腸「チフス」患者ニ於ケル免疫體ノ消長ニ關スル研...
TRANSCRIPT
14
川口=腸「チフス」患者二於ケル免疫體ノ消長二關スル研究
八二二
窺はるるので、殊に常に異種蛋白
と接觸する機會
の最も多き消化器官粘膜に於て、
かかる『慣れ』の性質
により異種
蛋白の血液
に移行す
るを豫防す
る造化
の妙機は誠
に驚歎に値す
るも
のと稱せざ
るを得ない。
(第八囘日本醫學會第二十分科會所演)
腸「チ
フス」患者
ニ於
ケ
ル免
疫體
ノ消長
ニ關
スル研究
第
五編
感染防禦力及
ビ其免疫體
ニ對
スル關係
東京市駒込病院醫局(院長
二木教授)
醫
學
士
川
口
尹
通
目
次
第
一章
緒
論
第
二章
腸
「チフス」患
者血清
ノ感染防禦力
第
三章
腸
「チフス」患者
ニ於
ケル免疫醴
ノ消長竝
ニ相互
ノ關係
第
四章
臨牀的事項
ト免疫體ト
ノ關
係
第
五章
免疫體
ノ消失
ニ就
テ
第六章
腸「チフ
ス」豫
防落接種職ニ就
テ
第七章
免疫體
ノ消長
ヨリ見
タル免疫體
ハ機能
竝
ニ腸
「チフス」
免疫
ニ關
スル考察
第八章
總
括竝
ニ結
論
(本論文
ノ要旨
ハ大正十五年四月、第七囘
日本醫
學會
第二十部會
ニテ發
表
セルモノナリ)
第
一章 緒
論
曩
ニ余
ハ腸
「チフス」患者
ノ血清中
ニ於
ケル免疫體、即チ凝集素、溶菌素、補體結合物質及ゼ沈降素
ニ就
キ其消長ヲ
檢索
シヲ之
ヲ臨牀的所見ト對比
シタル結果、及ビ各々ノ免疫學的意義
ニ關
スル愚見
ニ就テ逋ブル處
アリシガ、諸種
免疫體
ハ夫
々獨自
ハ機能ヲ指示
シテ相同
ジカラズ、何
レモ亦免疫
ヲ表徴
スルモノト認
ムル事
ヲ得ザ
リキ。
腸「チフス」免疫
ハ素
ヨリ未ダ解決セザ
ル處
ニシテ、血液ノ免疫力
ハ直
ニ之
ヲ以テ免疫
ノ本態ヲナ
スモハト云
フ事能
のズ
ト雖、免疫
ニ樹
シ極メテ
重大ナ
ル使命ヲ有
スルコト
ハ否
ムベカラザ
ル事實ナ
ルガ如
シ。
而
シテ
血液
ノ免疫力
15
ハ經既逋諸
種免
疫
體
ノ血
清中
ニ於
ケ
ル含
量
ニ關
スル
モハト思惟
セラ
ル
・モ、
各種
免疫
體
ハ相
互
二含
量
ヲ異
ニスルヲ以
テ、
何
レガ免
疫力
ヲ指
示
シ、
或
ハ竝行的消
長
ヲナ
ス
モノナ
リ
ヤ、
コレヲ明
ニスル
ハ頗
ル重要
ナ
ル問
題ナ
リ
ト云
ハザ
ル
ペカラズ。
而
シテ血清
ノ菟疫カ
ト
ハ實際
ニ「チ
フ
ス」菌
ノ血
液中
ニ侵
入
シ來
レル際
ニコレヲ死滅
セ
シメ生
體
ヲ
シテ戚
染
ヨリ防
禦
セ
シメ得
ベキ能力
ニ外
ナ
ラズ。然
レ共、
カ
、ル現象
ヲ人
體
二就
テ試
ム
ル
コト
ハ殆
ド不
可
能
二近
キ事
ナ
ルヲ以
テ、
其
能カ
バ直
接
ニ測
定
ス
ルヲ得
ズ
シテ、
間接
テ圃行
ハザ
ルヲ得
ザ
ル
モノナ
リ。
從
テ余
ハ「マゥ
ス」ヲ用
ヒテ患
者血清
ノ戚
染
防禦カ
ヲ測定
セ
ン
コトヲ企
テ
タリ。
斯
ノ如
ク
ニシテ測
レル血
清
ノ威染
防禦
力
ハ大醴
二於
テ血液
ノ免疫
力
ト見做
スヲ得
ベキヲ以
テ、
其消長
ヲ明
ニシテ
コ
レヲ各免
疫價
ト比較
スル時
ハ血液
ノ免
疫力
ト免
疫
體
ト
ノ關
係
ヲ知
リ得
ペ
キ
モハト信
ズ。
サ
レバ本編
二於
テ余
ハ患
者血
清
ノ嵬疫
力
ノ消長
ガ諸
種免疫
體
ノ量的變
化
ト如
何
ナ
ル關係
ニァ
ル
ヤヲ圭
ト
シ、同
時
二
各
菟
疫體
ハ同
一患
者
二於
テ
ハ如何
ナ
ル歌態
二消長
スルヤヲ述
べ、免
疫
體
ノ相
互關係
ヨリ、何
レガ血
清免
疫力
ノ標
示
ヲナ
スモノナ
リ
ャ否
ヤ
ニ就
テ考
察
シ、
次
イデ臨
牀
所見
トノ比較
ヨリ得
タ
ル成績
二基
キ、血
液中
ニ於
ヶ
ル免疫
體
ノ腸
「チ
フ
ス」免
上疫
ニ於
ケ
ル價
値
二就
テ論
ぜ
ント欲
ス。
第
二章
腸
「チ
フ
ス」患者
臘清
丿感
染防禦
力
第
一節
「チ
フ
ス」菌
ノ主慨力
第
一項
試驗
方
法。
「チ
フ
ス」菌
ノ新
鮮培
養
ヲ種
々
ノ量
二十
五琵内
外
ノ「マウ
ス」ノ腹腔内
ニ注入
シ、
コレヲ死
滅
セシメ得
ル菌
ノ最
少量
ヲ
測
定
シ、
此
最少
量
ヲ
以
テ該
菌株
ノ毒力
ト稱
セ
ント
ス℃
此
毒力
試驗
ハ菌
ノ培
養
方法
竝
二時間、
或
ハ稀
釋液
ノ性質
等
ニヨリテ同
一菌株
ト雖、
其カ
ヲ異
ニスルヲ以
テ、
多數
ハ
川口=腸「チフス」患者二於ケル免疫體ノ淌長ニ關スル研究
八二三
16
川
口=腸
「チフス」患
者
二於
ケル免疫體
ノ消長
二關
スル研究
八二四
比
較
ヲ
ナ
ス
ガ
如
キ
場
合
ハ
一定
ノ
標
準
ヲ
定
メ
テ
、
コ
レ
ニ則
ラ
ザ
ル
ペ
カ
ラ
ズ
。
(一)培養基。予
ハ寒天培養基
ヲ用
フ。
「ブイ
ヨソ」培養
ニ於
ケ
ルモノ
ハ發育均等
ナラズ、菌
量ヲ定
メ難
ケ
レバナリ。
(二)培養時間。
一八乃至
二〇時間。
(三)稀釋液。逋
例生理的食鹽水
ヲ用
フルモノす
レ共、菌
ハ生理的食鹽水
中
ニテハ發育
ヲ抑制
セラル
、ノミナラズ死滅
シ易
ク、稀釋後時間
ノ經過
ニ從
ヒ
其影響大
ナルヲ以
テ、予
ハニ〇%
「ブ
イ
ヨソ」加食鹽水
ヲ用
ヒタリ。
コレニヨリ
テ毒力
ヲ測定
スル
ニ食
鹽水ヲ以
テセルモノ
ニ比
シ毒
力大
ナ
ルガ如
シ。例
ヘバ藤卆菌株
(第十代)ニ就
テ食鹽水
ヲ以
テセルモノ
ハ十分
ノ
一白金耳量帥
チ○
.二彪
ナル
ニ反
シ、
コノ稀釋液
ヲ以
テセルモノ
ハ三十
分ノ
一白金耳量、
郎
チ○
・〇七彪弱
ニシテ約三倍強
シ。
(四)實施方法。十八
乃至
二十時間
ノ寒天斜面培養
ヲニ〇%
「ブイ
ヨン」加食鹽水
ニテ稀釋
シ、
五分
ノ
一白金
耳量、十分
ノ
一白金
耳量、十五分
ノ
一白
金耳
量ト順次稀釋菌液
ヲ作
り、
コレヲ〇
・五竓
ヅ
・體重略
々等
シキ三匹
ノ「マウ
ス」ノ腹腔内
ニ注射
シ、
二十
四時間後及ビ四十八時間後
ニ觀察
シテ
其菌中毒
死
ニヨル生死
ヲ確
ム。
(五)威繽
ノ判定。死
亡セル「マウ
ス」ハ何
レモ其
心臟血液
ヲドリガルスキー、
コソラヂ氏培養基
ニ塗布培養
シテ菌陽性
ナルモノノミヲ探用
シ、他
ノ原因
ニヨルモノハ除外
シタリ。從
テ必要
ニ應
ジ試驗
ヲ繰
り返
ヘセル
コトアリ。而
シテ檢
査動物數
ノ大部分
ノ死
亡セル
モハヲ(―)ト
シ、過牟數生存
スルモハ
ヲ(+)ト
ス。
コノ(-)ヲ示
セル動物群
二用
ヒタル菌量
ノ最大稀釋
度ヲ以
テ其菌
株
ノ毒
力
トナ
セリ。而
シテ毒力
ヲ示
スベキ菌量
ハ彪ヲ以
テ示
サズ、白金
耳量ヲ以
テスル
コト
・セリ。
第二項
實驗成績。
檢査
セル菌株
ハ四十四株ナリ。各菌株
ハ其患者ノ病症
ノ輕重或
ハ培養世代等
ヲ顧慮
シテ測定
セルガ、實驗成績
ハ一
括
シテ次
ニ掲グ。
(第
一表)
右
ノ如
ク、新
ニ分離
セル【チフ
ス」菌
ノ毒力
ハ著
シキ差異
アリタ.弱キ
ハ十分
ノ
一白金耳量師チ〇。二瓱、強キ
ハ百六ハ
十分
ノ
一白金耳量即チ○・〇
一二五氈ナリ。
而
シテ此差
異
ハ其菌株個有
ハ性質
ニモヨルペケ
レ共、徇其外其菌ヲ保有
セシ患者
ノ病症、菌
ノ形態上
ノ差別、或
ハ
培養世代等
ニヨリテ異
ルガ如
シ。
(一)患者
ノ病症
ニョル差。概
シテ重症患者
ヨリ分離
セル菌
ハ毒力強
キガ如
シ。殊
ニ分離直後
ニ於テ
ハ毒カ
ノ著
シク
17
第
一表
「チフ
ス」菌
ノ毒力測定試驗
成績
(備考(+)ハ
生(-)ハ
死)
大
ナ
ル
ニ遭
遇
スル
コト
ァリ。
例
ヘバ木
村、
齋
藤、
新
谷
ニ於
ヶ
ルガ如
キ
モノ
ニシテ、
恐
ク
ハ菌
ノ血清
耐性
ヲ有
スルガ
爲
ナ
"フン。
何
トナ
レバ斯
ノ如
キ毒
力
大ナ
ル菌
ハ溶
菌
現象
二對
スル耐性
大
ニシテ其脱却
ニ數
代
ノ寒
天
通過
ヲ要
シ、
被
溶菌
性
ヲ得
ル
ニ至
ル
ヤ、
其毒
カ
バ著
シク減
ジ
テニ十分
ノ
一白
金耳
量前
後
ノ値
ヲ示
ス壬ノナ
レバナ
リ。
又接
種者、
殊
川口=腸「チフス」患者二於クル免疫體ノ消長ニ關スル研究
八二五
18
川
口=腸
「チ
フス」患者
ニ於
ケル免疫體
ノ消長
ニ關
スル研究
八二六
第 二表 「チ フス」菌 ノ培養 世 代 ニ ヨル毒 カ ノ變 化
(毒力ハ白金耳量ヲ示ス)
ニ接霧
經難
キ
ニ拘ラズ罹患
セシ患者
ヨ券
離
セル菌
ノ毒力大ナ
ルハヲ
戚
ヲ深
力ニフシムルモノナリ.同樣
冓
發又
ハ再燃
ノ際
ニ分離
セルモノ、例
ヘバ金子、齋藤
ノ如
キ
モノモ毒力比較的大ナ
ルガ如
シ。
(二)形態上ノ差・余
ぎ
・ニ形態
髪
フ
ハ培靈
上
ニ於
ヶル菌集落
ノ形態ヲ意味
スルラ
ナ
ルガ、寒天培養基士
倭少
ナ
ル集落
ヲナ
ス
モノ
ハ毒力
大
ナ
リ。
例
へ犬菌
出菌
ノ如
シ。
コノ事實
ヨリ考
フル
ニ菌
ノ毒
カ
バ菌
ノ重量
ニ關
スル
ニ非
ズ
シテ菌
ノ教
ニヨル
モノ
・如
シ。
(三)培
養
世代
ニヨル差。
培養
ヲ重
ヌル
ニ從
ヒ次
第
ニ毒
カ
ハ
減
少
ス。
其減
弱
ノ速度
ハ菌株
ノ性
質
ニヨルガ如
ク、
血
清耐
性
ヲ有
スル菌、
或
ハ「フ
ァー
ジ」携
帶菌
ノ如
キ
ハ毒
力
大ナ
ル
モ、
コ
ハ
一時的
性状
ノ變
化
ニヨル
モノ
ニシテ、
其性状
消
失
ト共
ニ減少
ス。
次
ニ培養
世
代
ニヨル毒
力減
少
ハ數
例
ヲ表
示
スペ
シ
(第
二表)
上表
ニ示
セルガ如
ク培養
世代
ヲ
重
ヌル
ニ從
ヒ次第
ニ毒力
ヲ
減
ズ
ルト雖、
アル程
度
ニ達
ス
ルヤ爾
後殆
ド
一定
トナ
ルカ如
ク、其
一定
價
ハ菌株
ニヨリテ差
異
ア
レ共、「チ
フ
ス」菌
ハ大體
二十芬
ノ
一白
金耳量内
外
ナ
リ。
又時
ニ檢
査毎
ニ差
ヲ生
ズ
ル
コト
ア
レ共、
ソ
惑
ク
ハ菌變
性
ニヨル
モノナ
ルベク、
培
養
ヲ頻
繁
ニ繰
ヲ
カ
ヘスガ如
キ場
合
ニ
ハ常
ニ菌集
落
ノ檢
査
ヲ怠
ルベカ
ラズ。其他
、菌毒カ
バ菌
ノ出處
(例
ヘバ血液
中
ヨリ、又
ハ糞
便中
ヨリ
ハ如
キ)ニヨリ
テ差異
ア
ルベク、又同
一時期
二
19
於
ヶルモノ
ニ於プ
モ必
シモ同
一ナリト云
ヒ得ザ
ルモ其研究
ハ後日
ニ讓ラント
ス。
第三項
本節
ノ概括
「チフス」菌
ノ毒カ
ハ芬離後新
シキ場合
ニ於テ
ハ其差著
シク、余
ノ實驗
ニアリテ
ハニ十芬
ノ
一白金耳量
ヨリ百六ハ十芬
ノ
一白金耳量ノ問
ニァリ。而
シプ此毒
カ
バ菌保有者
ノ病歴及ど病症或
ハ菌
ハ存在
セル場所
ニヨソテ異
ルガ如
シ。
又菌毒力
ハ培養世代ヲ重
ヌルニ從
ヒ減少
スルモノ
ニシテ菌變性ヲ來ず
"ル外
ハ略
々
一定
ノ價ヲ示
スニ至
ル。其
一定
セリト見做
サルル價
ハ菌株
ニヨリ多少
ノ差
ハア
レ共、大髓
二十芬
ノ
一白金耳量ナソ。
第
二節
戚染防禦力試驗方法
「マウ
ス」ノ腹腟中
ニ最少致死量ノニ倍量
ノ「チフ
ス」菌
ヲ注入
シタ
ル時、之
ヲ菌中毒死
ヨリ免
レシメ得
ル被檢血清
ノ
最少量
ヲ測
リテ其血清ノ戚染防禦カ
トナセリ。
「マウ
ス」ハ十五琵内外ノ
モノヲ用
フ。
此際使用
スル「チフ
ス」菌
ハ夫
々被檢塩清
ハ病原タリシモノヲ用
ヒ、豫
メ致死量
ヲ定
メタル後、其
レト等
シキ培養世
代
ノモノヲ用
フ。
血清
ハ採取後四乃至五日
ニ檢
シ、特
ニ非働性トナずズ。試驗實施
ノ順序
ハ血清
ヲ最初
ニ注射
シ、次イデ直
ニ菌液ヲ
注射
セリ。而
シテ全量
ハ〇・五瓱ヲ超
ヘザ
ル樣
ニ注意ヲ加
ヘタリ。
成績
ノ判定
ハ實施後四十八時間
ノ觀察
ヲ經テ其生死ヲ檢
シ、死亡セルモノ
ハ必ズ其心臟血
ヨリ「チフ
ス」菌
ノ培養ヲ
試
ミ陽性ナ
ルモノ
、ミヲ採用
セソ。爾同
一ノ血清
ニ對
シテ
ハ三匹
ノ「マウ
ス」ヲ使用
スルヲ原則トセリ。
第三節
健常威染防禦力
ニ就
テ
第
一項
健常人
ノ血清威染防禦力。
「マウ
ス」ニ樹
シ其最少致死量、或
ハ其二倍量
ハ「チフス
」菌ヲ注射
シタル場合
ニ健常人血清ヲ與
ヘテ菌中毒死
ヨリ免
川口=腸,チフスL患者ニ於ケル免疫體ノ消長ニ關スル研究
八二七
20
川口=腸「チフス」患者ニ於ケル免疫體ノ消長二關スル研究
八二八
レシ
ムルヲ得
ル
ヤ否
ヲ檢
シ、
同
時
ニ防禦
カ
ヲ呈
スペキ健常
血清
ノ最
少量
ヲ測定
シテ其戚染
防禦カ
ノ程度
ヲ定
メ
ント
欲
セリ。
試驗材
料
ト
セ
ル人
血清
ハ「チ
フ
ス」性疾
患
ニ罹
リ
シ事
ナ
ク、
又豫
防接
種
ノ經
驗
ヲ
モ有
セズ、
且
ッ現在
健康
ナ
ル
モノ
ヨリ採取
セ
ル
モノナ
リ。
使用菌
株
ハ小林
菌
(I)ヲ以
テ
セリ。
成績
ハ第
三表
ノ如
シ。
第三表 健康人血清 ノ戚染防禦力
第四表 非 「チフス」性有熱性患者血清
ノ戚染防禦力
備考(+)ハ 生(-)ハ 死
第
二項 非
「チフ
ス」性有熱性患者血清
ノ戚染防禦力○
健常血清
ハ非特異性刺戟
ニヨリ其防禦力ヲ増強
セシメラルルモノナリヤ否
ヤヲ知ラント欲
シテ「チフス」ニ關
スル既
往症ナキ種
々ノ有熱性患者ノ戚染防禦力ヲ檢
セリ。
(第四表)
第三項
小括。讐
人血嘖
「マウ
ご
郵
シ其最少致死量ノ
ニ倍量
ノ
「チフご
菌
ヲ防禦
シウ
ルニハ○・三竓以上ヲ
21
要
ス。
而
シテ非
「チ
フ
ス」性
有熱性
患者
血清
モ亦健
康人血
清
ト大差
ナ
ク、其〇
・二竓
ラプ
ハ最
少致死
量
ノニ倍
ヲ防禦
シ
ゥ
ル
コトナ
シ。
郎
チ健
常人血
清
ノ感
染防
禦カ
バ略
々
一定
セ
ル閾値
ヲ有
スル
モノ
ニシテ、非
特
異性刺
戟
ニヨリテ
モ著
シク増強ゼ
ラ
ル
・コトナ
キ
モノナ
リ。
第五表 某 二於ケノレ感染防禦力檢査成績
第四節
腸
「チフ
ス」患者血清
ノ感染防禦力
第
一項
序言。
前節邇
ペタルガ如ク、「チフス」菌
二對
スル健康者及
ビ非
「チ
フス」性患者血清
ノ感染防禦カ
ハ〇・二竓以下ナル
コトナ
シ。
而
シテ腸
「チフス」患者血清
ノ感染防禦カ
ハ特異性ナ
ルペキ
ト共
二其程度ガ著
シク大ナラザ
ルペカラズ。然
レ共疾患ノ
初期
二於テ
ハ健常價トノ差
ハ僅少
ニシテ、量的
二差異
ヲ見
出
シ…難キモノナ
ルペシ。從テ患者
二於テ特異的感染防禦カ
ノ出現
ハ量的差異ヲ標準ト
スルヲ以テ却
ッテ過誤少
キ壬ノ
ト信ゼラル
・ガ故
二、余
ハ血清〇・二竓
ニテ感染防禦力陽性
ナルモノ
ハ以テ特異的感染防禦カ
ノ出現
セルモノト認
メ、
然
ラザ
レバ出現
セザ
ルカ、或
ハ淌失
セルモノト見做サ
ント
欲
ス。
而
シテ余
ガ本節
二邇
ベント欲
スルハ腸「チフス」患者感染防
禦カ
ノ經過
二伜
ヘル變化
ニアリ。從テ此防禦カ
ニ關
シ種
々
攻究
スベキ事項
ハ他日
二讓リ、其病症
ノ輕重トノ關係及
ビ
川口=
腸
「チ
フ
ス」患者
二於
クル免疫體
ノ消
長
二關
スル研究
八二九
22
川口=
腸
「チ
フス」患
者
二於
ケル免疫體
ノ消長
二關
スル研究
八三〇
第 六 表 村松某 ニ於 ケル感染防禦力檢査成績
他
ノ諸種免疫體トノ關係
二就
テ考察
セ
ント
ス。
第
二項
實驗
例。
全]經過
二亙
ソ、
病
日
ヲ追
フテ檢索
セ
ル
ハニ十七
例
ナ
リ、
實驗
成績
ハ次章
諸
種免疫
體
ト
ノ關
係
二於
テ示
スペキ
ヲ以
テ、
コ
・
二於
テ
ハ實驗
例
二例
ヲ
掲グ
ル
ニ留円メ
ント
ス6
第
三項
實驗
成績
ノ總
括。
一、
出
現
二就
テ。
第四
病
日
二出
現
セ
ル
モノ最
モ早
ク、
第
二十
三病
日ナ
ル
モノ最
モ遲
ク、
大
體第
二週
ノ末期
ヨ
リ届弟一二週
二於
テ行
ハル
、ガ・如
シ。
之
ヲ病症
ノ輕
重
ト比較
スル
ニ本態
的差
異
ハ見出
スコト能
ハザ
レ共、.概
括
ス
ル
ニ」輕症
ハ一一・六
日、中
等症
ハ
一四
・
二日、重症は
一九
・二日ノ出現期
ヲ示
シ、病症
ノ重キ程出現遲延
スルガ如
シ。死亡者
二於
テ
ハ全
ク
出現ヲミザ
ルコ
トアリ。叉出現
スル場合ニ於
テ
ハ其時期
重症例
二於ケルト大差ヲ認
メズ。
二、經過中
二於ヶル變化。全經過
二亙ソテ感染防禦カヲ檢
査セルニ、他
ノ免疫體
二於ケ
ルト等
シク、
一箇
ノ曲線
ヲ
23
描
キテ變
化
ス、
郎
チ發病
後
一定
ノ時
期
ヲ
マチテ出
現
シ、
上昇
シテ最
高價
二達
シ、
次
イテ下
降
ツ始
ムル
モノナリ。出
現
二就
テ
ハ既
二述
ベタ
ルガ如
ク、
一定
ノ時
日
ヲ要
シ、
低
キ價
ヲ以
テ現
ハル
・ヲ普通
ト
ス。
上昇
ハ徐
々ナ
ル
コト
丶
急劇
ナ
ル
コト
・ア
リ。
最高價
ハ其到來
一囘ナ
ル
コト最
モ多
ク、
稀
一一二乃
至三囘
二及
ブ
コト
ァリ。
或
ハ叉
一定期間
持續
シテ稽留?
ヲナ
ス
コ
ト
アリ。
最高價
到來
ノ時期
二就
テ
ミ
ル
ニ、
最
モ早
キ
ハ第
十三病
日ナ
レ共、
遲
キ
ハ第九
十
二病
日
二及ブ
コトァリ。
之
ヲ病
症
二
比較
スル
ニ、
輕
症
ハニ乃至
五週
二、
中等
症
ハ四乃
至入
週
二、
重症
ハ四乃
至十
三週
二到
來
ス。
死亡
例
ハ何
レモ早
ク
ニ
乃
至三週
二來
り、恰
モ輕症
二於
ヶ
ルガ如
シ。
併
レ共
後者
ノ自
動
的最
高價
ナ
ル
ニ反
シ、前
者
ハ他動
的最
高價
ナ
リ。
即
チ死亡
例
二於
テ
ハ下
降
或
ハ消
失
ノ早期
二現
ハル
・ガ爲
ナ
ルヲ以
テ、
稀
二出
現時
ノ價
ガ自
ラ最高價
ヲナ
ス
コトアリ。
次
二最
高價
ノ値
ハ余
ノ實驗
例
二於
テ
ハ〇・〇
二五
竓ナ
ル
モノ最
モ大
ニシテ、〇
・〇五竓
ナ
ルヲ普通
ト
ス。輕
症
例
二於
ケ
ル
モノ
ハ何
レモ〇
・〇
二五竓
ヲ呈
セ
ルガ、中
等
症例
二於
テ
ハ〇
・〇
五竓乃
至〇
・一竓、重症
例
ニアリ
テ
ハ〇・〇
二五
竓乃
至
〇・〇
五竓
ナ
リ。死
亡
例
二於
テ
ハ前
邇
ノ如
キ關係
上、〇
・二竓
二過
ギザ
ル
コト
ア
レ共、稀
二〇
・一竓
ヲ示
ス
コトアリ。
三、
下降
及
ビ淌
失〇
治癒
者
ニァリテ
ハ下降
ハ極
メテ緩
ナ
ル場
合多
ク、吾
人
ノ觀察
期
間中
二於
テ
ハ下
降
ヲ認
メ得ザ
ル
コト少
カラズ。從
テ消
失
ノ状態
ヲ見
ル
コト
ハ困
難
ナ
ル場
合多
ク
シテ、
稀
二七
週乃
至十
一週頃
二淌
失
ヲ視
ル
コト
ア
ル
ニ過
ギズ。然
ル
ニ死
亡
例
ニアリ
テ
ハ死亡
二先
チテ、
常
二其感染
防禦
カ
ヲ淌
失
スル
モノナ
ルガ如
シ。
第
三凶章
腸
「チ
7
ス」患
者
呂於
ケ
ル莞
疫體
丿淌長
竝
呂相互
丿關
係
第
一節
序
言
腸
「チ
フ
ス」患
者血
清
中
二現
ハル
・免
疫
體
ノ中、余
ハ凝集
素、溶
菌素
、補
體
結合物
質
及
ビ沈降
素
二就
テ、
患者
ノ全經
過
二亙
リテ其淌長
ヲ攻
究
セ
ル結果、
何
レモ其經
過
ハ曲
線
的推移
ヲナシ
、
各獨
立
セル
モノナ
ル
コトヲ證
シ、且
ッ其
免疫
川
口=腸
「チフ
ス」患
者
二於
〃ル免疫體
ノ消
長
二關
スル研究
八三
一
24
川
口=腸
「チフ
ス」患者
二於
ケル免疫體
ノ消
長
二關
スル研究
入三二
學的意義
二關
シテ余
ノ考察
ヲ述
ぺ置
キシガ、各免疫體相互
ノ關係
二就テ
ハ概括的
二記
セシ
ニ留
マリ、果
シテカカル關
係
ノ同
二患者
二於
テ
モ存
スルモノナリャ否
ヤニ就テ
ハ論及
セザリ
シヲ以テ、以下同
一患者
二就
テ行
ヘル檢索
ヲ主
ト
シテ、既
二逋
ペタル成績
ト共
二免疫體ノ淌長
ヲ觀察
シ、同時
二前章
二述
ペタル感染防禦カトノ關係ヲ明
ニセントス。
第
二節
實驗例
全實驗
例三十三例、患者ヲ病症
ニヨリテ分
テバ輕症四例、中等症十八例、重症
ニシテ治癒
セルモノ七例、死亡四例
ナリ。何
レモ既述各編三
重複
セルヲ以
テ病歴等
ハ之ヲ省キ、檢査成績
竝
ニ曲線
ノミヲ掲グ。
第一類
輕症例
第一例
某
男
.三十歳(第七表
第
一圖)
第七表
第
一
圖
注意 黒細線
……
凝集價(A)黒細點線
……
溶菌價(L)
黒太線……
補體結合價(K)黒太點線……沈降價(p)
鎖弾線
(・―
・―)感染
防醤力
(S)
25
第三例
某
男
二十二歳
(第八表
第二圖)
第八表
第三例
某
男
十五歳
(第九表
第三圖)
第九表
第二圖
第三圖
川口=
腸
「ヲフス」患者
二於
クル免疫體
ノ消
長
二關
ヌル研究
八三三
26
第四例
川口=
腸
「チフス」患
者
二於
ケル免疫體
ノ消長
二關
スル研究
八三四
某
男
三十歳
(第十表
第四圖)
第十表
第二類
中等症例
第
二例
某
男十八歳
(第十
一表
第五圖)
第十一表
第四圖
第五圖
27
第二例
某
男
三十歳
(第十二表
第六圖)
第十二表
第三例
某
女
二十五歳
(第十三表
第七圖)
第三表
第六圖第七圖
川
口=腸
「チフス」患
者
二於
ケル免疫體
ノ消
長
二關
スル研究
八三五
28
川
口=腸
「チフ
ス」患
者
二於
ケ
ル免疫體
ノ消長
二關
スル研究
八三六
第四例
某
男
二十歳
(第十四表
第八圖)
第十表
第八圖
第五例
某
男
十九歳
(第十五表
第九圖)
第十五表
第
九
圖
29
第六例
某
女
二十九歳
(第十六表
第十圖)
第十六表
第十圖
第七例
某
男
二十三歳
(第十七表
第十
一圖)
第十七表
第十一圖
川
口=腸
「チフスし患
者
二於
ケル免疫體
ノ消長
二關
スル研究
八三七
30
川口
賢腸
「チフス上患者
二於
ケル免疫體
ノ消長
二關
スル研究
八三八
第八例
某
女
三十七歳
(第十入表
第十二圖)
第八表
第十二圖
第九例
某
男
十四歳
(第十九表
第十三圖)
第十九表
第三圖
31
第十例
某
女
十二歳
(第二十表
第十四圖)
第二十表
第十四圖
第十
一例
(一)
男
十
六歳
(第
二十
一表
第十五圖)
第二十一表
第十五圖
川口=腸「チ
フヌ」患者
二於
クル免疫體
ノ消
長
二關
スル研究
入三九
32
川
ロ=腸
「チフ
ス」患者
二於
ケル免疫體
ノ消
長
二關
スル研究
入四〇
第十
二例
某
男
二十三歳
(第
二十
二主久
牌弟十
六間圃)
第二十二表
第十六圖
第十三例
某
男
十九歳
(第二十三表
第十七圖)
第二十三表
第十七圖
33
第十四例
某
男
十四歳
(第二十四表
第十入圖)
第二十四表
第十八圖
第十五例
某
男
二十九歳
(第二十五表
第十九圖)
第二十五表
第十九圖
川
口=腸
「チ
フス」患者
二於ケル免疫體
ノ消
長
二關
スル研究
入
四
一
34
川
口=腸『チフ
ス」患者
二於
ケル免疫體
ノ消長
二關
スル研究
入四二
第十六例
某
男
二十
一歳
(第二十六表
第二十圖)
第二十六表
第
二
十
國
第十七例
某
男
十六歳
(第二十七表
第二十
一圖)
第二十七表
第二十一圖
第三類
重症例
35
第十入例
某
女
二十六歳
(第二十八表
第二十二圖)
第二十八表
第二十二圖
第
一例
某
男
二十四歳
(第二十九表
第二十三圖)
第二十九表
第
二
十
三
國
川口
=腸「チ
フス」患
者
二於ケル免疫體
ノ消長
二關
スル研究
八四三
36
川口=腸「チフ
ス」患者
二於
クル免疫體
ノ消長
二關
スル研究
入四四
第二例
某
男
二十
一歳
(第三十表
第二十四圖)
第三十表
第二十四圖
第
三例
某
男
十
二歳
(第
三十
一表
第
二十五圖
)
第三十一表
第
二
十
五
國
37
第四例
某
女
十
一歳
(第三十二表
第二十六圖)
第 三 十 二 表
第
二
十
六
圖
州ロ=腸
「チフス」患者
二於
クル免疫體
ノ消長
二關
スル研究
入四五
38
川ロ
=腸「チフ
ス」患者
二於
ケル免疫體
ノ消
長
二關
スル研究
入四六
第五例
某
男
十六歳
(第三十三表
第二十七圖)
第 三 十 三 表
第
二
十
七
圖
39
第六例
某
男
二十六歳
(第三十四表
第二十入圖)
第三十四表
第二十八圖
第七例
某
男
二十二歳
(第三十五表
第二十九圖)
第三十五表
第
二
十
九
國
川ロ
=腸
「チフ
ス」患者
二於
クル免疫體
ノ消
長
二關
スル研究
入四七
40
川
口=腸
「チフス」患者
二於
ケ
ル免疫體
ノ清長
二關
スル研究
入四入
第四類
死亡例
第
一例
某
女
二十五歳
(第三十六表
第三十圖)
第 三 十 六 表
第 三 十 圖
第
二例
某
男
三十
二歳
(第
三十七表
第
三十
一圖)
第 三 十 七 表
第 三 十 一 圖
第三例
某
男
二十歳
(第三十入表
第三十二圖)
第 三 十 八 表
第 三 十 二 圖
第四例
某
男
四十二歳
(第三十九表
第三十三圖)
第 三 十 九 表
第
三
十
三
圖
41
第
三節
實験
成績
ノ総
括
第
一項
免
疫禮
ノ出
現
二就
テ。
検
索當
初既
ニ各
種免
疫
髄
ノ出現
セ
ル
モノヲ除
キ、
他
ノニ十
五例
ノ患
者
ニ就
テ免疫
艦
ノ出現
病
日ヲ検
セ
ル
ニ次
ノ如
キ
表
ヲ得
タ
リ。
而
シテ
出現
ノ標準
トセ
ル免
疫債
ハ次
ノ如
シ。
一、 凝集素
二〇〇倍
二、 溶菌素
五〇倍
三、 補禮結合物質
五倍
四、 沈降素
反鷹陽性
五、 感染防禦力
血清〇・二耗
ニテ「チフス」菌
ノ最少致死量ノニ倍ヲ防禦シウル場合。
第四十表 免疫禮 ノ出現病 日表
備考 数字 ノ・病 日括弧 内ノ・推定病 日
川口=腸「チフ
ス」患者
ニ於
ケル免疫體
ノ消
長
ニ關
スル研究
八四九
42
川
口
=腸
「チフス」患
者
ニ於
ク
ル免疫體
ノ消
長
ニ關
スル研究
八五〇
表
ヲ概親
シテ、二免疫體ノ中出現
ノ最
モ早キ
ハ凝集素及
ビ溶菌素ナ
ルヲ知
ルベシ。補體結合物質
ノ出現
ハ稀
ニ最
モ早
キ
コト(若松某
ノ如
キ)アリト錐、沈降素
ノ然
ル場合
ニハ
一例
モ遭遇
セザリキ。次
ニ凝集素ト溶菌素トヲ比較
スルニ
溶菌素
ノ早
キ場合
ノ方梢
ー多
キガ如
シ。嚢
ニ余ガ溶菌素
ノ場合
ニ述
ペタル腱
ニヨレバ、實験五十四例ノ中、初診
ノ
際、既
ニ爾者
ノ出現
セルモノ三十九例、凝集素ノ方早キ場合三例、溶菌素
ノ早キ場合八例、同時
ニ出現
セル
モノ四
例ナリキ。
補體結合物質
ハ全経過中出現
セザ
ルモノァリ、何
レモ死亡者
二於テ見
ル威ナリ。然
ル
ニ最輕症患者若
松某
ニァリヲ
ハ他
ノ一免一疫體
ニ先ジヲ出現
セルヲ〔経験
セリ。
沈降素
ハ出現最
モ逞ク、
其程度略
ζ戚染防禦カ
ノ
出現
ニ似タリ。而
シテ
雨者同時
二出現
スル場合
ハ屡
ζ見
ル庭ナ
り。
之
ヲ要
スル
ニ、免疫體ノ出現
ハ同
一患者
ニアリヲ
ハ殆ド同時期
二出現
スルモノ
・如
ク、嚴密
ニイ
ヘバ溶菌素及ビ凝
集素最
モ早
ク、補體結合物質及ピ沈降素最
モ逞
シ。併
レ共其差
ハ僅
ニ歎日
ニ過ギザ
ルモノナリ。
而
シテ出現ノ逞速ト病症ノ輕重ト
ハ多少
ノ關係アルヲ認
ムルト錐、豫後
トノ關係
ニ就
テ
ハ其間
二密接ナ
ル庭
アリト
ハ思惟
シ難
シ。
第
二項
維過中
二於
ケル攣化。
免疫體
ハ何
レモ疾患
ノ経過
ニ伜
フテ上昇
シ、
アル時期
ニ至ルャ、次第
ニ下降
ス〃モノナリ。從テ其攣化
ハ
ニッノ曲
線
ヲ形成
シ、其経過
ハ之
ヲ出現期、上昇期、最高期及ビ下降期ノ四期
二分
チテ考
フルコトヲ得
ベシ。
二、出現期。出現期
ノ長短
二關
シテ
ハ既
ニ前項
ニ於
テ述
ベタリ、凝集素及ビ溶菌素
ハ出現
ニ當リテ、漸ク其陽性埴
ヲ示
ス
ニ過ギザ
レ共、補體結合物質及ゼ沈降素
ハ屡
ー比較的高
キ値ヲ示
シッ
・突然出現
スルコトアリ。
二、上昇期。免疫體
ノ上昇
ハ徐
々ナ
ルモノト急劇ナ
ルモノトァリ、而
シテ
コレハ免疫體
ノ種類
ニヨル
コト少
ク圭ト
43
シヲ病症ノ輕重
ニ因
スルモノ
、如
シ。例
ヘバ凝集素
ノ如
キ
ハ輕症ナ
ル場合
ハ其上昇頗
ル早
ク、登病後十
二日
ニシヲ
最高
二達
スル
コトアヲ。斯
ノ如
キ場合
ニハ他ノ免疫體
ノ最高期到達
モ亦同様
ニ迅速
ニ行
ハル
、ガ如
シ。
上昇
ノ徐
々ナ
ルモノ
ニァソヲ
ハ免疫憤
ハ昇降
ヲ繰り返
ヘシ順次
二其値
ヲ昇
ムルモノナリ。輕症者及ビ死亡者ヲ除
ヶ
バ概
子此経過ヲトルモノ
、如
シ。而
シヲカ
、ル場合
ニ於ケル上昇期間
ノ免疫體相互
ノ關係
ヲミルニ凝集素
ノ態度
ハ
第四十
二表
免疫體
ノ最高價到來病日表(歎字ハ病日)
川
口=腸
「チフス」患者
ニ於
ケル免疫體
ノ浩長
ニ關
スル研究
八五
一
44
川
口=腸
「チフ
ス」患
者
ニ於
ケル免疫體
ノ消長
ニ關
スル研究
八五二
他
ノ免
疫體
ニ比
シ梢
ζ異ナ
ル腱
アリ、
例
ヘバ凝集
價高
キ場合
ニ他
ノ免
疫體
ノ値
ハ低
キ
コト多
ク
シテ拉行
スル
コト
ハ
頗
ル稀
ナ
ル
コト
ア
ル
ガ如
ク、或
ハ凝
集素
ガ
一定値
ヲト
ル時
二他
ノ免疫
價
ハ昇降
ノ著
シキ場
合
ヲ
ミ
ル
コト
ア
ルガ如
シ。
叉凝
集素
ノ上昇
期
二當
リ
テ溶
菌素
ハ同時
ニ上昇
スル
コト多
ケ
レ共、
其値
ハ低
シ。補
體結
合物質
及
ビ沈降素
二至
リテ
ハ其値更
二低
ク、
或
ハ産生
ヲ見ザ
ル
コトず
ヘァリ。前
者
ノ最高期
叉
ハ下降
期
二入
ル
の圃及
ンデ、
後者
ノ上昇期
ニ入
ル
コト屡
ζナ
リ。
叉
死
亡
者
二於
テ
ハ凝
集
素
ハ上昇
相
ノ
ミ
ニ了
ル
コト多
ケ
レ共、他
ノ免
疫體
ハ
コノ時期
ニ既
ニ下
降或
ハ
消
失
ス。
而
シテ是
等
諸
種免
疫
體
ノ上昇期
ノ長
短
ハ最
高期到
達
ノ時期
ノ
ソ
レ
ニ外
ナ
ラズ。
今
次
ニ最高
期
ノ朕
態
ヲ説
カ
ント
スル
ニ先
チ到
達
病
日ヲ
一括
シテ表示
セ
ント
ス
(第四十
一表)。
三、最高
期.
疾患
ノ経
過中
ニ於
ケ
ル免
疫價
ノ最高價
ハ其到
來
一回
ニ留
マラズ、
歎同
持績
スル
コト、
或
ハ間隔
ヲ置
イ
テ数同
二及
ブ
コト
ア
リ。
從
ヲ免
疫價
曲線
ノ形歌
ガ最
高相
ノ形
状
ニヨリ左
右
セラ
ル
、ガ如
ク、
最高期
ノ到
來時期
拉
ニ
其持績
状態
ガ免
疫経
過
ノ全般
二影響
スル
コト少
カラズ。
而
シヲ最高期
ノ状
態
ハ免
疫體
ノ種類
ニヨリ、
患者
ノ病
症
ニヨリ異
ナ
ルモ
ノ
ニシテ、
例
ヘバ凝
集素
ニァリ
テ
ハ死
亡者
ハ最高
期
ヲ示
サ
ヾ
レ共、
他
ノ免疫體
ハ何
レ王其自
動的
ナ
ルト、
他
動的
ナ
ルト
ノ差
ハア
レ共、
必
ズ最高期
ヲ形
成
スル
毛ノ
、如
シ。
凝集
素
ノ最
高期
ハ最
モ早
ク到
來
シ、
其短
キ
モノ
ハ長
キ
モノ
ヨリ輕
症ナ
ル場合
多
ク、
最
高期
ノ歎同
到來
スル
モノ
、如
キ
ハ重症
ニ限
ル。然
ル
ニ他
ノ免疫
體特
ニ溶菌
素、補
體
結合物質
ノ如
キ
ハ全治
者
ニアリテ
ハ其憂化
ノ複雑
ナ
ル
ニ從
ヒ
最高期
ハ持績
スル
コト長
キカ又
2数同
ニ來
ル。
コ
、ニ興
味
ア
ル
ハ補
體結
合物質
ガ有熱
期
ト同復期
ト
ニ於
テ各
一度ヅ
ッ著
シキ高價
ヲ示
ス
コト
ノ屡
々
アル
コトナ
ソ。然
ル
ニ沈
降素
ハ其到
來逞
ク、
同時
ニ其状
態
モ亦比
較
的簡軍
ナ
リ。
次
二到
來時期
ノ逞
速
ヲ比較
スル
ニ何
レ
モ同時
期
ニ來
ル
コト少
カラザ
レ共、
一般
ニ
ハ凝
集素、溶
菌素、補
體結
合物
質、
沈降
素
ノ順
ニ到
來
シ、
沈降素
ノ最
高期
ト威
染防禦カ
ノ最高期
ト
ハ
一致
スルヲ常
ト
ス。
45
四、下
降期。
聾癒
渚
二於
テ
ハ免
疫價
ハ常
二下降
スルモ
ノナ
レ共
、其到
來
ハ恢
復期
ニ於
テ行
ハル
、ヲ以
テ、
入
院患
者
ニ就
テ
ハ之
ヲ観
察
シ得
ザ
ル
コト多
シ。
特
ニ排菌
者
二於
テ然
リ。併
レ共凝
集素
ハ下
降期
ニ入
ル
コト比較
的
早
キ
ヲ以
テ
治癒
者
ニ於
テ
ハ常
二之
ヲ認
ムルヲ得、
疾患
治癒
ノ表
徴ナ
リ
ト思惟
セラ
ル
、場
合
多
シ。
死
亡者
ニ於
ヲ
ハ上述
セ
ル虜
ト
異
り、凝
集價
ハ決
シヲ下降
期
ヲ示
サズ。
然
ル
ニ他
ノ諸
種免
疫價
ハ必ズ下降
シ、
殊
ニ沈降
價
ノ如
キ
ハ死亡
前相
當
ノ高
價
ヲ示
セ
シ
モノト錐
、消失
ス
ル
ニ至
ル場
合多
シ。
次
二全
治者
ニ於
ケ
ル免疫
體
ノ下
降期
ノ状
態
ヲ比較
スル
ニ何
レモ拉行的態
度
ヲト
ルガ如
シ。諸
種免
疫體
ハ上
昇期、
特
二患者
ノ有
熱期
中
二於
テ
ハ何
レモ其消長
随
々タ
レ共、
下降
期
ニ入
ジテ
ハ昇降
ヲ同
ジク
シ、漸
時下降
ス
ル
ニ至
ル
モノ
ナ
リ。
第
三項
免
疫
體曲線
ノ比較
余
ハ最高期
ノ状
態
ニ
ョリ免疫
體曲線
ヲ四型
ニ分
テリ。
第二
型 最高相ガ
一貼
ヲナシ曲線ノ形歌塔形ヲナセルモノ。
第二型 最高相ガ
一線
ヲナスヲ以テ曲線ノ形状ガ丘形ラナスモノ。
第三型 最高價ガ数同到來
スルガ爲
二曲線
ノ形歌複雑トナリ、恰モ塔形或丘形ノ混在セルガ如キモノ。
第四型 曲線
ノ下降相
ヲ訣キ、最高相
ノ明瞭ナラザルモノ。
曲線
ノ形状
ハ免
疫體
ノ種類
ト患
者
ノ病
症
ノ輕
重
ニヨリ
テ大差
ア
レ共、凝集
素
及
ビ沈降
素
ハ曲線
ノ形
状
比較
的簡軍
ニ
シテ、
溶
菌素
及
ビ補
體結合
物質
ハ形
状複
雑
ナ
ル場
合多
シ、病
症
ノ輕
重
ヨリ見
レバ、
何
レノ免疫體
曲線
ト錐、
最
輕症
患者
及
ビ短時
日中
二死
亡
スルガ如
キ
壬ノ
ニアリテ
ハ等
シク簡
輩
ナ
ルモノ多
シ。
而ジ
テ曲線
型
ノ中
第
四型
ハ凝集
素
ニ於
ヲ
ノ
ミ見
ル虜
ニシテ何
レモ死
亡例
ノ呈示
スル
モノナ
リ、他
ノ免
疫體
ノ曲線
ニ
ハ第
四型
ヲ示
ス
モノ存
在
セズ。
勿
論余
ガ
患者観
察期
間中
二得
タ
ル
モノ
ニ
ハ存
スル
コト
ア
レ共、
是
ハ下降
ノ逞延
セ
ル
川口=腸「チフス」患者ニ於ケル免疫體ノ清長ニ關スル研究
八五三
46
川
口=腸
「チフス」患
者
ニ於
ケル免疫體
ノ消
長
ニ關
スル研究
入五四
ガ爲ナリ。何トナ
レバカ
、ル場合
二、其患者
ノ數ヶ月後
ノ槍索
ニヨレバ賜
二其免疫價
ノ下降
セルコトヲ證明
シ得タ
レバナリ。
次
ニ曲線
ノ各相
ノ比較
ヲ試
ミル
ニ、輕症
ニアリテ
ハ免疫體
ノ各相
ハ何
ソモ拉行
スルヲ認
メ、
最高相
ノ如
キ
ハ補體結
合物質、沈降素
ノ如
キ
モノ
、比較的早期
二到來
シ、凝集素及
ビ溶菌素
ノ逞
ル
、ヲ見
ル。然
ル
ニ中等症及ビ重症患者
ニアリヲ
ハ凝集素、溶菌素最
モ早ク、補體結合物質及ビ沈降素
ハ次第
ニ逞延
セル相
ヲナ
ス壬ノナリ。死亡例
ニアソ
テ
ハ凝集素
ハ下降相
ヲ敏
キ、溶菌素
ヨリ逞
ル
、ヲ見
ルト錐、補體結合物質及ビ沈降素
ハ産生
ヲ認
メザ
ル事多ク、稀
ニアルモ其各相
ハ凝集素
ニ先行
ス。是
ハ補體結合物質及
ゼ沈降素
ハ死亡
ニ先
チテ消失
スルヲ以テ、他動的
ニ下降相
ヲ形成
シ、從テ其各相
ハ凝集素
ノ上昇相
ニ於
テ形成
セラル
、モノナリ。
叉病症
ノ輕重ト曲線型
トノ關係ヲ見
ル
ニ本態
的ノ差別
ハ認
メ得ザ
ルモ大體
ニ實験例ヲ概括
スレバ第四十
二表
ニ示
ス
第四十
二表
各種
ノ免疫燈
ノ曲線型
ト病症
トノ關係
ガ如
キ結果ヲ得タリ。
第四項
免疫體
ト威染防禦力
トノ關係
先ヅ各免疫體曲線相互
ノ比較
ヲナ
ス
ニ、戚染防禦力
曲線
ハ凝集價曲線、溶菌價曲線ト
ハ拉行
スル
コトナ
ク補體結合價曲線
ト
ハ往
々
ニ拉行
シ、沈降價曲線
ト
ハ殆ド常
二拉行
ス。而
シテ
コレラノ曲線
ニ於テ其各
相
ハ必ズシモ蛇行
スルモノ
ニハ非
レ共、爾免疫價
ノ
昇降
ハ同
時
ニ相
件
ヒ
テ行
ハル
、ヲ普通
ト
ス。
更
ニ上述
ノ關
係
ヲ仔
細
ニ吟味
セ
ン
ニ、
其出現
二就
テ
ハ第四十
三表
ノ如
キ關
係
アリ。
コレ
ハ全治者
二十
一例
ニ就
テ戚
染防禦カ
ノ
出
現
ヲ標準
ニシテ、
コレ
ニ樹
スル遅
速
ノ
割
合
ヲ検
シタ
ル
モノナ
ルガ、
417
第四十三表
戚染防禦力
沈降素
ノ約孚數
ハ同時
二出現
シ、次
二早ク出現
スルモノ多
ク、遅
ク出現
スルモ
ニ樹
スル各種免疫
ノ
ハ全數ノ約
二〇・〇%ナリ。而
シテ
コレハ殆ド常
ニ輕症患者
ニノミ見
ル腱ナ
體
ノ出現關係
り。
他
ノ免
疫體
ハ何
レモ早ク
出現
シ、遅
キ
モノ叉
ハ同
時
ニ出現
スルモノ
、如
キ
ハ極
メテ少
シ。從
テ沈降
素
ハ其出
現
モ戚
染防
禦カ
ト同時
二或
ハ稽
々早
ク行
ハル
、モ
ノト思
ハル。即
チ他
ノ免
疫體
ニ比
シ著
シク其歌
況
ヲ等
シク
スル
モノト云
フ
ヲ得
ペ
シ
。
次
ニ最高期
ニ關
シテ右ト同様
ニ戚染防禦カヲ標準
トシヲ検索
二十三例
ノ比較
ノ
結果第四十四表
ノ如
キ成績
ヲ得タ
ルガ、
コレニ依
レバ最高期到達
ノ時期
ニ於ヲ
第四十四表 最高期出現
二於ケ
ル諸種免疫體ノ戚染防禦
カ
ニ樹
スル關係
モ亦沈降素
ト威染防禦カ
ト
ハ殆
ド相
一致
ス。其他各部分
ニ於ヶ
ル小動揺
ニアリテモ爾者
ノ相
一致
スルヲ見
ル
ハ殆
ド普蓮ナル現象ナ
ルガ如
シ。從
テ沈降素
ハ戚染防禦カ
ノ指針ト見徹
シ得
ペキモノナリト思惟
セザ
ルヲ得
ズ
。
鼓
ニ於
テ沈降價
ト戚
染防
禦カ
トノ關
係
ヲ見
ル
ニ、
同
二患
者
ニァリ
ヲ
ハ互
ニ拉行的關
係
ヲ認
メ得
ペキ
モ、
異
ナ
ル患
者
ニァリヲ
ハ然
ラズ。即
チ同
ジ
ク沈降價
二〇倍
ナ
ル血
清
モ、甲
ノ患者
ニァリヲ〇
・〇五琵
ノ威
染防禦
カ
ヲ
有
シ、
乙
ノ患
者
ニァソテ
ハ僅
ニ〇・二琵
ノカ
ヲ示
ス
ニ過ギザ
ル
コト
アリ。
而
シテ威染
防禦カ
ト沈降價
ト
ノ比
ハ患
者
ノ病
症
ニ關
係
スルガ如
ク、
其
比
ノ小ナ
ル
ハ大
ナ
ル
ニ比
シテ輕
キ
コト多
シ。例
ヘバ戚
染防禦力
〇・一琵ナ
ル
毛ノガ
一ハ沈降
價
二〇倍
ニシテ他
ハ八
〇倍
川口=腸「チフス」患者ニ於ケル免疫體ノ消長ニ關スル研究
八五五
48
川
口=腸
「チフ
ス」患
者
ニ於
ケル免疫體
ノ清長
ニ關
スル研究
八五六
ナ
ル
コトアリ、
カ
、ル場
合前
者
ハ比較
的輕症
ナ
ル
コト多
ク、
後者
ノ如
キ
ハ重症
ナ
ル場
合
ニ多
シ。
サ
レバ沈降素
ト戚
染
防禦カ
ト
ハ同
一ナ
ル
モノト
ハ云
ヒ難
キ
モ、爾
者
ニ共
遥
セル或物
ノ存
スルヲ推
定
セザ
ルペカラズ。
扱
ヲ戚
染防
禦カ
ノ本
質
ニ就
テ考
フル
ニ、
此試験
方
法
ハ所謂溶
菌素
ノ動
物體内
試験
二外ナ
ラザ
ルヲ以
ヲ、既
ニ述
ペタ
ルガ如
ク防禦カ
ハ血
清免
疫カ
ノ表現
ナ
ルト思惟
セザ
ル
ペカラズ。
而
シヲ溶
菌價
ガ試験
管
内測
定
法
ト動物
體内試
験法
ト
ニ於
テ相
二致
セザ
ル
コト
ハNeisser, Ulrichs, Topfer u. Jaffe
舞験
等
ニヨリ
ヲ認
メラ
レシ庭
ニシテ、
前
者
ハ「チ
フ
ス」患
者
ニ於
テ著
明ナ
レ共、後者
ハ「チ
フ
ス」恢復
者及
ビ
大量豫防接
種者
、
或
ハ強度
ニ免
疫
セル動
物
ノ血
清
ニ於
テ顯
著
ナ
リト
イ
ハル。
余
ハ戚染
防禦
力試験
二於
ヲ
「マゥ
ス」ヲ用
ヒタ
ルガ、
通
常
ハ海狽
ヲ用
フ
ルヲ以
テ、
動物
ニョリテ其値
ヲ異
ニセ
シメザ
ルヤ否
ヲ憂
ヒ爾者
ノ比較
ヲ試
ミタ
リ、
其實験
例
ノ
一ニヲ示
サ
ン
ニ次
ノ如
シ。
第四十五表 感染防禦力試驗
ニ於ケル其値
ト
使用動物
トノ關係
右
ノ試験
ニ用
ヒタル「チフ
ス」菌
ハ患者ノ病原菌
ト同
性質
ノモノヲ用
ヒ其
ノ毒カ
ハ海狸
ニ封
シテ四分
ノ
一
自金耳
「マウ
ス」ニ樹
シテニ十分
ノ
一自金耳ナリ。而
シヲ
コノ成績
ヨリ
スレバ試用動物
ニヨリヲ
ハ戚染防
御示カ
ニ著
シキ差ヲ生ズ
ルモノト
ハ思惟
シ難
シ。從テ
余ガ行
ヘル免疫價測定成績
ニ於テ戚染防禦カ
ヲ溶菌
素
ノ體内試験成績
ト見徹
シテ論ズ
ルモ大過ナキモノ
ト云フヲ得
ペシ。
テ
レバ溶菌價
ト戚染防禦カ
トノ差異
ハ既
ニ實験例
二於ヲ明ナ
ルガ如
ク、余
ノ成績
モ亦諸家
ノ意見
ト
一致
スル庭
ニシ
テ、腸
「チフ
ス」経過中
ニ於
ヶ
ル爾者
ノ比較
ヲナ
スニ溶菌價
ハ有熱期中
ニ高ク、戚染防禦カ
ハ寧
ロ同復期
ニ入ソテ著
49
明ト
ナル。從テ威染防禦カ
ハ單
ニ殺菌作用或
ハ菌ノ發育阻止作用
ヲ示
スニ過ギザ
ル溶菌素
(試驗管法
ニヨ,ル)ニ更
ニ
溶菌作用
ノ結果
ニ生ズ
ベキ菌體毒
ニ樹
スル防禦作用
ヲモ併有
スルモノト考
ヘザ
ルベカラズ。
カクシテ戚染防禦カト沈降素
トノ關係
ニ想到
スル時、沈降素
ト溶菌素
トノ差異明瞭ナ
ルヲ考
フレバ、沈降素中
ニハ
毒素
ニ對
スル防禦作用、即チ抗毒素
ト
ハ言明
スルヲ得ズト雖、
コンニ類似
ノ作用物質
ヲ含有
スルモノト想像
スルヲ
得
ベシ。
(未完)
細菌
溶液
ヲ以
テ
セ
ル經膚免疫
ニ就
テ
東京帝國大學醫學部法醫學敏室(主任三田敏授)
醫
學
士
富
士
山
目
次
第
一章 緒
論
第二章 實驗材料及方法
第三章 「ワクチン」皮膚塗布實驗
第四章 細菌溶液皮膚塗布實驗
第五章 細菌溶液靜版内注射實驗
第六章 細菌溶液ノ陶製濾過器濾液静脈内注射實驗
第七章 總括及結論
文
獻
第
一章
緒
論
無
損傷
皮膚
表面
ヨリ
液性
蛋
自抗原
ノ吸收
セラ
ル
、事
ハ既
ニ花岡(1)及
ビ余(2)(3)(4)
ノ屡ゝ
報
告
セ
ル所、
其後
佐藤(6)ノ實
驗等
アリテ確定
ノ事
實
トナ
レル
モ、有形
性抗
原
ハ無損傷
皮膚
表面
ヨリ吸收
サ
ル
・モノナ
リ
ャ否
ヤ、此
ニ關
シ
Hoffmam(7),
Stahl u. W
inkler(8),
Kluchin u. W
igotschikoff(9)
長
尾(10)
、長
井働等
ハ細
菌
「フク
チ
ン」ヲ皮膚
ニ塗
布
セル
ニ免疫
體
ノ形
成
ヲ見
タリ
ト云
ヒ、
此
ニ反
シテ
B-och(12)
Besredka(13)(14)(15)
及其
一派、出a-lwachs(16)
、
Miller(17)
、小野(18)
等
ハ流血
中
二免
疫體
ヲ認
メズ
ト。
富士=細菌溶液ヲ以テゼル經膚免疫二就テ
八五七