内閣府作成 第5期科学技術基本計画 (ベンチャー関連部分抜粋) ·...

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S&II協議会と政府の役割 平成29年7月27日 上山 隆大 総合科学技術・イノベーション会議 有識者議員

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  • S&II協議会と政府の役割

    平成29年7月27日上山 隆大 総合科学技術・イノベーション会議 有識者議員

  • サイエンス& イノベーション・インテグレーション協議会の狙い

    サイエンスと イノベーションを「統合する」(鶴保プラン)とは?

    サイエンス=「研究+開発」「知識の蓄積を増大するため、また利用可能な知識の新たな応用を考察するため

    に行われる、創造的で体系的な活動。そこには人類、文化および社会についての知識の拡大も含まれる」(OECDフラスカティマニュアル2015)

    イノベーション概念の拡大「当該の企業や人にとって「新たな」知識を、普及、移転、利用する活動一般」←

    技術移転、知的財産権 (1980s~)

    Product Innovation:新しい製品・サービスの市場への投入Process Innovation:新しい生産工程・配送方法の導入Marketing Innovation:デザイン、販売場所、販促、価格設定などの新手法の導入Organizational Innovation:業務慣行、職場組織、対外関係などの新らしい組織手法Open Innovation:大学や企業、特許の壁を越えるコラボレーションUser Innovation:ユーザーが作り出す研究開発Cross Innovation:技術、組織、国などを超えたパートナーシップ型コラボ

    1

    イノベ

    ーシ

    ョンに

    よる

    、知識

    の統

    合、普

    及、利

  • サイエンスからイノベーションへ

    2

    知識の高度化研究の高度化科学の実装化

    基礎研究応用研究人文・社会社会ビジョン社会課題

    大 学国 研企 業政 府

    政府

    のファン

    ディン

    民間

    の研

    究開

    発投

    民間

    から

    の共

    同研

    究・寄

    サイエンス(研究開発)

    イノベーション

    技術移転知的財産権

    死の谷

    魔の川

    ダーウィンの海

    実用化

    いかに知識の普及・流れ・利用を加速化しイノベーションへとつなげることができるのか?

  • サイエンスからイノベーションへ

    3

    知識の高度化研究の高度化科学の実装化

    基礎研究応用研究人文・社会社会ビジョン社会課題

    大 学国 研企 業政 府

    サイエンス(研究開発)

    イノベーション

    技術移転知的財産権

    実用化

    いかに知識の普及・流れ・利用を加速化しイノベーションへとつなげることができるのか?

  • Institute for Defense Analyses

    (防衛分析研究所)

    Dr. Van Atta

    DARPAのプログラム・マネージャー・システム

    長官室 Director’s Office

    管理部門 Staff Offices(管理運営室・会計監査室・契約管理室等)

    長官

    適応実行室Adaptive Execution

    Office (AEO)

    軍への実装、技術移転

    2プログラム

    室長

    防衛科学室Defense Sciences

    Office (DSO)

    基礎・材料科学・生物学

    54プログラム

    室長

    情報イノベーション室

    Information InnovationOffice (I2O)

    情報、サイバー

    39プログラム

    室長

    マイクロシステム技術室

    Microsystems Technology

    Office (MTO)

    エレクトロニクスフォトニクス

    MEMS

    58プログラム

    室長

    戦術技術室Tactical

    Technology Office (TTO)

    兵器、宇宙

    27プログラム

    室長

    戦略技術室Strategic

    Technology Office (STO)

    センサー、通信、

    エネルギー

    35プログラム

    室長

    副長官

    PM16名

    PM20名

    PM16名

    PM20名

    PM17名

    PM5名

    Dr. Steven Walker

    金出武雄教授(カーネギーメロン大)

    研究者

    SRIインターナショナル社

    Dr. William Jeffrey(President, CEO)

    研究受託その他、密接な協力関係

    スタンフォード大から分離した米国最大の独立研究機関

    元PMが多数所属する国防総省系NPO

    外部評価等を行う専門家

    長官以下約240名の職員のうち約100名がPM(約200プログラムを運営)他に契約社員ら約800名のサポート要員

    PMのもとにプログラムごとに複数の研究者

    外部の支援組織

    プログラムにおける研究の経験者

    http://www.darpa.mil/default.aspxhttp://www.darpa.mil/default.aspxhttp://www.darpa.mil/default.aspxhttp://www.darpa.mil/default.aspxhttp://www.darpa.mil/default.aspxhttp://www.darpa.mil/default.aspx

  • Impulsing PAradigm Change through disruptive Technologies制度の目的・特徴

    「実現すれば、社会に変革をもたらす非連続イノベーション*を生み出す新たな仕組み」ハイリスク・ハイインパクトな挑戦を促し、我が国の研究開発マインドを一変させる

    →成功事例を、我が国の各界が今後イノベーションに取り組む際の行動モデルとして示す*積み上げではない、技術の連続性がないイノベーション(例.ガソリン車→燃料電池車)

    ○平成25年度補正予算に550億円を計上○基金設置のため、(独)科学技術振興機構

    (JST)法を改正

    事業のスキーム

    ○CSTIがテーマを設定し、プログラム・マネージャー(PM)を公募

    ○PMが研究開発プログラムを提案し、CSTIが選定○PMは、目利き力を発揮して優秀な技術と人材を結集し、自らの権限と責任で臨機応変にプログラムをマネジメント

    予算・法律上の措置

    ①PMの資質・実績

    ・マネジメントの経験や実績、潜在的能力、柔軟な構想力・専門的知見や理解力、ニーズや研究開発動向の把握能力・コミュニケーション能力、専門家とのネットワークと情報収集力

    ・イノベーションの実現を成し遂げる意欲、リーダーシップ・対外的に分りやすく説明する力

    ②PMの提案する研究開発プログラム構想

    ・産業や社会のあり方に変革をもたらすか・ハイリスク・ハイインパクトな挑戦が必要とされるものか・実現可能であることを合理的に説明できるか・単に特定の分野や領域を示すものではないか・我が国のトップレベルの研究開発力が結集されるか・研究開発計画(資金的規模、実施機関等)は妥当か・成果が検証可能か

    ※国民の安全・安心に資する技術と産業技術の相互に転用可能なデュアルユース技術を含むことが可能

    PM選定の視点

    科学技術振興機構(JST)

    総合科学技術・イノベーション会議 (CSTI)

    研究開発機関

    プログラム提案 公募・選定

    研究開発機関

    機関の選定

    革新的研究開発推進会議(大臣、副大臣、政務官、CSTI有識者議員)

    本会議

    革新的研究開発推進プログラム有識者会議(CSTI有識者議員、外部有識者)

    各PMの研究開発プログラム

    プログラムのマネジメント

    PMPMの所属・支援

    研究開発の実施

    PM

    5

    革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)

  • 支援人材(バッファー層)の分布図

    PM,PD,PL等

    CD、目利き、つなぎ役人材

    メンター、アクセラレータ

    省庁資金配分機関 国研 大学

    地域、自治体 産業界

    省庁別に配置(CSTI含む)※非常勤

    各機関別に配置※非常勤

    必要に応じケースバイケース(領域長、部門長等職員が務める場合が多い)

    × △ 各社内で従業員が務める

    △ 各機関別に配置※非常勤一部の地方

    局等

    △ △URA、産連本部、TLO等

    △△

    各社内で従業員が務める(ベンチャー、中小を除く)

    属人的、ケースバイケース

    一部の地方部署等

    × △一部(中小機構等)

    △ ×△

    一部(金融機関、自治体、商工会議所等)

    △各社内で従業員が務める(ベンチャー、中小を除く)

    属人的、ケースバイケース

  • 日本のPMスキル標準と人材育成

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    各省庁(内閣府のSIPやImPACT含む)、資金配分機関(農研機構BRAINやJST、NEDO、AMED等)におけるPM取り組み。

    産業界は、研究開発のためにPM制を採用している場合にあっても、そのスキルやパフォーマンスの評価方法等は様々。

    研究開発PMに関する横断的なスキル標準、パフォーマンス評価基準の導入と人材育成。

    民間における人材市場と共有することが出来れば、優秀なPM人材の市場での流動性が高まるのではないか?

  • BRM( Be n e fit Re a liza t ion

    Man a ge m e n t)

    PPPM

    PMO( Proje ct

    Manage m e nt Office)

    AGILE

    Port folio

    Progra m

    Project

    PMBOK- Inte gration

    - Scope- Tim e- Cost

    - Quality- Human Resource- Com m u n ica t ions

    - Risk- Procure m e nt- Stake holde r

    Talent triangleTe chnical Proje ct

    Manage m e nt

    Stra t egic andBusiness Manage m e nt

    Le ad e rship

    ビジネス思考

    ワーク思考

    プロジェクトマネジメントに求められるタレント(才能や資質)を3つの側面から体系化

    プロジェクトマネジメントの基本手法をまとめた知識体系(基礎ナレッジ )

    変化が速く、不確実性の高いミッションに対して、柔軟かつ迅速に対応するための手法

    組織経営に関するリソース配分、複数プロジェクトの運営に関するマネジメン

    ト方法論を体系化

    社会やビジネスに対する「プロジェクトの価値」にフォーカスを当てたマネジメント手法

    個々のプロジェクトを組織横断的にマネジメントし、サポートする手法

    人材開発視点

    個別プロジェクト視点

    組織横断的視点

    PMCDF( Proje ct Manage r Com pe tency

    De ve lopm e nt Fra m e work )

    ©PMI Japan Chapter, 2017. Copyright and all rights reserved.

    プロジェクト・マネジメント・インスティチュート(PMI)におけるプロジェクト・マネジメント・フレームワーク

  • 米国PMIAA法について

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    PMIAA (Program Management Improvement andAccountability Act)

    主要なポイントは以下のとおり。

    1.連邦政府のプログラム・マネージャを公式の職務とし、そのためのキャリアパスを整備すること。

    2.連邦政府全体に標準ベースのプログラム・マネジメント・ポリシーを策定すること。

    3.連邦政府機関の上級管理職をポリシー及び戦略の責任者に指定し、エグゼクティヴ・スポンサー

    シップとエンゲイジメントに関する基本的役割を明確にすること。

    4.省庁評議会(Interagency Council)を通じて、プログラム・マネジメントの成功アプローチに関する知

    識を共有すること。

    「プログラム・マネジメントに関する重要な改善と説明責任に関する決議の立法化」 (2016)

    ・ DODやNASAなど一部の省庁で成功している PM システムの多省庁への転換・ 政府資金の効率化 → 1 billion 中 97 million が無駄に使われている・ PMは民間で先行的に導入し成果→政府システムへの転換

  • 米国、英国のPMスキル標準

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    英国(PRINCE2) 米国(PMBOK)位置付け 組織運営や事業(ビジネスケース)を強く意識

    した、マネジメント体系(手順やプロセス)をガイドラインとして提示

    プロジェクト・マネジメントの網羅的な知識体系(ナレッジや技法)をガイドラインとして提供

    概要 8つのプロセスから構成 8つのマネジメント項目と9つのナレッジ項目から構成

    体系化の観点

    マネジメントを行う際の原理原則、役割・責任の明確化を重視(現場でのテーラーメイドを想定)

    プロジェクトマネージャーの持つべきスキル・ナレッジの体系化を重視(具体的な技法・ツール、成果物について詳細に定義)

    発行元 英国政府(OGC:商務局)(※現在はAXCELOSが管理)

    米国PMI(Project Management Institute:PM協会)

    普及地域 欧州、香港、シンガポール等 米国、中東、アジア圏対象 主に経営層、その他チーム全員 プロジェクトの責任を負う実践者対人関係スキルの視点

    対象外 対象

    資格 受験資格制限なし、資格更新要件もなし 受験資格制限あり(一定の実務経験が必要等)、資格更新要件あり(継続的な講習受講が必要等)

    相互性 一般に両者は視点が異なるため相互補完的なものと理解されているその他 ISO21500のベースとなった業界標準※PRINCE2: Projects in Controlled Environments, version 2,PMBOK: Project Management Body of Knowledge (一般社団法人PMI日本支部の資料等から内閣府が作成)

  • S&I I 活動とGovernment 2.0 への志向

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    たかが政府、されど政府

    インターネットによる市民のネットワークと情報を通した政府への関わり

    イノベーションの高度化・加速化の手段としてのオープンガバメント

    政府にのみ存在するデータの公開と民間での活用

    民間で成功した政策手法の政府・行政サービス

    Ex- President Obama “We must use all available technologies and methods to open up the federal government, creating a new level of transparency to change the way business is conducted in Washington, and giving Americans the chance to participate in government deliberations and decision-making in ways that were not possible only a few years ago.”

    政府データが持つ新規事業への無限の可能性 新規技術の政府調達のイノベーションへの波及効果

    S&II協議会と政府の役割サイエンス& イノベーション・インテグレーション協議会の狙いサイエンスからイノベーションへサイエンスからイノベーションへDARPAのプログラム・マネージャー・システム革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)支援人材(バッファー層)の分布図日本のPMスキル標準と人材育成スライド番号 9米国PMIAA法について米国、英国のPMスキル標準S&I I 活動とGovernment 2.0 への志向