2944

會 報

岡 山醫 學 會 第364囘 通常 會

同會は12月19日 午後4時 より豫告會場を

變更し岡山醫科大學生理學教室講堂に於て開

催し根岸編輯主幹開會を宣し直ちに下記の講

演行はれたり

滿洲旅行談

教授 稻 田 進君

右終りて午後5時 半過閉會す.

〓岡 山醫 學會 第365囘 通 常 會

同會は昭和16年1月17日 午後4時 より岡山醫科大學第1講 堂 に於て開催す

雜 報

〓 人 事 岡山醫科大學教授 根 岸 博

和 田 直 賜本俸三級俸 (12月7日)

任岡山醫科大學助教授 岡山醫科大學助教授 林 香 苗

敍 高等 官七等 (11月30日) 滿 洲國へ 出張 ヲ命 ス (12月10日)

軍事保護院醫官 日 下 連 臺北帝國大學附屬醫學專門部教授兼臺北帝國大學學生主事

廣 畑 龍 藏

陞敍 高等 官五等 (11月30日) 免兼 官 (12月14日)

名古屋帝國大學醫學部附屬醫院藥局長

高 松 宗 信 岡山醫科大學教授 奥 島 貫 一 郎

陞敍高等官三等 (12月2日) 賜本俸二級俸 (12月13日)

岡山醫科大學助教授 和 田 直 九州帝國大學教授 皆 見 省 吾

本俸十二給俸下賜 (11月30日) 賜本俸四級俸 (12月21日)

162

雜 報 2945

○井 野 昌 治君 今囘岡山簡易保險健康相談所に

勤 務 され たり

○伊 藤 幸 憲君 大阪市湊區四條通2に 轉居 され

たり

○石 田 正 城君 廣島市的場町31に 居 を轉 され

た り

○横 山 丈 夫君 豫 て栃木縣堀米町佐野病院に勤

務中の處今囘愛媛縣周桑郡壬生川町大 字 壬生 川

191の1へ 轉居 されたり

○三 宅 正 三君 今囘滿洲國本溪湖市協和區永利

町57へ 轉居 されたり

○藤 見 忠 彦君 滿洲國哈爾賓赤十字病院内科病

棟 と宛 名變更の通知あ りたり

○竹 本 勇 藏君 廣島縣佐伯郡大柿町藝南病院へ

勤務 されたり

○篠 原 一 幸君 滿洲國牡丹江市滿赤病院へ轉勤

されたり

○菊 澤 隆 尚君 大阪市住吉區丸山通2丁 目1へ

轉居 されたり

○落 合 治君 三重縣鈴鹿郡龜山町東臺に居を

轉され たり

○越 智 幸 雄君 大阪市浪速區恵美須町3丁 目98

へ轉 居 され た り

○纎田元一郎君 豫 て廣島縣御調郡因島病院に勤

務中の處今囘大分縣 中津市金谷本町 に於て開業せ

られ た り

○遠 藤 巖君 今囘岡山市瓦 町58前 田方へ轉

居せ られ たり

○佐 藤 直 泰君 岡山醫科大學津田外科教室に於

て研究中の處今囘兵庫縣飾磨郡廣村日鐵病院外科

へ勤務 せ られ た り

○高原劍二郎君 岡山市大供33に 居 を轉 ぜ られ

た り

○藤 井 久 吉君 今囘萩市唐樋町3の4に 轉居さ

れ た り

○徳 毛 卓 三君 今囘尾道市吉和町1番 地 に於て

開業 せ られた り

○重盛福七郎君 豫て岡山醫科大學病理學教室に

於て研究中の處今囘玉野市玉造船所衛生科に勤務

されたり

○竹内守之輔君 今囘岩手縣廳衛生課に轉勤せ ら

れ た り

○中 村 武君 高松市花園町1256に 轉居 され

た り

○池 上 章君 豫て傷痍軍人岡山療養所へ勤務

中の處今囘玉野市玉に於て開業せ られた り

○志 茂 正 規君 豫て兵庫縣立神戸病院に勤務中

の處今囘西宮市廣田目神丘阪神中央病院に勤務さ

るる事 となれ り

○松 田 國 重君 今囘豐中市 南刀根山30番 地 に

轉居され たり

〓學位授 與

小野英夫,木 口浩三,美 田隆紀,米 澤末治の4

君は豫て論文 を岡山醫科大學 に提出 して學位 を請

求中の處12月2日 附を以て同大學 より醫學博士

の學位 を授與せられた り其の論文次の如 し

小野 英 夫 君

主 論 文

饑餓ノ免疫學的研究

第1編 饑餓 ノ免疫體産生ニ及ボス影響

(附.血 清補體價竝ニ血液凝固作用ニ及ボス

影響)

第2編 實驗的過敏症ニ及ボス饑餓ノ影響

參考論文

1. 「ア ンチ ピリン」ノ過敏症 豫 防機轉 ニ就 テ

2. 「 ソレスチ ン」ノ過敏症豫 防機 轉ニ 就 テ

3. 「鹽酸 モル ヒネ」ノ過敏 症ニ 及ボ ス影響ニ 就

テ

木 口 浩 三 君

主 論 文

1. 「トリプシ ン」免 疫 ニ依ル生體 ノ變調

第1報 特ニ肝機能 ノ檢索

163

2946 雜 報

2. 「トリプシン 」免 疫 ニ依 ル生體 ノ變調

第2報 綱状織内被細胞系統填塞時ニ於

ケル實驗

參考論文

1. 印刷業者 ノ職業性疾患特ニ鉛中毒ニ關 スル

調査報告

印刷業者 ノマンツー氏反應ニ就 テ

2. 鉛工業從業員ノ血清ワ氏反應檢査成績

3. 印刷工業從業員ノ鉛中毒者ノ臨牀醫學的所

見

4. 印刷從業者ノ血液像

5. 手術ニ ヨリ經快セル小兒バセドウ氏病 ノ1

例

6. 最近10年間當科入院肺炎患者ノ臨牀的觀察

美 田 隆 紀 君

主 論 文

聽骨筋ノ比較解剖學的研究(哺乳類動物ニ就テ)

參考論文

1. 2-3哺 乳類動物ニ於 ケル聽骨筋 ノ年齡性

變化ニ就 テ

2. 中耳炎 ト鼓膜穿孔時ニ於ケル鼓室粘膜被覆

上皮ノ變化ニ就 テ(實驗的研究)

3. 中耳ノ諸腔上皮細胞 ノ等電點ニ就テ

4. 再 生 シ ツツアル上顎 洞粘膜 上皮 細胞 ノ等電

點ニ 就 テ(家 兎 ニテ)

米 澤 末 治 君

主 論 文

「アセチール ヒヨリン」ニ關スル研究補遺

其 ノ1.「 アセ チ ールヒヨリ ン」ノ檢 出竝ニ 定

量 法ニ 就 テ

其 ノ2.各 種筋 肉 ノ「アセ チール ヒヨ リン」ニ

對 スル感 受性 竝 ニ其 ノ 「ヒ スリンヱ ステ ラ

ーゼ」量ニ 就 テ

其ノ3.種 々ナル動 物臟器ノ 「アセ チール ヒ

ヨ リン」竝ニ 「ヒ ヨ リンヱステ ラーセ 」含量

ニ就 テ

其 ノ4.「 テ タニ ー」ト「アセチー ル ヒ ヨ リン」

及 ビ「ヒ ヨ リン ヱ ステ ラ ー ゼ 」トノ 關 係ニ 就

テ

參 考論 文

其ノ1.背 髓蛇 ノ反 射ニ 關 スル2, 3ノ 實驗

其 ノ2.酸 素加空氣 吸入 ノ筋 運動時 瓦斯 代謝 ニ

及 ボ ス影 響 ニ就 テ

佐々木喬,青 山勉の兩君も又論文を岡山醫科大

學に提 出し學位 を請求中の處12月7日 附にて 同

大學 より醫學博士の學位を授與せ らる其の論文次

の如し

佐 々 木 喬 君

主 論 文

各種膽汁酸 ノ生成機轉ニ就 テ(獨 文)

1. 海 〓體 内ニ 於 ケル「デ ヒドロヒ ヨール酸 」

ノ運 命ニ 就 テ

2. 海 〓體 内 ニ於 ケル 「レドク トデ ヒ ドロヒ

ヨール酸」ノ運 命及 ビ海〓 肝臟 粥 ニ ヨル「ヒ

ヨール酸」ノ變 化ニ 就 テ

參考論文

1. 松茸 ノ「エーテル及 ビアル コール」浸 出液成

分ニ就 テ

2. 家兎血 中石灰 及 ビ煉酸 量ニ 及 ボ ス 「ピツイ

ト リ ン」及 ビ「ヒ ヨー ル 酸 」ノ影 響

3. 睾丸摘 出家兎 血中石灰 量ニ 及 ボ ス 「ピツイ

トリン」及 ビ 「ヒヨー ル酸」及 ビ腦 下垂 體前 葉

越 幾斯 ノ影 響

青 山 勉 君

主 論 文

藥 理學 上 ヨ リ觀 タル血液 凝 固 ト中樞神 經 トノ關

係 ニ就 テ

第1報 腦幹ニ作用 スル藥物 ノ影響

第2報 大腦皮質ノ影響

第3報 藥物末梢性血液凝固調節作用ニ對 ス

164

雜 報 2947

ル血液凝固調節中樞 及 ビ大腦皮質ノ影響

追 報 血液凝固催進中樞 ニ就テ

參考論文

其ノ1.2-3所 謂錐體路外系毒 ノ藥理學的研

究追補

第1報 生體家兎小腸 ニ對 スル作用ニ就テ

第2報 生體家兎子宮摘出滑平筋臟器及 ビ蚯

蚓筋ニ對 スル作用 ニ就テ

第3報 血液凝固及ビ血液有形成分ニ及ボス

影響ニ就 テ

其ノ2.血 液凝固時間出血時間及 ビ出血量 ヨリ

觀タル「パラオキシベンチールグアニヂン」ト

「アスコル ビン酸」トノ併用ニ就テ

其 ノ3.「 ヒニー ン誘 導體」ノ 血液 凝固ニ 及 ボ ス

影響 殊ニ 夫 等 ト「ア ドレナ リン」トノ關係 ニ就

テ

其 ノ4.直 腸 癌 ノ統計 的觀察

其 ノ5.瘢 痕 性腸 間膜 炎ニ 因ル嵌 頓性 トライ ツ

氏「ヘル ニア」ニ就 テ

中村徳 三郎,森 胤直の 兩君 も又論 文 を岡山醫科

大學に提出 して學位を請求中の處12月23日 附を

以て同大學 より醫學博士の學位を授與せ らる其 の

論文次の如 し

中 村 徳 三 郎 君

主 論 文

「ヴイタ ミン」Cノ雌性性器ニ 及ボ ス影響ニ關ス

ル實驗的研究

第1編 「ヴ イタ ミン」C缺 乏 及 ビ過 剩 ノ雌 性

海〓 ノ一般状 態 竝ニ 卵巣機能 ニ及ボ ス影 響

第2編 「ヴイ タ ミン」Cノ 雌性 性器 ニ及 ボ ス

變化 ニ就 テ

第3編 「ヴイ タ ミン」Cノ 内分 泌臟器 ニ及 ボ

ス變化 ニ就 テ

第4編 「ヴ イ タ ミン」C缺 乏ノ 妊 娠,分 娩,

産褥ニ 及ボ ス影 響

其ノ1.妊 娠時 「ヴ イタ ミン」C缺 乏 食投 與

ノ海〓 母仔 獸ニ 及 ボ ス變化 ニ就 テ

其 ノ2.「 ヴイ タ ミン」C缺 乏 食投 與 ノ海 〓

産 褥母仔 獸ニ 及 ボ ス影響,特ニ 仔 獸ノ 榮

養 障碍 トV.C缺 乏症 トノ關係ニ 就 テ

參考論文

其ノ1.膽 汁酸 鹽類ノ 幼若 白鼠 甲状腺 ニ及 ボ ス

影響(丸 山一郎 共著)

其ノ2.腐 敗化 膿性腹 腔 妊娠 ノ治驗例

其 ノ3.臍 帶 異常 及 ビ腹腔 内出血 ニ因 ル子宮 内

胎 兒死亡

其 ノ4.子 宮筋腫 術後ニ 發 生 セ ル血栓 性靜脉 炎

及 ビ肺栓塞ノ1例

其ノ5.絨 毛 上皮腫腟 轉移 ニ放射線 療法 ヲ施 シ

テ腦栓 塞 ヲ來 セル1例(橋 本清共 著)

其ノ6. Disgerminoma ovarii 2例,特 ニ其 ノ

臨牀經 過 ニ就 テ(丸 山一郎 共著)

森 胤 直 君

主 論 文

家 兎體 内及微生物 作用 ニ於 ケル 種 々ナル膽 汁酸

ノ變 化ニ 就 テ

其 ノ1.家 兎體 内ニ 於 ケル「12.ケ ト.3.ヒヨレン

酸 」ノ運命ニ 就 テ

其 ノ2.家 兎體 内 ニ於 ケル 「α.デヒ ドロ ヒオ デ

ゾオキシ ヒ ヨール酸」ノ運 命ニ 就 テ

其ノ3.膵 臟 腐敗時ニ 於 ケル「ヒ ヨール酸」ヨ リ

「デ ゾオキシ ヒヨール酸 」ノ生 成 ニ就 テ

其 ノ4.枯 草 菌作用ニヨ ル 「デ ヒ ドロヒヨー ル

酸 」 ヨ リ 「7.オキ シ.3.12.ニケ ト.ヒヨラン酸」

ノ生成ニ就テ

參考論文

第1編 膃肭獸ノ膽汁ニ就キテ

第2編 「12.ケ ト.3.ヒヨ レン酸」ノ2, 3生 化 學 的

研 究

第3編 猿 ノ膽 汁 ニ就 キ テ(木 村敏 三 ト共著)

第4編 野 鴨,家 鴨及 ビ七面 鳥 ノ膽 汁ニ 就 キ テ

(石 原 徳春 ト共著)

第5編 眞穴子 及 ビ鯰 ノ膿 汁ニ 就 テ

165

2948 雜 報

〓田中教授退職記念會記事

岡山醫科大學耳鼻咽喉科教授田中文男博士は明

治43年 岡山醫學專門學校教授として來任 せ られ

しよ り今年 を以 つて將に30年 に達せ らる.博 士

は之を機 とし本年7月 大學,學 界竝に廣 く社會一

般に,過 去30年 間に亙れ る幾多の輝 かし き功績

を殘 し,限 りなき惜 別 の情 を一 身 に集 め られ つつ

遂に退官せ られたり.茲に博 士の功績を記念す可

く今夏來岡山醫學專門學校竝に醫科大學關係者 を

中心 とし知友,子 弟相寄 り清水岡山醫科大學長 こ

れが實行委員長 として田中教授退職記念會 を計畫

せ しに,其 の賛 成考1350名 を得 た り.愈 々準 備

整 ひ昭 和15年11月17日 を ト し,午 後3時 より

後樂園鶴鳴館に於て記念式,續 いて記念宴會 を開

催せ り.當 日記念式場 たる鶴鳴館榮唱之間には正

面床の間に日の丸國旗を配 し,特 に時節柄簡素を

基調とした る氣持 よき裝飾は今 日の如 き記念會 に

相應 しく由緒深 き純日本式建築 と其の秋色を帶び

たる庭園 とに調和す可 く施され,主 賓田中博士 の

机上に節 られたる大輪の菊花は宛 も博士 の學界或

は教育界に於ける業績を象徴す るものの如 く咲き

誇 り居たり.定 刻前既に大學教職員,友 人,地 方

名 士,醫 師會 關係者,卒 業生,門 下 生,耳 鼻咽 喉

科中國地方會員其の他遠近より來 り會す るもの實

に300を 算 し,榮 唱 之間 の式場は實に 文字 通り 立

錐の餘地なく遂 に廻廊にまで溢る の盛 況を呈せ

り.正 午後3時,一 同着席,東 方遙拜,戰 歿將士

及び 出動將兵に對す祈願默 〓の後,實 行委 員小田

教授開式の辭 にて開會,先 づ清水學長式辭 を述べ

166

雜 報 2949

て田中博士の過去30年 間に於ける專門學校教授,

大學教授,大 學長,附 屬醫院長,日 赤病院長等 と

しての大なる功績精勵恪勤の状 を具さに稱揚 し,

殘され し絢爛 たる事業經綸,偉 大なる研究業績を

稱讃 し,『 今日博士門下に多數の俊豪專門家の輩

出せ るは之一に博士の學術に對する熱意 と氣魄に

より釀成せ らるる尊き感化力に依 らずんば あ ら

ず,博 士は人格高潔敢へて名利 を衒はず,子 弟後

進に對すること眞に慈父の如 く常に誠意懇切以て

之 を指導誘掖 して其の徳に化せ しむ,斯 くて博士

は實に學内讃仰の的 とな りき.曩 に博士勇退の報

傳は るや,學 の内外擧げて其の飜意を懇請す,以

て博士學徳の大なるを窺ふに足る可 し.我 等博士

を慕ふ同志相圖 りて退官記念會開催の議 を定め,

廣 く各方面に賛同を求めたるに,賛 助會員數實に

1300餘 名の多 きに達せ り.是れ實に博士高徳の然

らしむるものに して感謝感激に堪へざる處なり.』

と結ばる.繼 いで門下生代表笠井經夫博士の恩師

に對す る盡きせぬ思慕 と深 き感謝の意溢れたる謝

恩之辭 あり,矢 野恒太氏は岡山醫科大學同窓會東

京支部代表 として祝詞を朗讀 し,傅 士の高潔なる

人格 と功績 を讃へ,野 島泰治博士は大島癩療養所

患者代表長田穂波氏 の記念祝詞及び療養所内基督

教 團體 の祝辭 を代 讀 し,之 等 病者 の博 士 に對 す る

心 か らな る感謝 の言葉 を代讀 し聽 く者 を して博 士

の30年 來 同療 養所 患者 に對 して 示 され し隠れ た

る配 慮 の如何 に大 な りしか を感銘 せ しめ られ た

り.つ い で當 日諸方 よ り寄せ られ た る60餘 通 の

祝電 及び祝 詞の披露 あ り,次 に清水實 行委 員長起

つ て記念 品 目録 を贈呈 せ り.最 後 に田 中博 士は之

等 に對 し誠 に謙讓 な る言葉 を以 て謝辭 を述 べ られ

『私 の 在職 は 明治43年6月 に 來 校以來30年 の長

きに及び ま した が,そ れ を囘顧 します と此30年

間 の醫 界 の進歩 は驚 く可 きもので,殊 に耳鼻 咽喉

科方面 は面 目一新 した感 があ りますが斯 か る發 展

に對 し岡 山醫科大學 の耳鼻 科教 室 も重要 なる役 割

を遂 げ來 つた事 に對 し,此 際改 めて私 を導 き守 つ

て 下 さつ た同學 同門 の皆樣 に感 謝 の意 を表 したい

と思 ふので あ ります.私 は教授 の位置 を追 いて も

岡 山醫 大及 び岡 山市 に對 し限 りな き愛着 を持 つの

であ ります.幸 ひ知友 の援助 に より私 の餘 生 を岡

山市民 と して送 らせ てい ただ けるのは光榮 であ り

ます,何 分微 力な る人間,今 後 の御支援 を御願 ひ

致 します.(略 記)』 と感慨深 く結 ばれ,斯 くて午

後4時 小 田教授 の閉式 の辭 にて滯 りな く記 念式 を

終 了,後 一同打揃 ひ,秋 色 の下,池 に面せ る芝生

167

2950 雜 報

に斜面 に て記 念撮影 をな し,續 い て鶴 鳴館大廣 間

に於 ける宴 會場 に移 りた り.會 場 は西 寄 り南 北 に

長 く主 卓 を設 け;之 に直角東 西 に幾條 に も長 卓 を

竝 べ,各 席 には盛 花 の美 しき を配置 し,和 氣 一場

に横浴 し,遠 近 より集 れ る會 員 の互に 久〓 を敍 し,

田中博 士 を中心 に歡談 す るに相應 は しき もの な り

き.宴 會は定刻5時 小田實行委員開宴の挨拶に始

ま り宴半 ば に して清 水學 長 よ り賞 行委 員長 として

の挨拶 あ り,博 士 の功績 を讃 へ,博 士 及び御一 家

の御 健康 と御繁 榮 を所 られ た る後,赤 澤 乾一氏 司

會 の下 に星島義 兵衛 氏,田 村於 兎教授,山 口治博

士,安 藤 〓 一教 授等 の 卓上演説 あ り,田 中博 士 を

中心に或は懷舊談に思出 を誘はれ,博 士の過去の

教訓に感慨 を湧 し,或 は眞面目に或は諧謔 を交へ

たれ内に何れも教授の學識人格 を讃へ,門 下生藤

森眞治博 士は田中博士苦心の結晶たる教室發展の

跡を囘顧 し謝恩の意を表 し,最 後 に岡山市長國富

友次郎恥起つて田中博士の健康 を祈つて乾盃 すれ

ば 一同 一勢 に起 つ て盃 を擧 げ て之に 和 し,露 々の

和 氣,宴 席 に滿つ るの状 なり き.博 士 は徐 ろに起

つ て謙讓なる謝辭を述べ られ午 後6時 半,小 田教

授の閉會の辭にて一同陶然たる中に,意 義深 く且

盛 大 な り し記 念宴 を終 了 せ り.

(守 屋 誠 記)

12月 中 會 費 納 附 者 氏 名 (其 ノ1)

金貳圓宛也 深瀬 隆彦 藤原 之 藤原鐵太郎 藤原 晧 福武 豐治

福武 敏重 藤田 芳雄 本郷 仭 久本 實 三 前川 鼎 松村 克郎

松浦 堯 松香 孝章 三瀬 茂彦 光田利三郎 村上 午朔 森正 久

森脇 了三 守谷 誠 山下 滿 山村 稔 吉田 千策 好本和多里

武田 縫次 高田 弘 田川蝉太郎 武市 重雄 武野 一雄 瀧澤 敏正

伊達 久彦 津 田 稔 津田 順一 辻 鹿子治 寺尾 尚文 友保 誠

友澤 昇 中西 正男 永瀬 正太 鍋島 清志 西村 敏也 野村 晋

原 勝巳 平松 直 廣瀬 耕一 龜井 俊夫 加賀 呉一 梶谷 尚

河田 豐 金谷 忠景 笠井 經夫 甲斐 太郎 掛谷 令三 喜多村練三

木本 欽吾 熊 井 孝三 小林孫兵衛 榊原 亨 齋藤 義次 佐々木 喬

進藤 斧 吉 須賀 廣太 陶守三思郎 菅 忠芳 關場代五郎 谷口日出夫

田中 貞夫 荒田 一郎 朝川 尚 淺羽 武一 赤澤 乾一 麻植 巨一

石田主基男 石井 正義 伊原 重彦 石本 義 憲 板野 坂恵 寄佐 誠一

宇野 善一 岡崎卓一 岡崎 武昌 岡 元一 太 田徳次郎 太田 一也

大森 大亮 荻原 武雄 小倉 道郎 岡 十郎 横山 光男 菅波 孝雄

前原 士郎

168

雜 報 2951

金壹圓五拾錢宛也 米澤 隆之 友次 誠三

金五拾錢也 友次 彰夫

金參圓宛也 森 金重郎 津田 輝義 辻岡 新治 皿 井立三郎 内田 玄碩

高崎 浩 松 岡三八一 廣畑 龍造 横川 定 藤井 敏夫 小池藤太郎

守屋千代野 田隅 克巳 谷 精二 姫 井只二郎 高龜 良樹 廣 田 照輝

石原 英俊 跡部 鐵朗 長田 孝一 杉山 榮 廣川 濟 落合 治

片岡 音松 宮崎 哲 西崎 良虎 今 井 正善 岡 順二 小林 壽郎

藤井 與 三 藤條 聰善 高橋政太郎 石原 貫一 戸田 亨 西山 逸平

高橋 四郎 井上 達 半田 稔 藤原 政雄 徳岡 英 藤 田秀三郎

三宅 愼治 奥 源之助 星島 卓爾 山口 棄 丸山 忍 藤川 良雄

東郷 安 飛谷 忠弘 樋口 敏雄 三藤 香吉 服部 堯 估 前田與三郎

横山 三郎 近藤 直作 石岡繁太郎 小泉三郎 原廣三 吉田稻太郎

伊賀 安男 長濱 丹冶 太 田 絆 園 部 和男 仁科 稔夫 土井 眞一

和田 精才 青野 正雄 田村 宦 向谷準一郎 中川 武雄 甲藤 一登

超智 佐夫 田村眞一郎 中村 吉太 三 宅正三 二 神 種郎 小川 基

赤木金太郎 吉 田 坦藏 陳 景彬 佐藤 一英 饗場 美誠 小西 例一

吉永 義雄 湯淺 裕 橋本 亨 小野 英夫 本多 秀夫 桑原 亮造

伊丹 武雄 遠藤 巖 宮本 保 植苗福次郎 岩橋宜 雄 万袋 大祐

本名 猛雄 野田 諦俊 酒 井 善雄 多田 繁 岡 宏 今井 一郎

醫學中央雜誌社編輯部 田丸 要槌 佐藤 靜夫 宮田 貞二 三宅 誠一

上代 皓三 鎌田 健治 越 智 幸雄 八木 忠亮 谷 豐 宮永猪佐雄

菅 實 越智 昇一 富永壽一朗 金森 芳松 京極 一久 影山 重士

大塚 蕃 柚木 唯二 柴田 剛太 足高萬太郎 中川小四郎 澁谷 成利

加藤 喜雄 坂部 浩 沖野 勝治 浮田 勝造 税所 貞彦 井 上 誠夫

今橋 鐵 三 小國 博之 清水 光治 寺本 重樹 京城帝國大學醫學部法醫學教室

山本 太郎 山 崎 雅爲 横山 光永 坂 野 義誠 仲田 達夫 森下 亮善

池田 正炎 川崎 敏男 折茂 恒治 柿沼 昊作 西丸 和義 大田 属司

白石 隆二 矢島 壽 勝 呂 學 佐野 實 陶 順二 世木田 務

久山正策 脇田 豐 辻 緑 松原 良一 安原節太郎 中丸市兵衛

佐藤 國男 吉田 功 吉 田 豐太 高橋 統閭 上田 嵬 舟木 文夫

滋野井至孝 木畑元 米 大森精 一 渡邊 琢次 池田 昇 光井 貞八

梅崎 明 段 壽 大見 良秀 坂本正三 野坂 綱定 三木 明治

寺島 富彦 徳重 一志 濱田 榮一 坂東儀八郎 富岡 諒一 相原 義一

安藤 貢 東原 尚一 田井 稔 脇本 正規 中村 慶藏 長野 曠

林 昌 三 宅 正雄 森加 博 山 崎 敏郎 藤田 正夫 廣本達 吉

長 壽 人 村上 嶺二 松本 茂人 安原元 藏 赤岩 亨二 渡邊 傳二

龍治 節三 小 坂 泰輔 三宅 〓 藤森眞 治 森谷柳太郎 三好 智整

村 山 高 高杉 早苗 正岡 旭 渡部 常藏 平井龜太郎 福原 〓

竹本 巖 宗盛 宗人 和四 法雷 村田秀太郎 野間 新 森 下 正一

松澤 喬 小川 邦愛 平野 林 井口法太郎 片山 雄 三好 悦一

稻田 達三 黒川 節司 瀧 口 一三 山 下 三郎 奥宮 松枝 連井 直衛

村上 壽次 高見 修一 近藤 寅夫 大浦 榮 皆見 省吾 志茂 正規

高橋 熊 夫 安井 彌八 沼本 綾造 伊藤 幸憲 大道 直一 菅澤武三郎

天野 保 吉田 畫一 大 森 保 石井誠次郎 豐田 修三郎 榎木大三郎

169

2952 雜 報

金參圓宛 也 大饗 昇 鈴木 重隆 土居 盛登 齋藤 清 菅 田 直樹

須藤五一郎 佐藤 幹 瀧口 俊榮 松村 丈弌 宮西寅之進 松房 一郎

本松 明 三谷 登 福山 匡敏 蓮池 堯民 河合 〓 高橋 謙

武波 晋一 岡村 儀人 登坂 清喜 佐久間成三 内田 義 雄 藤原 拓士

鹽野義商店製 藥部 西 海一 桃井 寛次 井上 一雄 高祖 敏雅

戸田 亨 佐伯 純一 池井 柳藏 松森 正純 加藤 艮六 河合 郁二

佐藤 春一 菅 一嘉 武内 省也 新谷 靜 一 平岡源次郎 赤枝 守一

中村 〓樹 吉田 繁男 工藤 磨 渡邊 善朝 秋 山 彰 藤田秀太郎

伊藤 正道 西川 勳 藤 井 昌展 高城 喬 逸見銀三郎 池浦 義夫

國富 基衛 河合 杏平 露野 包夫 須藤 潔 川西道太郎 小野 哲二

柚木 武夫 田中 敏行 山本 陸治 江原猪知郎 平川 龍造 三木 良定

得津 慶一 重富 貫二 山崎 蓊 水野 知文 伊藤 敏美 上田 敏夫

尾高 甫 高橋 義藏 八木 齊 武内武四郎 津田 董太 尾錢 二郎

村山 富治 村 田 健輔 中村 武 前原 嘉六 黒木 武一 上野 直

藤谷 敏明 篠原 一幸 鈴木 義人 淺越 嘉咸 横 山 丈夫 音田徳太郎

佐藤 次郎 熊谷膜之允 小川 壽 後藤 勇 藏本 常雄 鎌谷 秀武

遠藤 壽太 明渡 侃治 渭東 薫 菅田 〓 杉生 喜三 畠山 長作

大庭九一郎 矢野 義徳 重松 露 笠井 隆吉 黒瀬富太郎 坪井 義晴

大橋 政人 山田 實二 菊澤 隆尚 丹原 驍夫 神澤 修 弓削 鐵夫

立石 力 岩男其二郎 土井 三郎 新藤 輝雄 平田 吾一 右近 文三

高橋 俊雄 友廣 忠 正

金貳圓五拾錢也 片寄 連

金西拾六圓也 鈴木富太郎

金貳拾壹 圓也 廣瀬 眞治

金貳拾圓宛也 前田犬千代 山本 靖造

金拾八圓也 大林 達三

金拾七圓五拾錢也 安藤藤治郎

金拾六圓也 淺田 順一

金拾五圓也 三原勝三郎

金拾參 圓也 和田 進

金拾貳圓宛也 中原 亨 藤井 久吉 永山 太郎 岡本好之助 喜多島愼一

西村 慶次

金拾壹圓也 東島 辰雄

金拾圓宛也 宮原 俯三 近藤 正信

金九圓宛也 赤松 裕 妹尾 唯治

金八圓五拾錢也 津田 次郎

金八圓宛也 關谷 重幸 重盛福七郎 大森 誠 根鈴 齊史

金七圖也 山本 幹爾

金六圓五拾錢宛也 松井健次郎 渡邊 直明 松葉 章一 野口 茂久

金六圓宛也 李 相龍 金 相〓 伊丹 友夫 佐藤 直泰 塚脇篤太郎

新家俊三郎 山本 春海 白坂 正 武内 成之 林 祥坐 中川 勵三

藤田 富豐 奥 雅之 徳丸 喬 江木 健三 奥田 浩三 倉重 晋

寺 田 正中 門脇 善次 相木 俯二 大迫 哲郎 川野 昇 坂本 孝章

庄司 義治 御前 慶造 塚本 守久

金五圓宛也 北村 直次 近光 正

金四圓五拾錢宛也 松浦 三郎 宮田 士郎 大橋 要人

金四圓宛也 小坂 澄治 橋本 清 六車 清茂 下司 孝麿 藤山 省吾

佐藤 政夫 齋籐 治 玉尾 延忠 西原 一二 松尾 義雄 矢野 俊男

米澤 末次 佐藤 次文 松田 芳郎 高田 二郎 平本 憲雄 難波 政士

山本 三省 佐藤 達雄 岩野 郁造

岡 山 醫 學 會

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