中堅・中小企業の現状と課題① 資料2...中堅・中小企業の現状と課題①...

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中堅・中小企業の現状と課題① ○ 中小企業の労働生産性(従業員一人当たりの付加価値 額)は低迷。大企業との格差が拡大。足下では、米中対立 やコロナの影響等で、全体として生産性が低下。 400 600 800 1000 1200 1400 1600 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 大企業製造業1,238万円 (▲9.4%大企業非製造業1,363万円 (▲2.2%中小製造業554万円(▲3.5%中小非製造業543万円(▲1.6%(年) (労働生産性 万円) ○ 中小製造業では、取引先への価格転嫁が進まず、労働生 産性が低迷。 ○ 取引価格の協議促進により、価格転嫁を進める必要あり。 0 400 800 1,200 1,600 情報通信業 輸送用機械器具製造業 小売業 飲食サービス業 (労働生産性 万円) 02021300301人~ ※円の大きさは抱える雇用規模 (企業規模) 中小企業の労働生産性は、全体として伸び悩んでいる。主な要因は、価格転嫁力の低迷にあり、中小企業の取引条件の改善を促すことが課題。また、IT の利活用の推進も課題。中小企業の機能を踏まえた支援により、生産性向上を図り、賃上げできる環境の整備を進めていく必要。 労働生産性の推移 一人当たり名目付加価値額(労働生産性)上昇率と その変動要因(中小製造業) 業種別・規模別労働生産性 業種別のTFP伸び率比較(2013-2018(()は前年度比) IT装備率・労働生産性 1,367 1,394 554 543 70 102 3 4 0 20 40 60 80 100 120 0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 1,600 製造業 非製造業 製造業 非製造業 大企業 (資本金10億円以上) 中小企業 (資本金1億円未満) 労働生産性【万円】 IT装備率【万円】 (万円) ※1 IT装備率=IT資本ストック(無形固定資産ソフトウェア)÷従業員数 ※2 大企業は資本金10億円以上の企業、中小企業は資本金1億円未満の企業としている。 (出典)財務省「法人企業統計(金融保険業、農林水産業を除く全産業)」を基に作成 (万円) ○中小企業は、大企業と比べるとIT装備率が低い。 2018年度) ○ 製造業では、企業規模が拡大すると、生産性も向上。 ○ 小売・飲食サービス業は、規模が拡大しても生産性は向上 しない。 生産性 地域資源型 サプライチェーン型 地域コミュニティ型 グローバル型 規模 類型別の成長のイメージ 規模拡大を通じ た生産性向上 地域経済や雇用 を支え、持続的 発展 中小企業の成長イメージ ○事業者の機能に応じた成長パスを示し、支援をしていく必要。 TFP:全要素生産性) 「中小企業の全要素生産性(TFP)は、付加価値額の伸びのうち、 資本投入でも労働投入でも説明できない部分全ての変化を指すことから、 投入要素の質の向上や技術進歩、イノベーションの結果等の合計を表すとされている」(中小企業白書2016(出典)財務省「法人企業統計(金融保険業、農林水産業を除く全産業)」を基に作成 ○中小企業では、小売業・サービス業・宿泊業・飲食サービス業 TFPの伸び率がマイナスになっている。 中小企業 (資本金1億円未満) 1 資料2 ※価格転嫁力指標:販売価格の上昇率と仕入価格の上昇率の違いから、仕入価格の 上昇分をどの程度販売価格に転嫁できているか(価格転嫁力)を数値化したもの。

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  • 中堅・中小企業の現状と課題①

    ○ 中小企業の労働生産性(従業員一人当たりの付加価値額)は低迷。大企業との格差が拡大。足下では、米中対立やコロナの影響等で、全体として生産性が低下。

    400

    600

    800

    1000

    1200

    1400

    1600

    03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19

    大企業製造業1,238万円(▲9.4%)

    大企業非製造業1,363万円(▲2.2%)

    中小製造業554万円(▲3.5%)

    中小非製造業543万円(▲1.6%)

    (年)

    (労働生産性 万円)

    ○ 中小製造業では、取引先への価格転嫁が進まず、労働生産性が低迷。○ 取引価格の協議促進により、価格転嫁を進める必要あり。

    0

    400

    800

    1,200

    1,600 情報通信業輸送用機械器具製造業小売業飲食サービス業

    (労働生産性 万円)

    0~20人 21~300人 301人~

    ※円の大きさは抱える雇用規模

    (企業規模)

    中小企業の労働生産性は、全体として伸び悩んでいる。主な要因は、価格転嫁力の低迷にあり、中小企業の取引条件の改善を促すことが課題。また、ITの利活用の推進も課題。中小企業の機能を踏まえた支援により、生産性向上を図り、賃上げできる環境の整備を進めていく必要。

    労働生産性の推移 一人当たり名目付加価値額(労働生産性)上昇率とその変動要因(中小製造業)

    業種別・規模別労働生産性業種別のTFP伸び率比較(2013-2018)

    (()は前年度比)IT装備率・労働生産性

    1,367 1,394

    554 543

    70

    102

    3 4 0

    20

    40

    60

    80

    100

    120

    0

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    1,000

    1,200

    1,400

    1,600

    製造業 非製造業 製造業 非製造業

    大企業(資本金10億円以上)

    中小企業(資本金1億円未満)

    労働生産性【万円】 IT装備率【万円】(万円)

    ※1 IT装備率=IT資本ストック(無形固定資産ソフトウェア)÷従業員数※2 大企業は資本金10億円以上の企業、中小企業は資本金1億円未満の企業としている。(出典)財務省「法人企業統計(金融保険業、農林水産業を除く全産業)」を基に作成

    (万円)

    ○中小企業は、大企業と比べるとIT装備率が低い。

    (2018年度)

    ○ 製造業では、企業規模が拡大すると、生産性も向上。○ 小売・飲食サービス業は、規模が拡大しても生産性は向上しない。

    生産性

    地域資源型

    サプライチェーン型

    地域コミュニティ型

    グローバル型

    規模類型別の成長のイメージ

    規模拡大を通じた生産性向上

    地域経済や雇用を支え、持続的発展

    中小企業の成長イメージ

    ○事業者の機能に応じた成長パスを示し、支援をしていく必要。

    (TFP:全要素生産性)

    ※ 「中小企業の全要素生産性(TFP)は、付加価値額の伸びのうち、資本投入でも労働投入でも説明できない部分全ての変化を指すことから、投入要素の質の向上や技術進歩、イノベーションの結果等の合計を表すとされている」(中小企業白書2016)(出典)財務省「法人企業統計(金融保険業、農林水産業を除く全産業)」を基に作成

    ○中小企業では、小売業・サービス業・宿泊業・飲食サービス業でTFPの伸び率がマイナスになっている。

    中小企業(資本金1億円未満)

    1

    資料2

    ※価格転嫁力指標:販売価格の上昇率と仕入価格の上昇率の違いから、仕入価格の上昇分をどの程度販売価格に転嫁できているか(価格転嫁力)を数値化したもの。

  • 中堅・中小企業の現状と課題②

    中堅・中小企業は地域経済の中核的役割。中小企業から中堅企業、更にその先の事業成長を見据え、事業再生・事業承継、若者等の人材確保、国研等外部との連携、海外市場への展開、 DX(デジタル・トランスフォーメーション)等の積極的な後押しが必要。

    地方における中堅・中小企業 中小企業の経営者年齢 若者採用の充足率

    海外展開と労働生産性

    年代別中小企業の経営者年齢の分布

    【資料】(株)帝国データバンク「COSMOS2(企業概要ファイル)」再編加工

    ○中小企業の経営者年齢は年々高まっており、事業承継が喫緊の課題。

    0

    500

    1,000

    1,500

    2,000

    2,500

    3,000

    三大都市圏 三大都市圏以外

    99人以下

    100~999人

    1000人以上41%

    25%

    34%

    14%

    27%

    59%

    ○地方では中堅・中小企業の雇用者数が85%以上を占め、雇用・経済の中核となっている。

    【資料】『総務省・経済産業省「平成28年経済センサス-活動調査結果』

    企業の常用雇用者規模別従業員総数

    (万人)

    資料:経済産業省「平成28年企業活動基本調査」再編加工(注)1.ここでの労働生産性は、常用雇用者1人あたりの平成27年度の付加価値額を指す。

    2.海外に子会社または関連会社を1つでも持つ企業を海外展開ありとする。3.僅かにでも輸出を行っている企業を輸出ありとする。

    海外展開の有無別・輸出の有無別の労働生産性比較

    ○海外展開や輸出を行っている企業は、行っていない企業に比べて労働生産性が高い。

    0

    5

    10

    15

    20

    25

    30

    15~19

    20~24

    25~29

    30~34

    35~39

    40~44

    45~49

    50~54

    55~59

    60~64

    65~69

    70~74

    75~79

    80~

    1995年 2000年 2005年2010年 2015年 2018年

    (万人)

    (歳)

    23年間で経営者年齢の山は、47歳から69歳へ移動 18.7% 22.8% 28.9%

    16.2% 17.5%29.0%15.2%

    25.3%

    26.3%49.9%34.3%

    15.8%

    100人未満 100~999人 1000人以上

    0割

    1~4割

    5~7割

    8割以上

    新卒採用予定数に対する採用確定数割合(従業員規模別)(2021年卒向け、2020年6月時点)

    研究開発における外部連携

    0%10%20%30%40%50%60%70%80%90%

    100%

    国内の大学等

    大企業 国内

    公的研究機関

    中小企業

    外部コンサルタント

    や民間研究所

    ベンチャー企業

    ・新興企業

    国外の大学等

    ・公的研究機関

    1億円以上10億円未満 10億円以上100億円未満 100億円以上

    研究開発において連携した他組織(資本金別)

    ○中堅・中小企業ほど研究開発において外部と連携が少ない。特に、民間研究所や公的研究機関等の活用で差異。

    【資料】⽂部科学省科学技術・学術政策研究所 「民間企業の研究活動に関する調査報告 2019」

    【資料】マイナビ 2021年卒企業採用活動調査

    従業員規模

    ○大企業に比べ、中堅・中小企業の新卒採用充足率は悪い。中堅企業も0割が最も多く、5割未満が過半数を占める。

    2

    中小企業へのEDI(電子受発注)の普及率

    【資料】経済産業省「経営診断ツールの 認知・活用状況及び、決済資金調達の実態に関する調査 」(2018年11月)

    27.8%

    10.7%

    68.1%

    68.6%

    75.8%

    38.9%

    16.1%

    66.5%

    67.9%

    69.7%

    0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0% 70.0% 80.0%

    その他

    EDI

    電話

    電子メール

    FAX

    受注方法(n=2,609) 発注方法(n=2,784)

    ○中小企業の受発注は、依然FAXや電話が主流。EDIが登場したにもかかわらず、データの手入力や書類印刷が継続している状況。

    894870

    731 747

    600

    650

    700

    750

    800

    850

    900

    950

    輸出有り 無し海外展開

    有り 無し

    (万円)

  • コロナ対策の進捗状況と今後の課題

    1% 3% 4% 5% 5% 0% 2% 2% 1%

    20%

    48% 43% 37% 37%31%

    14% 14% 14%

    79%

    49% 52% 57% 59%69%

    84% 85% 85%

    0%

    10%

    20%

    30%

    40%

    50%

    60%

    70%

    80%

    90%

    100%

    全体

    飲食店

    アパレル小売

    生活関連サービス

    娯楽

    道路旅客運送

    宿泊

    自動車・同部品製造

    鉄鋼・非鉄金属製造

    大幅な転換を検討

    転換の意向なし

    部分的な転換を検討

    (出所)東京商工リサーチ「第9回新型コロナウイルスに関するアンケート調査」(注) 1.業種別の割合は、大企業を含む全企業の数字。

    2.生活関連サービスには、理美容、クリーニング、旅行業、冠婚葬祭業などを含む。

    廃業企業の経営者年齢の推移

    (参考)廃業の理由

    業種別の業態転換の意向(資本金1億円未満)

    (出所)中小企業庁

    財源1.6兆円※事務経費除く63万件、5600億円(12/6時点)申請約76万件の約83%

    0

    2,500

    5,000

    7,500

    10,000

    12,500

    15,000

    17,500

    20,000

    22,500

    以前

    3月17

    3月31

    4月13

    4月24

    5月13

    5月26

    6月8日

    6月19

    日-2

    1日7月

    2日7月

    15日

    7月30

    8月13

    8月26

    9月8日

    9月23

    10月

    6日10

    月19

    10月

    30日

    -11月

    1日11

    月13

    日-1

    5日11

    月27

    日-2

    9日

    4月がピーク

    0

    5,000

    10,000

    15,000

    20,000

    25,000

    30,000

    以前

    3月10日

    3月25日

    4月8日

    4月22日

    5月12日

    5月26日

    6月9日

    6月23日

    7月7日

    7月21日

    8月6日

    8月23日

    9月6日

    9月22日

    10月

    6日10月

    20日

    11月

    4日11月

    18日

    12月

    3日

    保証申込件数

    うち民間無利子

    (件)

    5~6月がピーク

    (件)

    業態転換の意向

    (出所)東京商工リサーチ「第9回新型コロナウイルスに関するアンケート調査」

    (資本金1億円未満)

    部分的な転換を検討21%

    転換の意向なし78%

    大幅な転換を検討1%

    転換を検討22%

    家賃支援給付金支給実績持続化給付金支給実績 公庫融資申込件数 信用保証申込件数

    新型コロナウイルス感染症の影響により大きな打撃を受けた中小企業・小規模事業者の事業継続を強力に支援するため、令和2年度第一次及び第二次補正予算において、持続化給付金・家賃支援給付金・持続化補助金の支給や実質無利子融資等を実施。

    高齢等を理由に自発的に廃業する企業が引き続き増加。コロナ禍をきっかけとして業態転換の意向を有する中小企業も飲食業や小売業などを中心として存在。 コロナ禍の中、本年7~9月には、東京圏からの人口転出超過を記録。特に若者を中心として、地方移動機運が高まっている。

    (出所)日本政策金融公庫総合研究所「経営者の引退と廃業に関するアンケート」

    経営者の事情 事業継続困難

    1 体力・気力の衰え(47.4%)売り上げの低迷(35.8%)

    2自身の健康上の理由(27.6%)

    経営に大きな問題はなかったが、事業の将来には不安があった(12.0%)

    3 高齢(26.6%)人手不足・人材不足(5.8%)

    4他社で勤務することとなった(19.4%)

    取引先の廃業・倒産(5.6%)

    5その他の家庭の事情(家族の介護や看病、育児を除く)(14.4%)

    債務の支払が困難になった(4.2%)

    11.5% 12.0% 12.8% 14.0% 14.6%17.2% 16.9% 18.2%

    32.6% 33.6% 33.7%33.3% 35.6%

    37.5% 39.1%42.3%

    36.4% 35.7% 35.3%34.8% 33.0%

    29.0% 27.5%24.3%

    11.9% 11.0% 10.8% 10.7% 10.2%10.4% 10.5% 9.5%

    5.8% 6.0% 5.8% 5.9% 5.2% 4.8% 4.7% 4.7%

    2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020年1-8月

    80代以上 70代 60代 50代 40代 30代 20代以下

    (出所)(株)東京商工リサーチ「「休廃業・解散企業」動向調査」再編加工

    【資料】住民基本台帳人口移動報告東京圏:埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県

    -10

    0

    10

    20

    30

    40

    50

    60

    70

    1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

    2018年

    2019年

    2020年

    (千人)

    東京圏転入超過数

    3

    7月

    14日

    31日

    14日

    30日

    14日

    31日

    8月 9月 10月

    31日

    0

    10

    20

    30

    40

    50

    60

    70

    80

    90

    100

    (万件)累計申請件数 累計給付件数

    11月

    14日

    30日0

    1

    2

    3

    4

    5

    6

    0

    50

    100

    150

    200

    250

    300

    350

    400

    5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月

    累積給付件数 累積給付金額(右軸)

    (兆円)(万件)

    財源5.3兆円 ※事務経費を除く(10/30家賃支援給付金からの流用0.3兆円)約386万件、約5.04兆円(12/6時点)申請約406万件の95%

  • 中堅・中小企業関係の主な経済対策

    資金繰り支援

    事業再生・事業引継ぎ支援

    事業再構築、生産性向上

    ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現を図るため、中堅・中小企業の経営転換等に係る支援に取り組む。

    ○コロナの影響による事業環境の変化に対応して、規模拡大、新分野展開、業態転換・事業転換等の事業再構築に果敢に挑戦する中堅・ 中小企業等に必要な費用を措置する事業再構築補助金を創設。

    ○新型コロナウイルス感染症の拡大の防止を図りつつ、イノベーション等による生産性向上を図るため、コロナ時代に対応したビジネスへの支援に重点化したものづくり補助金、持続化補助金、IT導入補助金を整備。○地域金融機関等による地域の中堅・中小企業のための経営人材マッチング推進○物流生産性向上に資する共同輸配送や置き配に係る取組の推進

    事業再構築の具体事例

    製造業

    〇産業機械向けの金属部品を製造している事業者が、人工呼吸器向けの特殊部品の製造に着手、新たに工作機械を導入。〇光学技術を用いてディスプレイなどを製造している事業者が、接触感染防止のため、タッチレスパネルを開発。医療現場や、介護施設、公共空間の設備等向けにサービスを展開。

    飲食業〇売上が激減した飲食店が客席や厨房等の設備を縮小して経費を節減。その一方で、オンライン上で注⽂を受付できるサービスを導入。宅配や持ち帰りにも対応。〇飲食店が、観光客の三密回避のため、来客データの収集と分析をし、来店予測、混雑予報AIを開発。飲食店をはじめ様々な業種にサービスを展開。

    小売業 〇小売店が店舗への来客数減少に伴い、売上が激減したことを契機に店舗を縮小、ネット販売事業やサブスクリプションサービス事業に業態を転換。

    金属加工業 〇金属表面処理技術を活かし、銀の抗菌被膜を形成する抗ウイルス製剤の製造に着手、生産ラインを新規に立ち上げて主力事業化。

    宿泊業 〇宿泊客数が激減し、ホテルの稼働率が低下している中、テレワークの拡大を受けて、客室をテレワークルームやコワーキングスペースに改造し不動産賃貸業に業種転換。

    ○民間金融機関を通じた実質無利子・無担保融資を来年3月まで延長。日本政策金融公庫等の政府系金融機関による実質無利子・無担保融資も当面来年前半まで継続。○中小・小規模事業者の経営改善や、前向きな設備投資といった業態転換等の取組に係る新たな信用保証制度・日本政策金融公庫等の融資制度を措置。

    日本公庫中小 商工中金 日本公庫国民 民間金融機関

    要件

    売上高前年比▲5%(小規模個人)、▲15%(小規模法人)、▲20%(中規模)

    売上高前年比▲5%(小規模個人)、▲15%(その他)

    上限

    無利子2億円基準金利6億円

    無利子2億円基準金利6億円

    無利子4千万円基準金利8千万円

    無利子4千万円保証枠別枠2.8億円

    期限 当面来年前半まで継続 年末⇒年度末

    ○雇用調整助成金・産業雇用安定助成金(仮称)による労働者の雇用維持への支援○最低賃金の引上げに向けた中小企業・小規模事業者への支援

    ○地域の貴重な技術や人材など経営資源の散逸を回避し、生産性の向上を図るため、経営資源の集約化・事業引継ぎを推進していくことが重要。

    ○コロナの影響により、年間過去最多を更新する勢いで休廃業企業数が増加する中、事業引継ぎ支援センターの体制を整備。

    ○事業承継・引継ぎ時の専門家活用や、その後の設備投資等にかかる費用を補助。○コロナの影響により、中小企業再生支援協議会に対する相談件数が急増している中、再生計画策定のニーズに十分応じられる体制を整備。

    ○サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金により、生産拠点の集中度が高い製品や、国民が健康な生活を行う上で重要な製品の国内生産拠点の整備等を支援。

    サプライチェーンの強靭化

    雇用継続等315

    424526

    702

    852

    1018

    102209

    430

    687

    923

    1176

    696

    0

    200

    400

    600

    800

    1000

    1200

    1400

    2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020

    3,395

    2,666 2,798

    2,584 2,731 3,164 2,873

    1,929 1,741

    3,712

    4,128

    3,421

    1,748 1,672

    1,686 1,896 2,247

    3,626

    0

    1,000

    2,000

    3,000

    4,000

    5,000

    H15年度以前

    H16年度

    H17年度

    H18年度

    H19年度

    H20年度

    H21年度

    H22年度

    H23年度

    H24年度

    H25年度

    H26年度

    H27年度

    H28年度

    H29年度

    H30年度

    R元年度

    R2年度

    相談対応件数

    中小企業M&Aの実施状況 中小企業再生支援協議会の相談実績

    (件) (件) 政策パッケージ(再生支援集中期間)

    金融円滑化法

    中小企業のM&Aは、我が国でも近年増加、少しずつ身近になりつつある。

    中小企業M&A仲介上場3社

    事業引継ぎ支援センター

    ※4-9月実績

    リーマンショック

    R2年度の相談件数は4か月で例年を上回り、最も多かったH25年度も上回る見込み。

    4

  • 中堅・中小企業関係の主な令和3年度概算要求

    ■中小企業取引対策事業【10.0億円(9.8億円)】【経産省】「未来志向型の取引慣行に向けて」に掲げる5つの重点課題等への対処のため、下請代金支払遅延等防止法の厳正な運用、相談窓口(下請かけこみ寺)の体制整備や取引条件改善状況調査等の実施や、価格交渉サポートセミナー等を実施。

    ■消費税転嫁状況監視・検査体制強化事業【32.1億円の内数(31.2億円の内数)】【経産省】下請Gメンを120名規模で配置し、全国の下請中小企業を訪問してのヒアリング等を行い、聞き取った現場の声を発注者側にフィードバックし、取組の浸透、徹底を図る。また、知財Gメンの強化を図る。

    ■戦略的基盤技術高度化・連携支援事業(サポイン事業)【147.0億円(131.2億円)】【経産省】中小企業等におけるイノベーション創出を図るべく、ものづくり基盤技術に関する研究開発支援する(3年間最大9,750万円)。

    ■JAPANブランド育成支援等事業【10.6億円(10.0億円)】【経産省】中小企業による越境ECやクラウドファンディングを活用した海外展開や、コロナ危機を契機とした新事業展開を図るためのマーケティング、専門家活用、試作品開発等を支援。また、海外展開を図ろうとする事業者を支援する民間事業者等についても支援。

    ■ものづくり・商業・サービス高度連携促進事業(ものづくり補助金)【21.5億円(10.1億円)】【経産省】複数の中小企業がデータを共有し生産性の向上を図る取組や、中小企業が共通システムを導入しデータを共有・活用することでサプライチェーン全体を効率化する取組等を支援

    ■中小企業生産性革命推進事業(中小機構運営費交付金)【3,600億円<R1補正>】【経産省】設備投資、販路開拓、ITの導入を補助するなど、中小企業の生産性向上に資する継続的な支援を実施。

    ■事業承継総合支援事業【142.8(75.1)億円の内数】【経産省】事業引継ぎ支援センターに事業承継ネットワークを統合。承継ニーズの掘り起こし、事業承継計画の策定支援・専門家派遣等の総合的な支援を実施。また、中小企業再生支援協議会によるコロナ危機の影響を受けた中小企業の再生計画の策定支援等。

    ■事業承継・世代交代集中支援事業【27.0億円(新規)】【経産省】事業承継・事業再編を契機とした設備投資や第三者承継時の専門家活用費用等を補助。 後継者選定後の教育に関する実証事業(事業承継トライアル実証事業)を実施。

    ■中小企業の経営資源集約化促進【税制】【経産省】ウィズコロナ/ポストコロナ社会に向けて、地域経済・雇用を担おうとする中小企業の経営資源の集約化(統合等)を支援するため、必要な措置を要望。

    事業引継ぎ・経営資源集約化・再生等の新陳代謝の促進

    ■戦略的ツール活用型若者人材確保支援事業【30億円の内数(新規) 】【経産省】地域企業が自社分析、採用戦略から、民間求人ツール、リモートセミナー・面接等まで、一気通貫で取り組む実証を実施。

    ■地方創生移住支援事業【地方創生推進交付金1,000(1,000)億円の内数】【内閣官房・内閣府】

    ■中途採用等支援助成金(UIJターンコース)【1.7億円(2.3億円)】【厚労省】東京圏から地方へUIJターンして起業・就業する者へ支援金を支給するとともに、支援金の対象者を採用した事業主に対して採用活動経費の一部を助成。

    ■プロフェッショナル人材事業【地方創生推進交付金1,000(1,000) 億円の内数】【内閣官房・内閣府】各道府県でプロフェッショナル人材戦略拠点を運営し、潜在成長力ある地域企業に対し、経営戦略の策定支援を行い、プロフェッショナル人材を民間人材ビジネス事業者等を通じてマッチング。今年度創設した副業・兼業の移動費支援を継続。

    ■各国研(JST、産総研、農研機構、土木研)の研究開発支援【各運営費交付金の内数】【文科省、経産省、農水省、国交省】企業支援に係る情報発信・相談受付について、HPでの周知・募集や展示会出展など、上記4国研が連携して実施。

    ■JETROジャパンモール事業、デジタルプラットフォーム事業【運営費交付金269.6(253.9)億円の内数】【経産省】

    ■海外市場創出等支援対策事業【55.6(27.6)億円の内数】【農水省】海外BtoB・BtoC ECサイトとの連携、国内外事業者等をつなぐデジタルプラットフォームによるオンライン商談会の開催。当該プラットフォームを用いた農林水産物・食品の海外向けオンライン商談会等を実施。

    ■総合戦略に基づく重点施策広報事業【3.0億円(0.2億円)】【内閣官房・内閣府】令和2年度に構築した若者の地方暮らしを啓発するウェブサイトについて、コロナ禍において一層の行動変容を促す情報を拡充し、より多くのターゲットをサイトへ誘因するネット広告を制作・配信。

    ■地方創生インターンシップ推進事業【0.2億円(0.2億円)】【内閣官房・内閣府】オンラインの活用も含め、地域において質の高いインターンシップを推進するため、自治体担当者等を対象に実践的な研修会等を開催。

    ■地域中小事業人材確保支援等事業【12.9(11.7)億円の内数】【経産省】兼業・副業を含む多様な形で、就職氷河期世代、⼥性、高齢者等の人材を確保・活用するためのセミナー・マッチング等を実施。地域の経営支援機関等による経営課題・求人像の明確化等のサポートを支援。

    研究開発・デジタル化等を通じた生産性向上による成長促進

    取引適正化に向けたきめ細やかな実態把握・厳正な対処

    若手人材のUIJターンの促進及び中堅企業等とのマッチング強化

    サプライチェーンの強靭化を含む、中堅企業等の新たなビジネス展開の支援

    5

    中堅・中小企業の基盤強化を図るため、生産性向上による成長促進、新ビジネス展開、取引適正化、人材確保等に係る支援を推進する。※()内は令和2年度予算額