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中心市街地を巡る現状と課題 平成2411経済産業省商務流通保安グループ 資料5

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中心市街地を巡る現状と課題

平成24年11月

経済産業省商務流通保安グループ

資料5

目次

1.改正中心市街地活性化法の効果検証 (1)まちづくり三法の平成18年改正の概要 (2)計画期間が終了した14基本計画の評価

2.まちの外縁の拡大と中心市街地の役割 (1)まちの外縁の拡大の現状 (2)まちの外縁の拡大の抱える問題と中心市街地の役割 (ⅰ)まちの外縁の拡大の地方行財政への影響 (ⅱ)高齢化社会への対応の必要性 (ⅲ)中心市街地の役割

3.中心市街地の商機能の状況 (1)中心市街地の商機能の位置づけ (2)中心市街地の商店街の現状 (3)中心市街地の大型店の現状 (4)自治体の取組の状況 1

1.改正中心市街地活性化法の効果検証

2

(1)まちづくり三法の平成18年改正の概要

3

①基本計画に対する認定制度の導入: 内閣総理大臣による基本計画の認定制度を創設し、中心市街地活性化に意欲的に取り組む市町村を「選択と集中」により重点的に支援。

②中心市街地活性化協議会の法制化: まちづくり会社、商工会議所や地権者を始め多様な主体が参画し、基本計画の策定・実施に積極的に関与する協議会を法制化。

※全国で153の協議会が設立(平成24年11月現在)

③公共公益施設の集積促進・まちなか居住の推進:公共公益施設の集積促進や民間の多様な住宅供給事業を財政・金融面から支援。

④大規模小売店舗立地法の特例: 認定中心市街地において、大規模小売店舗の出店手続きを実質的に撤廃。

※自治体による準工業地域における大規模集客施設の立地制限を基本計画の認定要件とする措置も導入。

中心市街地活性化法の改正

①平成18年の中心市街地活性化法の改正の背景と概要

中心市街地活性化法改正の背景

①意欲的に中心市街地活性化に取り組む市町村を重点的に支援する仕組みが未整備

②地域の発意による自主的な取組を促す仕組みが未整備

③多様な都市機能の集積促進や生活空間整備の観点からの支援措置が不十分

④大規模小売店舗の郊外立地が進展

4

現行の戦略補助金による支援事例

○リンゴ並木周辺商業施設等整備事業【長野県飯田市】 市のシンボルであるリンゴ並木周辺の空店舗を活用し、飲 食店や物販などの複合商業施設を整備。

○松文産業工場跡地整備事業【山形県鶴岡市】 商店街に近接した工場跡地を活用し、新たに映画館を整 備。地元出身の作家(藤沢周平)原作の映画等も上映。映画 の半券を商店街の割引サービス券として利用できる仕掛けも 実施。

基本計画 策定の際 に意見

基本計画 の実施について意見

中心市街地活性化協議会

(まちづくり会社・商工会議所・市町村等)

主な国の支援

○中心市街地魅力発 掘・創造支援事業 (要求中) 【経産省】 「戦略的中心市街地 商業等活性化支援 事業費補助金」 (廃止)【経産省】 ○社会資本整備総合交 付金 【国交省】

○中心市街地活性化事 業に対する特別 交付税による措置 【総務省】 市町村

内閣総理大臣

中心市街地 活性化基本計画

申請 認定

中心市街地活性化法の概要

平成24年10月時点で、118計画(107市)を認定

まちづくり3法の概要

中心市街地活性化法 【内閣府、経産省、国交省、総務省等】

大規模小売店舗立地法 大型小売店の立地に際して、「周辺の生活環境の保持」(渋滞、騒音等)の観点からの配慮を求める。【経産省】

都市計画法 大規模集客施設を含む各種都市機能の適正立地を求める。【国交省】

②改正中心市街地活性化法の仕組み

5

北海道 帯広市、砂川市、滝川市、小樽市、岩見沢市、富良野市、稚内市、 北見市、旭川市

青森県 青森市※、三沢市、弘前市、八戸市、十和田市

岩手県 久慈市、盛岡市、遠野市

宮城県 石巻市

秋田県 秋田市、大仙市

山形県 鶴岡市、山形市、酒田市

福島県 白河市、福島市

新潟県 新潟市、長岡市、上越市(高田)

茨城県 石岡市

栃木県 大田原市、日光市

群馬県 高崎市

埼玉県 川越市

千葉県 千葉市、柏市

東京都 -

神奈川県 -

山梨県 甲府市

富山県 富山市※、高岡市※

石川県 金沢市※

福井県 福井市、越前市、大野市、敦賀市

長野県 長野市※、飯田市、塩尻市、上田市

岐阜県 岐阜市※、中津川市、大垣市

静岡県 浜松市、藤枝市、静岡市(静岡・清水)、掛川市、沼津市

愛知県 豊田市、名古屋市、豊橋市、東海市

三重県 伊賀市

滋賀県 大津市、守山市、長浜市

京都府 福知山市

大阪府 高槻市

兵庫県 宝塚市、神戸市(新長田)、尼崎市、伊丹市、丹波市、姫路市、 川西市、明石市

奈良県 奈良市

和歌山県 和歌山市、田辺市

鳥取県 鳥取市、米子市

島根県 松江市

岡山県 倉敷市、玉野市

広島県 府中市

山口県 山口市、下関市

香川県 高松市

徳島県 -

愛媛県 西条市、松山市

高知県 四万十市

福岡県 久留米市、北九州市(小倉・黒崎)、直方市、飯塚市

佐賀県 小城市、唐津市

長崎県 諫早市、大村市

熊本県 熊本市(熊本)※、八代市、山鹿市、熊本市(植木)

大分県 豊後高田市※、大分市、別府市、佐伯市

宮崎県 宮崎市、日向市

鹿児島県 鹿児島市

沖縄県 沖縄市 ※印は2期計画の認定を受けた市 下線は計画期間終了の市

6

(参考)中心市街地活性化基本計画の認定状況(107市 110地域 118計画)

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

1000

0 10 20 30 40 50 60 70 80

7

③改正中心市街地活性化法の運用状況(基本計画)

・基本計画に対する内閣総理大臣認定制度を導入し、「選択と集中」を図ったこ とで、基本計画数は632市区町村690区域から、107市110区域に絞り込み。 ・改正により、比較的規模の大きい自治体の中心市街地が認定され、これに伴 い、中心市街地の平均面積も拡大。

出典:平成23年度中心市街地商業等活性化支援業務「情報収集・分析・提供事業」(経済産業省委託調査事業)

【旧法で定める区域】 【改正法で認定を受けた区域】

※ 改正法計画区域と重複している地域は除く。

最小区域面積:1.6ha 最大区域面積:900ha 平均区域面積:123.5ha

最小区域面積:41ha 最大区域面積:860ha 平均区域面積:163.4ha

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

1000

0 10 20 30 40 50 60 70 80

(ha) (ha)

(万人) (万人)

[人口] [人口]

④平成18年 都市計画法改正と大店立地法指針改定

都市計画法の改正

①大規模集客施設の立地規制: 商業系以外の用途地域※及び白地地域における大規模集客施設立地制限を導入。地域において、都市計画手続きを通じた適正な立地を確保。

※第二種住居地域、準住居地域、工業地域

②開発許可制度の見直し: 市街化調整区域における大規模計画開発を原則不可とし、郊外開発を抑制。

また、市街化区域及び市街化調整区域を問わず、開発許可が不要であった医療施設・社会福祉施設・学校についても開発許可申請を義務付け。

③広域調整手続きの充実: 市町村が用途地域の変更等の都市計画決定を行う場合、都道府県知事が、関係市町村の意見を求めることが可能に。広域的な視点から、県が調整を図る仕組みを導入。

大規模小売店舗立地法の指針改定

①大型店の社会的責任: 地域活動への協力、防災・防犯への対応、退店時における早期の情報提供等の取組を、業界団体のみならず個々の事業者が自主的に積極的に行うことを期待。

②必要駐車台数: 大規模小売店舗にサービス施設等が併設されている場合には、当該併設施設の面積や集客力を考慮して、併設施設を含めた必要駐車台数を整備することが望ましい旨記載。

③大型店の設置者は併設施設の騒音、廃棄物、悪臭、防犯に関しても配慮 8

9

大規模集客施設: 床面積1万㎡超の店舗、映画館、アミューズメント施設、展示場等。

用 途 地 域

用途地域

大規模開発も含め、原則不可 地区計画を定めた場合、適合するものは許可 (病院、福祉施設、学校等も開発許可を必要とする。)

市街化調整区域 原則不可 ただし、計画的大規模開発は許可 (病院、福祉施設、学校等は開発許可不要)

同左 工業専用地域 用途地域の変更又は地区計画(再開発等促進区)決定が必要

工業地域

準工業地域 商業地域 近隣商業地域

準住居地域 大規模集客施設については、用途地域の変更 又は 用途を緩和する地区計画決定により立地可能

第二種住居地域

制限なし

第一種住居地域 3,000㎡超不可 第二種中高層住居専用地域 1,500㎡超不可 第一種中高層住居専用地域 500㎡超不可 第二種低層住居専用地域 150㎡超不可

同左 第一種低層住居専用地域 50㎡超不可

改 正 後 改正前

制限なし

大規模集客施設については 用途地域の指定により立地可能。また、非線引き都市計画区域では、用途を緩和する地区計画決定でも立地可能

非線引き都市計画区域 準都市計画区域の白地地域 制限なし

非線引き

都市計画区域

線引き

都市計画区域

準都市計画

区域

市街化調整区域

用途地域

市街化区域 (用途地域)

用途地域

白地地域

白地地域

・広域的に都市構造やインフラに影響を与える大規模集客施設(床面積1万㎡ 超の店舗、映画館、アミューズメント施設、展示場等)等の立地を地域が適正 に判断できることとするため、都市計画法等を改正。

○ 市街化区域、用途地域における立地規制 大規模集客施設が立地可能な用途地域を見直し、改正前の6から3へ限定。 ○ 非線引き白地地域等における立地規制 非線引き都市計画区域、準都市計画区域内の白地地域では大規模集客施設は原則立地不可。 ○ 用途を緩和する地区計画制度の創設 上記により規制強化される用途地域及び非線引き都市計画区域内の白地地域においては、大規模集客施設の立地も 認めうる新たな地区計画制度(開発整備促進区)を創設。 ○ 開発許可制度の見直し 市街化調整区域内の大規模開発を許可できる基準を廃止し、病院、福祉施設、学校、庁舎等の公共公益施設を開発許可 等の対象とする。

(参考)都市計画法等の一部改正(平成19年11月30日施行)

(2)計画期間が終了した14基本計画の評価

10

【基本計画最終フォローアップ結果】

・平成23年度末をもって計画期間が終了した14計画(14市※)、計50目標(平均3.6目標)の取組状況(計741事業)を各市が自己評価。 ※帯広市、青森市、千葉市、富山市、高岡市、金沢市、長野市、浜松市、宝塚市、和歌山市、

府中市、熊本市(熊本)、八代市、豊後高田市

【目標分類】

取組進捗は概ね予定どおり 取組進捗は遅延等

目標達成 A:14指標(28%) a:2指標(4%)

目標は未達だが、 計画当初より改善

B:10指標(20%) b:3指標(6%)

計画当初より悪化 C:14指標(28%) c:7指標(14%)

【事業進捗度と目標達成見通し】

出典:第1回中心市街地活性化評価・調査委員会資料(内閣官房地域活性化統合本部作成)

通行量 居住人口等 施設入込数等 販売額等 公共交通 機関利用

空き店舗等 その他 計

設定数 14 10 8 5 4 3 6 50

目標達成数 2 1 5 1 2 1 4 16

目標達成率 14% 10% 63% 20% 50% 33% 67% 32%

①ー1中心市街地活性化基本計画の評価

11

・目標達成率が高い地域を見ると、中心市街地活性化協議会で部会を設置するなど、協議会が積極的な取組を行っている事例が見受けられる。

【府中市】

①-2中心市街地活性化協議会の活動状況と基本計画の評価

12

[協議会活動状況] ・総会:開催2回(年間) ・部会:4部会(個別テーマごとに設置、年1~2回開催) [基本計画の評価] ※4指標のうち、2指標が目標達成。1指標が計画当初より改善。 ・歩行者・自転車通行量(通行量)・・・H23実績値:5,818人(目標値:5,600人) ・商業集積地域の商店の数(店舗数)・・・H23実績値:257店舗(目標値:256店舗) ・商業集積地域の商店の質(商業集積地域の商店の質)・・・H23実績値:3.6点(目標値:3.1点) ※5段階評価で1点が満足、5点が不満 ・人口動態(居住人口)・・・H19~23実績値:1年あたり△42人(目標値:0人以上)

【豊後高田市】 [協議会活動状況] ・総会:開催2回(年間) ・部会:2部会(個別テーマごとに設置、年2回開催) [基本計画の評価] ※3指標のうち、2指標が目標達成。1指標が計画当初より改善。 ・年間観光入込客数(観光)・・・H23実績値:401,036人(目標値:400,000人) ・観光客滞在時間(観光)・・・H23実績値:35.8%(目標値:36%)※豊後高田昭和の町来街者のうち、2時間を超える個人の割合 ・“豊後高田昭和の町”高齢者交流施設入込客数(観光)・・・H23実績値:8,162人(目標値:3,600人)

【熊本市】

[協議会活動状況] ・総会:開催1回(年間) ・部会:4部会(個別テーマごとに設置、年3回開催) [基本計画の評価] ※3指標のうち、2指標が目標達成。1指標が計画当初より改善。 ・中心市街地の商店街歩行者・自転車通行量(通行量)・・・H23実績値:319,550人(目標値:340,000人) ・熊本城年間入園者数(観光)・・・H23実績値:1,589,925人(目標値:1,000,000人) ・市電の年間利用者数(公共交通利用)・・・H23実績値:10,194,381人(目標値:9,280,000人)

【戦略補助金フォローアップ結果】

・計画期間が終了した14計画(14市)のうち、戦略補助金(ハード事業)で支援した14事業(8市※1)、計50目標(平均3.6目標※2)の取組状況を評価。

※1 青森市、千葉市、金沢市、長野市、浜松市、熊本市(熊本)、八代市、豊後高田市 ※2 基本計画作成時に設定した目標とは別に、戦略補助金申請時に設定した目標

通行量 居住人口等 施設入込数等 販売額等 公共交通 機関利用

空き店舗等 その他 計

設定数 16 1 17 8 1 3 4 50

目標達成数 4 4 1 1 1 11

目標達成率 25% 0% 24% 13% 100% 0% 25% 22%

【目標分類】

目標達成 A:11指標(22%)

目標は未達だが 申請時より改善

B:18指標(36%)

申請時より悪化 C:21指標(42%)

【目標達成度合い】

②戦略補助金の評価

13

・戦略補助金(ハード)で支援した8市の改善状況を分析したところ、中心市街地の

「人口」は増加しているものの、その他の数値は減少傾向にある。特に、「年間小売販売額」、「小売・卸事業所数」は中心市街地外と比べて減少率が高い。

・戦略補助金で支援した施設自体は約60%が申請時の数値より改善しているものの、その効果が中心市街地全体に必ずしも波及していないことがうかがえる。

③中心市街地活性化基本計画と戦略補助金の効果との関係

14

10,545 9,326 9,013 6,848

43,058 39,141 37,625

31,406

17.5%

18.0%

18.5%

19.0%

19.5%

20.0%

20.5%

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

H13 H16 H18 H21

(箇所) 【小売・卸事業所数】

中心市街地外 中心市街地 シェア率

71,763 59,774 58,961 48,068

356,487

328,071 320,616 274,902

13.5%

14.0%

14.5%

15.0%

15.5%

16.0%

16.5%

17.0%

0 50,000

100,000 150,000 200,000 250,000 300,000 350,000 400,000 450,000

H13 H16 H18 H21

(人) 【小売・卸従業者数】 中心市街地外

中心市街地 シェア率

9,359 9,128 8,327 6,253 6,005

34,770 33,857 36,069

30,714 32,228

10.0%

15.0%

20.0%

25.0%

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

H14 H16 H19 H21 H23

(億円) 【年間小売販売額】 中心市街地外 中心市街地 シェア率

180,990 175,649 178,621

3,543,238 3,595,245

3,618,032

4.5%

4.7%

4.9%

5.1%

5.3%

0

1,000,000

2,000,000

3,000,000

4,000,000

H12 H17 H22

(人) 【人口】

中心市街地外 中心市街地 シェア率

(推計)

(推計)

出典:事業所・企業統計調査、経済センサス活動調査

(推計)

・戦略補助金で支援した「アーケード等整備事業」における周辺商店街の歩行者・自転車通行量は目標(241,212人)を達成。 ※申請時:230,239人(H21)→実績値:258,750人(H23)

・他方、中心市街地における歩行者・自転車通行量は目標値(340,000人)を未達成。 ※基準値:309,381人(H18)→実績値:319,550人(H23)

→「点」での効果は見られるものの、まち全体に広がる「面」的な効果に繋がっていない。

【戦略補助金で支援した事業効果の事例①:K市】

(参考)中心市街地活性化基本計画と戦略補助金の効果との関係①

15

23.0 20.7

25.9 24.1

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

30.0

H21 H22 H23 目標値

(万人)

周辺商店街歩行者・自転車通行量 (戦略補助金)

30.9 30.2 28.5 29.3 27.7 32.0 34.0

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

30.0

35.0

40.0

H18 H19 H20 H21 H22 H23 目標値

(万人)

商店街歩行者・自転車通行量 (基本計画)

1,106 969

865

1,325 1,325

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

H18 H19 H20 H21 H22

(千円) 施設売上額(戦略補助金)

1,133 978

773 694

0

200

400

600

800

1,000

1,200

H16 H19 H21 H23

(億円) 年間小売販売額

・戦略補助金で支援した「駐車場整備事業」における周辺施設の売上額は目標(1,300千円/日)を達成。 ※整備直後の値:1,106千円/日(H18)→実績値:1,325千円/日(H22)

・他方、中心市街地における年間小売販売額は依然として減少傾向にある。 ※113,314,360千円(H16)→69,350,750千円(H23)

→「点」での効果は見られるものの、まち全体に広がる「面」的な効果に繋がっていない。

【戦略補助金で支援した事業効果の事例②:N市】

(参考)中心市街地活性化基本計画と戦略補助金の効果との関係②

16

(推計) (推計)

・戦略補助金で支援した「テナントミックス店舗等整備事業」(H21年度)における周辺商店街の歩行者・自転車通行量は目標(832人/日)を達成。 ※申請時:780人/日(H20)→実績値:1,155人/日(H23)

・基本計画で設定した中心市街地における歩行者・自転車通行量も目標(32,700人/日)を達成。 ※基準値:32,240人/日(H16~20平均)→実績値:38,837人/日(H23)

→「点」(補助金)の開発が、「面」的な中心市街地全体への効果に寄与していることが窺え

る。

(参考)改正中活法において支援の効果が見られた事例

17

【戦略補助金で支援した事業効果の事例③:N市】

32,240

20,144

27,424

38,837 32,700

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

35,000

40,000

H16~20 H21 H22 H23 目標値

(人/日) 歩行者・自転車通行量(基本計画)

780 645

731

1,155

832

0

200

400

600

800

1,000

1,200

H20 H21 H22 H23 目標値

(人/日) 歩行者・自転車通行量(戦略補助金)

2.まちの外縁の拡大と中心市街地の役割

18

(1)まちの外縁の拡大の現状

19

①-1人口の郊外化

・人口集中地区の面積は、平成7年頃まで急速に拡大、その後も緩やかに増加 している。

20

※人口集中地区とは、国勢調査基本単位区(住居表示に基づく、街区、もしくは街区に準じた小区画)において、次の①②を満たす地域をいう。 ①人口密度が1km2当たり4,000人以上の基本単位区が市区町村の境域内で互いに隣接し、 ②それらの隣接した地域全体の人口が5,000人以上を有する地域

出典:国勢調査

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

昭和35年 昭和40年 昭和45年 昭和50年 昭和55年 昭和60年 平成2年 平成7年 平成12年 平成17年 平成22年

人口集中地区の人口(万人)

人口集中地区の面積(km2)

人口集中地区の人口密度(人/km2) (人/km2) (万人、km2)

人口集中地区の人口、面積、人口密度の推移

①-2まちなか居住人口の増加

・他方で、中心市街地のエリア内のまちなか居住人口は増加傾向を示している。 ・例えば、鹿児島市では、まちなか居住施策の推進により、近年中心市街地の居 住人口がより顕著に増加している。

21

●鹿児島市におけるまちなか居住施策 ・ 市街地再開発事業2地区で271戸の住宅供給 ・優良建築物等整備事業1地区で50戸の住宅供給 ・特定優良賃貸住宅1件24戸

出典:国交省資料より

99.6%

100.0%

101.1%

98.5%

99.0%

99.5%

100.0%

100.5%

101.0%

101.5%

H14 H18 H22

中心市街地の人口の推移 (H18=100%)

N=85

出典:住民基本台帳 注)改正中心市街地活性化法の認定地域で、H14、H18、H22の いずれの人口も把握できた85の自治体

4,378 4,807 4,864 4,992 5,250 5,473 5,517

27,291 27,698

27,961 28,025 28,429

29,170 29,736

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

35,000

H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23

マンション累積供給戸数(戸) 中心市街地人口(人)

中心市街地人口(人)

マンション累積供給戸数(戸)

鹿児島市中心市街地の人口とマンション戸数の推移

105.3% (H18=100%)

②商機能の郊外化

・近年、大規模小売店舗の全体としての出店件数は減少傾向にあるが、郊外地 域への出店件数は引き続き高水準。

22

3.03

4.41

0

0.5

1

1.5

2

2.5

3

3.5

4

4.5

5

H19 H23

中心市街地エリア外に立地する大型店舗 の1市町村あたりの数

0

100

200

300

400

500

600

700

800

2003 04 05 06 07 08 09 10 11

その他 郊外幹線道路沿型 郊外住宅街型 商店街型 駅前・駅近辺型 ターミナル型

出典:東洋経済「全国大型小売店総覧2013」

郊 外 へ の 出 店 数

※大型店:店舗面積が1,000㎡を越える小売店舗 郊外幹線道路沿型: 駅から離れ、国道・県道など幹線道路沿いに建っている施設 郊外住宅型: 商店街や幹線道路沿いではない、住宅街に建っている施設 商店街型: 駅から離れた商店が集中している地域に建っている施設 駅前・駅近辺型: 駅には接していないものの駅周辺に建っている施設 ターミナル型: 駅ビル型を含み駅に接して建っている施設

注1)「平成23年度中心市街地における大型空き店舗等遊休不動産の活用に係る調査・研究事 業」において、大型空き店舗等調査を全国1,733市区町村に対して実施。当設問の回答数 は1,258市区町村。 注2)平成19年度大型空き店舗等調査を全国1,827市区町村に対して実施。当設問の回答数は 1,271市区町村。 注3)大型店舗:売場面積が3,000㎡を超える小売店舗。ただし、特別区及び政令指定都市は同 6,000㎡以上。 注4)中心市街地とは、改正中心市街地活性化法および旧中心市街地活性化法に基づく基本計 画で定められた中心市街地の区域、または、いずれも策定していない場合は、駅周辺や市 役所周辺などの人が集まる機能が集積している市街地。

出典:経済産業省委託事業「平成23年度中心市街地商業等活性化支援業務(中心 市街地における大型空き店舗等遊休不動産の活用に係る調査・研究事業)」 経済産業省委託事業「平成19年度大型空き店舗等調査」

(店舗数) 開店年次・立地形態別の店舗数 (店舗数)

23

③郊外と中心市街地のそれぞれの商機能の役割

・郊外大型店の魅力は、一つの店舗の中で完結している、駐車場が充実してい る、営業時間が長いといった点。一方で、自動車以外では行きづらい、似たよう な店が多いといった指摘がある。 ・中心市街地の魅力は、そこにしかない特徴的な店舗や老舗がある、生活に密着 しているといった点。一方で、駐車場が少なく車で行きづらい、閉店時間が早い といった指摘がある。

n=5,064 (複数回答)

出典:富山県 消費動向商業実態調査報告書(平成24年1月)

71.9

66.1

46.6

30.1

21.0

13.0

0% 20% 40% 60% 80%

いろいろな店があり、一度

に買物ができる

駐車場が広く車で行きや

すい

品ぞろえが豊富である

夜遅くまで営業している

買物以外の施設が充実し

ている

雰囲気がよく快適である

【郊外の大型商業施設の魅力】

40.6

39.0

26.2

23.9

20.9

15.3

13.7

0% 10% 20% 30% 40%

駐車場が少なく車で行きに

くい

買物をしないと駐車料金が

かかる

買いたい、見たい商品があ

まりない

街に華やかさがない

気軽に買物することができ

ない

閉店時間が早い

それぞれの商店に魅力が

ない

【中心市街地への不満】

34.2

33.6

30.3

23.4

13.7

0% 10% 20% 30% 40%

店内が広すぎて疲れる

自動車以外では行きづらい

欲しいものの場所がわかり

にくい

どの大型商業施設も、同じ

ような店が多い

大規模商業施設ができた

ことにより、近くのスー

パー、商店等が閉店した

【郊外の大型商業施設への不満】

0% 10% 20% 30%

④-1公共公益施設の立地

・地方圏における大規模な医療施設については、まちづくり三法の改正後、郊外 立地の動きは鈍化しているものの、依然として3割程度は郊外(用途地域外)に 立地。

24

地方圏における病院施設(延べ床面積3千㎡以上) 確認時期別立地状況

※地方圏は、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県以外の地域。 ※建築基準法上の延べ面積3,000㎡以上の病院、診療所について集計。

65%

57%

54%

63%

67%

8%

17%

17%

18%

13%

19%

19%

22%

15%

17%

7%

7%

7%

4%

3%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

S60以前

S61~H7

H8~H16

H17~H19

H20~H21

住居系用途地域 調整区域 非線引き白地 都計外

34%

43%

46%

37%

33%

出典:国土交通省都市局資料

25

事例1.市立病院の移転 (青森県三沢市)

事例2.県庁の移転 (石川県金沢市)

④ー2公共公益施設の立地(中心市街地から郊外への移転事例)

・直面する問題を解決するため、敢えて公共公益施設を郊外に立地する事例も存 在。

<概要> ・金沢市が「金沢市60万都市構想」に掲げた駅西地区の「副都心構想」に伴い、平成15年1月に石川県庁舎を駅から金沢港に延びる道路沿線に移転。 ・これは、県庁舎の老朽化を解決するとともに、交通アクセスの改善を狙ったもの。 ・石川県警庁舎と石川県議会庁舎が併設。 ・跡地利用が問題となっていたが、旧庁舎の解体工事が今年完了し、イベント等に利用できる緑を備えた「広場」と「地下駐車場」の建設を進めている。平成25年秋に完成予定。

<概要> ・ 中心部に立地する市立三沢病院は、老朽化や狭い駐車場といった問題に直面。 ・ 市民も含めた検討組織(市立三沢病院の移転先検討委員会)において、現状の病院機能の維持・継続を図りながらの現地建て替えも含め検討。 ・ しかしながら、敷地面積の制約や仮設施設の建設が困難であることから、平成17年8月の市議会全員協議会で移転せざるを得ないとの結論に至り、平成22年に移転することが決定した。 ・ 病院の跡地利用については、高齢者専用住宅、医療 施設、スーパーマーケット等の福祉施設の建設を現在計画している。

④ー3公共公益施設の立地(郊外から中心市街地への移転事例)

・他方で、近年、郊外から中心市街地に公共公益施設を移転し、効果を上げてい る事例も存在。

26

事例1.市立図書館移転 (北海道滝川市)

事例2.市役所移転 (新潟県長岡市)

<概要> ・郊外に位置し、老朽化していた市立図書館を、平成23年11月に中心市街地にある市役所庁舎内に移転。 ・旧館より面積が約3倍、蔵書数も約1.7倍になり、中心市街地を訪れる市民の憩いのオアシスとなっている。 ・同フロアに商店街や個店を紹介する「まちなか情報コーナー」も設置し、中心市街地との連携を図っている。 <効果> ・立地環境の良さから、まちなかへの買い物や通院のついでに立ち寄れることやバス利用による来館が旧館時に比べて容易になったことから、1日あたりの入館者数が2倍以上に増加。 ・商店街拠点づくり事業や賑わい再生ロード事業などとの連携により、賑わいの創出、回遊・滞留ルートの形成が出来つつある。

<概要> ・平成24年4月1日、全国初の「アリーナ」「ナカドマ(屋根付き

広場)」「市役所・市議会」が一体となった複合施設『アオーレ長岡』がJR長岡駅前の大手通り沿いにオープン。市役所は郊外からの移転。 地上4階、地下1階建て、延べ床面積3.5万㎡ ・アリーナではコンサートやスポーツ大会、ナカドマでは特産品の展示・販売会や市民の文化活動の発表会などのイベントが開催され、市民交流の場として定着しつつある。 <効果> ・オープン半年で88万人が来場。(長岡市発表) ・「長岡のイメージが良くなった」「中心市街地に出かけるようになった」「まちがにぎやかに楽しくなった」との声。(長岡市アンケート調べ) ・駅前地区の商店街では空き店舗が急速に減少した。(長岡市) 26

(2)まちの外縁の拡大の抱える問題と 中心市街地の役割

27

(ⅰ)まちの外縁の拡大の地方行財政への影響

28

(ⅰ)ー①まちの外縁の拡大が自治体財政に与える影響

・人口の郊外化により、都市に不可欠な社会資本である道路、上下水道等の インフラが拡大。 ・今後、人口が減少する中、住民一人当たりのインフラの維持管理・更新費用は 大幅な増加が見込まれ、行政コストが増大し、自治体財政を逼迫する可能性。 ・このような中、都市機能をコンパクトにまとめる(中心市街地活性化)ことで、都 市を維持するためのコストを低減させることが必要。

29

100

110

120

130

140

150

160

S60 H2 H7 H12 H17 H22

DID面積

DID人口

道路総延長

上水道延長

下水道延長

人口集中地区(DID)面積の拡大と都市インフラ整備量 の推移(札幌市)

(昭和60年=100) 出典:札幌市「主要指標長期時系列」 出典:国土交通白書2012 国立社会保障・人口問題研究所

住民一人あたりの社会資本維持・管理費用の推移

0

20,000

40,000

60,000

80,000

100,000

120,000

140,000

0

2,000,000

4,000,000

6,000,000

8,000,000

10,000,000

12,000,000 新設(充当可能)費

災害復旧費

更新費

維持管理費

総人口

一人当たり維持管理費用

(百万円) (千人、円/人)

注)社会資本・・・道路、港湾、空港、公営賃貸住宅、下水道、都市公園、治水、海岸

59.9

52.1

47.2 45.5 42.5 41.9 40.8 40.3 40.2

12.9 13.9 14.6 15.0 15.4 15.6 15.6

3.4 3.4

0

10

20

30

40

50

60

70

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

昭45 昭50 昭55 昭60 平2 平7 平12 平17 平22

人口集中地区人口 人口集中地区面積

人口集中地区人口密度 市域全体人口密度

資料:コンパクトなまちづくり研究会「コンパクトなまちづくり事業調査会研究報告」2004年3月 (注)維持・更新サービスに要する費用:道路、街区公園、下水道管渠に要するものを計上

出典:富山市資料

富山市における人口密度と住民一人あたりの行政費用 (維持+更新)の関係

・コンパクトシティに積極的に取り組んでいる富山市においても、人口集中地区が 拡大し、人口密度が低下。 ・人口密度が低下すると、住民一人あたりの行政費用が増加。

(ⅰ)-②人口の拡散と住民一人あたりの行政費用の関係(富山市の事例)

出典:国勢調査

富山市における人口密度の推移

(人/ha) (万人/ k㎡ )

30

市の合併

・コンパクトシティに積極的に取り組む青森市においても、人口集中地区が拡大 し、人口密度が低下する中、積雪量にもよるが、除排雪道路の延長により、住 民一人当たりの除排雪経費が増大。

(ⅰ)ー③人口の拡散と住民一人あたりの行政費用の関係(青森市の事例)

青森市における人口集中地区人口 及び面積の推移

青森市における除排雪延長と除排雪経費

出典:青森市資料

0.68

0.63

0.61

0.58

0.52

0.54

0.56

0.58

0.60

0.62

0.64

0.66

0.68

0.70

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

30.0

35.0

40.0

45.0

H7 H12 H17 H22

人口

面積

人口密度

(万人/k㎡) (万人、k㎡)

出典:国勢調査 31

1,111 1,128

1,154 1,162 1,169

1,305 1,319

1,326 1,336 1,339

1,348 29.0

18.4 18.2 16.6

30.1

23.3

11.0

17.3

15.4

17.1

21.2

9.7

6.2 6.1 5.6

10.2

7.4

3.5

5.6 5.0 5.6 7.0

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

30.0

35.0

1,000

1,050

1,100

1,150

1,200

1,250

1,300

1,350

1,400

除排雪延長 除排雪経費 一人あたり除排雪経費

(㎞) (億円、千円)

市の合併

記録的な豪雪

記録的な豪雪

(ⅱ)高齢化社会への対応の必要性

32

(ⅱ)-①高齢化社会の進展

年齢(3区分)別人口および増加率(2010年以降は推計)

・2010年~2015年をピーク(2010年:128,057千人)に人口は減少傾向を示す。 ・一方、65歳以上人口の比率は増加の一途をたどる。

33 出典:総務省 国勢調査(~2010年) 国立社会保障・人口問題研究所『日本の将来推計人口』(平成24年1月推計)[出生中位(死亡中位)]推計値による。(2015年~)

0 20 40 60 80

バス

家族などの運転する自

動車

電車

自転車

自分で運転する自動車

徒歩

65~69歳

(ⅱ)-②地域における高齢者の移動手段

・高齢者の外出手段は徒歩の割合がもっとも高い。高齢化が進むにつれ、自動車 から徒歩や公共交通機関へとシフトする傾向にあり、高齢化社会において、歩 いて暮らせる中心市街地の形成は高齢者等の生活弱者にとって重要。

34

年齢層が上がるにつれて、徒歩の割合は増加、自らの運転による自動車の利用の割合は減少

n=500 n=457

0 20 40 60 80

バス

電車

家族などの運転する自

動車

自転車

自分で運転する自動車

徒歩

70~74歳

0 20 40 60 80

電車

家族などの運転する自

動車

バス

自転車

自分で運転する自動車

徒歩

75~79歳 n=322

出典:平成22年度 内閣府高齢者の住宅と生活環境に関する意識調査結果

高齢者の年代別外出手段

0 5 10 15 20 25 30 35 40

近隣の道路が安全で、歩きやすく整備されていること

豊かな自然に囲まれていたり、静かであること

医療や介護サービスなどが受けやすいこと

駅や商店街に近く、移動や買い物に便利であること

平成22年

平成17年

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18

集会施設、役所、商店など公共的建物が高齢者に使いにくい

図書館や集会施設などの公共施設が不足

近隣道路が整備されていない

散歩に適した後援や道路がない

交通機関が高齢者には使いにくい、または整備されていない

医院や病院への通院に不便

日常の買い物に不便

平成22年

平成17年

平成13年

(ⅱ)-③高齢者が地域に期待する役割

・高齢者は地域生活において「日常の買い物」、「医院や病院の通院」について不 便だと感じている。 ・高齢者は買い物や病院に徒歩で向かう傾向にあり、商業施設を始めとする各種 機能を集約した、歩いて暮らせる生活圏の形成が必要。

出典:平成22年度 内閣府高齢者の住宅と生活環境に関する意識調査結果

高齢者が感じる地域の不便な点

35

住居や住環境に関する優先度

H22 n=2,062 H17 n=1,886 H13 n=2,226

H22 n=2,062 H17 n=1,886

(ⅲ)中心市街地の役割

36

中心市街地が必要である理由

平成22年度中心市街地に関する県民意識・消費行動調査(新潟県)

※20代から70代までの男女23,000人が対象。 アンケート回答者11,738名のうち、中心市街地活性化が必要と考えると回答した7,806名 (66.5%)が母数。

中心市街地に望むこと

(ⅲ)ー①中心市街地の必要性

・ある調査では、住民の66.5% が「中心市街地の活性化が必要」と回答。 ・「中心市街地活性化が必要」と回答した人の多くは、街の顔として、また、買い物 の場所として、中心市街地の必要性を認識している。

地域の活力や

個性を代表す

る「街の顔であ

るから」, 47.4

文化や伝統が

生まれた場所

であるから, 13.3

商業機能があ

るから, 14.5

イベントや娯

楽施設があり

楽しめるから, 3.2

市町村役場等

様々な機能が

あるから, 10.3

住民のふれあ

いの場として

必要だから, 9.4

その他, 2

商業施設や公

共機関等が充

実した街の顔

であること, 32.8

日常の買い物

に便利である

こと, 32.5

高齢者が安心

して利用でき

ること, 14.2

福祉・コミュニ

ティ施設が充

実しているこ

と, 6.8

昔をイメージし

た街並みなど

特色があるこ

と, 11.8

その他, 1.9 n=7806 n=7806

37

45%

55%

その他市税 固定資産税

(ⅲ)ー②まち経営の観点からの中心市街地(佐賀市、青森市、松江市)

・中心市街地の市域に占める割合は極めて小さいが、中心市街地から得られる 固定資産税収(市町村の基幹収入)の割合は大きい。 ・中心市街地に都市機能を集約させ、集中投資を図ることは、自治体のまち経 営の観点からも重要。

38 出典:松江市調査

47%

53%

その他市税 固定資産税

49% 51%

その他市税 固定資産税

88.5%

99.6%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

固定資産税

面積

中心市街地 その他 0.4%

11.5%

(土地+家屋)

88.2%

99.8%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

固定資産税

面積

中心市街地 その他

11.8%

0.2%

(土地+家屋)

83.3%

99.2%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

固定資産税

面積

中心市街地 その他 0.8%

16.7%

(土地+家屋)

佐賀市(H19年度)

青森市(H23年度)

松江市(H22年度)

出典:佐賀市調査

出典:青森市調査

39

(ⅲ)ー③事業創造の場としての中心市街地

・1990年代に市街地のコンパクト化が進んだA市とまちの外縁の拡大が進んだ B市について、同期間の成長産業の立地と人口集中地区の変化を比較したと ころ、A市の方が成長産業のより強い拡大傾向がみられた。 ・人口集中地区における人口・人口密度の増加は、成長産業の伸長と密接に関 係。 ・人口の郊外化を防止し、中心部への集約化を図ることで、事業創造の場として の中心市街地の役割も期待できる。

A市 B市

人口集中地区面積変化率 (1990年→2000年:国勢調査)

-0.5 4

人口集中地区人口変化率 (1990年→2000年:国勢調査)

4.1 -2

人口集中地区人口密度変化率 (1990年→2000年:国勢調査)

4.6 -6

成長産業事業所数変化率 (1991年→2001年:事業所・企業統計)

21.8 11

成長産業従業員数変化率 (1991年→2001年:事業所・企業統計)

30.1 26

表1 成長産業の立地と人口集中地区の変化との関連性(A市とB市との比較)(単位:%)

出典:遠藤亮(東京工業大学)「地方都市における成長産業の立地と 市街地構造との関係に関する研究」 (2005年:中井検裕教授指導論文)をもとに経済産業省で作成。

表2 成長産業と人口集中地区の規模と変化との関連性(104都市概要) (+は相関強弱、※産業による差があり)

<両データ共通> (対象都市) ・2000年国勢調査時点で人口10万位以上 ・3大都市圏に含まれない ・2000年国勢調査時点で政令指定都市に含まれない ・2001年都市計画年報時点で区域区分がなされている の4条件を満たす104都市を対象。 (定義等) ・国勢調査に基づく人口集中地区を「市街地」と定義。 ・成長産業については、産業中分類の「医療・福祉」、「社会保障・介護」、 「通信」、「広告・調査・情報サービス」の4産業と定義。 (1996年に産業分類の改変が行われているが、2001年事業所・企業統計の分類に準じた比較を実施。)

特に事業所数では2倍近い割合で増加

人口集中地区人口

人口集中地区面積

人口集中地区人口密度

実数 実数 実数

成長 産業

実数 ++ ++ +

人口集中地区人口

人口集中地区面積

人口集中地区人口密度

変化率 変化率 変化率

成長 産業

変化率

++※ +※ ++※

3.中心市街地の商機能の状況

40

(1)中心市街地の商機能の位置づけ

41

※商業集積地区は駅周辺型商業集積地区及び市街地背景型商業集積地区の合計とした。

①中心市街地の商業動向

出典:経済産業省 商業統計

・商業集積地区(中心市街地の重要な要件の一つが商業集積)の販売額、小売 事業所数、従業者数のシェアは約4分の1の割合を占めるものの、低下傾向。

35,951 34,466 33,072

99,159 98,813 101,633

0

20,000

40,000

60,000

80,000

100,000

120,000

140,000

160,000

H14 H16 H19

年間小売販売額

その他の地区

商業集積地区

(10億円)

295 278 252

885 960 886

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

H14 H16 H19

小売業の事業所数

その他の地区

商業集積地区

(千事業所)

1,885 1,800 1,706

6,087 5,963 5,874

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

8,000

9,000

H14 H16 H19

小売業の事業所の従業者数

その他の地区

商業集積地区

(千人)

37,951 37,460 36,438

102,668 106,669 113,226

0

20,000

40,000

60,000

80,000

100,000

120,000

140,000

160,000

H14 H16 H19

小売業の売り場面積

その他の地区

商業集積地区

(千㎡)

42

②中心市街地における空き店舗数

・中心市街地の中小小売店の空き店舗数は増加傾向にあり、中心市街地の空洞 化が懸念される状況。

43

注1)当事業において実施したアンケートのうち、旧中心市街地活性化法に基づく基本計画を策定している市区町村(690区域(632市区町村)) と改正中心市街地活性化法に基づく基本計画の認定を受けている市(108区域(105市))において平成17年及び平成22年の数値のどちら にも回答のあった市区町村(146市区町村)の空き店舗数を集計。

6116

6818

5600

5800

6000

6200

6400

6600

6800

7000

H17 H22

中小小売店空き店舗数推移 (n=146)

出典:平成23年度中心市街地商業等活性化支援業務「情報収集・分析・提供事業」(経済産業省)

(空き店舗数)

③大規模小売店舗の立地動向

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24

中心市街地外 中心市街地

出典:中心市街地活性化基本計画が終了した14都市(※)について、大規模小売店舗立地法(第5条第1項)に基づく届出を基に集計 ※帯広市、青森市、千葉市、富山市、高岡市、金沢市、長野市、浜松市、宝塚市、 和歌山市、府中市、熊本市(熊本地区)、八代市、豊後高田市

(件)

大規模小売店舗の届出状況(1,000㎡以上)

・大規模小売店舗の出店の大半は中心市街地のエリア外。

44

④中心市街地の商機能に対する期待

・中心市街地の小規模及び大規模商業施設については、「衰退した」と感じる人が多いが、同時に「充実すべき」と感じる人の割合も多く、中心市街地の商機能に対する期待が窺える。

45

14

7

7

7

5

21

8

17

6

3

24

35

34

43

18

2

2

7

4

5

3

8

5

13

32

20

24

67

0 20 40 60 80

どれにもあてはまらない/わからない

行政施設(役所・窓口サービス施設など)

居住施設(マンション・集合住宅など)

金融施設(銀行や郵便局など)

教育施設(学校など)

文化施設(図書館やホールなど)

福祉施設(高齢者福祉施設や身障者福祉施設など)

医療施設(診療所や病院など)

業務施設(会社やオフィスなど)

遊戯施設(パチンコ店やゲームセンターなど)

娯楽施設(映画館や劇場など)

飲食施設(レストランやカフェなど)

大規模商業施設(百貨店やデパートなど)

小規模商業施設(商店街の個展や専門店など)

衰退したと感じる施設 充実すべきと考える施設

出典:平成20年 株式会社NTTデータ経営研究所調査

衰退した施設・充実すべき施設(N=1,100/複数回答)

注1)gooリサーチ登録モニターの回答の中から、性別、年齢(15~24歳、25~44歳、45~64歳、65歳以上)、居住都市圏(三大都市圏、政令都市圏、地方都市圏) が概ね均等になるよう抽出。 注2)中心市街地とは、回答者が地域において中心市街地と認識している場所。

(2)中心市街地の商店街の現状

46

・中心市街地の商店街は、中心市街地の小売業の、年間販売額の約70%、事業 所数の約76%、従業者数の約71%を占め、中心市街地の商業を支える重要 な存在。

47

①ー1中心市街地における商店街の意義

69.64%

30.36%

中心市街地の年間小売販売額の

割合

商店街以外

商店街

75.56%

24.44%

中心市街地の小売業事業所数の 割合

商店街以外

商店街

70.80%

29.20%

中心市街地内の小売業従業者数の

割合

商店街

商店街以外

第1期中心市街地活性化基本計画が終了した14市の平成19年度商業統計(経済産業省)より算出

注)平成19年商業統計表 立地環境特性別統計編(小売業)の第10表より作成。認定中心市街地区域内に ある商業集積地において、小売事業所総数に占める大店舗内の事業所数の割合が50%未満のものを 商店街として集計。名称に商店街等と含まれていても、大店舗内事業所数の割合が50%以上のものに ついては集計せず。 なお、大店舗とは、大規模小売店舗立地法に規定する大規模小売店舗を指す。

4.7

25.7

14.4

2.7

5.1

22.5

12.8

22.8

72.4

37.4

43.8

0.0

0.7

1.4

3.6

12.5

13.2

30.4

39.0

49.2

55.5

68.5

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0

年齢で変化はない

宅配などのサービスがあること

店員が親切なこと

こだわりの商品が置いてあること

営業時間が長いこと

商品が選びやすい店内

商品数が多いこと

新鮮なこと

近くて便利なこと

品質に安心できること

安いこと

現在

高齢者になった時

48

①ー2中心市街地における商店街の意義

・高齢になると、買い物の際、「安さ」よりも「店が近くて便利なこと」を求める傾向。 ・高齢者が多く居住する中心市街地において、身近な存在である商店街は、生活 必需品の購入の場として機能を有している。

生活必需品を買うとき、現在重視している項目と 高齢者になったときに重視するであろう項目の比較

出典:平成21年度 経済産業省企業間情報連携基盤の構築事業流通ネット ワーク等を活かした地域生活インフラ構築に関する調査事業報告書

(n=1000)

(n=867)

注)インターネット形式でアンケート調査を実施。(全年齢。中心部34%、住宅部33%、農山間部33% )

1.6

4.8

22.9

37.9

32.7

1

2

17.9

33.4

44.2

0 10 20 30 40 50

繁栄している

繁栄の兆しがある

まあまあ横ばいである

衰退の恐れがある

衰退している

H21

H18

出典:平成21年度 中小企業庁 商店街実態調査

商店街の景況感

②商店街の状況

・平成21年度と平成18年度の調査結果をと比較すると、「衰退している」との回 答が増加。 ・商店街における問題としては、「後継者問題」、「魅力ある店舗の少なさ」、「核と なる店舗がない」が多い。

4.7

4.7

8.1

15.7

17.8

18.5

19.4

24.3

25.4

27.2

42.7

51.3

0 20 40 60

無回答

その他

チェーン等が商店街の組織化や活動に非協力的

駐車場の不足

大型店との競合

空き店舗の増加

業種構成に問題がある

商圏人口の減少

店舗等の老朽化

核となる店舗がない

魅力有る店舗が少ない

経営者の高齢化による後継者難

商店街における問題(3つまで選択)

49

H18 n=2,644 H21 n=3,402

n=3,402

注)全国の商店街(商店街振興組合、事業協同組合、任意団体)を対象にアンケートを実施。

増えた, 39.2%

変わらない, 44.9%

減った, 10.6%

無回答, 5.3%

増えた

変わらない

減った

無回答

最近3年間の空き店舗数の変化

③商店街の空き店舗の状況

・年々空き店舗率が増加。 ・空き店舗が減らない主な理由としては、「商店街に活気がない」「家賃が高い」 「所有者に貸す意志がない」が多い。

出典:中小企業庁 平成21年度商店街実態調査

25.2

7.1

6.3

9.4

11.8

12.1

21.5

22.2

32

0 5 10 15 20 25 30 35

無回答

その他

店が補修・拡張できない

所有者の希望業種が入らない

商店以外になった

立地条件・交通環境がよくない

所有者に貸す意志がない

家賃が高い

商店街に活気がない

空き店舗が減らない理由

50

n=3,402

注)全国の商店街(商店街振興組合、事業協同組合、任意団体)を対象にアンケートを実施。

④地方における公示地価と比べた家賃の水準

・中心市街地の空き店舗解消ための課題の一つが家賃の高さ。 ・地方部では、公示地価が大幅に下落しているにも関わらず、都市部と比較して、 家賃がそれほど下がっていないという現状がある。

51

地方部と都市部の賃料と公示地価

出典:国交省資料より

※ 家賃の比率は上野御徒町を、公示地価の比率は台東区を100%とした場合のもの。

(単位:円/坪)

最低 2,296 38% 3,223 54% 9,422 157% 8,265 138% 5,992 100%

最高 8,027 33% 7,263 29% 18,681 76% 18,926 77% 24,647 100%

平均 4,685 46% 6,083 60% 14,088 140% 13,865 138% 10,077 100%

最低 17,490 2% 108,570 11% 304% 957,000 100%

最高 653,400 3% 1,435,500 6% 111% 22,737,000 100%

平均 229,680 7% 512,820 15% 313% 3,371,940 100%

家賃

秋田広小路 高松丸亀町東京

新橋 赤坂見附 上野御徒町

公示地価

秋田市 高松市

10,541,850

港区 台東区

2,910,600

25,278,000

(3)中心市街地の大型店の現状

52

53

①中心市街地における大型店の役割

・来街者は、買い物を目的として中心市街地を訪問することが多く、中心市街地に おける大型店は、それ単体で集客力を持つ。 ・外出着や贈答品などの買い物は、中心市街地の商業施設の中でも大型店で購 入する傾向にある。

5 2

3 4 4

5 7

8 8 8

12 12

17 26

37 43

44

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50

どれにも当てはまらない/わからない 会議・会合・集会など

趣味や習い事 展覧会・ギャラリーなどの鑑賞 ゲーム・パチンコなどの遊技

理美容・エステなど 散歩など特に目的無くぶらぶらする

知人・友人との待ち合わせ 病院など通院

イベント・祭りの見物・参加 通勤・通学

行政サービス(役所など) 映画・演劇・コンサートなどの鑑賞

銀行・郵便局など 飲食(外食、喫茶、飲み物など)

買物(商店街・スーパーなどの個店) 買物(百貨店などの大型商業施設)

(%)

中心市街地の訪問目的(n=1,100/複数回答)

18.2 2.6

5.1 34.1

16.3 0.6

4.5 2.4

7.5 9.0

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0

一般小売店、専門店

ホームセンター

専門量販店

デパート

ショッピングセンター

通販販売

インターネット

その他

普段購入していない

無回答

中心市街地内(n=534) (%)

12.0 2.4

10.2 25.7 25.7

2.2 4.7

1.8 6.5

10.2

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0

中心市街地外(n=509) (%)

紳士服・婦人服購入時、よく利用するお店のタイプ(青森市)

出典:青森市 都市及び中心市街地の現状分析報告書(平成23年度)

※中心市街地内は認定中心市街地区域居住者をいい、中心市街地外は中心部の居住者(認定中心市街地区 域居住者を除く。)をいう。

主要店舗の購入率(松山市)

出典:平成20年 株式会社NTTデータ経営研究所調査

出典:松山市広域集客商業活性化戦略(平成21年度)

②大型店の撤退時期と撤退が中心市街地に与える影響

・中心市街地からの大型店撤退時期のピークは、2000年~2004年。要因は、大 手百貨店、量販チェーンの経営破たん。次いで、2005年~2009年。要因は、産 業再生機構によるダイエー再建、百貨店、量販チェーンの経営統合による店舗 網再編。 ・大型店の撤退は、通行量減少、近接商店街の衰退、消費の域外流出といった 負の影響を中心市街地に与えている。

出典:箸本健二(早稲田大学)「地方都市の中心市街地における大型店撤退とその跡地利用の課題」平成24年日本地理学会発表

※ 売場面積1,500㎡以上を大型店とする。 中心市街地は各市町村が中心市街地と認識している範囲とする。 人口20,000人以上の市町村を対象にアンケート調査(うち、大型店の撤退があると回答した285市町村)

54

撤退年 総計

1990~94年 26 5.5%

1995~99年 83 17.5%

2000~04年 158 33.3%

2005~09年 130 27.4%

2012~12年 56 11.8%

不明 21 4.4%

総計 474 100.0%

中心市街地への影響 総計

中心市街地の通行量減少 300 63.3%

撤退跡地に近接する商店街の衰退 272 57.4%

消費の郊外・他自治体への流出 219 46.2%

税収の減少 131 27.6%

治安の悪化 13 2.7%

雇用問題の発生 66 13.9%

その他 60 12.7%

母数 474 100.0% 注:複数回答

③大型店撤退後の跡地の現況

・大型店撤退後の跡地は、食品スーパーや専門店、公共施設などに利用されて いるケースが多いが、3割程度は空き店舗や空き地のままであり、有効利用さ れていない。 ・その理由としては、民間の開発ニーズの問題や老朽化によるリニューアル資金 の負担などがあげられる。

※ 撤退跡地は空き店舗、空地(更地)の双方を含む。 売場面積1,500㎡以上を大型店とする。 中心市街地は各市町村が中心市街地と認識している範囲とする。 人口20,000人以上の市町村を対象にアンケート調査 (うち、大型店の撤退があると回答した285市町村) 出典:箸本健二(早稲田大学)、平成24年日本地理学会発表 「地方都市の中心市街地における大型店撤退とその跡地利用の課題」

跡地の現況 総計

百貨店 9 1.9%

総合スーパー 20 4.2%

食品スーパー 64 13.5%

ディスカウントストア 16 3.4%

専門店 82 17.3%

遊技場 34 7.2%

公共機関 55 11.6%

イベントスペース 23 4.9%

ベンチャーマート 3 0.6%

商店街・NPO等の活動拠点 17 3.6%

オフィス 30 6.3%

集合住宅 45 9.5%

空き店舗 81 17.1%

空き地 61 12.9%

駐車場 40 8.4%

その他 103 21.7%

母数 474 100.0%

17.1

12.0

11.4

9.5

8.9

8.2

7.0

6.3

3.2

1.9

1.9

1.3

1.3

1.3

0.6

1.5

0.0

7.6

0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0 16.0 18.0

民間の開発ニーズがない

中心市街地全体の地盤沈下

建物が古く、リニューアルに多くの資金がかかる

再生や活用を進めるノウハウやスキルが乏しい

市町村の財政難

土地の権利関係が複雑

再生や活用の内容が決まらない

地域の魅力の低下

建物の権利関係が複雑

倒産後の処理が進まない

駐車場の台数不足

再生や活用を進めるにあたり適切な専門家不在

建物賃料が高く、商業ベースに乗らない

上部会の活用困難

土地代が高く、取得が難しい

店舗または土地が狭い

交通アクセスが悪い

その他

% 【大型空き店舗及び跡地が再生されない(できない)理由】

N=158(複数回答)

【大型空き店舗及び跡地の現況】

出典:経済産業省委託事業「平成23年度中心市街地商業等活性化支援 業務(中心市街地における大型空き店舗等遊休不動産の活用に 係る調査・研究事業)」

※ 大型空き店舗等調査を全国1,733市区町村に対してアンケート調査を実施。回収数は1,258市区町村。

55

(参考)大型空き店舗を利活用及び再生した事例

② 商業機能・行政機能・交通機能を併せ持つ複合施設の事例 【コミュニティプラザ・パラボ(北海道北見市)】(旧東急百貨店)

<概要> ・ きたみ東急百貨店が平成19年10月に閉店し、翌月、歩行者通行量の臨時調査を行ったところ、 前回調査時より27%減少。 ・ 中心市街地の核となる商業施設を存続してほしいとの市民の声が強く、北見市が建物の無償譲渡 を受け、商業機能・行政機能・交通機能を併せ持つ複合施設「まちきた大通ビル」として生まれ変わり、 同年12月に株式会社まちづくり北見が管理・運営を行う商業機能「コミュニティプラザ・パラボ」が開店。 ・ 食品などの最寄り品や服飾品、婦人服、インテリア等の買い回り品、地元特産品を販売。 <利活用の効果> ・250名の雇用の創出 ・市役所本庁機能の移転により、職員や来庁者による周辺への波及効果も図られている。 ・中心市街地5地点の歩行者通行量 H19.10(東急閉店前)・・・・・9,037人 H19.11(東急閉店直後)・・・6,568人 (↓) H20.10 (パラボ開店後)・・・9,227人 (↑)

6F レストラン、映画館 5F 催事場、市議会、 市役所 4F 市役所 3F 紳士服、 インテリア等 2F 婦人服、呉服 1F バスターミナル、 服飾品等 B1F 食品

① ダウンサイジングによる身の丈に合った施設規模の適正化を図った事例

<概要> 【セントポルタビル(大分県大分市)】(旧大分サティ)

・ 大分サティが平成21年3月に閉店し、翌年2月に中心部の通行量調査を行ったところ、前回 調査時より59%減少。 ・ 高齢化する中心市街地で要望の高かった食品スーパーの誘致を目指したが、駅からは近い が大通りからは外れた立地環境等から、既存の施設の広さではテナントを埋めることは困難 であることなどを総合的に判断し、採算の取れる規模として8階建から2階建の建物への減築 (ダウンサイジング)を実施した。

<利活用の効果>

・ 減築をおこなうことで、2階屋上を駐車場として活用できたことにより、 中心市街地に駐車場を確保できた。 ・ セントポルタビル前地点歩行者通行量(前面街路における金土日3日間平均) H20.2(サティ閉店前) 9,036人 H21.2(サティ閉店後) 3,724人 (↓) H22.2(ビル開業後) 7,274人 (↑)

RF 屋上駐車場 2F 歯科医院、 学習塾、託児所 1F 食品スーパー (トキハインダストリー) BF 駐輪場(1,000台)

56

(4)自治体の取組の状況

57

①自治体における広域的な商業政策の取組状況

・まちの外縁の拡大防止に当たっては、市域を越えた広域的な取組が重要だ が、都道府県、市町村ともに、広域的な取組の動きはあまり進んでいない。

出典: 平成23年3月「中小商業の現状と課題の分析及び対応の可能性に関する調査研究事業」(中小企業庁)

※ 47都道府県の産業振興関係部署またはまちづくり関係部署にアンケート調査

61.9

61.9

38.1

9.5

23.8

0.0 50.0 100.0

商業振興の取り組みに積極的な市区

町村、特徴ある取組を行っている市区

町村への支援に注力していく

市区町村の商業振興施策に対して可

能な支援を行っていく

「買い物弱者」対策等社会的インフラと

しての商業機能の維持を図っていく

大型店の出店規制等による商機能の

市区町村間調整により、適正な商圏形

成を図っていく

その他

% (n=42)

61.0

46.6

36.8

34.7

28.3

15.2

10.4

7.3

4.9

4.7

3.9

3.6

1.4

10.0

7.3

0.0 20.0 40.0 60.0 80.0

商業活動への補助金の交付

地元商業者への融資

空き店舗の活用支援

地元団体との連携

地元商業者との連携

「買い物弱者」対策

買い物動向調査等商圏の把握や分析

広報活動強化への支援

大型店の誘致

まちづくり条例の制定

空き地・空き店舗の地権者対策

大型店の規制

大型店出店に際して近隣市町村との広域調整

その他

無回答

% (n=1,235)

※ 1,750市区町村(東京都特別区23区含む)の産業振興関係部署またはまちづくり関係部署に アンケート調査。

【都道府県における広域調整、広域商圏への取組状況】 【市区町村における広域調整、広域商圏への取組状況】

58

②都道府県における広域的な商業政策の取組状況

・6割を超える道府県が広域商圏の把握・分析にかかせない買い物動向調査 等を定期的に実施しているものの、「広域調整の基礎資料として活用」している道府県は半数弱。

【商圏の調査・分析の実施状況】

61.9

38.1 行っている

行っていない

(n=42)

【商圏調査・分析結果の活用状況】

出典: 平成23年3月「中小商業の現状と課題の分析及び対応の可能性に関する調査研究事業」(中小企業庁)

84.6

46.2

7.7

11.5

0.0 50.0 100.0

統計情報として広く公開

広域調整の実施にあたっての基礎資料

市区町村の商業振興策に対する助言の

基礎資料

その他

(n=42) %

※ 47都道府県の産業振興関係部署またはまちづくり関係部署にアンケート調査

59