ぺイター :1 ウィリアム・モリスの詩」 - osaka city...

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人文研究大阪市立大学文学部 40 巻第 11 分冊1988 15 """"40 - 15 - ぺ イター :1 ウ ィ リア ム ・ モ リ ス の詩」 小田原 [!] r ウィリアム ・モリスの詩」は 1868 10 月号のウエストミンスタ -ti: に無署名で掲載された。末尾 3 頁分は『文芸復興』初版 (1873) の「結論j になり ,第 2 (1877) で削除され,第 3 (1888) で,テキスト変更され, 又,注釈がイ、 J され, 復活した。注釈は次の通りである。「乙の短い結論はこ の苔の第 2 版では省かれた。それは乙の舎を偶然読む若い人々の或る者を湯 合によっては誤らせるかもしれないと考えたからである。そ乙で私は,原意 l ζ 一層近づけるべく ,多少修正して乙乙に復活させる乙とが全体から凡て最 もよいと考えた。私は , 乙れが動機となった諸思想、を『エピクロス主義者メ [1885Jで一層詳しく論じておいた。」冒頭から 9 頁分は ,テキス ト変更され,u 審美詩』という題名に変えられ,w 鑑賞集』初版 (1889)の一 章になった。第 2 (1890)で削除された。 乙の小論においては ,モリス批評,及び, r 結論」が,Pater の全作品にお いてどのような位置を占めているかを明らかにしてみたい。 [nJ 第一段落の内容は次の通りである。三冊の詩集はギリシア或いは巾 1 1:の生活・詩を単に再現させたものではない。又,近代の感情を変装させっ つ反映させたものでもなし、。その効果が拠り所としている雰囲気は生活の現 実の形態 ・詩の単純な形態に属するものではない。ギリシアの詩, rl 1ii 或い は近代の詩は,それぞれの時代の現実を超えた所に,一つの世界一一事物の 形態が変容させられている一ーを射出している 。モリスの詩は乙の世界を捉 え,その向乙うに,もう一つの,より幽かな ,より霊的な世界を理怨として 描いている。乙れが文字通り人工の ,r 地上の楽園」である。乙れは, 何ら かの現実世界との関係に おいて既に理想とされているものから抽出された, より精美な理怨である。時期おくれの ,不思議な第二開花のように ,乙れは, より繊細な形において,過去の詩を更新してい る。しかし,それと混同され てはならない。乙れが与える 喜びの真義は,或る人々に知られている ,望郷 (781 )

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人文研究大阪市立大学文学部第40巻第11分冊1988年15頁""""40頁

- 15 -

ぺイター :1ウィリアム・モリスの詩」

小田原 克 行

[!] rウィリアム ・モリスの詩」は1868年10月号のウエストミンスタ -ti:

に無署名で掲載された。末尾 3頁分は『文芸復興』初版 (1873)の「結論j

になり,第 2版 (1877)で削除され,第 3版 (1888)で,テキスト変更され,

又,注釈がイ、Jされ, 復活した。注釈は次の通りである。「乙の短い結論はこ

の苔の第 2版では省かれた。それは乙の舎を偶然読む若い人々の或る者を湯

合によっては誤らせるかもしれないと考えたからである。そ乙で私は,原意

lζ一層近づけるべく ,多少修正して乙乙に復活させる乙とが全体から凡て最

もよいと考えた。私は,乙れが動機となった諸思想、を『エピクロス主義者メ

アリアス~ [1885Jで一層詳しく論じておいた。」冒頭から 9頁分は,テキス

ト変更され,u審美詩』という題名に変えられ,w鑑賞集』初版 (1889)の一

章になった。第 2版 (1890)で削除された。

乙の小論においては,モリス批評,及び, r結論」が,Paterの全作品にお

いてどのような位置を占めているかを明らかにしてみたい。

[nJ 第一段落の内容は次の通りである。三冊の詩集はギリシア或いは巾

111:の生活 ・詩を単に再現させたものではない。又,近代の感情を変装させっ

つ反映させたものでもなし、。その効果が拠り所としている雰囲気は生活の現

実の形態 ・詩の単純な形態に属するものではない。ギリシアの詩, rl1ii或い

は近代の詩は,それぞれの時代の現実を超えた所に,一つの世界一一事物の

形態が変容させられている一ーを射出している。モリスの詩は乙の世界を捉

え,その向乙うに,もう一つの,より幽かな,より霊的な世界を理怨として

描いている。乙れが文字通り人工の,r地上の楽園」である。乙れは,何ら

かの現実世界との関係において既に理想とされているものから抽出された,

より精美な理怨である。時期おくれの,不思議な第二開花のように,乙れは,

より繊細な形において,過去の詩を更新している。しかし,それと混同され

てはならない。乙れが与える喜びの真義は,或る人々に知られている,望郷

(781 )

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ペイター: rウィリナム ・モリスの持J - 17ー

グィネヴィアの肉体のお1く,熱仙ですfしみ,身悶えしている。乙れまで普通

置かれた乙とのなかった,不l,Eli義な場所に強閥点が置かれているために

きな叫び声となっているような効果を出している。キリスト教以前の時代に

起源を持つ ζ れらのアーサーヱ伝説は,キリスト教の穿凶5誌においてはじ

てその美しさを発鈍する。 ζれらにおいて特徴的な ζ とはF キリストを取る

か,ライバノレである恋人を取るか, という芯般的な選択を不思;演なj~で示l憎

しているととである。宗教が官能的な愛へと徐々に変化して行く ζ と, ..,......,

tさ能的な愛が徐々 lζ宗教へと変化して行く ζ とはp しばしば見られる乙とで

ある。乙れはキリスト教神硲家のみならず,}レソーも経験したことでもあ

る。中世のキリスト教が法透して行つ lたのは.一つの道徳的 ・精神的感情を

示すのlζ百の官能的イメージを持っているラテン語2賛美歌作家の持っている

美しい偶像 (idol), そういう偶像をまさに所有していたがゆえに, 感覚の

生活において損失を投っていた人々 の悶にであった。とのような偶像の持つ

燃焼力によってはじめて,いかなる宗教も官能的な恋人の存在と対抗できる

のである。乙ういうわけで,乙のような恕像上の変iζ,その必-おの表裂であ

るプロヴァンス詩lζ,我々には, ライバノレ銭拝対象を持ったライパノレ宗教を

見る。キリスト教の感的lζ何回も色づけされつつも,このような愛は乙れに

対し反逆者となる。新しい偶像崇拝を行うために古い偶像崇拝を拒否すると

いう考えは決して忘れられる乙とはないのである。あの他方の恋人一一これ

の九に,乙れらの言葉,・イメーシ,感情の不思議な道筋は最初工夫されたの

だ一ーに対する嫉妬心が,乙のとき,色と熱の勝利の槌訣となる。乙れは新

しいノザ向へ進み始め,かくして,予期しなかった存命をiをに獲得しつつある

僧院の気分である。最も大切にされた聖なる著作が,乙れに対する単純な信

仰が色槌せた時,初めて世界で1iliも優美な愛の詩としてその松戸jの影轡力を

発揮しないかどうか誰にわかるだろうか。

ζ の段落における テキスト 変更の主たるものは,The Dそ(ence01 Guene-

vere: and Other Poems, published ten years ago, areの Inthe Defence

01 Guenevere: and Other Poems, published by Mr. William Morris now

many years ago, the first typical specimen of aesthetic poetry, we

haveへの変更,In truthの挿入,pre Christian in their originの in

their origin prior to Christianityへの変更,Tha t religion shades in to

sensuous love, and sensuous love in to religion の Thatreligion,

monastic religion at any rate, has its sensuous side, a dangerously

( 783)

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beal1t:iful idol ofのpartlyby its aesthetic

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の削 。

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ペイター :rウィリアム ・モリスの詩J - 19ー

も知っていて,まさにそ乙で,)レソーにおける如く ,優雅な地上的JEKLU会

うのである。乙乙で,或る薬物を加えられた空気の,IJ にある如く ,乙の不思

議な複雑さを伴った状況の下で,感情の風変りな化が,速い凶の,見慣れぬ

災一一夢遊病者の,弱い,両性具有者のーーを持っている 人々の問で,咲

く,人々を通 して殆んど輝いているとも言えるほどの光のように。了皮,IJ

さな蝋燭の炎が聖体を通して見えるように。乙 のような愛は一瞬の内に消滅

するほどに脆弱で,偶然に支配されるものだっ たのである。

乙の段落におけるテキス ト変更の主たるものは,idolatryの devotionへ

の変更,in tha t idola try the idolの theobject of this devotionへの花

吏,Quite in the way of one who handles the older sorceries, the

Church has a thousand charms to make the absent near. の Butthen,

the Church, that new Sibil, had a thousand secrets to make the

absent near.への変更,Like the woman in the idyll of Theocritus-

...5AKE TOT手νoν tμbνπ0,2OφμαTbνtTνopα, is the cry of all her bizarre

rites. の削除,imaginary objectの unseenobjectへの変更,the light

almost shining through them の後の asthe fiame of a little taper

shows through the Hostの削除,Such lovesのがjへの Surelyの姉人で

ある。

第五段落の内容はりくの通りである。,~iliのあの宗教はすべてまさに感党の

美しい病気或いは混乱だったのである。感覚の混乱である宗教は常;,ζ幻似に

支配されていなければならない。夢幻,幻忽,諮去,乙れらは'IJ世の宗教と

愛における,運命的下降の三段階である。乙の諮妄の印象はユゴーの『パリ

のノ ートノレダム』に最も美しく描かれている。乙乙では,睡眠の訟も不思議

な創造物は,或るすさまじい放持により,俊明けの限界をJ越えているように

凡える。乙の英国の詩人もその秘訣を知っている。彼は 『アーサー王の去』

qqζ,人を狂気にさせる白光をもった太陽,非道な月一一途くにあって優し

い月ではなく,近くに下 りて来ている月,大きく ,熱をイi;:びている,妖術(:I!i

の月一ーを満ち渡らせている。色合いは,i亦百合Jのごとく , 後維で,稔

妄の状態にある。又の影轡は,生命及びすべてのものを尖然,混乱させ病気

にさせる, 人の血の中lζ入った毒のようなものであるo Wガラハド :神秘』

では,教会堂の石段の上のクリスマスの皮の霜は,強い麻薬として作用して

いる。 突然, かん高い響きが感覚を失った身体を貫く。仁天伎の1声が宣言

する,聖杯は大きな森を通り過ぎて行った,と。乙の諮妄状態が,少数の者

(785 )

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ペイター :iウィリアム ・モリスの詩J -21-

in many of its bearings, like a beautiful disease or disorder of the

sensesへの変更と,引用されている詩(原文省略)の削除である。

第六段落の内容は次の通りである。プロヴァンスの詩の最もポピュラー

で,優雅な形態は,夜,男が愛人の家の戸口や,窓の下で歌うノクターンで

あった。乙れらの歌はそれが歌われる時聞に従って種類を異にした。或るも

のは真夜中に歌われた。睦りに誘う歌,セレーナ, セレナードである。或る

ものは夜明けに歌われた。目覚ましの歌,オーブ,オーバードである。乙の

目覚ましの歌は,時として,夜の間,歩哨に立ち,夜あけを限を凝らして待

ち,それを告げる親友によって歌われた。又,時として,別れんとしている

愛し合う二人のうちの一人によって歌われた。 乙れの変形は『ロミオとジュ

リエット』でお馴染みのはずである。二人は彼らの聞く歌がナイチンゲーノレ

のか,ひばりのか議論するのである。オーバードは,乙のとき世界中に流布

していた恋愛詩の他の二形態,ソネットと エピサラミウムと共に,乙のとき

洗練され,高められ,芝居の構造の中に織り込まれたのである。ノレソ ーが

「夜の恐怖J[Wエミーノレ~ 2 ]と呼んでいるものを体質的に持っている人々

は,ζ の恐怖が朝の事物にいかに大きな輝きを与えるかを知っている。空中

に最初の白い薄霞が現われると同時に,肉体的苦痛からの解放のようなもの

がやって来る乙とも知っている。中世の人々は,乙れらの恐怖を,そのすべ

ての形態において知っていた。朝の歌が不思議な優しさと効果を獲得するの

は,乙のゆえである。乙の英国の詩人の書物の最高の詩は,夜明けの歌の一

つである。「私のために一回祈ってくれ, あなたの閉じられた唇の間で。私

のことを一回思ってくれ,高い所で,星の間で。夏の夜は終りに近づいてい

る。朝の光がすべり込んで来る, 弱々しく , 灰色をして, ポプラの葉の聞

に, 雲の縞の聞に, そ乙で忍耐強く夜明けを待っている。忍耐強く, 無色

で,天の黄金が太陽と共にそれらを通して浮遊しようと待ち構えているとは

言え。遠くの牧場で,若し '¥/J¥麦の上で,重い検は待つ。休む乙となく,冷た

く,安定性を与えられぬ風は舞い上がる。醤被は黒ずんでいる。長い薄明を

通じて彼らは夜明けを願い求める,小麦畑の真中にある一軒家のまわりに。

私にー乙と言ってくれ。小麦越しに,お辞儀をしている,優しし'¥1]¥麦の穂越

しに。J[W又の夜明け~J 乙れはまさに,花嫁の所に行く花婿の魂である。

生命無きものも彼と共に憧れている。中世の想像上の愛の甘美さのすべて

が,モリス独特の精神性が付け加えられて,乙乙にあるのだ。

乙の段落におけるテキスト変更の主たるものは, one of these songs of

(787 )

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‘ 一ーつつ-

the dawnの oneof these appreciations of the da¥vnへの変更である。

第七段r容の内容は次の通りである。『グィネヴィ アの弁明』は 1858年"こ出

版された。『イアーソーンの生と死』は 1867年に占版された。 10年後K出た

;新詩集においては, スタイルは全く一変している。これは殆んど L Jてち

る。ここには,諮妄も幻影もない,魂のみの経験もなし、。身体z 身体感覚....;.

日民っているか,或いは, 自を党ましていても,想像上の愛の刺散を -圃圃・ ‘凶~,『・ ,~

ノ ーi.'_-

しい出綬を起乙している。むしろ, にさな:恨元的情熱、は,異教徒のグェロネ

ーゼのそれの如き, 只昼の光の下にある。乙の単純化は我々の興味を引く

が,それはただltJ.(,ζ詩人が個性的で・あるがゆえではない一一l確かに彼は魅力

に溢れているが一一,主として,乙れが彼を通して一つの移行を説明しアい

るからである。このJ移行は,多くのj診態の下で.人間精神の生命のーうの法

UlJとなっているのである。いわゆる文芸復興もその最高の伊jに過ぎない。丁

皮この織に, im院で修道似たちは,r閃かれていた直観点 (¥i<;1011)J一一精

神にのみ聞かれていたーーを通して,よりょとt 、昼光を察知し~ tAれF 遂にそ

れを拠えた。しかし,俗界では,!ù.~党にのみ i刻かれていたのである。心が自

分のために紡く ,複tMIて,微妙な関心事は, しばら" ~問,芸術~諸.ill?:いは , 我々 I~I身(j)精神を!日めるかもしれなし、。しかし,遅かれ早かれ, こー

う|長].心ぐHlし にさい!むのが来る11制ζ,単純な誌 ト』)flT熱一一怒り g 欲望

l悔,↑待問,恐tM-また,感覚i世界において ζれら!ζ対応するも,.1.1一一

の,1111象的な火, ~ , ~}!.気 , ぉ;\!睡眠. 枕ふーーまた , ディ ・ クインシ-Yr :i叫 Jの栄光J[W~I卦郵便応 lILj]J と呼んだもの一一 げの司、 。

との段落におけら片キ λ ト変iliの主たるものはF 口頭の TheJ)ぐfePlcco.l

GIlCIl('uC'rc ¥vas publish('d in 1858; t 11(¥ L'(/e 0川fDunthqf loSOFt i111867;

and the change of 111ann0r ¥vrought in tht' intrl、λlibentireF it;is

ahllost ~1 rcvolt. (,) 1'h(' 1)(~lal1ca oJ. (;uel1cvare ¥yas p t1 blisht~d .in 1δJる;

t'hc .L'I.!c alld .lJeoth 0.10

jnso/l. .in 1867: t:o b(' follo¥¥・cdby 1'hc l~,.t"h Parodlsc;日ndth(' changr of 111日nn('1" ¥¥Tought: .in t.he jnterval! entire.

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ぺイター: rウィリアム ・モリスの詩J -23ー

た時に見る虹は,彼女が来た乙とを保証するものとなる。)rそれから,伎

は,朝の寒さの中で目を覚まし,顔;ζ小ぬか雨が降りかかるのを感じ,飛び

起きて,あの荒れ果てた場所であたりを見まわし,朝の陽光が大空{ζ35色の

弓を投げているのを見て,震えながら,天の判!々 がその必要のために伎者を

送った乙とを知った。J[Book XI]

乙の中世のヘレニストは,夢の,睡眠,睡眠の欲求の巨匠でもある。 睡眠

一一歩いている者が誰もいない睡眠,成人に子供時代を取り戻すもの,夢,

ガラハ ッドのそれ, グィネヴィアのそれとは異って,昔の時代にいるどと

し子供らしい,幸福な驚異に満ちている夢の巨匠でもある。それは,ケン

タウロスや黄金の毛の雄羊が怨像でき る世界である。乙乙で、歌われる放は常

に初めて歌われたという ,新鮮な印象を与える。 鳥,獣,人聞に共通する言

葉への ヒントは多数ある。いたる所に,黄金時代から初めて目覚めた人々の

それのような,火,雪,酒,泳いでいる時に感 じる水の感触,海水の塩辛い

味に対する驚きの印象がある。であるから,直接の経験の持つ乙の単純 さ

は,ワーズワスの捜し求められた単純さと不思議な対照をなしている。乙 乙

では,欲望は,自然のための自然の本体に向けられている。 自然を通して魂

が察知されているからではない。

乙の段落におけるテキスト変更の主たるものは,Think of this most

lovely waking with the rain on one's face-一一 (Iriscomes to Argus

as he sleeps; a rainbow, when he wakes, is to be the pledge she has

been presen tトー)及び,引用されている詩(原文省略)の削除である。

第九段落の内容は次の通りである。しかし,乙乙には,詩人一一古代を主

題として扱いつつ,決して,好古家にならず,その主題を常に自分自身に近

いものとして保つ乙と により ,それに生命を与えるーーの魅惑的なアナクロ

ニズムの一つがある。 それは,詩を読んでいる時に,我々は,ワーズワスの

影響下で十分限の訓練をした者が描くそれのような,英国の風景を見ている

ような印象を持つという乙 とである。柳の聞の茶色の河鳥,夏の夜に半分聞

けられた窓, r市の立った晩に月光の小道で灰色の馬が出すごとき鐙の音J[Book XIII]に。英国民以外に乙れほど鳥を好む国民はなし、。ょたか,くい

な, 百にものぼる声の美しいつぐみ, しろはやぶさ, ちょうげんぼう, む

くどり,くじゃく。夜が明ける時に街に住む人々により聞かれる野原で鳴く

烏, ピンク色の足,灰色の翼を持つ, ど乙にでもいる鳩, 雪に閉じ込めら

れ, き院の香の煙iζ悩まされつつ,そのあたりを飛び回る鳩。海へのちょっ

(789 )

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- 24ー

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ペイター :rウィリアム ・モリスの詩J -25ー

る,情熱的な幽霊のように,色と律動において弱められて一一あの比類なき

持情詩が続くのである。

乙の段落におけるテキス ト変更はp 乙の段落(原文省略)の削除である。

第十一段落の内容は次の通りである。ギリシアの伝説という主題を扱う場

合,実際iζ再生させる試みは常に不可能にならざるを得ない。乙のような虚

しい好 1['趣味は詩人の力の浪費である。すべての時代の経験の複合体が我々

各人の部分となっている。その経験の価値を減じる乙と,そのいずれかの部

分を抹殺する乙と,中世,文芸復興, 18世紀が存在しなかったかのように,

或る過去の時代の人々と面と向かう乙と,乙れは不可能である。子供に戻る

こと,再び胎内に戻り,生まれ出る乙とが不可能であるのと閉じ乙とであ

る。我々は,人類の生命の中で生き,動乱存在を持っている,従って,我

々をして今日の我々たらしめているあの人類の持つ一局面を否定する乙とは

不可能である。とは言え,人類の持つある局面を孤立させること,浮き彫り

にすること,それに対する熱望において,それを我々と相対するものとして

分離する乙とは可能である,我々が我々白身の個人的生活の中の或る選び抜

かれた空聞に立ち戻る乙とができるのと同様に。我々は乙の時代を想像する

乙とはできなし、。しかし,我々は,それが我々の文化に貢献した要系を想像

する乙とはできる。我々はこの時代を浮き彫りにするようなその諸主題を扱

う乙とはできる。ギリシアに対する乙のような態度一一生活を設計するギリ

シア的方法にあ乙がれを抱きつつも,実際にはそれに到達できないーーは芸

術にとっては可能なものである。

乙の段落におけるテキスト変更の主たるものは,trulyの挿入である。

第十二段務の内容は次の通りである。このように古典の物語を扱う近代の

詩人 ・芸術家は,ホメーロスのヘレニズムにとは言わないまでも,中世のそ

れ,チョーサーのヘレニズムには近づき得る。文芸復興を論じたいかなる著

作家も ζ れまで,乙の絶妙な初光iζ対して大きな関心を見せた乙とはなかっ

た。後~r,文芸復興は乙の初光の味方をし,誇張され,理解し易いものにな

る。しかし,人間精神の最上等の生活は常に混合された光,混合された悩況

の下にある。乙の時,人間精神は自分自身についてあまり確信が持てない,

しかし,約束された事物に向かつて飛ぶべく用窓を整え,待ち設けている。

乙のよう状況は,rl:1世の緊張し切った精-神主義から,より早い,より昔の感

覚の生活へのあの最も早い回帰のrllにあった。かくして,我々にとって最も

魅力的な,古典の物語の形態は,それに関する修道僧の構忽である,~Jiが僧

( 791)

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一-?h -

院の暗い伝説からあの民の光へと次計十え戸包九ーア tln'JJ仏「手ふ.."....~",.'_.i .o'Y:l' ~

いるよりもっと多くのものを察知し

キリスト教の伝説中の人間へ r ル品目ハ 1日~ I_~ ・" , 冒, 五.... ι一』、 ・圃,ー

ているあの脳神の伯熱的高取tfF y 巳 -r-c./""ニュー , ... _:7 1. ~I~ ...,、.._

る。乙の気分の果実は,時が来る[),lに 1ft:'...L. ... ↓わ Eふれ fI~ ゎ... .JT

い ‘R e) ~.

• • jt .. fII

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ペイター :rウィリアム ・モリスの詩J -27-

ると,優美な部屋から静かに出た。階段と廊下を通り,金めっきされた水門

の所へ降りて行った。それをすぐに金の鍵で開け,すばやく小さなボートに

乗り移った。岸を突いて舟を出すと,流れに乗り始めた。全世界の驚異の的

であった彼女は,その華蒼な手,半ばあらわな腕で,力強く漕いだ,星の輝

く,風の吹きつける夜の中を。J[Book VII]

「地上楽園Jの主たる目的を構成しているものは,まさに,ζ の効果,巾

illの悲しみを背景に浮きぼりにされた時に見せるヘレニズムの優雅さであ

る。絶妙な巧妙さで,感情の二つの糸は乙乙で織り合わされ,対照されてい

る。冒険心lζ富む者たちの一回が北国の中の最北の国ノノレウェーから船出す

る。乙乙ではペス トが猛威を振っていて,人々が病人たちの所lζ聖体を運ぶ

11与の聖餐の鐙がしきりに鳴っている。モリス氏の最初期の詩においても,甘

美なフランス語の断片は,ギリシア的快活さ,優雅さの或るものと共に来て

いた。又,今,或る「神意J(OAta TUχη〉により西海において中世に至るま

で,生き永らえ,又,保存もされて来たギリシアの断片に我々が出会うの

は,フランスの沿岸の南方・において,エドワード 3世の艦隊を通して,中世

の色彩鮮やかな帆の中においてである。乙乙で,i地上楽園Jの物語は語られ

るのである, ギリシアの物語とけl世ロマンスとが交互に語られつつ。「替磁

の花冠」号の乗組員一一十字架の印をもったそれ以前の世界の罪と遭遇し,

ギリシアでライン地方産のぶどう澗を飲む一ーに対し,感情の二つの世界は

対抗させられるのである。

乙の段越におけるテキスト変更の主たるものは,冒頭での andThe Earth-

ly Paradise の挿入,its の theirへの変更,Greek poem の poem of

Greek su bjectへの変更,of Jasonの帰入,fourteenth centuryの Middle

Ageへの変更,of the middle agesの oldchurchへの変更,Here again

is an incident straight of the middle age,ー及び引用された詩の削除,

host-bellの bellへの変更,isの削除,gai1yの挿入, of the middle age

の medievalへの変更,ギ リシア語 2語の divinegood fortuneへの変更

である。

第14段絡の内容は次の通りである。我々は幾つかの崇高なタイフoの近代詩

における筒糸と集中とに慣れているので,との新しい詩の長さに不快感を抱

きやすい。しかし,乙こにある文字通りの塊は,乙れ自体,広大な雰囲気と

いう効果を扱う芸術の第一条件である。水は薬のままであり,効能を失う乙

とはない。水は二,三滴では,効果は上がらないからである。それゆえに,

( 793)

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- 28-

水浴用,水泳用の水{己なるのであ lる。「読者へlの弁明J,月ごとのインタール

ード待,特fC, 4月と'5月のそれ一一シェイクスピアK値する一一ーなど

は,甘美な集qJ~ζ より ー 乙の包:物の他の部分から自らを卓越させている。一

つには,乙のような完壁な物語叙述{ζおいては.物語自体と共{こ,

が上下するから,rアタランテーとの鐙争J,r王iζ生まれた男

ーとプシューケーの物語J,rアタリシオス王の運命Jに出一

と賞金の雨の掬話は,乙の持物全体の特徴となっているもの

たに洗われた事物の持つ美しさを顕著に持っている。ず司

で凡せている特質・9315澄さと高雅さは,すべての純粋性を溺

のは完全な趣味であるという乙とを思い出させる。

スタイ

タピ_J...I

eナエー

t_;

まこー

す司

この段高におけるテキスト容11=iば,乙の隆法(

川念日段泌・の内容は次の通りである。乙れらの削除である。

いる災教精神の一つの特徴は, 人生が短いこと+

;ζ,如繁}ζ示唆していることである。とれは世界の光輝と好対

れに新しい魅力を与えている。死のなl議p 災の欲求3 死の.む誌によ

れた災の欲求である。「やめろ ,!Jとあなたブiは13ぅ。!ここにF

_i;F・つ

-ー

で,我々は.乙のような詩のすべて

を所有している。形式の芸術的夫そ

砲を持っている。近f

rJ (本が目的である ι .、ーlJlJ!のそばを.叉.それらと関係した

・しヅiのi然にするか.主しくない

たと;Jわんばかりに,これらの民柑

:きた利~~のそ

う p そのような1ffi~1の持!ζ対し3 2Kの 110と。 ζれは t j也 l二楽 I!~~から悲しい色しかし,挑戦を受けよう。 ;QKEel3r

して.叉.そとにおいて我々が到述しねる口実"こ閃して,

LRとの関係について.実際何を-uっているのか問べでは

ばー....&-

、ー、ー

~帽、.

自ヲ-.-・、

ζのl廷供・におけるテキス トを15日の主たるれのは.t:hes l1S hnv

の thcacst:het.ic poetr)T has への~~1tL th{~ir の itFSiC3以下似文iJ刊行)の削除F]B臥臥3弘h如u凶i

1けt:sh e.i g h t: in 日nother ‘“‘マf陀stheti以kJikkikk{c;ゾ"poe引叫tof "VhOlll 1 hn,、Vre tt; 0 s p eel::a11lk!之 1口lt'xt•

])a日川11川nt'l'、 (じ;‘ lbrぺ,1c.l 1¥ミ0弓soωt:tiし, (.め乃 ~'l1

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ペイター :rウィリアム ・モリスの詩J - ~9 -

びた夜が終る時iζ来る,爽やかな朝の事物の中で自然の本体に欲望を向けつ

つ,ギリシア神話の世界を再生させる符悩性とを重層化させる時,絶妙な美

が生まれる,乙の美を享楽する乙とに短い人生の喜びがある。 ζ ういうこと

を, w地上楽園~, wグィネヴィア~, wイアーソーン~, 再度,w地上楽図~ ,ζ

言及しつつ,述べた部分であると言えよう。

次iζ,r結論Jとして一つの独立した作品になった部分を検討してみたい。

末尾 3頁分は 7段落から構成されている。第 1段落では,あらゆる事物及び

事物の原理を変化する様式或いは流行と見なす乙とはますます近代思151、の傾

向となっている,という文章で始め,我々の肉体は自然的要素が結合したも

のであり , 絶えず, 動の状態にある。外的事物もそうである。鉄がさびる

のも,穀物が実るのも,蔓が咲くのも,生も死も,すべて, 要素の結合,分

解なのである,と述べ,第 2段落では,思想、 ・感情という内面の世界におい

ても同様の乙とが,河の中央の水の如く急速に,起乙っている。経験は我々

を,洪水の如く押し寄せる外界の事物の下に埋めつくそうとする。しかし,

乙れら事物に対し我々の反省が働き始めると,人の心の中で乙れらは分解さ

れ,色彩,香,組織という,印象の集合体に変えられる。 ζれに関する思考

が続けられると,乙れは縮小される,と述べ,第 3段落では,乙れらの印象

は無限に区分され,その実在性も瞬間的なものになり,存在すると言うより

存在を止めると言った方が正確という状態になる。我々において実在性を持

つものは流れの上で絶えず形を変えているのである, と述べ,第 4段落で

は,乙 のような思想、は最初は荒涼としたものに見える。時として,人生の苦

さがすべてこ乙に集中しているように見える。乙のような思想、は,人に,干

潮の海において砂洲の外lζ押し流された者一ーその者を構成している諸要素

が消滅し,新たな結合を始める時,その者の人格も失わせる一ーというイメ

ージを与える。自分自身を救済しようと努力しつつ一一当然,努力するのだ

が一一,人は一瞬どとに,まさに自分自身を喪失しているのである,と述べ

ている。

第 5段落では,各瞬間に丘や海に現われる色調は他の色調よりも美しい,

熱情,洞察,知的興奮の或る気分が我々にとって極めて真実味を帯び,魅ノJ

を有する乙とがある,が,その瞬間の聞のみである。経験それ自体が目的で

ある,と述べ,どうしたら我々は,点から点ヘ速く移動して, しかも,最大

多数の生命力がその最-も純粋な精力となって結合する焦点から終始離れずに

居る乙とができるであろうか,と問い,答 6段落では,絶えず乙の,宝石が

( 795)

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- 30ー

放つような硬質の炎をもって蝕える乙と,乙の芝、我の

人生における成功である p という文章で始め:,設

ず丹念に,芯見を吟味しF 新しい印虫を得ょうと努め

述べ,第 7段広では.我々はすべて死刑の宣告を

ムペ#rrとω 申えじ

-・‘- ー

ことができるだけだ,それが終る

をできるだけ有効K使うべ

やす?と述べp 詩的flj

.在を』ιの@り Cの。

この

司-つ

と -‘ー

の芸 ‘・'

"むを五

くu告に

R

く持つもので -回園田・・。 、ニ

そ1;1,ら!ζまさに -・' ・a・.-- ,J._ ,J.':三二- .'-一』'.

うなのだと,皐院にfYj

J1舌めるのである。乙

ーつで〉

ベて が「ー噛 -- 。

生十五 11ζ,まことにヘラ

留まることはない。(このエピグラ

人生の各瞬間を強烈な印

‘・・ -、圃・ '! っ71.、ー

-』、.

、ζ とである.とE?うζ とにれ

えたのも当然だったと;j-ぇ

-・• 戸働

、ー ー 一一 -、-。ー-。

従って.

Jふと!

いること.

沼分"¥".

乙ー ー。モリ

tをj

とI!J目、 ふ園、. ιc.~ i!._

JX-完'ヲ 咽~'J、-っ、. -骨‘'園田・ “ ・哩 、e・

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それflf*で完結しでも

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ペイター: rウィリアム ・モリスの詩J -31-

al1 the bitterness of life seems concentrated in them. They bring the

image of one washed out beyond the bar in a sea at ebb, losing even

his personality, as the elements of which he is composed pass into

new combinations. Struggling, as he must, to save himself, it is

himself tha t he loses a t every momen t. の削除である。第 5段落での変

更は, コンマの挿入 1件, ダ ッシュ の挿入 1件で ある。 第 6段落での変更

は,two things, persons の twopersons, thingsへの変更,opinionの

new opinions への変更,says Victor Hugo の削除,“La philosophie...

pensee."の引用符の削除,le microscopeの le の la への変更,コンマの

帰入10件,コ ンマの削除2件,ダッ シュ のコンマへの変更 1件である。第 7

段落での変更は,Confessionsの 'Confessions'への変更,les hommes sont

tous condamnes a moγteωec des sursis indefi:旬s:の挿入,we cease to be

の ourplace knows us no more への変更,コンマの挿入 1件,コンマの

削除1件,ダフツレク ォーツからシンクツレへの変更 1件である。

第 3版の 「結論Jにされた時に為された変更の量は多い。第 1段落での変

更は,these elementsの theseの thoseへの変更,コンマの帰入 2件であ

る。第 2段落での変更は,force isの お の seemsへの変更,in thought

の帰入,コ ンマの削除2件,ハイフンの帰入 1件である。第 3段落での変更

は,乙の段落が第 2段落の後半になったζ と, tellsの assuresへの変更,

individualの後への mindの帰入,realの realへの変更,コ ンマの帰入

1件, コンマの削除 1件で ある。第 4段落での変更は, The service of

philosophy, and of religion and culture as well, to the human spirit,

is to start1e の Theservice of philosophy, of speculative culture,

towards the human spirit is to rouse, to start1eへの変更,seaの the

seaへの変更,How can we passの canの shallへの変更,コンマの帰

入 1件,削除1件である。 第 5段落での変更は,Failureの Ina sense it

might even be said that our fai1ureへの変更,for habitの for,after

all, habit への変更,strange flowers の strange colours への変更,

Theories, religious or phi1osophical ideasの Philosophicaltheories or

ideasへの変更,La phi1osophie, c'est la microscope de la pensee. の

“Philosophy is the microscope of thought."への変更, コンマの削除 6

件,セミコロ ンのコンマへの変更 1件,ハイフンの削除1件である。第 6段

糸での変更は,'Confessions'の Confessionsへの変更,strickenの smitten

(797 )

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- 32ー

への変!1.i,foundの'文への justthenの挿入,¥ve are all under sen tence

of death but ¥vith a sort of indefinite reprieveーの挿入,,at least

among“the children of this ¥vorld,"の姉入,chance isの chancelies

への変史,giveoneの maygive usへの変更,poli tical or rehgious

enthusiasm, or the 'enthusiasm of humanitγ の thevarinus fOrnlS of

enthusiastic activity, disinterested or other¥vise, ¥vhich come naturally

to many of usへの変史, コンマの拘入 1件, コンマの削除 1件, コンマ

のダッシュへの変更 1件である。

ごす:回 {ζ値することか 2¥¥である。 religionという語が削除されていること

である。ペイターとしては,あくまでも,すべてを失点と関係させつつ3 即

ち,宗教のiTi:下段, 即ち,宗教の官能性から出発し: i余々!と,宗、}最上

j没,即ち,不可恨の31物の認識にまで悌子を上りたかったのであるつ。モリ

スの詩の批評で,地上的愛と僧院での ζkとを並列させているのは,乙のー

とを;芯休していると考えられる。ペイタ -K対する非妻 ・K4はそれほど強

かったと t言うべきであろう。

もう 1点。日比も賢い者J が新約聖45:ノレカ伝の「この111:の子らはその時f

応対しては,光の子らよりも手IJにI(¥viser)である。J(16 : 8 を踏まえー

のことである ζ とを明確にし F ;く j,t' t:を叫にしている ζ とであ る。だが.

イlターとしては,rこの世の子ら」で, 1868:: ~r.ぺ r ターは地上的なるも

ζ!英!心があることも示したのではなかったかo ,,'e cease to be という、 t

を,lEfu,「彼の]lfrも, もはや彼を認めないJ(…neither Sh311 his plnce

kno¥v hill1 any more.) (ヨブ.Ie7 : 10) t ぺいは, rそJ.;所!ときいて沿・

もはやそれを・知らなし、。J(... t h(' placc t hereof shall kno,,' i t no lnorr・)

(符t.i¥103 : 16) (.(:1占っ・くものに変え℃いうが,これも. jミ~¥. I tをAS¥したか

ったからにあろう。

[mJ さて, との r結論」はてイターの全体11もにおい ιども")..1::うな{立iRをI! iめているのであろうか。 乙の!!:iliat、トミ吋を先!と行い』ニい。 ま

!~節 2 Ht~ におけ る削除のJ~t!Ihから始めたし、。杭践のP1ュlliは,ジョン ・,I ー

ズワスの{'¥:Oiiであったと考えられる。般は,i73

大伯父とし.X. リンカンの主 !i・, 'J -"ト ー

,~ ..iリアム ・ワー .... -ワーぐ q

184311:に412まれた。 1861q~ にオ 、 -回臥」

ード k、;2ニ町一 ・

し,1867年にプレイペノヅヘ t) Wl抗fllと任命ぷ~t..絞!と

zれずこ。又p リン力ン火JPrttの持そli会 f1にも任命された

t 79~)

して‘

レッジに

~ ~ f~ f¥. b'と{モ'Jri ‘

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ペイター: rウィリアム ・モリスの詩」 ー 33ー

に関心を抱いていたが,カレッジでの彼の研究対象は古典学であっ た。1874

年に「初期ラテン語断片見本Jを出版した。1878年にブ、ノレガタの校訂本を出

版したいという彼の提案を大学出版局が受け入れた。乙の後,そのラテ ン語

における学識を聖書研究{ζ応用 し,すぐれた業績を数多く支えした。1885年に

ソールズペリ ーの主教に任命され,)(,オックスフォード大学から神学問-士

の称号が俊与された。 英国国教会の為{ζ多くの仕事を為 し,1911年に他界 し

た。彼の性絡は,その伝記を著 した E.W.ワトスンによ り詳 しく 語られて

いる。 ワト スンは,r同盟者とは親密な関係を保ったが,敵lこ対する論法(ま

痛烈で, 必然的に個人攻撃的になった。進歩的思忽家と見 られていた者の一

人にブレイズノウズのウォノレタ ー ・ぺイタ一氏がいた。 彼がその主著の初版

において或る哲学的見解を表明した時, それはジ ョン ・ワーズワスを激怒

させ, ペイターを非難させたりと述べ, 1873年 3月17日付のペイター宛の

書簡を引用している九 (サミ ュエノレ ・ライト によれば,fi文芸復興Jの初版

は1873年 2月15日である。従って,ジョン ・ワーズワスが手紙を書いたのは

1箇月後である。〉

内容は次の通 りである。最近私の考えの41で大きな位置を占めている問題

に関 して私が乙のような手紙を書いている ことに貴兄が驚きを示すことは殆

んどないと恩う。貴兄の『文芸復興史の研究j]H:関してである。乙の書物を

卓越 したものにしている文体の美しさ,思想、の適切さを私は他の誰よりも称

賛する。 しかし,つけ加えなければならないが,貴兄の到達された結論には

私は他の誰よりも遺憾に思っている。 過去の貴兄に私の負う所大である。

又,最近では,同僚と しての貴兄に感謝 しなければないことも多数ある。で

あるから,乙のように率直に言わ なければならない乙とに胸が痛む。 しか

し,乙の審物を通読した時,私は次の点を認めざるを得なし、。 結論の部分が

審物全体の哲学を適切に要約している乙と,乙の哲学は一つの主張を行って

いる乙と,即ち,宗教 ・道徳において確立されている原理はいかなるもので

あれ,確実なものとは見なされ得ない,生きるに値する唯一のものは瞬間的

享楽であ り,多分或いは確実に,魂は死んだ時に,二度と結合 しない辺命に

ある諸要素に分解するという乙とを主張 している乙とである。乙れが12兄の

立場の公平な叙述である乙とを貴兄も認めるであろう と私は信じる。もしそ

うでないなら,私の誤解を訂正していただきたい。結論の部分は,小さな例

外もあるが,1868年にウエス トミンスター誌に掲載されたモ リスの詩の批評

から取られている乙 とに私は気づいている。しかし,乙の論文は無署名であ

( 799)

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プレイズノウズの研究員としての貴兄の名前と共乙の審物は,

- 34-

ったのだが,

~r., )Z, 歴史の一つの重要な時j切に関する貴兄の研究の見事な茨雫として出

版されたのである。もし賞兄が,あの論丈を名前なしで再度活字lζ し七のな

ら,思うに,誰も乙の点で貴兄iζ異ふを唱える権利を持たなかっただろう。

しかし, 現在, 事情は臭っているように r~える。従って, 身分において貴兄

の次{ζ位位するチューターとしての私の立場において,もし私が釘兄の書物

に対し,見て見ぬふりをし, 何の発言もしないとしたら,私は私自身!ζ対

し,又,私の抱いているJ信念に対し忠笑さを欠くことになると思う。

ミ!?簡の目的はお-兄の結論に関して議論を試みる ζ とてーまない。叉,乙の結晶

が夜、のみならず他の多くの久々に与えた苦痛を点兄K知らせる ζ とでもな

い。もし災際,公兄が,iY兄より頭脳の弱い久々を陥し入仁ること !ζなるカ

もしれない危険を知っていたら,:i!i-兄は思い止まっ七だろうと荘、は信 じる。

もし此兄が,日兄の言葉が現在オックスノォードにいる久に悲しみを感 じさ

せる乙とになるだろうということを知っていたらP32兄はF あのような言 決

を発する乙とをさし控えることに不犯行ならぬ芯びを見い出したである〉。

しかし,iT兄はこのような事柄を十分考えたであろう。そのよで,先ブiの事

'!?jを的まないことに決めt-.のであろう。だからーこのような事柄を僻酌せよ

と迫まられたら,tl・兄は, 久、ji試~,~内容条令をi備に 11\ ....,て.教えたいとと

え,i.i:i)仮したいものを出版 tる@lIlを有すると主入するであろう。釘兄がて

うするなら, ドキ;芯:ながら s 夜、も同じ立場・をいλせていただく o fl兄が5誌が

ついていんに迎いない, しばらくがjから続いていふ弐マの悶の芯比の:畑迩!

公けにされ,")く,191白にされなければならなL、。又.口兄に対し反論する ζ

と一一礼儀と'f'iil}交の純聞で行・うつもりであふが, J31111のj肘.述j窓口 ¥Tう

つもりである一 ,ζれはU、の総務 Cあうう。 ζ れは到述する?とつら lい 結?

である。しかし,ti比がこれをドム、ドと567え,t.l!慨する乙とはないとね

える。とにかく , :ß~II守点に , ;校、の J65怖をt'~比!と!lll らせふこと t L の,!}附

しII!I容がI.Uせるかどうかを|iilうζ とは妥当行ιとにあると考える。 2k:際的

|!11如仁 -hillilli さ人,11 正蛾きたい闘いれわ,N 学期試rli'~ l ) :~11学の l試験にお

:i.J:凡が分 J旦ずる {:1:リ i~を私及び仙のチ品ーター lと( I~ らが引さ h

ζ の

、、.;l~1.

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だ~I雇!が 11:1休日計J l 3分,ば)任せてくれないだろうか

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l内容は玲んどlbii;迫と1J

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この月!?mkt,人IIILIニは了11・t-亡:'~t

出;ifなどというも t、心(ιある。

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ペイター :rウィリアム ・モリ スの詩J - 35ー

いるのである。忠告の可能な段階ではない。確立されている宗教 ・道徳を否

定する者,又,瞬間的快楽への耽溺を勧める者としてペイタ ーを弾刻する用

;立えがあると言っているのである。ジョン ・ワーズワスにとって,モリスの詩

の批評は不愉快であったろう。 しかし, それ以上~r , i結論Jは我慢できぬ

ものだったのである。(ウィリ アム ・モリスを悪魔的と呼ぶのは妥刊ではな

い。彼の詩がrf 1 tlt的色彩を持ったいかに宗教的で美しい詩であるかは,ペイ

ターがり|川している詩を読むだけで,切らかになるはずである。問題はあく

までペイタ -fj身にある。乙のととは忘れられるべきではない。)

『文芸復興』 第 3版iζ付された注釈が乙のジョン ・ワーズワスの占:仰に対

して砕かれたものであるととは切らかである。ワトスンが述べているよう

に,iペイターは,次の版で,同僚を怒らせたyくの文章を削除したJのであ

る。ジョン ・ワーズワスの目長は,確かに, 教会人の発言として説得ノJを持

っていたのである。同時に,ぺイターの態度も消極的であったと言えよう。

ザミ L エノレ ・ライトも言っている。「我々はペイターが臆病であった乙とを

必めなければならない。審美主義辺助は,乙の開祖,乙のもの静かで,内気で,

おとなしい,紳士的なオックスフォードの教師を持ったという点で不幸であ

った。彼は指導者-が備えていなければならぬぷ質を備えていなかったり 2)し

かし,ペイターにはもうす乙し級制{なが悩があったのではないか。従って,

tn2版で削除をした乙とで賢明なととを行ったのではないだろうか。

う一点乙 ζ でつけ加えておく。それは,ジョン ・ワーズワスの羽:簡に対

するIEl容を,w享楽主義者メアリアスJを35く乙とで為したという怒見につ

いてである。乙の窓見は妥、11性を欠いている。『メアリアス』はペイターの

1苛を最も明らかに示すものとして予定通り普かれたのである。(とれに関

してはlMlj稿で論ずる。) 乙乙で言える乙とは, ペイターが悌子を上がって来

てt 1888 ~引とは , i終論j をその一部とするにきな体系を作り上げていたと

いう乙と,だから,安心して復活させたというととである。メアリアスをジ

ン・ワーズワスのイメージで描き,フレイグィアンを自分として描き,フ

レイヴィアンの生を断つことで,モリスへの傾倒の終駕を暗示したという:む

よLも全く芯味をなしていなし、。確かに,ジョン ・ワーズワスのバンプトン税

・の第2踏で,テルトゥリアーヌスの「生まれながらのキリスト教徒」への

ーがな lされている。とすれば,メアリアスとジョン ・ワーズワスとを関係

せる乙とが完全に的をはずれているとも言えないであろう。しかし,乙れ

b2人は余りにも巡っている。 ζ の事笑を無視する ζ とは許されないであろ

(801 )

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ペイター: rウィリアム ・モリスの詩J -37一

章に兄られるという事実がある。第 8章lζ乙ういう文章がある。「不正確な

感覚が与えるものは,事物の永遠性,回定性という虚偽の印象であった。事

物は我々がμ,触れる瞬間に実際変化しているのである。J(p. 129)又,乙

ういう文章もある。「事物の速やかな変化, ~jï物を反映しているように見えた我々の意識する存在の様態の一層速やかな変化は,実際,神の火の燃焼で

あるかもしれなかった。しかし,確かめられたことは,事物はすべてを滅ぼ

す炎のように, 又, 流れの"1央の水の動きのように, 消えて行く , 事物に

関し哀の認識が得られないほど述やかに。J(p. 131) 又p こういう文章も

ある。「もし, 人間の最高の好奇心も永続的に挫折させられるものであるな

ら,彼は,すべての時代のキ レネ学派の人々と共に,現在を可能な限り,生

き生きした感覚で満たそうと考えた。J(p. 144) 乙の時のメ アリアスが唯

美哲学の信奉者であることは明らかである。では改めて問う。メアリアスは

死ぬまで乙の哲学を信奉し続けるのであろうか。否である乙とは明らかであ

る。彼はこの後,視覚を十分に活用しつつ,事物に対する認識を深め,第16

章で,生きブjJを反行いますますその受容能力を発達させ,最後{ζ 「寄り頼

むことのできるものJ(p. 223)を発見して,死んで行く一一若い頃と巡っ

て,死に対して何らの恐怖心を抱く乙となくーーのである。筆者は乙う結論

する。ペイターの「結論」での主張は, fjえの作品の出発点をなす部分,即

ち,一部分であると。丁度,メアリアスの第 8章,第 9章での哲学が彼の一

時期の哲学であるのと全く同級lζ。筆者は乙う考える。ペイターは悌 Jこを上

る作家であったと。『文芸復興』は故下段に位する作品なのである。『フoラト

ンとプラ トニズム』は上段に近い所に{立する作品なのである。又,プラトン

論 I~I 身にも悌 J二はμ られる。第 1 章が í5iliiWJJであるのは乙のゆえなのであ

る。 ltl終章第10掌「プラト ンの美学」の章ですべては,プラトン的な判1(乙収

徹するのである。ペイターはすべてをペイターのや11に収数させているのであ

る。「結論』においては》 すべてにjiij勤をうえる力の主体を明記してはいな

い。しかし,wメア リアス』第 8章では,jg動を語りつつも,i制iの火の燃焼

であるかもしれなかった。」と述べているのである。 かような悌子を使わな

ければペイタ ーを理解する乙とは不可能であろう。

[WJ では, モ リスの詩の批評はペイターの全作品においてどのような位

置を占めているのであろうか。乙の問題を次に検辻してみたL、。ます, A.

c.ペンスンの見解を見てみたし、。彼は,乙のエノセイに関しては,要約な

しに,すぐにその見解を述べ始めている。印鑑穴集』の第 2版でペイターに

( 803)

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ペイター :rウィリアム ・モリスの持J -39ー

りの樹々もその葉を人から得ているように見えた。彫(象は今にも動き出しそ

うに見え,壁は語り,もの言わぬ家畜も不芯κ予言をしそう iζ見えた。それ

だけではない。 空, 日光さえも,犬然叫び出すように見えた。J魔法使いは,

乙乙では,月を,す くなくとも,月の毒を引き下ろすことができる。月が流

す白い液体で,どく稀にしか見つけられない,高い荒れ地;ζ。これに触れる

者は気が狂うと言われる。J(pp. 57 -58)

又,乙の文章の前iζ乙ういう文立がある。 rx, JC以された山米仏物語

の中の物語,夢の中における如く,不ぷの思いがけぬ変化iζ満ちた物認も劣

らず創窓に富んでいた。J(p. 57)

乙の文章から何か見えて来ないだろうか03F,妖術, 月, 毒, 狂気, な

どの言葉から何かが見えて来ないだろうか。筆者には,乙乙 iζ,モリスの詩

の批評の文章と同ーの色調の文章が置かれていると考えられる。穀物11のr.I.1

で,クピードーとプシューケーの物語を,不可視の夫,知られざる犬を愛す

る妻の物語を読み耽っているフレイヴィアンと メアリ アスは,僧院て,修道・

僧たちが,不在のものを引き寄せようとしている所を,又,城主ノミ人が決し

て来るととのない騎士に対する愛に酔い痴れている所を忠像しているペイタ

ーと重なると考えられるのである。第 6章の冒頭iζ,r完全な忽像上の愛J(p. 92)という言葉がある。又,r完全なるものが隠れているJ(p. 93)とい

う言葉もある。モリスの詩の批評においても,官頭から,非現実性,天上性

が強調され,i想像上の」という言葉が頻繁に使われているのである。「出口

の封印されている情熱Jという句は,フレイヴィアンとメアリアスが物語に

熱中している乙ととも関係を持っているのではないか。

では,wイアーソーン』の部分はどうか。乙ういう文章がある。円、たる所

~L ,黄金時代から初めて目覚めた人々 のそれのような,火,雪,j西,泳いで

いる時に感じる水の感触, 海水の塩辛い味lζ対する驚きの印象がある。J:P1.

金時代を黄金の書と読み代えたらどうだろうか。ホメーロスの港,船,波打

際のイメージを通って,イーシスの舟が出る所の描写,フレイヴィア ンとメ

アリアスが小舟を出して,昔 ギリシアの植民地のあった場所へ行く所と,

『イアーソーン』の部分とは重なるのではなかろうか。(恕像のilt界のrIユで

理想、の美に思いを馳せる,その後で,自然,特に, 海iζ身を置き,古代のi立

界に思いを馳せる,乙ういう乙とがペイターにおいて何を意味しているか。

乙れは非常に重要な問題なので別稿で論ずる乙とにする。)

筆者は,ペイターを, 宗教の面で,新しい局面を開拓しようとした作家で

(805 )

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6"7と:与える。『メアリアス』で, ヘノターはF メアリアスに次!こ新 υ

験をさせ,ヌマの宗教とも,制度化されつつあったキリスト教とら異る,

忍のキリスト教を作り上げたと考える。 λ,会10をの作品を.(iメ アリアス」

見.

- 40ー

--を拡大したものとして,同jち,述続性を持ったものとしてぺイターは苔

と考える。地上位の強い『文芸復興』から.天上位の強い『プラトンとプラ

たと考える。従って?モリスの詩の批評のぎ;

という大きな作品の第 l部の後半を形成する

一度も,本j5・から逸れてはいないと考え

と考える。モリス及コモリス諮{ま.一

トニズム』までt弟子としてリれ

lloratio the Etlcurean 分、='",

ペイターは.

モリスを切り捨ててはいなL

ものであると考える。

る。J(,

ペイター及び!被然として,j白イヒされるべく , -圃・Jーの作品の中に存症

いるのである。

n』.

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89-9.1.

S. 2)

p.1.4.

47

19iめ.

1921). pp.

1 6~ .

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Bcnson: l'竹'llieのFγ• Paleωr (~IIacnli川i1:川1:日:lan .

ibid・.pp. 33-3'o

] 975). p.

A. C.

3)