等の不利益を被るおそれがあることから、直ちに農用地区域

から除外する必要があるかどうかは、市町村の判断によるものであること。

ウ 「 農地法の運用について」の制定について」(平成21年12月11日付け21経営第「

4530号・21農振第1598号農林水産省経営局長・農村振興局長通知。以下「農地法の

運用」という )第4の(2)に基づき、農地法第2条第1項に規定する「農地」に該。

当しないと判断された農用地区域内の土地が直ちに農用地区域から除外されること

となると、周辺の土地において営農活動を行っている農業者が不利益を被るだけで

なく、農業振興施策を効率的に実施することができなくなるおそれがある。

このため、農地法の運用において「農地」に該当しないと判断された土地につい

ては、次のいずれにも該当する場合を除き農用地区域から除外せず、法第10条第3

項に規定する「農用地等とすることが適当な土地」に該当するものとして、農用地

区域に残置しておくことが適当であること。

a 農業振興地域整備計画の達成のための一体的な土地利用に支障を及ぼすおそれ

がない土地

b 当該土地を除外(除外後の開発行為を含む )しても、周辺の農業生産に悪影。

響を及ぼすおそれがない土地(具体的には以下の(a)及び(b)のいずれにも該当す

る土地)

(a) 周辺の農業用用排水施設等土地改良施設の有する機能に支障を及ぼすおそれ

がない土地

(b) 周辺の農用地等において、土砂の流出・崩壊等の災害を発生させるおそれが

ない土地

② 法第10条第3項第4号としての農用地区域

農業用施設用地として農用地区域に含めるべき土地は、あらかじめ農用地区域に編

入することが望ましいが、工事の時期等の関係から緊急を要する場合には、農業用施

設を整備中又は整備後に、農用地区域に編入することも可能であること。

③ 法第10条第3項第5号としての農用地区域

①の場合であっても、市町村の判断により「当該農業振興地域における地域の特性

に即した農業の振興を図るためその土地の農業上の利用を確保することが必要である

と認められる土地 (第5号関係)として引き続き農用地区域とできること。」

④ 開発行為の許可が不要な施設

法第15条の2第1項の規定による同項に規定する開発行為の許可が不要(規則第37

条)であり、農地転用許可も不要なものについては、農用地区域を変更せずに施設を

整備することも可能であり、この場合には、施設を整備中又は整備後に、農用地等及

び農用地等とすることが適当な土地でなくなったとして農用地区域を変更すること。

(2) 法第10条第4項に関係する変更

① 法第10条第4項の土地

法第10条第4項の農用地等及び農用地等とすることが適当な土地に含まれない土地

は、農用地区域としない土地とするものであり、農業的土地利用との調整が既に行わ

れているもののほか、農業的土地利用に供しない公益性の特に高い事業に係る施設の

用に供される土地に限定されているものであること。

② 法第10条第4項の土地に該当する場合の農用地利用計画変更

法第10条第4項の農用地等及び農用地等とすることが適当な土地に含まれない土地

に該当することとなった場合には、法第13条第2項の適用はなく、同条第1項の規定

に基づき、遅滞なく農用地区域を変更すること。なお、基礎調査の結果を受けて行う

市町村整備計画の全体的な見直しと時期的に重なる場合には、見直しに伴う変更と同

第16(農業振興地域整備計画の変更)

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時に変更して差し支えないこと。

(3) 法第13条第2項に関係する変更

法第13条第2項の「農用地等以外の用途に供することを目的として農用地区域内の土

地を農用地区域から除外するために行う農用地区域の変更」は、同項各号に掲げる要件

のすべてを満たす場合に限り農用地区域からの除外ができることとされているが、国土

資源の合理的な利用の見地から都市化の進展等の経済事情の変動等により当該農用地区

域内の土地を農用地等以外の用途に供することが必要となる場合に農用地区域からの除

外を認めるものであり、農用地区域内の土地の確保及び農業振興施策の推進等に著しい

支障を及ぼすことのないようにするとの観点から、次の事項に留意すること。

なお、各要件の判断に当たっては、当該土地を農用地等以外の用途に供することを前

提とするのではなく、農用地区域内の土地の農業上の利用が確保されることによる市町

村整備計画の達成に資するように判断することは当然である。

① 当該農業振興地域における農用地区域以外の区域内の土地利用の状況からみて、当

該変更に係る土地を農用地等以外の用途に供することが必要かつ適当であつて、農用

地区域以外の区域内の土地をもつて代えることが困難であると認められること(第1

号関係)

「 」 、ア 農用地等以外の用途に供することが必要かつ適当 であるかどうかについては

農用地等以外の用途の中で、いかなる用途に供することが当該地域にとって必要か

、 、つ適当かを積極的に判断するものではなく 当該用途の通常の利用形態にかんがみ

当該土地が必要であるのか、あるいはその規模が適当であるのかのみを判断するも

のであること(法第13条第2項柱書の「農用地等以外の用途に供することを目的と

して」についても同様の趣旨であること 。具体的には、地域の土地利用の状況。)

等を勘案して、当該土地を農用地等以外の用途に利用することについて、具体的な

転用計画等があり、不要不急の用途に供するために農用地区域から除外するもので

はないことや、当該農用地等以外の用途に供するために通常必要とされる面積等か

らみて農用地区域からの除外が過大なものではないこと等から判断されるものであ

ること。

イ 「農用地区域以外の区域内の土地をもつて代えることが困難」であるかどうかに

ついては、例えば、

a 農用地区域外の土地に家屋の新築が可能な土地があるにもかかわらず、家屋の

新築のために農用地区域からの除外を行う場合

b 農用地区域外の土地を併せて利用可能であるにもかかわらず、宅地全体を農用

地区域内の土地で対応する場合

などについては、本号の要件を満たさないものとして考えられること。

なお、土地所有者の了承を得ていることや土地価格が安価であることを理由とし

て、農用地区域外の土地をもって代えることが困難とすることは適当ではないと考

えられること。

② 当該変更により、農用地区域内における農用地の集団化、農作業の効率化その他土

地の農業上の効率的かつ総合的な利用に支障を及ぼすおそれがないと認められること

(第2号関係)

農用地区域以外の土地をもって代えることが困難であり、やむを得ず農用地区域内

の土地で対応する場合であっても、当該土地が除外された後において、農用地区域内

の土地の農業上の効率的かつ総合的な土地利用に支障を及ぼすおそれがないと判断さ

れる土地を除外するものであることが必要であり、例えば、

ア 集団的農用地の中央部に他用途の土地が介在することにより、高性能機械による

第16(農業振興地域整備計画の変更)

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営農や効果的な病害虫防除等に支障が生じる場合

イ 小規模の開発行為がまとまりなく行われることにより、農業生産基盤整備事業や

農地流動化施策への支障が生じる場合

などについては、本号の要件を満たさないものとして考えられること。

また、土地改良事業等の施行に係る区域内の土地等農用地の集団化、農作業の効率

化等に適していると考えられる土地を農用地区域から除外する場合は、地域の農業を

担うべき者への農用地の利用集積等構造政策の推進に支障を及ぼすおそれがないか十

分に検討する必要があること。

③ 当該変更により、農用地区域内における効率的かつ安定的な農業経営を営む者に対

( )する農用地の利用の集積に支障を及ぼすおそれがないと認められること 第3号関係

ア 効率的かつ安定的な農業経営を営む者については、

a 農業経営基盤強化促進法第12条第1項の規定により農業経営改善計画の認定を

受けた者(認定農業者)又は同法第23条第4項に規定する特定農業法人若しくは

特定農業団体

b 農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律(平成18年

法律第88号)第2条第2項に規定する対象農業者であってaに該当する者以外の

者(水田・畑作経営所得安定対策実施要領(平成20年2月20日付け19経営第6631

号農林水産省経営局長通知)第3の1及び第3の2の要件を満たす経営体)

c a及びbに掲げるもののほか、農業委員会や農業協同組合等の意見を聴いて、

効率的かつ安定的な農業経営及びこれを目指して経営改善に取り組む者として市

町村が認める者(例えば、認定農業者となることが確実と認められる者等)

が該当するものと解される。

イ ①及び②の要件を満たす場合であっても、効率的かつ安定的な農業経営を営む者

が現に利用の集積をし、又は利用の集積をすることが確実と見込まれる農用地につ

いては、効率的かつ安定的な農業経営を営む者による安定的な農業経営を確保する

ことが必要であり、当該土地を農用地区域から除外することにより、例えば、

a 経営規模の大幅な縮小により、認定を受けた農業経営改善計画を達成すること

ができなくなるなど効率的かつ安定的な農業経営を営む者が目指す安定的な農業

経営に支障が生ずる場合

b 効率的かつ安定的な農業経営を営む者の経営する一団の農用地の集団化が損な

われる場合

等は、農用地の利用の集積に支障を及ぼすものと考えられること。

また、本要件を判断するに当たっては、農業経営基盤強化促進法第18条第1項に

基づき作成された農用地利用集積計画又は農業委員会が行う農用地のあっせん等に

関する資料等の客観的な資料に基づくことが適当と考えられる。

④ 当該変更により、農用地区域内の土地改良施設の有する機能に支障を及ぼすおそれ

がないと認められること(第4号関係)

農用地区域内の土地の保全又は利用上必要な施設の用地が農用地等以外の用途に供

された場合、当該施設の機能の低下が発生するおそれがあるときであり、例えば、

ア ため池、排水路、土留工、防風林等の農用地区域内の土地の保全上必要な施設に

ついて、その毀損により、土砂の流出又は崩壊、洪水、湛水、飛砂、地盤沈下等の

災害の発生が予想されるとき

イ 農業用用排水施設等の農用地区域内の土地の利用上必要な施設について、土砂等

の流入による用排水停滞、汚濁水の流入等が予想されるとき

などが該当すると考えられること。

第16(農業振興地域整備計画の変更)

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⑤ 当該変更に係る土地が法第10条第3項第2号に規定する事業(土地改良事業等)の

工事が完了した年度の翌年度から起算して8年を経過した土地であること(第5号及

び令第9条関係)

土地改良事業等により、区画整理や農業用用排水施設の新設又は変更等が行われた

農地は、これらの事業がなされていない農地と比較して、明らかに営農条件が優れて

おり、土地の合理的利用の観点からも、農地の改良等の公共投資の効用が十分に発揮

されるよう、一定期間、農用地区域として確保する必要があること。

また 「工事が完了した年度」とは、事業の効果が全体的に発現するのは事業全体、

が完了する時点であること及び第三者からみて8年を経過したかどうかが明確である

必要があることから、工事完了公告における工事完了の日の属する年度と解されるこ

と。

(4) その他の留意事項

上記のほか、市町村整備計画の変更に当たっては、次の事項に留意することが望まし

い。

① 国土保全に関する工事との関係

市町村又は都道府県農林担当部局は、河川、ダム、砂防、地すべり防止、急傾斜地

崩壊防止、海岸保全等の国土保全に関する工事を施行するため農用地区域内の土地が

必要である場合には、農用地区域を変更する等工事の実施につき支障がないよう協力

すること。

② 鉱物の賦存との関係

農用地区域内において国民経済上重要と認められる鉱物の賦存が確認された場合

で、農業の振興と十分な調整を行った上農用地区域の変更を行う必要があると認めら

れるときは、遅滞なく、農用地利用計画を変更すること。

③ 空港周辺整備機構との調整

都道府県知事及び市町村は、空港周辺整備機構が公共用飛行場周辺における航空機

騒音による障害の防止等に関する法律第28条第1項第3号に掲げる業務を農用地区域

内において実施する必要があるときは、事前に都道府県知事及び市町村と調整するこ

とを前提として、農用地利用計画の変更を行うこと。

④ 家畜等の管理のための農家住宅について

家畜等の管理のため、畜舎等に隣接するなど当該施設から至近の位置に耕作又は養

畜の業務を営む者の住宅を設置することが必要となる場合には、市町村は、当該住宅

について、必要に応じて、振興条例計画、振興計画又は市町村整備計画に定める施設

に地域の農業の振興を図る上で必要となる耕作又は養畜の業務を営む者の住宅として

位置付けることができること。

また、これら計画の策定に当たっては、集団的農地の効率的利用に支障が生じるこ

とのないよう、集団的農地の縁辺部に施設を配置すること、また、規模等が通常必要

とされる面積等からみて過大なものとならないようにすること。

3 農用地利用計画以外の事項の変更(法第13条第1項)

市町村整備計画のうち農用地利用計画以外の事項の変更は、農用地利用計画との整合性

を図り、農地の確保・有効利用に資するとともに、それぞれの計画の円滑な達成を図る観

点から、補助事業等の実施見込みについて事業担当部局の意見を十分に踏まえた上で行う

、 。ものとし 地域の実情に応じた実現性の高い効果的な内容とすることが適当と考えられる

4 軽微な変更(法第13条第4項)

令第10条第1項の規定による軽微な変更をしようとするときは、次の事項に留意するこ

とが適当と考えられる。

第16(農業振興地域整備計画の変更)

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(1) 令第10条第1項第2号関係

令第10条第1項第2号に掲げる軽微な変更であるためには、農用地区域内にある土地

の所有者又はその土地について所有権以外の権原に基づき使用及び収益をする者でその

土地をその者の耕作又は養畜の業務のための農業用施設の用に供するものは、自己のた

めに耕作又は養畜の業務を営む者でなければならないこと。

したがって、農業協同組合及び施設の共同利用又は農作業の共同化を目的とした法人

すなわち農業協同組合法(昭和22年法律第132号)第72条の8第1項第1号の事業のみ

を行う農事組合法人は、これに該当しないものと解されること。

(2) 令第10条第1項第3号関係

令第10条第1項第3号のかっこ書の「他の法律の規定による告示又は公告で同項の規

定による告示とみなされるもの」に該当するものについて、例示すれば次のとおりであ

ること。

ア 都市計画法第62条第1項の規定による告示(同法第70条第1項参照)

イ 鉱業法(昭和25年法律第289号)第104条及び第105条の規定による土地の使用又は

収用について、同法第106条第5項の規定による公告(同法第107条第2項参照)

ウ 採石法(昭和25年法律第291号)第35条の規定による土地の使用について同法第36

条第5項の規定による公告(同法第37条第2項参照)

(3) 令第10条第1項第4号関係

令第10条第1項第4号に掲げる軽微な変更であるためには、変更に係る用途区分の面

積は当該変更につき行う法第12条第1項の規定による市町村整備計画を変更した旨の公

告に係る面積をもって判断されること。なお、規則第4条の2第2項の特別の用途に係

る軽微な変更についても、同様の取扱いとなること。

第17 法第13条の2から第13条の5まで関係(交換分合)

1 法第13条の2第1項の交換分合(線引き関連交換分合)

法第13条の2第1項の規定による交換分合を行うことができるのは、①市町村整備計画

を定めようとする場合において、農業振興地域内にある農用地等の一部が農用地等以外の

用途に供されることが見通されることにより、又は②市町村整備計画を変更しようとする

場合において、現に農用地区域である区域内にある農用地等の一部が農用地等以外の用途

に供されることが見通されることにより、農業振興地域内にある土地の農業上の利用と他

の利用との調整に留意して農業振興地域内において農用地等として利用すべき土地の農業

上の利用を確保するため特に必要があると認めるときである。この場合、農用地等の一部

が農用地等以外の用途に供されることが見通されるか否かについては、その土地の位置、

地形その他の自然条件、その周辺の地域の土地利用の動向、人口及び産業の将来の見通し

等を総合的に勘案して客観的に判断することが適当と考えられる。

2 法第13条の2第2項第1号の交換分合(林地等交換分合)

(1) 趣旨

農用地区域内には農用地開発適地としての山林原野等が存するが、地権者の合意を円

滑に得ることが困難であること等により、農用地開発が進まない事態も生じていた実態

にかんがみ、農用地区域内の農用地開発適地について農用地開発を希望する者と希望し

ない者を含む地権者の間で交換分合を行うことができることとされたものである。

(2) 交換分合ができる場合

この交換分合を行うことができるのは、農用地区域内にある農用地とすることが適当

な土地を農用地とし、市町村整備計画のうち法第8条第2項第2号に掲げる事項に係る

ものの実施を促進する必要があると認める場合であって、市町村整備計画の達成に資す

第16(農業振興地域整備計画の変更)~第17(交換分合)

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るため特に必要があると認めるときである。この場合、同号に掲げる事項に係るものの

実施を促進する必要があるか否かについては、地域における農業経営の規模拡大に対す

る意向、農用地開発等の事業実施の見通し等を勘案して判断することが適当と考えられ

る。

3 法第13条の2第2項第2号の交換分合(協定関連交換分合)

(1) 趣旨

法第18条の2第1項の認可を受けた施設の配置に関する協定において農業用施設の用

に供することを予定する土地の区域として定められた土地の所有者は、必ずしも自ら当

該施設を設置するとは限らないことから、当該土地に当該施設が設置されることを促進

し、協定内容の円滑な実施に資するため、当該土地について当該施設の設置を希望する

者と希望しない者を含む地権者の間で交換分合を行うことができることとされたもので

ある。

(2) 交換分合ができる場合

この交換分合を行うことができるのは、この施設の配置に関する協定において農業用

施設の用に供することを予定する土地の区域として定められた土地に当該施設の設置を

促進する必要があると認める場合であって、市町村整備計画の達成に資するため特に必

要があると認めるときとされている。

4 交換分合の対象とすべき土地

、 。交換分合の対象とすべき土地については 次の事項に留意することが適当と考えられる

(1) 交換分合の対象とすべき土地

市町村整備計画を定めようとする場合において行う交換分合にあっては、その定めよ

うとする市町村整備計画に係る農用地区域内にある土地を含む農業振興地域内にある一

、 、定の土地を 市町村整備計画を変更しようとする場合において行う交換分合にあっては

現に農用地区域である区域内にある土地を含む農業振興地域内にある一定の土地を対象

とすること。

(2) 農用地区域除外の基準

① いかなる土地を対象として交換分合を行うかは、地域の土地利用の動向、土地の関

係権利者の意向等に即して定めることとなるが、交換分合の対象とする土地のうち市

町村整備計画の変更により農用地区域以外の区域内にある土地となる予定のものの面

積の合計が、当該交換分合の対象とする土地のうち現に農用地区域内にあるもの及び

市町村整備計画の変更により農用地区域内にある土地となる予定のものの面積の合計

のおおむね3割を超えることがないようにされていること(規則第6条第2項 。)

② 本制度の趣旨に照らし、交換分合の対象とする土地のうち現に農用地区域以外の区

域内にあり、かつ、市町村整備計画の変更後も農用地区域以外の区域内にある土地で

、 、 。ある予定のものは 当該交換分合の目的を達成するため 必要 小限にとどめること

③ 交換分合を行うに際しては、現に農用地区域以外の区域内にある土地ではあるが、

その農業上の利用を確保すべき土地については、その農用地区域内への編入を促進す

るため、関係権利者の意向に応じ、積極的に交換分合の対象とすること。

(3) 林地等交換分合及び協定関連交換分合

2の交換分合にあっては、農用地区域内にある農用地とすることが適当な土地を含む

農業振興地域内にある一定の土地を、3の交換分合にあっては、当該協定において定め

られた法第18条の2第2項第3号イに掲げる区域内の土地を含む農業振興地域内にある

一定の土地を対象としなければならないこととされていること。

この場合、一定の土地としていかなる範囲の土地を含むかについては、地域の土地利

用の動向、土地の関係権利者の意向に即し、本交換分合制度の趣旨に照らして決めるこ

第17(交換分合)

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とになるが、交換分合により農用地の集団化その他農業構造の改善が図られるように配

慮すること。

5 交換分合計画の定め方

交換分合計画を定めるに当たっては、次の事項に留意することが適当と考えられる。

(1) 農用地の集団化促進等

交換分合計画は、農業振興地域内にある土地の農業上の利用と他の利用との調整に留

意して農業振興地域内において農用地等として利用すべき土地の農業上の利用を確保す

るとともに、農業振興地域内における農用地の集団化その他農業構造の改善に資するよ

う定めるものでなければならないこととされていること(法第13条の2第4項 。)

したがって、土地の権利者の農業経営に関する意欲と能力を十分に勘案して営農の意

欲と能力のある権利者に農用地区域内にある土地である予定の土地を取得させることに

より、農用地区域内にある土地の農業上の利用の確保を図るとともに、農用地区域内に

ある農用地の集団化が促進されるよう定めること。

(2) 失うべき土地

交換分合計画は、原則として法第13条の5において準用する土地改良法第101条第2

項、第102条から第105条まで及び第109条の定めるところにより定めるものとするが、

交換分合計画に係る土地の所有者の申出又は同意があった場合には、その申出又は同意

に係る土地の所有者が取得すべき土地を定めないでその所有者が失うべき土地を定める

ことができること(法第13条の3第1項前段 。)

6 創設交換分合制度

法第13条の3第1項の規定による所有者の申出又は同意により土地の所有者が取得すべ

き土地を定めないでその所有者が失うべき土地を定める場合に、その失うべき土地の地積

を合計した面積を超えない範囲内で、特定の者について失うべき土地を定めないで取得す

べき土地のみを定めることができる(法第13条の4第1項)が、この場合、次の事項に留

意することが適当と考えられる。

(1) 創設交換分合の対象となる施設

創設交換分合の対象となる施設は、整備すべき施設についてその種類、位置及び規模

が市町村整備計画において定められているものに限られていること(法第13条の4第2

項及び令第11条 。)

なお、位置とは、例えば25,000分の1の縮尺の地形図に点で位置を表示する等施設の

位置の適切さが判断できる程度のものであることが必要であり、単に字名を記載したも

の等は適当ではないこと。

(2) 創設交換分合の土地の取得者

創設交換分合の土地の取得者は、国、地方公共団体、農業協同組合、土地改良区、農

事組合法人及び農業協同組合連合会その他の営利を目的としない法人のうち、市町村が

その者の同意を得て、交換分合計画においてその創設交換分合の土地を取得すべき者と

して定めたものとされている(法第13条の4第3項及び令第12条)が、この場合、集落

、 。等法人格を有しない団体又は個人は 土地を取得すべき者として認められていないこと

7 交換分合計画の決定手続

交換分合計画の決定の手続については、次の事項に留意することが適当と考えられる。

(1) 権利を有する者の議決等

交換分合計画を定めるには、その計画に係る土地につき所有権、地上権、永小作権、

質権、賃借権、使用貸借による権利又はその他の使用及び収益を目的とする権利を有す

る者のすべてで組織する会議で、これらの者の3分の2以上が出席し、その議決権の3

分の2以上の多数による議決を経なければならないこと(法第13条の5において準用す

第17(交換分合)~第19(農用地区域内における開発行為の制限)

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る土地改良法第99条第2項において準用する同法第52条第5項前段 。農用地以外の土)

、 、 、地を含めて交換分合計画を定めようとするときは このほか 当該土地について所有権

地上権、永小作権、質権、賃借権、使用貸借による権利又はその他の使用及び収益を目

的とする権利を有する者並びに当該交換分合により当該土地についてこれらの権利を取

得すべき者のすべての同意を得なければならないこととされていること(法第13条の2

第5項 。)

(2) 失うべき土地を定める場合の同意

法第13条の3第1項前段の規定により、申出によらずに、交換分合計画において、土

地の所有者が取得すべき土地を定めないでその所有者が失うべき土地を定める場合に

は、(1)による議決又は同意のほか、その土地の所有者の同意並びにその所有者が失う

べき土地について地上権、永小作権、質権、賃借権、使用貸借による権利又はその他の

使用及び収益を目的とする権利を有する者のすべての同意を得なければならないこと

(法第13条の3第1項後段 。)

(3) 農用地利用計画変更手続との関係

法第13条の2の規定による交換分合は、市町村整備計画の策定又は変更、具体的には

農用地利用計画の策定又は変更と関連して行うものであるから、交換分合計画の決定手

続は、農用地利用計画の決定手続と同時並行的に進めること。この場合、特に(1)の議

決若しくは同意又は(2)の同意を得る時期は農用地利用計画についての法第11条第1項

の公告の時期との関連につき、法第13条の5において準用する土地改良法第99条第12項

の認可の公告の時期は市町村整備計画についての法第8条第4項の協議(同意)の回答

の時期との関連につき、それぞれ配慮すること。

第18 法第14条関係(土地利用についての勧告)

法第14条の規定による土地利用に関する市町村長の勧告は、農用地区域内にある土地が農

用地利用計画において指定された用途に供されていない場合において、市町村整備計画の達

成のため必要があるときに行われるものであり、例えば、農用地利用計画において指定され

た用途が計画策定時の用途と異なる場合に、計画上の用途に供することができるよう土地改

良事業等の整備を行うことについて協力が得られないときや整備を行った以後においても定

められた用途に供されないときが想定されるほか、規則第4条の2第2項の特別の農業上の

用途に関しても、勧告の対象となるものと解されるものである。

第19 法第15条の2関係(農用地区域内における開発行為の制限)

1 開発行為の範囲(法第15条の2第1項本文)

開発行為とは 「宅地の造成、土石の採取その他の土地の形質の変更又は建築物その他、

の工作物の新築、改築若しくは増築」をいうとされている(法第15条の2第1項)が、こ

のうち「土地の形質の変更」に該当する行為は、例示すると、次のとおりと解される。

(1) 宅地の造成

(2) 土地の開墾

(3) 田の畑地転換、農用地間における用途の変更

(4) 土、岩石又は砂利の採取

(5) 鉱物の掘採

(6) 切土、掘削、盛土、物件の集積等により土地の物理的形状を変更する行為

2 開発行為の許可の申請(規則第34条)

農用地区域内において開発行為をしようとする者が、あらかじめ都道府県知事(法第15

条の2第1項に基づき農林水産大臣が指定する市町村(以下「指定市町村」という )の。

第17(交換分合)~第19(農用地区域内における開発行為の制限)

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区域内にあっては、指定市町村の長。以下「都道府県知事等」という )の許可を受ける。

に当たって必要となる規則第34条に規定する申請書については、別紙「農業振興地域制度

に関する参考様式集」第9の(様式1)に開発許可申請書の様式を示すので、参考とされ

たい。

3 開発許可を受けることを要しない行為(法第15条の2第1項各号)

法第15条の2第1項各号に掲げる行為については、許可を受けることを要しないとされ

ているが、この場合、次の事項に留意することが適当と考えられる。

(1) 法第15条の2第1項第3号に掲げる行為

法第15条の2第1項第3号の「農地法第4条第1項又は第5条第1項の許可に係る土

地をその許可に係る目的に供するために行う行為」については、その許可に関する処分

が法第17条の規定の趣旨に従って行われるものであることから、その許可に係る目的に

供するために開発行為を行う場合には改めて本制度による許可を要しないものとされて

いること。したがって、農地又は採草放牧地に係る開発行為であっても、農地法所定の

許可を受けていない場合や、許可を受けていても、その許可の目的と異なる目的に供す

るために開発行為を行う場合には、本制度の許可を要すると解されること。

(2) 法第15条の2第1項第4号に掲げる行為

法第15条の2第1項第4号の「通常の管理行為、軽易な行為その他の行為」について

は、次の事項に留意すること。

① 該当しない行為

規則第36条第1号の「農用地等又は法第3条第3号若しくは第4号の施設の管理に

係る行為」には、次の行為は該当しないと解されること。

ア 農用地の宅地への転換、農用地間における用途の変更等農用地等の用途を変更す

る行為

イ 区画整理等農用地等の用途変更を伴わないが土地の形状を著しく変更する行為

ウ 施設の新築及び増築

エ 修繕に該当しない施設の改築(施設の修繕とは、施設の破損部分又は老朽部分を

修復することをいう )。

② 行為の規模等

規則第36条第2号イ、ハ、ニ、ホ及びヘに掲げる行為のそれぞれの規模は、同一事

業主体が一連の事業計画のもとに開発行為を行う場合の開発行為に係る土地又は建築

物その他の工作物の規模をいうと解されること。

この場合、数人が共同の意思をもって開発行為を行う場合には、一の事業主体とし

て取り扱うものと解されること。

(3) 法第15条の2第1項第5号に掲げる行為

法第15条の2第1項第5号の「非常災害のために必要な応急措置として行う行為」に

ついては、当該開発行為に係る土地及び周辺の農用地等の農業上の利用の確保を図る見

地から適切な事後措置をとるよう開発行為者を指導することが適当であると解されるこ

と。

(4) 法第15条の2第1項第7号に掲げる行為

法第15条の2第1項第7号の「農用地区域が定められ、又は拡張された際既に着手し

ていた」とは、農用地区域が定められ、又は拡張された際、その定められ、又は拡張さ

れた農用地区域内において既に現実に開発行為に着手していたことを要すると解され、

例えば、

① 当該行為を行うための準備行為(土地の取得、資材の購入、請負契約の締結、設計

図書の作成等)を行っていたこと

第19(農用地区域内における開発行為の制限)

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② 他の法令等による許可等を受けていたこと

③ その定められ若しくは拡張された農用地区域以外の区域において開発行為を着手し

ていたこと

だけでは該当しないこと。

4 市町村長の送付(法第15条の2第3項)

法第15条の2第3項に基づき市町村長(指定市町村の長を除く )が都道府県知事に申。

請書を送付するに当たって、開発行為に係る事業の対象となる土地の一部が農地法第4条

第1項又は第5条第1項の規定による都道府県知事(農地法第4条第1項に基づき農林水

産大臣が指定する市町村(以下「農地転用関係指定市町村」という )の長 )の許可を。 。

受けることを要する土地である場合には、あらかじめ市町村(指定市町村を除く )及び。

、 。農業委員会との間で相互に連絡し 所要の調整を行っておくことが望ましいと考えられる

また、指定市町村の長にあっても、同様に指定市町村及び農業委員会との間で相互に連絡

し、所要の調整を図っておくことが望ましいと考えられる。

なお、市町村長(指定市町村の長を除く )が上記の送付に併せて意見書を提出する場。

合にあっては、別紙「農業振興地域制度に関する参考様式集」第9の(様式2)に示す開

発許可意見書の様式を参考とされたい。

5 開発行為の許可の可否の決定に当たっての留意事項(法第15条の2第4項)

都道府県知事等は、開発行為の許可の可否を決定するに当たっては、次の事項に留意

することが適当と考えられる。

(1) 実地調査等

都道府県知事は市町村長(指定市町村の長を除く )から申請書の送付があったとき。

は、市町村(指定市町村を除く )の農業振興地域制度担当部局と十分な連絡調整を行。

うとともに、必要に応じ実地調査を行うこと。また、指定市町村の長は申請書を受理し

たときは、必要に応じ実地調査を行うこと。

(2) 審査に当たっての基準

許可の可否の決定に当たっては、法第15条の2第4項各号に該当するものであるか否

かについて審査することになるが、審査に当たっては次の事項に留意することが適当と

考えられること。

① 第1号関係

ア 当該開発行為に係る土地を農用地等として利用することが困難となる場合

「当該開発行為に係る土地を農用地等として利用することが困難となる」場合と

は、開発行為後の土地の用途が農用地等以外の用途となり、かつ、その土地に建築

される建築物その他の工作物の種類、構造、規模等からみて、その土地の用途が固

定化されることが確実と認められる場合その他開発行為後の土地の状態が開発行為

前の土地の状態に比べて農用地等への転換可能性が低下する場合をいうものと解さ

れること。

イ 市町村整備計画の達成に支障を及ぼすおそれがある場合

市町村整備計画のうち農用地利用計画には、土地の農業上の用途が指定されてい

るので、開発行為により当該開発行為に係る土地を農用地等として利用することが

困難となる場合には その土地を当該指定用途に供することが困難となるため 農、 、「

業振興地域整備計画の達成に支障を及ぼすおそれがある」場合に該当すると解され

ること。

ただし、農用地区域内にある土地を現在の状態のまま利用し、又は保全すること

を目的として行う開発行為であって、当該開発行為により設けられる工作物(建築

物を除く )の種類、構造、規模等からみて、容易に移転し、又は除却することが。

第19(農用地区域内における開発行為の制限)

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できる場合その他開発行為に係る土地及びその周辺の土地の農用地等への転換の実

施上妨げとなる度合いが軽いと認められる場合は 「農業振興地域整備計画の達成、

に支障を及ぼすおそれがある」場合に該当しないと解されること。

ウ 留意事項

次の事項を踏まえて、判断されるものであること。

a 申請書の「開発行為後の土地又は建築物等の用途」が農用地等に該当するか否

か。

b 開発行為後の土地の用途が農用地等に該当している場合には、申請書に記載さ

れた工事計画に従って工事が施工されることが確実かどうか。

c 開発行為後の土地の用途が農用地等に該当しない場合には、農用地等としての

利用を困難にしないための措置が十分で、かつ、そのための工事が確実に行われ

るか否か並びにその開発行為に係る土地及びその周辺の土地の農用地等への転換

の実施上妨げとならないか。

② 第2号関係

ア 耕作又は養畜の業務に著しい支障を及ぼす災害を発生させるおそれがある場合

「耕作又は養畜の業務に著しい支障を及ぼす災害」としては、土砂の流出又は崩

壊のほか、洪水、溢水、湛水、飛砂、飛石、地盤の沈下等が該当すると解されるこ

と。

イ 留意事項

次の事項を踏まえて、判断されるものであること。

a 災害の発生を防止するための措置が適切に講じられるものであるか否か。

b 資金計画等からみて申請書記載の内容どおりに工事が施工されることが確実か

どうか。

③ 第3号関係

ア 農業用用排水施設の有する機能に著しい支障を及ぼすおそれがある場合

「農業用用排水施設の有する機能に著しい支障を及ぼす」場合としては、開発行

為により農業用用排水施設が損壊される場合、農業用用排水施設に土砂等が流入し

て用排水が停滞する場合、農業用用排水施設に汚濁水が流入する場合、農業用用排

水施設に過大な水が流入して農地等に溢水する場合等が該当すると解されること。

イ 留意事項

次の事項を踏まえて、判断されるものであること。

a 開発行為に係る土地の周辺における農業用用排水施設の有無、その施設がある

場合には、農業用用排水施設の有する機能に支障を及ぼさないための措置が適切

に講じられているか否か。

b 資金計画等からみて申請書記載の内容どおりに工事が施工されることが確実か

どうか。

(3) その他都道府県部局間等調整

① 転用許可担当部局等との調整

開発行為に係る事業の対象となる土地の一部が農地法第4条第1項又は第5条第1

項の許可を受けることを要する土地である場合には、都道府県又は指定市町村の開発

許可担当部局は、都道府県又は農地転用関係指定市町村の転用許可担当部局と相互に

連絡し、所要の調整を行うこと。なお、都道府県の開発許可担当部局と農地転用関係

指定市町村の転用許可担当部局との間の連絡調整については、当該農地転用関係指定

市町村の農業振興地域制度担当部局を経由して行うものとする。

② 他法令許可担当部局との調整

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申請に係る開発行為を行うために、都市計画法、森林法その他の法令による許可、

認可等を要する場合には 開発許可担当部局は これらの許可 認可等の担当部局 こ、 、 、 (

、 、れらの許可 認可等の権原を有する者が都道府県知事以外の者である場合にあっては

当該権原を有する者)との間で、あらかじめ所要の調整を行い、同時審査、同時処分

をするよう措置することが望ましいこと。

③ 商工担当部局との連絡・調整

ア 商工担当部局への連絡

都道府県農林担当部局は、法第15条の2第1項に規定する者から商工関係の事業

に関し同項の許可の申請又はそのための事前協議があった場合には、直ちに許可申

請の写しその他の資料を都道府県商工担当部局に送付連絡することが望ましいこ

と。

イ 商工担当部局との調整

都道府県農林担当部局は、都道府県商工担当部局からアの連絡に係る開発行為に

係る土地の区域を農用地区域から除外すべき旨の意見を受けた場合には、都道府県

商工担当部局の意見を十分尊重して必要な調整を図ることが望ましいこと。

ウ 農用地利用計画の変更

イの調整の結果その開発行為が農用地区域のうち比較的重要性の低い部分で行わ

れ、又は小規模な範囲で行われる場合等であって、農業生産基盤整備事業の円滑な

実施が困難となる等整備計画の達成に著しい支障を及ぼすものでないと認められる

ときは、農用地利用計画が変更されるよう取り扱われることが望ましいこと。

④ 林務担当部局との調整

都道府県知事は、法第15条の2第1項の許可の申請に係る行為が林道の設置に係る

ものである場合には、当該林道の位置等について都道府県林務担当部局と必要な調整

を図ることが望ましいこと。この場合、農業開発に支障を及ぼさないと認められると

きは、同条第4項第1号には該当しないものと考えられること。

6 許可の条件(法第15条の2第5項関係)

法第15条の2第1項の許可をするに当たって、必要に応じ、例えば、次の条件を付すこ

と。また、その他の条件を付すに当たっては、その条件を具体的かつ明確なものとするこ

と。

(1) 申請書及び添付書類に記載された計画に従って開発行為を行うこと。

(2) 開発行為の施工中において適切な防除措置を講ずること。

(3) 開発行為を中止し又は廃止する場合には、農用地としての利用を困難としないための

措置及び適切な防災措置を講ずること。

(4) 許可に係る工事が完了するまでの間、本件許可の日から3か月後及びその後6か月ご

とに工事の進捗状況を報告すること。

(5) 許可に係る工事を完了し、又は中止し若しくは廃止した場合には遅滞なくその旨を報

告すること。

7 許可指令書の交付及び事後確認

(1) 指令書の交付

許可又は不許可を決定したときは、指令書を申請者に交付すること。その際、次の事

項に留意すること。

① 注意事項の記載

許可指令書には、必要に応じ 「注意事項」として 「本件許可に付した条件に違、 、

反して開発行為をし、又は偽りその他不正な手段により開発許可を受けたことが明ら

かとなった場合には、農業振興地域の整備に関する法律第15条の3の規定により開発

第19(農用地区域内における開発行為の制限)

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行為の中止を命じ、又は期間を定めて復旧に必要な行為をすべき旨を命じることがあ

ります 」旨を記載すること。。

② 教示の記載

不許可又は条件を付しての許可の処分に際して、この処分に対して不服があるとき

は、この処分の通知を受けた日の翌日から起算して3月以内又はこの処分の日の翌日

から起算して1年以内に、都道府県知事に対し審査請求ができる旨及びこの処分の取

消しを求めるときは、この処分の通知を受けた日の翌日から起算して6か月以内又は

この処分の日の翌日から起算して1年以内(ただし、処分の通知を受けた日の翌日か

ら起算して3月以内に審査請求をした場合は、その審査請求に対する裁決の送達を受

けた日の翌日から6か月以内)に、都道府県を被告として(訴訟において都道府県を

代表する者は都道府県知事となる )処分の取消しの訴えができる旨をその指令書に。

記載して、このことを教示すること。

(留意事項)指定市町村にあっては、下線の部分は 「都道府県」は「市町村 「都、 」、

道府県知事」は「市町村長」と読み替えるものとする。

(2) 開発行為の確認

開発行為の完了の報告があった場合には、申請書に記載された計画に従って開発行為

が行われているかどうか確認することが適当であること。

また、開発行為を中止し又は廃止したことを知り、又は開発行為の中止又は廃止の報

告があった場合には、農用地等としての利用を困難にしないための措置及び適切な防災

措置が講じられているか否かを確認し、講じられていない場合には、これらの措置を講

ずるよう申請者を指導することが望ましいこと。

8 国又は地方公共団体が行う開発行為に係る協議の成立基準(法第15条の2第7項関係)

国又は地方公共団体が行う開発行為に係る協議の成立基準については、法第15条の2第

4項に規定する許可の基準のほか、5の開発行為の許可の可否の決定に当たっての留意事

項の例によること。

また、当該協議については、客観性及び公平性を確保する観点から公文書により行うこ

とが適当であること。

上記公文書の様式については 別紙 農業振興地域制度に関する参考様式集 第9の 様、 「 」 (

式3)に開発協議書の様式を示すので、参考とされたい。

なお、当該協議を行った場合には法第15条の2第4項第1号の規定により農用地区域の

ままで当該協議が成立することはないことから、国及び地方公共団体の施設整備担当部局

と都道府県の農業振興地域制度担当部局は、当該協議に当たっては、農用地区域以外の土

地の中に代替地がないかどうかを調整することが適当であり、その上で、市町村の農業振

興地域制度担当部局と調整し、やむを得ず農用地区域内の土地において開発行為を行うこ

とが必要であると判断される場合には、農用地区域からの除外を行った上で当該開発行為

を行うこととなることに留意すること。

第20 法第15条の3関係(監督処分)

1 監督処分を行うに当たっての留意事項

法第15条の3の監督処分(以下「監督処分」という )は、開発行為の制限の制度を実。

効あらしめるための措置であり、その運用に当たっては、違反行為の早期把握とこれに対

する迅速な処分に努めることが重要である。

また 「復旧に必要な行為をすべき旨を命ずる」に当たっては、命令の相手方に対し、、

当該開発行為に係る土地及びその周辺の農用地等の農業上の利用を確保するために必要な

第19(農用地区域内における開発行為の制限)~第20(監督処分)

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限度を超えて過重な負担を課することのないようにすることが重要である。

2 市町村の処理

都道府県知事等が監督処分を行うに当たっては、市町村整備計画を管理している市町村

の協力が不可欠であることから、市町村は、必要に応じ、次のような処理を行うことが望

ましい。

なお、違反行為が農地法に基づく違反転用に該当する場合には、市町村は、農業委員会

と十分な連絡調整を図り、連携して対応すること。

(1) 違反行為者の連絡

市町村は 法第15条の3の規定による命令をすべき開発行為を行っている者 以下 違、 ( 「

反行為者」という )に係る違反開発等の事案(以下「違反事案」という )を知った。 。

ときは、速やかにその事情を調査すること。また、市町村(指定市町村を除く )は、。

遅滞なく、その結果を都道府県に連絡すること。

、 、 「 」なお 都道府県への連絡に当たっては 別紙 農業振興地域制度に関する参考様式集

第9の(様式4)に示す違反開発行為報告書の様式を参考とされたい。

(2) 開発行為の中止

市町村は、違反事案の内容からみて、直ちに開発行為を中止させないと当該土地を農

用地等として利用することが困難となるおそれがある場合、周辺農用地等に土砂が流出

、 、し又は汚濁水が流入して災害等を発生させるおそれがある場合等には 開発行為の中止

適切な防災措置を講ずるよう違反行為者を指導すること。

(3) 履行の指導

市町村は、違反行為者に対する都道府県知事等の勧告、命令等があったときは、その

内容が遵守履行されるよう違反行為者を指導すること。

(4) 履行完了の連絡

市町村(指定市町村を除く )は、(3)の履行が完了したときは、遅滞なく都道府県に。

その旨を連絡すること。

(5) 履行停滞に対する指導及び連絡

市町村は、違反行為者が(3)の履行を遅滞していると認められる場合には、その履行

を督促し、併せて遅滞している理由及び履行状況を報告するよう違反行為者を指導する

こと。また、市町村(指定市町村を除く )は、報告があった場合にはその内容を都道。

府県に連絡すること。

(6) 違反事案処理簿

市町村は、違反事案の処理経過を明確にし、事後の指導の便に資するため、違反事案

処理簿を作成し、これを保管すること。

3 都道府県知事等の処理

都道府県知事等が監督処分を行うに当たっては、次のことに留意することが適当と考え

られる。

(1) 勧告

都道府県知事等は、市町村(指定市町村を除く )や市町村の住民等からの連絡、現。

地調査等により違反事案を知ったときは、必要に応じ、違反行為者に対して開発行為の

中止を勧告することが望ましいこと。この場合において、必要に応じ、この勧告に従わ

ない場合には法第15条の3の規定による命令をしようとしている旨及びこれに対し弁明

を行うことができる旨を併せて通知すること。また、都道府県知事は、これらの勧告及

び通知の内容について、必要に応じ市町村(指定市町村を除く )に連絡すること。。

なお、違反行為者への通知に当たっては、別紙「農業振興地域制度に関する参考様式

集」第9の(様式5)に示す違反開発行為通知書の様式を参考とされたい。

第20(監督処分)

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(2) 命令

都道府県知事等は、違反事案の内容及び(1)の弁明内容の検討を行い、違反事案に係

る土地及びその周辺の農用地等の農業上の利用を確保する観点から、必要に応じて開発

行為の中止又は復旧の命令を行うこと。この場合において、都道府県知事は、当該命令

の内容を必要に応じ市町村(指定市町村を除く )に連絡すること。。

なお、違反行為者への命令に当たっては、別紙「農業振興地域制度に関する参考様式

集」第9の(様式6)に示す違反開発行為命令書の様式を参考とされたい。

(3) 他法令監督処分担当部局との調整

都道府県知事等は、法第15条の3の規定による処分をするに当たっては、当該処分の

対象となる行為についての農地法、都市計画法、森林法その他の土地に関する行為の制

限を定める法令による監督処分の担当部局とあらかじめ十分連絡調整することが望まし

いこと。

なお、都道府県知事等は、開発行為の中止又は復旧の命令を行うに当たって、当該処

分の対象となる行為が、農地法に基づく違反転用に該当する場合は、必要に応じて農地

法第51条第1項に基づく処分又は命令と同時に行うこと。

(4) 違反事案処理簿

2の(6)と同様の違反事案処理簿を作成し、これを保管することが望ましいこと。

第21 法第15条の4関係(農用地区域以外の区域内における開発行為についての勧告等)

1 運用に当たって留意すべき事項

法第15条の4第1項の規定による農用地区域以外の区域内における開発行為についての

勧告(以下「勧告」という )に当たっては、次のことに留意することが適当と考えられ。

る。

(1) 勧告の発動要件

勧告の発動要件は、法第15条の2第4項第2号及び第3号の基準と同一であるので、

第19の5の(2)の②のア及び同③のアに準じて運用すること。

(2) 配慮事項

「事態を除去するために必要な措置を講ずべきことを勧告する」に当たっては、講ず

べき措置の内容及びその措置を講ずべき期間を明確にするとともに、勧告の相手方に対

し、農用地区域内にある農用地等の農業上の利用を確保するために必要な限度を超えて

過重な負担を課することがないようにすること。

(3) 開発行為の許可不要対象

法第15条の2第1項各号のいずれかに該当する開発行為については、それが農用地区

域内において行われる場合でも許可を受けることを要しないものとされていることにか

んがみ、法第15条の4第1項の規定による勧告の対象として予定されていないものと解

されること。

(4) 公表

法第15条の4第2項の規定による公表は、社会的批判を通じて勧告の実効性を補完し

、 、ようとするものであることにかんがみ 都道府県又は指定市町村の広報に掲載するほか

広く住民が了知し得るよう新聞、ラジオ、テレビ等の広報手段の活用を図ること。

2 市町村の処理

都道府県知事等が勧告を行うに当たっては、市町村整備計画を管理している市町村の協

力が不可欠であることから、市町村は、必要に応じ、次のような処理を行うことが望まし

い。

(1) 開発行為者の連絡

第20(監督処分)~第21(農用地区域以外の区域内における開発行為についての勧告等)

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市町村は 法第15条の4第1項の規定による勧告をすべき開発行為を行っている者 以、 (

「 」 。) 、 。 、下 開発行為者 という を知ったときは 速やかにその事情を調査すること また

市町村(指定市町村を除く )は、遅滞なく、その結果を都道府県に連絡すること。。

、 、 「 」なお 都道府県への連絡に当たっては 別紙 農業振興地域制度に関する参考様式集

第9の(様式7)に示す勧告対象事案報告書の様式を参考とされたい。

(2) 履行の指導

市町村は、3の(1)の都道府県知事等の勧告があったときは、その勧告が遵守履行さ

れるよう開発行為者を指導すること。

(3) 履行完了の連絡

市町村(指定市町村を除く )は、(2)の履行が完了したときは、遅滞なく都道府県に。

その旨を連絡すること。

(4) 履行停滞に対する指導及び連絡

市町村は、開発行為者が(2)の履行を遅滞していると認められる場合には、その履行

を督促し、併せて遅滞している理由及び履行状況を報告するよう開発行為者を指導する

こと。また、市町村(指定市町村を除く )は、報告があった場合にはその内容を都道。

府県に連絡すること。

3 都道府県知事等の処理

都道府県知事等が勧告を行うに当たっては、次のことに留意することが適当と考えられ

る。

(1) 勧告

都道府県知事等は、市町村(指定市町村を除く )や市町村の住民等からの連絡、現。

地調査等により勧告をすべき開発行為を行っている者を知ったときは、当該開発行為に

より農用地区域内において災害を発生させ又は農業用用排水施設の有する機能に著しい

、 、支障を及ぼしている事態の態様 程度及びその他の事情を勘案して勧告の内容を決定し

開発行為者に通知すること。また、都道府県知事は、当該通知の内容について、必要に

応じ市町村(指定市町村を除く )に連絡すること。。

なお、開発行為者への勧告に当たっては、別紙「農業振興地域制度に関する参考様式

集」第9の(様式8)に示す勧告書の様式を参考とされたい。

(2) 公表

都道府県知事等は、開発行為者が勧告の内容に従って必要な措置を講じなかったとき

は、開発行為者が必要な措置を講じない理由及び勧告後の事情変更等を勘案し、公表す

べきか否かを決定すること。この場合において、都道府県知事は、必要な場合には市町

( 。) 。 、 、村長 指定市町村の長を除く の意見を聴くこと また 公表を必要とする場合には

直ちに都道府県又は指定市町村の公報への掲載等の手続を行うこと。

(3) 他法令許可担当部局との調整

都道府県知事等は、法第15条の4第1項の規定による勧告をすることができる相手方

が都市計画法、森林法その他の土地に関する行為の制限を定める法令による許可等を受

けて開発行為を行っている者であるときは、当該許可等の権原を有する行政庁に対し事

態の詳細を連絡して速やかに当該法令の監督処分の規定の発動又は適切な行政指導を行

うべきことを要請するとともに、緊密な連携を図りつつ所要の調整を行うことが望まし

いこと。

第22 法第18条の2から第18条の13まで関係(協定制度)

1 協定の性格等

法第18条の2第1項の規定により定める施設の配置に関する協定(以下「施設の配置に

第21(農用地区域以外の区域内における開発行為についての勧告等)~第22(協定制度)

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関する協定」という )及び法第18条の12第1項の規定により定める施設の維持運営に関。

する協定(以下「施設の維持運営に関する協定」という )は、土地の所有者等又は施設。

の利用者がその自由意思に基づき、施設の配置の在り方、施設の維持運営の方法等につい

ての協定を締結するものであり、その法的性格については私法上の契約と解される。

しかしながら、施設の配置に関する協定については、効力補充要件としての市町村長の

認可により一定の民事上の効果が生じることとなる点において単なる私法上の契約と異な

っている。

また、施設の維持運営に関する協定については、市町村長の認定は事実行為であって特

段の法的効果を伴うものではないが、いわば公的な確認を行うことにより当該協定の内容

の妥当性と公益性を公示し、その適正な推進を図ろうとするものである。

2 施設の配置に関する協定

(1) 施設の配置に関する協定の締結

施設の配置に関する協定(以下2において「協定」という )を締結する場合には、。

土地所有者等の全員の合意により次の事項を定めることとされているが(法第18条の2

第5項 、各々の事項を定めるに当たっては、次の事項に留意することが適当と考えら)

れる。

なお、協定を締結しようとする者は、当該地域における関係地権者の幅広い合意を得

ることが協定の円滑な活用に資する等の観点から、必要に応じて、協定区域内の土地に

係る土地所有者等以外の権利者(永小作権者、地役権者、使用貸借による権利を有する

者、入会権者等)の同意を得ることが望ましい。

① 協定区域

ア 協定区域

協定区域は、一の市町村の範囲を超えないこと。

イ 相当の規模

法第18条の2第1項の「相当規模」とは、原則的には、一の集落内又はその一部

であって協定の目的を達成するために必要と認められる規模と解されること。

ウ 一団の土地

法第18条の2第1項の「一団の土地」とは、土地が連たんして団地性を有する土

地のことであって、土地が分離している場合はこれに当たらないと解されること。

エ 協定区域の区分

協定区域の区分は、協定に係る施設の用に供することを予定する土地(既に当該

協定に係る施設の用に供されている土地を含む )の区域(以下「施設区域」とい。

う )及び協定に係る施設の用に供しないことを予定する土地の区域(以下「非施。

設区域」という )に区分されるとともに、施設区域は、農業用施設用地内に設定。

されること。

オ 区域の明確性

協定区域は、市町村長の協定の認可の公告の後、法第18条の7の定めるところに

より一定の権利の制限等の効果が及ぼされることとなるので、地番、地図等によっ

てその区域が明確になるよう定める必要があること。

カ 施設区域予定地等

協定区域予定地は協定の目的達成上の必要性に応じて定め得ることとされている

が、これを定める場合は、農業用施設用地内にある施設区域とすることを予定する

区域(施設区域予定地)及び非施設区域とすることを予定する区域(非施設区域予

定地)に区分されること。

キ 協定区域又は協定予定区域からの除外

第22(協定制度)

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協定区域又は協定区域予定地の全部又は一部が、農業振興地域の変更により農業

振興地域でなくなった場合及び法第18条の2第1項の「公共施設の用に供する土地

その他政令で定める土地」に該当することとなった場合には、当該土地は協定区域

内の土地となることができないことから、協定区域又は協定予定区域から自動的に

除外されることとなること。

② 協定に係る施設

協定に係る施設は、規則第38条に定める施設の種類を異にする場合には一協定によ

らず別途の協定とすることを原則とすること。

③ 協定の有効期間

ア 有効期間

協定の有効期間は10年を超えてはならないこととされているが(法第18条の2第

)、 。6項 あまり短期間とならないように 低限3~5年とすることが望ましいこと

イ 自動更新

協定の内容として、自動更新の規定を定めておくことは差し支えないが、その結

果10年を超えることとなる場合には、その時点で改めて協定の認可をしなければな

らないと解されること。

ウ 有効期間の定めのない協定

協定の有効期間について定めのない協定は、認可の対象とならないと解されるこ

と。

④ 非施設区域に係る協定の違反があった場合の措置

違反をした者に対して過度の私権の制約とならないような合理的な範囲内で、例え

ば、次のような事項を定めること。

ア 違約金の支払いに関すること。

イ 違反行為の差し止めに関すること。

ウ 原状の回復に関すること。

⑤ 協定区域予定地

協定予定地は、協定の締結時において協定区域とすることが適当である土地の土地

所有者等のうち、 終的に協定に参加する意思を決めかねている土地所有者等がある

場合に、これらの者が協定の認可を受けた後に容易に協定に参加し得る途を開くとの

趣旨で制度化されたものであり、協定への参加に明らかに反対である土地所有者等の

土地は協定区域予定地として定めてはならないと解されること。

(2) 協定の認可

市町村が協定の認可をするに当たっては、次のことに留意することが適当と考えられ

る。

① 手続

ア 申請手続

協定の認可の申請手続は、協定を締結した土地所有者等の全員の連名又は代表者

を選任している場合にあってはその代表者名をもって行うこと。

イ 隣接市町村との調整

市町村長は、協定の認可の申請があった場合、協定の内容が隣接市町村に対して

影響を及ぼす等隣接市町村と密接な関連がある場合には、当該市町村に対して連絡

を行う等所要の調整を行うこと。

ウ 関係人

「 」 、 、法第18条の4第2項の 関係人 には 協定の内容に関係を有する国の行政機関

都道府県知事、市町村長等も含まれると解されること。

第22(協定制度)

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② 認可の審査

法第18条の5第1項各号に掲げる協定の認可に当たっては、例えば、次のことにつ

いて審査すること。

ア 第1号関係

a 合意

協定に係る土地所有者等の全員の合意が適正に得られたものであるかどうか。

b 農業振興地域等との関係

協定区域が農業振興地域内に、施設区域が農業用施設用地内にそれぞれ設定さ

れているかどうか。

イ 第2号関係

a 面積

当該地域の営農の現況に照らして協定に係る施設に用いる農業者の相当部分が

参加し得ると認められるに足る面積を有する協定区域かどうか。

b 汚水による影響

非施設区域内に、協定に係る施設から排出される汚水が営農環境に影響を及ぼ

す農用地等及び農用地等とすることが適当な土地以外の土地を含んでいないかど

うか。

c 連たん性

協定の区域が連たんした土地となっており、分離していないかどうか。

ウ 第3号関係

a 施設の規模

適正な位置において協定に係る施設を用いる農業経営が一定規模で存立し得る

にもかかわらず、協定により施設用地を不当に狭く設置する等により農業経営に

支障を生じることがないか。

b 営農環境

営農環境の確保以外の観点から協定区域の設定を行うものでないかどうか。

エ 第4号関係

協定に係る施設の整備又は当該施設の利用に係る農業の振興に関する事項が市町

村整備計画に定められているかどうか。

(3) 協定の認可に係る法的効果等

① 非施設区域に係る法的効果

法第18条の7の定めるところにより、認可の公告があった協定に定める事項のうち

当該公告の後に非施設区域内の土地に係る土地所有者等となった者に対しても効力が

あるとされている非施設区域に関する事項は、具体的には、非施設区域内に協定に係

る施設を設置してはならないこと及びこれに違反した場合には協定に定める非施設区

域に係る協定の違反があった場合の措置に従うことを意味していると解される。

② 施設区域及び協定区域予定地に係る法的効果

協定の認可の公告後に施設区域内の土地に係る土地所有者等となった者について、

法第18条の8第1項の定めるところにより市町村長に対して書面で参加の意思を表示

することにより協定に容易に参加し得ることとされているのは、これらの者について

も協定に参加することが望ましいと考えられるためである。

協定区域予定地の区域内の土地について、市町村長に対して書面で参加の意思を表

示することにより容易に協定に参加し得ることとされているのも、同様の考え方によ

るものである。

また、非施設区域予定地内の土地に係る土地所有者等に対しては、法第18条の9の

第22(協定制度)

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定めるところにより市町村長が協定への参加のあっせんを行うことができることとさ

れているが、このあっせんに当たっては、個人の権利及び自由を損なうことのないよ

うに配慮することが適当と考えられる。

(4) 協定の変更

法第18条の6第1項の「全員の合意」とは、協定を締結した時点の施設区域内の土地

の所有者等であって変更の認可を申請する時点においても引き続き協定に参加している

者及び協定を締結した後の権利の異動により新たに施設区域内の土地所有者等となった

者であって法第18条の8第1項の規定により市町村長に書面で協定への参加の意思を表

示した者並びに変更の認可を申請する時点における非施設区域内の土地に係るすべての

土地所有者等から成る全員の合意をいうと解される。

(5) 協定の廃止

協定の廃止に当たっては、次の事項に留意することが適当と考えられる。

① 合意

協定の廃止は、法第18条の10第1項に規定するところにより協定に係る土地所有者

等の過半数の合意を要することとされているが、これは過半数の土地所有者等がその

存続を希望しない協定については、もはや当該協定を存続せしめる基盤が失われるこ

とによるものであること。

② 過半数

法第18条の10第1項の「過半数」とは、(4)の者の過半数であり、複数の土地に同

一の者が権利を有している場合は、1人と算定するものと解されること。

(6) 協定の認可の取消し

法第18条の11第1項の規定により協定の内容が法第18条の5第1項各号に掲げる要件

に該当しないものと認められるに至った場合は、市町村長は協定の認可を取り消すもの

とされているが、具体的には、例えば、次のような場合が該当すると考えられる。

① 合意形成の瑕疵

土地所有者等の全員の合意形成に瑕疵があったことが認可後において明らかになっ

た場合

② 実効性の確保

農業振興地域の変更等により施設区域の全部又はその相当部分が農業用施設用地で

なくなったこと又は協定区域の全部又はその相当部分が農業振興地域外となったこと

により、協定の実効性が確保できないと認められるに至った場合

③ 要件を欠く場合

工業団地、高速道路、鉄道等の設置により協定区域が「相当規模を有すること」又

は「一団の土地であること」の要件を欠くに至った場合

④ 施設設置不可能の場合

災害等の事由により協定区域内の土地の現況が協定の締結時と著しく異なったもの

となったことにより協定に係る施設の設置が不可能となった場合

⑤ 目的不達成の場合

協定の有効期間が相当程度経過しても協定の目的が達成されず、かつ、将来にわた

ってもその達成が見込めない場合

3 施設の維持運営に関する協定

施設の維持運営に関する協定(以下3において「協定」という )については、次のこ。

とに留意することが適当と考えられる。

(1) 協定を締結する者等

協定を締結する者は、協定の目的となる施設ごとに、次のものであること。

第22(協定制度)

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① 農業用用排水施設

農業用用排水施設については、当該施設により溢水・湛水の防止、雨水の排除等の

利益を受ける一定の範囲の土地に係る農業者その他の土地所有者等

② 農業集落排水施設及び集会施設

農業集落排水施設及び集会施設については、当該施設を利用する者

(2) 維持、運営その他の行為

法第18条の12第1項の「維持、運営その他の行為」とは、農業用用排水施設及び農業

、 、 、 、 、集落排水施設については 草刈り どぶさらい 塵芥の除去 汚水の処理場内の草刈り

汚水の処理場の見回り及びこれらに要する費用負担等、集会施設については、鍵の開け

閉め、清掃、簡易な修繕、使用時間の割り振り及びこれらに要する費用負担等設置者又

は管理者の同意が得られた範囲内で行うものであり、その効果の及ぶ範囲も協定参加者

に限られるものであると解されること。

また 「維持、運営その他の行為」には、協定の目的となる施設の設置又は更新は含、

まれないと解されること。

(3) 土地改良区の意見

協定の対象となる施設について設置者又は管理者の同意を得ることとされているが、

協定の対象となる水路が、土地改良区が管理する基幹水路の支線又は派線である場合に

は、協定を締結しようとする者は、基幹水路を管理する土地改良区の意見を聴くことが

望ましいと考えられること。

(4) 費用の負担

費用の負担の方法については、社会経済情勢の変化等に即応して円滑かつ弾力的な施

設の維持運営を行うため、必要に応じて協定に参加している者の多数決により、又は運

営委員会の決定により変更することは差し支えないと考えられること。

(5) その他必要な事項

協定の事項のうち「その他必要な事項」としては、例えば、協定の違反があった場合

の措置として違約金の支払い、違反行為の差し止め請求等の措置、維持運営を円滑に行

うための運営委員会の設置等が考えられること。

4 その他留意事項

協定制度の運用に当たっては、次の事項に留意することが望ましい。

(1) 法定外の協定

法に基づく協定と同様の内容の協定については、法第18条の2第1項又は第18条の12

第1項の協定として認可又は認定を受けること。

(2) 公共施設

法第18条の2第1項の「公共施設」には次のものが含まれること。

① 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が設置する鉄道又は軌道の用に供す

る施設

② 鉄道事業法による鉄道事業者若しくは索道事業者が建設し、及び管理する鉄道施設

若しくは索道施設のうち、当該事業者の鉄道事業若しくは索道事業で一般の需要に応

ずるものの用に供する施設又は軌道法(大正10年法律第76号)による軌道若しくは同

法が準用される無軌条電車の用に供する施設

③ 石油パイプライン事業法(昭和47年法律第105号)による石油パイプライン事業の

用に供する施設

④ 道路運送法(昭和26年法律第183号)による一般自動車道又は一般自動車運送事業

の用に供する専用自動車道

⑤ 道路運送法による一般乗合旅客自動車運送事業又は一般路線貨物自動車運送事業の

第22(協定制度)

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用に供する施設

⑥ 自動車ターミナル法(昭和34年法律第136号)第3条の許可を受けて経営する自動

車ターミナル事業の用に供する施設

⑦ 港湾法(昭和25年法律第218号)による港湾施設

⑧ 海岸法による海岸保全施設

⑨ 航路標識法(昭和24年法律第99号)による航路標識又は水路業務法(昭和25年法律

第102号)による水路測量標

⑩ 航空法(昭和27年法律第231号)による飛行場又は航空保安施設で公共の用に供す

るもの

⑪ 気象、海象、地象又は洪水その他これに類する現象の観測又は通報の用に供する施

(3) 公共施設の用に供する土地に準ずるもの

( 「 」 。)法第18条の2第2項第1号に規定する協定区域 以下4において 協定区域 という

( 「 」 。)及び同条第3項に規定する協定区域予定地 以下4において 協定区域予定地 という

には、公共施設の用に供する土地に準ずるものとして、国有林野の行政財産を含めない

こと。また、森林法による保安林予定森林及び保安施設地区予定地区についても、保安

林及び保安施設地区として指定される蓋然性が極めて高いことから、これらの地域を協

定区域及び協定区域予定地に含めないこと。

(4) 禁止行為

法第18条の2第1項の協定については、協定区域又は協定区域予定地の土地の第三者

への譲渡禁止、協定に係る施設の用に供さないことを予定する土地の区域(協定区域予

定地を含む )における当該施設以外の施設等の建築行為及びこれを目的とする開発行。

為の禁止等をその内容として含むものについては認可しないこと。

(5) 入会権者等

市町村農業担当部局は、協定を締結しようとする者が必要に応じて入会権者及び旧慣

使用権者の同意を得るに当たっては、入会権者等が入会林野等に係る権利関係の近代化

の助長に関する法律(昭和41年法律第126号)による入会林野整備又は旧慣使用林野整

備に着手する意向を有している場合があるので、その存在を慎重に確認するよう指導す

ること。

(6) 関係法令

法第18条の3第1項の「関係法令」には、森林法、都市計画法、建築基準法(昭和25

年法律第201号 等の農業振興に係る法令以外の法令も含まれること また 同項の 処) 。 、 「

分」には、例えば、保安林及び保安施設地区の指定、都市計画法に基づく都市計画及び

開発許可その他の許可、認可等が含まれること。

(7) 法第18条の3第2項の計画

法第18条の3第2項の計画には、例えば、港湾法に規定する港湾区域、臨港地区及び

港湾隣接地域の区域に関する計画、水道法(昭和32年法律第177号)に基づく広域的水

道整備計画並びに廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)に基づ

く一般廃棄物処理計画及び産業廃棄物処理計画が含まれること。

(8) 一般廃棄物担当部局との調整

法第18条の5第1項の規定による認可を行うに当たっては、必要に応じて、市町村農

林担当部局は市町村一般廃棄物担当部局と調整を図ること。

(9) 法令に基づかない国及び地方公共団体の計画

法第18条の5第1項第3号の規定による協定の内容の妥当性の判断に当たっては、法

令に基づかない国及び地方公共団体の計画についても法令に基づくものに準じて扱うこ

第22(協定制度)

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と。

(10) あっせん

法第18条の9のあっせんについては、協定区域予定地の区域内の土地であって法第18

条の2第1項の政令で定める土地に該当する見通しが確実なものについてはこれを差し

控えること。

(11) 認可の取消し

法第18条の2第1項の協定が、認可を受けた後において、法第18条の3第1項の関係

法令若しくは処分に違反し、又は同条第2項の国若しくは地方公共団体の計画に適合し

なくなった場合には、法第18条の5第1項第1号又は第3号に掲げる要件に該当しない

ものとして、法第18条の11第1項の規定により、その認可を取り消すこと。

(12) 公共施設の用に供する土地等に該当した場合

協定区域及び協定区域予定地が、市街化区域等に編入され、若しくは都市計画法に基

づく開発許可等の処分対象とされ、法第18条の2第1項の「公共施設の用に供する土地

その他政令で定める土地」に該当し、又は農業振興地域でなくなった場合には、市町村

長は、協定の認可を取り消し、又は協定の内容の変更を指導すること。

(13) 農業用用排水施設による利益

法第18条の12第1項に規定する農業用用排水施設による「利益」には、治水行政の対

象となる溢水・湛水の防止による利益を含まないこと。

(14) 農業集落排水施設

法第18条の12第1項の農業用用排水施設以外の施設としての農業集落排水施設には、

雨水排除を目的とするものは含まないこと。

(15) 農業用用排水施設に関する協定

法第18条の12第1項の農業用用排水施設に関する協定については、協定参加者以外の

者が協定の目的となる農業用用排水施設に排水を行う等当該施設を利用する場合には、

その本来の設置者又は管理者と協議等を行えば足りるものであり、協定により当該施設

についての協定参加者以外の者の利用を妨げるものは不適当であること。

(16) 廃棄物の処理及び清掃に関する法律又は浄化槽法との関係

「 」 、法第18条の12第2項第2号の 協定の目的となる施設の維持運営の方法 においては

廃棄物の処理及び清掃に関する法律に定める施設の維持管理基準又は浄化槽法(昭和58

) 。 、年法律第43号 に定める保守点検及び清掃の基準に抵触する内容を定めないこと また

これらの基準に適合するか否かの判断は、法第18条の12第3項の市町村長の認定には含

まれないこと。

(17) 維持運営に要する費用の負担の方法

法第18条の12第2項第2号の「維持運営に要する費用の負担の方法」は、協定の締結

者が各自の共同責任において施設の管理を行うための費用について各自の負担方法を定

めること。

(18) 脱退する者に関する事項

法第18条の12第2項第3号の「脱退する者に関する事項」においては、施設の利益又

は利用関係がなくなった場合には当然脱退することができる旨定めること。

(19) 河川法又は下水道法との関係

法第18条の12第1項の協定において、当該協定の目的となる農業用用排水施設が所要

の手続を経た上で河川法の1級河川、2級河川若しくは河川法が準用される河川に指定

され、又は下水道法の公共下水道若しくは流域下水道として認可され、若しくは都市下

水路に指定された場合には、当該施設に係る協定は当然にその効力を失うこと。

第22(協定制度)