アカデミア発創薬を目指して -...

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http://www.ect.med.osaka-u.ac.jp/ 2013年3月9日 治験推進地域連絡会議 大阪大学大学院医学系研究科 早期・探索的臨床試験拠点 循環器内科学 赤澤 宏 Hiroshi AKAZAWA http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/cardiology/ アカデミア発創薬を目指して

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Page 1: アカデミア発創薬を目指して - Med日本発のシーズであるにもかかわらず、欧米での臨床試験・開発が先行し、日本の患者がその恩恵 を受けるのが欧米より遅れている

http://www.ect.med.osaka-u.ac.jp/

2013年3月9日 治験推進地域連絡会議

大阪大学大学院医学系研究科 早期・探索的臨床試験拠点 循環器内科学

赤澤 宏 Hiroshi AKAZAWA

http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/cardiology/

アカデミア発創薬を目指して

Page 2: アカデミア発創薬を目指して - Med日本発のシーズであるにもかかわらず、欧米での臨床試験・開発が先行し、日本の患者がその恩恵 を受けるのが欧米より遅れている

3. アカデミア発創薬の課題について

1. 早期・探索的臨床試験拠点整備事業について

2. 大阪大学拠点の活動について

Page 3: アカデミア発創薬を目指して - Med日本発のシーズであるにもかかわらず、欧米での臨床試験・開発が先行し、日本の患者がその恩恵 を受けるのが欧米より遅れている

教育

研究 臨床

トランスレーショナルリサーチ アカデミアの役割

From Bed to Bench

From Bench to Bedside

Page 4: アカデミア発創薬を目指して - Med日本発のシーズであるにもかかわらず、欧米での臨床試験・開発が先行し、日本の患者がその恩恵 を受けるのが欧米より遅れている

トランスレーショナルリサーチの問題点

基礎研究 臨床研究 一般医療への応用

新産業の創出

魔の川 死の谷

時系列的研究開発体制で時間がかかりすぎる

成功確率が低く、経費がかかりすぎる

臨床研究者でさえ、論文発表で満足してしまう

費用対効果や産業化の視点が乏しく、出口まで到達しない

薬事規制に不慣れ、目利きが必要

Page 5: アカデミア発創薬を目指して - Med日本発のシーズであるにもかかわらず、欧米での臨床試験・開発が先行し、日本の患者がその恩恵 を受けるのが欧米より遅れている

日本発のシーズであるにもかかわらず、欧米での臨床試験・開発が先行し、日本の患者がその恩恵を受けるのが欧米より遅れている → 患者・国民の理解が得られない

欧米の開発が先行し、日本の承認が遅れたことにより、日本での開発経費が余計にかかった例が報告されている → 薬価が高くなり国民の負担が増加

日本で上市が遅れる理由

医薬品・医療機器開発の問題点

M/標準

M/標準

M/標準

M/標準

M/標準

停滞 着手 進行 承認申請 承認審査 治験前の 開発停滞

治験着手 の遅れ

治験進行 の遅れ

承認申請 の遅れ

承認審査 の遅れなど

17

1 2

0

8

未承認薬使用問題検討会議において検討され、早期に国内に導入されることが望ましいと指摘を受けた30品目のうち、日本で開発に着手された23品目について開発企業に調査

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M/標準

M/標準

M/標準

M/標準

M/標準

M/標準

M/標準

M/標準

M/標準

M/標準

M/標準

M/標準

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15

わが国における創薬の状況は?

1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 年

治験届出数 初回届出数 治験届出数

初回治験届出数

新GCP公布

新GCP完全施行 外国臨床データ受入拡大

全国治験活性化 3カ年計画 (1年延長)

新たな 治験活性化 5カ年計画 (進行中)

治験の空洞化

治験届出数の推移(医薬品)

616

553

722

500

406 391

463

424 438

361

414

497 504 530

495

95

71

54 52

63

43

60 60 56

96 105 107 109

119 121

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0

20

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80

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160

M/標準

M/標準

M/標準

M/標準

M/標準

M/標準

M/標準

M/標準

M/標準

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15

わが国における創薬の状況は?

1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 年

治験届出数

治験届出数

医師主導治験届出数

新GCP公布

新GCP完全施行 外国臨床データ受入拡大

全国治験活性化 3カ年計画 (1年延長)

新たな 治験活性化 5カ年計画 (進行中)

医師主導治験の実施状況(医薬品) 医師主導 治験届出数

薬事法改正による 医師主導治験の導入

5 6 5

14 14

8 6

0

20

40

616

553

722

500

406 391

463

424 438

361

414

497 504 530

495

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M/標準

M/標準

M/標準

M/標準

M/標準

M/標準

M/標準

M/標準

USA Japan UK Germany Switzerland France Europe Canada OthersUSA Japan UK Germany Switzerland France Other European

Canada & Australia

Others

Allocation of the 252 new drugs approved by US FDA between 1998 and 2007

Num

ber

of

whole

dru

g equ

ival

ent

s

117.6

23.0 22.8 21.4

13.1 12.1

28.7

6.8 6.1

大手製薬メーカー

中小製薬メーカー

大学発、製薬メーカーへ

大学発、異なる地域のバイオ企業へ

大学発/バイオ企業発、同じ地域のバイオ企業へ

VOLUME 9│NOVEMBER 2010│

Page 9: アカデミア発創薬を目指して - Med日本発のシーズであるにもかかわらず、欧米での臨床試験・開発が先行し、日本の患者がその恩恵 を受けるのが欧米より遅れている

日本発のシーズであるにもかかわらず、欧米での臨床試験・開発が先行し、日本の患者がその恩恵を受けるのが欧米より遅れている → 患者・国民の理解が得られない

欧米の開発が先行し、日本の承認が遅れたことにより、日本での開発経費が余計にかかった例が報告されている → 薬価が高くなり国民の負担が増加

医薬品・医療機器開発の問題点

Page 10: アカデミア発創薬を目指して - Med日本発のシーズであるにもかかわらず、欧米での臨床試験・開発が先行し、日本の患者がその恩恵 を受けるのが欧米より遅れている

シーズの発見 前臨床試験 大規模臨床試験 ・早期・探索試験 ・First in Human試験

大学・研究所 ベンチャー企業

製薬企業 医療機器企業

大学・研究所 試験受託機関

製薬企業 医療機器企業

医療機関 (単〜数施設)

医療機関 (多施設)

・新規薬物の発見・改良

・新規医療機器の開発

・既存医療機器の改良

・製品の品質確保・製造

・動物試験による有効性の

確認

・動物試験による安全性の

確認

・少数の健康人/患者への

投与による安全性の確認

・少数の患者への投与によ

る有効性の確認

・多数患者への投与による

用法・用量の設定

・多数の患者への投与によ

る有効性・安全性の検証

この体制を強化することにより、日本発シーズの臨床試験が国内で 先行して行われ、早期承認につながることを目指す

日本初の革新的な医薬品・医療機器を創出するためには、わが国の基礎研究成果(シーズ)によ

る薬物・機器について、世界に先駆けてヒトに初めて投与・使用する臨床試験の実施体制を国内

に整備する必要がある。

早期・探索的臨床試験拠点整備事業

Page 11: アカデミア発創薬を目指して - Med日本発のシーズであるにもかかわらず、欧米での臨床試験・開発が先行し、日本の患者がその恩恵 を受けるのが欧米より遅れている

世界に先駆けて臨床試験を実施し、日本発の革新的な医薬品・医療機器を創出する

早期・探索的臨床試験拠点整備事業

概要

企業。研究機関が有する日本発の新規薬物・機器の早期・探索的な臨床試験を実施可能となるよ

うインフラを整備する予定の医療機関に対して(「がん」、「神経・精神疾患領域」、「脳・心血管領域

(医療機器)」等を重点分野として公募し、5カ所支援)、

日本初の有望なシーズを評価し、日本発の革新的新薬等を世界に先駆けて創出するために、

早期・探索的臨床試験の実施に必要な体制の整備を行う。

実施医療機関の体制整備費と、個別の具体的な研究費を連動させることにより、迅速な実用化を

図る。

整備費 5億円程度/年/機関 5カ所(5年継続)

研究費 * 1.5億円程度/年/課題 5課題(5年継続) * 開発企業がなく、医師主導治験を実施する場合

基礎研究 非臨床 早期・探索的臨床試験 後期開発 実用化

この段階を支援

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日本初の革新的な医薬品・医療機器の創出を目的に、

世界に先駆けて

ヒトに初めて新規薬物・機器を投与・使用する臨床試験の拠点として

「早期・探索的臨床試験拠点」を整備する事業

① 医薬品/がん分野 国立がん研究センター東病院

② 医薬品/脳・心血管分野 大阪大学医学部附属病院

③ 医療機器/脳・心血管分野 国立循環器病研究センター

④ 医薬品/精神・神経分野 東京大学医学部附属病院

⑤ 医薬品/免疫難病分野 慶應義塾大学病院

厚生労働省 早期・探索的臨床試験拠点整備事業

Page 13: アカデミア発創薬を目指して - Med日本発のシーズであるにもかかわらず、欧米での臨床試験・開発が先行し、日本の患者がその恩恵 を受けるのが欧米より遅れている

3. アカデミア発創薬の課題について

1. 早期・探索的臨床試験拠点整備事業について

2. 大阪大学拠点の活動について

Page 14: アカデミア発創薬を目指して - Med日本発のシーズであるにもかかわらず、欧米での臨床試験・開発が先行し、日本の患者がその恩恵 を受けるのが欧米より遅れている

“心不全”は社会的問題

患者数が多く、今後さらに増加

米国の成人有病者は570万人(2006年)、

毎年29.2万人が死亡(2005年)

高齢者に多く、

米国では65歳以上では10人/1000人が罹患

生活習慣の欧米化と高齢化にともない、

わが国でも患者数が増加

薬物療法、心臓カテーテル治療、外科手術、循環補助装置、心移植など

高額な医療費

米国では372億ドル(2009年)

= 約2.9兆円($1 = 78.4円)

米国心臓病学会による 心臓病と脳卒中に関する統計

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“心不全”は社会的問題

予後が極めて不良

0 1 2 3 4 5(年) 0 1 2 3 4 5(年)

0

50

100

(%)

0

50

100

(%)

肺癌 (Stage ⅢA)

胃癌 (Stage Ⅲ)

乳癌 (Stage ⅢA)

結腸癌 (Dukes C)

NYHA Ⅳ度 1)

(CONSENSUS プラセボ群)

NYHA Ⅱ-Ⅲ度 2)

(SOLVD-T プラセボ群)

NYHA Ⅰ-Ⅱ度 3)

(SOLVD-P プラセボ群)

ガン死亡率

国立がんセンターホームページより引用 1)N. Engl. J. Med., 316, 1429-1435, 1987. 2)N. Engl. J. Med., 325, 293-302, 1991. 3)N. Engl. J. Med., 327, 685-691, 1992.

慢性心不全死亡率

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トヨペット クラウンRSD型 (1955年)

トヨタ プリウス (1997年)

“心不全”の予後は、どの程度良くなったのか?

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世界的にも急務とされる脳・心血管領域におけるアンメットニーズに対

応する創薬拠点形成

総合大学として薬学系/工学系等の研究科はもとより、アカデミアや製

薬メーカーとの連携により、シーズ探索から臨床応用への共同開発や

橋渡し研究を行う創薬基盤を形成

被験者保護に万全の配慮を行う早期・探索的臨床試験

PMDAとの連携によるレギュラトリーサイエンスの推進

基本理念

世界競争力の高い医薬品等を創出し、医療イノベーションを興す

くすりのまち“道修町の復活”

拠点整備の目的

Page 18: アカデミア発創薬を目指して - Med日本発のシーズであるにもかかわらず、欧米での臨床試験・開発が先行し、日本の患者がその恩恵 を受けるのが欧米より遅れている

道修町に本社のある主な製薬会社: 塩野義製薬、田辺三菱製薬、武田薬品工業、大日本住友製薬、小林製薬、 カイゲン、扶桑薬品工業、丸善薬品産業、和光純薬工業

道修町にオフィスのある主な製薬会社: 第一三共、小野薬品工業、大鵬薬品工業、興和創薬、日本新薬、日本製薬 エビス薬品、日新化成、ニプロファーマ、富士化学工業、など約40社

道修町(どしょうまち)とは・・・

13/01/20 18 :37大阪府大阪中央区道修町 - Goog le マッ プ

1/1 ページhttp s://m aps.g oog le.co . jp/m aps?f= q&source= s_ q&h l= ja&g eocode= &q…spn= 0 .027489 ,0 .043044&t= m &z= 15&ei= TLr7ULDwNIWOkg W2sIHIBA&pw= 2

住所 大阪府大阪中央区道修町

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享保7年(1722年)八代将軍徳川吉宗の時代、薬種仲買仲間124軒が株仲間として幕府から公認されたのが、“くすりの町・道修町”の始まり。 当時、薬種の原料は国産と輸入の草根木皮で見分けるのが非常に難しく、知識をもつ薬種仲買仲間の検査が必要だったこともあり、幕府が彼らに対して全国への薬種供給の権限を与えたという。 明治時代になると、株仲間は道修町に新設された現在の大阪大学薬学部の前身である「大阪薬学校」で西洋医学の勉強も始めた。現在も周辺には日本を代表する製薬会社の本社ビルなどが集結し、新しい薬の開発や研究を行っている。

道修町(どしょうまち)とは・・・

Page 20: アカデミア発創薬を目指して - Med日本発のシーズであるにもかかわらず、欧米での臨床試験・開発が先行し、日本の患者がその恩恵 を受けるのが欧米より遅れている

大阪大学の実績

脳/心血管領域に豊富なシーズをもち、低分子化合物、核酸医薬や抗体医薬、生物

系製剤、医療機器の開発を推進

ハートセンターを中心として心臓移植、人工心臓などの高度な医療や心筋シートなど

のFirst in human試験/探索的臨床研究や治験・国際共同治験など、国内トップクラス

の脳/心血管領域の臨床研究実績

文科省TR拠点事業で、支援シーズの医師主導治験の実施とその体制強化

日本トップの救急医療体制/集中治療体制の完備した被験者保護に万全の体制を取

る特定機能病院

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非臨床試験

治験体制強化 スピードアップ、コストダウン

より多くのシーズを患者の元へ

企業シーズ

シーズ発掘

アカデミアシーズ

ベンチャー企業

企 業 シーズ探索 MEIセンター (医工情報連携センター)

(独)医薬品医療機器総合機構

マイクロドーズ 試験

早期探索的臨床試験PET-CT室

標識化合物製

造GMP化

“マイクロド―スラボ”

薬事戦略相談

•シーズ探索・特許戦略部 •プロジェクトマネジメント部 •規制科学部 •連携推進部 •広報情報部 •GMP院内製造部 •臨床研究支援管理部

監査 学内設置または

外部機関と連携設置

産学連携本部

西日本TR拠点ネットワーク (ACT west)

大阪大学中心・全18施設 検体バンク、組織バンク

Phase I 大規模

臨床試験

承 認

Ⅲ Ⅱ

First in

Human強化

脳・心血管領域医療研究開発拠点

知財戦略

被験者相談室

阪大適塾TLO (仮称)

医薬基盤研究所

生物統計

登録・割付

データマネジメント

システム管理・ データベース構築

データ センター

未来医療センター

支援部門 CRC

知財、規制科学 GMP製造

広報情報部門

教育人材育成部門

実施部門 TR・臨床研究担当

治験担当

未来医療開発部

大阪大学医学部附属病院

人事交流/人材育成

実施体制

Page 22: アカデミア発創薬を目指して - Med日本発のシーズであるにもかかわらず、欧米での臨床試験・開発が先行し、日本の患者がその恩恵 を受けるのが欧米より遅れている

新規薬剤のPET-マイクロドーズ臨床試験を、

PET薬剤の製造~投与~評価まで

①サイクロトロンを用いた ポジトロン放出核種の製造

②同核種による標識薬剤の合成 PET薬剤の製造・管理

③被験者への投与

11C 薬 11C

⑤検査の実施

⑥画像化し、評価

④被験者の管理

一連の業務を院内で行います

治験薬GMP基準

PET-マイクロドーズ臨床試験の概要

PET-マイクロドーズ臨床試験の概要

● 新規薬剤のPET-マイクロドーズ臨床試験を、PET薬剤の製 ~投与~評価まで

①サイクロトロンを用いた ポジトロン

②同核種による標識薬剤の合成   PET薬剤の製 ・管理 

 ③被験者への投与

11C 薬

11C

⑤検査の実施

⑥画像化し、評価

④被験者の管理

一連の業務を院内で行います

治験薬GMP基準

Page 23: アカデミア発創薬を目指して - Med日本発のシーズであるにもかかわらず、欧米での臨床試験・開発が先行し、日本の患者がその恩恵 を受けるのが欧米より遅れている

非臨床試験 臨床試験

第Ⅰ相試験 第Ⅱ相試験 第Ⅲ相試験

審査・ 承認

通常の医薬品開発の過程

非臨床試験

臨床試験 第Ⅰ相試験 第Ⅱ相試験 第Ⅲ相試験

審査・ 承認

MD 臨床試験

マイクロドーズ臨床試験を加えた医薬品開発の過程

非臨床試験 での

順位付け

候補A

候補B

候補C

候補D

候補A

候補B

候補C

候補D

候補A

候補B

候補C

候補D

臨床試験は不要

優先順位の変更

優先順位に従い、候補Aから順番に臨床試験をおこなうものの、候補B、候補Cでも失敗。 最終的に候補Dで成功。(15年ほどかかる)

MD試験の結果から優先順位を変更し、候補Dから臨床試験を開始し、成功。 候補C、A,Bの臨床試験は不要。

マイクロドーズ(MD)臨床試験を活用した臨床開発

Page 24: アカデミア発創薬を目指して - Med日本発のシーズであるにもかかわらず、欧米での臨床試験・開発が先行し、日本の患者がその恩恵 を受けるのが欧米より遅れている

目的 H23 H24 H25 H26 H27

シーズ探索

知的財産

試験物品質管理

看護部薬剤部との協力

臨床研究/連携体制

PMDAとの連携

教育・啓発・広報

シーズ特許探索戦略部の整備 PETマイクロドーズ臨床試験体制整備と実施

阪大適塾TLO(仮称)設置による知財管理強化

GMP院内製剤部門による製剤化と品質管理

ICH-GCPによる臨床研究 被験者保護緊急体制 被験者相談室 FIH/POC連携病院ネットワーク データーセンター強化 中央倫理審査委員会 事務局一本化 監査設置 連携推進部設置

薬事戦略相談 PMDAとの人事交流 規制科学部設置

CRC/ ME増員、臨床薬理部門

人材育成 広報情報部設置 シンポジウム開催 ホームページ設置

拠点形成のタイムライン

Page 25: アカデミア発創薬を目指して - Med日本発のシーズであるにもかかわらず、欧米での臨床試験・開発が先行し、日本の患者がその恩恵 を受けるのが欧米より遅れている

拠点長:医学系研究科長

大阪大学 早期・探索的臨床試験拠点

拠点運営委員会

拠点長会議

拠点実務者会議

臨床開発部門 事務管理部門 臨床試験部門

臨床試験実施チーム (CRC、モニター、逸脱・有害事象等対応、総括報告書作成)

臨床開発支援チーム (薬事戦略、対面助言、臨床試験立案、倫理審査・中央審査対応)

データセンター

医療情報部

核医学

未来医療開発部

未来医療センター

放射線部核医学検査室 PETマイクロドーズ試験

施設

医学系 研究科

医学部 附属病院

拠点戦略会議

Page 26: アカデミア発創薬を目指して - Med日本発のシーズであるにもかかわらず、欧米での臨床試験・開発が先行し、日本の患者がその恩恵 を受けるのが欧米より遅れている

早期・探索臨床試験実施拠点におけるプロジェクト管理体制

拠点事務局

拠点事務局

重点シーズ1

PL(プロジェクト・リーダー)

規制科学WG

重点シーズ2

PL(プロジェクト・リーダー)

・・・ 重点シー

ズ6

PL(プロジェクト・リーダー)

運営委員会 戦略会議

プロジェクト マネージメントチーム

定期的な進捗確認、 新たな重点シーズへの抽出等

シーズ会議

サポーター

進捗管理・評価・選別等 治験実務・薬事支援

シーズWG

Page 27: アカデミア発創薬を目指して - Med日本発のシーズであるにもかかわらず、欧米での臨床試験・開発が先行し、日本の患者がその恩恵 を受けるのが欧米より遅れている

早期・探索臨床試験実施拠点におけるプロジェクト管理体制

Early Development Plan (EDP)の作成

Needs

Market

Developmental hypothesis

Product information

Developmental strategy

(Endpoit, Go-No Go decision, Developmental issues)

Tactics

Timeline

Document Review Committee (DRC)による評価

Possibility of success (POS)

Critical issues

Budget

臨床、臨床薬理、ADME、CMC (Chemistry, Manufacturing and Control)、 薬事、統計を専門とするメンバーによる評価

Page 28: アカデミア発創薬を目指して - Med日本発のシーズであるにもかかわらず、欧米での臨床試験・開発が先行し、日本の患者がその恩恵 を受けるのが欧米より遅れている

研究シーズ

1. 骨髄間葉系細胞血中動員因子を利用した脳・心血管疾患治療

2. 血管新生作用を有する新規ペプチドの虚血性潰瘍への応用

3. 重症心不全に対するアフェレーシス治療およびバイオマーカーの探索

4. 劇症型心筋炎選択的ドラッグデリバリーシステムによる心不全治療薬

5. 生体内で自己組織の再生を促すセルフリー型再生デバイスによる心筋再生療法

6. 炎症性疾患の新規活動性血清因子の虚血性心疾患治療への臨床応用

重点研究シーズ

その他の開発シーズ

9種類 + 新規に5種類(大阪大学、先端医療センター)など

対象疾患:末梢循環不全性皮膚潰瘍

対象疾患:難治性皮膚潰瘍

対象疾患:拡張型心筋症

対象疾患:劇症型心筋炎

対象疾患:虚血性心筋症、拡張型心筋症

対象疾患:虚血性心筋症

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研究シーズ

1. 骨髄間葉系細胞血中動員因子を利用した脳・心血管疾患治療

2. 血管新生作用を有する新規ペプチドの虚血性潰瘍への応用

3. 重症心不全に対するアフェレーシス治療およびバイオマーカーの探索

4. 劇症型心筋炎選択的ドラッグデリバリーシステムによる心不全治療薬

5. 生体内で自己組織の再生を促すセルフリー型再生デバイスによる心筋再生療法

6. 炎症性疾患の新規活動性血清因子の虚血性心疾患治療への臨床応用

重点研究シーズ

ロードマップ H23 H24 H25 H26 H27

POC試験 FIH試験

ロードマップ H23 H24 H25 H26 H27

ロードマップ H23 H24 H25 H26 H27

ロードマップ H23 H24 H25 H26 H27

POC試験 FIH試験 非臨床試験

ロードマップ H23 H24 H25 H26 H27

FIH試験 非臨床試験

ロードマップ H23 H24 H25 H26 H27

FIH試験 非臨床試験

非臨床試験 プロトコール 作成

治験(第III相)(企業主導) ~H28年9月まで継続

承認申請予定

(H29年2四半期)

POC試験 FIH試験 非臨床試験 プロトコール 作成

治験(第III相)(企業主導)

承認申請予定

(H28年2四半期)

POC試験 FIH試験 非臨床試験 治験(第III相)(企業主導)

承認申請予定

(H27年4四半期)

承認申請予定

(H30年4四半期)

POC試験 治験(第III相)(企業主導) ~H28年12月まで継続

承認申請予定

(H29年4四半期)

POC試験

承認申請予定

(H31年4四半期)

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Page 31: アカデミア発創薬を目指して - Med日本発のシーズであるにもかかわらず、欧米での臨床試験・開発が先行し、日本の患者がその恩恵 を受けるのが欧米より遅れている

アカデミア発創薬の課題について

研究者の育成

治験・臨床試験を通じて医療の進歩を目指すことが、医師として求められる

治験・臨床研究の情報公開

治験・臨床試験の意義、必要性、仕組み等について、国民に対してより一層理解を図り、協力を得るための啓発を強化する必要がある

データの信頼度

臨床研究に関する倫理指針 (安全性チェック)

高度医療 (有効性の蓋然性チェック)

GCP基準 (有効性チェック)

臨床研究

臨床試験

治験

有効性? 安全性?

有効性? 安全性○

有効性○ 安全性○ 薬

事承認

臨床研究

Page 32: アカデミア発創薬を目指して - Med日本発のシーズであるにもかかわらず、欧米での臨床試験・開発が先行し、日本の患者がその恩恵 を受けるのが欧米より遅れている

アカデミア発創薬の課題について

開発の流れ

基礎研究(2~3年)

非臨床試験(3~5年)

治験(3~7年)

承認審査(1~2年)

候補シーズの約3万個に1個が最終的に申請・承認

莫大な時間(9~17年)

莫大な必要経費 GMP製剤;数千万円

前臨床試験;4~5億円

Phase 1試験;0.5~1億円

シーズの発掘・開発プラニング

外部資金の調達、知財戦略、マーケティング、出口戦略

事業の継続性

「臨床研究中核病院の整備」:人件費に係る補助率の引下げに取り組むなど抜本的に見直す

行政刷新会議「新仕分け」(平成24年11月17日)

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アカデミア発創薬の課題について

アンメットメディカルニーズは?

稀少疾患

治療の必要性が高いにもかかわらず、患者数が少ないために医薬品としては採

算が取れない

Common disease

施設間・拠点間のコミュニケーション

医療イノベーション・ライフイノベーションの推進

海外への展開、国際共同治験

アカデミア発創薬のためのシステム構築

Academic Research Organization (ARO)

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http://www.ect.med.osaka-u.ac.jp/

皆様、よろしくお願いいたします。