クラウドへの引っ越しを始めた...

2013.6.6 AWS Summit Tokyo 2013

クラウドへの引っ越しを始めたミサワホームの決断

企画管理本部情報システム部長宮本眞一

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本日のアジェンダ

１．弊社のご紹介

２．システム再構築の背景、方向性

３．システム開発概要

４．クラウド利用についての課題

５．ユーザー部門とのかかわり

６．最後に

１．弊社のご紹介

社名ミサワホーム株式会社

設立１９６７年１０月

事業内容戸建住宅の請負、分譲など

本社所在地東京都新宿区西新宿２－４－１

売上高３,９４７億円（２０１３年３月期連結）

営業利益１２４億円（２０１３年３月期連結）

連結子会社数４４社

従業員数９,３０６名（システム利用者数１１,０００名）

上場取引所東証、大証、名証１部上場

主要株主トヨタホーム株式会社

あいおいニッセイ同和損害保険株式会社

１ Copyright（C） 2013 MISAWA HOMES CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

主力業務は一戸建て住宅

グッドデザイン賞２３年連続で受賞

４ Copyright（C） 2013 MISAWA HOMES CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

２．システム再構築の背景、方向性


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システムを巡る状況（２０１０年）

・ Y2K以降、１０年間システム投資を抑制

⇒ 全システムで更新時期到来

・グループ会社単位のＩＴ投資

⇒ システム連携弱い、重複投資による無駄

・個人情報漏えい・サイバー攻撃等が話題

⇒ セキュリティ強化が急務

システム整備プロジェクト発足

◆ 経営層からの要請

・事業ポートフォリオ多様化へのシステム支援

・コンプライアンス強化 → システム対応

・間接業務のシェアードサービス化による販管費削減

◆ PJとして掲げたテーマ

・グループ内のシステム一元化/総コスト低減

・コストの変動費化とアウトソーシング拡大

・コンシューマIT取込、モバイル対応

ユーザー部門＋システム部門の混成ＰＪ ⇒ グループ全体のＩＴ戦略を策定


１．スピード

２．柔軟性／拡張性

３．可用性

システム構築で重視した点

※システム再構築は千載一遇のチャンス「周回遅れからトップランナーへ」


クラウド積極活用

１．ハードウェア調達不要

２．機器構成、規模の可変性

３．堅牢なデータセンター設備

⇒ ３年間で再構築にメド

⇒ ニーズへの柔軟対応

⇒ ＢＣＰ

３．システム開発概要


１．グループウェア／メール

２．販売店業務管理

３．顧客管理（営業支援ＳＦＡ）

４．人事情報システム／ＩＤ一元管理

５．ワークフロー（電子承認）

６．仮想デスクトップ（シンクライアント）

７．イメージデータ/文書管理システム

８．ＢＩ

９．グループ統一会計（2013.8予定）

10．受発注・在庫（2014.5予定）

システム一覧


★

すべてクラウド上で稼動

★

★


グループウェア一元化

各社バラバラのシステム ⇒ Google Appsで全社対応

メールシステム

（従来）サーバー自社運営＋ Outlook Express ■ クラウド型ｗｅｂメール導入（Ｇｍａｉｌ） ⅰ.セキュリティ ⅱ.モバイル ⅲ.運用アウトソーシング ⅳ. ＢＣＰ

※ ＧｏｏｇｌｅＰＷのユーザー“非公開” ⇒ ユーザーは設定変更不可

ＳＳＯサーバー（ＡＷＳ）

SSO

ポータルサイト（ＧｏｏｇｅＡｐｐEngine）メール（Ｇｍａｉｌ）


■ セキュア機能追加・暗号化・一時保留・大容量転送・個人情報フィルタリング


顧客管理（営業支援ＳＦＡ）システム

（従前）契約～引渡し～ｱﾌﾀｰﾒﾝﾃﾅﾝｽ：本社一元管理

商談中のお客様情報：各社単位で管理

営業段階

本社システム販

社システム

営業所

営業社員

（目指す姿）全てのお客様情報の本社一元管理

ご契約

契約・建設／お引渡し・AM

営業段階～契約・建設～お引渡し～AM ⇒ 従来の数十倍のデータ量

販売会社ごとに管理本社が一括管理


顧客管理システム構築の課題

１．ユーザー数、稼働率が見通せない

・計画上は、当初500名程度 ⇒ （H26）3,000名

２．サービス開始後のシステム変更の可能性

・グループ初の本格的なSFA導入

⇒ 試行錯誤は不可避

「ミニマムスタート」＋「スピード展開」

クラウド活用で柔軟な対応を目指す

人事／ＩＤ管理システム

（従来）・各社単位で人事管理・システム毎にＩＤ管理 ⇒ 工数増、登録／削除漏れ

（一元化）・グループ共通社員番号（ＭＧマイナンバー）・ＩＤ管理の一元化・申請業務のワークフロー化

会計システム

受発注システム

メールシステム

ポータルサイト

ＢＩツール

顧客管理ｼｽﾃﾑ

販売店管理ｼｽﾃﾑ

各社人事管理ｼｽﾃﾑ

人事管理ｼｽﾃﾑの一元化

統一人事管理ｼｽﾃﾑ


ＣＪＫ CIM

電子承認システム

ＩＤ一元管理システム

・ｱｶｳﾝﾄ自動生成

・ﾛｰﾙ/権限管理


人事システム

グループ内のシステム統一を目指したが・・

１．販社の規模が様々（数十名～1,000名超）

人事情報の管理ニーズにばらつき

２．人事給与計算のシェアード化も苦戦

既に多くが外注化され、本社集約のメリット少ない

クラウド＋オフショアＢＰＯ

⇒ シェアードサービス実現


HW過剰スペック

クラウドが有効

STEP 当初第１Ｇ第２Ｇ第３Ｇ第４Ｇ第５Ｇ

社数 2 6 10 23 33 41

1,000名

2,100名

4,100名

6,600名

8,600名

10,000名


「人給シェアード化」スケジュール

2012.6

2014.10

４．クラウド利用についての課題



自社設備とクラウドの比較

比較ポイント自社設備クラウド

初期投資大小

ＨＷ調達期間長短

ランニングコスト固定変動

拡張性困難（比較的）容易

災害対策危／コスト高（比較的）安全

セキュリティやり方次第やり方次第

自社システム構築ｖｓ「プライベートクラウド」（ＩａａＳ，ＰａａＳ）

１．コストダウン効果試算はＳＬＡ次第２．契約形態は事業者によって差が大きいホントにｃｌｏｕｄ？仮想ｻｰﾊﾞｰのﾎｽﾃｨﾝｸﾞ？


当社がＡＷＳを選定した理由

・スケールアップ／ダウンが容易

・基幹システムとの連携が容易

・豊富なセキュリティ機能

・多彩な料金体系

・高い信頼性

・将来性（値下げ実績、新サービス）


コストイメージ

自社設備多くのクラウド

AWS

費用

期間

ＣＰＵ／容量単価だけではなく、料金体系で費用決まる

AWS（計画変更）

←ピーク時対応（ｷｬﾝﾍﾟｰﾝ、SNS・・）


社内）クラウド導入に際しての課題

１．漠然とした不安

・重要な自社データを社外に預けていいのか？・データが無くなっても、補償はないそうだ・ＦＢＩが勝手にｻｰﾊﾞｰを持っていくらしい

⇒ 経営層の理解、他社事例、明確な方針

⇒ システム設定の見直し、目指す情シスの方向性

２．システム部員の抵抗

・外部システムなので、品質・性能を保障できない・オンプレミスの方が安い・自分たちの仕事が無くなる？

正確なシステム理解と合理的な判断


社外）クラウド導入に際しての課題

１．開発ベンダーの対応

・｢当社のパッケージはクラウド上では稼動できません｣・｢仕様がわからないので、稼動検証ができません｣

２．運用体制・手元にないシステムをどうやって運用するのか？・クラウドならではの運用体制とは？

３．その他・契約内容・監査対応（DC見学不可・・）

⇒ クラウド事業者との三者間で不明点を解消

⇒ 実績のある運用会社、新技術：DevOps、Chef･･･

⇒ SOX以外の社内規定、業務ルールの見直し


パッケージベンダーによる運用代行

（社内）

１．漠然とした不安

２．システム部員の抵抗（社外）

１．開発ベンダーの対応

２．運用体制

３．その他

ワークスアプリケーションズ ERPパッケージ：ＣＯＭＰＡＮＹ

Amazon Web Serviceｓ

＋

自動運用管理 ⇒ AWS管理用APIで仮想環境を自動操作

COMPANY on Cloud Managed Service

クラウドについての課題

CCMS

５．ユーザー部門とのかかわり


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ユーザー部門のＩＴ投資

基幹系システムの硬直性が嫌われ、各部門が積極的に独自にIT投資 ⇒ システム部門は“黙認”


生産･調達オフショアＢＰＯ

ＣＡＤ営業プレゼン

顧客ＤＢ CRM/ｺｰﾙｾﾝﾀｰ

システム部門ユーザー部門

コンシューマーＩＴ

タブレット活用

IT投資抑制の時期にも、ユーザー部門投資は拡大

システム部門も全体を把握できず

スクラッチ開発オンプレミス

資産計上

クラウドアウトソーシング

費用計上

ブレーキをかけることは不可能

ユーザー部門と創る開発PJ

会計システムの当初のPJ名｢Ａ-MACH（システム名）再構築PJ｣・開発言語（４GL:Forte)の保守期限終了に伴うシステム再構築・業務効率化、IFRS対応等、部門ニーズをヒアリング


新PJ名「MG統一会計PJ」 MG:ﾐｻﾜﾎｰﾑｸﾞﾙｰﾌﾟ

・グループ全体の業務効率化・経営情報の可視化・財務戦略の高度化

「ITプロジェクト」ではなく、「ビジネスプロジェクト」

PJ目的に合致したパッケージ製品をリストアップ

ユーザー視点で製品を評価、選定

クラウド環境での稼動を決定

稼動後の運用体制、データ移行手順を検討

情シス

ﾕｰｻﾞｰ

情シス

ﾕｰｻﾞｰ情シス

１．ユーザー部門を巻き込む

情シスがブレーキをかけても無駄、一緒にビジネス付加価値を

創造する ⇒ ユーザーに負けないスピードが求められる

２．クラウド/パッケージ活用こそ情シスの役割

スクラッチ開発の方が実は楽、

情シスの腕前はむしろパブリックサービスでこそ求められる

３．フロントオフィスのイノベーションに乗り出すマーケティング部門等、フロントオフィス業務にこそＩＴの腕の見せ所があるはず ⇒ 優秀なIT人材をフロントに投入


目指す方向性

クラウドは“情シス飛躍”の強力な武器になる

１）クラウド活用のリスクとは？


６．最後に

・クラウドを使わないリスクを考える

・計画未達成リスクより大きなリスクはない

２）ユーザー部門とのパートナーシップ構築のためには

まず、ＩＴ部門自身のパワーアップが必要

「受身」｢御用聞き｣ ⇒ ｢対等なパートナー｣

ﾊﾟﾜｰに大きな差がある当事者間に、真のﾊﾟｰﾄﾅｰｼｯﾌﾟは形成されない

ありがとうございました。

ミサワホームはおかげさまで創立 4 5 周年 .

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