近未来日本の事業環境予測 - core ·...

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─ 43 ─ 〈論 文〉 近未来日本の事業環境予測 山 本 尚 利  Forecasting the Business Environment in the Near Future of Japan Hisatoshi Yamamoto Abstract This article is a study on forecasting the business environment in the near future of Japan. For this research, the methodology for the business environment analysis which was developed at SRI International, the research institute in the United States of America, is applied. This article gives the useful implications to the business strategy planners at corporations in Japan on how to cope with an uncertain business environment in the near future of Japan. 要  約 本論は近未来日本の事業環境を予測するための研究である。この研究のため本論は、米国の 研究所・SRI インターナショナルで開発された事業環境分析方法論を適用する。 本論の研究は、近未来日本における不確実な事業環境にいかに対処すべきかについて、日本 の企業における事業戦略立案者に有益な示唆を与えている。 はじめに 筆者は1986年より2003年まで、米国シンクタンク・SRI インターナショナル(以下、SRI)の東京オ フィスにて、主に日本企業向けの企業戦略コンサルティング・プロジェクト(事業戦略や技術戦略を含 む)に従事してきた。その経験を活かして、2003年より早稲田大学ビジネススクールにて技術経営 (MOT:Management of Technology)を専門に教えてきた。これらの経験から、企業の事業経営でもっ とも有効な事業戦略方法論は事業環境分析ではないかと考えるに至った。そこで、本論にて、SRI で開 発された事業環境分析方法論を適用して、近未来日本の事業環境を予測してみることにした。日本市場 で事業を展開する日本企業あるいは外資企業にとって、本論の近未来日本の事業環境予測は、自社の事 業戦略立案の際に役立つとみなせるが、事業戦略立案のみならず、経営戦略立案の際にも役立つと期待 される。 早稲田大学 WBS 研究センター 早稲田国際経営研究 No.48(2017)pp.43-55 * 早稲田大学大学院商学研究科 教授

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Page 1: 近未来日本の事業環境予測 - CORE · ど優れていても競争優位の新事業に成功することは難しい。 ... ・業務プロセス変革 ・海外日本人増加

─ 43 ─

〈論 文〉

近未来日本の事業環境予測

山 本 尚 利 *

Forecasting the Business Environment in the Near Future of Japan Hisatoshi Yamamoto

Abstract This article is a study on forecasting the business environment in the near future of Japan. For

this research, the methodology for the business environment analysis which was developed at SRI International, the research institute in the United States of America, is applied.

This article gives the useful implications to the business strategy planners at corporations in Japan on how to cope with an uncertain business environment in the near future of Japan.

要  約本論は近未来日本の事業環境を予測するための研究である。この研究のため本論は、米国の

研究所・SRI インターナショナルで開発された事業環境分析方法論を適用する。

本論の研究は、近未来日本における不確実な事業環境にいかに対処すべきかについて、日本

の企業における事業戦略立案者に有益な示唆を与えている。

はじめに 筆者は1986年より2003年まで、米国シンクタンク・SRI インターナショナル(以下、SRI)の東京オ

フィスにて、主に日本企業向けの企業戦略コンサルティング・プロジェクト(事業戦略や技術戦略を含

む)に従事してきた。その経験を活かして、2003年より早稲田大学ビジネススクールにて技術経営

(MOT:Management of Technology)を専門に教えてきた。これらの経験から、企業の事業経営でもっ

とも有効な事業戦略方法論は事業環境分析ではないかと考えるに至った。そこで、本論にて、SRI で開

発された事業環境分析方法論を適用して、近未来日本の事業環境を予測してみることにした。日本市場

で事業を展開する日本企業あるいは外資企業にとって、本論の近未来日本の事業環境予測は、自社の事

業戦略立案の際に役立つとみなせるが、事業戦略立案のみならず、経営戦略立案の際にも役立つと期待

される。

早稲田大学 WBS 研究センター早稲田国際経営研究No.48(2017)pp.43-55

* 早稲田大学大学院商学研究科 教授

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1 .企業の事業戦略立案のための事業環境分析方法論とは様々な企業にとって、自社の事業ターゲットとなる市場の動向把握の第一歩は、自社にとっての事業

環境の分析にある。筆者が所属した SRI の開発した企業向け事業環境分析方法論は VALS(Values and

Life Styles)プログラムの担当チームによって開発された。

SRI の VALS プログラムはマーケティング方法論のひとつであるが、SRI に所属したアーノルド・

ミッチェル博士の率いるグループにより1980年に開発された。ちなみに、VALS は心理学者マズローの

5 段階欲求説を採用している。

本論にて以下に展開する事業環境分析方法論の基礎は、VALS 研究で得られたマクロ市場環境分析に

ある。VALS において消費者の価値観を分析することによって市場環境を推定することができる。 

VALS のマクロ市場環境分析とは、 8 のカテゴリー( 1 .社会・ライフスタイル、 2 .人口動態、 3 .

図表 1 SRI の事業環境分析プロセス

マクロ環境因子(マクロドライバー)

社会・ライフスタイル

人口動態

国際関係・貿易

政治・規制

科学・技術

物理環境

天然資源

経済条件

ドミナンツ例1:ニューエコノミーへ人材流動化促進

ドミナンツ例2:有形資産から無形資産経済へ移行

ドミナンツ例3:法人主導から個人主導社会へ移行

ドミナンツ例4:ネットワークによるグローバル化社会

ドミナンツ例5:安定化から変化・革新を求める社会

未来市場決定因子(デタミナンツ)

機能要件

(アトリビュート)

事業戦略

事業課題

(イシュー)

出所:山本尚利[1992]『中長期技術戦略プランニング・ガイド』日本能率協会マネジメントセンターの図表4 - 3 - 1 に基づき筆者作成注記:ドミナンツ事例は2000年代初頭のもの

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国際関係・貿易、 4 .政治・規制、 5 .科学・技術、 6 .物理環境、 7 .天然資源、 8 .経済条件)別

に市場に影響するマクロ環境因子(マクロドライバー)を抽出し、さらに未来市場を支配する影響因子

(ドミナンツ)を求める方法である。この分析からどのような製品、事業が有望かを推定する。ちなみに、

不確実性未来市場の分析には、別途、シナリオ・アプローチが採用される。

さて、図表 1 に、SRI の事業環境分析法に基づく企業の事業戦略立案プロセスのモデルを示す。

図表 1 に示すように SRI の開発した事業環境分析法は、マクロドライバーの抽出から始まる。企業

の事業戦略立案の際に使用するマクロドライバーとは、企業が自社の事業を展開するターゲット市場を

設定したとき、そのターゲット市場がどのような特徴をもっているか、その市場動向を占うキーワード

を意味する。なお、企業が設定するターゲット市場はフォーカスエリアと呼ばれることもある。

企業における事業戦略策定に必要な戦略的事業課題を抽出するには、近未来の市場ニーズを決定付け

る未来市場決定因子(デタミナンツ)が何であるかを抽出しなければならない。そして市場ニーズを満

足させる機能要件(アトリビュート)を抽出して、その事業課題あるいは技術開発課題が明確となる。

さて、企業経営者にとって、事業展開を想定する市場、すなわちターゲット市場において、その市場

ニーズが何であるかは、経営者の経験と勘により、多くの場合、仮説が立てられていることが多い。し

かし、そのレベルはあくまで仮説にすぎない。その仮説に合理性を与えるのが事業環境分析である。図

図表 2 戦争進軍ルートの最適化

戦場地図モデル化 証拠による推論 最適進軍ルートの確定

河川 道路

地図情報

気象情報霧 雨

森林情報森 林

地層情報

ロック シルト

敵地情報

軍事基地

地形情報

山岳

情報の証拠化:・雪・風雨・道路・丘陵・農園・河川・運河

脅威の証拠化:・脅威の分類・脅威の範囲

・脅威の可視性・軍事的地勢・植生状況・建築物

機 動 性 の 評 価

脅 威 の 評 価

最 適 進 軍 ル ー ト

最 適 コス トパ フォー マ ン スの 確 定

兵器庫

シナリオ開発

出所:SRI インターナショナル、AI センター

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表 1 に示す事業環境分析において、任意に抽出されるマクロドライバーに共通する普遍因子、すなわち

市場支配因子(ドミナンツ)を媒介因子(パラメーター)として市場ニーズに合理性が付与される。

不確実未来の市場においては、新事業の投資は非常にハイリスクとなる。したがって、図表 1 に示す

ような合理的な事業環境分析を実行せずに仮説や勘のみで事業投資を行うと、事業コンセプトがどれほ

ど優れていても競争優位の新事業に成功することは難しい。

未来志向の画期的新製品を携えたハイリスク新事業には、図表 1 に示すような帰納的推論と演繹的推

論を組み合わせたような第三の推論プロセス(アブダクション)の開発が不可欠となる。ちなみにアブ

ダクションとは、個別の事象から合理的な仮説を導出する推論プロセスである。この推論プロセスに関

して、SRI では Evidential Reasoning の研究が行われてきた( 1 )。そして、図表 2 に示すように、こ

の推論法は当初、軍事戦略方法論として開発された後、企業戦略方法論などに広く応用されるように

なった。

2 .日本市場の事業環境分析事例本項では前項 1 に示した SRI の事業環境分析法を適用して、日本市場をフォーカスエリアとする事

業環境分析の事例研究を行う。なお、本論は事業戦略立案自体をメインテーマとはしていないので、本

項では図表 1 におけるマクロドライバーとドミナンツのみに事例研究の範囲を限定する。

2 - 1 .2000年代日本の事業環境分析の事例(過去事例)

図表 1 に示す事業環境分析の対象事例として、本論では日本市場を取り上げる。筆者は2000年代初頭

に SRI の事業環境分析法を適用して、当時の日本市場の事業環境分析をすでに実施しているが、その

結果を図表 3 に示す。なお、図表 3 はマクロドライバーおよび、それらのマクロドライバーから導出さ

れたドミナンツの事例である。

2000年代初頭の日本は工業化社会から脱工業化社会に移行していたが、同時にインターネット社会に

なりつつあった。そこで日本の脱工業化社会をインターネット社会の到来とみなし、インターネット知

創社会という切り口でマクロドライバーをリストアップした。ちなみに知創社会とは、知識によって付

加価値の創造される社会であり、脱工業化社会のモデルとみなすことができる。

インターネットは90年代半ば頃より日本で普及し始め、2000年代の日本はインターネット社会になっ

た。図表 3 に示すドミナンツはまさに2000年代日本に到来したインターネット社会を表現していると言

える。

さて、図表 4 に示す事例は図表 3 の事例をベースに、2000年代前半に見直ししたものである。図表 4

に示されるマクロドライバーは図表 3 のそれを参考に更新している。そして、図表 4 にて抽出されたド

ミナンツは図表 3 のそれを変更する必要はなかった。

2 - 2 .2010年代日本の事業環境分析の事例

2010年代初頭、前項 2 - 1 と同様に、日本市場の事業環境分析を行った。その結果を図表 5 に示す。

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図表 3 近未来日本の事業環境分析(2000年代初頭に作成した事例)

・テレワーカー増加 ・人口分散化 ・個人輸出入 ・外資系増加 ・ソフト開発 ・通勤者減少 ・化石エネルギー ・無形資産経済・業務プロセス変革 ・海外日本人増加 ・外人労働者増加 ・政治のIT化  高生産性 ・省エネ時代  消費量減少 ・電子商取引増加・シニアコミュニティ開発 ・老齢化の進展 ・国際化対応力強化 ・行政のIT化 ・IT投資増大 ・生産物流合理化 ・自給自足者増加 ・時価社会・マスメディア栄枯盛衰 ・若年層の減少 ・国際テロ危機 ・健保処理IT化 ・R&D効率化 ・廃棄物減量 ・リサイクル促進 ・ダイレクトマーケティング・国際会議ビジネス ・田舎暮らし増加 ・日本の国際観光 ・福祉ネットワーク化 ・ネットセキュリティ ・郊外開発促進 ・石油危機 ・オンライン証券・セミナー・教育ビジネス  立国化進む ・教育IT化 ・医療技術発達 ・サービス業態変革・時間効率向上 ・公共料金値下げ ・人材流通活発

・アウトソース化・正社員削減・経営世代交代

M1社会ライフスタイル

M3国際関係貿易

M2人口動態

M4政治規制

M5科学技術

M8経済条件

M7天然資源

M6物理環境

ドミナンツ:1.オールドエコノミーからニューエコノミーへ人材流動化2.有形資産経済社会から無形資産経済社会へ移行3.法人主導社会から個人主導社会へ移行4.ネットワーク化によるグローバル化5.安定化志向社会から変革志向社会への転換

マクロ環境因子(マクロドライバー)

出所:山本尚利[2001]『技術ナレッジマネジメント ・ シート』新技術開発センターのデータに基づき筆者作成

図表 4 近未来日本の事業環境分析(2000年代前半に作成した事例)

・核家族化

進展

・教育事業隆盛

・社会人教育

盛ん

・インターネット社会

・コミニュケーション活発

・少子高齢化

・金融・通信・電力

規制緩和

・日本企業の中国

進出盛ん

・メイドインチャイナ輸入増

・年金生活者

増加

・ナレッジワーカー

知識欲増大

・輸入品増加に

よる貿易黒字

減少

・キャッシュレス社会到来

・事業性個人

増加

・趣味多様化

・高学歴者増加

・国際化進展

・英語使用頻度増加

・情報流通

活性化

・廃棄物規制強化

ゴミ有料化

・リサイクル盛ん

・国際情勢緊張

文明の対立激化

・環境と安全重視

環境規制強化

・都市型生活人気

・北朝鮮危機

・国家財政危機

・モバイル技術の普及

・ブロードバンド技術の普及

・石油危機リスク

・デフレスパイラル・都市型ワーカー

長時間通勤

・省エネ志向・生活必需品完備

・高失業

・ジョブレス・リカバリー

(雇用増えない景気回復)

・リストラ多発・ハイブリッド車

普及

・自動車革命 ・地方景気低迷

・工場海外移転

・マルチメディア技術の普及

・省資源意識高揚

・ 個人所得

二極化

・無線LAN技術の普及

・不動産価格

二極化深刻

・職住近接マンションの人気

・防犯セキュリティ

必要

・大気汚染

・エネルギー

安全保障

・標準技術覇権

競争激化

・医療技術進歩・領土問題注目

ドミナンツ:1.オールドエコノミーからニューエコノミーへ人材流動化2.有形資産経済社会から無形資産経済社会へ移行3.法人主導社会から個人主導社会へ移行4.ネットワーク化によるグローバル化5.安定化志向社会から変革志向社会への転換

M1社会ライフスタイル

M2人口動態

M3国際関係貿易

M4政治規制

M5科学技術

M6物理環境

M7天然資源

M8経済条件

出所:筆者作成

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さらに、2010年代半ば、再度、日本市場の事業環境分析を行った。その結果を図表 6 に示す。図表 3 お

よび図表 4 の2000年代事例と、図表 5 および図表 6 の2010年代に事例を比較すると、ドミナンツに大き

な変化が生じていることがわかる。このことから、日本は、2000年代から2010年代に移行する際、何ら

かの不連続変化に見舞われたことがわかる。そこで次項 2 - 3 にて、その不連続変化とは何かについて

取り上げる。

2 - 3 .2000年代日本から2010年代日本への移行期における不連続変化とは何か

2000年代の日本はインターネットの普及とともに、順調に脱工業化社会に移行した。ところが、2010

年代日本のドミナンツは2000年代日本のドミナンツを引き継いでいない。この不連続変化の原因のひと

つとして想定されるのは、やはり、2011年 3 月11日に起きた3.11地震津波の襲来ではないだろうか。ち

なみに、図表 5 の分析は3.11地震津波災害の後に実施したものである。

総体的にみると、2010年代の日本は、各種災害のみならず戦争など様々な脅威や危機に晒されている

ことがわかる。

地震津波、気象異変など、これまでは自然現象と思われた事象も、世界のどこかで自然現象に偽装

した人工の兵器として秘密裏に開発されている可能性がある。その証拠に世界には気象改変技術を戦争

の手段に利用する概念がすでに存在する( 2 )。また、戦時中、米国海軍はニュージーランド沖にて

Tsunami Bomb の開発に成功していたことがニュージーランド政府の機密文書公開で判明している

図表 ₅ 近未来日本の事業環境分析(2010年代初頭に作成した事例)

・独身増・ニート・パラサイト

・社内教育余裕なし

・社会人教育

盛ん

・インターネット社会(スマホ・SNS)

・節約・エコ志向

・少子高齢化

・増税圧力

・企業グローバル化

(国内雇用空洞化)

・年金生活者増加

・正社員比率減

・輸出減による

貿易黒字減少

・ネット規制

・団塊世代退職

・可処分所得減 ・就業人口減

・領土問題

・日中対立

・日韓対立

・既成政党不信新党乱立

・対米従属政治

官僚主導国家

表面化

・TPP・FTA問題

・マスコミ偏向

マスコミ不信

・生活保護増加

・北朝鮮危機

・国家財政危機深刻化

・工場の東南アジア・

インドシフト

・日米安保・

憲法論議

・モバイル技術の普及

・石油・食糧

危機リスク

・デフレスパイラル

・都市型ワーカー

長時間通勤

・気象異変かんばつ

・コンビニ繁栄

・ 若年高失業

・リストラ多発・EV・ハイブリッド

カー・スマートグリッド

・地方景気低迷

・工場海外移転

・マルチメディア技術の普及

・省エネ・省資源レアアース ・格差社会

・高速無線技術の普及

・GDP成長率

先進国で最低

・地震津波列島

災害危機

・防犯セキュリティ

必要

・放射能汚染危機

・中東危機

・エネルギー安全保障

・標準技術覇権競争激化

・医療技術進歩

・領土問題と資源争奪

・核技術

安全性

・廃棄物処理

・個人情報

漏えい

・円高・円安

乱高下

・地球温暖化

気象異変

M1社会ライフスタイル

M2人口動態

M3国際関係貿易

M4政治規制

M5科学技術

M6物理環境

M7天然資源

M8経済条件

ドミナンツ:1.地震・津波災害、気象異変の脅威増大2.極東における競合国家(中韓台)の台頭と脅威3.戦後日本の民主主義国家体制の危機4.日本の国力の相対的低下と貧乏化5.日本の孤立化危機の浮上

出所:筆者作成

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( 3 )。したがって、3.11地震津波発生は純粋に自然現象だったのか、それとも、何らかの人工的外力が

加えられた自然現象であったのか、真剣に追究する必要がある。

上記、3.11地震津波襲来が日本にもたらした最大の国家的難題は、東京電力福島第一原子力発電所が

致命的な事故(以下、東電福島原発事故)を引き起こした現実にある。筆者はすでに、東電福島原発事

故について技術経営(MOT)の観点から分析を行っているが、この事故は世界の歴史に残るような破

局的な原発事故であった( 4 )。ちなみに、東電福島事故原発の廃炉工事には21.5兆円の費用が掛かる

見込みであることを経済産業省が公表している( 5 )。いずれにしても、3.11地震津波襲来で引き起こ

された東電福島原発事故は近未来の日本にとって深刻な重荷になっていることは否定しようがない。

もし、3.11地震津波襲来が人工的な外力をトリガーにして引き起こされた自然災害であれば、近未来

の日本で、同様の災害が再び、引き起こされる危険がある。

図表 6 近未来日本の事業環境分析(2010年代半ばに作成した事例)

・独身増ニート・パラサイト

・社内教育余裕なし

・社会人教育

盛ん

・インターネット社会(スマホ・SNS)

・節約・エコ志

・少子高齢化

・増税圧力

・企業グローバル化

(国内雇用空洞化)

・年金生活者増加

・正社員比率減

・輸出減による

貿易黒字減少・ネット規制

・団塊世代退職

・可処分所得減

・就業人口減

・領土問題

日中対立

日韓対立

・既成政党不信新党乱立

・対米従属政治

官僚主導国家

表面化

・TPP・FTA問題 ・マスコミ偏向

マスコミ不信

・生活保護増加

・北朝鮮危機

・国家財政危機深刻化

・工場の東南アジア・

インドシフト

・日米安保改正・

改憲の動き

・内外旅行者増加

・総人口減

・テロの増加

・右傾化

・格差社会

・第三次世界大戦危機

・天皇制見直し

・自衛隊海外派遣

・南シナ海・東シナ海

緊張

・医療・福祉費増大

・児童保育所不足

・介護施設不足

・東京五輪特需

・モバイル技術の普及

・石油・食糧

危機リスク

・デフレスパイラル

・都市型ワーカー

長時間通勤

・気象異変かんばつ

・コンビニ繁栄

・若年高失業

・リストラ多発

・EV・ハイブリッド

カー・スマートグリッド

・地方景気低迷

・工場海外移転

・マルチメディア技術の普及

・省エネ・省資源レアアース

・格差社会

・高速無線技術の普及

・ GDP成長率

先進国で最低

・地震津波列島

災害危機

・防犯セキュリティ

必要

・放射能汚染危機

・中東危機

・エネルギー安全保障

・標準技術覇権競争激化

・医療技術進歩

・領土問題と資源争奪

・核技術

安全性

・廃棄物処理

・個人情報

漏えい

・円株反比例連動

・地球温暖化

気象異変

・IoT技術とAI技術

・マイナス金利

・研究所国内回帰・対外資産増

・タックスヘイブン利用

・消費税増税

・製造業技術力低下

・ドル・ユーロ通貨危機

・フィンテック普及

M1社会ライフスタイル

M2人口動態

M3国際関係貿易

M4政治規制

M5科学技術

M6物理環境

M7天然資源

M8経済条件

ドミナンツ:1.地震・津波災害、気象異変の脅威増大2.極東における競合国家(中韓台)の台頭と脅威3.戦後日本の民主主義国家体制の危機4.日本の国力の相対的低下と貧乏化5.日本の孤立化危機の浮上

6.平和国家日本の終焉(戦争国家化)7.第三次世界大戦に日本が巻き込まれる危険浮上8.自衛隊の海外派兵9.大地震・津波・異常気象で大被害発生危機10.原発が北朝鮮ミサイルに攻撃されて大被害発生危機

・円高・円安

乱高下

出所:筆者作成

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3 .2020年代に向けた近未来日本の事業環境予測本項では、 2 - 2 項の図表 6 をベースにして、2017年初頭から2020年代を見通す近未来日本の事業環

境予測を行う。すなわち、2020年代に向けた近未来日本の事業環境予測である。

3 - 1 .日本に固有の事業環境とは

2017年初頭現在における日本に固有の事業環境とは何であろうか、それは現在の日本が他の一般的な

独立国とは大きく異なる点である。具体的に言えば、戦後から今日まで、日本には外国の軍隊、すなわ

ち、米軍が日本全土に駐留している点である。このような特殊な独立国は世界でも少ない。なぜ、日本

に米軍が駐留しているのか、端的に言えば、日本は日米太平洋戦争で米国に敗戦したからである。戦勝

国・米国にとって、日本は今でも、日米太平洋戦争で日本を無条件降伏させた戦勝国・米国の戦利品と

みなせる。

ところで、今の日本は米国との間で日米同盟を締結しているが、日本を本音では戦利品扱いしている

米国連邦政府(以下、米国政府)は日本を属国視していると思われる。そして、日本政府および国民の

もつ金融資産は、米国政府の発行する米国債などの購入に充てられて対米移転されている。図表 7 に日

本全体のもつ対外資産負債残高の推移を示す。日本の個人金融資産残高は2016年末で1,752兆円といわ

れているが( 6 )、2015年末の統計では950兆円規模の日本の金融資産が対外移転されている。この多く

は上記のように米国債の購入に充てられていると推測される。このことから、米国政府の財政は日本か

らの借金で支えられていると推測される。ところで、日本政府や日本銀行や日本の金融機関は米国政府

図表 7 日本の対外資産負債残高の推移

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

1000

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015

資産

負債

兆円

西暦年

出所:財務省本邦対外資産負債残高の推移データに基づき筆者作成http://www.mof.go.jp/international_policy/reference/iip/data.htm

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の発行する米国債を買うために、米国などの国際金融機関に日本円を売って米ドルを買う必要がある。

図表 7 の日本の対外負債残高(直近で600兆円規模)は日本に米ドルを売った国際金融機関などのもつ

円資産残高に相当すると推測される。ちなみに、現在、日本の株式市場(日本円で取引き)における外

国人投資家のシェアは 6 割に達していると言われているが( 7 )、上記のように、米国の国際金融機関

など外資が600兆円規模の円資産をもっていて日本株に投資していると推測される。

図表 7 で明らかなように、日本の対外資産残高が増え続けているのは、とりもなおさず、米国政府が

日本のもつ米国債を償還できていないか、もしくは償還されたとしても、日本はそれを上回る米国債を

新たに購入してきたからと推測される。

一方、米国債を発行している米国政府の金融統計をみると、図表 8 に示すように、米国政府の債務残

図表 8 政府総債務残高の推移(1980〜2016年)

出所:http://ecodb.net/exec/trans_image.php?type=WEO&d=GGXWDG&c1=US注記:2001年以前は No Data

図表 9 政府総債務残高の推移(1980〜2016年)

出所:http://ecodb.net/exec/trans_image.php?type=WEO&d=GGXWDG&c1=JP

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高は増え続け、2016年末には20兆ドル(2,300兆円規模:115円 / 米ドル)以上に達している。リーマン

ショックの起きた2008年以降、米国政府の債務残高が急増しているが、図表 7 に示すように、それに呼

応して日本の対外資産残高も増加している。このことから、米国政府の財政は、日本が買う米国債に依

存していると推測される。

上記のように、日本は米国債保有などで、950兆円規模の対外資産を保有する一方、図表 9 に示すよ

うに日本政府の債務残高は2016年末で、1,200兆円を超えている。ただし、このうち400兆円規模の日本

国債を日本銀行が保有している( 8 )。

この統計からわかることは、日本国民の金融資産を預かる国内金融機関などが日本国債を買うことに

よって、日本政府は、国内金融機関経由で国民から間接的に800兆円規模の借金を抱えているとみなせ

る。その一方で、日本全体では米国債保有を中心に950兆円規模の対外資産を保有しているのである。

この結果、近未来日本の事業環境は図表10に示すように、日本の名目 GDP(国内総生産)が足踏み

状態でまったく経済成長できていない状況に長期間、追い込まれ続けることになる。つまり、過去から

現在までと同様に、今後も日本の国民にとって、“ 働けど、働けど、わが暮らし楽にならず ” の状態が

続くと予測される。一方、図表10に示す通り、米国の名目 GDP は1980年代より今日まで、一貫して右

肩上がりで増え続けている。にもかかわらず、図表 8 に示すように、米国政府の財政赤字は増え続けて

いるのである。この原因は、タックスヘイブン(租税回避地)の普及によって、米国の大企業や富裕層

が稼いだ所得を合法的にタックスヘイブンに移し、実所得に見合った税金を払っていないからと推測さ

れる。この傾向は米国のみならず、世界的な傾向であり、近未来、世界人口のトップ 1 %の富裕層が、

全世界の富の50%以上を保有するようになると言われている( 9 )。この傾向は米国において顕著であ

り、図表10に示すように、米国全体の名目 GDP は伸びても、その実態は米国の大企業や富裕層の収入

だけが伸びているわけであり、この層はタックスヘイブンに所得を移し、真の所得に見合った税金を

払っていないのである。その結果、米国の名目 GDP は伸びても、図表 8 に示すように、米国政府の財

図表10 名目GDP(USドル)の推移(1980〜2016年)

出所:http://ecodb.net/exec/trans_country.php?type=WEO&d=NGDPD&c1=JP&c2=US&c3=CN&s=&e=

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政赤字は膨らみ続けているのである。そして、米国政府は歳入の不足分を米国債の発行で賄っており、

日本政府や日本の金融機関がその米国債を買い続けて、米国政府の財政を事実上、援助しているのであ

る。その結果、図表 7 に示すように、日本の対外資産が増え続ける一方、図表10に示すように、日本の

名目 GDP は足踏み状態のままとなっているとみなせる。2020年に向けて、日米関係が現状のまま維持

され続ければ、今後も日本の名目 GDP が伸びる可能性は低いと言わざるを得ないのである。したがっ

て、日本市場で事業展開している日本企業や外資企業にとって、日本市場の経済成長は停滞したままと

なり、売上増は見込めない上、過当競争で収益増も期待できないと予測される。

3 - 2 .近未来日本の事業環境に最も影響を与える要素とは

前項 3 - 1 に示したように、近未来日本の事業環境に最も影響を与える要素とはやはり、日米関係で

はないかと言える。2017年初頭現在、日本は与党・自民党の安倍政権下にある。そして安倍政権の基本

方針は日米同盟の深化であるとみなせる。筆者の個人的見方では、現在の日米同盟は独立国同士の対等

の同盟では決してなく、実質的に日本が米国に従属する取り決めとみなせる(10)。すなわち、実質的

に日本は宗主国的独立国・米国の属国的独立国とみなせる。したがって、安倍政権の唱える日米同盟の

深化とは、実質的に、日本の対米従属をより深化させるという意味とみなせる。そして、2015年には安

倍政権下にて安保関連法案が成立して集団的自衛権の行使が可能となり、アフリカの紛争地である南

スーダンなどに自衛隊員が海外派遣されている。また、安倍自民党は憲法改正を行って、自衛隊が必要

に応じて、米軍とともに米国の関与する戦争に参戦できるようにしようとしている。このように安倍政

権は、米国政府の要請には最優先で応じようとしている。近未来、米国がシリアなどの中東産油国で戦

争を始めたり、また、ロシアから独立したウクライナなどで米国や欧州 NATO(北大西洋条約機構)

がロシアと戦争を始めたりすると、自衛隊は米軍とともに、米国や NATO の実行する対露戦争に参戦

させられる可能性が大となる。そこで、図表 6 のドミナンツに示すように、2020年に向けた近未来の日

本においては、日本政府が平和国家であることを止めて戦争国家となり、近未来に中東や欧州で地域戦

争や第三次世界大戦が起きた際、日本の自衛隊が米軍の同盟軍として米国の主導する戦争に参戦させら

れる可能性が浮上する。また、極東情勢が悪化した場合、日本の原発などが北朝鮮からミサイル攻撃を

受ける可能性も浮上する。ところで、2020年の日本では、東京オリンピックが開催される予定となって

いるが、2010年代の後半に、世界のどこかで戦争が起きて日本が参戦させられる可能性も否定できない。

近未来日本がこのような有事の状況に陥った場合、2020年に予定されている東京オリンピックは開催で

きない可能性もある。ちなみに、日本が戦争国家であった戦前の1940年、東京オリンピックが開催され

る予定であったが、支那事変などの影響で、当時の日本政府は開催権を返上した過去がある。同様の非

常事態が近未来の日本でも起きる可能性を否定できない。

4 .日本で事業展開している企業の事業戦略立案者への示唆図表 6 のドミナンツに示すように、2020年代に向けて、日本の事業環境が好転する可能性は非常に低

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いとみなせる。それどころか、もし、米国が世界のどこかで戦争を始めれば、日本は否応なく、米国の

主導する戦争に巻き込まれることになる。2003年、米国はイラク戦争を始めて、この戦争を主導したが、

当時の小泉政権は、日本の平和憲法を盾に取って、自衛隊のイラク戦争への関与を最低限に抑えてきた。

ところが、今の安倍政権は、小泉政権時代よりさらに米国への従属度を高めており、2020年までの近未

来、もし米国が再び、戦争を始めたら、日米同盟の下で集団的自衛権が行使されて、米軍指揮下で日本

の自衛隊の参戦は不可避となる。

さて、米国の戦争勢力(軍産複合体)(11)は、2016年の米国大統領選挙にてヒラリー・クリントン

を当選させて、イラク戦争同様の戦争を再び、シリアなどで実行する計画であったと推測される。とこ

ろが、彼らの予想に反して、伏兵候補のドナルド・トランプが当選して、2017年初頭に次期米国大統領

に就任する予定である。しかしながら、トランプが米国の戦争勢力とどのような関係を構築するのか、

2017年初頭時点では不透明である。一方、米国の戦争勢力はトランプ政権下でもさまざまな謀略を駆使

して、戦争を引き起こそうとすると推測されるので、近未来の日本の事業環境は、米国の戦争勢力の軍

事戦略や対日戦略によって大きく影響される。ところが、日本のマスコミは米国のマスコミと同様に、

米国の戦争勢力の軍事戦略については、ほとんど報じることができない。なぜなら、米国の戦争勢力の

組織のひとつである CIA(米国中央情報局)の Foreign Broadcast Information Service(12)などに厳

しく監視されているからである。そのため、日本で事業展開している企業の事業戦略立案者は、日本の

マスコミの発信する情報だけに依存して、日本市場をターゲットとする事業戦略を立案しても、それは

極めて不十分である。いずれにしても、事業戦略立案のための事業環境情報はマスコミのみならず、

ネットからも収集することが不可避である。

〈注記および参考文献・参考ウェッブサイト〉

( 1 ) Lowrance,J.D.,et al.,“Understanding Evidential Reasoning”, SRI International Artificial Intelligence Center, Technical Note No.501,1990

https://www.sri.com/sites/default/files/uploads/publications/pdf/473.pdf( 2 )Weather warfare https://en.wikipedia.org/wiki/Weather_warfare( 3 ) Tsunami Bomb https://en.wikipedia.org/wiki/Tsunami_bomb( 4 ) 山本尚利、「東京電力福島第一原子力発電所事故にみる技術経営(MOT)の課題」、『早稲田国際経営研究』、

No.43、2012年、67-79頁 https://dspace.wul.waseda.ac.jp/dspace/bitstream/2065/35695/ 1 /KokusaiKeiei_43_Yamamoto2.pdf( 5 )日本経済新聞、『福島廃炉・賠償費21.5兆円に倍増 経産省が公表』、2016年12月 9 日 http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS09H0H_Z01C16A2000000/( 6 )ガベージニュース、『日本の家計資産残高は増加、1752兆円に…日米家計資産推移(2016年 Q3分)(最新)』、

2016年12月23日 http://www.garbagenews.net/archives/2067203.html( 7 )日本経済新聞、『外国人投資家、日本の株式市場のシェア 6 割』、2014年 6 月15日 http://www.nikkei.com/article/DGXNASGD1308B_U4A610C1NN1000/( 8 )産経ニュース、『日銀の国債保有残高、400兆円突破』、2016年10月11日 http://www.sankei.com/economy/news/161011/ecn1610110032-n1.html( 9 )CNN、『 1 %の富裕層、世界の富の半分を保有へ』、2015年 1 月20日

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http://www.cnn.co.jp/business/35059203.html(10)孫崎享、『日米同盟の正体』、講談社現代新書、2009年(11)Military–industrial complex https://en.wikipedia.org/wiki/Military%E2%80%93industrial_complex(12)Foreign Broadcast Information Service https://en.wikipedia.org/wiki/Foreign_Broadcast_Information_Service注記:本論で引用しているウェッブサイトはすべて、2017年 1 月 1 日現在有効とする。