先行期 準備期 口腔期...mi piace la lingua latina! “acqua - - - ” non’è latino, ma è...

14
高松赤十字病院耳鼻咽喉科 森 敏裕 平成25年11月18日月曜日 嚥下リハ 間接訓練と直接訓練 嚥下機序の理解 Video-fluorography Video-endoscopy 先行期 準備期 口腔期 咽頭期 食道期 口蓋反射 咽頭反射 絞扼反射 嚥下反射 嘔吐反射 唾液嚥下 (空嚥下) と内服は 難関

Upload: others

Post on 24-Oct-2020

0 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

  • 高松赤十字病院耳鼻咽喉科 森 敏裕 平成25年11月18日月曜日

    嚥下リハ

    間接訓練と直接訓練 嚥下機序の理解

    Video-fluorography

    Video-endoscopy

    先行期 準備期 口腔期 咽頭期 食道期

    口蓋反射 咽頭反射 絞扼反射 嚥下反射 嘔吐反射

    唾液嚥下 (空嚥下) と内服は 難関

  • 図2 嚥下口腔咽頭期の動態要素(p-38)

    口腔期関与筋への出力

    促進

    反射開始のトリガー入力

    脳幹嚥下中枢

    喉頭挙上筋への出力

    駆動筋への出力

    CP筋への出力

    (伸展障害含む)

    喉頭挙上の抵抗

    2-1

    偽性球麻痺

    球麻痺

  • 間接訓練: 基礎的嚥下訓練 1)頸部・肩可動域拡大訓練 2)口腔器官強化運動 3)音声訓練 4)構音訓練 5)ブローイング 6)口腔咽頭冷却刺激 (Logemann、K-point刺激法) 7)摂食類似刺激 8)随意的咳 (下咽頭衛生) 9)空気嚥下 10)介助・抵抗による喉頭拳上運動 11)舌突出嚥下 12)バルーン法

    舌前半部のアンカー機能補強( anchoring) 噛み締め嚥下

  • Anch’io

    ho

    sete!

    先行期 準備期!!! 口腔期 咽頭期 食道期

    “Senatus PopulusQue Romanus”

    Mi piace la lingua latina!

    “Acqua - - - ” Non’è latino, ma

    è italiano, un po’ peccato!

  • 直接訓練: 摂食訓練 代償嚥下法 1)息止め嚥下 (supraglottic swallow, super-sg s ) 2)努力嚥下 (effortful swallow) 3)複数回嚥下 o 反復嚥下 (multiple swallow) 4)メンデルゾーン法 (Mendelzone maneuver) 5)交互嚥下 代償姿勢 1)顎引き嚥下・頷嚥下 (chin down, chin tuck) 2)体幹後傾位 3)側臥位 4)横向き嚥下・頭部回旋 5)傾き嚥下・頭部側屈 6)顎上げ・頭部後屈 7)顎出し嚥下・顎突出 食物の工夫 食物の段階区分、液体の粘度、一口量、服薬、介助法

  • 歯科口腔外科 紹介基準 ① 自身で口腔ケアが不可能 ② 自身で口腔ケアが可能であるが、 以下の項目に1つでも該当する ・口臭:看護ケア時に口臭を認める ・口腔内乾燥:看護師による口腔ケア時、 口唇の牽引、舌の清拭等にて出血を認める ・口内の汚れ・食物残渣:口腔内全体に痂皮・ 食物残渣を認める

    JCS20以上

    間接嚥下訓練 または 経管栄養

    RSST3回以上、または、 MWST4・5

    RSST2回以下、または、 MWST1・2・3

    テスト結果を耳鼻科担当医に連絡 担当医の判断で、VF、または、VE検査を施行

    VF、または、VE検査、FTの結果から、耳鼻科担当医、 言語聴覚士、看護師古川らが総合的に嚥下訓練内容、 食事形態、水分のとろみの程度を検討し、主治医の 意見、家族の希望も考慮して、訓練内容を決定する。

    直接、または、間接嚥下訓練を実施。

    JCS10以下

    反復唾液嚥下テスト(RSST) 改訂水飲みテスト(MWST)

    (看護師古川)

    嚥下障害あり、 かつ、従命良

    意識レベル(JCS)、呼吸状態、誤嚥性肺炎の有無を評価 口腔衛生管理 ・口腔内環境を評価 (担当看護師)

    嚥下障害の有無を質問紙にて評価 (担当看護師)

    嚥下障害あり、 かつ、従命不良

    間接嚥下訓練 または 経管栄養

    嚥下障害なし

    自己摂取

    フードテスト(FT) (看護師古川)

    FT1・2・3

    自己摂取

    FT4・5

    看護師は、主治医に歯科口腔外科への紹介を要請

    主治医は、歯科口腔外科に口腔ケアを依頼

    口腔ケア開始後、1週ごとに再評価を行い、 口腔ケア内容を変更、終了する

    歯科口腔外科医の指示にて、歯科衛生士、または、 病棟看護師が口腔ケアを実施

    赤枠内の患者については、訓練開始約2週間後に意識レベル、従命状態、嚥下状態を再評価し、訓練内容の変更を検討する。 (耳鼻科担当医、看護師古川、病棟看護師)

    注1:飲水、経口摂取状態を観察し、誤嚥を疑えば、 RSST、MWSTを施行し、再評価。 注2:訓練内容が不適切と判断した時には、耳鼻科 担当医に連絡し、訓練内容の変更を検討する。

    嚥下訓練は、医師の指示のもと、言語聴覚士、または、病棟看護師が実施する。嚥下状態に応じて、言語聴覚士と病棟看護師が協同して実施してもよい。

    嚥下訓練フローチャート

    (注2)

    (注2)

    (注2)

    (注1)

    (注1)

    耳鼻科紹介

    耳鼻科紹介

    耳鼻科紹介

    耳鼻科紹介

    耳鼻科への紹介、嚥下訓練依頼は上記の時が良いが、従来通り、主治医、看護師が 必要と判断した時でもよい。特に、認知症の強い患者では、このフローチャートに関係なく、 耳鼻科に紹介し、訓練の指示を受ける。

    H25 10月修正

  • 症例A:88歳男性。脳梗塞後遺症(詳細不明)で某所に入所中、経管栄養中、であった。8月19日、嘔吐あり、経管栄養中止、20日、発熱、酸素化低下、当院へ救急搬送された。誤嚥性肺炎として、ビシリバクタ開始。家族によると、ご本人の以前の希望は、胃瘻は希望せず、少々のリスクなら経口摂取を再開したい、とのこと。

    ベッド臥床のまま耳鼻科外来受診、ギャッチアップして、上体保持は良い。嗄声無、構音正常、流涎無し、一見嚥下に問題無しに見える。

    嚥下内視鏡検査:唾液貯留は経度、声帯運動正常、喉頭前庭の知覚は高度低下。空嚥下を命じると努力はするが嚥下開始できない。着色水3ml:口腔保持できず、咽頭流入となる。しかし、咽頭期嚥下反射(気道防御反射)あり、わずかの拳上期誤嚥を思わせる声門への微量着色水付着をみとめる。繰り返し嚥下可能で、下咽頭の残留着色水は消失した。その後再度空嚥下を指示すると、やはり全く嚥下できない。

  • 症例B:62歳男性。病名の一つに小脳梗塞がついている、右鼻から経管栄養中。車いすで耳鼻科に来科。唾液は全部喀出している。めまい、ふらつきあり、上体左に倒れやすいが、車いすでは上体安定している。気息性嗄声軽度あり。舌に異常なし、軟口蓋はやや右へ拳上される。絞扼反射は無いが、気持ち悪いという自覚は咽頭左右ともある。

    嚥下内視鏡検査: 左声帯副正中位固定、咽頭側壁の動きは不明、唾液貯留は格部位に多量、空嚥下指示にはすぐ嚥下開始できる、混合型誤嚥あり、咳でるが喀出力は中等度低下。色素水嚥下では、口腔保持や口腔期は正常で、咽頭期については空嚥下時と同じ所見。

  • 耳鼻科医にとって嚥下障害で最大関心事は、栄養状態よりも気道

    下気道に影響する誤嚥があるかないか。

    例: 気管切開しカフ付カニューレ装着、胃瘻から栄養している。咳、胃内容物が咽頭まで上がる、声門下腔に誤嚥、咳、カフと気管壁間に間隙、下気道へ

    この現状把握に気道の病歴が要る:いつ挿管、いつ切開、どんな切開、どんなカニューレ、等。

    直接訓練を始められるかどうか。

    その準備として間接訓練は?(2週以内)

    肺炎のリスクは誰が負う? 本人家族の意思、主治医との責任分担。

    ①指示を履行する意欲や理解力、③口腔保持(流涎、咽頭流入)、

    ②喉頭前庭や下咽頭貯留物の喀出、④嚥下反射、⑤bolus搬送力、

    手順をたどらず一気に !?