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回路動作から推察するプリント基板熱解析 2008年6月 サイバネットシステム株式会社 PCBソリューション部 原田 あずさ [email protected]

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Page 1: 回路動作から推察するプリント基板熱解析 · ・ 回路動作から推察するプリント基板熱解析(最新熱解析手法) ・ 回路設計~プリント基板へのシームレスな環境提案

回路動作から推察するプリント基板熱解析

2008年6月

サイバネットシステム株式会社 PCBソリューション部

原田 あずさ

[email protected]

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熱設計の重要性

LSIの高速化により、熱の問題は分野を問わずに考えなければならなくなっている。

– 消費電力は、動作周波数×(動作電圧)の2乗にほぼ比例する。

– 動作電圧を下げると、トランジスタの境界となる電圧も下げる必要がある為、リーク電流が増加する。

消費電力の増加

発熱量の増加

– パッケージの小型化傾向にある。

プリント基板への放熱が重要

CPUが消費する電力のほとんどが熱に変換される。

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熱設計の概念と着眼点

対流

ユニット分割の最適化

/通気損失の改善

ユニットレベル

熱対策的柔軟性

開発期間

熱容量

対流伝導・対流・放射伝導・放射伝導・放射主な熱輸送

形状的柔軟性

冷却ブロック構造の最適化/最適通岐路・パターンの選択

発熱分布の均一化/熱伝達率の改善

低エネルギー化/集積化

材料選択の最適化/効率の改善

検討課題

システムレベルモジュールレベルデバイスレベルチップレベル

レベル

小 大

長 長短

参考文献: 「高輝度LED熱対策・信頼性評価」 スタンレー電気株式会社 東海林 巌

PCB

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解析事例

• PSpiceを用いて回路シミュレーションより部品の発熱量を求め、その結果をIcepakの発熱部品のモデルに設定使用し、熱シミュレーションを行う。

デバイスの発熱量 = デバイスで消費された電力量

同じデバイスでも回路によって発熱量は異なってくる。

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電源回路基板の回路図を用意

事例 (1)

• 回路図作成(OrCAD Capture)

※実機イメージ

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事例 (2)

• 回路特性解析(OrCAD PSpice)

<デバイスの発熱量を求める方法(概要)>

1. デバイスのv(電圧)とi(電流)の波形を求める。

2. v×i の波形を出力する。

→これが、デバイスで消費された瞬時電力量となります。

3. v×i の定積分[区間を1周期分(0~T)]に周波数を掛けます。

∫ ( v×i) dt ×f→これが、デバイスで消費された平均電力量と

なります。

4. 通常、デバイスで消費される電気エネルギーのほとんどは熱エネルギーへと変換されるので、次のように定義することができます。

平均電力量=平均発熱量

T

0

0.03C6

0.045C7

0.03C5

0.07L4

0.03U3

1.04U5

0.05D1

0.08Q2

0.85Q1

0.03U1

0.06R1

発熱量(W)部品番号

PSpice解析結果

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事例 (3)

• プリント基板レイアウトデータ作成(Allegro PCB Editor)

50×100mm

Captureからロジック情報(ネットリスト)をPCB Editorに読み込み、配置・配線を行った。

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事例 (4)

• 熱流体解析モデル作成①(Icepak)

PCB Editorから出力したIDFファイルとBRDファイルより、基板・部品の形状情報と配線情報をIcepakに読み込み、解析モデルを作成した。

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事例 (5)

• 熱流体解析モデル作成②(Icepak)

<解析条件>

発熱部品(下図参照)

キャビネットをOpeningに設定(基板単体での解析)

輻射の考慮あり

自然空冷(層流)

配線の考慮あり

0.06W

0.03W

0.85W

0.08W0.03W

0.03W 0.03W

0.045W0.07W1.04W

0.05W

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事例 (6)

• 熱流体解析結果:基板の熱伝導率 (Icepak)

配線の状態により基板の熱伝導率の分布が異なることが確認できる。

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事例 (7)

• 熱流体解析結果:基板の熱分布 (Icepak)

垂直方向の熱分布と速度ベクトル 水平方向の熱分布

基板の熱分布

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まとめ

OrCAD Allegro Icepak

回路図作成

回路解析

基板レイアウト

伝送線路解析

電源ノイズ解析

熱流体解析

回路特性から求めた部品の発熱量

部品・基板形状情報/配線情報

回路のロジック情報

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