シンポジウム みんなで考えよう。セーフティネット …シンポジウム...

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シンポジウム みんなで考えよう。セーフティネット貸付 -生活福祉資金貸付の現状と課題及び セーフティネット貸付のあるべきかたち- 2011年(平成23年)2月24日(木)18時00分~20時00分 弁護士会館17階1701会議室 《進 第》 (1) 基調報告(18:0518:15村上 弁護士(貧困問題対策本部事務局員) (2) 貸金利用者に関するアンケート報告(18:1518:25櫻井 秀和 氏(金融庁総務企画局企画課信用制度参事官室企画調整官) (3) 生活福祉資金貸付制度の現状報告(18:2518:35荒川 英雄 氏(厚生労働省社会・援護局地域福祉課課長補佐) (4) パネルディスカッション(18:3519:50○パネリスト 荒川 英雄 氏(同上) 山屋 理恵 氏(盛岡市消費生活センター職員) 真田 政稔 氏(大阪府社会福祉協議会福祉資金部部長) 佐藤 順子 氏(佛教大学福祉教育開発センター講師) 日下 健二 氏(広島つくしの会(クレジット・サラ金被害者の会)) ○コーディネーター 新里 宏二 弁護士(貧困問題対策本部主査理事)

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シンポジウム

みんなで考えよう。セーフティネット貸付

-生活福祉資金貸付の現状と課題及び

セーフティネット貸付のあるべきかたち-

2011年(平成23年)2月24日(木)18時00分~20時00分

弁護士会館17階1701会議室

《進 行 次 第》

(1) 基調報告(18:05~18:15)

村上 晃 弁護士(貧困問題対策本部事務局員)

(2) 貸金利用者に関するアンケート報告(18:15~18:25)

櫻井 秀和 氏(金融庁総務企画局企画課信用制度参事官室企画調整官)

(3) 生活福祉資金貸付制度の現状報告(18:25~18:35)

荒川 英雄 氏(厚生労働省社会・援護局地域福祉課課長補佐)

(4) パネルディスカッション(18:35~19:50)

○パネリスト

荒川 英雄 氏(同上)

山屋 理恵 氏(盛岡市消費生活センター職員)

真田 政稔 氏(大阪府社会福祉協議会福祉資金部部長)

佐藤 順子 氏(佛教大学福祉教育開発センター講師)

日下 健二 氏(広島つくしの会(クレジット・サラ金被害者の会))

○コーディネーター

新里 宏二 弁護士(貧困問題対策本部主査理事)

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目 次

○基調報告・パネリスト資料

資料Ⅰ 日弁連基調報告資料(村上晃弁護士)……………………………… 1

資料Ⅱ 金融庁報告資料(櫻井秀和氏)……………………………………… 4

資料Ⅲ 厚生労働省報告資料(荒川英雄氏)……………………………… 18

資料Ⅳ 山屋理恵氏資料……………………………………………………… 30

資料Ⅴ 真田政稔氏資料……………………………………………………… 54

資料Ⅵ 佐藤順子氏資料……………………………………………………… 60

資料Ⅶ 日下健二氏資料……………………………………………………… 62

○参考資料

資料Ⅷ セーフティネット貸付制度のさらなる充実を求める意見書

(日本弁護士連合会・2011年2月17日)…………………… 65

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- 1 -

2011年2月24日

基 調 報 告

村 上 晃

1 セーフティネット貸付をめぐる背景事情改正貸金業規制法の完全施行(昨年6月18日)に伴う総量規制(年収の3分の1)等( )1

消費者金融・信販会社からの借入数 1500万人

事故情報(異動情報)登録者 400万超

クレジットカード(キャッシング)

総量規制により上限額の引き下げや利用停止 大手7社で220万人(会社員、個人事

業主、主婦など)10万円以上の借入残高がある顧客のうち全体の約5割

貧困( )2

年収200万円以下の人 1000万人超

貧困率 15.7%(2007年調査)

中央値228万円の半分以下つまり114万円未満

一人親世帯の5割以上が貧困世帯 つまり、114万円未満

生活保護世帯130万世帯超 180万人超

生活保護基準以下 700万世帯超

貯蓄無し世帯 229万世帯 (全世帯4800万 (2007年調査))

自殺者 3万人 その内の8000人近くは経済苦( )3

年金担保融資の問題( )4

事業仕分けで廃止 ただし、受け皿がなく当面存続

年金担保融資 約20万人 1800億円

2 セーフティネット貸付のこれまでの経過多重債務問題改善プログラム( )1

改正貸金業法の成立に伴い、その完全施行に向け、2007年に政府の多重債務対策本

部が策定した「多重債務問題改善プログラム」において、セーフティネット貸付の必要性

が謳われた。

ここでセーフティネット貸付について前記プログラムにおいては、消費者向けのセーフ

ティネット貸付けを 「顔の見える融資 (丁寧な事情聴取、具体的な解決方法の相談、事、 」

後のモニタリンクを前提として、返済能力が見込まれ、問題の解決に資する場合に限って

低利の貸付)と記している。

プログラムでは、消費者向けセーフティネット貸付けとして社会福祉協議会による生活

福祉資金貸付があげられ、その他、セーフティネット貸付の担い手として、信金、信組、

労金、生協等があがっていた。

セーフティネット貸付の対象者( )2

セーフティネット貸付において、想定される対象者は、低所得者、信用情報への事故情

報登録者等である。生活困窮者に対しては、本来生活保護などの給付型のセーフティネッ

資料Ⅰ

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- 2 -

トが優先されるべきである。

セーフティネット貸付にはどのようなものがあるか( )3

、 ( )、ア 現在公的融資制度として 生活福祉資金貸付 実施主体は都道府県社会福祉協議会

母子寡婦福祉資金貸付(実施主体は都道府県 、その他各自治体独自の貸付制度などが)

あり、また、自治体と労働金庫が連携した自治体協調融資制度がある。

イ 地域における取り組みとしては、一部の地域ではあるが、岩手信用生協、生活サポー

ト基金(東京 、グリーンコープ生活協同組合ふくおかをはじめとした同グループの各)

地の取り組み、宮城県栗原市の取り組み(市が市内の信金・信組と提携し資金を預託し

た貸付 、一部労働金庫の取り組みなどがある。)

2009年10月の生活福祉資金貸付制度の改正、および 「新たなセーフティネット( )4 、

(第2のセーフティネット 」における位置づけ)

セーフティネット貸付として期待されていたのが、生活福祉資金貸付制度である。しか

し、生活福祉資金貸付制度は、貸付原資として、2065億円あるところ、既貸付額は、

967億円であり、未貸付額は、1098億円もあり(平成20年3月末 、積極的に利)

用されていなかった。

平成21年度補正予算の成立に伴い生活福祉資金貸付制度が大きく改善された。これま

で大きな課題とされていた連帯保証人について、これを事実上不要とした(なお、母子寡

婦福祉資金においても、連帯保証人について同様の改正がなされた 。また、これまで延。)

滞の割合が大きかったことも「貸し渋り」の原因であったことから、貸し倒れ補填資金を

大きく積み増しし、併せて、貸付原資も積み増しした(平成21年度補正予算として合計

700億円余 。しかも、国の負担は10分の10。その他、課題とされてきた問題につ)

いて十分とは言えないまでもさまざまな改善がなされた。

ただ、平成21年10月の生活福祉資金貸付制度の改正は、厳しい雇用状況を背景とし

た失業者対策としての意味合いが強く、生活福祉資金貸付制度の一部( 総合支援資金 )「 」

は、失業者対策としての、いわゆる「第2のセーフティネット」の中に組み込まれた。

生活福祉資金貸付制度の現在の運用状況( )5

2009年10月以降の厳しい雇用状況を背景として 「総合支援資金」の中の「生活、

支援費」の貸付実績は件数、金額とも著しく大きなものとなった。しかし、失業者対策と

して単に「貸付」を行うことは、貸付けが生活再建には結びつきにくく、結局多額の貸し

倒れが予想されるところである。一方 「総合支援資金」以外の資金種目も貸付けが増加、

しているが、総合支援資金に比べ、十分に利用されているとは言い難い。つまり、現在の

状況は、貸付けではなく、本来「給付」など貸付以外の方法で対応すべき者に対して、い

たずらに貸付けがなされ、一方、真に貸付けが必要な者に対して、貸付けがなされていな

いという状況にある。

生協等の地域の取り組みの孤軍奮闘( )6

地域で取り組んでいる組織・団体へは本来行政(福祉事務所等)あるいは社会福祉協議

会で対応すべき案件も流れ込んでおり、やむなくこれに対応せざるをえない状況に置かれ

ている。しかも、自治体と連携し、事務費の一部について委託費を受けている団体もある

が、十分なものではなく、貸付原資や貸し倒れ補填資金について、国、自治体からの公的

な支援はない。

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3 あらためて「セーフティネット貸付」とは何か、そして、今後なすべきこと単に消費者金融に代わる貸付のことではなく、生活再建のための貸付、あるいは、貸付

というツールを備えた生活再建支援として捉え直すことが必要である。そうだとすれば、

相談および生活再建支援こそが重要であり、それなくしては、借りる側にとっても一時し

のぎにはなるかもしれないが、生活再建にはつながらず、また、貸す側としてもいたずら

に貸し倒れを増やすだけに終わることになりかねない。

相談および生活再建支援のための体制をどのように作っていくかが、もっとも重要であ

り、この観点から、すでに相談および生活再建支援体制を整えて、本来の「セーフティネ

ット貸付」を実践している生協等の取り組みと経験を、どのように全国に広げていくか、

そのための公的な支援も含め、具体的な方策を早期に検討し、実践していくことが必要で

ある。

生活福祉資金貸付制度をはじめとした既存の公的融資制度をより利用しやすくするため

の制度改正、さらには新たな貸付制度の構築と並行して、この相談および生活再建支援体

制の整備を実現していくことが必要である。

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改正貸金業法完全施行の

事業者への影響調査

平成22年12月21日

金融庁

資料1

資料Ⅱ

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調査概要

貸金業を利用する事業者(個人事業主を含む)における改正貸金業法完全施行の影響を調査。

調査目的

中小企業団体(日本商工会議所、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会、全国商店街振興組合連合

会)の会員事業者。

※全回答事業者数:2,004事業者

調査対象

金融庁より、各中小企業団体へアンケート調査への協力を依頼。各中小企業団体より会員事業者に対して、ア

ンケート記入用のHPへの匿名での入力等を依頼。各事業者より直接アンケート記入用のHPに回答のあった結

果を、金融庁にてとりまとめ。

調査手法

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(参考)調査の母集団について(全回答事業者数:2,004事業者のプロフィール)

法人格

従業員数

業種

営業年数

合同会社

,23事業者

,1%

個人事業

主, 4

7事業者

,2%

合名・合

資会社

,16事業者

, 1

%

公益法人

,12事業者

,1%

有限会社

,30

3事業

者, 1

5%

その他

,73

4事業

者,

37%

株式会社

,86

9事業

者,

43%

5~10年

155事業

者 8%11年以

上17

15事

業者

85%

3年未満

62事業

者 3%

3~5年

72事業

者 4%

51名以上

139事業

者 7%21~

50名

199事業

者 10%

5~20名

517事業

者 26%

5名未満

1149事業

者 57%

その他

, 3

96事業者

, 2

0%

宿泊業・飲食サー

ビス業

, 1

98事業者

, 1

0%

不動産業・物品賃

貸業

,40事業者

, 2

%

小売業

, 4

73事業者

, 2

3%

卸売業

, 1

54事業者

, 8

%

運輸業

,46事業者

, 2

%

情報通信業

,41事業者

, 2

%

製造業

, 3

55事業者

, 1

8%

建設業

,30

1事業者

, 1

5%

Page 9: シンポジウム みんなで考えよう。セーフティネット …シンポジウム みんなで考えよう。セーフティネット貸付 -生活福祉資金貸付の現状と課題及び

貸金業の利用状況について

○回答のあった全2,004事業者の内、274事業者が貸金業者を利用しているまたは、利用した

ことがあると回答。

貸金業者からの借入れ経験

貸金業者の利用経験のある

事業者は274事業者

急な資金が必要

となった際のつな

ぎとして利用して

いる・引続き利用

するつもりである

106事業者

5%

主な資金調達手

段として利用して

いる

81事業者

4%

改正貸金業法の

完全施行までは

利用していたが、

完全施行後は利

用していない

87事業者

4%利用したことがな

い17

30事業者

87%

Page 10: シンポジウム みんなで考えよう。セーフティネット …シンポジウム みんなで考えよう。セーフティネット貸付 -生活福祉資金貸付の現状と課題及び

不動産業・物

品賃貸業

3事業者

1%

卸売業

10事業者

4%

運輸業

2事業者

1%

情報通信業

11事業者

4%

製造業

39事業者

14%

建設業

32事業者

12%

その他

52事業者

19%

宿泊業・飲食

サービス業

44事業者

16%

小売業

81事業者

29%

(参考)貸金業者の利用経験のある274事業者プロフィール

法人格

業種

営業年数

従業員数

3年未満

12事業者

4%3~

5年16事業者

6%5~

10年

29事業者

11%

11年以上

217事業

者 79%

51名以上

9事業者

3%21~

50名

13事業者

5%

5~20名

58事業者

21%

5名未満

194事業

者 71%

その他

,13

1事業者

, 4

8%

合同会社

, 2事業者

, 1

%個人事業主

, 1

0事業者

, 4

%

有限会社

, 4

5事業者

, 1

6%

株式会社

, 8

6事業者

, 3

1%

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貸金業者からの借入れの影響及びその対応について

○貸金業者の利用経験のある274事業者の内、「借入れについて、完全施行の影響は特に受けて

いない」、または、「借入可能額が減少(ただし、必要な資金の借入れには影響していない)」と回

答した事業者が、併せて194事業者。

○49事業者が「借入れが十分できなくなり、資金繰りが苦しくなった」、31事業者が「借入れが全くで

きなくなり、資金繰りが苦しくなった」と回答。

○貸金業者から「借入れが十分できなくなり、資金繰りが苦しくなった」、または、「借入れが全くでき

なくなり、資金繰りが苦しくなった」と回答した80事業者の内、複数回答で46事業者が「預貯金等

の自分の財産の取り崩し」、40事業者が「親類・友人等からの援助・借入れ」と回答。また、52事

業者が「民間金融機関、公的金融機関、他の貸金業者からの借入れ」と回答し、3事業者が「ヤミ

金」からの借入れと回答。

貸金業者から借りられなくなっ

た場合の、資金繰りについて

(複数回答可)

公的金融機関から

の借入れ

12事業者

15%

預貯金等の自分の

財産の取り崩し

46事業者

58%

親類・友人等からの

援助・借入れ

40事業者

50%

他の貸金業者(クレ

ジットカード会社・消

費者金融・商工ロー

ン等)からの借入れ

24事業者

30%

無登録業者(ヤミ金

業者)からの借入れ

3事業者

4%

その他

6事業者

8%

クレジットカード現金

化業者からの借入

れ5事業者

6% 銀行・信用金庫・信

用組合からの借入

れ16事業者

20%

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(参考)消費・取引先への影響、事業者の経営相談先

○回答のあった全2,004事業者の内、61事業者が「改正貸金業法の完全施行により、消費が

冷え込み、その影響を受けている」、26事業者が「取引先が、貸金業者からの借入れができ

なくなったため、資金繰りが苦しくなり、その影響を受けている」と回答。

○資金繰り以外も含めて、貸金業者からの借入れに関して、困った際に、経営の相談をしたこ

とのある相手先については、貸金業者の利用経験のある274事業者の内、複数回答で171

事業者が商工会、商工会議所等の経営相談員、118事業者が民間金融機関、48事業者が、

税理士・公認会計士・中小企業診断士と回答。

資金繰り以外も含めて、貸金業者からの借入れに関して、

困った際に、経営の相談をしたことのある相手先(複数

回答可)

消費、取引先についての影響

1978

1943

受けている

61

受けている

26

取引先

消費

3%

97%

1% 99%

その他,

23事業者

8%

弁護士・弁護士

会,

10事業者

4%税理士・公認会

計士・中小企業

診断士,

48事業者

18%

公的金融機関,

26事業者

10%

銀行・信用金庫・

信用組合等の金

融機関,

118事業者

43%

自治体の相談窓

口,

7事業者

3%

商工会・商工会

議所等の経営相

談員,

171事業者

62%

事業者

事業者

事業者

事業者

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資料2

金融庁委託調査

改正貸金業法の完全施行後における

貸金業利用者に対する意識調査

貸金業利用者に対する意識調査

<調査結果報告書>

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II.調査結果のまとめ

3年以内借入経験者の実態:借入目的(直近借入)

【3年以内借入経験者ベース】

クレジットカード会社のキャッシング・カードローンの直近の借入目的上

位3位は、「生活費の不足補填」30.4%、「欲しいもののための資金不

足補填」23.8%、「クレジットカードの支払い資金不足補填」15.0%。

•年収別では、「生活費」は、年収が低いほどスコアが高くなる傾向(ただし「0円」除

く)。また「遊興費」「お小遣い」は、年収が高いほどスコアが高くなる傾向。

【【図表

図表33】】商工ローン利用者の直近利用目的

商工ローン利用者の直近利用目的

(ベース:

(ベース:33年以内借入経験者)

年以内借入経験者)※※手形割引業者利用者なし

手形割引業者利用者なし

400

•職業別では、TOTALと比べ『個人事業主』や『派遣・契約社員』は「生活費」が高く、

『経営者』『公務員』は「遊興費」が高い。また『専業主婦/主夫』は「冠婚葬祭」が

高く、『学生』では「欲しいもの」「お小遣い」が高い。

消費者金融の直近の借入目的上位3位は、「生活費の不足補填」

32.7%、「クレジットカードの支払い資金不足補填」14.4%、「欲しいも

ののための資金不足補填」144%「お小遣い不足補填」144%

直近目的

サ ン子 ど

費 (

含 む為

生 活を 含

う た住 宅

い 資う た

欲 した が

足 り冠 婚

い のお 小

か っク レ

の 利資 金

為他 の

返 済補 う

医 療た め

遊 ぶ( 遊

り なギ ャ

が 足め

そ の

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

TOTAL

ののための資金不足補填」14.4%、「お小遣い不足補填」14.4%。

•年収別ではサンプル少ないが、クレジットカード会社のキャッシング・カードローン

と同様の傾向が見られる。

【【図表

図表11】】クレジットカードのキャッシング・カードローン利用者の直近利用目的

クレジットカードのキャッシング・カードローン利用者の直近利用目的

(ベース:

(ベース:33年以内借入経験者)

年以内借入経験者)

【【図表

図表22】】消費者金融利用者の直近利用目的

消費者金融利用者の直近利用目的(ベース:

(ベース:33年以内借入経験者)

年以内借入経験者)

直近目的 (%)

ン プ ル 数

ど も の 教 育 関 連

( 塾 ・ 合 宿 等 を

む ) の 支 払 い の

活 費 ( 光 熱 水 費

含 む ) 不 足 を 補

た め宅 ロ ー ン の 支 払

資 金 の 不 足 を 補

た めし い も の が あ っ

が 手 元 の お 金 が

り な か っ た た め

婚 葬 祭 費 の 支 払

の た め

小 遣 い が 足 り な

っ た た め

レ ジ ッ ト カ ー ド

利 用 代 金 支 払 い

金 の 不 足 を 補 う

の 貸 金 業 者 へ の

済 資 金 の 不 足 を

う た め

療 費 の 支 払 い の

めぶ た め の お 金

遊 興 費 等 ) が 足

な か っ た た め

ャ ン ブ ル の 元 手

足 り な か っ た た

の 他

TOTAL

11833.3

22.2

11.1

11.1

5.6

5.6

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

22.2

(ベース:

(ベース:33年以内借入経験者)

年以内借入経験者)

【【図表

図表22】】消費者金融利用者の直近利用目的

消費者金融利用者の直近利用目的(ベース:

(ベース:33年以内借入経験者)

年以内借入経験者)

00

10.0

20.0

30.0

40.0

TOTAL

00

10.0

20.0

30.0

40.0

TOTAL

直近目的 (%)

サ ン プ ル 数

生 活 費 ( 光 熱 水 費

を 含 む ) 不 足 を 補

う た め

欲 し い も の が あ っ

た が 手 元 の お 金 が

足 り な か っ た た め

ク レ ジ ッ ト カ ー ド

の 利 用 代 金 支 払 い

資 金 の 不 足 を 補 う

為遊 ぶ た め の お 金

( 遊 興 費 等 ) が 足

り な か っ た た め

お 小 遣 い が 足 り な

か っ た た め

冠 婚 葬 祭 費 の 支 払

い の た め

住 宅 ロ ー ン の 支 払

い 資 金 の 不 足 を 補

う た め

他 の 貸 金 業 者 へ の

返 済 資 金 の 不 足 を

補 う た め

ギ ャ ン ブ ル の 元 手

が 足 り な か っ た た

め子 ど も の 教 育 関 連

費 ( 塾 ・ 合 宿 等 を

含 む ) の 支 払 い の

為医 療 費 の 支 払 い の

た めそ の 他

TOTAL

11356

30.4

23.8

15.0

10.3

10.3

4.1

3.5

3.1

3.0

2.9

2.5

8.8

0円155

32.3

24.5

13.5

6.5

7.7

6.5

6.5

3.2

0.6

3.9

2.6

11.0

1~300万円以下

642

360

237

150

70

84

37

31

34

28

28

26

83

0.0

直近目的 (%)

サ ン プ ル 数

生 活 費 ( 光 熱 水 費

を 含 む ) 不 足 を 補

う た め

ク レ ジ ッ ト カ ー ド

の 利 用 代 金 支 払 い

資 金 の 不 足 を 補 う

為欲 し い も の が あ っ

た が 手 元 の お 金 が

足 り な か っ た た め

お 小 遣 い が 足 り な

か っ た た め

遊 ぶ た め の お 金

( 遊 興 費 等 ) が 足

り な か っ た た め

ギ ャ ン ブ ル の 元 手

が 足 り な か っ た た

め他 の 貸 金 業 者 へ の

返 済 資 金 の 不 足 を

補 う た め

住 宅 ロ ー ン の 支 払

い 資 金 の 不 足 を 補

う た め

冠 婚 葬 祭 費 の 支 払

い の た め

子 ど も の 教 育 関 連

費 ( 塾 ・ 合 宿 等 を

含 む ) の 支 払 い の

為医 療 費 の 支 払 い の

た めそ の 他

TOTAL

1153

32.7

14.4

14.4

14.4

13.7

9.2

8.5

3.3

3.3

2.6

2.0

7.8

1~300万円以下

7140.8

16.9

11.3

12.7

12.7

7.0

12.7

1.4

2.8

1.4

0.0

11.3

301~500万円以下

45222

156

222

156

156

133

44

22

44

00

44

44

0.0

1~300万円以下

642

36.0

23.7

15.0

7.0

8.4

3.7

3.1

3.4

2.8

2.8

2.6

8.3

301~500万円以下

302

27.8

24.5

15.2

14.2

11.3

4.3

3.0

2.6

4.0

2.3

1.7

7.3

501~1,000万円以下

201

17.4

20.9

14.9

15.9

15.4

3.0

4.5

2.5

3.0

4.0

2.5

10.9

会社員

467

24.6

23.6

15.2

14.3

12.6

4.3

3.9

3.2

4.3

2.6

1.5

7.7

経営者・役員

6533.8

21.5

18.5

15.4

10.8

3.1

3.1

3.1

1.5

1.5

3.1

7.7

個人事業主

128

4 0.6

25.8

17.2

4.7

10.9

1.6

3.9

4.7

1.6

2.3

3.9

8.6

公務員

5623.2

26.8

8.9

16.1

10.7

1.8

1.8

1.8

3.6

3.6

3.6

16.1

派遣・契約社員

9837.8

13.3

12.2

13.3

13.3

2.0

1.0

3.1

2.0

2.0

0.0

12.2

パート・アルハイ゙ト・フリーター

207

33.8

25.6

15.0

4.8

6.8

4.3

2.9

2.9

1.9

4.3

2.9

8.2

専業主婦/主夫

165

345

261

139

61

42

97

55

30

12

55

36

61

301~500万円以下

4522.2

15.6

22.2

15.6

15.6

13.3

4.4

2.2

4.4

0.0

4.4

4.4

会社員

7327.4

16.4

16.4

13.7

15.1

13.7

8.2

5.5

4.1

1.4

2.7

5.5

経営者・役員

450.0

25.0

0.0

0.0

0.0

0.0

25.0

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

個人事業主

2138.1

4.8

9.5

14.3

0.0

4.8

4.8

4.8

4.8

4.8

0.0

14.3

公務員

30.0

0.0

33.3

66.7

66.7

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

専門職

00.0

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

農林漁業

10.0

0.0

0.0

100.0

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

派遣・契約社員

1136.4

9.1

9.1

9.1

18.2

9.1

18.2

0.0

0.0

0.0

0.0

18.2

パート・アルハイ゙ト・フリーター

2142.9

28.6

9.5

14.3

14.3

9.5

0.0

0.0

4.8

0.0

0.0

4.8

専業主婦/主夫

6333

00

00

00

167

00

333

00

00

167

167

00

2

TOTAL+5ポイント以上

TOTAL-5ポイント以下

※サンプル数30未満は参考値

※年収不明は非表示(ただしTOTALには含む)

※職業別サンプルには、補填用サンプルを含む。(ただし、補填用サンプルはTOTALには含まない)

専業主婦/主夫

165

34.5

26.1

13.9

6.1

4.2

9.7

5.5

3.0

1.2

5.5

3.6

6.1

無職

8930.3

15.7

18.0

14.6

12.4

3.4

6.7

3.4

5.6

0.0

3.4

10.1

学生

3221.9

37.5

12.5

3.1

18.8

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

3.1

15.6

専業主婦/主夫

633.3

0.0

0.0

0.0

16.7

0.0

33.3

0.0

0.0

16.7

16.7

0.0

無職

540.0

20.0

40.0

20.0

40.0

0.0

20.0

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

学生

520.0

0.0

40.0

20.0

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

40.0

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II.調査結果のまとめ

改正貸金業法施行後の借入状況:希望通りの借入れ有無

【3年以内借入経験者ベース】

3年以内借入経験者のうち、改正貸金業法施行(2010年6月18日)後、「貸金業で借入申込みした」のは55.2%。そのうち、「希望どおりの

金額で借入ができた」のは69.7%。

•職業別では、『派遣・契約社員』『経営者・役員』『個人事業主』が「希望通りの金額で借入ができないことがあった」および「借入ができなかった」率が他の職業よ

りも高くなっている。

希望通りに借入れができなかった時の対応として、「支出を控えた・諦めた」が最も多く56.9%。また、「銀行カードローン」からの借入れを

*Q12 改正賃金業法施行後に希望額通り借入有無・借

入れ可否【改正賃金業法施行後借入れなし】2区分

LAYER1:*対象者区分(M.A) 0001:3年以内借入経験者

貸金業で借入申込み

した

貸金業で借入れ申込

みをしていない

不明

*Q12 改正賃金業法施行後に希望額通り借入有無・借

入れ可否【改正賃金業法施行後借入れなし・申込無】

LAYER1:*対象者区分(M.A) 0001:3年以内借入経験者

全て希望通りの

金額で借入れが

できた

希望通りの金額

で借入れができ

ないことがあっ

借入れができな

かった

不明

【【図表

図表44】】改正貸金業法施行後の借入れ申込み有無:

改正貸金業法施行後の借入れ申込み有無:

(ベース:

(ベース:33年以内

年以内貸金

貸金借入経験者)

借入経験者)

【【図表

図表55】】改正貸金業法施行後の借入れ申込みと希望金額借入有無:(ベース:

改正貸金業法施行後の借入れ申込みと希望金額借入有無:(ベース:33年以内

年以内貸金

貸金借入経験者)

借入経験者)

※※借入申込みなしを除く

借入申込みなしを除く

行う者が11.8%、「ヤミ金」利用は0.3%、「クレジットカードの現金化」の利用は3.2%となった。

*Q12 改正賃金業法施行後に希望額通り借入有無・借

入れ可否【改正賃金業法施行後借入れなし・申込無】

LAYER1

対象者区分(

)00013年以内借入経験者

した

みをしていない

(%)

TOTAL

サンプル数

1,812

55.2

44.8

(%)

TOTAL

0円

1~300万円以下

サンプル数

1,000 92 450

69.7

66.3 68.9

15.1

20.7

15.6

15.2

13.0

15.6

LAYER1:*対象者区分(M.A)

0001:3年以内借入経験者

全て希望通りの

金額で借入れが

できた

希望通りの金額

で借入れができ

ないことがあった借入れができな

かった

不明

(%)

会社員

サンプル数

383

68.9

14.1

17.0

年 収 別

Q15 改正賃金業法施行後の借入れ不可/希望金額不可時の対応(M

.A)【借入不可/希望金額不可者】

LAYE

R1:*対象者区分(M.A) 0

001:3年以内借入経験者

TOTAL

n=

346

【【図表

図表66】】改正貸金業法施行後の借入不可・希望金額借入不可時の対応

改正貸金業法施行後の借入不可・希望金額借入不可時の対応

(ベース

(ベース:3:3年以内借入経験者で希望どおりの借入不可の経験あり)

年以内借入経験者で希望どおりの借入不可の経験あり)

301~500万円以下

501~1000万円以下

1001万円以上

243

157 31

72.0

72.0

67.7

12.3 14.0

9.7

15.6 14.0

22.6

経営者・役員

個人事業主(自営業、SOH

O含む)

公務員(教職員含む)

専門職(個人事業主は除く)

58 106 39 13

60.3

62.3

84.6 92.3

15.5 21

.7

10.3

24.1 16

.0

5.1

7.7

職3040506070(%)

56.9

24.0

農林漁業

派遣・契約社員

パート・アルバイト・フリー

ター

専業主婦/主夫

15 65 139 93

80.0

58.5

76.3

68.8

13.3

23.1

10.1

19.4

6.7

18.5 13.7

11.8

職 業 別01020

支 出 を 控 え た ・

親 類 ・ 友 人 等 か

け た ・ 借 入 れ を

ア ル バ イ ト な ど

増 加 に 努 め た

銀 行 の カー ド ロ

入 れ を 行 っ た

預 貯 金 等 の 自 分

崩 し た ・ 資 産 を

ク レ ジ ッ ト カー

ン グ 枠 の 現 金 化

職 員 組 合 ・ 共 済

れ を 行 な っ た

債 務 整 理 の 手 続

た無 登 録 業 者( ヤ

ら の 借 入 れ を 行

そ の 他

13.0

11.8

11.8

3.2

2.0

1.4

0.3

5.2

※職業別サンプルには、

補填用サンプルを含む。

※年収不明は非表示

(ただしTOTALには含む)

3

無職

学生

60 21

75.0 81.0

13.3 9.

5

11.7 9.5

諦 め た

か ら の 援 助 を 受

を 行 な っ た

ど に よ り 収 入 の

ロー ン か ら の 借

分 の 財 産 を 取 り

を 売 却 し た

ー ド の シ ョ ッ ピ

化 を 利 用 し た

済 等 か ら の 借 入

続 き の 申 請 を し

ヤ ミ 金 業 者) か

行 な っ た

(ただし、補填用サンプルは

TOTALには含まない)

※サンプル数30未満は参考値

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II.調査結果のまとめ

『無登録業者(ヤミ金)』の利用経験

【3年以内借入経験者ベース】

3年以内借入経験者のうち、『無登録業者(ヤミ金)』利用経験ありは1.2%、利用意向があったが利用経験なしは2.6%。

•職業別では、利用経験は、いずれもない、あるいは3%未満と非常に少ない。

総量規制抵触者では1.5%が利用経験あり、利用意向があったが利用経験なしは4.6%。

*Q21 ヤミ金融/現金化 利用経験【3区分】 無登

録業者(ヤミ金融)からの借入れ

LAYER2:*対象者区分(M.A) 0001:3年以内借入経験者

利用経験あり

利用経験なし&利用

意向あり

利用経験なし&利用

意向なし

【【図表

図表99】】無登録業者(ヤミ金)の利用経験:

無登録業者(ヤミ金)の利用経験:総量規制抵触有無別

総量規制抵触有無別

(ベース:

(ベース:33年以内借入経験あり、かつ

年以内借入経験あり、かつ現在借入残高あり

現在借入残高あり))

*Q21 ヤミ金融/現金化 利用経験【3区分】 無登

録業者(ヤミ金融)からの借入れ

利用経験あり

利用経験なし&利用

意向あり

利用経験なし&利用

意向なし

【【図表

図表77】】無登録業者(ヤミ金)の利用経験

無登録業者(ヤミ金)の利用経験

3年より前に借入経験

あり

3年以内借入経験者以外

(3年より前に借入経験あり+

借入未経験者)

3年以内借入経験者

(%)

TOTAL

総量規制該当者

総量規制非該当者

サンプル数

1,21

6

325

891

1.5

1.5

1.53.

4

4.6

2.9

95.1

93.8

95.6

総量規制抵触者

総量規制非抵触者

*Q21 ヤミ金融/現金化 利用経験【3区分】 無登

録業者(ヤミ金融)からの借入れ

LAYER1:*対象者区分(M.A) 0001:3年以内借入経験者

(%)

3年以内借入経験者

3年以内借入経験者以外

  うち、借入経験あり(3

年より前)

サンプル数

1,81

2

1,98

1

270

1.2

0.2

1.12.6

0.6 1.9

96.2

99.3 97.0

3年より前に借入経験

あり

3年以内借入経験者以外

(3年より前に借入経験あり+

借入未経験者)

3年以内借入経験者

借入未経験者

利用経験あり

利用経験なし&利用

意向あり

利用経験なし&利用

意向なし

(%)

会社員

サンプル数

665

1.82

.995

.3

  うち、借入経験なし

1,71

10.

499

.6

【【図表

図表88】】同上:

同上:職業別

職業別

(ベース:

(ベース:33年以内借入経験者)

年以内借入経験者)

借入未経験者

経営者・役員

個人事業主(自営業、SOH

O含む)

公務員(教職員含む)

専門職(個人事業主は除く)

89 196 76 23

1.06.7

2.6

4.3

93.3

96.4

100.

0

95.7

農林漁業

派遣・契約社員

パート・アルバイト・フリー

ター

専業主婦/主夫

26 122

266

185

1.6

1.1

0.56.

6

2.3

0.5

100.

0 91.8

96.6

98.9

4

※職業別サンプルには、補填用サンプルを含む。(ただし、補填用サンプルはTOTALには含まない)

※サンプル数30未満は参考値

無職

学生

111 39

2.6

0.9

99.1

97.4

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II.調査結果のまとめ

『総量規制』抵触者の割合/現在の借入残高

【3年以内借入経験者ベース】

3年以内借入経験者(かつ現在貸金業に借入残高あり)のうち、総量規制に抵触(借入残高が年収の1/3を超える)するのは26.7%。

•年収が低くなるにつれて、抵触者比率も高くなる。職業別では、『個人事業主』『専業主婦/主夫』での抵触者比率が他の職業より高い。

•現在消費者金融に借入残高あり、にしぼると総量規制抵触するのは44.0%。

総量規制抵触者の現在の借入残高(貸金業)は、平均で120.4万円、非抵触者の平均32.0万円の約3倍。残高が100万円超が約40%。

*総量規制該当者【ベース:3年以内貸金業借入経験者】

LAYER1:*対象者区分(M.A) 0001:3年以内借入経験者

総量規制該当者

総量規制抵触者

*総量規制該当者【ベース:3年以内貸金業借入経験者】

(年収・残高不明除く)

総量規制該当者

総量規制抵触者

【【図表

図表1010】】総量規制抵触者比率

総量規制抵触者比率

(ベース:

(ベース:33年以内借入経験者、かつ

年以内借入経験者、かつ現在貸金業に借入残高あり

現在貸金業に借入残高あり))

【【図表

図表1212】】総量規制抵触者比率

総量規制抵触者比率

(ベース:

(ベース:33年以内借入経験者、かつ

年以内借入経験者、かつ現在消費者金融に借入残高あり

現在消費者金融に借入残高あり))

総量規制該当者

総量規制非該当者

(%)

TOTAL

サンプル数

1,216

26.7

73.3

総量規制抵触者

総量規制非抵触者

総量規制該当者

総量規制非該当者

(%)

TOTAL

サンプル数

275

44.0

56.0

総量規制抵触者

総量規制非抵触者

【【図表

図表1111】】総量規制抵触者比率

総量規制抵触者比率年収/職業別

年収/職業別

(ベース:

(ベース:33年以内借入経験者、かつ

年以内借入経験者、かつ現在貸金業に借入残高あり

現在貸金業に借入残高あり))

サンプル

数総量規制

抵触者比率

(%)

*Q7 借入残高 6分類(一部3年より前含む)【ベー

ス:各3年以内借入経験あり&1件以上借入】

 貸金の

み計

LAYER1:*対象者区分(M.A) 0001:3年以内借入経験者

1~10万円以下

11~30万円以下

31~50万円以下

【【図表

図表1313】】現在の借入残高

現在の借入残高

(ベース:

(ベース:33年以内借入経験者、かつ

年以内借入経験者、かつ現在貸金業に借入残高あり

現在貸金業に借入残高あり))

年 収 別

0円116

1100.0

1~300万円以下

593

2 25.1

301~500万円以下

294

115.0

501~1,000万円以下

183

8 8.2

1,001万円以上

303 3.3

会社員

437

115.1

110万円以下

1130万円以下

31

50万円以下

51~100万円以下

101~200万円以下

201万円以上

(%)

TOTAL

総量規制該当者

サンプル数

/平均

1,21

655

.7 325

120.

4

36.4

15.1

22.0

12.6

11.7

8.9

15.0

21.5

9.7

24.9

5.1

16.9

08

総量規制抵触者

社員

経営者・役員

70225.7

個人事業主

140

4 41.4

公務員(教職員含む)

48112.5

専門職

140 0.0

農林漁業

172 23.5

派遣・契約社員

82222.0

パート・アルハイ゙ト・フリーター

187

25.7

職 業 別

総量規制非該当者

891

32.0

44.2

25.5

12.7

12.7

4.20.8

総量規制非抵触者

※職業別サンプルには、

補填用サンプルを含む。

※年収不明は非表示

(ただしTOTALには含む)

5

ハトアルハイトフリタ

187

25.7

専業主婦/主夫

116

669.0

無職

692 26.1

学生

242 25.0

(ただし、補填用サンプルは

TOTALには含まない)

※サンプル数30未満は参考値

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II.調査結果のまとめ

『総量規制』抵触者の特徴

【3年以内借入経験者ベース】

総量規制該当区分【ベス

各借入経験あり(貸金のみ

総量規制抵触者の内、年収がなく借入残高はある抵触者が35.7%を占める。

職業別では、非抵触者と比べ『個人事業主』『専業主婦/主夫』が多く、『会社員』が少ない。

消費者金融に残高のある抵触者の借入目的は、非抵触者に比べ「生活費の不足補填」が高く、「欲しいもののための資金不足補填」「クレ

ジットカードの支払資金不足補填」「お小遣い不足補填」が低めの傾向。

[SCR]Q4 職業

LAYER2:*対象者区分(M.A)

0001:3年以内借入経験者

会社員

経営者・役員

個人事業主(自営業、SOH

O含む)

公務員(教職員含む)

専門職(個人事業主は除く)

農林漁業

【【図表

図表1515】】総量規制抵触者

総量規制抵触者職業

職業

(ベース:

(ベース:33年以内借入経験者、かつ

年以内借入経験者、かつ現在貸金業に借入残高あり

現在貸金業に借入残高あり))

*総量規制該当区分【ベース:各借入経験あり(貸金のみ

)】 3年以内借入経験者

LAYER2:*対象者区分(M.A) 0001:3年以内借入経験者

借入残高は年収の3分の1以

下借入残高が年収の3分の1を

超える

借入残高が年収の3分の2を

超える

年収なし&残高あり

【【図表

図表1414】】総量規制抵触者

総量規制抵触者借入残高と年収の比率区分

借入残高と年収の比率区分

(ベース:

(ベース:33年以内借入経験者、かつ

年以内借入経験者、かつ現在貸金業に借入残高あり

現在貸金業に借入残高あり))

Q3 直近の借入目的(M.A)【ベース:各3年以内借入経験あり&表示対象

】 消費者金融からの借入れ

LAYE

R2:*対象者区分(MA)

0001

:3年以内借入経験者

派遣・契約社員

パート・アルバイト・フリー

ター

専業主婦/主夫

無職

学生

その他

(%)

TOTAL

サンプル数

1,216

35.9

5.8

11.5

3.91.2

0.36.

715.4

9.5

5.72.

0

182.1

(%)

TOTAL

総量規制該当者

サンプル数

1,216

325

73.3

10.2

38.2

7.0

26.2

9.5

35.7

総量規制抵触者

LAYE

R2:*対象者区分(M.A)

000

1:3年以内借入経験者

総量規制抵触者

n=42

総量規制非抵触者

n=

70

304050(%)

42.9 32

.9

総量規制該当者

総量規制非該当者

325

891

20.3

41.65.5

5.8

17.8

9.2

1.8

4.71.6

0.4

5.5

7.2

14.8

15.6

24.6

4.05.

5

5.71.8

2.02.2 2.0

総量規制抵触者

総量規制非抵触者

【【図表

図表1616】】総量規制抵触者

総量規制抵触者

消費者金融

消費者金融借入目的

借入目的

(ベース:消費者金融から

(ベース:消費者金融から

33年以内借入経験あり、

年以内借入経験あり、

かつ

かつ現在借入残高あり

現在借入残高あり))

0102030

16.7

11.9

11.9

9.5

9.5

9.5

7.1

2.4

2.4

0.0

11.9

14.3

17.1

10.0

17.1

0.0

20.0

4.3

2.9

1.4

2.9

4.3

生足1

遊が9

欲お8

ギっ10

ク支3

子宿7

お11他不4

住足2

医5冠6

そ12※総量規制抵触者別でソート

*総量規制抵触者【ベース:

3年以内貸金業借入経験者】

(年収・残高不明除く)

生 活 費( 光 熱 水 費 を 含 む) 不

足 を 補 う た め

遊 ぶ た め の お 金( 遊 興 費 等)

が 足 り な か っ た た め

欲 し い も の が あ っ た が 手 元 の

お 金 が 足 り な か っ た た め

ギ ャ ン ブ ル の 元 手 が 足 り な か

っ た た め

ク レ ジ ッ ト カー ド の 利 用 代 金

支 払 い 資 金 の 不 足 を 補 う 為

子 ど も の 教 育 関 連 費( 塾 ・ 合

宿 等 を 含 む) の 支 払 い の 為

お 小 遣 い が 足 り な か っ た た め

他 の 貸 金 業 者 へ の 返 済 資 金 の

不 足 を 補 う た め

住 宅 ロー ン の 支 払 い 資 金 の 不

足 を 補 う た め

医 療 費 の 支 払 い の た め

冠 婚 葬 祭 費 の 支 払 い の た め

そ の 他

n

6

112 42 70

TOTAL

036

.615

.215

.210

.714

.33.

616

.15.

42.

71.

81.

87.

1

総量規制抵触者

142

.916

.711

.911

.99.

59.

59.

57.

12.

42.

40.

011

.9

総量規制非抵触者

232

.914

.317

.110

.017

.10.

020

.04.

32.

91.

42.

94.

3TOTALとの差が+5以上

TOTALとの差が-5以上

TOTALとの差が+10以上

TOTALとの差が-10以上

TOTALとの差が+5以上

TOTALとの差が-5以上

TOTALとの差が+10以上

TOTALとの差が-10以上

Page 19: シンポジウム みんなで考えよう。セーフティネット …シンポジウム みんなで考えよう。セーフティネット貸付 -生活福祉資金貸付の現状と課題及び

II.調査結果のまとめ

『総量規制』/『セーフティネット』の認知

【TOTAL】

「貸金業法が改正されたこと」の認知計は全体で84.0%、詳細まで認知しているのは25.8%。次いで「『総量規制』の内容」認知計が76.1%、

「『総量規制』等が2010年6月までに導入されたこと」の認知計が68.3%。

•「3年以内借入経験者」の「貸金業法改正」認知計は93.4%、「『総量規制』の内容」認知計が91.0%と続く。借入未経験者でも「貸金業法改正」の認知計は81.5%。

『セーフティネット』の認知は、「弁護士会、司法書士会の相談窓口」が

60.9%と最も高く、利用意向は17.0%。

•総量規制抵触者の認知は、約30%~約70%、「都道府県の社会福祉協議会が行う生活福祉資金貸付制度」と「生活協同組合や労働金庫・信用組合による貸付制

貸付時、他の金融機関か

らの借入残高等の調査

上限金利の引下げ

貸金業法が改正された「総量規制」等が2010年

「総量規制」の内容

基準を超える貸付時、顧

客に対し年収等の証明資

【【図表

図表1717】】総量規制/

総量規制/

上限金利

げ上限金利

「認知計」=「詳細な内容まで知っていた」「聞いたことはあるが詳細な内容までは知らなかった」

度」が30%台の認知で他よりも低い。

•総量規制抵触者では、「弁護士会、司法書士会の相談窓口」の認知が71.7%で最も高いが、利用意向は28.9%。

(%)

詳細な内容ま

で知っていた

詳細な内容ま

で知っていた

詳細な内容ま

で知っていた

詳細な内容ま

で知っていた

詳細な内容ま

で知っていた

詳細な内容ま

で知っていた

TOTAL

3793

884.0

25.8

668.3

22.0

776.1

31.4

441.8

12.6

337.0

9.6

661.3

11.5

年内借入経験者

1812

934

497

871

469

910

540

698

344

635

264

772

247

ら借入残高等調査

が貸金業者に義務付けら

れる

上限金利の引下げ

サンプル数

認知 計

認知 計

認知 計

認知 計

認知 計

認知 計

貸金業法改された

こと

総量規制」等

年6月までに導入されたこと

「総量規制」の内容

客対し年収等証明資

料を徴求することが貸金

業者に義務付けられる

上限金利の引下げ

上限金利の引下げ

認知

認知 ※※「「TOTAL

TOTAL」のみ

」のみ

ウェイトバックあり

ウェイトバックあり

3年以内借入経験者

1812

93.4

49.7

87.1

46.9

91.0

54.0

69.8

34.4

63.5

26.4

77.2

24.7

借入未経験者

1711

881.5

20.5

663.7

16.9

772.7

26.8

335.7

8.1

331.0

6.2

557.5

8.5

3年以内借入経験者のうち、

総量規制抵触者 ※残高あり

325

995.4

60.0

991.7

56.6

993.5

63.7

777.5

45.2

666.8

31.7

777.8

28.3

3年以内借入経験者のうち、

総量規制非抵触者 ※残高あり

891

993.8

49.7

886.8

47.9

992.0

54.9

771.7

36.7

666.7

28.8

778.9

24.9

詳細な内容

詳細な内容

詳細な内容

詳細な内容

詳細な内容

認知計

生活協同組合や労働金庫・信用

組合による貸付制度

利用意向

あり

法テラス、国民生活センターの

相談窓口

利用意向

あり

利用意向

あり

弁護士会、司法書士会の相談

窓口

サンプル数

財務局や地方自治体設置の多重

債務専門の相談窓口

認知計

認知計

利用意向

あり

都道府県の社会福祉協議会が

行う生活福祉資金貸付制度

認知計

認知計

利用意向

あり

【【図表

図表1818】】セーフティネット認知/

セーフティネット認知/

利用意向

利用意向

※※「「TOTAL

TOTAL」のみ

」のみ

ウェイトバックあり

ウェイトバックあり

「認知計」=「詳細な内容まで知っていた」「聞いたことはあるが詳細な内容までは知らなかった」

(%)

まで知って

いた

まで知って

いた

まで知って

いた

まで知って

いた

まで知って

いた

TOTAL

3793

339.4

4.3

17.9

551.9

7.7

22.4

660.9

8.3

17.0

229.1

3.2

15.8

228.1

3.7

18.7

3年以内借入経験者

1812

447.4

7.9

25.0

660.5

11.5

30.5

771.3

12.7

22.9

335.3

5.4

25.8

334.2

5.5

28.1

借入未経験者

1711

337.5

3.5

16.3

449.7

6.6

20.7

558.1

7.1

15.5

227.2

2.7

13.9

226.4

3.1

16.6

3年以内借入経験者のうち

認知 計

あり

あり

あり

サンプル数

認知 計

認知 計

あり

認知 計

認知 計

あり

ウックあり

ウックあり

7

3年以内借入経験者のうち、

総量規制抵触者 ※残高あり

325

446.2

10.2

32.3

559.7

12.9

39.1

771.7

12.9

28.9

332.0

4.0

34.8

331.1

4.9

36.9

3年以内借入経験者のうち、

総量規制非抵触者 ※残高あり

891

448.9

8.6

24.1

660.0

11.4

28.8

771.3

12.5

21.3

335.9

6.5

25.5

334.7

6.1

28.1

Page 20: シンポジウム みんなで考えよう。セーフティネット …シンポジウム みんなで考えよう。セーフティネット貸付 -生活福祉資金貸付の現状と課題及び

生活福祉資金貸付事業の状況について

生活福祉資金貸付事業の状況について

目次

・生活福祉資金の貸付決定状況

・・・1

・総合支援資金及び臨時特例つなぎ資金の貸付決定状況

・・・2

最近の状況取組み

3・最近の状況・取組み

・・・3

・貧困・困窮者の「絆」再生事業

・・・4

・生活福祉資金貸付事業の概要

・・・8

・臨時特例つなぎ資金貸付事業の概要

・・・11

資料Ⅲ

Page 21: シンポジウム みんなで考えよう。セーフティネット …シンポジウム みんなで考えよう。セーフティネット貸付 -生活福祉資金貸付の現状と課題及び

生活福祉資金の貸付決定状況

資金種類

H18

H19

H20

HH21

○H18~H21年度貸付決定件数と貸付決定金額

資金種類

件数(件)

金額

(億円)

件数(件)

金額

(億円)

件数(件)

金額

(億円)

件数(件)

金額

(億円)

福祉費等

2,104

18.6

1,799

15.9

1,736

14.9

4,115

33.4

緊急小口資金

1,174

0.6

1,514

1.0

3,127

2.4

15,590

13.3

教育支援資金(修学資金)

6664

582

6732

545

7906

603

13139

930

教育支援資金(修学資金)

6,664

58.2

6,732

54.5

7,906

60.3

13,139

93.0

総合支援資金

※H21.10~

26,353

178.7

離職者支援資金

※~H21.9

969

13.9

870

12.5

1,610

23.0

1,960

24.1

不動産担保型生活資金

(長期生活支援資金)

123

21.4

276

34.6

486

45.0

371

36.7

(長期生活支援資金)

計11,034

112.6

11,191

118.4

14,865

145.6

661,528

379.2

1

Page 22: シンポジウム みんなで考えよう。セーフティネット …シンポジウム みんなで考えよう。セーフティネット貸付 -生活福祉資金貸付の現状と課題及び

総合支援資金及び臨時特例つなぎ資金の貸付決定状況(H21.10~H22.12)

※ 速報値であり、今後数値が変動する可能性があります。

総合支援資金

臨時特例つなぎ資金

貸付決定者数

貸付決定状況

貸付決定状況

対象月

貸付決定者数

(※1)

貸付決定状況

(※2)

貸付決定状況

(※2)

生活支援費

住宅入居費

一時生活再建費

人(実人員)

件億円

件億円

件億円

件億円

件億円

H21.10月~

7325

9442

622

6649

561

1270

29

1523

31

2188

20

H21.10月

H21.12月

7,325

9,442

62.2

6,649

56.1

1,270

2.9

1,523

3.1

2,188

2.0

H22.1月

3,853

4,999

31.7

3,564

28.7

568

1.3

867

1.6

993

0.9

H22.2月

4,125

5,563

32.7

3,785

29.1

762

1.7

1,016

1.9

1,026

0.9

H223月

4559

6195

362

4171

320

812

18

1212

22

1033

09

H22.3月

4,559

6,195

36.2

4,171

32.0

812

1.8

1,212

2.2

1,033

0.9

H22.4月

3,904

5,475

33.3

3,654

29.6

762

1.7

1,059

1.8

958

0.9

H22.5月

3,197

4,511

27.2

3,015

24.3

602

1.4

894

1.5

806

0.7

H226月

3755

5290

317

3549

283

736

17

1005

16

875

08

H22.6月

3,755

5,290

31.7

3,549

28.3

736

1.7

1,005

1.6

875

0.8

H22.7月

3,224

4,582

28.2

3,053

25.3

609

1.3

920

1.5

740

0.6

H22.8月

2,798

3,944

24.3

2,688

21.9

483

1.0

773

1.2

557

0.5

H229月

2135

3057

200

2010

181

453

10

594

09

510

04

H22.9月

2,135

3,057

20.0

2,010

18.1

453

1.0

594

0.9

510

0.4

H22.10月

1,876

2,772

18.0

1,822

16.2

384

0.8

566

0.9

478

0.4

H22.11月

1,759

2,542

16.0

1,690

14.4

322

0.7

530

0.8

418

0.3

H2212月

1628

2315

148

1595

135

281

06

439

07

396

03 2

H22.12月

1,628

2,315

14.8

1,595

13.5

281

0.6

439

0.7

396

0.3

累計

44,138

60,687

376.9

41,245

338.2

8,044

18.311,398

20.3

10,978

10.3

※1総合支援資金の貸付決定者数は、同一の者が複数の資金費目を申請する場合があるため、各費目の合計件数と一致しない。

※2各資金費目の貸付決定額は端数を切り捨てているため、合計額は一致しない。

Page 23: シンポジウム みんなで考えよう。セーフティネット …シンポジウム みんなで考えよう。セーフティネット貸付 -生活福祉資金貸付の現状と課題及び

最近の状況・取組み

○生活福祉資金利用実態把握調査(22年10月)

・改正貸金業法完全施行以降、多重債務者からの相談件数

改正貸金業法完全施行以降、多重債務者からの相談件数

ほぼ変わらず:

39

若干増加:

8かなり増加:0

合計:

47都道府県

・生活福祉資金の貸付決定者における他の借入状況(35都道府県より回答)

生活福祉資金借入決定件数

件%)

総量規制の抵触者

件%)

生活福祉資金借入決定件数:

3,103件

100.0%)

総量規制の抵触者:

446件

14.4%)

○社会福祉協議会の体制整備

・社会福祉協議会における相談支援体制の整備・充実を図るために、平成21年度第2次補正予算において財政措置

を実施。(22年度において相談員等約1300人増員(予定含む))

・23年度も引き続き財政措置を行う。

○関係機関との連携

・都道府県社会福祉協議会が各都道府県の多重債務対策本部(又は協議会)に参加するとともに、必要に応じて、関

議議

係機関と連携を図りながら、多重債務者に対して必要な支援を行うよう再度要請。

・各都道府県を通じ、全国の社会福祉協議会に対して、必要に応じて相談者を多重債務相談窓口に案内するよう要請。

また、日本司法支援センター(法テラス)と協力し、法テラス案内用リーフレットを作成し、全国の社会福祉協議会で活 3

用を依頼。

Page 24: シンポジウム みんなで考えよう。セーフティネット …シンポジウム みんなで考えよう。セーフティネット貸付 -生活福祉資金貸付の現状と課題及び

貧困・困窮者の「絆」再生事業(概要図)

地域で支援活動を行っているNPOと協働して、路上生活者だけでなく地域で孤立している

生活困窮者ネットカフェ難民ニート等)に対し個別的かつ継続的な支援の要素を新たに加

生活困窮者ネットカフェ難民、ニート等)に対し、個別的かつ継続的な支援の要素を新たに加

え総合的な支援システムを構築

地域社会との「絆」の再生

地域の一員として

尊厳のある生活へ!

地域社会との絆」の再生

課題

地域生活へ

の復帰!

信頼、安心

の回復

・安心できる居場所の確保

・信頼できる相談相手の確保

・ ともに歩める仲間の確保

路上化予防・再路上化防止

復帰

社会的・経済的自立

路上生活者

新たな

支援方法

生活居住セフテネト

ともに歩める仲間の確保

生活基盤の確立

路活者

+生活困窮者

新たな

支援者

支援方法

生活・居住セーフティネット

支援事業

民間のノウハウを活用

日常生活の様々な問題に

対しきめ細やかな支援

生活費や債務整理費用など

の支援(融資)

金銭的支援(融資)

個別的かつ継続的な

支援

NPO等支援団体

民間のノウハウを活用

対しきめ細やかな支援

関係機関、地域

コミュニティーに

もアウトリーチ

連携強化

行政だけで

は担えない

部分も支援

適切なアセ

スメントの

確立

支援

4

Page 25: シンポジウム みんなで考えよう。セーフティネット …シンポジウム みんなで考えよう。セーフティネット貸付 -生活福祉資金貸付の現状と課題及び

貧困・困窮者の「絆」再生事業(新旧対象表)

旧施策

新施策(充実拡大)

対象者

地 域社会的生活困窮者(ネットカフェ難

民ニ

トなど)を新たに追加

路上生活者

地域の実情に応じて

等民間

域 社 会

民、ニートなど)を新たに追加

シェルター設置等

自治体主導の事業

実施

方法

地域の実情に応じて、NPO等民間

支援団体のノウハウも活用

会 と の施設における短期

的な支援

支援方法

社会的生活を送るための長期にわた

る継続的かつ包括的伴走型支援

の “ 絆 ”路上からの脱却

事業

路上化の未然防止

” の 再路上からの脱却

事業目的

路上化の未然防止

継続的支援による再路上化の防止

再 生 効果

対象者が働くことによる人的資源の活用、NPO等の雇用機会の拡大、生活保護費の

削減などが見込まれる。

5

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貧困・困窮者の「絆」再生事業(イメージ図)

路上生活から地域のステージへ戻るにあたっては高い段差(障壁)がある。

その段差を解消するための新しいステップ(足場)を新設(直ちに路上化する事も

その段差を解消するための新しいステップ(足場)を新設(直ちに路上化する事も

同時に防止)することでスムーズな自立を図る。

拒否・不安

信頼・安心

自信・回復

自立

拒否不安

信頼安心

自信回復

自立

後戻りすることの

自立した地域社会の一員

新たなステップ

ない着実な一歩!

自立に向けた取組み

各種施策

新たなステップ

【新たなステップ(足場)】

貧困

防止

自立に向けた意欲

生活困窮者

(ホームレス、ニート等)

新たなステップ

転落

防止

既存の施策とNPO等の支援団体との協働

日常の課題へのきめ細やかな対応

雇用対策との連携(トライアル雇用等)

金銭的な支援

「住居」+「食事」の現物提供

就労・自立生活

住宅手当や生活福祉資金などを活用)

伴走者の配置

自立阻害要因を把握

ステージを通した個別的かつ継続的支援

住宅手当や生活福祉資金などを活用)

6

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貧困・困窮者の「絆」再生事業における資金の流れ

都道府県

市区町村

国緊急雇用創出事業基金

〔住まい対策〕

基金の積み増し

100億円

社会福祉法人・NPO法人等

貧困・困窮者の「絆」再生事業

・宿泊施設借上費用

・相談員の活動経費

・ 生活困窮者のために支援活動を行っている

【緊急一時宿泊施設(借上方式)】

【総合相談推進事業】

生活困窮者のために支援活動を行っている

NPO等民間支援団体の活用経費

・ホームレス自立支援センターの運営費

※①借上シェルター入所中の相談

②自立支援センターや施設型シェルターの退所者の

アフタフォロ

【自立支援事業等】

アフターフォロー

③生活困窮者(ネットカフェ難民等)の相談

を実施

・施設型シェルターの運営費

7

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生活福祉資金貸付事業の概要

創設年度】

和年度

創設年度】昭和30年度

【目的】低所得者、障害者又は高齢者に対し、資金の貸付けと必要な援助指導を行うことにより、その経済的

自立及び生活意欲の助長促進並びに在宅福祉及び社会参加の促進を図り、安定した生活を送れるように

することを目的とする

することを目的とする。

【実施主体】都道府県社会福祉協議会(窓口は市町村社会福祉協議会)

【貸付対象】・必要な資金を他から借り受けることが困難な低所得世帯(市町村民税非課税程度)

・身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた者等の属する障害者世帯

・65歳以上の高齢者の属する高齢者世帯

【貸付資金の種類】

総合支援資金(生活支援費住宅入居費

時生活再建費)

・総合支援資金(生活支援費、住宅入居費、一時生活再建費)

・福祉資金(福祉費、緊急小口資金)

・教育支援資金(教育支援費、就学支度費)

・不動産担保型生活資金(不動産担保型生活資金、要保護世帯向け不動産担保型生活資金)

【貸付限度額】それぞれの資金種類ごとに設定

【貸付金利子】

・連帯保証人を立てた場合

無利子

利用者の資金ニーズに応じた貸付けを実施するため、見直しを

実施 見直しの内容】

生活福祉資金制度の見直し(H21.10)

・連帯保証人を立てない場合

年1.5%

①教育支援資金、緊急小口資金は無利子

②不動産担保型生活資金は年3%又は長期プライムレート

(H22.4.1時点年1.60%)のいずれか低い金利

見直しの内容】

・総合支援資金の創設

・連帯保証人要件の緩和

原則、連帯保証人を必要としつつ、連帯保証人を立てない場合

でも貸付可能

でも貸付可能

・貸付利子の引き下げ

3%→・連帯保証人を立てた場合

無利子

・連帯保証人を立てない場合

年1.5%

8

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生活福祉資金の借入手続

運 営 委

必要に応じて

意見聴取

③申請書類等送付

市町村社会福祉協議会

都道府県社会福祉協議会

員 会

②相談支援

④ 貸 付 決 定

⑤ 借 用 書 の申請書類等送付

①相談・申込み

(総合支援資金、緊急小口資金、

不動産担保型生活資金の申込み)

②相談支援

定 、 ⑥ 送 金

の 送 付 、 ⑦ 償償 還

①相談・申込み(福祉費、教育支援資金の申込み)

②相談支援

連帯保証人

借受人

民生委員

連帯保証人

9

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総合支援資金の概要

失業等、深刻かつ複雑な問題を抱え、日常生活全般に困窮している者に対しては、関係機関と連

携を図りながら継続的支援を行う必要がある

趣旨

携を図りながら、継続的に支援を行う必要がある。

こうした継続的な支援とあわせて、生活費及び一時的に必要な資金の貸付を行うことにより、生活

に困窮している者の自立を支援する。

≪平成21年10月創設≫

貸付対象者

○生活の立て直しのために、継続的な相談支援と生活費及び一時的な資金を必要とし、貸付を行うことにより

自立が見込まれる者であって、次のいずれにも該当するもの

①低所得者世帯(市町村民税非課税程度)であって、失業や収入の減少等により生活に困窮していること

②公的な書類等で本人確認が可能であること

③現に住居を有していること又は住宅手当の申請を行い、住居の確保が確実に見込まれること

④実施主体及び関係機関から継続的な相談支援を受けることに同意していること

④実施主体及び関係機関から、継続的な相談支援を受けることに同意していること

⑤貸付及び支援を行うことにより、自立した生活を営むことが可能となり、償還を見込めること

⑥生活保護を除く他の公的給付又は公的な貸付を利用することができないこと

貸付内容

貸付内容

○継続的な相談支援(就労支援等)とセットで以下の資金を貸付

1生活支援費(20万円以内/月)※単身世帯の場合は、15万円以内/月

※生活再建までの間に必要な生活費(最長1年間)

2住宅入居費40万円以内)

2住宅入居費40万円以内)

※敷金、礼金等住宅の賃貸契約を結ぶために必要な経費

3一時生活再建費(60万円以内)

※就職活動費、技能習得費、債務整理手続費用

等10

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臨時特例つなぎ資金貸付事業の概要

現下の厳しい雇用失業情勢の中、解雇や派遣労働者の雇止め等により、住居を喪失し、その後の

趣旨

生活維持が困難である離職者に対しては、その状況に応じて失業等給付、住宅手当等の公的な給

付や貸付による支援を行うこととしている。

こうした公的給付制度等の申請から決定までの間の生活費を有しない者に対し、その生活に必要

な費用を貸し付けることによりその自立を支援する

成年

創な費用を貸し付けることにより、その自立を支援する。

都道府県社会福祉協議会(窓口は市町村社会福祉協議会)

≪平成21年10月創設≫

実施主体

①失業等給付住宅手当生活保護等の公的給付又は生活福祉資金貸付等の公的貸付の申請

住居のない離職者であって、次のいずれにも該当する者

貸付対象者

①失業等給付、住宅手当、生活保護等の公的給付又は生活福祉資金貸付等の公的貸付の申請

を受理されている者であり、かつ、当該給付等の開始までの生活に困窮している者

②金融機関の口座を有していること

貸付限度額:10万円以内

連帯保証人:不要

貸付内容・条件

連帯保証人:不要

利子:無利子

償還:申請中の公的給付等が決定し、支給等が行われた時点で一括又は分割で償還

11

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1

多重債務問題に強いまち 盛岡 平成22年9月16日

盛岡市消費生活センター

A.市民の多重債務問題を解消し,生活再建を支援します

■ 有資格の消費生活相談員など 17名体制で,丁寧に事情を聴いて解決のための支援をします。また,債

務整理後の生活再建のために必要な道筋をコーディネートします。

■ 「盛岡市多重債務者包括的支援プログラム」及び「盛岡市ほほえみと太陽のプロジェクト」を全庁的

に実施し,どの職員も多重債務者,生活困窮者の把握に努め,消費生活センターにおいて債務整理を

行い,その後の生活再建についても市役所の行政サービスをフルに活用し,包括的に支援します。

B. 顔の見えるセーフティーネット貸付を実施します

■ 多重債務の整理や生活再建のためなどの資金を低利で貸し付ける「消費者救済資金貸付制度(債務整理

資金貸付,生活再建資金貸付)」を岩手県信用生活協同組合を窓口に実施し,貸付のみならず,顔の見

える丁寧な相談対応を行います。

C.多重債務者発生予防のための啓発を行います

■ 子どもの頃からきちんとした金銭感覚を養ったり,お金にまつわる落とし穴に落ちないように,子ども

から大人までが学べる出前講座のメニューを用意し,市内全域で積極的に実施します。

■ 広報媒体やパブリシティの手法により,多重債務に陥らないための啓発を行うとともに,多重債務に陥

っている市民には,すぐに消費生活センターへ相談することを呼びかけます。

D.関係機関と連携して対応します

■ 多重債務の法的解決や,ヤミ金への対応などで岩手弁護士会,各警察署などと連携を強めます。 ■ 自殺予防対策部門,多重債務者支援団体など,多重債務問題に関連した活動をしている方とも連携を

深めます。

お問合せは。。。 盛岡市消費生活センター

■電話:019-604-3301 ファクス: 019-624-4123

■E-Mail : [email protected]

■ウエブサイト http://www.city.morioka.iwate.jp/04simin/syohi/

盛岡市では, 20年以上前から多重債務問題に取り組んできました。これまでの取り組みを更に強化し,市民を多重債務問題から解放し,くらしの安心・安全を守るため,引き続き「多重債務

問題に強いまち」を目指してまいります。

資料A資料Ⅳ

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2

「多重債務問題に強いまち」を目指して

盛岡市 市民部 消費生活センター

平成22年9月16日

1 はじめに

盛岡市は岩手県の県庁所在地,人口30万人の城下町です。当市では消費生活センターが多重債務対策

窓口となり,消費生活相談員(非常勤職員)13名と行政職員4名が平日8時半から17時半(相談員は非常勤

職員につき平日9時から16時までの勤務)の間,相談に当たっています。

全国数ある消費生活センターの中で,行政職員も積極的に相談を受けるという対応をしているセンターは

ごく少数だと聞いております。行政職員自身が相談を受け付け,処理することのメリットは,市民が困窮して

いる消費生活上の問題点がリアルタイムで明確になり,行政施策にすぐさま反映できることにあると考えてい

ます。

センターでは「多重債務者が生活再建できること」を最終目標とし,市民の多重債務問題解決のため,関

係機関と連携しながら 20年以上も前から積極的に市民を支援してきております。具体的には,①債務状況

の把握,②借入原因と経緯の整理,③収入・資産の把握,④債務一覧表の作成,⑤家計収支表の作成,⑥

保証人,担保設定,公正証書提出の有無の聴き取り,⑦親族などの協力者の状況把握などを行った上で,

⑧任意整理・特定調停・個人再生・破産等の方向性を検討し助言。必要に応じて⑨弁護士相談に同行したり,

裁判所での手続きを支援したりするといった処理を行っています。

相談者に対しては「借金問題は必ず解決できる」と,まずは安心していただき,解決に向けて相談を進めて

います。また,借金問題の背景には様々な問題が隠れていることもあり,借金の問題を解決することのみな

らず,生活事情などをよく聴いて,必要に応じて福祉担当などへ橋渡しをするなど,借金整理後の生活再建

のためのコーディネートも行っています。

個人の借金問題へ行政の対応として,法律家を単に紹介する,というやり方もあるかと思いますが,私た

ちは基本的にそのような対応はしておりません。理由は4つあります。

① せっかく勇気を出して相談に来た市民の気持ちをそぐことなく,その決意をくみながら一気に解決の道

筋をつけてあげたほうが市民にとって親切だから。

② 法律家を紹介しても,市民が確実にその窓口に行くかどうか分からないから。(敷居が高い,費用がか

かるのではという意識からせっかくの決意がそがれる可能性がある。)

③ 前述のとおり,借金問題の背景には様々な問題があることが多く,それらは市役所の中で解決できる

ことが多いため,生活再建を考えた場合,市役所で相談を受けた方が合理的に処理できると考えている

から。

④ 法律家へ同行することにより,相談員自身の研修にもなる。

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3

●借金相談件数推移

年度 借金相談件数 全体相談件数 借金相談割合(*)% 備考

平成16年度 956 6,202 45.2

平成17年度 937 4,245 38.7

平成18年度 972 3,819 39.9

平成19年度 1,997 3,923 61.7

平成20年度 1,936 4,157 59.2

平成21年度 1,543 3,770 47.4

(*)架空請求に関する相談を除く割合

2 盛岡市多重債務者包括的支援プログラムを開始

当市では「盛岡市多重債務者包括的支援プログラム」を平成19年4月から開始しました。このプログラムは,

税の徴収担当や福祉担当,市民相談担当職員などが多重債務に困窮する市民を把握した場合,担当職員か

らの紹介により消費生活センターにおいて相談を受け付けて対応。その後,行政サービスを最大限活用した支

援を施し,市民の生活再建を包括的に行うものです。平成19年度は104件を扱いました。具体的には次のよう

に進めて行きます。

(1) 庁内各部署は,相談業務などで市民に接する際,積極的に多重債務者の把握に努め,多重債務者を把

握した場合は本人に消費生活センターへ相談することを促す。

(2) 庁内各部署は,聴き取った状況,多重債務者の氏名,連絡先等を本人の承諾を得た上で消費生活セン

ターへ連絡するほか,その方の現在の生活状況など必要な情報を適宜連絡する。

(3) 消費生活センターは多重債務者に連絡をとって相談に来ることを促し,多重債務の状況を聴取し,弁護

士会などと連携しながら,多重債務を解消するための手立てをとる。

(4) 消費生活センターは多重債務解消結果を担当部署へ連絡するとともに,多重債務問題以外の問題を抱

えていたり,多重債務整理後の生活再建に心配のあるケースは,福祉担当課などへフィードバックするな

ど,包括的支援を行うように努める。

(5) 庁内各部署は,債務整理後の生活再建をすすめるために必要な措置をとる。

また,平成 21年 6月からは,「盛岡市ほほえみと太陽のプロジェクト」を開始。税等の滞納の理由に生活困

窮があるのではないかとの前提の下,滞納者に対し「ほほえみと太陽」のような態度で接し,生活困窮に陥って

いないかどうかお伺いし,そのような状況にある場合は「盛岡市くらしとお金の安心支援事業」により生活再建

を目指し,担税力を高め,納付につなげることを目標に徴収担当課と連携して行なっています。

3 他機関との連携

多重債務を解決する上でもうひとつ重要なのは他機関との連携です。当市では,従前から岩手弁護士会と

緊密に連携して相談者の債務整理を進めています。特に実効を上げているのは消費者当番制です。これは,

平日の午後,弁護士会消費者問題対策委員が各自の弁護士事務所に待機し,案件があればすぐに相談して

いただけるものです。このことにより,最短の場合,午前中相談に来た市民が,午後には弁護士に相談ができ,

夕方には弁護士から受任通知が発出され,翌日から取立てが停止するといった態勢をとることが可能となりま

した。

平成19年10月からは司法書士会との連携を開始。平成20年度からは,週一回,司法書士による相談受

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4

任会を消費生活センター内で開催しております。

また,ヤミ金への対応としては,警察と連携しながら当たっています。案件が発生した場合には,相談者の住

所を所轄する警察署へ連絡を入れて対応をお願いしているほか,県警本部とも適宜情報共有しています。

当市では債務整理等の資金を貸し付ける「盛岡市消費者救済資金貸付制度」を平成元年から行っており,こ

の貸付を実行するのが岩手県消費者信用生活協同組合(信用生協)です。この制度は,債務を一本化したり,

訴訟費用などにあてるための資金を貸すもので,市は市内の金融機関に資金(公費)を預託。預託を受けた金

融機関が,その 4倍の額を信用生協に融資し,それを原資として融資枠を確保して市民に対し融資を行ってい

ます。平成22年度の預託額は209,000千円(うち30,000千円は生活再建資金貸付制度用),貸付枠は746,000

千円です。

市からは債務整理のひとつの方策として,資金貸付を希望する相談者を紹介したり,信用生協独自に無料

相談を行っていただくなどの連携を行っています。市民にとっては多重債務の相談が気軽にできる窓口が当セ

ンターと併せ,市内に2箇所あることになります。

平成 21年度からは債務整理資金の貸付に加え,生活再建のために必要な資金を貸し付ける「生活再建資

金貸付制度」を新たに始めます。また,貸付のみならず,生活不安定者に寄り添い,生活再建を支援する「くら

しとお金の安心支援事業」をNPO法人いわて生活者サポートセンターと協働で平成21年1月から実施してい

ます。

4 啓発・教育も積極的に展開

当市では,多重債務問題解決のため,市民に対する啓発,子どものためのお金のしつけ(金銭教育)推進は

被害者救済とともに対策の両輪と位置づけています。

平成 18年度から児童・生徒・学生向け出前講座「よ~く考えよう!お金のはなし」を開催。子どもたちに直接

お金のしつけ(金銭教育)を行っています。同様に大人を対象に「盛岡市次世代育成支援対策推進行動計画」

に基づき,「子どものためのお金のしつけ」講座を開催。若年からのお金のしつけの重要性について啓発をして

います。 金銭教育出前講座実施状況

平成18年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度生徒等対象34回 2835人 51回 3380人 40回 3865人 43回 3841人一般対象 47回 2455人 27回 1275人 27回 1693人 15回  431人

計 81回 5290人 78回 4655人 67回 5558人 58回 4272人

また,岩手県消費者教育連絡会議に参画し,主に学校教育における消費者教育の実施拡充に向け具申し

ているほか,教材の提供や出前講座のデモンストレーションなどを行っています。

借金の整理方法を示した「借金問題は必ず解決できます!」チラシ及びサラ金の借金のしくみなどを示した

「よーく考えて!その借金」というタイトルの啓発チラシを作成し,市の施設などに配架して市民に配布していま

す。平成19年9月には,岩手県金融広報委員会の協力の下,金融機関のATM周りに相談を呼びかけるチラ

シを配置しました。

センターホームページには「消費者教育支援」のページを設けてセンター作成の教案・教材などを公開。教

員などがいつでも自由にダウンロードできるようにしています。

新聞社,テレビ局などと連携してパブリシティ(広報戦略)の手法により,多重債務予防のための広報,相談

窓口への誘導を行っています。

平成 19年 12月からは,相談者に対し,「かんたん家計簿」を配布し,借金整理後に黒字家計を維持するた

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5

めの支援を行っております。これは,市民団体などとも連携し,健全な家計管理を維持し,二度と借金をしない

ための事後的なフォローアップをかねて行っているものです。

5 市が多重債務問題に取り組むメリット

私たちは,このような取り組みを,特別なことをしているという意識はなく,当たり前のことを当たり前にしてい

るだけだと考えています。困窮した市民を面前にして,支援の手を差し伸べてこそ,基礎自治体としての価値が

あるだろうとも思います。このことにより,市民からしっかりとした信頼が得られるものと確信しております。

市民を借金苦から解放することにより,取り立ての厳しい高金利の貸金業者へ支払われている市民の資金

を取り戻し,健全な消費生活を確保することは地域の窮乏化防止にも繋がります。

また,借金に起因する自殺等が減少し,安定した市民生活が守られることも期待できます。

最終的に市民生活の安心・安全が確保されることが何よりも行政が望むところです。

6 新しい取り組み(一部再掲)

(1) 事後的なフォローアップの充実

NPOいわて生活者サポートセンターと協働し,「盛岡市くらしとお金の安心支援事業」(別添参照)を平成

21年1月から開始。債務整理後市民及び多重債務に陥りそうな市民の生活再建支援を行う。

(2) 各部局間の連携強化

徴収部門において,税等の滞納者が生活困窮に陥っていないかどうかお声をかけ,掘り起こし,生活再

建するプログラムを開始

(3) 新たなセーフティネット貸付の創出

現行の消費者救済資金貸付制度の枠組みを利用し,「生活再建資金貸付制度」を創出。平成 21年 4月

から実施。債務整理後の資金需要に対応できる貸付制度を開始。

(4) 金銭教育の充実・拡充

岩手県消費者教育連絡会議において,学校で利用できる教材及び事業で活用できる情報をインターネッ

ト上で公開し,教師が実践的な消費者教育を行うことを支援する事業を行う。

(5) ヤミ金対策の充実

景観条例に基づき,ヤミ金融の広告ビラの除却を関係課と連携して行う。

7 最後に

センターの相談員には,債務整理が終わった相談者から時折礼状が送られてくることがあります。その中に

は一様に借金苦から抜け出せた安堵感,平穏な生活を取りもどせたことへの喜び,そして親身になってくれた

ことへの感謝の言葉が綴られています。借金で人生を棒に振る必要はない。一人でも多くの方が一日も早く相

談に訪れて,心穏やかなくらしを取りもどして欲しいと相談員一同,心から願っています。

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盛岡市 多重債務者包括的支援プログラム

平成19年3月28日

平成21年7月1日改

平成22年4月1日改

盛岡市 市民部

1 盛岡市内の多重債務者の状況と対策の現状 (1)全国の状況 ●今般の貸金業法の改正を受け,多重債務問題への抜本的総合的対策が進められることと

なり,国では平成18年12月に多重債務者対策本部(内閣官房主管)を設置した。 ●多重債務者対策本部の資料によると,借り手の返済能力を上回る貸付が横行しており,5

件以上から借りている多重債務者は平成19年時点で全国で230万人存在し,平成17年の自己破産者は18.4万人(10年前の約4.3倍)となっている。少なくとも国民の8.5人に1人はいわゆる消費者金融を利用しているのが現状である。 (2)盛岡市の現状 ●盛岡市消費生活センターへは借金に関する相談が年間約2,000件(全体の相談件数の5割程度)も寄せられている。 ●同センターが相談窓口となっていることを知らない市民や借金問題解決の糸口が見つから

ずに悩みを抱えている市民は少なくない。 ●また,借金に追われた市民が自殺に追い込まれたりするなど,多重債務者が増加すること

による市民生活の困窮拡大等も懸念される。 ●相談者からは,貸金業者の取り立てが厳しいため,貸金業者への返済を優先していると聞

いており,本来,個人消費されるべき資金が高利の貸金業者に優先的に流れている。 (3)盛岡市の取り組み状況 ●市では 20年以上前から多重債務の相談を受け,消費生活センターを設置して多重債務者の生活再建の支援を行ってきた。 ●相談者に対しては「借金問題は必ず解決する!」というように意思をしっかり持ってもらい,

励ましながら相談を進めている。また,借金問題の背景には様々な問題,例えば家庭内暴力だ

このプログラムは,庁内関係部署と連携しながら,多重債務問題を抱える市民を把握し,

消費生活センターが債務整理を支援することにより多重債務状態を解消し,生活再建を進

め,市民生活の安心を確保することを目的に実施するものである。

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とか,その方の精神上の問題だとか,低所得による生活困難だとかの問題が隠れていることも

あり,その辺の事情もよく聴いて,借金の問題を解決しつつ,その方をトータルサポートするた

めに,必要に応じて庁内の担当などへ橋渡しをしている。 ●また,市では債務を一本化したり,訴訟費用などにあてるための資金を貸す公的貸付制度

(盛岡市消費者救済資金貸付制度)を全国に先駆けて平成元年から行っているほか,岩手弁

護士会とも強力な連携態勢をとっている。 ●最近はいわゆるグレーゾーン金利による貸付に対し,過払金返還請求を行い,結果,多重

債務状態が一気に解消されるケースも出てきている。 ●消費生活センターには,多重債務が整理されて生活再建ができた市民から喜びの声が多

数寄せられている。 2 プログラムの概要 ①庁内各部署は,相談業務などで市民と接する際,積極的に多重債務者の把握に努め,多重

債務者を把握した場合は本人に消費生活センターへ相談することを促す。 ②庁内各部署は,聴き取った状況,多重債務者の氏名,連絡先等を本人の承諾を得た上で消

費生活センターへ連絡するほか,その方の現在の生活状況など必要な情報を適宜連絡す

る。 ③消費生活センターは多重債務者に連絡をとって相談に来ることを促し,多重債務の状況を

聴取し,弁護士会などと連携しながら,多重債務を解消するための手立てをとる。 ④消費生活センターは多重債務解消結果を担当部署へ連絡するとともに,多重債務問題以外

の問題を抱えていたり,多重債務整理後の生活再建に心配のあるケースは,福祉担当課な

どへフィードバックするなど,包括的支援を行うように努める。 ⑤庁内各部署は,債務整理後の生活再建をすすめるために必要な措置をとる。 3 期待される効果 ●市民の多重債務状態が解消され,経済的生活再建が進み,市民生活の安心が確保され

る。 ●個人消費されるべき資金が戻ることにより,市内の流通・経済に好影響をもたらすなど,地

域の窮乏化防止に役立つ。 ●市内の多重債務者が減少することにより,多重債務状態に起因する自殺等が減少し,安定

した市民生活が守られる。

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●概念図

●当該プログラムの推進に特に関係する課等

■徴収担当課等

納税課 市税全般

国保年金課 国民健康保険税

児童福祉課 保育料,児童福祉

介護高齢福祉課 介護保険料,高齢福祉

医療給付課 後期高齢者医療保険料

市立病院医事課 医療費

建築住宅課 市営住宅使用料

上下水道部料金課 下水道料,水道料

学務教職員課 給食費,就学支援

各幼稚園,高等学校 授業料

★そのほかの課等において多重債務者を把握した場合も,上記に従い,消費生活センターと連携を

とることとする。

①多重債務者の把握・消

費生活センターへ取次ぎ

②困窮状態等の情報提供,適

宜情報交換

③相談・あっせん

④結果の報告

⑤担当課による借金

整理後の生活支援

庁内各部署 (特に徴収部門及び福

祉部門)

消費生活センター

多重債務に困窮する市民

■福祉担当課等

広聴広報課 法律相談・市民相談

消費生活センター 多重債務相談

男女参画国際課

(女性センター)

家庭問題,DV等

地域福祉課

(盛岡市社会福祉協議会)

福祉全般

障がい福祉課 障がい者福祉

生活福祉課 生活保護

保健所保健予防課 自殺対策

都南総合支所 住民相談

玉山総合事務所

税務住民課,健康福祉課

市税徴収

福祉全般

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■多重債務相談カード (盛岡市消費生活センター) *この個人情報は,解決に必要な場合,あなたの同意を得て法律家に提供することがあります。受付     年   月    日 担当者:盛岡市消費生活センター                電話604-3301

  年   月   日生

歳 年 月頃

過去の借金整理の有無

土地  /  家屋  /  車 (    年式) /  生命保険(解約返戻金     万円)  /退職金(       万円 / 個人年金(解約返戻金     万円) / その他( )

以下に土地・建物の詳細を書いてください援助してくれるのは誰ですか? 分割返済の支払可能月額         円

自分と家族の状況 (同居の家族はあなたの借金のことを知っていますか?  ■知っている  ■知らない)今まで他で相談したことがありますか?

相談先 (弁護士 / 司法書士 / 信用生協 / 相談会 / その他                    )

*消費生活センター使用欄

     年   月   日     時    分

*手帳,生保,家族協力,病,互助会・友の会,20万,

*市税等担当課へ整理方針連絡(要承諾)

*庁内担当課名・氏名・内線・連絡日・連絡内容

1ヶ月の生活費 (わかる範囲で記入してください。)

円電話通信費(携帯含)円

同居/別居

万円

車検,車の税金・保険等 円

有/無

(*)その他収入=生活保護,年金,児童手当,養育費,慰謝料,援助者からの資金などはありませんか?

□ 有 □無 

住まい

有/無

備考

No.

氏名

備考

続柄 年齢

有/無

有/無

養育費支払

慰謝料支払

合  計

勤務先

アポ日時

借金整理の費用の有無他からの援助を受けられる額:       万円,  本人が用意できる額:      万円□ 有 □無 

万円

万円

□ 有 □無 

【特記事項】  心配なこと,気になっていることなど自由に書いてください。

万円

自分のこと

歳 同居/別居

同居/別居万円

万円

万円万円

同居/別居万円 万円万円

万円

職業

万円万円

万円

万円

万円 万円

(*)その他収入 (月)

ボーナス(手取:年間)

平均月収(手取)

借金有無

携帯電話

勤続年数

所有資産の有無 (相続の済んでいない土地・建物はありませんか?   ■有  ■無 )

電話

職業等 平均月収(手取) 万円 万円

大・昭・平

年齢

ボーナス(手取:年間)

氏名(ふりがな)

〒    -     盛岡市

(借入時の住所と同じ?)男 / 女住所

最初に借金をした時の経緯 (結婚,入学,事故,病気などの出来事がきっかけとなっていませんか? )

借入先の業者名

借金の理由

借入時期

債務整理の方法 任意整理 / 特定調停 / 個人再生 / 自己破産

備考

□ 有 □無 有の場合:    年前 債務総額      万円

新聞代

ガス代

国民健康保険 円

生命保険

遊興費

損害保険

国民年金

家 賃

灯油代

食 費 ガソリン代

交通費

教育費

医療費

円水道代

紹介先名

被服費

       (家族に内緒?)

税金

1ヶ月の生活費合計

駐車場代

電気代

0508

*この個人情報は,解決に必要な場合,あなたの同意を得て法律家に提供することがあります。

その時の月収 借入先 出来事

2001(平成13)2002(平成14)

2007(平成19)2008(平成20)

2003(平成15)2004(平成16)2005(平成17)2006(平成18)

1997(平成9)1998(平成10)1999(平成11)2000(平成12)

2009(平成21)

1987(昭和62)

1985(昭和60)1986(昭和61)

1988(昭和63)

1992(平成4)1993(平成5)1994(平成6)

1996(平成8)

1990(平成2)1991(平成3)

1995(平成7)

1989(平成元)

年 歳

【人生の出来事】 結婚,出産,入学,引越,新築,転職,病気,事故,離婚などがあった年を書いてください。

その時の勤務先 備考

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*この個人情報は,解決に必要な場合,あなたの同意を得て法律家に提供することがあります。借金・クレジット一覧表   (既に完済したもの,誰かの保証人になっているものも記入してください。契約書などは残っていませんか? 正確な内容が思い出せない場合は,だいたいで構いません。)

使途 保証人

保・完済

保・完済

保・完済

保・完済

保・完済

保・完済

保・完済

保・完済

保・完済

保・完済

保・完済

保・完済

保・完済

保・完済

滞納費目 滞納額 滞納期間 強制執行の有無 備考

滞納費目 滞納額 滞納期間 強制執行の有無備考

月々の支払額

当初借入額

支払日

最終支払年月 備考(担保設定・督促・和解・公正証書)利率当初借入

年月 現在の借入残高

2

3

1

10

11

8

2

4

番号

5

番号

13

7

税金,家賃,公共料金,電話代などの滞納の有無      □ 有   □無 

14

3

12

6

9

番号

1

振込引落持参

振込引落持参

振込引落持参

支払方法

振込引落持参

振込引落持参

振込引落持参

振込引落持参

振込引落持参

6

合計

4

所在地(なるべく詳しく)電話番号

債権者名(債権譲渡先)

5

振込引落持参

振込引落持参

振込引落持参

振込引落持参

振込引落持参

振込引落持参

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■市民向け広報 例 ●平成22年7月1日号 広報もりおか

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●市の施設など100箇所に配架したチラシ

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■岩手県金融広報委員会の協力のもと,銀行のATMに配架したチラシ

(効果絶大です!!)

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盛岡市 くらしとお金の安心支援事業 概念図

第1フェーズ「お金の安心相談」 -平成21年1月から実施

● 家計管理,診断及び指導,金銭管理(日常生活自立支援事業への取次)

● 公的扶助利用の相談・あっせん

● セーフティネット貸付の総合案内,取りつぎ,書類準備支援,同道

*「お金の安心相談連絡会(事務局:盛岡市消費生活センター)」を設置し,連携体制

を構築する。

第2フェーズ「くらしとお金の安心相談」-平成21年9月から実施

*厚労省の補助事業「社会福祉推進事業」(10割補助)を導入(予定)し,第1フェーズ

に加え次のサービスを提供する

● 日常生活支援,自立支援プラン作成,継続的フォローアップ

● 精神保健の相談,医療チームとの連携

● 就労・労働問題の相談,労働局との連携

● 依存症の相談,県精神保健センターとの連携

● 女性保護の相談,もりおか女性センターとの連携

*「くらしとお金の安心相談連絡会(事務局:盛岡市消費生活センター)」を設置し,連

携体制を構築する。

NPO法人 いわて生活者サポートセンター

● 消費生活センター

● 多重債務者包括的支援プロ

グラムのうち特に関係する課

等(福祉担当課,徴収担当

課,相談担当課,保健所,学

校 等), その他関係部署

盛 岡 市

● 本人(生活不安定者),家族,

地域住民

● 法律専門家

● 民生委員,社会福祉協議会

● 警察,病院

● 社会福祉施設等

地域・その他の

公的機関等

生活福祉資金,消費者救済資金,母子福祉資金,寡婦福祉資金,労金自治

体提携生活資金貸付,お地蔵さん基金,生活再生資金(信用生協独自)への

取次。(平成21年4月から生活再建資金貸付制度を新設予定)

情報共有・交換・連携

生活不安定

者の支援依

頼等 フィードバッ

ク,行政サー

ビスの利用

あっせん等

生活不安定

者の支援依

頼等 フィードバッ

ク,サービス

の利用あっ

せん等

平成20年12月5日作成

盛岡市消費生活センター

生活再建資金貸付制度の新設(提

携金融機関,信用生協との協働)

平成21年4月から予定

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盛岡市 くらしとお金の安心支援事業 説明書

盛岡市消費生活センター

平成20年12月25日作成

NPOいわて生活者サポートセンターが盛岡市と協働し,関係機関と連携

●①債務整理後,低所得などの理由により引き続き経済的,社会的に不安定な生活を余儀

なくされる市民,②債務はないが失業・DV・母子家庭・精神疾患・依存症などによる生活困窮者(以下,①と②を総称して「生活不安定者」とする。) に寄り添い,生活再建を支援し,見届ける機関及び機能が不十分。 ●生活不安定者の相談窓口及びセーフティネット貸付の窓口が複数あるほか「縦割り」にな

っているため市民にとってわかりづらく,場合によっては市民をたらいまわしにしてしまう。

現状の問題点

くらしとお金の安心支援事業

●生活不安定者のための一元化された相談窓口となる ―市民にとって相談窓口がわかりやすい。

生活不安定者が駆け込め,ワンストップで生活再建するまで見届けてくれる場所。

●公的扶助制度,セーフティネット貸付の総合案内窓口となる ―「たらいまわし」の解消。

くらしとお金の困りごとを精査し,必要に応じて公的扶助の手続き支援や返済能力があり貸付によって

生活再建ができそうな生活不安定者にはセーフティネット貸付の申し込み支援を一ヶ所で行う。場合に

よっては手続き・申し込みに同道する。

●生活再建に至るまで見守り・寄り添いをしてもらえる ―生活不安定者の相談に乗るだけではなく,生活再建ができるまできちんと寄り添いを行う。

期待される効果 ―困りごとがワンストップで解決され生活再建まで寄り添う窓口の実現

くらしの安心安全の実現

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盛岡市 くらしとお金の安心支援事業 イメージ図

盛岡市消費生活センター

平成20年12月25日

いわて生活者サポートセンター

他の機関等

盛岡市

協働

連携

連携

くらしとお金の

安心支援事業

くらしとお金の病院(駆け

込み寺)のイメージ

●生活再建プランの作成

●「カルテ」による進行管理

【オプションサービス】

①福祉サービス・公的扶助の利用案内

(市,他の機関との連携)

②セーフティネット貸付の総合案内

(市,貸付機関との連携)

新しい貸付メニューの創出

③精神保健,労働・雇用,依存症,女性

保護等の支援

生活再建のための処方箋・再建プラン作り

生活再建するまで寄り添い

①生活再建資金貸付

(信用生協)

②お地蔵さん基金

(サポートセンター)

以下,第2フェーズ

【基本サービス】

家計管理,診断及び指導

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平成21年6月12日

盛岡市消費生活センター

くらしとお金の困りごと解決!

盛岡市ほほえみと太陽のプロジェクト 盛岡市多重債務者包括的支援プログラム & 盛岡市くらしとお金の安心支援事業

1 具体的な対応(案)

別紙を基本とするが,各徴収担当課と個別に協議しながら進めることとする。

2 スケジュール

・「盛岡市多重債務者包括的支援プログラム」に基づき,徴収を担当する主な課の長及び消費生活センター

所長があらかじめ意見調整をする。(平成21年4月28日実施済み)

・徴収を担当する各課の課長及び実務者と対応について各課ごとに検討。具体的な対応策を検討する。税

等の収納率向上(担税の公平)と困窮している市民の生活再建との相互の施策について担当者同士が意見

を調整。(平成21年5月27日までに実施済み)

・「盛岡市多重債務者包括的支援プログラム」に基づき,実務担当者会議を開催し,当該プロジェクトの実施

に係る事前協議を行なう。(平成21年6月2日)

・政策形成推進会議において,当該プロジェクト実施について協議し,全庁的な合意形成を行う。(平成 21年

6月8日実施済み)

・プレスリリース,7/1号広報もりおか,各種会合等を通じて市民に周知。

・対応可能な部分から適宜開始する。

・7月に開催される「盛岡市収納率向上対策推進本部」に報告する。

このプロジェクトは,社会状況の変化により生活困窮者が増加している現状に対応するため,税等を滞

納している市民が生活困窮に陥っていないかどうかお尋ねし,そのような事態がある場合には市が行う各

種支援事業を有機的に活用して市民の生活困窮状態を解消し,健全な家計を取り戻すとともに生活再建

を行うことを目的に行います。

また,この取り組みが,生活困窮により税等を滞納している市民の支払い能力を高め,収納率の向上に

寄与することも期待されます。

生活が困窮した市民には,市職員が心安らぐほほえみと太陽のような温かい気持ちを向けながら接し,

市役所のサービスをフル活用しながらこのプロジェクトを進めてまいります。

平成21年6月12日

市長決裁

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くらしとお金の困った!を解決して滞納も解消しましょうチーム

●チームの目標 生活困窮による税等の滞納者に対し,市役所のサービス等を利用して生活困窮状態を解

消することを促し,健全な家計を取り戻すことにより生活再建を図ることを目標に行います。

また,これにより市民の支払い能力を高め,滞納改善に結び付くことも期待します。

●参加チーム 消費生活センター,納税課,国保年金課,児童福祉課,介護高齢福祉課,市立病院医事課,

建築住宅課,下水道部業務課,水道部営業課,学務教職員課,市立高校,市役所各部署,

NPO法人いわて生活者サポートセンター

●プロジェクトの内容

① 税等の滞納者に対し催告書等を送る際に,「盛岡市くらしとお金の安心相談」のチラシを同

封し,生活困窮による滞納である場合は相談をすることを促します。

② 税等の滞納者を対象とした「くらしとお金の困りごと相談会」を定期的に開催し,生活困窮

者を積極的に掘り起こし,相談に結びつけ,生活再建支援を行います。

③ 当事者宅を訪問するなど,できる限り面接の機会を設けることとし,生活困窮状態がない

かどうか確認します。

●具体的な取り組み案(基本形)

第 1段階-現年度の滞納が 2~3回以上程度続いた市民,過年度滞納のある市民対象

① 催告状を送る際に,「盛岡市くらしとお金の安心相談」のチラシを同封し,多重債務,生活困窮による滞

納である場合は消費生活センターに相談をすることを促す。

② 市民が消費生活センターにアクセスした場合,消費生活センターにおいて家計収支や生活状況などの

事情を聴取し,多重債務又は生活困窮が確認できた場合は,「盛岡市多重債務者包括的支援プログラム」

及び「盛岡市くらしとお金の安心支援事業」に従い,行政サービス等を活用して困窮状態を改善しながら生

活再建を目指していく。

③ 市民の同意の下,生活再建の目処等について,消費生活センター又は NPO いわて生活者サポートセ

ンターから担当課に情報提供をし,担当課では徴収業務に活用するほか,執行停止などの措置が必要か

どうかの判断をする。

第 2段階-電話・訪問による催告を行なう市民,納税相談を促す市民対象

① 滞納している市民に接する際には,滞納理由に生活困窮があるのではないかと注意を払う。

② 生活困窮にあるかどうかについては,生活状況,とりわけ家計の収支に着眼する必要があり,家計収支

の聴き取りを行なうか,消費生活センターに案内する。

以下,第一段階②以下のとおり。

③ 加えて,休日納税相談,平日夜間納税相談を行なう際には,課の付近に消費生活センター又は NPO い

わて生活者サポートセンターの職員が待機し,「くらしとお金の困りごと相談会」の看板を掲げ,必要に応じ

別 紙

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市民と接し,生活困窮状況にあるかどうかの聴き取りを行う。

その他-その他の取り組み

① 担当課職員に対し,多重債務者の実情や債務整理に関する情報提供など,業務の参考となる研修を行

う。

② 真に悪質な滞納者に対しては,強制的な手法による徴収を行なうこととするが,生活困窮による滞納者

には温かい視線と態度を向けるように全職員が意識を持つ工夫をする。

③ 生活困窮状態にあるかどうかの見極めに,消費生活センターや NPO いわて生活者サポートセンターを

活用することを全職員が意識する工夫をする。

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平成 19年 8月 5日

盛岡市消費生活センター作成

政府の『多重債務問題改善プログラム』における市町村が取り組むべき課題 (平成 19 年 4 月 20 日 多重債務者対策本部(内閣官房主管)が決定したものの抜粋)

1 丁寧に事情を聞いてアドバイスを行う相談窓口の整備・強化

① 「多重債務者への対応は自治体自らの責務」との意識を持って、自ら主体的に相談窓口に

おける積極的な対応を行うこと。

② 複数の部署で住民への様々な接触機会があり、多重債務者の掘り起こし(発見)について、

他の主体に比べて機能発揮を期待できること。

③ 多重債務者が抱え得る多重債務以外の問題も含めて総合的に問題を解決する役割も期

待できること。

④ 多重債務者が抱え得る多重債務以外の問題も含めて総合的に問題を解決する機能を効

果的に発揮する観点から地方自治体内において、各部局間の連携を進めること。

⑤ 相談窓口における対応としては、多重債務に陥った事情を丁寧に聴取し、考えられる解決

法の選択肢(任意整理、特定調停、個人再生、自己破産等)を検討・助言し、必要に応じて専

門機関(弁護士・司法書士、医療機関等)に紹介・誘導するといったプロセスをとること。

⑥ 相談窓口について自治体の広報などを通じて、周知に努めること。

⑦ 相談員等の研修に際して、各地の弁護士会・司法書士会を十分活用すること。

⑧ 多重債務に陥り、自己破産や債務整理等を行なった者については、再び多重債務に陥ら

ないように事後的なフォローアップを行うこと。

2 借りられなくなった人に対する顔の見えるセーフティネット貸付けの提供

① 多重債務問題解決の一つの選択肢として、セーフティネット貸付けの提供についても検討

すること。

② 相談窓口とセーフティネット貸付けを行う主体とのネットワークの構築や連携の促進。

③ 既存の消費者向けセーフティネット貸付け(地域の社会福祉協議会による生活福祉資金貸

付等の制度、自治体による母子寡婦福祉貸付金制度、労働金庫による自治体提携社会福

祉資金貸付制度等)についても、丁寧な事情聴取、具体的な解決方法の相談、事後のモニタ

リングを前提として、返済能力が見込まれ、多重債務の予防・悪化の防止に資する場合に限

って、低利の貸付けを行う取組みを進めることにより、受け皿としての活用を促進すること。

④ 生活保護については、受けられるべき生活保護が受けられずに高金利の貸付けがそれを

代行するといった事態が発生しないよう、適正な運用を図ること。

3 多重債務者発生予防のための金融経済教育の強化

① 社会に出る前に、高校生までの段階で、全ての生徒が、具体的な事例を用いて、借金をし

た場合の金利や返済額、上限金利制度、多重債務状態からの救済策(債務整理などの制度

や相談窓口の存在)等の知識を得られるよう取り組むこと。

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② 学校段階における借金問題の教育については、PTAに対する働きかけなども含め、親子

で学ぶなど、教え方の工夫をすること。

③ 成人への消費者教育については、消費者金融からの借金、クレジットカードによる借金、住

宅ローン等も含めた問題について、学校教育同様取り組むこと。

④ 金融経済教育においては、小遣い帳や家計簿をつけることが多重債務者の発生防止に有

効であり、小遣い帳や家計簿をつける習慣を広めていくこと。

⑤ 多重債務問題の根本的な解決のため、借金の具体的な問題に加えて、あるべき生活設計

や生活信条に関する教育・啓発に取り組むこと。

4 ヤミ金の撲滅に向けた取締りの強化

① ヤミ金の被害者から相談を受けた場合には、本人の意向を確認の上で警察に通報するな

ど、

相談窓口と警察との連携を行うこと。

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平成 23年 2月 24日

シンポジウム 「みんなで考えよう。セーフティネット貸付」

-生活福祉資金貸付の現状と課題及びセーフティネット貸付のあるべきかたち-

大阪府社会福祉協議会福祉資金部 真田政稔

1.制度改正後の大阪府の貸付状況

○制度改正後の推移

○今年度の状況

○全国の貸付決定状況

⇒ 申し込みは少し落ち着いてきたが改正前と比べるとまだまだ件数大

2.貸付増大の要因と影響

(要因)

○失業に加え住居の無い人や住居を失う恐れのある人も貸付の対象に

○連帯保証人要件の緩和(原則必要だが無くても借りられるようになった)

⇒ 対象者が生活保護対象者と重なり、役割区分があいまいになった

(影響)

○窓口は貸付申請処理にのみ追われているのが現状

○決定処理にも時間を要し、審査体制も十分とは言えない状況

⇒ 生活課題に対する相談支援や、貸付と平行しての継続的支援は非常に困難に

不正申請事案も増えている

今後の償還については非常に不安

3.セーフティネット貸付としての生活福祉資金を目指して

○生活保護との役割分担、対象者区分の整理が必要

○住宅手当との連携のあり方も検討が必要

⇒ 生活福祉資金は、一時避難的な貸付であり、

貸付を通して生活課題を整理しながら、

債務整理や生活保護等の必要な支援につなぎ地域で見守っていくことが役割

※ 資金貸付は柔軟に対応できるようにしながらも、貸し付ける金額や期間はかなり限

定的なものとし、継続的な相談・支援の過程の中で貸付が行われるような仕組みづ

くりが求められている。

資料Ⅴ

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1

『生活福祉資金貸付事業にもとめるもの』

佛教大学 福祉教育開発センター

佐藤順子

はじめに

生活福祉資金貸付事業の目的は何か?

・ 「低所得者、障害者又は高齢者に対し、資金の貸付けと必要な相談支援を行うこと

により、その経済的自立及び生活意欲の助長促進並びに在宅福祉及び社会参加の促

進を図り、安定した生活を送れるようにすること」(『生活福祉資金貸付事業実施要

綱』より)

・ 生活福祉資金貸付事業の持つ位置付け…生活保護受給の未然防止と生活保護からの

脱却

・ 一方で、低所得者層の臨時的資金需要への対応と生活の再建が求められている

1 市町村区社会福祉協議会職員の声から

(2011年 2月「生活福祉資金貸付事業の実態と課題」アンケート調査中間結果より)

・ 貸付対象者層の未整理からくる混乱―社会福祉協議会のかかえるジレンマ

・ 多重債務問題解決プログラムにある「顔の見える貸付」になっているか?

民生委員の関与の薄れる中、「相談」と「貸付決定」と「償還指導」がばらばらに

運用されている実態

・ 貸付相談体制の人員体制の貧弱さーほとんどが他の業務との兼務で行っている

・ 貸付担当者の経験年数の少なさー経験が蓄積されない

・ 2009 年改正では相談員体制の充実に踏み切れないー恒常的な予算措置はあるのか

という疑念

2 社会福祉協議会が生活福祉資金貸付事業を行うことの意義

・ 「貸付件数減少の要因としては、民間の金融機関に比べ手続きが煩瑣であるとともに、

申請から貸し付け決定までの審査時間を要することや、制度が PR不足で、国民にこの

制度の存在が知られていないこと等により、対象者である低所得者が消費者金融等を利

用し、当該資金の貸付けに至らず、結果的に多重債務者発生の抑止機能も発揮できてい

ないのではないか」と指摘されている(厚生労働省社会・援護局「これからの地域福

祉のあり方に関する研究会報告書」2008年より)。

資料Ⅵ

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2

・ 社会福祉協議会は全国の市町村区に張りめぐらされた貴重な社会インフラ

さいごに

貸付が生活再建のための手段になるために今後、必要なこと

① 参考例としての岩手県消費者信用生活協同組合、グリーンコープ生活協同組合ふく

おか等の取組み

その流れは、

相談者が自身の状況を知ることのできる相談(家計状況やライフイベントへの見通しな

ど)→必要な場合、社会資源へのつなぎを行う→貸付実行→償還指導に際して、家計管

理支援をツールとした丁寧な支援

② 「貸付相談員に必要なスキルとは何か」についての議論を

③ 国民の、特に低所得者層の「貸付をうける権利」として安定的な運営のために生活

福祉資金貸付事業の法制化についての議論を

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生活福祉資金の実例と問題点について

広島県生活と健康を守る会連合会 会 長 日 下 健 二1、 はじめに 2009年10月から始まった「生活福祉資金の新しい貸付制度」は、基本的に保証人が不要になったり、金利が引き下げられたりして、利用しやすい

ものになりました。それは、広島県の利用状況をみても明らかです。ちなみに

広島県の場合は、新制度に移行する前の半年間の利用状況が、

2009年4月1日から9月30日までが

申し込み件数 93件 決定件数 89件だったものが、

2010年4月1日から9月30日までが

申し込み件数 728件 決定件数 690件ですから、利用者数が7.75倍にもなったのです。

しかし、その貸付内容をみると、その多くが「生活支援費」(267件)であり「緊急小口資金」(258件)であって、年金生活者や生活保護受給者、病

気療養者などにはまだまだ遠い制度です。また、広島県内での実情を言えば、

依然として「回収が可能か」に重点があり、理由も明確にされないまま窓口で

拒否されているケースもあります。利用できて喜ばれたケースも含めて、その

実例をまとめてみました。

2、 実例について① 広島県廿日市市に住むAさんは、牛乳配達の仕事を最近始めました。しかし、車の調子も悪く、冬になるとタイヤも冬用に交換しなくてはなり

ません。ところが、Aさんは、多重債務があって最近自己破産をしたと

ころです。そこで、サラ金被害者の会のアドバイスで生活福祉資金の中

の福祉費(生業を営むに必要な経費)の申し込みを行いました。中古車

購入資金と冬用タイヤの購入費あわせて約60万円でした。

ところが、社会福祉協議会はAさんの収入で、会社が所得税を源泉しているから従業員であると言って、申し込みを拒否してきたのです。そこで、

私たちは、本人と一緒に交渉した結果融資を受けることになりました。

② 30歳代のFさんは、障害年金を受けています。ところが、ヤミ金に引っかかり数十万円を騙し取られて、家賃を滞納し、家主から明渡しを求

められました。相談を受けた私たちは、広島の反貧困ネットワークが管

理運営するシェルターに入ってもらい、当面の住まいを確保しました。

資料Ⅶ

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そして、新しく実施され始めた生活福祉資金の福祉費(転居費用)を借

りることにしました。一ヶ月半ほど日数がかかりましたが、敷金・不動

産屋の手数料や引越し費用に加えて、追い出された家の滞納している家

賃まで借り受けることができました。その時、今度の制度は本当に素晴

らしい制度だと実感しました。

ところが、後日判明したことは、「滞納家賃」については、借り入れができないということになりました。

その後、数人の人が転居費用の申し込みを行い、滞納家賃についてい

ろいろ折衝したのですが、結局は駄目でした。滞納家賃を抱えたままで

は転居はできても自立することは不可能です。この制度の大きな不備を

実感させられました。

③ 広島市内に住むTさんは、生活保護を受けながらも市内でお好み焼き屋さんをしています。住宅と兼用のお店の家賃は月8万円です。ところが、

家が古いものですから、いろいろと不具合なところが出て、お店を改装

することにしました。それも、ガス漏れがしていて大変危険だというこ

とで、ことは急を要します。すぐに見積もりをしてもらい福祉費の生業

を営むに必要な経費にあたると確信し、申し込みを行ったところ、融資

は駄目ということになりました。そんなはずはないと思い、最初はガス

や排水関係や排気関係、そして、いい機会だからとクーラーまで買い換

える見積もりを出して、申し込み金額が130万円ほどになったからだ

と考え、金額を低くするためにガス関係と排水関係に絞って50万円ほ

どで再度申し込みしました。ところが、結果は同じでした。理由もはっ

きりしなくて、駄目という結論しかわからないものですから、イライラ

感だけがつのります。

④ 広島市内に住むOさんは、癌の診断を受けて療養中です。しかし、生活が大変だと思い、福祉費の療養中の生計を維持するのに必要な経費とい

うことで申し込みしました。ところが、医者の診断書、それも一年半以

内に治癒するという診断書が必要とのこと。そんな診断書を医者が書く

わけがありません。こんな不可能なものを要求するこの制度に申込者は

絶望感を味わっています。

3、 制度の根本的な問題点① 他法優先の問題点この制度が他の制度が利用できなかった時のみに利用できるものとなっ

ています。しかし、銀行などの融資で、金利が無利子だったり、年1.

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5%というような融資制度はありません。それでも他の制度の申し込み

をしないといけないというのは、理解に苦しみます。また、高校の入学

資金の申し込みが遅れた時に、生活福祉資金の融資を受けられるまで「立

て替えておこう」ということが不可能です。他に貸してもらえるのであ

れば生活福祉資金は利用できないのです。こんな不便な制度はありませ

ん。

② 融資までに一ヶ月半から二ヶ月かかる問題点毎月審査日が決まっていて、場合によっては申し込みから決定まで一ヶ

月半から二ヶ月かかる融資は不便です。せいぜい二週間以内に決定がで

るようにしてもらいたいものです。

③ 民生委員が深くかかわる問題点地元の民生委員が審査にかかわる問題で、利用したくてもあの民生委員

に相談しなくてはならないだけで、諦める人もいます。プライバシーの

問題は近所の民生委員に知られたくないものです。

④ 社会福祉協議会が実施機関である問題点申し込みをして「却下」されても不服の申し立ての方法がありません。

理由もはっきりしない制度で、不服の申立てもできない制度はあまりに

も一方的で利用しにくい制度です。

⑤ 生活保護世帯の利用が大幅に制限を受ける問題点この制度の多くが生活保護世帯は利用できません。特に、緊急小口資金

は全く利用できません。厚生労働省の説明によると、生活保護世帯はそ

れなりに保障されているからと説明します。しかし、例えば生活保護を

受けている人が、冷蔵庫などの家電製品が急に使用できなくなった場合、

生活保護からは支給されません。その場合、購入する方法がありません。

少なくとも緊急小口資金の制度は、生活保護世帯にも利用できるように

してほしいものです。

⑥ 厚生労働省からの「借り易く、かつ貸し易く」の通知の精神が全く生かされていない問題点

依然として旧来の考えで、返済が可能かどうかで融資するかどうかを判

断しています。厚生労働省の考えが地方の社会福祉協議会に浸透してい

るとは思えません。緊急の対策が求められます。

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セーフティネット貸付制度のさらなる充実を求める意見書

2011年(平成23年)2月17日

日本弁護士連合会

2007年に政府の多重債務者対策本部が策定した「多重債務問題改善プログラ

ム」においては,セーフティネット貸付制度の必要性が謳われ,改正貸金業法の完

全施行に向けてその実現が求められていた。そこで,当連合会は,2009年6月

18日付けで「改正貸金業法の早期完全施行に向けたセーフティネット貸付制度の

充実を求める意見書」を策定し,国及び関係機関に対して,セーフティネット貸付

制度の充実を求め,その中で,生活福祉資金貸付制度の積極的活用を図るための抜

本的改正及び本制度の対象とならない資金需要者に対する新たな制度の仕組みを整

備することを求めた。

国は,当連合会の意見を踏まえて,生活福祉資金貸付制度については,連帯保証

,人がなくとも貸付を受けられることを認めるなど一定の評価すべき改正を行ったが

いまだ改正が不十分であるうえに,不適切な運用が改善されていないなど問題が少

なくないといわざるを得ない。

そこで,当連合会は,生活福祉資金貸付制度について,さらに改正,改善すべき

点について,以下のとおり意見を述べる。

第1 意見の趣旨

公的なセーフティネット貸付である生活福祉資金貸付制度について,2009

年10月に一定の評価すべき改正がなされたが,いまだ十分なものではなく,ま

た,不適切な運用がなされていることから,下記の改善策を求める。

1 委託先である市町村社会福祉協議会への事務委託費の増額を恒常的なものと

し,職員の研修を充実させ,相談体制及び生活再建支援体制を整備すること。

2 委託先を市町村社会福祉協議会に限定しないこと。

3 多重債務者が排除されないよう要綱に明記すること。

4 緊急小口資金貸付の貸付要件を緩和すること。

5 就学支度費を利用しやすいものにすること。

6 申込みに際し過度に書類の提出を求めることのないようにすること。

7 本制度の貸付対象である「低所得世帯」の基準が現行の運用上,市町村民税

非課税世帯程度とされているのを改め,貸付対象となる範囲を拡大すること。

8 速やかに生活福祉資金貸付制度の内容及び運用について検証し,改善に向け

資料Ⅷ

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検討するための検討委員会を設けること。

第2 意見の理由

1 はじめに

2007年4月に政府の多重債務者対策本部は「多重債務問題改善プログラ

ム」を策定し,同プログラムでは,セーフティネット貸付制度の充実の必要性

, ,が述べられており 公的な融資制度としての生活福祉資金貸付制度については

セーフティネット貸付としての積極的な活用が期待された。

当連合会においては,2009年6月18日付けで「改正貸金業法の早期完

全施行に向けたセーフティネット貸付制度の充実を求める意見書」を策定し,

その中で,国及び関係機関に対して,生活福祉資金貸付制度の積極的活用を図

るための抜本的改正及び本制度の対象とならない資金需要者に対する新たな制

度の仕組みを整備することを求めた。

その結果,生活福祉資金貸付制度においては,2009年10月に,連帯保

証人がなくとも貸付を受けられること,貸付利率の低減,貸付種目の多様化等

の大きな制度改正を行った。特に,連帯保証人がなくとも借りられるようにし

たことは,生活福祉資金貸付制度をより利用しやすくしたものとして高く評価

できる。また,総合支援資金における生活支援費や一時生活再建費が新たに設

けられたが,特に一時生活再建費においては,これまで貸付対象にはなってい

なかった滞納家賃,滞納公共料金に加え,債務整理資金をも加えており,多重

債務対策にも配慮したものになった。しかしながら,いまだ制度改正は不十分

といわなければならない。

2009年10月の制度改正以降,2010年6月18日には,改正貸金業

法が完全施行され,年収の3分の1という総量規制が導入され,セーフティネ

ット貸付の必要性は現実のものとなっている。

本来,セーフティネット貸付の新たな仕組みも検討されるべきではあるが,

現時点において,全国的な公的融資制度としては,生活福祉資金貸付制度に代

わる有効な制度がないことから,その改善は急務であるといわなければならな

い。

また,当連合会では,2010年2月18日付けで「年金担保貸付事業の廃

止についての意見書」を策定し,独立行政法人福祉医療機構が実施する年金担

保貸付事業を廃止すべきことを指摘した。その後,同機構の年金担保貸付事業

及び労災年金担保融資事業(以下「年金担保貸付事業等」という )について。

は,同年4月,政府の行政刷新会議ワーキンググループにおける事業仕分けに

おいて,十分な代替制度を用意したうえで廃止すべきとの指摘がなされ,同年

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12月に閣議決定された「独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針」に

おいて,2010年度中に「十分な代替措置の検討を早急に進め,具体的な工

程表を平成22年度中に作成するとともに,現行制度における貸付限度の引下

げ等による事業規模の縮減方針を年内に取りまとめる」こととなった。

, , ,高齢者や障害者 遺族 労災被災者など稼働収入が十分得られない層に対し

最低の所得保障である年金を担保にして貸し付けるという方法は,公的な機関

が担ったとしても,結局生活の困窮を招き,また経済的虐待の手段として悪用

される危険もあるため,セーフティネット貸付として位置づけることはできな

い。したがって,この方向性は正しいと評価できる。

ただし,2009年度において,年金担保貸付事業等の融資実施件数は,年

金担保貸付事業が21万3087件,労災年金担保貸付事業が3731件であ

り,それぞれの融資残高件数は,年金担保貸付事業が1863億円,労災年金

担保貸付事業が50億円であるため,年金担保貸付事業等を早期に縮減してい

くとすると,その受け皿としても,公的な融資制度としての生活福祉資金貸付

制度の拡充,体制の整備が早急に必要である。

2 相談体制及び生活再建支援体制の強化

セーフティネット貸付においては,貸付そのものが目的とされるべきではな

く,貸付を求める者の相談を受け,その生活状況を把握し,必要があれば,家

計指導及び生活指導を行い,生活再建を図ることにこそ,その目的がなければ

ならない。十分に相談を聞かず,また,生活再建支援のないまま,単に貸付の

みを行うとすれば,いたずらに貸し倒れを増やすだけに終わり,貸付を受けた

者にとっても一時しのぎにはなるかもしれないが,その者が抱えている問題は

何も解決されないということにもなりかねない。

この点,現在の貸付事業の委託先になっている市町村社会福祉協議会におい

ては,相談体制についてさえ,十分な体制は整っておらず,まして生活再建支

援のための体制にはほど遠い状況にある。平成21年度及び平成22年度の補

正予算において生活福祉資金貸付制度の貸付窓口の強化のための整備費用とし

て予算化され,一時的な相談員の増加にはつながったかもしれないが,恒常的

な体制整備には結びついていない。また,相談員に対する研修も十分とはいえ

ず,相談員の質の向上も必要である。相談員には,ケースワーカー,ソーシャ

ルワーカー,消費生活相談員などの経験をもった人材を採用し,その経験を他

の相談員へも広げていく,あるいは,すでに相談体制及び生活再建支援体制を

整えてセーフティネット貸付を実施している生活協同組合等の経験に学ぶ仕組

みをつくるなどの方策を行うことも考えられるところである。

3 生活福祉資金貸付制度の委託先を市町村社会福祉協議会に限定しないこと

すでに相談体制及び生活再建支援体制を整えてセーフティネット貸付を実施

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している生活協同組合等が,生活福祉資金貸付制度の担い手になることができ

るとすれば,生活福祉資金貸付制度をあるべきセーフティネット貸付として実

践することができる。そのためには,貸付事業の委託先を市町村社会福祉協議

会に限っている「生活福祉資金貸付制度要綱 (以下「要綱」という )を改」 。

正し,市町村社会福祉協議会に加えて,相談体制及び生活再建支援体制を備え

た生活協同組合等の団体も,委託先となりうるようにすべきである。

また,相談体制及び生活再建支援体制の充実を図るために,地域の自治体,

消費生活センター,弁護士会,多重債務問題や貧困問題に取り組む民間団体な

どとの連携も図るべきである。

4 多重債務者を排除しないこと

要綱では,多重債務者は,貸付対象者から除外されていない。むしろ「生活

福祉資金の手引き」に掲載された問答においては,多重債務者に対する貸付を

前提としたものとなっている。2009年10月の制度改正においては,債務

整理資金についても新たに貸付種目として制度化しており,多重債務者に対す

る貸付を排除しないことは,制度上明らかになったはずであった。ところが,

制度改正以降も全国の各社会福祉協議会における対応はそれまでと変わらず,

債務があることが分かると貸付が受けられないという運用が続いている。しか

し,多重債務者であったとしても,生活再建に必要な貸付については当然貸付

を受けられるべきである。ただし,貸付窓口において,貸し付けた金銭が返済

に回ることへの懸念があるとすれば,弁護士が債務整理を受任していることを

条件として貸付を行うなどの方法が考えられるところであり,同様の方法は,

すでに廃止となったが,ハローワーク及び労働金庫による「就職安定資金貸付

制度」においても採用されていたところである。全国の各社会福祉協議会にお

いて統一的に多重債務者に対しても貸付を行うとの運用を実現するためには,

要綱に多重債務者を排除しないこと,及び,弁護士の債務整理の受任を条件と

するなどの貸付条件を明記することが必要である。

5 緊急小口資金の要件緩和

, , 。緊急小口資金は つなぎの生活費などとして 借入れ希望が多いものである

2010年10月以前は,緊急小口資金について実施していない都道府県社会

福祉協議会が散見されたが,それ以降は,全国の社会福祉協議会において貸付

が行われるようになった。しかし,なおも貸付窓口において,要綱上の貸付対

象にあたらないなどとして断られる場合も少なくない。しかし,上限を10万

円とする緊急小口資金は,低所得世帯にとって,一時的な小口の資金需要が生

じた場合に,最も利用したい貸付である。そこで,緊急小口資金の申込みの実

例を調査し,できるだけ資金需要に対応できるよう現行の要綱及び通知で定め

られた要件を緩和する方向で改正すべきである。

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6 就学支度費を利用しやすいものにすること

就学支度費は,高校,大学などの入学金など入学時に必要な費用について貸

し付るものであり,母子寡婦福祉資金貸付における同様の資金種目とともに,

低所得世帯,事故情報登録者世帯においては,一部自治体での貸付を除き,子

どもの入学金等の入学時の費用として唯一利用できる融資であるともいえ,実

際,生活福祉資金貸付の資金種類の中では他の資金種目に比べ多く利用されて

いるものである。しかし,実際に利用しようとしても利用できない場合も少な

, 。 , ,くなく 制度の改善が検討されるべきである すなわち 文部科学省によれば

2009年度の初年度納付金は,私立大学の場合,平均で,入学金27万21

69円,授業料85万1621円(前後期合計 ,施設整備費18万8356)

円であり,国立大学の標準額で,入学金28万2000円,授業料53万58

00円である。入学時の費用は,実際には100万円前後必要な場合も少なく

なく,上限が50万円にとどまっている現行の上限額を100万円程度まで引

き上げることを検討すべきである。また,入学時納付金納期限間際になっての

借入れ申込みも少なくないが,申込みから審査,貸付に至る手続の簡略化や,

どうしても納期限に間に合わない場合に一時的に立て替えられたような場合で

あっても,貸付を受けられるよう,柔軟な取扱いをすべきである。

7 申込みに際し,過度の書類を求めないこと

従前から貸付窓口において,貸付申込みに際し,過度の書類を求められるこ

とが指摘されていた。例えば,失業後再就職先から給与が支給されるまでの生

活費を借りようと緊急小口資金を申し込んだところ,予定給料額の証明書や,

就職先の内定書を要求された,あるいは,癌の診療中の生活費として福祉費を

, ,申し込んだところ 1年半以内に治癒するとの医師の診断書を要求されたなど

実際には揃えることが難しい書類を求めるという運用が,各社会福祉協議会の

窓口で行われている。この点については,2009年10月の制度改正におい

ても,格別の改善はなされていない。国(厚生労働省)は,全国の窓口で求め

られている書類について調査し,求めるべき書類を厳選し,利用者が容易に利

用できるように改善すべきである。

8 貸付対象の拡大

当連合会は,2009年6月18日付け前記意見書において,事故情報登録

者向けの貸付制度の創設を求めたが,新たに制度が創設されるまでの間,当面

は生活福祉資金貸付制度の貸付対象を拡大する方法で対応する以外に有効な方

策はない。そこで,現行の生活福祉資金貸付制度において貸付対象とされてい

る「低所得世帯」について,現行の制度運用において概ね市町村民税非課税世

帯とされているものを拡大すべきである。

9 生活福祉資金貸付制度の内容及び運用について検証する検討委員会の設置

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生活福祉資金貸付制度は上記のような改善を行うべきであり,速やかに,同

制度の内容及び運用について検証し,その改善に向けて検討するため,検討委

員会を設けるべきである。

10 まとめ

以上のとおり,生活福祉資金貸付制度が,セーフティネット貸付としての役

割を果たせるよう,相談体制及び生活再建支援体制の強化を図るための施策を

行い,制度及び運用をさらに改善することが求められる。

以 上