「プロジェクト・メソッド」 における教師の指導性...

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- 1 . . 「プロジェクト・メソッド」 における教師の指導性に関する一考察 一中国における「プロジェクト・メソッド」の実践を手がかりに 一 陳蟻 1. はじめに 従来中国の小・中学校においては、各教科は分断的に切り離され、各教科枠内で完結すること が強調され過ぎるという弊害かあ った。 このような反省の上に立って、 1998 12 月に、中国教育 改革の総綱 r21 世紀に向けた教育進行行動計画 j か公表された。今回の改革で、小学校第一学年 から中学校まで全学年に f 総合学習と実践 j という国家的な教育課程を設置することが決められ た。その目的は、子どもが総合的で、探求的な学習か出来るように援助し、彼らか社会活動に参 加し、実践的に問題を解決する能力を発達させることができる ような機会と条件をつくることで ある I )。 日本においても、 2002 年から小学校から高校まで「総合的な学習の時間 Jか設けられる 。 これ らのモデルの有力なものの一つが、キルパトリック (Kilpatrick iilliam H. 187 1965) f ロジェクト・メソ ッ ド J であると筆者は考える 。 キルパ トリ ックは、 その師であ ったデューイ (Dewey John. 1859-1952)の実験主義的経験論 を、 1918 年に著した 『プロジェクト・メソッド』において、方法原理へと具体化している。今日 では、 「プロジェクト j は、 f 自主的な研究計画、生徒の自主的活動を主体とする教育計画 j を意味している 。 また、 「プロジェクト・メソッド Jの特徴は、次のように説明されている 。 「特定の教科における方法としてでなく、あらゆる教科に適用される一般的方法原理としてと られえられている。大事なのは学習活動が目的をもって行われることであって、この目的こそ 学習を内部から推進する原動力であり、知識や思考に活力を与え、学習の結果に成功感や満足 感をもたらす源泉なのである J: り。 キルパトリックは、子どもに知識を伝達するより思考力、判断力及び問題解決能力を育成する ことを重視したと筆者は考える。キルパ トリ ックの考えをまとめると、以下のようになる。 教師は系統化され体系化された教材や教科書そのものと子どもの経験や興味とを同一視するだ けでは足りない。子どもが価値のある目的的活動を行うためには、教師は子どもの興味と教材の 相互作用について理解しなければならない。子どもにとって、興味というものは目的的活動を起 こす直接の動機である。 目的を立てるための興味というものは、単なる遊びとは異なり、子ども が全精神を投入でき、最後まで努力し、活動できるものである。教師は 、その興味と教材とを結 びつけ、子どもに価値のある目的的活動をさせなければならない。教師は、活動をする過程にお -43-

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-

1 .

.

「プロジェクト・メソッド」

における教師の指導性に関する一考察

一中国における「プロジェクト・メソッド」の実践を手がかりに一

陳蟻

1.は じ めに

従来中国の小・中学校においては、各教科は分断的に切り離され、各教科枠内で完結すること

が強調され過ぎるという弊害かあ った。このような反省の上に立って、 1998年12月に、中国教育

改革の総綱 r21世紀に向けた教育進行行動計画j か公表された。今回の改革で、小学校第一学年

から中学校まで全学年に f総合学習と実践j という国家的な教育課程を設置することが決められ

た。その目的は、子どもが総合的で、探求的な学習か出来るように援助し、彼らか社会活動に参

加し、実践的に問題を解決する能力を発達させることができるような機会と条件をつくることで

ある I)。

日本においても、 2002年から小学校から高校まで 「総合的な学習の時間Jか設けられる。これ

らのモデルの有力なものの一つが、キルパ トリ ック(Kilpatrick,iilliam H., 187卜1965)の fプ

ロジェクト・メソ ッドJであると筆者は考える。

キルパ トリ ックは、 その師であ ったデューイ (Dewey,John., 1859-1952)の実験主義的経験論

を、 1918年に著した 『プロジェク ト・メソ ッド』において、方法原理へと具体化している。今日

では、 「プロジェクト j は、 f自主的な研究計画、生徒の自主的活動を主体とする教育計画j 引

を意味している。また、 「プロジェクト・メソッドJの特徴は、次のように説明されている。

「特定の教科における方法としてでなく、あらゆる教科に適用される一般的方法原理としてと

られえられている。大事なのは学習活動が目的をもって行われることであって、この目的こそ

学習を内部から推進する原動力であり、知識や思考に活力を与え、学習の結果に成功感や満足

感をもたらす源泉なのであるJ:り。

キルパトリックは、子どもに知識を伝達するより思考力、判断力及び問題解決能力を育成する

ことを重視したと筆者は考える。キルパ トリ ックの考えをまとめると、以下のようになる。

教師は系統化され体系化された教材や教科書そのものと子どもの経験や興味とを同一視するだ

けでは足りない。子どもが価値のある目的的活動を行うためには、教師は子どもの興味と教材の

相互作用について理解しなければならない。子どもにとって、興味というものは目的的活動を起

こす直接の動機である。目的を立てるための興味というものは、単なる遊びとは異なり、子ども

が全精神を投入でき、最後まで努力し、活動できるものである。教師は、その興味と教材とを結

びつけ、子どもに価値のある目的的活動をさせなければならない。教師は、活動をする過程にお

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1.s d が適当な指導を付け加えて、教学の能率を高める。そうだとすると 、これは活動から学習へと

進む本当に最も確実で、先進的な方法である。このように児童を教育することは、同時に道徳

及び品性の陶冶をすることでもあると言えるだろう Jり つ

1920年に江蘇省附属小学校聯合会議で fプロジェクト ・メソッドj の実践が紹介されており、

各地の小学校で「設計教学Jとして「プロジェクトメソッドj の実践が行なわれていたことが

わかる。f設計j という言葉も、当時教育界の新たな用語のーっとして使われている 8)0 1920年

代に入ると、 「プロジェクト ・メソッドJを「設計教学法Jとして試行する附属小学校が次第に

91 数を増やしてきたことから、その普及が図られる。例えば、最初に 「プロジェクト ・メソッドJ

'~l I に取り組んだ南京高師附小には各地から参観者が絶えなかった。 rプロジェクト ・メソッドJ実

Ig I 践で活躍する江蘇第一師範附小の沈百英、江蘇第九師範附小の張九如も見学に訪れている 9)。

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反映したキルパトリックの 「プロジェクト ・メソッドJで、児童の興味本位の学習を追求したた

め、教科目の有する学問体系が破壊されてしまい、系統的な科学知識の教授が困難となり、結果

4・~ 、

として子どもの知識水準が下がったと、当時中国小学校教育界では、批判されている I0)。

このような実態評価に関して、 rプロジェクト・メソッドJの 「最も有力な提唱者J I 1) であ

った稔子夷 (1886-1970)は「小学教育論壇Jで、小学校教授による新旧方法の衝突を以下のよ

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うに述べている I2)。

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まず、食は興味と努力との関係について述べる。これは、子どもたちが学習する時の心理上の

態度であると食は指摘している。古い教授法は「注入法Jであり、 「暗諦Jによって学習するこ

とが多い。それによって、一部分の子ども(賢い一筆者注)は自ら研究する習慣を形成するこ

とができる。一方、食によると、 「設計教学Jの実践をする教師たちは、 f興味Jについて間違

った認識をしている人が多い。彼らが考えている「興味Jとはただ子どもたちに面白く楽しいとl'り

感じさせるだけのものであるが、しかし、それは「真Jの「興味Jではない、と食は指摘してい

る。このことは次の文から窺える。

「遊びは子どもたちの真なる興味であるが、子どもたちがそばに座って、ほかの人が遊んでい

るのを観ているだけでは、あるいは遊びの内容を聞くだけでは、彼らの f興味』を満たすこと

ができない。なにしろ、彼らは自ら遊びに参加し、遊べるように努力をしなければならない。

できない場合は、できるように努力する。このように、遊びに興味がある子どもたちは、必ず

遊びに参加し、努力して楽しむ。 r興味』と 『努力』は一体の両面なのであるJ l:l)。

つまり、実践をする教師たちが、 f興味j をこのようして深く理解していなかったために、子

どもたちは依頼心が大きくなってしまい、努力し自立して研究する習慣を十分に形成できないと

• 、‘

いうケースに陥っていることが多かったのである。子どもたちの 「真j の「興味Jを引き起こす

ために、教師が各授業中に一つの中心的な課題を出すことができれば、子どもたちが自ら努力しU

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ーー

自学することができるような授業が可能になるわけであるが、実際には、この点がうまくいかな

かったのである。

次に、興味のことを認識した上で、練習についても正しく理解できていなかった、と食は考え

ていた。学堂での古い教授法では、読書にしろ、習字にしろ、あるいは算盤の学習にしろ、練習

が大切にされた。しかし、練習の前の説明と啓発が無視されたため、子どもたちは盲目的に練習

することになり、彼らは練習を忌避するか興味を持てなくなってしまった。その結果、ほとんど

習慣による技能の形成に陥ってしまった。もっとも、形成された技能は自由に運用することがで

きたが。一方、新たな教授法、とりわけ「プロジェクト ・メソッドj の実践では、学習するとき

子どもたちは興味を持つが、内容が理解できたら、すぐ新たな教材に移ろうとする傾向が強かっ

た。その結果、子どもにとって、練習する時聞が少なくなり、基礎学力が低下する ことになった。

「プロジェクト ・メソッドJの目的は、健全な人格を形成することであり、旧式の教授法が技能

だけを重視するのとは異なるが、技能習慣なくしては健全な人格とはいえないだろう。授業では

まず説明すること、そしてその後で練習すること、この両方が重視されなければならないが、現

実にはそうならなかったのである。ZKは、実践する教師に見られる練習についての認識を次のよ

うに述べている。

「練習と いうのは、旧式の教育のように、知性に限定した、記憶のための単なる手段ではない。

練習という活動の中で、子どもに練習の目的をもたせなければならない。子どもの目的を達成

すれば、教師の目的も達成できる。無目的に練習するとしたら、時間も無駄に使うし、練習の

結果についても、子どもは自己評価ができない。… (中略) "プロジェクト ・メソッド』を誤

った理解の上で実践している教師が多い。教師は子どもに面白く感じさせるために、子どもに

迎合し、教学の順序過程を無視し、練習がまだ十分に上達していないときに、次の活動を行う

ケースか多い。それは、危険である JI.q 。

キルパトリックの「プロジェクト ・メソッドJでは、 「目的的活動j が教育活動の典型的単位

として位置付けられている。この剖的的活動に基づく教行‘は、現在の生活を織成するものである

とともに、未来のより良き生活をm怠するものである。興味を生かす指導とは、子どもの意欲を

引きtHl、自ら練習することによって、知識や伎術を身につけさせようとする教師の意肉的な活

嚇であるといえよう。しかし、実践_1-.で、は、大勢の教師はその点について理解していなか「たた

めに、練習を無視する場合が多かった。その結梨、 3R'sが低下したという批判をしばしば受ける

ことになったのである。

政後は、全体と部分の問題についてである。学堂の従業では、文0:のた,愈がft:えられ、'Zf.lの

r 1:r Jの怠I床は、子どもたちがれら考えなければならない仕組みになっていた。子どもたちの能

力には波浪があったか、それでもたいてい一つの令体の慨念、は限解されていた。一方、 『フ。ロジ

ιクト ・メソッドj の災峨では、たいていのれOrtiと子どもの間各.は、続導問答であり、その間一

-46-

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は部分的、断片的なものだけにとどまり 、ものごとの全体の怠味をつかむことはほとんどなかっ

た。談話と観察も部分的で、中心の問題をめぐって行なうことが少ないため、 子どもたちの文

表現能力は低いままであった。要するに、子どもには全体の慨念体系の形成かほとんどなされて

いなかったので、ある。

これは、教師の指導性の不十分さに原因があったからだと考えられる 子どもに思考力、判断

力、問題解決力を育成するために、まず、教師は教材について理解しなければな らない。当時の

中国ではこの点が全く不十分だったのである。

とりわけ、 3R'sといった基礎学力における不十分な成績に、 「プロノェクト ・メソッドj の

「失敗j を見る見解に対して、それが実践する教師による 「プロンェクト ・メソッドJに対する

誤った認識によ るものであるという食子夷の指摘は重要である。また、彼は fプロジェクト ・メ

ソッドj の成否の判断は、それによってはじめて獲得できる f独特の成績j に基つくへきである

い としている l川。 それは、食が児童の 「思考、理想、鑑賞、態度そして国民的習慣j といった

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知識 ・技能ではない側面の発達に注目していたからであり、彼が学習の社会性に着目したのは、

t rプロジェクト ・メソ y ドJが有する社会改造の可能性への強い期待かあったからである。彼は

「目的を有し社会的価値のある完全な活動j である fプロジェクトJを通じて、中国の将来を担

う f中華共和国民Jが育成されることを期待したのである 16) 。以下、教師の指導性の問題よ

りを具体的な実銭に即して検討してみたい。

3. 実銭における教師の指導性

実践例として、1922年(民国11年)に江蘇第九師範学校附属小学校の二年生で行われた実践を

取り上げる。江蘇第九師範附属小学校の実践では、 一学級の子どもの定員は28人と定められ、年

齢は 5歳から 7歳半の間で、ビネー ・シモン式知能テストを受けさせ、 一定の基準をパスした子

どもを入学させている。

教室は授業内容によって、常に設備が変更されている。教室の最初の装飾は、教師が設計した

' •

ものであるが、徐 に々子どもと共に設計し、変更させ、最後は子どもたち自らが設計、自由に変

更することになっている。そして、各種の装飾品は、子どもの要求にしたがって、徐々に増やし

ていくこ とにな っている。

この実践の目的は、子どもが個々人の能力を発達させ、各自の経験を拡大し、社会の要求に適

応できるよ うにすることである。そのためには、教授の材料としては、子どもが必要とするもの

を選ばなければな らない。設計法は個人設計から共同設計まである。文字、算術記号及び算式を

教えるのは遅く てもよいとされている。修身、文芸、衛生、社会などは物語を多用すべきであ

る。自然、研究は園芸等と、関連して教授すべきである。社会や地理の研究は、現場の観察を重視

し、最後には模型や図表で発表することになっている。運動も、個人から団体に発展してし、 く。

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偉1生は、実際の生活の中で習慣として形成するものである。

てし吋 。音楽は、鑑賞・と発表を重視する。学習の大単元を

めている。lj教侵の中では綴り方が特に盤‘視されている。

以上のような諸点に留意して、設計数学法の実践が

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一学問(十四週間J)の実践の中で る一日の を例と して取り上げて._ .s. 」。

ける教師の指迫性について分析してみる。 •

10;:1 16日(

この日は;、投3十数学法を行う

:l他のクラスが体録に行く l時に

である。鐘を鳴らして

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同士で臨んで d亙いに教え つFこ。 55 ると子ど • 、ー

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C :うん、 その通りだ、きれいに洗わなきゃ

T:誰が洗うの?

C:皆が洗う。各自は各自のコップを洗う。

教師は鎖いた。すると、子どもたちは洗面台の前に集まり、自分のコ yプを洗い始めた。しか

し、コップの中に錆が残っていて、落とすことができない。何人かの子ともが諦めようとした時

に、Bが意見を出 した。

B:歯磨き粉で洗おう。

何人かの子どもは教師に尋ねた

C:私たちは歯磨き粉を持っていない、泥で洗ってもよいですか?

~ 1 T :いいですよ、やってみて。

J

掴'

各自で歯磨き粉や泥でコ ップの錆の部分を洗った。20..._30分経っと、洗い終わった、教師は各

自のコ ップを出させて、皆に選ばれた一人の代表Lがチェックする。しは最もきれいな二つを選

んで、教師に渡した。そのと き、Lの前に座っている Bが次のように言った

B:Lが自分で洗っていたコ ップはとてもきれいだが、彼女のは出していない。

T:Lが出してないのは、彼女が謙遜しているから、謙遜というのはとても良いことですが、で

も、今私たちに謙遜せず、見せて くれないかな?

Lが出 して

T:きれいですね。あなたたちはどう思う?( 2 筆者注)

C:きれい。きれい。一番きれい。

教師はコ ップをおいて、子どもたちの服を見ながら

T:コップはきれいになったが、皆自分の服を見て、きれいですか (子どもたちは自分の服を見

て)

C:服が濡れている人がいる。 (・濡れている子どもたちが出て)

T:なぜ濡れたのか?

C:コップを洗った時に、

T:そうですね、毎日歯磨きの時にも、そういうふうにやったら、 服が濡れないですよ。

この日は設計教学法の初日なので、教師が問題を出さないと、子どもも黙っていることになっ

た。

T:コップについて、何か意見があったら、出してごらん。

C:ないです。

T :コップを洗う時に、歯磨き粉と泥はどっちがよい?

C:歯磨き粉のほうが良い、手が汚れないから。(この時、 Bが発言した)

B:歯磨き粉は白いから、 コップの黒い部分を隠せる。

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C:歯磨き粉はよいか、あ金かかかるから、泥の方がよい。

C:犯でコノプの汚れた部分は取れるが、しかし、泥を使うときにFを切ウttL-c ばい菌が噌

ると病気になりやすい。

【中略】

教師は皆の怠見を聞き、子どもが黙った後に (3一一夜者注)

T:前磨き粉でコノプの黒い部分を塗ると、短時間は隠せるかもしれないが こっ.fたら

磨き粉が溶ちて、黒い部分が出てくる。このように、隠し事はあまりよくないことですね。

( 11ーーな者ωC:隠し事はl悪い。

T : コップを洗う時に、的ff~~ き粉があったら、 d きち)を使 1って、なかった時に、泥を使って句

よいがl、爪を切らなければならないし、コ ップを洗った後に

今、樹陰;き粉を持っていない人がいるので

それは、皆が街i野きの時を使うためです。

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、.

表したいと言う子が多い。教師は、子どもからの質問を受ける (新しい漢字の意味及び読み方

筆者注)。質問がない時は、子どもの発表を問く 。発表の結果は、図書の内容に合うものが

少なかった。ほとんどの子どもは絵を見て、自分の頭で想像しながら、発表しているだけである。

本を読んでいる子どもは、発表の内容を全く聞いていない。

子どもが読書することを楽しく感じさせることは、教師の仕事である。読書の後に、図書の内

容や読書の時間に起こった問題などについて教師との話し合いが必要になる。この話し合いを通

して、教師は子どもの心に入り、子どもに楽しく感じさせる。教師は談話室に入る前に、自分が

話をすることによって子どもの感情を引き起こさせ、表情を変化させることができるか、話の中

で無意味なことを取り除くことができるか、子どもが談話を聞いて、教室から出たくない、もっ

と話してと言うようになるか、などのことをあらかじめ考えなければならない。

子どもは談話室に入り、昼の読書の時間について話し合った。

T:あなたたち、なぜここにいるの?誰か答えられますか?

C:話をするため、談話するためです。

T:そう、話をするためです。では、何か話したいことがあ ったら、話してごらん。

C:本を読んだ後にきれいに整理していなし、から、本棚が汚くなった。

T:何か良い方法を考えましょう。

C:汚くする人に罰として、本を読むことを禁止するとよい。

C:管理の人が居たらよいですよね。

教師が学級全員の意見を聞くと、 2人の意見に賛成する人数が多い。投票し、図書を管理する

人 2人が選ばれた。

T:この二人、 職名は何でしょう?図書級長?それとも図書部長?

C:図書部長がよい。

T:ほかの、級長も部長という名前に変えよう。

C:お辞儀部長だ。

T:礼儀部長はどうですか?

そのため、礼儀と黒板に書き、意味を子どもに説明した。そして、歯磨き粉、歯ブラ 、ン、 コッ

つ l プを管理する人は清潔部長として、通知書を管理する人は郵政部長として、それぞれ子どもの投

票の下で誕生した。

T:各部長は全力で勤めなければならない、ほかの人は部長に従がって行動しなければならない。

( 6一筆者注)

昼食の後、遊戯の時聞が終わって、また読書の時間になる。子どもたちは午前中と同じように

静かに読書することができない。

T : :本を読む時に一番良い方法は何ですか?午前中のようにどうですか?

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C:だめだめ。ある人は大きな声を出して、うるさい。

C:走り回っている人もいるから、それもよくない。

C:また、本を汚して、整理しないこともだめ。

T:じゃ、どうしたらいい?

子どもたちは討論して、結論として集中し、静かに、早く、正しく本を読むことに決めた。教

師はその言葉を黒板に書く 。 r静Jという字が子どもたちには書けない。

,拾う

:; ".

Eヨ・.

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T:私の支援がいりますか?

C:先生の支援がいります。

T:この字を書くのは簡単ですが、あなたたちがこの字に従って行動できるかな?

すると、 28名の子どもは全員静かになって、教師が字を書く聞を待っていた。

ここで、鐘が鳴った。子どもは次の日の授業内容を検討することになっている J 子どもたちはま

だ遊んでいて、鐘の音が聞こえない様子。

T:授業ですよ。図書室に集まって。これから、今日最後の授業は会議です。(~会議』の漢字

を黒板に書き)

C:会議して、演劇しますか?

T:演劇もするが、次の日の授業で何をするかも決めなければならない。やりたいことを出して

晶目.,

-冨---aa-EE--冒・., •••••

ー咽

1‘

..

ごらん。.

C:どんな授業でも私たちが決めますか?

T:どんな内容でも自分らで決めなさい。

次の日は孔子の誕生日だが、教師は子どもに孔子の子ども時代の礼儀を習う ことを物語

の時間にすでに知らせていた。

この一日の授業が終った。

• -

教師の自己評価

後で授業者はおよそ以下のように自己評価をしている。

児竜Lが洗ったコップはきれし、かどうかは、子どもたちが自分で判断し、評価を出すべきだっ

た。教師は暗示すべきで、はなかった。実践中、教師がとってもきれいだと言ったため、子どもは

教師に従って、自分の怠見を出せなくなってしまった。

児童Bは歯磨き粉でコップの黒い部分を隠そうと提案したが、彼女に実際に確かめさせて、隠

し事はいつか発覚するということを認識させなかったことは教師の失敗である。隠そうという提

案で、子どもたちに械をつくのは思いことだと教師がJう直後的な教え万は設計教学法の主旨と

は民俗るものである。

7こどもが介15主にコップをあげる儀パを見たが、代点があげるときの礼儀は正しし1かどうか、

‘・

、.

-52-

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及び受け取るときの一年生の表情は誰も報告していない、これらの点を教師が聞かなかったこと

は失敗である。

礼儀部長、清潔部長と郵政部長は教師の意図によって誕生したもの。部長は皆のために勤め、

皆は部長にしたがって行動するというのも教師の意志である。そのため、子どもは以下の疑問を

持ったのではなかろうか。①礼儀部長と清潔部長がいなければ、不便であるか?②どうして皆は

部長に従わなければならないのか?③部長はなぜ全力で勤めなければならないのか?そうでなか

ったら、問題があるのか?これらの諸点についてのまとめをすべきであった。

以上の実践に対して筆者なりの考察を加えておきたい。江蘇第九師範学校付属小学校の例から

見ると、教師の指導性は以下のようになる。一日の実践内容に付記した、 【l】から 【6】まで

に関する筆者の考察である。

【l】 から見ると、設計教学法のなかで動機付け、目的を立てることは大切である。最初に目

的を立てるために教師の暗示及び支援が必要で、ある。 r設計教学法Jは、子どもを学習の

主体として位置づけ、その生活経験の重視、個性の伸張、自発性の尊重を提唱した。しか

し、だからと言って、教師は、子どもが自ら目的を定めた後に指導するだけではない。子

どもが目的を見つけられない時には、教師が適切な環境を作って、彼らに暗示する必要が

ある。あるいは、目的が不適切な時には、教師は彼らを指導し、訂正すべきである。子ど

もに自発的な目的があれば最もよいが、自発的な動機、目的がない場合、教師の発問によ

って、動機づけることが多い。意味のない発問による動機づけは、効果がないので、その

時には、 【l】のように教師は直接子どもに目的を指示するのがよい。

筆者がこう考える理由は、教師にはより広い範囲で目的を立てる機会を、子どもに豊富

に与える必要があるとキルパトリックは指摘しているからである。と同時に、キルパトリ

ックが 「子どもが適切に進歩するのは、必要があれば、教師によって良いものを承認し、

悪いものを拒否して、子どもが為すことについての選択的判断を明確にさせることである

に違いないJI 7) と指摘し、教師の指導の必要性を明言している。そして、彼は 「賢明に

また首尾よく方向づけられた集団目的を立てるという方式は、他者に対しての人格尊重の

態度を形成する機会を与えるJ川と述べ、教師の指導によって、子どもの他者に対する

人格尊重という態度を形成できる、と考えていたと思われるからである。

【2】 判断する時に、教師が決めるのではなく、子ども全員で決めさせることが重要である。

だが、 「きれいですね、どう思いますか?Jとし寸発問では、教師は子どもに同じ答えを

求めることになる。そのため、子どもが真実を追究する力を育成するという点では、あま

り良い発問とは言えない。閉じことは、教師と子どもとの問答全体についても言える。子

どもの答えの正確性については、彼ら全員に判断させるべきである。前に述べたように、

キルパトリックが強調した教師の指導というのは、子どもに知識を伝達することよりも

-53-

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思考力、判断力、及び問題解決能力を育成する ζとであると筆者は判断している

に厄否の判l析をさせることによって、従 lら全|白の泊・

はずである。 さらに、全日で決めさせること I~民主主義におlける兵同詰勤の

とであると考'えられる。この教師はこの点では失敗だったと筆者は判断|し一

【3】 に見 lられるように、教師と子どもとの間苔は、指名主れて

るべき ζとではなく、教師は全自に向かつて

る教師は子どもとの問答を虚視するために、 '1>監の腎い平ど'btJ<!f! < -=Fザ時山一

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け止め、さらにほかのプロ ジェクトを計画するJ I川ように促される。キルパ トリ ック に

よれば、教師が合理的に理解して賢明な運営をすれば、子どもたちに楽しく学習させるこ

とが可能になる。教師の指導によって、 一緒に仕事をしている人に対してお互い対抗する

のではなく、相互信頼し尊重するという考えが形成されてし 1く。この教師には、これらの

ことに対する配慮不足が見られる。

【6】 計教学法で誕生したリーダーによって、子どもの活動は順調に進むことができる。しか

し、教師は子どもにリーダーに絶対的に服従させるべきではな く、自己管理の能力を形成

させるべきである。 リーダーに反対した時に、教師は子どもに投票した時の責任を問うべ

きであった。この点までこの教師は予想していたのだろうか、筆者はこの点にも教師の弱

点を感じる。

このほか、一般的に考察できることは、環境上では、子どもの実際生活に近すぎず、離れすぎ

ずという点で、教師は配慮すべきである。子どもの内的動機や能力を形成する場はほとんどが現

実的な環境である。図書館にいる時に本を読みたい、庭園にいる時に花を鑑賞したい、他の子ど

: l もと一緒にいる時に遊びたいというように、環境は教師と同じく大切である。教師は適切な環境

を設置し、環境によって子どもは問題を出し、よりよい環境を自分たちで作り出してし、く 。その

時、教師は子どもと環境との交渉を見守っていく 。子どもが自らできなかった場合には、教師の

支援が必要となることは言うまでもない。そのため、教師は子どもが不満を感じる環境を意図的

に作らなければならない場合も生じてくる。子どもが環境に不満を抱いたら、自ら改良しようと

し、よりよい環境を作ろうと考えることができるからである。もちろん、教師が設置した環境は、

子どもが改良できる範囲の中でなければならない。そして、その環境の改良によって、仲間との

社会生活において、私心なく助け合う性格を形成していくことにもなって七、く 。

さらに留意すべき点は、教師は子どもに目的と手段をはっきりさせ過ぎず、混乱させてはなら

ないということである。子どもに目的を維持させ、目的に向かつて活動させるということが、設

計教学法での教師の重要な仕事である。しかし、子どもが目的のための活動と認識したら、子ど

もは活動が目的を達するための過程であると感じて、活動の楽しさがなくなる。本来活動をして

いくうちに、楽しみが出てくるものである。目的と手段をはっきりさせ過ぎると、子どもは活動

する楽しみを味わうことができなくなる。目的を達成することができたら、子どもは成功した時

の楽しさを感じることができるが、目的を達成することができなかったら、何もしていなかった

と挫折感をもっ。一方、目的がなかったら、連続的な活動ができないため、興味も無意味で、持

続的ではなくなる。

結果についていえば、子どもが結果に満足していることを土台にしてさらによりよい結果を出

すために努力を続ける観念を形成していかなければならない。このため、教師は子どもに結果に

対して十分に満足させるでもなし、失望させるでもなしとし寸バランスをとることに注意を払う

-55一

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必要がある。十分に満足したら、子どもが努力することがなくなる可能性が高い。一方、失望し

たら、子どもが次の活動に対する興味や動機がなくなる可能性もある。:だから、そこでの教師の

舟等性は、子どもに失敗から成功に向かう経験を見つけさせ、次の活動"こ努力させることである

一つの活動を行う時には、多数決で決めさせる必要がある一方、教師は子どもに f多数の人の

~' r @jが,iE.しいことであるかどうかJ について考えさせるべきである。そこでの教師の指

十どもが妥協することを防止し、思考力、判断力を育成するために

ある。

させる必要があるか|らで

4. おわりに

f児童小心主義J理念、にもとづく 「プロジェクト ・メソッドJ

"t "ニとして注目される一方、 3R!sの能力の低下によって、中国で

.I~~歩

の代筆的な方

アメリカでも教師の指

問われるケースが出てきた。日本への の時において -、ー こと 一』lとも言

われた。本稿において :について

L r間的的活動Jについて

より広い範闘で目的を立てZ

自守 としての fプロジェ . ~、J 、':1 t

るとと

よい 地いものを矩否|して、子どもが為すことについて選択的に判断をすること

どもに迎合することと教師が子どもの心からの腕昧を生かすことと

師が子どもの誌の興|味を理解していない結果として

つ詑り、教師は子どもに而|白〈凪じさせるために、子どもに迎

ることによ勺て、指噂性を軽観すlることになってしまった

2. 子どもを学習の主体にし、生活l経験の監視、個性の{判長、国宛性の専置を提唱した 『プロジ

ク iト・メソッドJ,立、知織を伝誼寸ることより、忠、

λことを監視する。そこで、敏材の適択上にも敏師の指導;性が必要となって

材そのものを理解するだf;'ではな〈、子ど 'Ðω;J~'此tり必~h之ひ1i~刀と、取i何との靭且作用に

しなければならないのこの点での!出慌が不十併で抗 ~f:-'I':' め_ ...t t, ¥

むか勺1こ

• fプロジ ιクト ・メソ γ ドJ'の最太の特酷である付随字智lの思娠は、鈍}閣を習得するこ

,,') 子どもたちの性時限li~の方にめる。 『態度I というよフロßt:mtl~低 11立、敢闘に

川M!n切なlll~9~だけではお-u llこ Jf~1求されるものではむい白しかし、腕前iが適切に話勧告方向

ことによ勺て、臼発性、 1;)Jii性、資U:感、他者への尊111などの性i賂形成を方(ti)づf1暢曙

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嗣.

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唱叶、、、 筆者にとって、以下のことが今後の課題として残された。

1. 中国、そして日本に 「プロジェクト ・メ ソッドJがし、かに紹介され、実践に移されたか。そ

の実態とアメリカ本国での実践とを比較検討することによって、社会背景が異なることによる、

「プロジェクト ・メソ ッドJの各国での役割を比較すること。

2. 中国では、社会状況に応じて、 「混合的設計法j 、 「分系的設計法J、 「分科的設計法Jの

三種類の「設計教学法Jが紹介された。その三つの 「設計教学法Jのそれぞれの意義及びそこ

での教師の指導性を分析すること。

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註:

1)李季凋『紀転換期における中国の基礎教育の問題と改革J ~解放教育~ No.391, 2000年 7月、

明治図書。

2) ~ ランダムハウス英和大辞典』 、第 2 版、小学館。

3)細谷俊夫、奥田真丈、河野重男編 『教育大事典』第 5巻、第一法規出版株式会社、昭和53

年、 p87.

4)高浦勝義編著 『総合学習の理論』、繁明書庖、 1997年、 p34.

5)学校形態 ・制度の改革については、義和団事件の直後、清朝のとった措置一八股文廃止を

軸とする科挙試験方法の修正 (1901年 8月)、学堂の普遍的設置(同年 9月)発令以降、に

わかに進行する。学堂については、各省のすべての書院をこれに改組すること、省域には大

学堂、府ごとには中学堂、州、|県ごとに小学堂を設置すること、なお蒙養学堂の開設にもっと

めること、としている (1901年 9月)。そして、首都北京にすでに開設準備中の京師大学堂

が、 “学堂"の一応のモデルとされている。梅根悟監修、世界教育史研究会編 『世界教育史

大系 4 中国教育史』、 講談社、 1975年、p54.

6)茶元培 「対子新教育之意見J、高平叙編 『奈元培全集』、第三巻、中華書庖、 1984年、 p174.

7)太玄 「基爾巴脱利克論設計教育法J、 『教育雑誌』第13巻第 9号、 1921年、 p14.

8)中国では、 f設計Jの教育的意味について、以下のように述べられている。1. r設計Jとは

重要な単元のことである。2.r設計j の意味は、活動的思考を発達させる。子どもに独立思

考することを習慣として形成する。3.r設計Jは、 一つの主な目的を基本として、知識を組

織し、活用することである。例えば、学芸会を設計するときには、 「最も完全な学芸会を組

織するJことが主要な目的である。この目的にそって、材料を収集する。以前学んだ知識を

使って、目的を達成する。4.r設計j は、単一的ではなく、沢山の小設計を合わせて、 一つ

の大設計になる。生活は即ち一つの大設計で、あり、子どもにはそれを継続的理性的に解決し

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でいくことが要請されている 5.一つの f設計Jは、それ以後の 「設計j を解決する手段に

なる。!!f1ち、知識を継続的に組織し、生活を継続的に改造することになる。参考文献:alJ孟

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晋 f設計教学法概要J W教育雑誌』第14巻、第10号、 1922年。

9)張九如 f上期設計教学的決算与経験及本期改革的予算J ~教育雑誌』、第 15巻第 3 号、 1923

年。

10)食子夷 「小学教員該注重理論、還是注重経験?J lf食子夷教育論著選』、人民教育出版社、

1991年、 p43.

11)陳青之、柳津三郎訳 『近代支那教育史』、生活社、 1939年、 p270.

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12)本論文は 『教育雑誌』第15巻、第 9号~第12号、1923年。

13)食子夷 「小学教学法上的新旧衝突J lf稔子夷教育論著選』、 p60.

14)向上。

15)向上。

16) r江蘇師範附属小学聯合会第七次会議報告J lf新教育』第 3巻第 4期 pp537-541.

17) Kilpatrick VI. H. :“The Project Method" Teachers College I?ecord, September, 1918,

p323,市村尚久訳、 『プロジェクト・メソッド』、 p52.

18) Kilpatrick VI. H. : Philosophy 01 Education New York: Macmillan, 1952.

19) Kilpatrick W. H. : Philosophy 01 Education. p259.

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