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平成26年度(第58回) 岩手県教育研究発表会発表資料 情報教育分科会 ゲーム分析を活用したハンドボール指導に関する研究 -チームの特徴把握および自己目標設定のための分析ツールの開発- 平成27年2月13日 岩手県立総合教育センター

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平成26年度(第58回)

岩手県教育研究発表会発表資料

情報教育分科会

ゲーム分析を活用したハンドボール指導に関する研究-チームの特徴把握および自己目標設定のための分析ツールの開発-

平 成 2 7 年 2 月 1 3 日

岩手県立総合教育センター

三 田 正 巳

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Ⅰ 研究目的

Ⅱ 研究内容と方法

1 研究の目標

2 研究の内容と方法

3 分析に用いたデータ

Ⅲ 研究結果の分析と考察

1 ゲーム分析を活用したハンドボール指導に関する基本構想

(1) ゲーム分析を活用したハンドボール指導についての基本的な考え方

(2) チームの特徴把握する意義

(3) 個人の特徴把握する意義

(4) 自己目標を設定する意義

(5) チーム・個人の特徴把握のための指標

2 ゲーム分析を活用したハンドボール指導のための分析ツール作成

(1) ゲーム分析を活用したハンドボール指導の分析ツール作成に関する基本的な考え方

(2) ゲーム分析を活用したハンドボール指導のための分析ツール作成

3 ゲームデータ収集

(1) ゲームデータ収集

4 分析と考察

(1) ゲーム状況について

(2) チームの特徴について

(3) 個人の特徴について

(4) 自己目標設定について

(5) H24とH25のチームデータの比較について

(6) 生徒の意識の変容について

5 ゲーム分析を活用したハンドボール指導に関するまとめ

(1) 成果

(2) 課題

Ⅳ 研究のまとめ

1 研究の成果

2 今後の課題

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Ⅰ 研究目的

ハンドボールは「走・跳・投」の能力を生かし,互いのゴールに入れる得点を競い合うスポーツである。

高校生の公式ゲームは前後半30分で行われ,過去2年間の全国選抜大会,インターハイ,国体の全試合(男

子)の平均得点(両チーム合計)は,58.4(総得点11,038点:189試合)である。ほぼ1分間に1点はど

ちらかのチームに得点が入るというスピーディーなゲーム展開を特徴とする。

指導者が戦術的な指示をする際に,その意図が選手に十分に伝わらず,指示された戦術が機能せず,結

果,チームの目標が達成されずに終わってしまう場合がある。

このような状況を改善するには,チーム・個人の解決すべき課題を明確に設定し,その解決へ向かう自

発的な行動をする姿勢を育てる必要がある。

そこで,本研究はシュート結果に特化したゲーム分析を行うための分析ツールを開発し,それを用いた

分析結果を活用し,PDCAサイクルを練習に適応することで,ハンドボール指導の改善に役立てようとする

ものである。

Ⅱ 研究内容と方法

1 研究の目標

高等学校におけるハンドボール指導に関する

考え方を明らかにし,チームの特徴や選手個人

の特徴を明確に知ることができる分析ツールを

開発する。それを活用し,練習試合や公式試合

のデータ分析をして,チームの特徴や個人の特

徴を客観的に把握する。そして,チームや個人

の解決すべき目標課題を設定することにより,

自発的に課題を解決しようと取り組む姿勢を育

てることを目標としてハンドボール指導の改善

に役立てようとするものである。

2 研究の内容と方法

(1) ゲーム分析を活用したハンドボール指導に関する基本構想の立案(文献法)

(2) ゲーム分析を活用したハンドボール指導のための分析ツール作成(文献法・開発法)

(3) 分析ツールを用いたゲームデータ収集(観察法)

(4) 分析と考察(文献法)

(5) 研究のまとめ(文献法)

3 分析に用いたデータ

(1) ゲームデータ

・練習試合14ゲーム(2012.08.02~05:強化練習会)

・公式試合4ゲーム(2012.10.28~30:岩手県高等学校ハンドボール新人大会)

・公式試合4ゲーム(2013.11.04~06:岩手県高等学校ハンドボール新人大会)

(2) 生徒の感想

・高校総合体育大会終了後の生徒感想(2012.06.10:1年生部員)

・新人戦終了後の生徒感想(2013.11.10:2年生部員)

※2つの時期の感想は,同一部員が書いたものである。

【図1】ハンドボールのシュート場面

【図2】データ収集の時期

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Ⅲ 研究結果の分析と考察

1 ゲーム分析を活用したハンドボール指導に関する基本構想

(1) ゲーム分析を活用したハンドボール指導についての基本的な考え方

ハンドボール (英語: handball) は球技の一つで,7人ずつ

(ゴールキーパー1名含む)の2組がボールを相手のゴールに

投げ入れて勝負を競うスポーツである。運動における基本3要

素「走・跳・投」を求められ,かつ激しいボディコンタクト

がある格闘的な要素も含まれるスポーツであり,ダイナミッ

クなシュートやスピーディーな試合展開が魅力のスポーツで

ある。

さらに,ハンドボール選手は,選手個人の「体力」・「技術」

・「精神」をバランス良く向上・強化していくことが必要であ

る。このうち「技術」は,「個人技」と「チーム戦術」に大別

される【表1】。「個人技」には,パス・キャ

ッチ・フェイント・シュートなど,「チーム戦

術」には,パラレル展開・クロス展開・フォ

ーメーション展開などがあげられる。その中

でも得点を競い合う競技の特性上,「個人技」

のシュートの確実性はゲームの勝敗を左右す

る大切な要素の一つである。

シュートはほぼ毎日のチームトレーニング

の中で取り入れられていることが多いが,各

選手はシュートに関する自己の課題を解決するための方法や考え方を十分に認識しているとは言い難

い。それは,練習環境や時間制限に大きく関わることであるが,単にスピード任せや力任せのシュー

トを打ち込む本数や時間で区切ってしまいがちであることも理由にあげられる。そこで,各自が改め

てトレーニングをする目的や克服すべき課題を明確にすることで,日々のトレーニングに自発的かつ

積極的に取り組む姿勢が身につき,自らを向上させようとする姿勢が育つようになるのではないかと

考える。その結果,競技力が向上し,チームとしての大きな目標が達成できることを期待したい。

ディフェンス(防御)とオフェンス(攻撃)の考え方は表裏の関係にある。ディフェンスやオフェ

ンスが頻繁に入れ替わる競技においては,常に自分の置かれている立場とは反対の視点でオフェンス

やディフェンスを捉えることは重要なことである。例えば,「こう攻めたら相手は困るであろう」「こ

う守ったら相手は苦しいだろう」と考え,

各自が最適な解(対応策)を見つけるた

めにも,自己を知り,相手を知ることが

必要である。

このようにチームや個人の特徴をでき

るだけ多く把握することで自己の課題を

明確に設定することにもつながり,課題

解決に取り組むサイクルを構築できれば,チームとしての大きな目標が達成できる一助になるのでは

ないかと考える。

(2) チームの特徴把握する意義

ゲームで勝利するためには,相手チームより得点を多く取ることが条件である。そのためには,個

の特性を生かした得意な展開パターンから得点するオフェンス(攻撃)と相手攻撃を得意な展開パタ

ーンに持ち込ませないディフェンス(防御)が必要となる。

オフェンス面では,パス・フェイント・シュートは,各選手のコート上の絶対的な位置や対面する

相手選手との相対的な位置関係を把握し,状況判断と予測を的確に行うことでそれらのプレーが成功

する確率は飛躍的に向上する。「偶然的な成功」ではなく,「必然的な成功」を導くためにも対戦相手

の特徴を知ることは重要なことである。

ディフェンス面では,相手チームの中心となる選手が誰であるのか,確実なシュートを打つ選手は

誰であるかを知ることで,相手チームの特徴を打ち消すようなディフェンスシステムを敷くことは最

【図3】ハンドボールに必要な要素

【図4】オフェンスとディフェンスの関係

【表1】ハンドボールにおける「技術」の一例

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善の対応策である。

(3) 個人の特徴把握する意義

相手チームのシュートに関する特徴が把握できれば,自チームゴールキーパーは,そのシュートを

防ぐための戦術を考えることができる。結果,相手得点を防ぐ確率が高まるため,個人の特徴把握は

必要不可欠である。

また,自チームの各個人の特徴を明確にすることで,各個人の長所や短所,不足している技術など

を知ることにつながり,個人の克服すべき課題が設定できる。

(4) 自己目標を設定する意義

例えば,「大会で優勝する」というチ

ームの目標を達成するためには,各選手

がそのチームの一員として自分の役割を

理解し,確実にその役割を果たす必要が

ある。さらに,その各個人の役割がどれ

だけ達成されているのか確認する機会を

設けて,日々トレーニングをしていく必

要がある。

短い期間で計画するならば,練習試合

(Do)→ゲーム分析(Check)→目標設

定(Plan)→トレーニング(Action)→

次の練習試合(Do)→・・・と変則的[D

CPA]サイクルを行うことで,目標到達

度を確認しつつ,チーム全体の状況を把

握しながら,チーム全体が一つの目標に

向かって取り組むためのサイクル【図5】

が構築できると思われる。

(5) チーム・個人の特徴把握のための指標

チーム・個人の特徴把握のため,以下

の指標を用いることとする。

ア チームの特徴

オフェンス(攻撃)側の指標として

「得点率=得点数÷シュート数」,「シ

ュート地域ごとのシュート得点率」,

「シュートコースごとのシュート得点

率」を用いることとする。

ディフェンス(防御)側の指標とし

て「ゴールキーパー阻止率=1-相手

得点率」を用いることとする【図6】。

イ 個人の特徴

「シュート地域ごとのシュート得点

率」,「シュートコースごとの得点率」

を用いることとする。

ウ 収集データの項目

上記のア・イの指標を算出するため

には,ゲーム内の1回のシュート場面

に対して以下の項目を収集していく必

要がある。

(ア) 得点チーム[Aチーム/Bチーム](1 or 2)

(イ) 選手名[背番号](01~16)

(ウ) 得点の有無[IN/OUT](1 or 0)

(エ) シュート地域(1~8)

【図7】シュート地域とシュートコースの区分

【図8】シュートのデータ構成

【図5】DCPAサイクル

【図6】得点率と阻止率の定義

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(オ) シュートコース(1~8)

なお,コンピュータ上で処理することを考慮して,(ア)1桁-(イ)2桁-(ウ)1桁-(エ)1桁-(オ)

1桁の数値とし,1回のシュートに対して合計6桁の数値データとして入力するとする。ただし,

シュート地域とシュートコースは,それぞれ便宜上8つに区分して分類することとする【図7・8】。

2 ゲーム分析を活用したハンドボール指導のための分析ツール作成

(1) ゲーム分析を活用したハンドボール指導の分析ツール作成に関する基本的な考え方

指導者の立場からチームや個人の特徴を把握

し,的確な指示をするためには,経験に裏付けら

れた指導内容に加え,客観的な分析データを活用

することで,その効果が期待される。そのために,

速いゲーム展開の中でもより簡便にデータ収集が

できるコンピュータソフトを開発する必要があ

る。この活用では,ゲーム内でリアルタイムに選

手に情報伝達できることが最善であるが,時間を

おいてからゲームの振り返り場面でも十分に利用

価値は高いと思われる。

最近は,タブレットPCなどの携帯型端末も普及

してきており,これらの機器を活用することでゲ

ームの進行と同時に入力・処理・分析が可能であ

る。そこで,本研究では表計算ソフトの計算機能

やグラフ機能を利用して分析ツールの開発を行う

ものとする。

(2) ゲーム分析を活用したハンドボール指導のための分析ツール作成

ア 分析ツール作成のねらい

分析ツールは,ゲーム内のシュートに

関する情報を収集・分析して,チーム・

個人の特徴を把握することをねらいとす

る。

スピーディーに展開されるシュート場

面の情報を正確に入力していくために,

操作が簡便にできるよう配慮して作成す

る。そのために,入力用フォームの作成

をするものとする。

イ 分析ツールの内容

分析ツールの内容を以下に示す。

(ア) 基本データ入力用ページ【図9】

「基本データ」シート内にゲーム情

報(大会名,期日,場所等),チーム

名,メンバー(選手名)を入力する。

公式大会の規則によりベンチ入りメ

ンバー数が異なるため,最大16名を登

録できるようにした。また,背番号は

通し番号となっていない場合も想定さ

れるので,氏名欄に「番号+名前」の

書式で入力することで,データ入力の

ミスを防ぐ配慮をした。

(イ) 入力用フォーム【図10】

ゲームデータの入力操作の簡略化及

び確実性の保持のため,視覚的に確認

しやすいデータ入力用フォームを作成

【図10】入力フォーム

【図11】分析結果表示ページ(シュートコース)

【図9】基本データ入力ページ

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した。1回のシュートに対して,「①チーム名」「②シュートコース」「③シュートエリア(地域)」

「④ゴールイン/アウト」「⑤選手名」「⑥特記事項(7mスロー,スカイプレー 等)」をクリッ

ク(タブレットPCの場合はタップ)して,最後に「入力」ボタンをクリック(タップ)すること

で一件のデータとして入力される。その後,入力フォームはリセットされ,次のシュートデータ

を入力できる準備が整う。以後,この繰り返し操作でゲーム内のシュートデータを収集する。

(ウ) シュートに関する分析結果表示ページ(チーム&個人)【図11・12】

データ入力と同時に,「チームデ

ータ」シート内にチームごとのシュ

ート本数(下段)/得点数(上段)

が,コースおよび地域ごとの結果が

集計される【図11】。

加えて,ページ内の「シュートコ

ース描画」ボタンをクリック(タッ

プ)することで,各シュート地域か

ら各シュートコースへ線が引かれ,

シュートコースの概要が視覚的に確

認できるように考慮した。引かれた

線の太さは同一コースのシュートの本数に比例している。

さらに,ページ下部には,チーム別,個人ごとのシュート本数/得点数/得点率が表示されて

いる【図12】。チーム内でどの選手が得点源になっているか,さらには相手チームの得点をどの

程度に抑えることができたかを確認する

ことができる。

また,相手チームの得点率を逆の視点

でとらえると,自チームのゴールキーパ

ーのキーピング確率(阻止率)ととらえ

ることができる。この結果から,自チー

ムのコートプレーヤーのシュートに関す

る特徴,ゴールキーパーのキーピングに

関する特徴も知ることができる。

(エ) ランニングスコア表示ページ【図13】

ゲーム開始から終了までの両チームの

得点推移(得点加算)がグラフ表示され

る。一方的なゲームであったのか,一進

一退の拮抗したゲームであったのか,得

点差,連続得点の有無,無得点時間帯の

把握など,ゲーム全体の得点状況の流れ

がグラフから読み取ることができる。

(オ) 個人シュート結果表示ページ【図14】

「個人データ」シート内には個人ごと

のシュートデータが表示される。各地域

・コースについては,上段に得点数,下

段にシュート数が表示される。

これにより各選手のシュートコースや

得点率に関して,視覚的に特徴を読み取

ることができる。

【図12】分析結果表示ページ(チーム)

【図13】ランニングスコア表示

【図14】 個人シュート結果表示ページ

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(カ) 分析ツールの開発環境と動作環境【表2】

以下に,開発した分析ソフトの開発環境と動作環境を示す。

【表2】分析ツールの仕様

名称 HandBall Analyzer ver1

動作環境 Microsoft社 WindowsXP, WindowsVISTA, Windows7, Windows8および Microsoft社 Excel2010, Excel2013

開発言語 Excel2010 VBA

実行ファイル名 score.xlsm

ウ 使用方法

ハンドボールのゲーム進行と同時にデータ入力するためには,ノートパソコンなどの携帯型の機

器があると利用しやすい。現在はよりコンパクトなタブレット型PCも普及しており,マウスやキー

ボードなしで簡単にデータ入力を行うことができる。ただし,タブレット型PCの利用に際しては,

Microsoft社表計算ソフトExcelのマクロ機能の利用が必須であるので,Windowsを搭載したタブレ

ットおよびExcel(RTは不可:RTはマクロ機能が利用できないため)がインストールしている環境

が必要となる。

【表3】データ収集時の分析ツールの使用方法

パソコン等の端末がない場合 ゲーム(練習試合・公式試合等)と同時進行で,記録用紙にシュートデータのスコアを手書きで記入して記録を残し,後からパソコンへ入力して分析結果を確認する。

パソコンがある場合 キーボード(またはマウス)を操作しながら,データを入力し,随時,分析結果を確認する。

タブレットPCがある場合 画面タッチでデータを入力し,随時,分析結果を確認する。

3 ゲームデータ収集

(1) ゲームデータ収集

以下のゲームでデータ収集を行った。以後,計22ゲームの結果を用いて分析を進める。

【表4】データを収集したゲーム

名称 期日 ゲーム数

データA 強化練習会 2012.08.02~05 14ゲーム

データB 岩手県高等学校ハンドボール新人大会 2012.10.28~30 4ゲーム 合計22ゲーム

データC 岩手県高等学校ハンドボール新人大会 2013.11.04~06 4ゲーム

【図15】タブレットPC

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4 分析と考察

(1) ゲーム状況について

強化練習会(データA:14ゲーム

:2012.08.02~05)のデータを用い

てゲーム分析を行った。

各ゲームは30分ハーフのゲームで,

自チーム(盛岡南高校)の勝敗は12

勝2敗であった。総得点数は245点,

総シュート数は374本,得点率は0.66

であった。一方,総失点は145点,被

総シュート数は243本,相手得点率は

0.60(自チーム阻止率0.40)であっ

た。

最大得点は26点(ゲームNo.10),

最小得点9点(ゲームデータNo.11)

である。また,最大失点は15点(No.

11),最小失点は2点(No.3)であっ

た。

自チーム(盛岡南高校)について,

各ゲーム(データA:全14ゲーム)

の得点率に対して阻止率をプロット

した散布図が【図16】である。理想

的な勝ちゲームパターン展開は,得

点率が高く,かつゴールキーパーの

阻止率が高いことである。

敗戦した2ゲームは,得点率が

0.50前後,ゴールキーパーの阻止率

も0.50を下回っているという共通性

がある。

自チームの平均得点率とゴールキ

ーパーの平均阻止率を基準にして,

ゲーム展開のパターンを4つに分類

すると【図17】のようになる。

【Aゾーン】は,高い得点率かつ

阻止率も高いため点差が開き,楽に

ゲーム展開できる勝ちパターンであ

る。

【Bゾーン】は,得点率は高いも

のの,阻止率は低いため,点数の取

り合いになる展開が予想されるパタ

ーンである。

【Cゾーン】は,得点率が低いが,

阻止率が高いため,ロースコアの競

り合い展開が予想されるパターンで

ある。

【Dゾーン】は,得点率が低く,

阻止率も低いため,大差で負ける可

能性があるパターンである。

【表5】試合結果

【図16】各ゲームの得点率と阻止率

【図17】ゲーム展開パターン

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(2) チームの特徴について

ア 複数のゲーム情報の統合によるチーム特徴

データAの14ゲームの結果をすべて合算した結果を【図18】【図19】に示す。

自チーム(盛岡南高校)のシュート本数の合計374本に対して得点数は245点,得点率は0.66であっ

た。一方,対戦相手のシュート本数の合計は243本,得点数は145点,得点率0.60であった。

自チーム(盛岡南高校)のシュートは多くのポジションから得点されており,さらに,さまざまな

コースへ満遍なく打ち分けられていることが分かる。シュートコースについては,ゴール上部に比べ

て,下部へのシュートが多い傾向にあった。

対戦相手のシュートは,得点されているコースが限定されている【図18】。ゴール下部が多く,上

部はほとんど入っていない。逆の視点で見ると,自チーム(盛岡南高校)ゴールキーパーが上部のシ

ュートを重点的に阻止していたと言える。

イ 自チームのチーム特徴

岩手県高等学校ハンドボール新人戦の3位

決定戦(対a高校)の盛岡南高校のシュート

データ(勝ち)【図20】と準決勝(対b高校)

のシュートデータ(負け)【図21】である。

対a高校戦【図18】では,コート中央から

の得点も多く,各ポジションからシュートが

入っている状況であった。

次に対b高校戦(負け)【図21】では,全

シュート数では両チームほとんど違いがなか

ったものの(盛岡南高校49-53b高校),自

チーム(盛岡南高校)の得点率が0.31と極端

に低くなっており,データ収集したゲームの

中で最低の得点率である。さらに,上記の(対

a高校戦)のゲームと比較して,左サイドか

らの得点が全くなく,b高校のディフェンス

によりチーム(盛岡南高校)の特徴が封じら

れゲームであったことが分かる。

【図18】シュート地域とシュートコース(バブル表示)

【図20】勝利したゲームのシュート地域とコース

【図21】敗戦したゲームのシュート地域とコース

【図19】シュートコース(14ゲーム分総計)

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(3) 個人の特徴について

盛岡南高校A選手のシュートの特徴を以下に示す【図22】。

岩手県高等学校ハンドボール新人大会(データB:2012.10.2

8~30:4試合)におけるA選手のシュートデータ(合算)で

ある。役割上のポジションは左サイドプレーヤーであるので,

左サイドからのシュート本数は多い。加えて,速攻やセット

プレーの場面でポジションを変えてのシュートも多く見られ

た。シュートの特徴としては,ゴールキーパーの左右腰脇へ

のコースへ積極的に打っており,得点率も0.65と高いという

特徴が見られた。

(4) 自己目標設定について

このような分析により明らかになった個人の特徴から,各

選手に不足している技術やシュートコースの内訳についてミ

ーティングや面談を通して確認し,以後のトレーニングの中

で改善していくための動機付けを行った。以下,盛岡南高校

A選手の分析結果をもとにしたアドバイスの例である【表6】。

【表6】A選手へのアドバイス及び目標設定例

視点 生徒へのアドバイス内容と設定目標の例

シュートした地域 【アドバイス】について ・正規ポジションの「左サイド」からのシュート本数及び得点数が多いことは

とてもいい。・シュートが固定したポジションからのみではないので,相手にとっては焦点化しづらいのでよい。

【設定目標】・自分の正規のポジションだけではなく,シュートの機会を作る。・自分に対しての相手マークがきつくなるので,そこを逆手にとって,チームメイトにシュートチャンスを与えるようなパスを出す。

シュートコースに 【アドバイス】ついて ・左サイドからのシュートが大半ではあるが,もう少しコースを散らす必要が

ある(相手キーパ-に的が絞れるようではいけない)。特にゴール右側の上・中・下を打ち分けることを意識してシュートを打ち込むこと。

【設定目標】・得意なコースだけではなく,キーパーの上・中・下を打ち分ける。「ループシュート」や「バウンドシュート」など,ゴールキーパーのタイミングを外した変則シュートも多用する。

(5) 平成24年度と平成25年度のチームデータの比較

平成24年度と平成25年度のチームデータの比較を【表7】に示す。

【表7】H24とH25のチームデータ比較(データBとデータCの比較)

平成24年度 平成25年度

総得点 110 145

得点(自チーム) 総シュート数 200 226

得点率 0.55 0.64

平均得点 27.5 (SD 9.21) 36.3 (SD 7.40)

総失点 83 62

被シュート数 187 125失点(他チーム)

相手得点率 0.44 0.50

阻止率 0.56 0.50

平均失点 20.8 (SD 7.66) 18.0 (SD 6.40)

【図22】シュートコース(A選手)

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平成24年度新人戦(データB:4ゲーム)と平成25年度新人戦(データC:4ゲーム)のチームデ

ータを比較すると,得点率は0.55(H24)→0.64(H25)へと0.09ポイント上昇しており,1試合の平

均得点も27.5(H24)→36.3(H25)と8.8点上昇している。

また,相手得点率は0.44(H24)→0.50(H25)と0.06ポイント上昇しているものの,総失点は83点

(H24)→62点(H25)と大幅に減少している。

1試合の平均失点も20.8(H24)→18.0(H25)と2.8点減少しており,標準偏差も7.66(H24)→

6.40(H25)と減少した。これらの客観的データから,H24よりH25のチームは,レギュラーメンバー

は入れ替わったものの,得点力が高まり,失点を抑えることができるチームとなったことが分かる。

(6) 生徒の意識の変容について

2012年6月の高総体後の生徒の自由記

述感想(当時1年生部員)をJustSystem

「TRUSTIA」テキストマイニングソフト

で処理し,主題分類をした結果を【図24】

に示す。「b高校」「自分」「チーム」「団

結力」「練習」「シュート」の6つに分類

された。これを3主題に統合し,「目標

・組織力」「練習」「シュート」と命名し

て,主題分類した。「目標・組織力」主

題では,東北王者b高校を意識しており,技術や精神力,ディフェンスなど組織力を向上することに

関しての記述が多く見られた。「練習」主題では,練習内容の充実などについての記述が多く見られ

た。「シュート」主題についてはシュー

トの決定力,技術についての記述が多

く見られた。

次に,約1年半経過した2013年10月

の新人戦後の生徒の自由記述感想をテ

キストマイニングソフトで処理した結

果を【図25】に示す。「体調」「シュー

ト」「緊張」「試合」「チーム」「位置」「速

攻」「優勝」「b高校」の9つに分類さ

れた。これを5主題に統合し,「体調」

「シュート」「精神状態」「チーム力」「優 【図25】デンドログラム(新人戦後の生徒感想)

【図24】デンドログラム(高総体後の生徒感想)

【図23】H24とH25のチームデータの比較

目標・組織力

練習

シュート

体調

シュート

精神状態

チーム力

優勝

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勝」と命名して,主題分類した。「体調」主題では大会までのコンディショニングについて,「シュー

ト」主題ではシュートの確実性について,「精神状態」主題では試合中の気持ちや緊張感について,「チ

ーム力」主題では控えメンバーの底上げがチーム力向上に直結すること,「優勝」主題では全国制覇

したb高校に勝てたことなどについての記述が見られた。

約1年半経過し,この2つの時期の感想を比較すると,6分類から9分類へ多岐にわたる内容の記

述に増えていること,レギュラーメンバーとして経験を積み,試合の内容の振り返りなど具体的な内

容に触れていること,試合までのコンディション作りなど体調管理に気を付けてきたことなど,かな

り掘り下げた内容の記述になってきたことが分かる。継続して指導してきた成果として,選手各自が

プレーの結果に対しての因果関係を十分に考えられるようになってきたと思われる。このように選手

個々にチーム・自己の目標・課題を意識させ,その目的・課題の達成・解決度合をチェックする場を

設定するサイクルを意図的に繰り返し経験させることで,生徒が自発的にトレーニングに取り組み,

大きな成長に繋がったと思われる。

5 ゲーム分析を活用したハンドボール指導に関するまとめ

(1) 成果

ア ハンドボールのゲームにおけるチームの特徴と個人の特徴を知ることができる分析ツールを開発

することができた。

イ 開発した分析ツールを用いたゲーム分析から,技術向上のためのチームおよび各個人の目標設定

を行い,毎日のトレーニングの動機付けを行うことができた。

(2) 課題

ア チームの特徴と個人の特徴を示す新たな指標を設けて,活用できるよう分析ツールへ改善する。

イ タブレットPCやスマートフォンで利用できるように,分析ツールをAndroidまたはiOSに対応した

アプリへ移殖して改善する。

Ⅳ 研究のまとめ

1 研究の成果

(1) ゲーム分析を活用したハンドボール指導に関する基本構想の立案

ハンドボール指導に関する基本的な考えをまとめ,基本構想を立案することができた。

(2) ゲーム分析を活用したハンドボール指導のための分析ツール作成

基本構想に基づき,ハンドボール指導のための分析ツールを開発することができた。

(3) ゲームデータの収集

開発した分析ツールを用いて,ゲームのデータを収集・分析することができた。

(4) 分析と考察

ゲームデータを分析することにより,自チームと他チームの特徴およびシュートに関する個人の特

徴を把握し,以後のトレーニングの動機付けをすることができた。

2 今後の課題

(1) チームの特徴及び個人の特徴を把握する視点を明らかにし,分析ツールの改善をする。

(2) 分析ツールの結果を踏まえて設定した個人の目標が,以後のトレーニングで達成されているかなど

の状況を確認し,PDCAサイクルが確実に実施されているか検証を行う。

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(謝辞)

岩手県立盛岡南高等学校ハンドボール部の監督としての2年間,部員の潜在的運動能力の高さには

日々驚かされた。そのような下地がありつつも,赴任した年の新チームは県ベスト8からのスタート

であった。生徒の努力,顧問の工藤和貴先生の熱心な指導,女子部顧問齋藤孝明先生の勝負へのこだ

わりに徹した指導,保護者の方々の温かいご支援,菊池浩校長をはじめ練習環境の設定など学校の協

力体制のおかげで順調にチームとして力が付き,2年目で最大のライバル不来方高校を破り,秋季大

会・新人戦ではともに1点差を制し初優勝することができた。本論で述べた取組が全てではなく,地

道な体力トレーニングや基礎トレーニングの反復練習などは,他チーム同様に取り組んできた上の結

果である。また,ハンドボール王国「岩手」の名を全国に知らしめていただいた内記徹監督率いる不

来方高校の全国選抜大会・国体2冠は,私達顧問や生徒にとって大きな刺激となった。全国選抜岩手

県予選大会代表決定戦では1点に泣き,残念ながら優勝を逃したものの,東北代表の4枠に2年連続

して入ることができ全国選抜大会に出場することができたことは部として大きな成果が得られた。し

かし,全国大会に出場したことに満足せず,更なる高見を目指すことが次への大きな課題である。

日々,生徒に目標を持たせ,それに向かって自発的に取り組む姿勢を作り上げるためには指導者と

してかなりの労力が必要であるが,一方的に教え込むだけではなく,生徒を信じ,生徒に考えさせ,

成長を見守ることが大切であることを痛感した。今後の岩手県立盛岡南高等学校男子ハンドボール部

の更なる活躍に期待したい。

以下,平成24年度と25年度の主な公式試合の戦績を示す。

【平成24年度】

★秋季大会(2012.09.29~30:花巻市総合体育館)

1回戦 ○盛岡南 37(17- 1,20- 4) 5 一関高専

2回戦 ○盛岡南 33(18- 1,15- 1) 2 花巻農業

入替戦 ○盛岡南 41(22- 8,18- 5)13 盛岡大附 【県ベスト8】

★新人戦(2012.10.28~30:花巻市装具体育館)

2回戦 ○盛岡南 35(17- 0,18- 9) 9 盛岡大附

3回戦 ○盛岡南 30(14- 6,16-14)20 盛岡第三

準決勝 ●盛岡南 12( 3-15, 9-15)30 不来方

3位決定戦 ○盛岡南 32(15-14,17-10)24 盛岡中央 【県3位】

★全国選抜大会県予選(2013.01.04~06:花巻市総合体育館)

1回戦 ○盛岡南 20(11- 8, 9-11)19 盛岡第一

決 勝 ●盛岡南 25(14-16,11-16)32 不来方

第2代表 ○盛岡南 27(13-10,14-10)20 盛岡中央

決定戦 【県2位,東北選抜大会出場】

★東北選抜大会(2013.01.31~02.03:山形県東根市民体育館ほか)

1回戦 ○盛岡南 32(17- 9,15-10)19 三本木(青森)

2回戦 ○盛岡南 35(20- 7,15-15)22 羽後(秋田)

決 勝 ○盛岡南 27(12-12,15-14)26 聖光学院(福島)

第二代表 ○盛岡南 19( 9- 9,10- 8)17 湯沢(秋田)

決定戦 【東北4位,全国選抜大会出場】

★全国選抜大会(2013.03.25~30:静岡県小笠山運動公園エコパアリーナ)

1回戦 ●盛岡南 18( 7-19,11-10)29 法政二(神奈川)

【平成25年度】

★秋季大会(2013.09.28~29:花巻市総合体育館ほか)

1回戦 ○盛岡南 19( 9- 5,10- 9)14 盛岡第四

準決勝 ○盛岡南 19(10- 8, 9-10)18 不来方

決 勝 ○盛岡南 26(14-10,12- 8)18 盛岡第一 【県優勝】

★新人戦(2013.11.04~06:花巻市総合体育館)

2回戦 ○盛岡南 47(27- 4,20- 5) 9 花巻農

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3回戦 ○盛岡南 39(21- 4,18-15)19 盛岡市立

準決勝 ○盛岡南 31(14- 9,17-10)19 盛岡中央

決 勝 ○盛岡南 28(11-14,17-13)27 不来方 【県優勝】

★全国選抜大会県予選(2014.01.06~08:花巻市総合体育館)

1回戦 ○盛岡南 34(21- 7,13-18)25 盛岡中央

決 勝 ●盛岡南 23(10-12,13-12)24 不来方

第二代表 ○盛岡南 25(11- 6,14- 2) 8 盛岡第四

決定戦 【県2位,東北選抜大会出場】

★東北選抜大会(2014.01.30~02.02:花巻市総合体育館)

1回戦 ○盛岡南 36(17- 9,19- 8)17 青森中央(青森)

2回戦 ○盛岡南 25(11- 6,14- 9)15 山形中央(山形)

決 勝 ○盛岡南 22(10-11,12- 8)19 聖光学院(福島)

第4代表 ○盛岡南 24(13- 5,11-10)15 東根工業(山形)

決定戦 【東北4位,全国選抜大会出場】

★全国選抜大会(2014.03.25~30:愛知県スカイホール豊田)

2回戦 ●盛岡南 22(14-16, 8- 7)23 市立岐阜商(岐阜)

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(参考資料)

【高総体終了後の生徒の感想:2012.06:1年生】

・シュートの決定率の大切さです。一本一本のシュートを大切にしないと、接戦になった時に競り負けてしまう

ので、シュートの大切さを改めて感じました。

・一本のシュートの価値がどれだけすごいものかが分かった。高校でのハンドボールがこんなにあっさり終わっ

てしまうのかと思った。

・シュートが決まらなかった。シュートタイミングやボールのもらい方を工夫してシュートを打ったが決まらな

かった。点が欲しいときに取れなかった(決定力不足)。

・ノーマークのシュートを外して、速攻をくらって、点数を離されてしまったので、シュート一本一本を大事に

していくことが大事だと思った。

・サイドの決定率の悪さからディフェンスが広がらず、ディフェンスに引かれて、結果的に上から打たされた。

・練習試合では勝てるのに、試合で勝てないのはやっぱり気持ちの問題だと思いました。

・体力をつける。ウエイトなどで体を作る。シュート力をつける。シュートの決定率を上げる。フェイントにキ

レをつける。

・自分に妥協しないようにしたい。

・自分の力をちゃんとつけ、チームワークを大切にし、試合に勝てるように日々の練習に取り組みたい。一日一

日の練習時間を大切にし、集中して練習に取り組みたいです。

・チームを支え、コートプレーヤーを安心させることができるキーパーになるようにしたい。

・もっと技術面だけではなく、チームの団結力をつけたい。

・みんなに絶対負けないという気持ちを持って、練習を一生懸命取り組みたい。

・周りから尊敬されるチーム作り。

・1対1の力、状況判断、走れる力が必要だと思う。

・シュートを性格に決める力と粘り強さが必要だと思う。

・コンビネーションプレーの徹底。

・集中力が必要だと思う。

・シュートの決定力、競っているときに我慢する力。

・元気と団結力がさらに必要だと思う。

・シュートを打つときの冷静なプレー。

・ディフェンス力、チームのムード、一人一人が絶対勝つという闘争心。

・不来方を倒し、全国大会で優勝!

・インターハイ出場。

・新人戦で3年生の先輩が負けた一高を倒すこと。そして、不来方に勝って、みんなで喜びを分かち合えばいい

と思う。

・どんなに強いチームとやるときも我慢してチャンスを無駄にせず、点を取って競り勝つチームになること。

・守って速攻で、得点を重ねていき、選手一人一人が要注意人物となるようなチームになりたい。

・自分たちのスタイルと弱点を早く見つけて、プレースタイルに磨きをかけて弱点を克服して、チームの雰囲気

を重視した、粘り強い、泥臭いハンドボールで上位を目指す。

【新人戦終了後の生徒の感想:2013.11:2年生】

・大会前にケガをしてしまったため、万全にではなかったものの当日は良かった。

・体調は万全だった。

・チームの雰囲気はとても良かった。

・風邪もひいてなかったので体調管理はうまくいった。

・いつもどおりの体調を維持できた。

・普通でした。

・身体的にも精神的にも問題なく大会に入れた。

・体調は良かったです。

・肩が痛かった。

・風邪を引かずにしっかり体調管理ができた。

・自分のできることはしっかりしようという気持ちで入った。

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・直前にケガをしたこともあり不安だった。

・とてもいい緊張感で試合することができた。

・国体メンバーがいる不来方に絶対に勝つ気持ちで大会に臨んだ。

・初優勝がかかっていたから必ず勝ちたかった。

・緊張していた。

・フルメンバーの不来方に勝とうと思っていた。

・いつでも試合に出ることのできるような気持ちを作っていた。

・勝つ気満々でいい緊張感だった。

・あまり緊張せずにリラックスして、試合に望めた。優勝するという強い気持ちを持って試合に臨むことができ

た。

・部員全員で勝ちをもぎ取ったと思う。

・不来方に勝って初優勝できたことが嬉しい。

・国体メンバーが戻ってきた不来方に勝つことができた。

・不来方に勝つことができて自信につながった。

・ディフェンスは声を出して盛り上げながらできた。オフェンスは一人一人前を狙いながら攻めることができた。

・1点を争う試合を勝ち越せて良かった。大事な場面でサイドシュートを決めることができた。

・フルメンの不来方に勝てたこと、練習してたDFがうまく機能したこと。

・優勝できたこと。

・優勝することができた。

・秋季大会に続き、不来方を倒して13連覇を止めることができたこと。

・ベンチのムードをもうちょっと盛り上げていければいいと思う。

・BチームとAチームの力の差が大きく、選手層が薄い。

・速攻の出だしやパスのつなぎ方を工夫する。ミスをなくす。

・速攻が足りない。

・気が抜けたところでポストに押されたところ。

・パスミスが多かったと思う。

・速攻の時の状況判断。1対1の強化。

・Bチームの強化。

・速攻を持ちすぎないように近く近くでつないでいくこと。セットオフェンスをもっと思い切って攻める。

・試合の立ち上がりが悪い。

・しっかり7mを決めることができた。

・シュートはキーパーをしっかり見て逆を打つことができた。

・試合ごとにコンディションを上げれて良かった。練習していたシュートが決めれた。

・前を狙いながら攻めれて、シュートも意図的に決めることができた。

・大切なところでキーピングできて良かった。

・シュートを1本しか外さなかった。

・優秀選手を取れたこと。キーパーの逆を突いたシュートが打てた。

・今度はケガをせずにしっかり試合に出たい。

・DFとフットワークの強化。攻めの時の意識統一。

・DFの1対1を強くする。速攻の状況判断を速くする。

・速攻での判断がまだできていない。

・シュートミスを減らしたい。楽なコースへのシュートが多かった。

・ロングパスの判断。

・退場が多かった。一本のシュートを大切にしたい。

・試合に出たときの入りが良くないことが多い。

・シュートを安易に打ち過ぎたので、選抜に向けてシュート決定率を上げる。サイドシュートも必ず決める。デ

ィフェンスの間合いを自分のタイミングで取る。シュートを外した後、その場で改善できるようにする。

・セットオフェンスの時の動きが悪かった。いい局面でシュートが打てなかった。

・日常の生活もしっかりして生活していきたい。

・フェイントに足でついていき、押し上げられるようになる。また、ロングシュートの防御をしっかりしたい。

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OFは位置取りをしっかりすること、ポストとの連携。

・速攻の出だし、位置取り。

・速攻をうまくできるようにする。攻守の切り替えを早くしたい。

・速攻をもっと増やし、ディフェンスを中心に練習したい。

・位置取りとキーピングを変化させたい。

・速攻の判断。シュート決定率を上げる。

・チームとしてはBチームの強化が大事だと思う。今はAチームとの差が大きくて、Aチームの人がケガをしま

した→Bチームの人が出ました→負けました,だと話しにならない。だから、Bチームである自分達がAチー

ムよりもがんばらないといけない。

・個々のシュート決定率を上げる。もっとバック以外がディフェンスで運動量を上げる。セットオフェンスをも

っとしっかりする。AとBの差をなくす。速攻のつなぎを速く正確にする。

・ディフェンスの強化とディフェンスから速攻までの速さや位置取り、速攻の中での状況判断をもっと強化して

いきたいです。

【問い合わせ先】

岩手県立総合教育センター

企画担当 研修指導主事 三田 正巳

e-Mail [email protected]

Tel 0198-27-2833

Fax 0198-27-3562

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