高吸匍・高吸湿繊維 「ベルオアシス」について...2019/04/16 · bell oasis...
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帝人フロンティア株式会社技術統括部
ソリューション開発課田垣内 良⼀
高吸水・高吸湿繊維「ベルオアシス 」について
2019年4⽉16日日本不織布協会(ANNA)講演会
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講演内容
0. 会社紹介
1. 「ベルオアシス 」特⻑1)分類2)吸水原理
2. 「ベルオアシス 」を用いた加工
3. 「ベルオアシス 」の機能とそれを用いた商品事例について1)吸水性を利用した商品事例2)吸湿性を利用した商品事例
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0.会社紹介
帝人グループの概要
当社領域
帝人グループの事業概要0.会社紹介
帝人グループの事業概要②0.会社紹介
帝人グループの事業概要③0.会社紹介
当社領域
帝人グループの事業概要④0.会社紹介
帝人フロンティア㈱の概要0.会社紹介
帝人フロンティア㈱の企業理念0.会社紹介
帝人フロンティア㈱の事業紹介(機能資材本部)0.会社紹介
帝人フロンティア㈱の商品提案について0.会社紹介
帝人フロンティア㈱の商品提案について②0.会社紹介
帝人フロンティア㈱の商品提案について③0.会社紹介
高吸水・高吸湿繊維「ベルオアシス 」特⻑®
高吸水繊維・高吸湿繊維 「ベルオアシス 」 とは
� 「ベルオアシス 」は、自重の約80倍の水を吸収し、また自重の約100%の大気中の水分を吸湿する“吸水” “吸湿” 性能を持った高分子重合体です。
� 「ベルオアシス 」はその特徴を活かし、⽣理⽤品などの衛⽣関連⽤品のほか環境緑化、⼟木・工業分野、医療⽤具分野、電気分野など、多⽅⾯で⽤途開発を進めています。
ベル⽤途
機械・電気
⼟木
建材
⽣活資材
メディカル
衛材関連 ベルオアシス 用途
繊維表⾯SEM写真(直径 約30μm)
■繊維表面
ベルオアシス の吸水時のSEM写真(直径⽅向に約10倍膨潤)
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1.ベルオアシス 特⻑
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1) 高吸水繊維・高吸湿繊維 「ベルオアシス 」分類®
【吸水性樹脂(SAP)】� SAPは1976年世界で初めて商業⽣産開始
SAPは紙オムツへの利用(1982年)以来、需要は増加傾向 (次頁)
� SAPの定義水を高度に吸水し、膨潤する樹脂。架橋構造の親水性物質で、水との接触により吸水し、⼀度吸水すると圧⼒を加えても離水しない特徴を有する
� SAPの種類▼ 組成分類 ▼ 形態分類
ポリビニルアルコール系、ポリアクリル酸系、 粉末状(球形、無定形)、繊維状ポリアクリルアミド系、ポリオキシエチレン系 他
� その他▼ SAPの主要用途は衛材用途(全体⽣産量の90%)▼ 2018国内⽣産量 220万t
■ ベルオアシス の位置付けベルオアシス は、吸水性樹脂(Super Absorbent Polymers)の一つ
BELL OASIS
1.ベルオアシス 特⻑®
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吸水性樹脂工業会統計より抜粋
参考資料 吸水樹脂の出荷数量推移1.ベルオアシス 特⻑
■ ベルオアシス の高分子材料での位置付けベルオアシス は、高分子電解質で架橋度が⽐較的高い水膨潤性樹脂に相当
共有結合網状構造 線状鎖 分子鎖構造
アイオノマーイオン(⾦属イオン)を⼀部含む高分子
高分子電解質水膨潤性 水溶性イオン交換樹脂ポリ塩錯体 ポリアクリル酸ソーダetc.
架橋度吸湿性、吸水性
ベルオアシス
1.ベルオアシス 特⻑1) 高吸水繊維・高吸湿繊維 「ベルオアシス 」分類®
※部分的にイオン化した高分子類
※非イオン性の高分子類
※高度にイオン化した高分子類
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小大小 大
■ ベルオアシス の繊維材料での位置付け②ベルオアシス は、 高吸水能、高吸湿能を有する繊維に相当
1.ベルオアシス 特⻑1) 高吸水繊維・高吸湿繊維 「ベルオアシス 」分類®
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吸水・吸湿繊維「ベルオアシス 」 綿 ポリエステル
◆ 外観 白色繊維状 白〜褐色繊維状 無〜白色繊維状◆ 繊維分類 その他化学繊維
(アクリレート系繊維)綿 ポリエステル
◆ 化学組成 アクリル酸重合体部分ナトリウム塩架橋物 - ポリエチレンテレフタレート
◆ 比重(g/cm3) 1.55 1.54 1.38◆ 水分率
(%/20℃65%RH下) 35.0 7.0 0.4~0.5
◆ 強⼒(cN/dt) ≦ 0.25 2.5~5.0 4.0~6.0◆ 伸度(%) 25~35 3~7 20~50◆ 吸水率(%) 8,000 1,000 < 200
◆ 吸湿率(%)at 20℃80%RH
70.0 11.0 <1
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基本情報/物性
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・・・ P. J .Flory の吸水理論
Q=[(1/2 × i/vu× 1/S1/2)2 +(1/2 –X1) / V1] / (V0/v)
i/vu : 網目に固定された電荷濃度1/S1/2 : 外部溶液の電解質のイオン強度
(1/2 –X1) / V1 : 網目と水のイオン強度V0 /v : 橋掛け密度
吸水⼒ =(イオンの浸透圧+高分子電解質の水との親和⼒)/橋かけ密度
イオン浸透圧 ⇔ 水中で高分子中のカルボキシルイオン同士の反発による分子鎖の広がる作用例: 浸透圧低 = 外部溶液の電解質イオン濃度が高く、分子鎖が広がり難い
水との親和⼒ ⇔ 親水基が多い程大
橋かけ密度 ⇔ 橋掛け点による分子鎖の広がりを制限する作用
■ 高分子の吸水⼒ Q
溶媒架橋点ポリマー内
2) 高吸水繊維・高吸湿繊維 「ベルオアシス 」 吸水原理①®1.ベルオアシス 特⻑
高分子吸収体は、多価電解質水溶液に対しては吸収能⼒が低下する
吸収阻害要因・浸透圧の低下(イオン濃度差の低下)・カルボニル基のイオン反発⼒の低下・多価⾦属塩によるイオン架橋⽣成
汗と純水で吸水性能が異なる
COOM
COOM
COO Na+
Na+ OOC
COO Na+
COONaaNOOC
COONa
1価⾦属塩or 純水
2価⾦属塩
多価⾦属(M)によるイオン架橋⇒ イオン反発低下、浸透圧低下⇒ 膨潤⼒低下
■ 電解質水溶液に対する吸水性について
2) 高吸水繊維・高吸湿繊維 「ベルオアシス 」 吸水原理②®
「ベルオアシス 」の場合純水・・・約80倍
⽣理食塩水・・・約45倍
1.ベルオアシス 特⻑
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COO
・浸透圧差・カルボニル基の反発
⇒膨閏⼒大
高吸水・高吸湿繊維「ベルオアシス 」を用いた加工®
不織布の現状の適⽤範囲
目付 : 30.0 ~ 1500 g/㎡厚み : 0.3 ~ 40mm配合量: 5 ~ 90wt%その他 : 単層不織布 ~ 3層不織布
※ 随時ご相談下さい
1) 「ベルオアシス 」繊維混合繊維構造体の体系図®
2.ベルオアシス を用いた加工
WEB形成方法
⻑繊維不織布
WEB結合方法
湿式法
ニードルパンチ法
サーマルボンド法
ケミカルボンド法
スパンレース法
乾式法短繊維不織布
エアレイド法
カード法
ベルオアシス 加工領域
2) 「ベルオアシス 」繊維混合不織布の加工領域®
サーマルボンド法: 熱による繊維の溶融接着結合ケミカルボンド法: 接着材による繊維結合ニードルパンチ法: 特殊針による繊維絡合スパンレース法 : 高圧水流による繊維絡合
サーマルボンド法
ケミカルボンド法
2.ベルオアシス を用いた加工
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目的 目付(g/㎡)
厚み(mm)
吸水量(g/㎡)
・・・0.9%NaCl
吸湿量(g/㎡)
・・30℃90%RH
色目Color
備考Remarks
吸水・吸湿 120 1.5 720 24 白200 2.0 1,800 60300 4.0 6,300 210 グレー400 4.0 8,400 280500 5.0 10,500 350700 7.0 11,700 390230 2.5 1,350 30 白 片面フィルム貼付
吸湿 500 2.0 - 400 表面撥水加工済
4) 「ベルオアシス 」繊維混合不織布の代表例®
※ 随時ご相談下さい
2.ベルオアシス を用いた加工
高吸水・高吸湿繊維「ベルオアシス 」の機能とそれを用いた商品事例について
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3.ベルオアシス の機能と商品事例
「ベルオアシス 」繊維の吸水特性 飽和吸水性能®
【特⻑】 ①吸水量が大きい (⽣理⾷塩水で自重の約45倍吸収)②吸水保持性が高い (吸収後、圧⼒を加えても放し難い)
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*不織布内空間の中で、繊維直径方向に膨潤しながら吸水。厚さ変化が少。低体積変化型
*不織布の厚み方向に膨潤しながら吸水体積膨潤型
Type 1
Type 2
3.ベルオアシス の機能と商品事例
「ベルオアシス 」繊維混合不織布の吸水時の挙動®
� 低体積変化型
結露吸水シート(冷凍⾞他)
■帽子等(気化熱利用型) ■尿漏れ対策下着 ■結露吸水シート
■汗取パッド
3.ベルオアシス の機能と商品事例
1) 「ベルオアシス 」の吸水性を利用した商品事例®
� 体積膨潤型
パイプ継手止水材
油水
分離
フィルタ
ー
水分混入オイル
オイル
*油中の水分を選択吸水
(100ppm未満)
*吸水と共にフィルター糸の体積膨張し濾圧上昇(交換)
■油水分離フィルター
■簡易⼟嚢(止水⼟嚢)
■止水材
3.ベルオアシス の機能と商品事例1) 「ベルオアシス 」の吸水性を利用した商品事例②®
3.ベルオアシス の機能と商品事例「ベルオアシス 」繊維の吸湿特性 ①飽和吸湿性能®
【特⻑】相対湿度55%以上の雰囲気下で、特に吸湿能⼒が高い
■湿気取りマット
センサー付湿気取りマット
スノコ型湿気取りマット
■住宅用調湿シート
■電気機器用調湿材
3.ベルオアシス の機能と商品事例2) 「ベルオアシス 」の吸湿性を利用した商品事例①®
ご清聴有難うございました。
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帝人フロンティア株式会社技術統括部 ソリューション開発課
田垣内連絡先)Email: [email protected]
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