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89 中国のアフリカ進出について(3) —アンゴラモデルのケーススタディ— ロンドン事務所 副所長 小嶋 吉広 1. はじめに 前回は中国-アフリカ関係の現状について報告したので、シリーズ第3回目の今回はアンゴラとDRCコンゴを例と して取り上げ、中国の進出の方法についてケーススタディを行う。 中国がアフリカに対し資源を担保にした資金支援を展開していること、そしてその淵源は実は日本が戦後、インド や東南アジアに対し供与した資金支援であることは第1回(金属資源レポート, Vol.42, No.2)で紹介したところである。 このような資源を担保にした資金支援を中国はアンゴラに対し2004年に大規模に行ったことから、研究者の間ではこ の方式をアンゴラモデル(又は「アンゴラ方式(Angola Mode)」)と呼ぶことが多い。本稿ではまず、アンゴラに対しど のような方法で資金支援がなされたのかケーススタディとして取り上げ、後半では、DRCコンゴへの資金供与につ いても分析を行ってみたい。 2. ケーススタディ①:アンゴラ (1)経済関係の現状 最初に、現在のアンゴラと中国の経済的繋がりを原 油輸出の観点から見てみたい。図1はアンゴラの原油 輸出先を示したものである。アンゴラの原油の輸出先 第1位は中国であり、45%を輸出している。次いで米 国に対し23%を輸出しており、アンゴラ産の原油の実 に2/3は中国と米国に輸出されていることがわかる。 アンゴラは米中のエネルギー供給にとって重要な供給 ソースであり、平野 1 はこの事実を「アンゴラは、アフ リカにおける米中の結節点」と形容している。 次に中国の原油輸入先について見てみる。中国は 1993年に原油の純輸入国になって以降、原油の輸入を 拡大させている。図2は中国の原油輸入先を示してお り、中国にとってアンゴラはサウジアラビアに次いで 第2位の原油輸入相手国となっている。中国のエネル ギー安全保障上、アンゴラは重要な位置を占めている と言えよう。 (2)背景 アンゴラは1975年にポルトガルから独立したが、す ぐに内戦に突入し、2002年に内戦が終結した。内戦に より国内のインフラが徹底的に破壊され、復興資金と して100億US$規模の資金ニーズが発生した。アンゴ ラ政府は世銀やIMFに対し開発資金として譲許性の高 い資金の提供を要望したが、世銀/IMFはアンゴラに 対し、まずはガバナンス向上や財政健全化の達成を条 件(コンディショナリティ)として課すほか、石油収入 の一部が使途不明となっていることを指摘し 2 、国営 石油公社SONANGOLの資金透明性を向上させること も要求した。 アンゴラ政府は、内戦時代から戦費調達等の目的か ら対外借り入れを行っていたため、内戦終結時点で対 外債務が膨れ上がっていた。2005年時点の対外債務額 は89億US$であり、内訳はパリクラブ債権が34億US $、パリクラブ以外の債権が21億US$(ブラジルによ 1 平野克己(2009) 「アフリカ問題 開発と援助の世界史」、日本評論社、p.222 2 世銀によれば、2002年時点で約10億US$の収支ギャップが発生しているとしている。World Bank (2005) 「Angola Public Expenditure Management and Financial Accountability」、p.11 図1. アンゴラの原油輸出先(2010年) (出典:EIA(米国エネルギー省エネルギー情報局)) 図2. 中国の原油輸入先(2010年) (出典:「南部スーダン独立と石油開発の行方」 JOGMEC 石油・天然ガス情報(2011年3月3日号)) 4532012.11 金属資源レポート

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中国のアフリカ進出について(3)—アンゴラモデルのケーススタディ—

 ロンドン事務所

副所長 小嶋 吉広

1. はじめに前回は中国-アフリカ関係の現状について報告したので、シリーズ第3回目の今回はアンゴラとDRCコンゴを例として取り上げ、中国の進出の方法についてケーススタディを行う。中国がアフリカに対し資源を担保にした資金支援を展開していること、そしてその淵源は実は日本が戦後、インドや東南アジアに対し供与した資金支援であることは第1回(金属資源レポート, Vol.42, No.2)で紹介したところである。このような資源を担保にした資金支援を中国はアンゴラに対し2004年に大規模に行ったことから、研究者の間ではこの方式をアンゴラモデル(又は「アンゴラ方式(Angola Mode)」)と呼ぶことが多い。本稿ではまず、アンゴラに対しどのような方法で資金支援がなされたのかケーススタディとして取り上げ、後半では、DRCコンゴへの資金供与についても分析を行ってみたい。

2. ケーススタディ①:アンゴラ(1)経済関係の現状最初に、現在のアンゴラと中国の経済的繋がりを原油輸出の観点から見てみたい。図1はアンゴラの原油輸出先を示したものである。アンゴラの原油の輸出先第1位は中国であり、45%を輸出している。次いで米国に対し23%を輸出しており、アンゴラ産の原油の実に2/3は中国と米国に輸出されていることがわかる。アンゴラは米中のエネルギー供給にとって重要な供給ソースであり、平野1はこの事実を「アンゴラは、アフリカにおける米中の結節点」と形容している。

次に中国の原油輸入先について見てみる。中国は1993年に原油の純輸入国になって以降、原油の輸入を拡大させている。図2は中国の原油輸入先を示しており、中国にとってアンゴラはサウジアラビアに次いで第2位の原油輸入相手国となっている。中国のエネルギー安全保障上、アンゴラは重要な位置を占めていると言えよう。

(2)背景アンゴラは1975年にポルトガルから独立したが、すぐに内戦に突入し、2002年に内戦が終結した。内戦により国内のインフラが徹底的に破壊され、復興資金として100億US$規模の資金ニーズが発生した。アンゴラ政府は世銀やIMFに対し開発資金として譲許性の高い資金の提供を要望したが、世銀/IMFはアンゴラに対し、まずはガバナンス向上や財政健全化の達成を条件(コンディショナリティ)として課すほか、石油収入の一部が使途不明となっていることを指摘し2、国営石油公社SONANGOLの資金透明性を向上させることも要求した。アンゴラ政府は、内戦時代から戦費調達等の目的から対外借り入れを行っていたため、内戦終結時点で対外債務が膨れ上がっていた。2005年時点の対外債務額は89億US$であり、内訳はパリクラブ債権が34億US

$、パリクラブ以外の債権が21億US$(ブラジルによ

1 平野克己(2009)「アフリカ問題 開発と援助の世界史」、日本評論社、p.2222 世銀によれば、2002年時点で約10億US$の収支ギャップが発生しているとしている。World Bank(2005)「Angola Public Expenditure Management

and Financial Accountability」、p.11

図1. アンゴラの原油輸出先(2010年)(出典:EIA(米国エネルギー省エネルギー情報局))

図2. 中国の原油輸入先(2010年)

(出典:「南部スーダン独立と石油開発の行方」JOGMEC 石油・天然ガス情報(2011年3月3日号))

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中国のアフリカ進出について(3)─アンゴラモデルのケーススタディ─

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る石油を担保にしたローンを含む)、民間銀行債権が28億US$、輸出信用(サプライヤーズクレジット)が8.9億US$となっている3。アンゴラ政府による石油を担保にした借り入れは独立前から既になされており、民間銀行債権と輸出信用債権のうち多くは石油を担保にした借り入れであった。また、民間銀行債権の金利はLIBOR+2.0%~3.0%、返済期間は4~5年程度であり、世銀やIMFが貸し付ける資金よりも譲許性が低かったため4、世銀/IMFはこれらの非譲許的資金の返済も融資実行の条件として課した。しかしながら、アンゴラ政府は内戦終結直後という

こともあり、財政管理を十分に行う能力を備えておらず、上記のような世銀/IMFによるコンディショナリ

ティを確実に履行することが困難であった。他方、国内では前述のような100億US$の復興資金需要が発生し、アンゴラ政府は資金的にジレンマに陥った。

(3)中国の資金援助中国とアンゴラ政府の間での関係強化の動きについ

て以下、時系列的に見てみたい。中国とアンゴラ政府は1990年代後半から経済関係強化の動きが見られる。1998年にはDos Santos大統領が中国を訪問し、二国間関係の一層の強化に向けて朱鎔基首相ほか政府要人と面談を行っている。また内戦終結前の2001年1月には唐家璇外相がアンゴラを訪問し、それ以降アンゴラから中国への原油輸出は急激に増加している(図3参照)。

内戦終結直後の2002年、中国政府はアンゴラ復興に向けた支援として、約1.5億US$規模のインフラ整備を中国輸出入銀行と中国建設銀行を通じて供与することを発表した(内訳は表1参照)。これらのインフラ建設事業は中国輸出入銀行と中国建設銀行が中国企業に対し直接に発注をしたとされ、プロジェクト実施に当たってのアンゴラ政府の関与はほとんど無かった模様である5。

これに続き、2004年3月、中国輸出入銀行と中国建設銀行は石油を担保にした20億US$の融資を供与し

た。貸し付け条件はLIBOR+0.1%、返済期間17年、据置期間3年となっており、前述の民間銀行債権と比較すると譲許性は高い内容になっている。返済は日量1万バレル相当の原油をスポット価格で換算し返済代金に充てるとされている6。融資された20億US$は2フェーズに分かれており、第1フェーズは2004年12月、第2フェーズは2007年3月にそれぞれ契約が調印されている(契約内容については表2、3を参照)。

図3. アンゴラから中国への原油輸出の推移

0

Barrels (m

)

50

100

150

200

250

300

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

3 World Bank(2005),p.114 JBIC資源金融の標準的な貸付利率は、LIBOR+0.5%(外貨の場合)。世銀(IBRD)の貸付金利は、LIBOR+0.28%~1.00%(返済期間により異なる)。5 Center for Strategic & International Studies(2008)「Angola and China」,p.56 Chatham House(2009)「Thirst for African Oil –Asian National Oil Companies in Nigeria and Angola」p.47

表1. 2002年に供与されたインフラ整備支援の内訳

(出典:米国戦略国際問題研究所(CSIS;Center for Strategic & International Studies))

プロジェクト金額

(百万US$)

Luanda鉄道(444km)の改良(Phase 1) 90

Luanda市内の電力網整備(Phase 1) 15

Lubangoでの電力網整備 15

Namibe及びTombowaでの電力網整備 25

通信関係事業 N/A

表2. 第1フェーズの契約内容

(出典:米国戦略国際問題研究所(CSIS;Center for Strategic & International Studies))

分野 契約数 供与額(単位:千US$)

衛生 9 206,100

教育 8 217,159

エネルギー・水 8 243,845

農業 3 149,753

運輸 1 13,841

通信 1 66,905

公共事業 1 211,684

合計 31 1,109,287

(出典:Chatham House「Thirst for African Oil-Asian National Oil Companies in Nigeria and Angola」、P.41)

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連載

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2005年2月、曾培炎副首相がアンゴラを訪問し、SinopecとSONANGOLは石油長期購入契約、石油探鉱開発鉱区(Block-3)への参加、中部Robitoでの新規製油所建設等についてMOUをアンゴラ政府と締結した(鉱区図は図4参照)。SinopecはSONANGOLとのジョイントベンチャーSONANGOL-Sinopecを設立し、アンゴラ国内での石油探鉱開発を推進することとなった7。2005年3月、中国国際基金(CIF)とアンゴラ政府国家再建事務局(GRN)は、ルアンダ空港の改修やBenguela鉄道のリハビリ、ルアンダ-ロビト間の高速道路改修のための資金として29億US$の融資契約を締結した。CIFは2003年に香港で設立された民間企業であり、中国政府との関係は無いとされている8。また、

表3. 第2フェーズの契約内容

(出典:米国戦略国際問題研究所(CSIS;Center for Strategic & International Studies))

分野 契約数 供与額(単位:千US$)

衛生 1 43,805

教育 3 229,642

エネルギー・水 3 144,903

農業 1 54,007

漁業 3 266,848

通信 4 276,307

公共事業 2 89,490

合計 17 1,105,002

図4. アンゴラの石油鉱区

NAMIBIA

CONGO

D.R.C.

SOYO

AMBRIZ

LUANDA

SUMBE

LOBITO

BENGUELA

NAMIBE

ANGOLA

Atlantic Ocean

BLOCK 3(05)SSI 25.00%

AJOCO 20.00%

BLOCK 3(85–91)AJOCO 12.50%

BLOCK 3(05A)SSI 25.00%

AJOCO 20.00%

BLOCK 18SSI 50.00%

BLOCK 18(06)SSI 40.00%

BLOCK 15(06)SSI 20.00%

BLOCK 17(06)SSI 27.50%

Ultra Deep Water

North WestBLOCK 32(06)CNOOC & 20.00%SINOPEC

(The companies expect to close the transactions by year-end 2009, subject to government and regulatory approvals.)

CABINDA

CABINDA

AFRICA

AREA OF DETAIL

NORTH BLOCK Teikoku Oil 17% DRC

CAB

INDA

(AN

GO

LA)

CONGO

7 竹原美佳(2006)「アンゴラ/中国:欧米石油メジャーの関心高いアンゴラで、中国Sinopec猛進」、JOGMECレポート8 稲田十一(2012)「中国の援助を評価する-アンゴラの事例」、日本国際問題研究所報告書「中国の対外援助」第3章、p.52

(出典:Chatham House「Thirst for African Oil-Asian National Oil Companies in Nigeria and Angola」、P.62)

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本契約が石油を担保にしているかについても明らかになっていない。本契約のアンゴラ側のカウンターパートであるGRNは大統領直轄の機関であり、大統領の軍事アドバイザーであるKopelipa将軍が実権を握っているとされている。中国輸出入銀行からの借り入れの場合、アンゴラは財務省を通すことになっているが、GRNとの契約は財務省を通さないため、その不透明性を指摘する声もある9。同じく2005年3月、SONANGOL-SinopecはBlock-18の権益を取得した。Block-18はもともと2004年にShellがファームアウトした後、アンゴラ政府はONGC

(印)へ権益50%を譲渡することを約束していたが、SONANGOLに 先 買 権 を 行 使 さ せ、SONAGOL-Sinopecが権益50%を取得することとなった10。2005年11月には、アンゴラ政府はBlock-3/05に関しTotalと の 生 産 ラ イ セ ン ス 延 長 を 拒 否 し、SONANGOLが権益50 % を引継ぎ、うち25 % をSONANGOL-Sinopecが取得している。2007年9月、中国輸出入銀行は、2004年の20億US$の資金供与に続く第2弾として、20億US$の供与をアンゴラ財務省と合意した。貸し付け条件は金利LIBOR+1.25%、返済期間は15年となっており、2004年に供与された資金に比べ金利が下がっている。また、2004年の資金供与以降、中国の資金支援は中国企業が主に受注するため、現地の雇用創出や技術移転等の援助効果を発現しないという批判が国際社会からなされたため、2007年の供与ではローカルコンテンツ・ルールを強化したとも言われている(2004年時は3割)。さらに、施工監理を徹底化するため、中立的機関としてGAT(中国クレジットライン管理技術支援機関)を新たに設置することとした11。

(4)考察石油を担保にした融資は、一般に中国の資金支援に特異な方法と見られることが多いが、前述の世銀報告書(2005)によれば、アンゴラ政府は内戦時から国外の金融機関より石油を担保にした融資を受けていた。アンゴラ政府は内戦終結後、世銀/IMFに対し譲許性の高い開発資金の融資を申し入れたが、世銀/IMFは前述のようなコンディショナリティを課したため、アンゴラ政府は国内の資金需要を十分に満たすことができなかった。このため中国からの資金支援と並行する形で、アンゴラ政府は石油を担保にした融資を欧米等の民間銀行からも借り入れざるを得なかった。国際的NGOであるGlobal Witnessのレポートによれば、内戦終結後にアンゴラ政府が民間金融機関から借り入れた石油を担保にした融資は、中国からの融資額を上回る130億US$にも上ると報告されている12 (主な融資案

件は表4参照)。また、これら民間金融機関からの融資は、中国からの融資と比較すると貸付金利が高いものも散見され、アンゴラ政府の財政を逼迫させる原因にもなっていた。このように、インフラ整備等国内の復興を急ぐアンゴラ政府にとってみれば、コンディショナリティを課さない中国の融資は、融通性が高く、また譲許性も民間銀行より高いため、有用な資金ソースとして貴重な存在であったと言えよう。中国の対アンゴラ資金支援についてはOECD諸国からの批判の声も聞くが、重要なことは、融資に当たっては資源開発に伴う与信拡大も勘案した上で債務負担能力を見極め、融資された資金の使途を明確にすること(レスポンシブル・レンディング)であり、従来の西側の援助方法と異質なものであるという理由だけで中国の資金支援を批判することは、開発効果の側面からも納得性が低いと言わざるを得ない。ただし、EITIが掲げる透明性確保の世界的潮流に鑑

み、石油収入の使途の透明性向上や中国の資金支援の情報開示等に向け努力する必要はあると言える。

3. ケーススタディ②:DRCコンゴ次にDRCコンゴへの中国による資金支援について具体例として見てみる。2008年に中国がDRCコンゴに対する90億US$の融資を発表した際、メディアは「China’s Angola Model comes to the DRC.」と報じ、アンゴラモデルが鉱物資源へ大規模に展開されたとして大きな注目を浴びた。

(1)背景DRCコンゴはアンゴラと同様にポスト・コンフリクト国である。1996年~1997年に発生したいわゆる第1次コンゴ戦争では、ローラン・デジレ・カビラ議長率いるADFL(コンゴ・ザイール解放民主勢力同盟)が1997年5月に首都キンシャサを制圧し、大統領に就任した。同議長は国名をザイールからコンゴ民主共和国へ改称した。その後ウガンダやルワンダが反政府勢力

表4. 民間金融機関からの石油を担保にした主な融資(内戦終結後)

(出典:Global Witness(2009)「Undue Diligence」の情報を基に作成)

年月融資額

(単位:bUS$)貸付金利

2003年6月 1.15 LIBOR+2.25%

2004年8月 2.35 LIBOR+3.125~3.37%

2005年11月 3.00 LIBOR+2.5%

2007年4月 0.50 LIBOR+1.0%

2007年11月 2.50 LIBOR+1.6%

9 Chatham House(2009), p.5110 竹原美佳(2006)11 Chatham House(2009)、 p.4812 Global Witness(2009)「Undue Diligence」p.90-104

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を支援するため武力介入を行う一方、ジンバブエやアンゴラがカビラ政権支援のためDRCコンゴ領内に派兵し、国際紛争(第2次コンゴ戦争)へ発展した。2001年にローラン・デジレ・カビラ大統領が暗殺され、息子のジョゼフ・カビラ氏が大統領に就任した。ジョゼフ・カビラ大統領は周辺国との和平プロセスを推進した結果、国内の全勢力が参加して「プレトリア合意」が2003年7月に成立した。2006年に民政移管に向けた大統領選挙が実施され、ジョゼフ・カビラ大統領が当選をした。DRCコンゴはアルジェリアに次いでアフリカで第2位(日本の6.3倍)の国土面積を有しているが、相次ぐ内戦により国内のインフラ整備は大幅に遅れており、一人当たりGNIは310US$(2010年)と世銀が統計を取っている215か国で最低となっている。

IMFは当初、ジョゼフ・カビラ大統領による復興の取組みを評価し、貧困削減・成長支援プログラム(Growth Facility Program)を通じDRCコンゴ政府を支援していた。しかし、DRCコンゴ側が虚偽の支出報

告をし、また所定の政策改革を履行していないことを理由に、IMFは2006年3月より財政支援を凍結した13。IMFとの関係が悪化したことで、パリクラブとの関係も悪化し、主要先進国からの開発資金流入が途絶えることとなった。またDRCコンゴは、当時120億US$もの多額の対外

債務を抱えており、国家再建のためHIPC(重債務貧困国)イニシアティブに基づく債務免除を目指していた。DRCコンゴ政府はHIPCプログラムで必要とされる貧困削減戦略ペーパー(PRSP; Poverty Reduction Strategic

Paper)を策定し、2006年にDecision Point(判断基準)に到達したとしてIMF/世銀より認められたが、財政管理能力の欠如からPRSPの履行ができず、Completion

Point(完了基準)達成の目途が立たない状況であった。中国とDRCコンゴの貿易関係について見ると、2006年以降急速に拡大し、特に2008年はDRCコンゴから中国への輸出が対前年比で3倍以上の伸びを見せている(図5参照)。

(2)中国の資金援助2007年9月、中国政府は、銅・コバルト探鉱権とイ

ンフラ整備をパッケージにした90億US$の融資に関し、北京にて基本文書を調印した。その後、この基本文書に基づき、DRCコンゴ政府は2008年4月北京にて、中国中鉄(China Railway Group Ltd.)、中国水利水電建設公司(Sinohydro)と正式な契約書を交わした。契約では、中国輸銀による90億US$の融資とともに、JV

企業Sicominesの設立が合意された。90億US$の内容

は表5に示すとおりであり、インフラ向け融資は2つのトランシェに分かれており、それぞれが30億US$となっている。このほか、Sicominesによる探鉱・開発資金として20億US$、Gecamines向け無利子融資として10億US$が融資の内容に含まれている。整備対象となるインフラを図6に示す。主に南部Katanga州や東部での道路や電力インフラの整備、キンシャサ市内での道路整備に充てられることとなっている(2011年6月時点での進捗状況は表6参照)。

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

1,600

1995

1996

1997

1998

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

US$ m

illio

n

The DRC's exports to China

The DRC's imports from China

図5. 中国とDRCコンゴの貿易関係

(出典:Center for Chinese Studies, University of Stellenbosch(2009)「Chinese Companies in the Extractive Industries of Gabon & the DRC」)

13 South African Institute of International Affairs(2011)「The Sicomines Agreement : Change and Continuity in the Democratic Republic of Cong’s International Relations」,p.8

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表5. 中国輸銀による90億US$の融資の内容

図6. 2008年4月に合意されたインフラ整備プロジェクト

(1)2008年4月の契約当初はLibor+1%であったが、IMFの指摘後の変更版(2009年)では4.4%(固定)となった。

融資額 金利 備考

インフラ向け融資(Tranche 1) 30億US$ Libor + 1%→4.4%(1)

インフラ向け融資(Tranche 2) 30億US$ IMFの指摘を受け2009年にキャンセル

Sicominesによる探鉱・開発資金 20億US$ 6.1%(固定)

Gecamines向け援助 10億US$ 無利子借款1�

Congo River

provinceorientale

kasaïoccidental

maniema

equateur

bandundu

katanga

sud-kivu

nord-kivu

bas congo

kinshasa kasaïoriental

Goma

Kenge

Bunia

Kamina

Matadi

Bandundu

Bukavu

Isiro

Kolwezi

Mbandaka

Kisangani

Kindu

KalemieKananga

Mbuji-mayi

Kinshasa

Lubumbashi

oo

Angola

Zambia

Democratic Republic of Congo

Sudan

Cameroon

Gabon

Central African Republic

Republicof Congo

Namibia

Tanzania

Chad

Zimbabwe

Uganda

Nigeria

Burundi

Rwanda

Botswana

Moz.

Airport repair

Asphalt road (construction)

Electricity distribution network

Hydroelectric dam

Mine sites

Province name

Provincial boundary

Railway (repairs)

Railway (construction)

Roads (repairs)

Urban centre

Urban road network

maniema

o

0 100 200 ml

0 150 300 km

mapshowingminesitesandinfrastructureplannedunderthecongo-chinadeal,april2008

The map excludes hospital, housing and university projects planned under the agreement

MARCH 2011 | China and Congo : Friends in need

(出典:Global Witness「China and Congo: Friends in Needs」、P.15)

(出典:各種情報を基にJOGMEC作成)

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DRCコンゴ政府は90億US$の融資の見返りとして、JV企業Sicominesに対し探鉱・開発権として銅1,062千t、コバルト620千tを供与した。具体的には、Katanga州 で の6鉱 床(Dikuluwe、Mashamba West、Jonction D、Cuvette Dima、Cuvette Mashamba、Synclinal Dikuluwe Colline D)の探鉱・開発権が付与されたとされている。鉱山情報データベースによれば、Dikuluwe鉱床は現在F/S中であり、資源量(予測含む)は銅:6,798千t(平均品位3.3%)、コバルト:494千t(平均品位0.24%)となっている。

JV企業Sicominesの権益比率を図7に示す。中国側コンソーシアム(5社)が68%、DRCコンゴ側コンソーシアム(2社)が32%を保有しており、中国側の内訳としては、中国中鉄(China Railway Group):27%、中国水利水電建設(Sinohydro):26 %、China Railway

Resources:6%、浙江貨友コバルト:5%、Sinohydro

Harbour:4%となっている。DRCコンゴ側は国営鉱山会社Gecaminesが主体となっており、Gecamines本体が20%、Simco(Gecaminesのグループ企業の一つ)が12%を保有している。

融資の返済方法としては、Sicominesの操業による利益を融資の返済原資に充てるとし、返済に当たっては以下の3段階を設定している。なお特例措置として、Sicominesに対してはロイヤルティを含む全ての租税は免除されることが、両国の間で取り決められている。まず第1タームでは、Sicominesの利益は先述のトランシェ1のうち重要なインフラの建設に要した費用(375百万US$)の回収に充てられる。第1タームでの375百万US$の回収が終了した後は第2タームとして、Sicominesの利益の85%は探鉱・開発資金(20億US$)の回収に充てられ、残りの15%は株主へ還元される。第3タームでは、第1タームで回収されなかったその他のインフラの建設費の回収に充当され、15%は株主へ還元されるとしている。なお、中国輸銀からの借り入れに対しては、DRC

政府による政府保証を付けることが協定で定められた。政府保証が付保されたことで、仮にSicominesの利益では返済不能となった場合は、DRCコンゴ政府は他のあらゆる方法を用いて返済する義務を負うこととなった。

(3)IMFや先進各国による批判上記のような銅・コバルトを返済原資とした90億

US$の融資契約締結が発表されると、IMFや先進各国は融資契約についての批判を直ちに展開した。批判の内容を整理すると以下3点に集約できる。

①DRCコンゴ政府の債務持続性  DRCコンゴ政府は当時、120億US$の対外債務を抱え(うちパリクラブ債務は60億US$)、HIPC

イニシアティブに基づく債務削減プログラムにより、Completion Pointの到達を目指していた。中

表6. インフラ整備プロジェクトの進捗状況

プロジェクト コントラクター2011年6月時点での

進捗状況金額

(百万US$)

Beni−Niania, North Kibu間の道路整備 Sinohydro 完成 57

Triomphale(キンシャサ)の道路整備CREC 施工中(完成直前) n/a

Sendwe(キンシャサ)の道路整備

中央病院(キンシャサ) Sinohydro建設中(2011年10月完成予定)

200

「6月30日通り」(キンシャサ)の道路整備(フェーズ1)

CREC 施工中(完成直前)

n/a

「6月30日通り」(キンシャサ)の道路整備(フェーズ2) n/a

Tourism Avenue(キンシャサ)の道路整備 24.4

Lutendele Roadの道路整備 21

Katanga州Lubumbashi−Kasomeno間の道路整備 138

North Kivu州Butemboでの道路整備(15km)

Sinohydro 着工前

30

人民宮殿前の遊歩道整備(キンシャサ)(フェーズ1) 19

人民宮殿前の遊歩道整備(キンシャサ)(フェーズ1)

金額の交渉前「Paix通り」(キンシャサ)の道路整備

「Ndjoku通り」(キンシャサ)の道路整備

Bukavu−Komaniola間の道路整備

(出典:「The Sicomines Agreement」、South African Institute of International Affairs)

図7. Sicominesの権益比率(出典:各種情報を基にJOGMEC作成)

(459)2012.11 金属資源レポート

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中国のアフリカ進出について(3)─アンゴラモデルのケーススタディ─

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国からの融資によって債務が大幅に増えることで債務持続性が悪化し、それまでの財政再建努力が水泡に帰すおそれがある。

②政府保証  融資に政府保証が付保されたことで、Sicomines

の利益では返済不能な場合、DRC政府が中国輸銀に対し債務を負うことになるが、これはパリクラブのComparability(債権者間の同等性)確保の原則に反する。DRC政府による政府保証が発動された場合、中国からの借入金返済が優先し、これまでのパリクラブ債権が劣後するおそれがある。

③透明性確保  融資契約の内容に関し透明性が確保されていないため、公正性・公平性が担保出来ない。

(4)融資額の減額折しも融資契約が締結された5か月後、リーマンシ

ョックが発生し、銅価は大幅に下落した。これによりDRCコンゴの銅輸出収入が激減し、リーマンショック直前(2008年8月)には209百万US$あったDRCコンゴ政府の外貨準備高は2009年1月には36百万US$にまで落ち込んだ。DRCコンゴの財政状況が急激に悪化したことを受け、IMFやベルギー等先進各国は90億US

$の融資の内容及び規模について中国政府と協議を重ねた。2009年5月には、ストラウス・カーンIMF専務理事がキンシャサを訪問し、カビラ大統領と会談を行った。その後も関係各国による交渉が続けられ、2009年10月に融資額の減額が発表された。2008年4月に締結された当初契約のうち、インフラ向け融資のトランシェ 2部分(30億US$)をキャンセルし、さらにDRCコンゴによる政府保証も外すことが合意された。融資契約の減額がなされたことを受け、2010年7月

IMF/世銀はDRCコンゴに対し、HIPCイニシアティブに基づくCompletion Point達成を承認した。本措置により、123億US$の対外債務が免除されることとなった。

(5)考察DRCコンゴに対する中国の融資に関しては、最終的に国際社会からの説得もあり、60億US$に減額されたが、現在の国際的なスタンダードとなっている透明性確保の観点から融資契約の問題点について考察すると、以下4点が懸念点として挙げられる。①Sicominesに対する特例措置としてロイヤルティを含む全ての租税免除が認められているが、これはDRCコンゴの現行鉱業法(2002年策定)において根拠規定がないため、法の適正な執行の観点から疑義がある。

②Sicominesが開発するとされている鉱山(Dikuluwe

鉱体、Mashamba鉱体)は、メディア報道によれば2013年に50,000t/年で生産を開始し、2014年からは200,000t/年に生産拡大する予定とのことであるが、F/S結果が公表されていないため、客観的な資源量の把握、鉱山価値の評価が困難である。③2009年6月に中国側コンソーシアムはDRCコンゴ政府へ3.5億US$をサインボーナスとして支払った。そのうちGecaminesが受け取ったとされる23百万US$の使途不明が発覚し、DRCコンゴ議会経済財政委員会で本問題が取り上げられた。中国側も本問題については懸念を示しており、資金の透明性向上が課題といえる14。④建設されるインフラに関し、建設費用や価値を客観的に評価する仕組みがないため、中国側の恣意性が入る余地がある。またローカルコンテンツルールは1割と言われており15、9割を占める中国側の資機材調達において、入札等により発注手続きの公正性が担保される必要がある。

4. まとめ以上、資源を担保にした資金支援の例として、アンゴラとDRCコンゴのケースについて見てきた。両ケースの分析を通じて得られた中国の資金支援のポイントは以下3点にまとめられる。

(1)ポスト・コンフリクト国いずれも、長期間の内戦が終結した直後のポスト・

コンフリクト国であり、内戦によって国内の運輸・電力インフラが壊滅的打撃を受けた国家的背景がある。復興に当たり、まずはこれらの公共性の高いインフラの整備を行わなくてはならないが、ガバナンス等の問題により、IMF等の国際金融機関から譲許性の高い資金を借り入れることが困難であった。高まる復興資金ニーズと国際機関からのガバナンス改善圧力という板挟みの状況下で、中国からの資金支援がなされた。

(2)内政不干渉の原則「内政不干渉の原則」は中国建国以来の対外援助の原則である。先述のとおり、世銀やIMFは援助実施に際し財政面等に関するコンディショナリティを課すことが一般的に行われている。しかしながら、ポスト・コンフリクト国の場合、内戦により国家の統治機能が十分に回復していないため、財政管理能力が他の途上国と比べ著しく劣る。このため、財政再建を果たしたいという意志はあるものの、それを具体的に政策として着実に実行することは能力的に困難なことが多い。また歴史的経緯として、80年代から90年代にかけ世銀/IMFが実施した構造調整プログラムにおいて、(内

14 Global Witness(2011)「China and Congo : Friends in Needs」,p.2415 Deborah Brautigam(2009)「The Dragon’s Gift」,p.153

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政干渉とも言える)過度のコンディショナリティを課されたものの、十分な効果が上がらなかったという歴史的な苦い経験をアフリカ諸国が有していることも背景として挙げられよう。このような事情を背景とし、中国の「内政不干渉」の

援助は、開発資金を容易に調達できるファイナンスとしてアフリカ側に歓迎されたといえる。

(3)情報開示が不十分OECD加盟国が資金支援を行う場合、貿易歪曲性排

除を目的としたOECD輸出信用アレンジメントに実質的に拘束される16。例えば、輸出信用を供与する場合、加盟国間の過当競争を防ぐ目的からCIRR(市場貸出基準金利)が設定されている17。また、タイド(ひも付き)援助を供与する場合も、輸出信用ガイドラインの規則により、援助案件の内容(商業性の有無等)や貿易歪曲効果の有無(自国企業への輸出補助金としての性格の有無)の観点から事前に加盟国のクリアを得なければならない。

中国はOECDに加盟していないため、これらの規則を守る必要がなく、OECDに対する情報開示義務からも免れている。また、中国政府としても現在のところ、資金支援の各案件について情報開示は行っていない。このため、中国の資金支援については憶測が流れることが多いが、今回のアンゴラとDRCコンゴの分析を通じ、少なくとも金利や貸出期間については世銀等の国際金融機関からの貸出条件と比較しても、中国の資金支援は譲許性が著しく低いとは必ずしも言えないということが分かった。しかしながら、例えばDRCコンゴのケースでは、開発対象となる鉱山の情報が開示されておらず、また、整備されるインフラの価値を公正に評価する仕組みが無い等、手続き面での改善の余地は十分にあると言えよう。自身の対外支援に関し先進各国の誤解を招かないためにも、中国政府は情報開示を積極的に進める必要があろう。

(2012.11.2)

16 輸出信用アレンジメントの内容については以下のJBICのサイトを参照ありたい。http://www.jbic.go.jp/ja/finance/export/oecd/index.html17 各通貨のCIRRの利率等については以下のJBICのサイトを参照ありたい。http://www.jbic.go.jp/ja/finance/terms/cirr/index.html

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