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航航航航航航航航航航航航航: 航航航航航航航航航 2015/10/15 航航航航航航航航航航航航航航航航航航航航航航航 [email protected] 2015年10年15年 年年年年年年年年年年年年年年年年 年年 年年 年年年年年年年年年年 年年年年年年年年年年年年年年年年 :() 年年 202-0021 年年年 年年年年年年年 年 年 年 年 年 年 年 西2-2-23-B 年年年年 042-463-3027 年年年 [email protected] 年年年年年 年年年年年年年年 、。 年年年年 年年年年年年年年年 年年年年年 年年年年年年年年年年年 年年年年年 年年年年年 年年年年年年年年年年年 年年年年年年 、、、、、、、 年年年年年年年年年年 年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年 年年年年年年年年年年年 、・、。 年年年年年年年年年年年年年 年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年 年年年年年年年 年年年年 、、、 年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年 年年年年年年年年年年年年年年 年年年年年 年年年年年年年年年年年年 年年年年 、。、、【 年年年年年年年年年年年 】【】 航航航航航 航航航航航航航航航航航航 航航航航航航航航航航航航航航航航航航 1) 年年年年年年年 1950年年年年年 年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年 、、 1958年 年年年年年年年 1000ha 年年年年年年年年年年年年年年年年年年 年年年年年年年年 、。 1962年2年年年 年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年 (年年 年年年年)年年年年年 年年 6年年年年年年年年年年年年 年年年年年年年年年年年年年年 年年年年年 、、 「」 1965年年 年年 年年年年年年 年年 年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年 「」、、、、 年年年年年年年年 年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年 、。 航航航航航航航航航航航航航航航航航 航航航航航航 2) 年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年 年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年 、、、 年年年年年年年年 年年年年年年年年年年年年年年 年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年 、、 年年年年年年年年年年年年年 年年年 年年年年年年年年年年年年 年年年年年年年 年 年 年 年 年 年年年年年年 年年年年 年年年年年年年 年年年年年年年年 年 、(30~100)、、5 年年年年年年 年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年 、、。、、 年年 年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年 年年年年年年年年年年年年年年年年 、、。 1971年4年年 年年年年年年 年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年 「」 DDT年年年年年年年年年年年年 年年年年年年年 1981年 年年年年年年年年年 年年年年年年 年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年 、、、。 年年年年年年年年年年年年年 年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年 年年年年年年年年年年年年年年年年 年年年年年年 、、、 年年年年年年年年年 年年年年年年年年年年年年年年年年年年年 1994年年年 年年年年年年年年年年年年年年年年年 年年年年年 、、、 1971年年年年年年年 年年年年年年年 年年年年年年年年年 年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年 年年年年年年 ()。、 年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年年 年年年年年年年年年 年年年年年年年年年年年 年年年年年年年 年年年年年年年年年年年年 年年年年 年年年年年年年年年年年年 、、、 「」「」() 1 1

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Page 1: パブコメ前文ladymine/kiji/dr151015c.doc · Web view無人ヘリの利用は2000年から、はじまり、海岸やゴルフ場、平地の松林で実施されるようになった(林野庁の統計では、無人ヘリ農薬散布が地上散布に分類されている)。2005年、林野庁は「無人ヘリによる松くい虫防除に関する運用

                 航空法に関するパブコメ意見: 反農薬東京グループ  2015/10/15

航 空 法 施 行 規 則 改 正 等 に 関 す る パ ブ リ ッ ク コ

メ ン ト

[email protected]                         2015 年10 月15 日 国土交通省航空局安全部運航安全課 御中                       氏名:反農薬東京グループ(ハンノウヤクトウキョウグループ)          住所:〒 202-0021  東京都西東京市東伏見2-2-23-B          電話番号:  042-463-3027          メール:  [email protected] 

標記の件で、意見を述べます。

 私たちは、農薬の空中散布は、高所から、地上散布より高濃度で、短時間で、広範囲に 、自然環境や生活環境に、生理活性のある毒物を散布するため、環境・生態系や人の健康に影響を与えて危険だとの認識の下、反対運動を行ってきた。 本件の航空法改定に関しては、ドローン型を含む無人ヘリコプターの安全飛行のための諸規制も必要だが、それに加えて、生き物に対して毒作用をもつ農薬を散布するという観点 での、 法 規 制 が重 要 であると考 える。 ここでは、 農 薬 空 中 散 布 に関 連 して、 【 総 括 意見】と【個別意見】を述べる。

【1】総括的意見~農薬空中散布問題に つ い て1)農薬空中散布は有人航空機からはじまる 農薬空中散布は、1950 年代はじめ、セスナ機や有人ヘリコプターによる試験が実施され、1958 年、神奈川県内水田1000ha での水銀粉剤の有人ヘリ散布を手始めに、本格化していく。1962 年2 月には、農水省所管の社団法人「農林水産航空協会」 ( 以下、協会という ) が設立され、同年6 月に農林水産事務次官通知「農林水産航空事業促進要綱」が、さらには、1965 年5月に、農林事務次官通達「農林水産航空事業実施指導要領」が示され、その内容に沿った散布をするよう指導されたが、航空機は、航空法の下でいう、人が操縦する航空機であり、無人ヘリコプターを対象としたものでなかった。

2)有人ヘリコプター空中散布による環境・人体被害と通知等 農薬散布の合理化のために行われた航空機による空中散布は、水田防除に始まり、松枯れ対策などで拡大していくが、病害虫の発生状況に応じて実施されるのではなく、全国的な年間計画にもとづき実施されるため、予防的な過剰施用が目立った。 さらに、高空からの高濃度の散布(地上散布より30~100倍高い濃度)により、風向きや気流、地形によっては5㎞近くも飛散し、大気中にも長い期間、薬剤が検出されるようになった。散布地周辺では、頭痛や下痢、眼の刺激等の中毒症状を訴える住民もおり、健康被害や環境汚染をなくす立場から反対運動が起こり、空中散布をやめる地域もでてきた。

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                 航空法に関するパブコメ意見: 反農薬東京グループ  2015/10/15

 1971 年4 月に、農水省は通達「農薬の空中散布における有機塩素系殺虫剤の使用について」で、DDTやドリン剤の空中散布中止を指示している。 1981 年、滋賀県甲賀町では、養蚕農家が、空中散布による蚕の被害について損害賠償を求める裁判を起した。 埼玉県での農薬空中散布では、散布地近くの浄水場に薬剤が飛散しただけでなく、東京都の浄水場の水源も汚染され、浄水にも検出される事態となった。 空中散布農薬による環境汚染を防止すべく、1994 年には、環境庁が農薬の水質評価指針を設定、農水省は、1971 年改定農薬取締法第十二条の六(農薬安全使用基準)に基づき「航空機を利用して行う農薬の散布に関する安全使用基準」を設定した。その中には、空中散布用に登録された農薬の散布基準について以下のような記述があった。 『ア  市街地 等 人口密集地 、河川 等 の区域及び浄水場、学校、病院等 ( 以 下 「浄水場等」という)の区域(以下「散布除外区域」と総称する)では、散布を行わないこと。 イ 散布を行う区域(以下「散布区域」という)及び散布除外区域の境界、河川等、浄水場等並びに航空機の飛行の障害物の位置を明示した地図を作成すること。 ウ 散布を開始する前には、散布区域、散布除外区域及び航空機の飛行の障害物を示す標識を設置するとともに、イの地図にもとづき、地上及び空中から、散布区域及び散布除外区域の境界、河川等、浄水場等並びに航空機の飛行の障害物の位置並びに当該標識の設置状況を十分に確認すること。 エ 散布は、散布除外区域に散布することがないよう、風向、風速等を十分注意し、かつ ウの標識を常に確認しながら行い、強風等の場合は、直ちに当該農薬の使用を中止すること。 オ 雨、霧等により標識の確認が困難な場合または航空機の飛行に支障がある場合は、散布を行わないこと。』  こ の基準は 、 2001 年 10 月 の 事 務 次 官 通 知 「 農 林 水 産 航 空 事 業 の 実 施 に つ い て 」( http://home.e06.itscom.net/chemiweb/ladybugs/kiji/t12704t.htm   → 【 参 考 資料】の【参考2】に2007 年改正版あり)や2002 年3 月の消費・安全局長通知「農林水産 航 空 事 業 実 施 ガ イ ド ラ イ ン 」 (http://www.yu-ki.or.jp/news/img/H14kokujigyogaido-0802.pdf  →【参考資料】の【参考3 】に2008 年改正版あり ) に受け継がれている。  環 境庁は、 1988 年 から 6 年 間 、大気中への拡散 等 に関 する調査を実 施 し、 1997 年 、10 農薬について「航空防除農薬に係る気中濃度評価値」を示した。

3)有機圃場へ空中散布農薬を飛散させてはならない 2000 年6 月、農水省はJAS法を改定し、有機農業基準と有機農産物認証制度を発足させた(認証の義務化は2001 年4 月1 日から)。この法律は、外部からの汚染防止などすべて有機農家に押しつけるものになっていた。また、認証機関を新たに登録し、その認証を受けないと有機農産物として販売できないことになっている。そのため、認証を取ろうとする有機農家は外部からの汚染がないよう、慣行農業の隣の畑では緩衝地帯を自分の畑で作らなければならないことになっていた。空中散布の場合、100 メートルや200 メートル離しても農薬が飛散するから、隣接圃場では、有機農業を行えなくなってしまう。 この理不尽な内容に、有機農業者や市民団体は何度も農水省と交渉した。その中で、農水省はようやく、農林水産航空事業促進要綱にある「危害」はJAS法の「汚染」であることを認め、危害防止は農薬散布実施者の責任であることを認めたのである。  その結果、前述のガイドラインには、有人ヘリコプター空中散布について『「農林物資

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                 航空法に関するパブコメ意見: 反農薬東京グループ  2015/10/15

の規格化及び品質表示の適正化に関する法律」(昭和25年法律第175号)に基づき有機農産物に関する認証制度が創設され、2001 年4月から有機表示の規制が開始されたことを踏まえ、有機農産物の生産を希望する農家の意向を的確に把握し、その立場に十分に配慮しつつ、散布区域、散布除外区域、散布方法等についての検討を行うこと。』さらに、農薬危害防止のためとして『 航空防除実施区域周辺において、飛来する農薬が原因となって有機農産物に関わる認証が受けられなくなる等の防除対象以外の農作物への損害が生じないために必要な措置を徹底すること。』と記載されているだけでなく、「無人ヘリコプター利用技術指導指針」(以下、指導指針という)でも、『飛来する農薬が原因となって有機農産物に関する認証が受けられないよう必要な措置の徹底に努める。』と有機圃場への農薬飛散防止が、実施団体・散布者に求められることになった。

4)協会の農薬散布事業は独占禁止法違反! 新たな農林水産事務次官依命通知が 反農薬東京グループ、日本有機農業研究会、食農ネットの3団体は、1962 年に出された農林事務次官依命通達「農林水産航空事業促進要綱」で、航空会社、農業団体、農薬メーカーなどをメンバーとした空中散布の推進母体である協会が、空散に関して全国的な調整を行うと明記されていることは、独占禁止法違反にあたるとして、2000 年12 月7 日に、総務庁長官、規制改革委員会、環境庁長官、大蔵大臣、公正取引委員会、会計検査院宛に「農林水産省の農薬空中散布事業の廃止を求めます」という要望書を出した。要望では、『農林水産航空協会という空中散布を実施する航空会社等を会員とする事業者団体に対して、全国の農薬の空中散布の時期、散布数量及び散布地域等を調整することを委ねており、また、実施要領は、同協会が散布の標準料金を設定することまで定めています。上記の促進要項や指導要領は、何ら法的根拠のない行政指導であるのみならず、そのような行政指導によって事業者団体に散布時期、標準料金等に関して競争制限行為を行わせようとすることは、独占禁止法上問題があります。』と指摘し、早急な廃止を求めた。

 農水省は、2001 年10 月、私たちの指摘を受け容れることを表明もせず、40 年前の通知に替わる「農林水産航空事業の実施について」という農林水産事務次官依命通知を発出したが、調整などの項目は削除された。

5)松枯れ対策で空中散布をしてはならない森林 一方、林業では、1977 年に松くい虫被害対策特別措置法が公布され、特別防除と称して、有人ヘリ空中散布が実施された。 特別措置法が廃止された1997 年4 月からは、森林病害虫等防除法の下、その第7 条の2 第1 項の規定に基づく防除実施基準(1997 年4 月7 日。その後改定あり)で、以下の地区にある森林では、空中散布できないとされている。『(ア)国内希少野生動植物種(絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(平成4 年法律第75 号)第4 条第3 項に規定する国内希少野生動植物種をいう。以下同じ。)又は天然記念物(文化財保護法(昭和25 年法律第214 号)第69 条第1 項の規定により指定された天然記念物をいう。以下同じ。)等の貴重な野生動植物の生息地又は生育地 (イ)自然環境保全法(昭和47 年法律第85 号)第26 条第1 項又は第46 条第1 項の規定により指定された野生動植物保護地区 (ウ)自然公園法(昭和32 年法律第161 号)第14 条第1 項の規定により指定された

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                 航空法に関するパブコメ意見: 反農薬東京グループ  2015/10/15

特別保護地区又は鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律(平成14 年法律第88 号)第29 条第1 項の規定により指定された特別保護地区であって、特別防除の実施により当該特別保護地区の自然環境の保全に支障を及ぼすおそれがあると認められるもの (エ)病院,学校,水源等の周辺』

無人ヘリの利用は2000 年から、はじまり、海岸やゴルフ場、平地の松林で実施されるようになった( 林野庁の統計では、 無 人 ヘリ農 薬 散 布 が地 上 散 布 に分類されている) 。2005 年 、 林野庁は「 無 人 ヘリによる松くい虫防 除 に関 する運 用基準作成のための検討会」を設置、この会では、空中散布に反対する環境保護団体も意見を述べ、推進する専門家の非科学的な主張に反論したが、2006 年2 月運用基準案が提案された。

6)高濃度で散布する無人ヘリ空中散布 無人ヘリによる散布では、積載重量を減らすために農薬濃度を高くし、滴径を小さくして散布する少量散布技術が主流になっている。例えば、有機リン系殺虫剤のMEP (フェニトロチオン、商品名スミチオン)50%乳剤を水稲ニカメイチュウに適用する場合、散布条件は、地上散布だと800~2000倍希釈で100~200{ down 10 varl } /10a であるが、無人ヘリの場合、8倍希釈で0.8{ down 10 varl } /10a 散布することになり、 地 上 散 布 の100倍もの高 濃 度 の農 薬ミストが散 布域外に飛 散 ( ドリフト)する恐れがあり、これにヤセという現象 ( 散布された液滴は地上に落下する前に水分が蒸発し、より小さな粒子となる)が加わり、気流によって、より遠方まで、飛散する恐れがある。 無人ヘリコプター散布は、飛行高度が散布対象作物上空 4 ~5 mと低いので飛散が少ないとされているが、市民団体が調査した結果では、数百メートル飛散した例もある。 これら飛散農薬による、周辺住民が受ける危被害に対して、実施主体や関係者による防止対策の実施は、いまだ義務付けられていない。

7)無人ヘリ散布が有人ヘリ散布に置き換わる協会が、その定款目的にある航空機事業に、無人ヘリコプターが含まれないにもかか

わらず、有人ヘリコプターを補完するものと位置づけ、無人ヘリコプターに関する事業を開始したのは、表に示すように、1980 年代であったが、その実用化には、さらに、 10年を要した。

 表 協会による無人ヘリコプター事業の経緯

  1980 ~88 年 農業用遠隔誘導式小型飛行機、散布装置等の開発  1989 年  無人ヘリコプターの水稲への実用化試験の開始  1990 年  実用化試験        機体・散布装置の性能確認、定期点検及びオペレーター等の従事者の       認定のための組織・体制の整備   1991 年  無人ヘリコプター利用技術指導指針に基づき事業を開始。        ・操作要員等の空中散布等に関する技術の向上に資するための研修体制        を整備し、必要な研修を実施。        ・機体等の性能を確保するため調査を行い、当該製造業者等に対し、所

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                 航空法に関するパブコメ意見: 反農薬東京グループ  2015/10/15

        要の指導を実施。       ・操作要員、機体、事業の実施状況等に関する情報の収集等による実態        把握及び実施主体等に対する情報と提供等により安全かつ効率的な事        業の推進。        ・無人ヘリコプターの利用上の特性に十分配慮し、安全かつ効果的な        技術の開発及び改善

 私たちは、無人ヘリ事業を行うことは、協会の定款目的に反すると主張したが、協会は、当初の定款目的『協会は農林水産業における航空機による薬剤、肥料の散布等の航空機を利用する事業(以下「農林水産航空事業」という。)の発展を図るため、農林水産航空事業の実施に関する情報の収集 提供、調査研究、新技術の開発その他農林水産航空事業の・振興に関する事業を行うことを目的とする。』を『協会は農林水産業における航空機等の利用(以下「農林水産航空事業」という。)の安全かつ効率的な推進を図ることにより、農林水産業の安定生産、生産性の向上を図り、もって我が国の食糧自給率の向上、国民の食の安全、生活・自然環境の保全に寄与することを目的とする』に変更して、いまや、無人ヘリコプター事業が主たるものになっている。  農水省の統計によれば、有人ヘリ空中散布は、人や環境への影響を無視できず、1988年の防除面積231 万ha 、機体数258 をピークに減少しはじめた。 一方、農水省が指導指針を発出した1991 年の無人ヘリ空中散布は防除面積6 千ha であっ たが 、毎年 10-20 %の勢い で増え、 2004 年 に は、 有 人 ヘリ 50 万ha 、 無 人 ヘ リ66 万ha と逆転した。2014 年には、有人ヘリ28 機で防除面積は2 万3 千ha 、無人ヘリ2655 機防除面積105 万ha となっている。

 表 有人ヘリコプターと無人ヘリコプターの防除面積、機体数の推移      有人ヘリコプター    無人ヘリコプター  年   防除面積*   機体数  防除面積  機体数  

 1988 年  231 万1千ha   258 1991 年          209    6 千ha     123 1999 年  105 万7 千ha   188    27 万9 千ha   1284 2004 年   50 万4642ha   101    63 万3577ha   2005 2009 年   14 万8142ha    48    93 万0310ha   2341 2014 年    2 万3495ha   28** 105 万0224ha   2655 * :ミバエ関係を除く **:2012 年実績

8)農林水産航空協会の無人ヘリコプター空中散布に係る役割  農水省の1991 年の発出の技術指導指針とともに、農林水産航空協会の発出した「産業用無人ヘリコプター運用要領」 (1990 年5 月15 日2 農航発第130 号、2006 年7 月1日、2010 年7 月1 日22 農航発第470→ 【参考資料】の【参考1】 ) で、協会の役割が明確化され、業界団体が、無人ヘリコプターの機種選定、点検、オペレーターの研修と認定、散布状況調査などをすべて請け負う、自主規制路線が敷かれた。 その後、有人ヘリコプターの散布の減少とともに、無人ヘリコプターは表のように増加の一途を辿り、現在では、機体数は2600 を超えている。しかし、有人ヘリコプターとは

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                 航空法に関するパブコメ意見: 反農薬東京グループ  2015/10/15

違い、航空法での規制もなく、また、航空機製造・修理をに関する規律を定めた「航空機製造事業法」も、100kg を超えない無人ヘリコプターには適用されず、2015 年の省令改定で、さらに150kg 以上のものにしか適用されなくなり、製造等への規制が緩和された。外となった)。 農薬取締法のもとでは、無人ヘリコプター適用のある登録農薬を使用さえすれば、だれが、どんな、機体で空中散布しようとも、それを規制する法令はないという状況がいままで、続いてきたのである。 その中で、2006 年6 月、無人ヘリコプターによる有機リン剤の空中散布の自粛を農業団体らに求めた群馬県では、無人ヘリ防除面積が激減していることは、注目に値する。

 表 協会統計による無人ヘリコプター使用状況の推移

  年  オペレーター数 機体数 防除面積千ha 1990   469 3 1991   666 123 6 → 無人ヘリコプター利用技術指導指針を発出 1992   1071 167 19  →産業用無人ヘリコプター運用要領 1993 1650 1 307 38 1994 2401 413 71 1995 3301 627 111 1996 4520 822 147 1997 5881 992 189 1998 5680 1151 226 1999 6690 1284 279 2000 7459 1418 344 2001 8117 1565 398 2002 8953 1687 452  →テロ対策の無人ヘリ自粛要請* 2003 9574 1905   563 2004 10719 2005 663 → 有人ヘリと防除面積逆転 2005 11305 2181 710 2006 12005 2194 800 2007 12550 2330 867 2008 13065 2381 906 2009 13722 2341 930 2010 14163 2346 963 2011 14571 2410 971 2012 14967 2458 1007 2013 11736 2601 1047  →オペレーター数激減** 2014 11810 2655 1050

 * :テロ対策の無人ヘリコプター自粛要請 本年、ドローン型が官邸屋上で発見されたのを契機に、その飛行地域に、規制を加える航空法の改定が実施されたが、無人ヘリコプターの使用規制については、2002 年、日本でサッカーワー ル ドカッ プ (W杯) が開催さ れ た際、 上 空 か ら の 薬 剤 散 布 に よ る BC (生物化学)テロなどを防止するためとして、警察庁や国土交通省などが同年5 月、全国10 会場のスタジアム上空に、農薬散布用の無人ヘリコプター などを飛行させないよう

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関係業界や業者に自粛要請したことが思い起こされる ( 飛行自粛措置は、試合が始まる2時間前から終了後1時間の間で、スタジアムを中心に半径3キロ、高度約750メートル以下の空域で実施 ) 。

 **:3200 人のオペレーターが減った理由 農水省は、私たちの質問に対して、『24 年度の調査までは、オペレーターの認定者数の累積(有効期限切れや技能認定 証返還届を出された方を含む)を掲載しておりましたが、25 年度の調査より、有効なオペレーターの認定者数を掲載することとしました。』との回答があった。 要するに、農林水産航空協会の杜撰なオペレーター管理の結果、認定者リストから毎年の認定証返還者等を削除してこなかったため、2012 年から13 年で、みかけ上、一挙に認定者を3200 人も削減せざるを得なかったということであろう。 事故などを起こしたものの認定が取り消されるかどうかの決まりやペナルティーもない協会の杜撰な管理実態が窺われる。

9)多発する無人ヘリコプターによる事故へ対応 有人ヘリコプターは、墜落事故などによる死傷も多く、1954-1986 年で264 件、死傷者107 人を数えた。 一方、無人ヘリコプターについては、協会発行の「産業用無人ヘリコプターによる病害虫防 除 実 施者のための手引き」 ( 現在では、 安 全 対策マニュアルと名称が変更されている ) には、「目視外または危険地帯へ無人ヘリが出て行きそうになったら、…(中略)…安全地帯に機体をおとしてください」とあり、機体のコントロールが難しいことを示している。 また、「産業用無人ヘリコプター運用要領」には、散布飛行は、『飛行速度10 ~20㎞/ h 、飛行高度(地上もしくは作物上)3~4m』、『気流の安定した時間帯に散布飛行を行うものとし、地上1.5 mの位置における風速が3m/秒を超えるときは散布飛行は中止して下さい。(風向にも注意)』、『オペレーターや作業者等は機体から20 m以上(以前は15 mであった)離れて下さい。無人ヘリが頭上を越えて対面状態になるとパニックになるため自分に向かって近づけるときは速度を落として下さい。』『機体とオペレーターとの最大距離は水平方向150 m以内として下さい。』『空港から半径4km以内 で地上45 m以上の高度は、飛行できない、侵入経路はさらに低く、空港外1 kmで高度20m、500 mでは高度10 m以上』としているほか、緊急時の操作として『操縦不能で散布区域外へ無人ヘリコプターが出て行きそうになったら、周囲の安全を確認してから、次の操作を行い、機体を落として下さい。ア.スロットルスティックを最スローにする。イ.さらにエンジン停止スイッチを下に押し続ける。』とあり、不時着といわず、墜落させるよう指示しているのである。 無人ヘリによる事故は、1996 年8月の福岡県でのオペレーター死亡事故、2004 年7月の佐賀県での右脚切断事故、2010 年7 月の北海道せたな町や2013 年7 月千葉県君津市でオペレーターの死亡事故のような重大人身事故のほか、2008 年8 月、山形県で、制御不能となった無人ヘリコプターを追いかけたものの、庄内空港あたりで、見失い、結局日本海に方向に消え、行方不明となった事故などもあった。 その他、高圧電線の切断による停電、墜落による民家の破損や火災等の物損事故も報道されている。しかし、報道された以外に、機体のトラブルや飛散事故等がどのくらいあるか不明であった。

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 住宅やそれに付随す架線や電柱については、障害物として注意を促すだけで、機体との距離規制はなく、私たちが、人の健康への影響を防止するための、緩衝地帯幅を設置するよう求めても、なんの回答もない。(注:緩衝地帯=農薬散布地とそれに隣接する住宅地や有機農業地、適用外作物栽培地との間に、農薬の飛散防止のために設置される帯域。)

 無人ヘリコプターによる事故について、農水省や協会に糺しても、その実態が不明なため、私たちは、2007 年10 月につづき、2010 年8 月にも、都道府県へアンケート調査を実 施 し、 その結果をまとめて、脱農 薬ミニノー ト「野放し!無 人 ヘリコプター 農 薬 散布」を発行して、都道府県の4 年間の事故件数97 件に対して、農水省は13 件しか把握していないことを明らかにした。

私たちは、2011/01/14 に、農水省への「無人ヘリコプターによる農薬空中散布に関する農薬取締法関連法令の改定と新法制定の要望」で

『無人ヘリコプター事故やトラブルが発生した場合は、被害の程度に拘わらず、すべてを国に報告することを実施主体、農薬使用者に義務づける。  ・原因調査機関を設置し、原因と事故責任を明確化する  ・事故原因者である実施主体、防除業者、オペレーターには、認定の取消し、   再研修等のペナルティーを科する』ことを求めた。 これに対し、農水省は、2011 年1 月28 日、「無人ヘリコプターによる空中散布等に伴う事故情報の報告依頼について(以下事故報告依頼)」を発出し、事故報告を本省に挙げるよう求め ( 同時に安全対策通知発出 ) 、この年の12 月に、2011 年の事故調査結果を発表した。 その後の事故件数は、以下のようで、約2600 機のうち、毎年、15 %前後が事故を起こしていることになる。しかも、技術指導指針では、軽微な事故の報告は不要で、その提出先は、散布関係者をメンバーとする地区協議会になっている。原因調査も杜撰で、事故報告書には、第三者によらず、自らの手で、原因を記載することも可能になっている。

なお、 2011 年 の報告依頼通 知 は、 その後、廃止され 、 2014 年 9 月 に 制 定 され た「無人ヘリコプターにおける空中散布等の報告要領」に引き継がれた。

不時着のような軽微な事故も対象とし、有人ヘリコプターなみの専門家を含む第三者機関による事故調査が望まれる。

  表 農水省発表の無人ヘリコプター事故件数の推移          2011 年 2012 年     2013 年   2014 年 ( 補足 ) 人身事故       0   0       死亡事故1 0 物損事故      43    24         35    49自損事故によるケガ  0  機体破片で負傷1 0 0合 計        43    25        36 49

10 )法規制の強化が必要である 農水省は、法規制することなく、指導指針による行政指導だけで、空中散布業界の自主規制に委ねた。これに、輪をかけて、無人ヘリ散布を無法状態にしたのが、 2003 年3月の改定農薬取締法施行と同法省令「農薬を使用する者が遵守すべき基準を定める省令」である。 改定法では、食用作物の栽培において、農薬登録要件を遵守しない使用者に、罰則が科

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せられることになったが、それまであった防除業者の事前届出制度は廃止され、一般家庭の農薬使用者も、無人ヘリコプター散布業者も同等に扱われることになった。 また、「農薬を使用する者が遵守すべき基準を定める省令」では、第四条 ( 航空機を用いた農薬の使用 ) で、 『農薬使用者は、航空機(航空法(昭和二十七年)法律第二百三十一号)第二条第一項に規定する航空機をいう。)を用いて農薬を使用しようとするときは、毎年度、使用しようとする最初の日までに、次に掲げる事項を記載した農薬使用計画書を農林水産大臣に提出しなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。  一  当該農薬使用者の氏名及び住所  二  当該年度の航空機を用いた農薬の使用計画 2  前項の農薬使用者は、航空機を用いて農薬を使用しようとする区域(以下「対象区域」という。)において、風向及び風速を観測し、対象区域外に農薬が飛散することを防止するために必要な措置を講じるよう努めなければならない。』 とされ、違反者には罰則が科せられることになったが、無人ヘリコプターによる空中散布は。省令の対象とならなかった。

 同年9 月には、農水省消費・安全局長通知「住宅地等における農薬使用について」 ( その後、2007 年1 月改定、さらに2013 年4 月、農水省消費・安全局長及び環境省水・大気環境局長の現行新・住宅地通知となる ) が発出されたが、同通知では、住宅地内及び住宅地に近接した農地では、農薬使用の回数及び量を削減することが謳われ、『農薬の散布に当たっては、事前に周辺住民に対して、農薬使用の目的、散布日時、使用農薬の種類及び農薬使用者等の連絡先を十分な時間的余裕をもって幅広く周知すること。その際、過去の相談等により、近辺に化学物質に敏感な人が居住していることを把握している場合には、十分配慮すること。また、農薬散布区域の近隣に学校、通学路等がある場合には、万が一にも子どもが農薬を浴びることのないよう散布の時間帯に最大限配慮するとともに、当該学校や子どもの保護者等への周知を図ること。 』との指導がみられる。

この内容は、無人ヘリコプター空中散布にも適用されるが、あくまで、努力規定にすぎず、農水省は、私たちの度重なる実施計画等の提出と開示を有人ヘリと同じように義務化せよとの要望に応ずることなく、無人ヘリコプター指導指針を改訂して、空中散布等の実施に関する事前周知の項と実施に当たっての危害防止対策の項で、実施計画の策定や周知を努力規定として、指導しているだけである。早急に義務規定として、きちんと法条文で対応し、空中散布予定地ごとに計画及びその変更を周知すべきである。

 さらに、私たちは、ドローン型を含めた無人ヘリコプターの農薬散布について、以下のような法規制の強化を求める。①「技術指導指針」は単に、消費・安全局長による通知にすぎず、罰則も含めた法律を制定すべきである。②無人ヘリコプターの機種認定は国が行い、無人ヘリ使用者の届出制度、オペレーターには国による免許制度が必要である。また、事故に際しては、国の機関による調査も必要である。③万一、空中散布を実施する際は、有人ヘリと同様、無人ヘリについても、実施計画を予め、公表するよう義務づける法令を制定する。

 なお、私たちのいままでの要望や質問に対する農水省の回答の概要を下記に、まとめたので、【参考資料】の【参考4 】にある資料とともに、参考にされたい。

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 http://home.e06.itscom.net/chemiweb/ladybugs/kiji/t28901.htm

11) 有人ヘリ散布にある実施計画届けが、無人ヘリ散布にはない 前記省令で、有人ヘリ散布では散布計画届けが義務づけられており、国は、市町村ごとに実施予定を公表しているが(農水省の一覧表には、実施主体、散布地域の市町村名、対象作物と病害虫名、実施予定日、実施日数、実施面積、農薬名と散布形態、散布量、機体数などの記載がある。市町村によっては、散布地図をHP で公表しているところもある)、

無人ヘリの場合は義務づけはない。そのため、突然、散布され、頭からかぶりそうになったとか(長野)、化学物質過敏症の人が逃げることができなかった(岡山)、無人ヘリ散 布 に替わってからは、 より身近で散 布 されるようになり、保育園の遊具に飛 散 した(千葉)、農薬の大気汚染で苦しんでいる(北海道)等の訴えが増えてきた。 こうした各地からの苦情を受け、私たちは、無人ヘリ散布問題に取り組んだ。

 前述のように、2005 年には、林野庁が松枯れ対策に無人ヘリコプターによる農薬散布を導入すべく検討会を設置し、運用基準の作成に入った。また、農水省の消費・安全局も、2006 年1月、「農林水産航空事業実施ガイドライン」及び「無人ヘリコプター利用技術指導指針」の改定を提案した。 私たちは、無人ヘリコプター散布による農薬の飛散状況や大気汚染濃度、生態系や人の健康への影響に関するデータが不足しているため、調査を実施し、その結果をもとに、散布禁止地区や緩衝地帯の設置や農薬危害防止、他の作物への飛散防止対策をとりいれた規制が必要だとし、散布に際しては、実施計画の提出を義務づけた上、オペレーターには国による免許制度を導入すべきだと主張してきた。 しかし、無人ヘリコプターの農薬散布について、唯一の法規制は、農薬取締法に従って、使用者が無人ヘリ散布に適用のあるある作物に、登録農薬を希釈倍率などの登録要件を守ること以外はない。

  農 水 省 は 、 私 た ち の主張の う ち 、 無 人 ヘ リ に よ る 空 中 散 布 実 施計画の提出などを 、2014 年6 月発出の無人ヘリ技術指導指針に取り入れた。また、農水省は、2014 年9 月18 日、「無人ヘリコプターによる空中散布等の報告要領」(26 消安第2959 号)を制定したが、実施主体が届出た内容(実施する月の前月末までに届出)の開示・周知については触れていない。

散布計画が開示されている有人ヘリコプターの場合は、どこで、どのような農薬が、いつ、何を目的に散布されているかがわかり、たとえば、水稲の斑点米カメムシ対策に使用される農薬にはネオニコチノイド系が多く、そのことが、ミツバチ大量死につながるという因果関係が推定できた。

しかし、無人ヘリコプター散布農薬については、報告がないため、どのような農薬が、いつ、どこで、どの程度使用されるか不明であり、散布による対象外生物や生態系への被害状況との関連を追及することができないのが、実情である。 

私たちが求めるのは、無人ヘリコプターの実施計画・実績届、事故届の提出と開示の義務化であって、省令の努力規定や罰則を伴わない指針や通知ではなく、きちんとした法令による取締り強化であることを強調しておく。 

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【2、個別の 事項に 関す る 意見】

【意見1】改定航空法では、無人航空機の飛行禁止区域が決められており、第百三十二条2 項には、『国土交通省令で定める人又は家屋の密集している 地域の上空』とある。

また、第百三十二条の二に、1から6 に定められた飛行の方法をとらねばならない。 国土交通大臣の許可や承認なしに、両条に違反で無人航空機を飛行させれば、罰金が科せられる。 農薬散布の場合、両条に抵触する恐れがあり、国土交通大臣の許可・承認が必要となったことは、私たちがいままで、無人ヘリコプター空中散布について、求めてきた法規制の第一歩が実現したと理解している。 しかし、私たちは、ドローン型を含む無人ヘリコプターの機種認定、保守点検、オペレーターの認定、事故調査などが、現状のように業界団体の農林水産航空協会に任せたままになっていることには、納得できない。 これらについても、国が、法律を制定して、管理を強化すべきである。たとえば、無人ヘリコプター所有者の届出制度、無人ヘリコプターを用いて営業する業者の届出制度、オペレーターは、機種や使用形態に応じた区分で、自動車の免許のような制度をとることが望まれる。免許の更新、変更、取り消しについても、国の法律で管理すべきである。  [ 理由 ] 農薬散布に多用されている産業用無人ヘリコプターには法的規制が一切なく、局長通知の「無人ヘリコプター利用技術指導指針」と業界団体の集まりである農林水産航空協会の通知しかなかった。そのため、死亡事故が起こっても、物損事故が起こっても、調査する主体もなく、うやむやにされてきた。操縦者や委託者へのペナルティもなかった。

事故に際しては国交省にも問い合わせたが、「航空法は人が乗って運航するものに限られる」と調査すら断られてきた。私たちは、きちんと法規制すべきと訴えてきたが常に無視されてきた。 その意味で、航空法に無人ヘリを含めた無人航空機の規制が入るのには賛成である。

【意見2】法第132 条ただし書関係で、飛行禁止空域を『人又は家屋の密集している 地域の上空』とすることに、反対である。農薬散布の場合、人の居住地域や活動地域で実施することを禁止すべきである。 また、別紙 許可・承認の申請・審査要領のp10 にある4-3安全確保のための対策に(1 )原則として第三者の上空で無人航空機を飛行させないこと、となっているが、農薬散布の場合は「原則」は削除すべきである。  [ 理由 ] 1、空中散布中の無人ヘリコプターの事故には、建物などへの機体の墜落による建物などの破損等に加えて、電線や電話線の切断による停電などの原因となるものがある。こうした事故は住宅密集地域でなくても起こっている。 2、写真撮影などと違って、農薬散布は上空から毒物を散布するものであるため、無人ヘリコプター空中散布の場合、合図マンを配し、散布地域に人が立ち入らないようにすると指導されているが、実際には、道路ぎりぎりまで散布している事例があり、その場合、通勤、通学、早朝の散歩や犬の散歩、その他の人の上から散布する場合がある。農薬散布において、第三者の上空での飛行は行ってはならない。 3、農薬散布は、田畑や森林その他で、実施されるが、日本の場合、農地に密接して住宅がある。飛行禁止を住宅密集地に限定してしまうと、農地周辺の居住地域には直接農薬が降り注いだり、人が汚染された空気を吸うことによる健康への影響を防げない。 現に、人口密集地域でなくとも、有人ヘリコプター空中散布に関する「農林水産航空事

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業実施ガイドライン」では地区対策協議会で、また、無人ヘリコプターに関する「無人ヘリコプター利用技術指導指針」では地区別協議会で、関係者があつまり、散布についての相互理解を得ることが求められている。 4、環境省は、無人ヘリコプターの大気汚染を調査しているが、十分とはいえない。また、ドローン型については、大気中の農薬汚染について散布前後の調査データがない。

【意見3】法第132 条の2 第3 号関係で、『無人航空機と地上又は水上の人又は物件との間に保つべき距離を、30mと定めること』とすることが、提示されているが、反対である。もっと、距離をとるべきである。農薬散布の場合、第三者が散布中や散布後散布区域やその周辺に立ち入らないよう、十分な監視が求められおり、これに適合しない散布は禁止すべきである。  [ 理由 ] 1、農林水産航空協会の安全対策マニュアルでは、無人ヘリコプターと散布関係者の距離は20 m以上となっているが(以前は15 m)、これは、万一、機体にトラブルが起こった場合、関係者が死傷しないためのものであるが、それでも、死傷事故が起こっており、安全距離を延ばすべきである。 2、架線や障害物(住宅も含まれる)との接触・衝突による無人ヘリコプターの墜落事故が多いにも拘わらず、同マニュアルでは、障害物との距離の規制はなく、合図マンなどの監視や標識で、事故防止を図っているが、年間3 、40 件の事故が発生している。架線を含め障害物がある場合は、飛行を禁止すべきであって、そのため、安全距離を長くとるべきである。 3、農薬散布の場合、散布した農薬が対象外作物に飛散したり、その微粒子や気体による自然環境や生活環境の汚染が無視できず、生態系や人の健康に影響を及ぼす恐れが大である。いままでの事例では、100 mほど、飛散する場合もある。 4、散布地域への第三者の立入は、合図マンなどで監視することになっているが、ゴルフ場などで、プレイヤーのいる近くで散布し、健康被害を与えた事例もある。 5、ドローン型を含め、無人ヘリコプターについて、十分に飛散調査や大気汚染調査したうえで、人などに被害を与えない距離を設定すべきである。

【意見4】法第132 条の2 第5 号関係で、無人航空機による輸送を禁止する物件として、毒物類があり、これに、毒劇指定のある農薬製剤を含めるのは当然だが、無人ヘリコプター散布登録のない、毒劇指定のある農薬の希釈液や粉剤等の散布については、はっきり禁止すべきである。  [ 理由 ] 毒劇指定のある農薬製剤や原体を、事故の多い、無人ヘリコプターで、輸送してはならない。また、毒劇指定のある農薬成分を含む、希釈液や粉剤等が、飛散や大気中に拡散することを考えると、散布自体を禁止すべきである。

【意見5】農薬と同じ成分が、衛生害虫用薬剤や動物薬として使用されている。また、植栽管理以外の雑草駆除で、農薬登録のない除草剤が法規制のないまま、使用されている。これら成分を含む薬剤を無人ヘリコプターで安易に散布することを禁止し、万一散布する場合も、申請が必要であることを明記すべきである。  [ 理由 ] 野鳥の鳥インフルエンザ、デング熱やウエストナイル媒介蚊対策、人や家畜の感染症対策に、無人ヘリコプターで、薬剤を散布することが考えられる。また、地震、津

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波や水害の跡地に、薬剤が散布されることもある。 感染症予防のため、平時に薬剤の空中散布を実施することは、なんら、必然性がない。

【意見6】法第132 条関係の国土交通大臣の許可及び法第132 条の2 関係の同大臣承認のための申請書について、農薬散布の場合の意見( 意 見 6-1 ) 農 薬 散 布 の実 施計画の申請は 、 国 土 交 通 省 関 連 部署に『飛 行開始予定 日 の 15 日前までに提出させる』となっているが、その内容は、農水省が「無人ヘリコプターによる空中散布等の報告要領」に挙げた報告先機関、都道府県、農水省本省、地方農政局、農林水産航空協会と共有するとともに、国民にも開示すべきである。

→ 開示については【意見7】参照   [ 理由 ] 農水省の「無人ヘリコプターによる空中散布等の報告要領」では、報告先機関を示し、『散布日の前月の月末までに計画を報告する』ことになっている。 (意見6-2 )実施主体、散布請負者、散布者、散布委託者など、関係者が多いが、申請書に書くべき氏名及び住所の項目には、すべての関係者の住所氏名の記載を求めるべきである。同時に使用する無人ヘリコプターの所有者氏名・住所も記載すべきである。

(意見6-3 )代行者による一括申請は行わず、農薬散布地域別の散布計画ごとに、当事者が申請すべきである。   [ 理由 ]1、無人ヘリ農薬散布の場合、さまざまな形態で散布される。農協などが実施団体を形成している場合もあるが、中には、個人で請け負う方法もある。関係者の住所・氏名は、散布計画ごとに、すべてを書き、誰が散布しているかを明確にすべきである。 2、事故が起こった時の責任者がはっきりしない場合がある。代行者による申請では、責任がうやむやになる。 3、農水省は、技術指導指針で、無人ヘリコプター実施計画の報告を求め、実施の可否の検討をしているし、自治体によっては、独自の要綱などで、実施主体等に、散布計画の提出を求めている。この際、代行者による一括申請は行われていない。

(意見6-4 )包括申請については、期間・場所を限定すべきである。また、「一定期間継続して飛行を行う場合はその期間及び時間帯を記載すること。その場合、期間は90日以内とし業務等のため継続的に無人航空機を飛行させる場合には、1年を限度とする」となっているが、農薬散布には、この項目は適用しない。   [ 理由 ] 1、農水省の「無人ヘリコプターによる空中散布等の報告要領」では、『散布日の前月の月末までに計画を報告する』こととある。 病害虫の発生状況をみて、農薬を散布するのに、1 年間の予測はとても出来ず、すくなくとも、1ヶ月の期間を限って、計画の申請をすべきなのに、それを最初に許可を得れば、90 日もしくは1年間、何もしないで済むというのは理解できない。 2、無人ヘリ散布は日時も場所も小回りがきくと宣伝されている。そのために、突然、無人ヘリ散布が始まり、周辺住民が農薬を浴びたり、汚染された空気を吸って健康に悪影響をうける事例が絶えない。特に農薬弱者は無人ヘリ散布の時には避難せざるを得ない。 事前に計画がわかれば、まだしも、90 日もしくは1年間有効の許可だとすると、避難の対応は不可能である。

(意見6-5 )飛行の目的、日時、経路及び高度の項で、農林水産業として、「農薬散布」

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「松くい虫防除」とあるが、松に散布するのも農薬である。農薬散布(対象作物、対象病害虫)として、目的を明確にすべきである。 さらに、散布地域の市町村名、対象作物と病害虫名、実施予定日、実施日数、実施面積、農薬名と散布形態、散布量、機体数などのほか、農薬散布装置も搭載されているため、散布装置の種類と認定情報や農薬の積載場所の記載も必要である。 また、松など樹木での無人ヘリコプター空中散布には、高所作業者としてオペレーター認定資格が別途求められているので、その旨、申請時に記載すべきである。   [ 理由 ] 1、農薬散布の場合、登録申請時に適用作物が決められている。殺虫剤、殺菌剤、除草剤、植物成長調整剤のほか野ネズミやミバエ対策に登録される農薬もある。

松くい虫防除の場合は、松に登録のある農薬である。農薬散布(対象作物、対象病害虫)と記載すべきである。  2 、 農 薬 散 布 の場合 、申請時 には、 「 農 薬 を使用 する者が遵守すべき基準を定 める省令」 で義務づけられている、 有 人 ヘリコプター の空 中 散 布計画の内 容 に準じた実 施 要 件(散布場所、散布面積、使用目的、散布予定時期、散布農薬の種類、使用方法、散布量など)の記載が必要である。 3、認定された散布装置が搭載されているかどうかを確認すべきである。 4、農薬の場合、水稲等は散布高度3-4 m。樹木の場合は、樹高プラス3-4 mである。 後者は、高所作業の認定となっている。

(意見6-6 )農薬と同じ成分、あるいは似たような成分が、人や家畜(鳥類を含む)の感染症対策に使用されるケースがある。また、今後、たとえば蚊対策などに使用される可能性がある。このような衛生害虫用薬剤や動物用薬剤については、その目的に応じて、殺虫剤又は殺菌剤(対象生物、対象病害虫)を記載すべきである。

(意見6-7 )飛行の日時に天候等によって延期される場合が多々ある。 散布日の変更については、有人ヘリコプターに準じて、変更届を提出し、その旨を開示して、周辺に周知を徹底させることを明記すべきである。   [ 理由 ] 現実に、予定日の変更は多いが、周辺住民にすら変更を知らせない場合が多い。許可を受けた日時、場所を変更する場合、必ず許可を得るようにすべきである。

(意見6-8 )操縦者の飛行経験、技能等に関する事項の様式3  知識の項目に農薬の毒性に関する知識を入れるべきである。また、一般操縦技術だけでなく、農薬散布技術の習得も不可欠であり、習得度の申請も必要である。   [ 理由 ] 1、農薬散布のオペレーターには、農薬の毒性や農薬取締法の知識が必要である。オペレーターが農薬毒性を知ることによって散布方法も改善される。人や動物、住宅地、道路等の上空では特に必要なことである。

協会の無人ヘリコプターの安全対策マニュアルには、「無人ヘリ安全チェック票」とともに「農薬使用チェック票」があり、散布農薬が、登録に要件に適合しているかの判断が必要になるが、当該農薬の人や環境への毒性などについても知識も欠くことは出来ない。

 2、農薬が対象作物の残留基準を超えないよう、また、散布対象外に飛散しないよう、散布技術の習得も求められている。

(意見6-9 )農薬散布の場合、無人ヘリコプターの使用時期は、春先から初秋までであり、半年間は、殆ど使用しない、そのため、協会の安全対策マニュアルには、散布前に、慣熟飛行の実施が求められている。

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別紙 無人航空機の飛行に関する許可・承認の申請・審査要領のp14 には、『使用する機体について、飛行を行おうとする日からさかのぼって 90 日までの間に、1時間以上の飛行を行った経験を有すること。』あるが、機体だけなく、散布装置についても、長期保管後の点検や、散布前の慣熟飛行は、適正に行い、申請書には、実施した日時を明記するようにする。

  [ 理由 ] 無人ヘリコプター事故防止のためには、保守点検や慣熟飛行の回数を増やすことも必要である。

【意見7】国土交通省への申請に対する許可・承認内容の公表については、別紙 許可・承認の申請・審査要領のp-7 3-5 許可等を行った内容の公表として、『国土交通省が申請内容を許可・承認した場合には、速やかに、次に掲げる事項を航空局ホームページに掲載するものとする。』とあり、申請内容は、『・飛行の主体者、・飛行の概要、・飛行の経路、・使用する無人航空機、・許可又は承認の事項、・許可又は承認の期間』となっているが、これらに加え、農薬の場合、有人ヘリコプターの事例と同等の内容(農水省の一覧表には、実施主体、散布地域の市町村名、対象作物と病害虫名、実施予定日、実施日数、実施面積、農薬名と散布形態、散布量、機体数などの記載ある。)をHPで公表することを明言されたい。公開に際しては、散布地域が広範に及ぶため、散布地域の地図を添付することを求める。   [ 理由 ] 「農薬を使用する者が遵守すべき基準を定める省令」で義務づけられている、有人ヘリコプターの空中散布計画の内容は、農水省が文書で、公表している(農水省の一覧表には、実施主体、散布地域の市町村名、対象作物と病害虫名、実施予定日、実施日数、実施面積、農薬名と散布形態、散布量、機体数などの記載ある。)。また、自治体のHPに、地図入りで、散布計画を公表している場合もある。 2、法律で、農薬散布計画の公表を義務付け、申請内容をHP で開示できるようにすべきである。

【意見8】無人ヘリコプターの機種認定は、その重量に拘わらず、国土交通省が行うべきである。その際、事故防止のための装置を装着することを求める。  [ 理由 ] 1、現在は、機体の保守点検を含め、ドローン型を含めた無人ヘリコプターは「航空機製造事業法」の適用を受けていない。

 2、農薬の場合、特に、障害物を検知し、避ける制御装置、気象条件に応じて高度や速度を制御する装置。散布液飛まつが電源に影響を与えて、故障させないための技術、 電池に含まれる電解質に引火して、火災が発生しないための技術が必要である。

【意見9】ドローン型を含む25キログラム以下の無人航空機での農薬散布を推進すべきでなく、拙速な使用認可をやめ、禁止すべきである。  [ 理由 ] 1、ドローン型については、制御機能が十分でなく、雨・風など気象の影響を受けやすく、事故が多発している。 2、総重量25kg 級に7 -10 kgの農薬を積載すると、散布初期重量と終了期重量では、機体の重量が1/3ほど異なり、風の影響などで、コントロールしにくくなる。 3、ドローン型の充電式電池は、雨の影響を受けやすいが、農薬散布液の飛沫の影響も無視できないのに、点検についての基準がきまっていない。

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 4、ドローン型については、100k g級の無人ヘリコプターと異なる機体構造であるにも拘わらず、どのような条件 ( 希釈率、散布量、散布高度や速度など ) で散布すれば、残留農薬量がどの程度になるか明らかになっていない。

また、環境省の農薬の大気経由による影響評価事業で、ドローン型の試験は実施されていない。 5、小型で小回りがきくということで、現在よりも、人の居住・活動地域や公共施設等の近接地域で使用拡大が予測されるが、対象作物の残留農薬調査も環境調査も実施されないまま、地上散布よりも高い濃度の農薬を散布することは、納得できない。 6、人の居住・活動地域には、障害物や架線が多く、衝突防止のための装置やGPS装置が不可欠であるのに、これら装置をつけることが義務づけられていない。 7、航続時間が短く、積載量が少ないため、電池交換や充電、農薬散布液の補充のため、離着陸回数がふえることは、事故につながりやすい。 8、農薬散布する装置の安全・安定の作動が不明である。 9、農薬散布は、毒性物質を積載するにもかかわらず、25kg 以上の機種に求められている不具合モード(別 紙 無人航空機の飛行に関する許可・承認の申請・審査要領のp9 参照)に対応したフェールセーフ機能の設置が求められていない。 10 、農水省は中山間地帯で需要があるとしているが、確たる根拠はない。現状の産業用無人ヘリですら、事故が多いのに、気流が不安定で、傾斜も多い地域での小型で軽量な機体では、事故が起こる率が高くなる。

【 意 見 10 】 無 人 ヘリコプター の事故については、 別紙  無 人 航 空 機 の飛 行 に関 する許可・承認の申請・審査要領のp11 に『(10 )無人航空機の飛行による人の死傷、第三者の物件の損傷等の事故が発生した場合には、次に掲げる事項を速やかに国土交通省まで報告すること。』とあるが、その内容は、農水省が「無人ヘリコプターによる空中散布等の報告要領」に挙げた報告先機関、都道府県、農水省本省、地方農政局と共有するとともに、国民にも、HPで開示し、再発防止に役立てるべきである。

【意見11 】農薬散布の特長は、 ・散布装置を搭載している。

・化学反応性のある散布液や粉剤を散布する。 ・同一地区で複数の機体で散布する。 ・燃料補給や農薬補充のためのヘリポートが必要。 ・散布初期と散布終了期では、総重量が異なる。 ・人や生き物への毒作用がある生理活性物質を環境中に散布する。であることに鑑み、 別紙  無 人 航 空 機 の飛 行 に関 する許可・承認 の申請・審査要 領 の5 飛行形態の追加基準としてp13 、5-2 に記載されている

・飛行させようとする経路及びその周辺を事前に確認し、適切な経路を特定すること。 ・飛行経路全体を見渡せる位置に、無人航空機の飛行状況及び周囲の気象状況の変化等を常に監視できる補助者を配置し、補助者は、操縦者が安全に飛行させることができるよう必要な助言を行うこと。

・飛行経路の直下及びその周辺に第三者が立ち入らないように注意喚起を行う補助者を適切に配置すること。

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は、特に、重要である。農薬散布にかかわる、無人ヘリコプター所有者、防除業者や使用者には、機体が25kg 以上でも25kg 未満でも、同等に義務付けてほしい。

【意見12 】農水省の「無人ヘリコプター技術指導指針」は単に、消費・安全局長による通知にすぎず、記載事項が遵守されない場合、罰則の適用をも含めた法令を制定すべきである。 また、 協会の「産業用無人ヘリコプターによる病害虫防除実施者のための安全対策マニュアル」には、安全性が十分確かめられない場合には、散布区域から除外して下さい。として、下記の場所が記載されており、これらは、法律条文に明記し、厳密に守るべきである。(a)  交通頻繁な道路、学校、病院等公共施設及び住宅の周辺。(b)  水源地、河川、浄水場等の周辺で公衆衛生上悪影響が懸念されるところ。(c)  市街化の進んだ地域、あるいはそれと同様な市街隣接地。(d)  屋外駐車場等周辺。(e)  幹線道路や鉄道、空港の周辺。(f)  高圧線、発電所、変電所、電波発信施設等の周辺。(g)  家畜(畜舎 鶏舎)、養蚕、養蜂、養魚、他作物や有機農産物の生産ほ場、散布対・象以外の作物等に危被害が及ぶおそれのあるところ。(h)  散布区域が狭く、木立、ブッシュ、電線等の障害物に囲まれたところ。   [ 理由 ]  私たちは、空中散布を中止することを求めているが、万一、散布する場合は、人や生態系への影響防止が必須であり、 それには、技術指導指針の内容の遵守が不可欠である。  (1) 散布区域から人の住居、生活活動地域までの距離の制限  (2) 架線など障害物まで距離の制限  (3) 気象条件の制限  の強化が必要である。

  (1) に関していえば、農薬メーカー住友化学の技術レポートでは、空散によるドリフトとして以下のように記述 があり、有人ヘリコプターについては、 250m を挙げている『空散を行った場合の標的区域外への薬剤の飛散、漂流(ドリフト)は、主として散布時の風の強さと散布方法の違いによる散布液の粒子の大きさに左右される。 散布的に無風という好条件に恵まれることは少なく、通常風下方向への若干のドリフトは避けられないという観点から、散布時の風速は、液剤散布(粒子が大きい)の場合 5m 以下、液少散布(粒子が小さい)の場合は 3m 以下と制限されている。 これまでの数多くの調査の結果では、落下調査紙(ミラーコート紙)で確認できるドリフト距離は、最高、液剤散布で 200m 、液少散布で 250m であったとされており、この範囲内の風下では危被害が発生する可能性があるので、桑、ミツバチ、自動車等について充分な注意が必要である。』 また、環境省の農薬残留対策総合調査によれば、4 ~5m 高さからの水田等での無人ヘリコプター空中散布の場合、農薬は散布地域外 50m 地点でも 200m 地点でも大気中に検出されているし、ドリフト率 ( 単位面積当りの理論投下量をベースにした比率 )は 50m地点でも 2% 以下認められる。 さらに、山口県農林総合技術センターの研究では、無人ヘリコプター散布で、隣接圃場

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の作物の残留農薬基準を配慮すると、風速 3m/ 秒の 場合、100m 以上の安全距離が必要だとするシミュレーション結果もある。  (2) に関しては、事故原因の多くが、無人ヘリと架線など障害物との接触・衝突によるものとされ、その防止のため、合図マンの配置、標識の設置が求められているが、機体本体に、衝突防止装置をつける必要もある。制御操作ミスがあっても、事故が発生させないための技術開発がなければ、無人ヘリコプターは使用させてはならない。  (3) に関していえば、国の「農林水産業における空中散布の実施基準」では、風速については『微量散布及び液剤少量散布にあっては3メートル/秒、液剤散布及び粒剤散布にあっては5メートル/秒を超えるときは、これを行わないものとする 』とあり、これは。 、規定風速を超える場合は散布を実施しないという主旨である。一方、風向については『散布区域外に薬剤が漂流飛散しないよう努めるものとする。』とあり、努力規定にすぎない。 空中散布の風速規制は、厳格に実施されるよう、義務づけるべきであるが、地上1.5m での風速だけでは、飛散による危被害は防止できない。上空での風速のチェックも必要である。 また、風速 1m/ 秒においても、5 分間に 300m は飛散することを考えれば、重要なのは風向規制である。 国のガイドラインには『散布除外区域へ農薬が飛散することを防止するため、風向を考慮した散布を行う等必要な措置を講じるよう努める。』とあるにすぎない。 風向事項を努力規定でなく、義務規定とし、住宅地や公共施設、人が活動する場所や道路等に向かって、風が吹いているときは、風速の如何にかかわらず、散布を中止するよう明確な義務規定を策定すべきである。 さらに。一度の散布で使用する農薬数量も規制すべきである。散布面積が多くなれば、単位面積あたりの散布量は多くなるので、散布面積規制も必要である。 散布量が多いと大気中に漂う農薬数量は増え、その分、散布区域外への飛散は増加し、危被害につながる恐れが増大するからである。

 

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■■参考資料■■【参考1】産業用無人ヘリコプター運用要領  <1990 年5 月15 日 2農航発第130号、一部改正 2010 年7月1日 22農航発第470号ほか> http://www.j3a.or.jp/shoukai/data/kaiinn-kiyaku/unyouyouryou_h22.pdf

 この要領は、「技術指導指針」に基づくもので、 第二条(定義)では、『産業用無人ヘリコプター(以下「無人ヘリ」という。)とは、人が乗って航空の用に供することができない遠隔誘導式回転翼機であって、設計により定められた装備及び燃料を搭載し、及び農業用資材を10㎏以上搭載(以下「総重量」という。)できるものとして、産業用に使用するものをいう。2 前項において、総重量が100㎏未満のものを Ⅰ種無人ヘリ 、100㎏以上「 」のものを Ⅱ種無人ヘリ という。「 」3 無人ヘリ用散布装置(以下「散布装置」という。)とは、無人ヘリを利用して農薬・種子・肥料その他の農業資材を散布又はその他の作業を行うための装置であって、作業目的に適応した無人ヘリ用の特殊装備品をいう。』とされ、 無人ヘリ等の性能確認をはじめ、協会の役割として、以下のような事項が記載されている。    (登 録) 無 人 ヘリ及び散 布装置の所 有者は無 人 ヘリ及び散 布装置を取得、譲渡、 貸与、返却、抹消・再登録、廃棄を協会に登録申請。協会は登録

  (保管・点検・整備・廃棄)協会、前項の定期点検・整備を行ったことを      確認したときは、その旨を証する証票を交付するものとする。  (教習施設)「産業用無人ヘリコプター教習施設指定基準」により、       教習施設の指定、その旨を証する指定証を交付  (オペレーター及びオペレーター指導員の認定)      「産業用無人ヘリコプターオペレーター技能認定基準」により、            産 業 用 無 人 ヘ リ コ プ タ ーオペレー タ ー及び産 業 用 無 人 ヘ リ コ プ タ ーオペ レーター指導員の技能を確認するものとする。      「産業用無人ヘリコプターオペレーター技能認定証」      「産業用無人ヘリコプターオペレーター指導員認定証」交付

  (作業の基準)農薬取締法その他の関係法令並びに         農林水産省が定める 空中散布等の基準 に従う「 」  (散布資材等) 登録を受けたものを、定められた方法で使用しなければならない。  (無人ヘリ運用管理者 ) 無人ヘリを複数機運用しようとする者は、無人ヘリの安全かつ効率的な運用 を確保するため、実務経験等を考慮し、無人ヘリ安全運用管理者をおくもの とする。 2 安全運用管理者は、オペレーター、合図マン等従事者に対する安全指導、 運用計画の立案・管理、従事者の健康管理等を行うものとする。  (無人ヘリ協議会等への連携、協力) オペレーターその他の関係者は、都道府県、地域等で組織された 無人ヘリコプター協議会等と連携し、安全かつ効率的な無人ヘリ コプター利用の推進に協力するよう努めるものとする。

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  (無人ヘリ利用状況の把握) 協会は、無人ヘリ利用の安全かつ円滑な推進を図るため、毎年度、都道府県 の協議会等を通じ、利用計画及び利用実績を把握するよう努めるのとする。 2 無人ヘリの利用実施主体は、無人ヘリ利用計画及び利用実績を、都道府県の 協議会等を経由して協会へ報告するものとする。  (情報の提供)  (農林水産省等への報告)    (1)無人ヘリ等の性能確認状況     (2)無人ヘリの安全かつ効果的な利用技術の開発及び改善状況     (3)機体登録状況 (4)定期点検整備状況 (5)教習施設の設置状況 (6)オペレーター等の認定状況 (7)利用状況

  協会は、独自に、下記のような基準を作成し、無人ヘリコプター機種やオペレーターの研修や認定を行っている。     産業用無人ヘリコプター及び散布装置性能確認基準     産業用無人ヘリコプターオペレーター技能認定基準     産業用無人ヘリコプター教習施設認定基準  などを作成、運用している。オペレーターの認定失効については、    有効期限5年間とし、失効後、3 年以内に更新研修を受け、更新申請できる    となっているが、その管理がきちんとなされているとはいえない。

【参考2】農林水産航空事業の実施について  <2001 年10 月25 日付け13 生産第4543 号農林水産事務次官依命通知   一部改正:2003 年6月27 日付け15 生産第2296 号        2005 年9月5日付け17 消安第4846 号        2007 年5月11 日付け19 消安第 266 号>  http://www.maff.go.jp/j/syouan/syokubo/gaicyu/g_kouku_zigyo/pdf/yuzin1.pdf

 この通知は、別表にみられるように、有人ヘリコプター向けのものであるが、危害防止対策として下記の記載がある。 『(2)危害防止対策   ア、空中散布においては、毒性の強い農薬等を使用しないこととするが、作業の   性格にかんがみ、危害防止に万全を期すること。特に、次に掲げる建築物等につ   いては危害の生じないよう配慮するとともに、予防措置を講ずること。    (ア)公衆衛生関係(家屋、学校、交通機関、水道、井戸、水源、洗たく物、    作業員の飲物、衣類等)    (イ)畜蚕水産関係(家畜、家きん、魚介類等水産動植物、蚕児、はち群等)    (ウ)他作物関係(防除対象以外の農作物等)    (エ)野生動植物関係(天然記念物等の貴重な野生生物)   イ、実施主体及び航空業者は、空中散布を行う場合に誠意をもって危害の防止に   努めるものとし、両者の契約の締結の際にその旨を契約条項に明示すること。

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   ウ、実施主体は、あらかじめ空中散布の実施予定日、区域(見取図を添付する)、   薬剤等の種類及び数量について実施区域の市町村、保健所、農業関係機関(病害   虫防除所、地域農業改良普及センター及び家畜保健衛生所)、林業関係機関(森   林管理署、林業試験場、林業事務所等)、水産関係機関、葉たばこ産業等の関係   団体に連絡するとともに、隣接市町村の関係機関等に対しても通知すること。   エ、実施主体は、実施区域の学校、病院等の公共施設及び居住者その他の関係者   に対して次の事項について周知徹底を図り、十分協力を得るよう努めること。    ①散布予定日時、区域、薬剤の種類等の事業内容    ②普通の健康状態でない人は、散布直後のほ場において農作業に従事しないこ     と及びその他危害防止を図る上で必要な事項。   オ、実施主体は、天候等の関係で散布予定日時及び時間を変更するときは、その   旨を直ちに関係機関に連絡するとともに、地域住民に対して周知すること。

【参考3】農林水産航空事業実施ガイドライン  <2004 年4月20日付け16消安第484号消費 安全局長通知・    最終改正:2008 年7月15日付け20消安第3577号>  http://www.maff.go.jp/j/syouan/syokubo/gaicyu/g_kouku_zigyo/pdf/yuzin2.pdf  この通知も、有人ヘリコプター向けのものであることに留意されたい。

【参考4】以下は、私たちが、国、都道府県に対して、無人ヘリコプター問題に取り組んできた要望、質問、資料である。

《参考4-1 》2005 年9月10 日刊行 電子版「脱農薬てんとう資料集」第4号   <無人ヘリコプター農薬散布∞ 現状と問題点>  http://home.e06.itscom.net/chemiweb/ladybugs/jimu/shiryou4.htm

《参考4-2 》2007/10 都道府県アンケートで、無人ヘリ規制に関する調査  http://home.e06.itscom.net/chemiweb/ladybugs/kiji/t19401.htm

《参考4-3 》2008/05  農水省の「無人ヘリコプターによる空中散布等に関する通知の一部改正案について」意見募集と http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=Pcm1010&BID=550000832&OBJCD=&GROUP= 反農薬東京グループの意見は以下の通りである。 1、総括的意見 【意見1】  無人ヘリコプターによる農薬散布は、地上散布の100 倍もの高濃度で、非常に小さい 粒子にして広範囲に散布するものであり、周辺住民の健康被害に加えて、環境汚染を もたらす。有機農業や環境保全型農業を進めている農政からも、推進してはならない 技術である。   特に、 農 地 と住宅が接近し、多種の農 作 物 を栽培する集約的 農 業 を行 なっている日 本では、人の健康への影響防止や対象外作物への飛散防止の観点から、上空からの農 薬散布は厳しく規制すべきである。無人ヘリ散布のような農薬散布促進の技術ではな く、

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農薬を削減するための技術を開発し、推進すべきである。    同 時 に、 必 要 ない農 薬 散 布 をやめさせるために、 農政全般を見直さなければならな い。たとえば、水田への殺虫剤散布で一番多いのがカメムシ防除の農薬である。カメ ムシの斑点米が 1000 粒に2 粒以 上 あると、二等米に格 下げされ、米の価格 ががくんと下 がる。そのために、農家は収量に影響のないカメムシ退治のために大量の農薬を使用 しなければならない。無人ヘリ散布もカメムシ退治が圧倒的に多い。    まず、 農 薬削減の計画をたて、 それを妨げている要因をなくしていくことから進 め るべきである。無人ヘリ散布を必要悪として容認してはならない。    しかし、今すぐ完全禁止できない場合 は、野放し状態 の無 人 ヘリ散 布 を規 制 するの は当然 の こ と で あ り 、 そ の 意味で は 、今回の 通 知案に は一定 の評価を し て い る 。 し か し、まだまだ不十分で有人ヘリ散布の規制にすら及んでいない点は早急に改めてい ただきたい。

 【意見2】  今回の「無人ヘリコプター利用技術指導指針」の改定は、「消費・安全局長通知」 にすぎず、法律として罰則も含めて制定すべきである。  既に、農業用の有人ヘリ散布の10 倍の面積で無人ヘリ散布が実施されている。通知 案ではすべて「努める」としか書かれていない。通知に違反した場合はどうなるのか 不明である。これでは不十分で、きちんとした法律で規制すべきである。

 【意見3】無人ヘリ散布業者の届出や操作要員の免許制度が必要である。    無 人 ヘリコプター 散 布者は、 都道府県への届出を義務づけ、 農 水 省 が監督・ 指 導 す べきである。  03 年の農薬取締法改定で防除業者の届出が廃止されたことに伴い、無人ヘリ散布業 者は野放しになっている。   現在、 無 人 ヘリ防 除 業者の届出を求めているのは宮城県 と山形県 だけである(兵庫 県は全ての防除業者の知事への届出が必要)。茨城県は無人ヘリコプターの操作要員 の住所氏名、群馬県も操作要員の住所氏名、教習経験などを報告するなどとなってい るが、全ての都道府県で無人ヘリ散布業者の届出を義務づけるべきである。    通 知案では、 無 人 ヘリコプター の研修や認 定 を( 社 ) 農 林 水 産 航 空 協 会 ( 以後「 協 会」)にさせているが、法律ではないため、協会の認定を受けていない者が無人ヘリ 散布をしても罰則はなく、協会が機体やオペレーターの認定をするという法的根拠も ない。 すでに、協会の認定者は1万人を越えており、今後、操作要員は操縦技術だけでなく、 農薬の毒性に関する知識の有無を問う国家試験による免許制度を導入すべきである。

 【意見4】    都道府県 で、既に、 この通 知案より厳しい規 制 をかけているところに後退させるべ きではない。通知では、上乗せをするよう促すべきである。

 2,通知案に関しての意見 【意見1】『第3 無人ヘリコプター協議会及び地区別協議会の役割』 の項について  無人ヘリコプター協議会及び地区別協議会の構成員に周辺住民を加えるべきである。   新設 されたこの項で、 協議会 の構成員は農 林 水 産 業者等 の関係団 体 、 実 施主体 、 地 区別協議会の関係者、都道府県及び市町村の農林水産関係部局、その他必要な行政機 関の関係者等を含めるとあるが、この構成員はすべて無人ヘリ散布の実施関係者であ る。

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周辺住民の意見は無視されている。昨年、私たちが実施した都道府県へのアン  ケート調査(結果は送付済み)では、たとえば、山口県では周辺住民の了解を得るこ とになっている。実施前に周辺住民の意見を聞くことは非常に大事である。しかし、 この通知案が決まってしまえば、周辺住民はただ散布日が教えられるだけになる。    林野庁の「 無 人 ヘリコプター による松くい虫防 除 の実 施 に関 する運 用基準」 には、 「地域住民等の関係者の意向が反映されるよう努めるものとする」とあるが、今回の 通知案には地元住民等の意向反映のシステムがない。

 【意見2】『第4 空中散布等の実施に当たって遵守すべき事項』 について  実 施主体 は実 施計画をあらかじめ、 実績を散 布終了後、 都道府県 を通 じて農 水 省 に届 けるべきである。    有 人 ヘリ散 布 は、 農 薬取締法第十二条第一項の規 定 に基づく「 農 薬使用基準を定 め る省令」第4条「 ( 航 空 機 を用 いた農 薬 の使用 ) 」 で、毎年 度 農 薬使用者の住 所 氏 名 、 航空機を用いた農薬の使用計画を農水大臣に提出しなければならないと定められてい る。無人ヘリ散布も当然、計画と実績を大臣に提出すべきである。 長野県は実施計画だけでなく、実績(終了届)の報告も求めている (http://www.pref.nagano.lg.jp/xnousei/boujo/kuusan/youryo.pdf )。既に実施し ている県があるということは、計画を報告することが不可能というわけではない。

  【 意 見 3 】『第4 遵守すべき事項』を守らなかった実 施主体 、 散 布 業者には、 健 康 被害や環境被害、非対象作物への飛散、その他物損を与えた場合の補償を義務づけ、 一定期間の散布禁止、協会のオペレーター資格の剥奪などのペナルティーを科すべき である。

 【意見4】『第4の3 実施に当たっての危被害防止対策』について  危 害 防止対策は、万全 を期すとあるが、公衆衛生 関係、畜水 産 関係、他作 物 関係、野 生動植物関係に対しては「危被害を発生させるおそれがないように努める」としか書 かれていない。  その具体 的 内 容 は①地図を作成し「 必 要 に応じて」 標 識 を設置する。②実 施区域内 の 立ち入りを禁止する。③対象以外の作物にかからないよう必要な措置をとる。  などしか書かれておらず、 これら対 象 からの緩衝地帯の幅を示 すとか、監視員をどう 配置するかなど「危害発生のおそれがないように努める」内容を示すべきである。

  【 意 見 5 】 無 人 ヘリ散 布 は地 上 散 布 に比較して区域外へのドリフトが大きく、 短 時 間 で、広範囲に散布するため、気中濃度が高くなることは、農水省の委託調査で明らか になっている(参照  http://www.maff.go.jp/j/nouyaku/n_topics/yukirin/pdf/h200304d.pdf に、 『地 上 防 除区に比べて無 人 ヘリ防 除区の散 布区域外における落下量及び気中 濃 度 が相 対的に高かった。』とある)。    危 被 害 対策に緩衝地帯を入れるべきである。 ドリフト防止の一番効果ある方法 は、 緩衝地帯を設けることである。また、公衆衛生関係とされる学校、病院、水源周辺で の散布禁止を明記すべきである。

 【意見6】『第9 社団法人農林水産航空協会の役割』について 通知案では、農林水産航空協会が無人ヘリコプター関連の事業を実施することになっ

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  ている。 同 協 会 は、オペレー ター の研修や機 体 等 の調査、 散 布 試 験 などの事 業 を行 う と と も に 、 無 人 ヘ リ コ プ タ ー 散 布 実績情報を あ つ め 、 こ れ を ま と め た 上 で 、 農 水 省消 費・安全局長に報告することになっている。    そもそも、 協 会 は有 人 ヘリ散 布 のために設 立 されたものであり、 無 人 ヘリ関 連 事 業 を実施することは、定款違反である。前述のように、オペレーターに免許制度を導入 するなどは、国のレベルでやればいい。  空 中 散 布 実 施計画や実績は、 農 水 省 がまとめて、公表すべきであり、 協 会 の事 業 とす る必要はない。

 【意見7】第4の事項に、以下を追加する  1、事故、苦情等の農水省への報告を義務づける。    通 知案には事故等 についての報告義務 は書かれていない。 無 人 ヘリコプター による 人身事故・健康被害、農作物や水産物ほかの物損事故はもちろん、機体トラブル事故 を含むすべてを報告させ、再発防止を図るべきである。また、無人ヘリ散布に関する 苦情などもきちんとまとめ、対応を含めて報告させるべきである。すでに、長野県や 広島県のように事故届の書式を定め、報告させている県もある。

 2、無人ヘリコプター空中散布では、現地混用を禁止する。  無人ヘリコプターの場合、地上散布よりも高濃度の希釈液 ( 地上の場合1000 倍希釈、 空中散布の場合8 倍希釈 ) が使用されるが、その際、複数の登録農薬を現地混用で使用 すれば、全農薬濃度は単独より高くなる。

   混合製剤 は、 農 薬登録に際して、急性 毒 性 試 験デー タの提出が必 要 だが、現地混用 では、 農 薬 の薬効のみが重視されてしており、急性 毒 性 試 験デー タがない。 そのため、 農水省は混合剤の使用を推奨している。 無人ヘリコプターでは、散布効率を重視するあまり、登録混合剤があるにも拘わらず、 農林水産航空協会の混用事例集では現地混用を認めたものがある。たとえば、無人ヘ リコプター適用農薬としてスミチオントレボン乳剤があるが、スミチオン乳剤とトレ ボンエアの現地混用を認めている(現地混用事例1 参照)。    ま た 、 環 境 省 が 実 施 し た 「 農 薬残留対策に 関 す る 総 合調査」 に は 、 無 人 ヘ リ コ プ ター によるドリフト知 見 をうるための試 験 を現地混用 で実 施 している ( 現地混用 事例2 参照 ) 。    いずれの事例でも、現地混用 により全 農 薬 濃 度 の高 い散 布液が使用 されているのは 問題である。

 <現地混用事例1>登録製剤使用と現地混用の散布液農薬濃度比較(単位:g/L )

    農 薬 の種類                MEP   エトフェンプロックス 全農薬濃度

 ①スミチオン乳 剤   8 倍希 釈      62.5   - 62.5    MEP50%    * 地 上 散 布 1000 倍 希 釈             0.5             - 0.5

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  ② ト レ ボ ン エ ア 8 倍 希 釈           -           12.5 12.5  エトフェンプロックス10%  *10% 含有剤地上散布300 倍希釈   - 0.31         0.3 ③スミチオントレボン乳剤 8 倍希釈      MEP40%, エ ト フ ェ ン プ ロ ッ ク ス 10% 50         12.5 62.5  * 地上散布1000 倍希釈        0.4 0.1      0.5 ①+② の混用           62.5     12.5 75

 <現地混用事例2 >03 年に長野県飯山市での水田で実施された環境省の試験より         散布液中の農薬濃度(単位:g/L )

農薬の種類 トリシクラゾール MEP   BPMC  全農薬濃度 ① ビームゾル  8 倍希釈   25 - - 25   トリシクラゾール20 %  * 地上散布1000 倍希釈        0.2 0.2 ②スミバッサ乳剤75  8 倍希釈     -     56.25  37.5  93.75   MEP  45%:BPMC 30%      * 地上散布1000 倍希釈      0.45 0.3 0.75 ①+② の現地混用 8 倍希釈      25     56.25  37.5  118.75  

《参考4-4 》2010/03/25  農水省への平成22 年度農薬危害防止運動に関連した要望と質問 【4、有人及び無人ヘリコプターによる農薬空中散布について】 1)松枯れ対策の農薬空中散布については、09 年度は、島根県出雲市、岡山県浅口市、 長野県 上 田 市 、青木村、坂城町では中止されましたが、他の地域では、 10 年 度 も実 施 が計画されています。  水田等における有人ヘリや無人ヘリコプターによる空中散布は、地上散布に比べ、 100 倍近くの高濃度で、単時間で広範囲に実施されるため、危険度が増します。   学校や通学路、 住宅地区、 その他の公共施 設 等 の近隣では、風速の如何にかかわら ず、有人や無人ヘリコプターによる空中散布を禁止するようにしてください。

 2)群馬県は06 年6 月に、有機リン剤の無人ヘリコプターによる空中散布の自粛を要請し ましています。空中散布の禁止が実現するまで、無人ヘリコプター利用技術指導指針 (08 年7 月に改訂)を遵守するよう強力に指導してください。

 3)08 年には、無人ヘリコプターの墜落事故や制御不能で行方不明となる事故が起こっ ていますが、事故原因について、きちんとした調査報告が公表されていません。   オペレー ター資格 の取得、 機 体 の整備、 事故調査等 に関 する法律を制 定 するようお 願いします。

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《参考4-5 》2010/07  農水省への 無人ヘリコプター事故について   以下のお尋ねと緊急要請をしますので、早急に回答願います。 1 、南さつま市と北海道の無人ヘリ墜落事故について、  事故状況とその経緯を教えてください。

 2 、上記の事故以外に農水省が把握している無人ヘリ散布での事故をお知らせ下さい。  すでに、98 年から07 年の墜落事故については、一覧をいただいていますが、08年以  後、本年7 月までの事故について、墜落だけでなく、不時着、行方不明、ヒトや農作  物、自動車家屋等へ飛散などの危被害を含め、  発生年月日 / 散布主体 / 発生場所 / 機体名 / 事故状況 / 被害状況 / 事故原因の一覧でお願  いします。 3 、無人ヘリの事故防止体制の確立について  貴課が、08 年5 月に実施した「無人ヘリコプターによる空中散布等に関する通知の一  部改正案についてのパブリック・コメントの募集」の際にも、無人ヘリによる危被 害発生を危惧して、意見を述べましたが、残念ながら、その多くは、受けいれられ  ませんでした。改めて、以下の事項を強く要請します。   (1) 散布主体や散布者に散布計画や事故報告等の提出を義務づけてください。   ・09 年6 月の印西市のゴルフ場でのゴルファー被曝事故については、農水省は私た   ちの情報提供ではじめて知った。   ・10 年6 月の南さつま市の事故で、所管の林野庁は被害軽微を理由に、調査と報 告を拒んでいる。      ・長野県 と広島県 では、 年 間 実 施計画、 実績報告(終了届、 事故報告など)提出 が求められている。  (2) 公的な事故原因調査機関をつくり、原因調査を実施し、その結果を公表してくだ さい。 ・08 年に起こった事故(滋賀県1 件、山形県2 件、うち1 件は海上で行方不明)につ いての報告公表がいまもってない。 (3) 事故を起こした散 布主体 や散 布者に対 して、 散 布禁止、技能認 定 の取消し、再教 育などのペナルティーを科する制度をつくってください。

《参考4-6 》 2010/08  都道府県アンケート調査   http://www5e.biglobe.ne.jp/~ladymine/kiji/ao100809.txt

  http://home.e06.itscom.net/chemiweb/ladybugs/kiji/t23102.htm     4 年で97 件の事故~農水省は13 件しか把握せず

《参考4-7 》 2010/11/25 刊行 脱農薬ミニノート 3    <野放し!無人ヘリコプター農薬散布>

《参考4-8 》2011/01/14  農水省への無人ヘリコプターによる農薬空中散布に関する農薬取締法関連法令の改定と新法制定の要望 1、無人ヘリ飛行禁止地帯を設置する  ・住宅から10 m以内の場所でも散布されることがある   YOUTUBE  の投稿動画参照

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   http://www.youtube.com/watch?v=MAU9INY4idM&feature=fvw    http://www.youtube.com/watch?v=xGGr5XQ6PGw&feature=fvwk    http://www.youtube.com/watch?v=wPXEGFUAUPc     ・ 実 施主体及び無 人 ヘリ使用者に、 住宅地域、公共施 設 、 水源、道路、 その他の人 の活動する場所への飛散・影響防止を義務づけ、防止できない個所での散布を禁   止する。  ・実施主体及び無人ヘリ使用者に、有機圃場や散布対象外作物、蚕・ミツバチ、   家畜、魚介類、水産動植物、天敵、野鳥獣ほかへの飛散・影響防止対策を義務づ   け、防止できない個所での散布を禁止する。  ・架線事故等の防止対策で距離が十分とれないところは飛行禁止とする。 

 2、国によるオペレーターの研修・訓練を実施し、国が資格免許を与えるとともに、  オペレーターや防除業者の氏名・住所の届出登録を義務づける。    ・オペレー ター資格付与 に際して、 操 縦技術の習熟だけでなく、 農 薬 の危 険 性 ・ 毒 性、使用方法等など農薬散布に関する専門知識を有すること条件にする。  ・資格認定後も、定期的に再研修を実施する  ・オペレーターや防除業者の届出登録数を公表する

 3、機体及びその整備についてその内容を厳格化する  ・国が機体について審査基準を決め、機体の登録を義務付ける  ・機体及び操縦装置の定期検査を厳格にする  ・機体の所在地の届出を義務付け、機種ごとに機体数を公表する

 4.無人ヘリコプター事故やトラブルが発生した場合は、被害の程度に拘わらず、  すべてを国に報告することを実施主体、農薬使用者に義務づける。  ・原因調査機関を設置し、原因と事故責任を明確化する  ・事故原因者である実施主体、防除業者、オペレーターには、認定の取消し、   再研修等のペナルティーを科する

 5、農薬散布計画及び実績報告の提出を実施主体、農薬使用者に義務づける  「無人ヘリコプター利用技術指導指針」の「第4 空中散布等の実施に当たって遵守 すべき事項の1  空中散布等の実施計画の策定」に加え、  ・実施主体、農薬使用者は、国に年間散布計画届(散布場所、散布面積、使用目的、   散布予定時期、散布農薬の種類、使用方法、散布量等がわかる書類)を提出する  ・計画の妥当性を審査し、問題がある場合は修正を命じる  ・散布実績報告を提出する。  ・国は、上記計画及び実績を公表する。

 6、無人ヘリコプター協議会及び地区別協議会の設置を義務づける  「無人ヘリコプター利用技術指導指針」の「第3 無人ヘリコプター協議会及び地区 別協議会の役割」に加え、  ・協議会に、農薬散布の影響を受ける者、環境保護団体、地域住民をいれる  ・協議会は、周辺住民の合意を得ないで、散布することはできない    ・ 農 薬 により健 康 被 害 を惹き起こす農 薬弱者の避難は、 個 人 にまかせず、 上 記 協議 会の責任で行う。

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 7、空中散布等の実施に関する事前周知の徹底  「無人ヘリコプター利用技術指導指針」の「第4 空中散布等の実施に当たって遵守 すべき事項の2  空中散布等の実施に関する事前周知」に加え、  ・通知「住宅地等における農薬使用について」の遵守を義務付ける  ・散布地周辺の住民のみならず、通行者や車両にも周知徹底すること

 8、住宅地近郊での現地混用は、以下の理由で禁止する。  ・単一の農薬散布よりも総農薬濃度が高くなる  ・混合した場合の毒性や散布地域外へのドリフトデータがない

 9、その他「無人ヘリコプター利用技術指導指針」にある以下の項目について、    (1) 「第4 空中散布等の実施に当たって遵守すべき事項」関連   以下に関して記載されている努力規定をあらため、義務化する  ・実施に当たっての危被害防止対策  ・記録の保管  ・機体の保管

   (2) 「第5 散布飛行の方法」関連   記載の努力規定をあらため、義務化するほか、  ・住宅地域、公共施設等、非対象農作物栽培地等への風向規制、  ・広範囲での一斉散布をやめるため、一定期間内の散布面積規制

   (3) 「第8 空中散布等の効果調査」関連   記載事項のほか、  ・飛散調査や環境調査、健康調査などを実施主体に義務付ける

   (4) 「第9 社団法人農林水産航空協会の役割」及び    「第10 空中散布等の実績の公表」関連  ・協会を廃止し、国の責任で実施するため、法令の改定等を実施する。

 以上の法令の制定について、タイムテーブルを決め、早急に実施してほしい。

《参考4-9 》2014/03/28  農水省への2014 年度農薬危害防止運動についての要望・質問  http://www5e.biglobe.ne.jp/~ladymine/kiji/kiga2014.txt  【2】無人ヘリコプターによる空中散布について(2-1) 昨年7 月には、無人ヘリコプターによるオペレーターの死亡事故がおこりましたが、原因究明はどのようになっていますか。また、その他の2013 年の無人ヘリコプター事故事例についても公表してください。 [ 回答 ] 農林水産省は、全国の無人ヘリコプターによる空中散布の現場で安全対策に活 かすことを目的に事故情報を収集しており、また事故情報の収集にあたっても、集め た情報はその目的以外に使用しないこととして、提供いただいているところです。  このため、公表する内容については、今後の安全対策を取る上で必要な情報としてい

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 ることについて、重ねてご理解いただきますようお願いします。  なお、2013 年の無人ヘリコプター事故事例については、4月25 日にホームページに掲 載いたしましたので、ご確認いただければと思います。

(2-2) 無人ヘリコプターの2013 年の使用状況について、都道府県別に、機種別機体数、作物別散布面積、認定オペレーター数(一般と高所作業者)を教えてください。 [ 回答 ] 無人ヘリコプターの2013 年の使用状況については7月の公表を目途に作業を行っ ており、現段階ではお示しできません。

(2-3) 農水省は、私たちが公表を求めた農薬別の散布面積について、『一般社団法人農林水産航空協会が、農薬別の使用量・散布面積を取りまとめていないと承知しており、貴グループの要望をお伝えしました。』と回答されました。しかし、水稲については、農薬別散布面積 (2011 年まで ) が環境省のHPに公表されており、これらのデータに秘密性があるとは思われません。その後、当該協会の前述資料のとりまとめはどのようになっていますか。 なお、環境省は、農薬別の散布面積について、2012 、13 年資料を請求したところ、所有していないとのことでした。「無人ヘリコプター利用技術指導指針」の第9項には、農林水産航空協会の役割として、『3、操作要員、機体、事業の実施状況等に関する情報の収集等による実態把握、無人ヘリコプター協議会、地区別協議会、実施主体等に対する情報の提供等により安全かつ効率的な利用の推進に努めること』『5、上記1から4までに関する実施計画及び結果については、毎年度、農林水産省消費・安全局長に報告すること。』とあります。農林水産航空協会に対して、そのHP上で、農薬別の散布面積を公開するよう指導してください。 また、毎年、農林水産航空協会から消費・安全局長宛に報告書がでているはずですので、農水省が指導できなければ、独自に公表すべきです。 [ 回答 ] 以前もお答えいたしましたが、農林水産省としては、一般社団法人 農林水産航 空協会が、農薬別の使用量・散布面積を取りまとめていないときいております。   また、農林水産省では「無人ヘリコプター利用技術指導指針」に基づき、一般社団 法人 農林水産航空協会から報告を受けた空中散布等の実績について公表を行っており ます。

(2-4) 「農薬を使用する者が遵守すべき基準を定める省令」では、無人ヘリコプターによる農薬散布については、第四条 ( 航空機を用いた農薬の使用 ) の適用を受けず、散布計画の届出は義務づけられていません。 2013 年に明らかになった岩手県の場合のように、指導すべき県が協議会に任せっぱなし、散布の周知も適切に実施されていない事例がありました。他の地方自治体の中には、地図入りで、散布予定や薬剤名をHPで公表しているところもあります。 私たちは、「住宅地通知」の改定の際にも、散布計画の提出を義務づけ、国の責任で所管するよう求めましたが、遺憾ながら、実現しませんでした。 実施主体に対し、無人ヘリコプター散布の場合の散布計画の提出と公表を、強く指導してください。

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[ 回答 ] ご指摘を受け、岩手県には協議会を指導するよう当方から指導しました。また、 岩手県の協議会には、散布の事前周知が適切に実施されるよう指導しました。   今後とも、農薬の空中散布が安全かつ適正に実施されるよう、「無人ヘリコプター 利用技術指導指針」に基づき指導してまいります。

(2-5) 無人ヘリコプター散布地域と住宅からの距離について 農水省は、「無人ヘリコプター利用技術指導指針」を策定し、また、「住宅地通知」で、農薬散布の周辺への周知徹底を求めておられますが、私たちが求めている散布農薬の飛散や大気汚染による健康被害を防止するための緩衝幅については、『環境省では「農薬の大気経由による影響評価事業」が行われており、無人ヘリコプターによる農薬散布に当たっての緩衝幅については、この検討結果を踏まえて検討する』との考えを示されたままになっています。 農林水産航空協会発行の「産業用無人ヘリコプターによる病害防除実施者のための安全対策マニュアル」では、住宅を障害物とみなし、機体がぶつからないための距離20 mを挙げていますが、その後、緩衝幅はどのようになりましたか。 また、学校、その他の公共施設、通学路や生活道路、農薬の影響を受けやすい人の居住地周辺地域での、無人ヘリコプター空中散布はやめるよう指導してください。 [ 回答 ] 無人ヘリコプターの農薬の大気経由による飛散リスクについては、現在「農薬 の大気経由による影響評価事業」で実施していると承知しており、無人ヘリコプター による農薬散布に当たっての緩衝幅については、本事業の検討結果を踏まえて検討す ることとしています。   また、無人ヘリコプター空中散布による学校、その他の公共施設等での空中散布に ついては引き続き「無人ヘリコプター利用技術指導指針」や「住宅地等における農薬 使用について」に基づき指導してまいります。

(2-6) 経済産業省所管の航空機製造事業法では、無人ヘリコプターで、搭載物を含む全重量が100kg を超えるものについては、その製造や修理に関する条文が適用されていましたが、2014 年3 月19 日に、これを緩和し150kg 以下の無人ヘリコプターに対し、同法の適用外とする政令が公布され、4 月15 日から施行されることになりました。 現在、認定されている無人ヘリコプター機種で、性能上、積載量等を増やして、総重量を100 を超え150kg 以下にすることができますか。その際、オペレーターの育成についてどうお考えですか。また、該当する機種がない場合、その開発についてどう、お考えですか。 [ 回答 ] 現行の機種では総重量100 kg を超えて飛行することはできません。仮に新たな 機種が開発された場合には、現在、機種ごとにオペレーターを認定しており、同様の 対応を行うこととなります。   また、機種の開発については、利用者等の要望に基づきメーカーにより機体の開発 が進められるものと考えています。

(2-7) 無人ヘリコプターの大型化を推進する航空製造事業法の運用改定は、いままでも事故が多発し、操作ミスしやすいなど問題がある無人ヘリコプターについて、より重い機種の開発を促すものであり、障害物が多いところで、農薬を散布することの危険性が増すことが懸念されます。 これを契機に、機種認定、機体の点検・修理、オペレーターの教育・認定・認定取り消し、散布計画の届出、住宅地通知の遵守、事故調査などを、メーカーや使用者団体の

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利害関係者で作る農林水産航空協会まかせにせず、国が責任をもって実施する体制をとるよう、法的整備をする必要があると思いますが、いかがお考えですか。 [ 回答 ] 現在の無人ヘリコプターの利用状況等を踏まえ、現段階で法律を制定するなど の新たな規制を定めることは考えておりません。今後とも、農薬の空中散布が安全か つ適正に実施されるよう、「無人ヘリコプター利用技術指導指針」に基づき指導して まいります。   また、現在、無人ヘリコプターの大型化に伴い、法的整備による新たな規制を行う ことが必要となるとの状況にないと考えています。  《参考4-10 》2015/02/27  総務省への国の行政に関する御意見・御提案 http://www5e.biglobe.ne.jp/~ladymine/kiji/somu150302.txt  【5】無人ヘリコプターについて【意見5】農薬散布用の無人ヘリコプターの製造、使用等については、国が法律で取り締まるべきである。 昨今、ドローンと称する小型無人ヘリが話題になっており、事故防止のため、法規制が検討されるとの報道が見られるが、これより、大きな機体-総重量100kg となる-の農薬散布用無人ヘリコプター約2600 機が、法規制もないまま、全国を飛びまわっており、下記のように事故も多い。          2011 年 2012 年     2013 年   2014 年 ( 補足 ) 人身事故       0   0       死亡事故1 0 物損事故      43    24         35    49自損事故によるケガ  0  機体破片で負傷1 0 0合 計        43    25        36 49

 農水省は、無人ヘリコプターの機種選定・保守点検・オペレーターの教習・認定証交付、農薬散布状況や事故調査などの関連事業を所管の一般社団法人「農林水産航空協会」にすべて任せており、わずかに「無人ヘリコプター利用技術指針」で指導しているにすぎない。 住宅地周辺での農薬空中散布の規制を含めた農業用無人ヘリコプター使用についての法律を、早急に制定し、国が一元管理すべきである。

  [ 理由 ] 1、農林水産航空協会は、農業団体や農薬業界、無人ヘリコプターメーカーらにより構成されている業界団体であり、上記のように、事故が多いにも拘わらず、その原因調査やオペレーターの免許・教育に関する事業を実施している。業界団体に任せず、国が直接規制すべきである。 2、無人ヘリコプター空中散布は、高濃度で、高所から、短時間に広範囲に散布するため、地上散布よりも人の健康への影響、環境・生態系への影響が大きい。 3、有人ヘリコプターによる空中散布は、農水省の「農薬を使用する者が遵守すべき基準を定める省令」により、散布計画の提出が義務づけられ、違反すれば、罰則も適用されるが、無人ヘリコプターについては届出義務がなく、周辺住民への周知が充分でない。

《参考4-11 》2015/04/02  2015 年度農薬危害防止運動関連の要望と質問 http://www5e.biglobe.ne.jp/~ladymine/kiji/yobo150406.txt  【3】無人ヘリコプター空中散布について あり【3-1 】2014 年度の無人ヘリコプター事故の調査結果及び2014 年度の無人ヘリコプタ

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ーの使用状況について、都道府県別に、機種別機体数、作物別散布面積、認定オペレーター数(一般と高所作業者)を教えてください。*** [植物防疫課からの回答] 2014 年度の無人ヘリコプター事故の調査結果については、現在とりまとめ中であり、7月上旬に農林水産省のHPに掲載する予定です。 2014 年度の無人ヘリコプターにおける都道府県別の機体数(機種別ではない。)、作物別散布面積(水稲防除、麦類防除、大豆防除、その他)、認定オペレーター数(一般と高所作業者別ではない。)等の使用状況については、本年7月末を目途に農林水産省のHPに掲載する予定です。

【3-2 】2010 年7 月、北海道せたな町での死亡事故、及び2013 年7 月の千葉県君津市での死亡事故について、その後、事故原因について結論はでていますか。検察・警察などの捜査結果がでていたら教えてください。*** [植物防疫課からの回答] 2010 年7 月、北海道せたな町での死亡事故については、裁判で係争中と聞いており、事故原因については明らかになっていません。 2014 年7 月の千葉県君津市での死亡事故については、農林水産省としては、①機体とオペレーターの間の距離を十分に確保せずに作業が行われていたこと、②電線や支線が多い散布に不適切な場所で作業が行われていたことが主な事故原因であったと考えています。なお、警察では事件性がないということで、捜査は終了したと聞いています。

【3-3 】農林水産航空協会に、無人ヘリコプター関連の事業をまかせず、国が直接管理できるような法律を早急に制定すべきと考えていますが、農水省の昨年のお答えは『現在の無人ヘリコプターの利用状況等を踏まえ、現段階で法律を制定するなどの新たな規制を定めることは考えておりません。』とのことでした。現在より大型の150kg級無人ヘリコプターの開発に加え、小型なドローン型無人ヘリコプターにも法規制の動きがでている現状を知ると、法規制の環境が熟してきたように思えますが、どうお考えですか。*** [植物防疫課からの回答] いわゆるドローンなどの小型無人機に関する法整備及び規制については、「小型無人機に関する関係府省庁連絡会議」において、運用ルールの策定と活用の在り方、関係法令の見直し等の方向についてとりまとめられ、政府内の検討が進められているところです。 農業における無人ヘリコプターの空中散布等についても、こうした議論を注視していきたいと考えています。

【3-4 】昨年6月に改訂された技術指針では、無人ヘリコプター実施計画を、無人ヘリ協議会だけでなく、農水省植物防疫課に報告することが追加されました。 すでに、地方自治体中には、独自の指針等で、報告を求め、散布情報をHPやチラシで、住民に知らせているところもあります。農水省への報告は遅すぎたとの印象をぬぐえませんが、無人ヘリコプター農薬空中散布よる被害防止のためにも、今後は、地域ご

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とに散布計画と実績を、散布目的、散布農薬の種類、散布量などについて統計をまとめて、公表することを求めます。*** [植物防疫課からの回答] 無人ヘリコプターによる防除は、ほ場ごとに小規模で実施しており、地域の天候や病害虫の発生状況により弾力的に対応し、随時見直しながら実施するため、当初の計画のとおり実施されないケースもあります。 農林水産省としては、無人ヘリコプター農薬空中散布による被害を防止するため、「無人ヘリコプター利用技術指導指針」に基づき、事業実施主体が空中散布の実施に当たって、実施区域及び実施区域周辺にある学校、病院等の公共施設、居住者等に対して、あらかじめ空中散布等の実施予定日時、区域、薬剤の内容等について事前周知するよう引き続き指導を徹底してまいります。

【3-5 】有人ヘリコプターによる空中散布は「農薬を使用する者が遵守すべき基準を定める省令」により、散布計画の提出が義務づけられています。事故・被害防止のためにも、無人ヘリコプター空中散布の場合も、前記省令で、有人ヘリコプターに準じた対応をお願いします。*** [植物防疫課からの回答] 無人ヘリコプターによる空中散布等についても、省令と同様に「無人ヘリコプター利用技術指導指針」において、事業実施主体が散布計画を策定して国に提出するよう求めており、人畜、農作物、周辺環境等に対する安全性を確保しつつ、適正に実施するよう指導してまいります。

【3-6 】無人ヘリコプター空中散布は、高濃度で、高所から、短時間に広範囲に散布するため、地上散布よりも人の健康への影響、環境・生態系への影響が大きいことが問題です。住宅地通知とも関連しますが、散布実施主体が、散布計画を住民へ周知するよう厳しく指導してください。*** [植物防疫課からの回答] 農林水産省は、農薬の空中散布が安全かつ適正に実施されるよう、「無人ヘリコプター利用技術指導指針」を策定し、飛行速度、飛行高度、飛行間隔、適用機種等の運行基準を定めるとともに、加えて、事業実施主体が空中散布の実施に当たって、実施区域及び実施区域周辺にある学校、病院等の公共施設、居住者等に対して、事前周知するよう指導しています。 本指針は人畜、農作物、周辺環境等に対する安全性を確保しつつ、その適正な実施に資するため定めたもので、これを徹底するよう指導してまいります。

【3-7 】無人ヘリコプターの空中散布地域周辺では、健康への影響を訴える住民がいます。たとえば、茨城県龍ヶ崎市では、事業主体である龍ケ崎市防除安全対策協議会に対し、住民や龍ヶ崎市が空中散布を止めるよう求めても、実現しません。 また、昨年度の岩手県の事例で、農水省にお願いしたように、国の指導指針があっても、地方自治体がその内容を熟知せず、実施していないケースもみられました。 万一、散布する場合には、住民の避難措置がとることを含め、地方自治体及び事業主

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体への指導の強化を求めます。 *** [植物防疫課からの回答] 農林水産省では、無人ヘリコプターによる農薬の空中散布等が安全かつ適正に実施されるよう「無人ヘリコプター利用技術指導指針」を策定し、都道府県及び一般社団法人 農林水産航空協会を通じ、無人ヘリコプター協議会、地区別協議会、防除業者、無人ヘリメーカー、農薬メーカーなど広く情報を周知しています。 また、毎年度事故情報などをとりまとめ、都道府県、無人ヘリコプター協議会、無人ヘリメーカーなどを参集した会議を開催し、安全対策の徹底などについて説明、意見交換をしているところです。

《参考4-12 》2015/5/18  都道府県アンケート調査 【4】無人ヘリコプター等による空中散布の事故防止について 農薬危害防止運動の実施要綱では、無人ヘリ空中散布について、 「無人ヘリコプター利用技術指針」及び「無人ヘリコプターによる空中散布等の報告要領」( 平成26 年9 月18 日付け26 消安第2959 号)の遵守が謳われています。そんな中で、農薬空中散布に利用されている無人ヘリコプターに比べ、より小型で軽量のドローン型ヘリが、法規制のないまま普及して来ました。 そこで、以下のお尋ねをします。

  (4-1) 報告要領の通知にある「第3 実施計画の報告方法」では、リストアップされ都道府県ごとの報告先機関に、実施主体が実施計画を報告し、同機関が、区域内の実施計画を取りまとめ、都道府県にも報告するすることになっています。また、取りまとめ報告は空中散布等を実施する月の前月末までに行うことになっていますが、貴都道府県は、期日内に、きちんと実施計画の報告を受けていますか。貴都道府県内の市町村が確実に実施しているか確認していますか。

(4-2 )農薬等の散布を行う有人ヘリコプターや無人ヘリコプターの飛行地域へ  ドローン型ヘリが侵入し、衝突事故等が起こる危険があります。  貴都道府県はどのような事故防止対策をおとりですか。  [ 回答まとめ ] 無人ヘリコプター散布を実施していない東京、神奈川、大阪、和歌山   は、この質問にはあてはまりませんが、回答をみると、せいぜい、無人ヘリコプ   ター講習会で情報提供する ( 高知 ) 、合図マンがドローン型ヘリの侵入にいち早く   気づき、オペレーターに対し必要な指示をする(岐阜、愛知、岡山、愛媛)、今   後検討する(福井、富山、三重、鹿児島)などで、ドローンによる事故防止のた   め特別の指導をしている自治体はありませんでした。

  (4-3) 貴都道府県では、ドローン型ヘリで農薬散布されている事例があるか調べていますか。使用実態がどのようなものか、結果を教えてください。   [ 回答まとめ ] 調査していない:東京、神奈川、大阪、広島。実態把握困難:山口。    調査中:北海道、岩手、山形、静岡。 回答を差し控える:千葉。    使用していない:31 府県。 使用している:栃木(1 機)、熊本(2 機)   でした。

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《参考4-13 》2015/05  農水省への無人ヘリコプターとドローン型ヘリによる農薬空中散布についての要望と質問 【1】無人ヘリコプター事故防止のために 法規制のないドローン型の利用が進むとともに、事故が多く報告されています。その原因は、燃料切れ(電池切れ)、操作ミス、風の影響、電波制御不良など、農薬散布無人ヘリコプターと共通の内容もあります。また、機体の認定や保守・点検義務も不明です。 このような状況下で、ドローン型ヘリの法規制が俎上にあがっています。 ひとつは、機体購入届や使用者届等の提出を義務付けること、中には、電波法で免許を与える案もでているようです。これらについては、私たちの要望のように、業界団体まかせにせず、法律できちんと取締るという考えと共通する部分があります。

 もう、ひとつは飛行場所の規制で、現在、皇居や国会周辺があがっています。すでに、地方自治体の中には、条例等で公園などでの飛行禁止するところもでています。 飛行規制について、私たちは、有人ヘリコプター空中散布地域や、ただでさえ、架線等への接触の多い無人ヘリコプターによる農薬空中散布地域に、ドローン型が侵入し、衝突事故等を起こすことを懸念しています。

 農薬散布について、農薬取締法での扱いは、無人ヘリコプター散布業者も、家庭での農薬散布者と同じですし、「農薬を使用する者が遵守すべき基準を定める省令 」では、有人ヘリコプターによる空中散布は、実施計画届の提出は義務付けられ、予め公表されますが、無人ヘリコプター空中散布については、法令による届出義務もなく、指導指針があるだけです。地方自治体によっては、すでに、独自の要綱などで、実施計画の提出を求めそれを公表しているところもあります。 貴省では、昨年の無人ヘリコプター利用技術指導指針(以下指導指針という)改訂で、いままで、農林水産航空協会(以下、協会という)まかせにしていた散布情報を、第4 の4 項にあるように、無人ヘリコプター協議会等から、空中散布の記録の提出を受けることとなり、計画提出する窓口を公表されました。しかし、窓口によっては、実施主体が「無人ヘリコプターによる空中散布等の報告要領」に基づき、提出されるはずの散布実施計画を把握していないところもあります。また、計画を出すよう指示していないところさえあります。

 そこで、以下の要望をします。

(1-1) 指導指針にあるように、実施主体から窓口への届けが実施されているかどうか、きちんとフォローした上、実施主体から得た散布計画の内容を自治会等への資料回覧、自治体の広報やHP 等で公表し、問合せがあった場合、きちんと回答できる体制を作り、農薬弱者の健康被害防止などにつなげてください[ 回答 ] 農林水産省としては、無人ヘリコプター農薬空中散布による被害を防止するため、「無人ヘリコプター利用技術指導指針」に基づき、事業実施主体が空中散布の実施に当たって、実施区域及び実施区域周辺にある学校、病院等の公共施設、居住者等に対して、あらかじめ空中散布等の実施予定日時、区域、薬剤の内容等について事前周知するよう引き続き指導を徹底してまいります。

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(1-2) ドローン型ヘリと無人ヘリコプターの接触事故を防止するため、無人ヘリ空中散布の実施計画を前以て、自治体のHP で公表し、技術指針第4 の3 の (3) 項にある危害防止対策に、『ドローン型無人ヘリが農薬散布地域に侵入しないよう対策をとる』を追加してください。[ 回答 ] 農林水産省としては、農薬の空中散布が安全かつ適正に実施されるよう、「無人ヘリコプター利用技術指導指針」に基づき、事業実施体に対して、合図マンを機体毎に1名以上配置するとともに、オペレーター、合図マン及び作業者を含めた関係者で連携することにより、一層の周囲の安全確保に努めるよう引き続き指導を徹底してまいります。

【2】ドローン型ヘリの農薬空中散布への利用などについて 指導指針にある「第5 散布飛行の方法」には、『2 散布方法については別表に掲げるところによるものとする。また、農薬を散布する場合にあっては、無人ヘリコプター散布用として登録を受けたものを、使用上の注意事項を遵守して使用しなければならない。』とあり、また、「第8オペレーター、機種等」には、『2 機体等は、空中散布等の作業に適した性能を有し、かつ、保守及び整備のための体制が整備されているものとして別表に掲げるものであること。』とあります。 別表には、作物別、作業別に機種があがっています。 指導指針に基づき、無人ヘリコプター農薬空中散布については、農林水産航空協会が、有人ヘリコプター空中散布を補完するものと位置付け、機体選定から、オペレーター認定、散布情報・事故報告の収集など一手に請け負っています。

 一方で、ドローン型がいままでの100kg級の無人ヘリコプターよりも、低価格で、小型で軽量であるとし、同協会に属さない開発業者による農薬散布への使用が宣伝されています。 私たちがインターネットで調べた結果、参考資料【2】のようなものがありました。

 そこで、お尋ねします。

(2-1) 現行の100kg級の無人ヘリコプターもドローン型ヘリも、地上からの操作により散布機をコントロールする点は共通ですが、現在の指導指針下で、ドローン型ヘリで、農薬散布をすることは可能ですか。[ 回答 ]1 ドローン型ヘリで農薬散布を行うことは可能です。(ただし、使用方法に「無人ヘリコプターによる散布」の登録のある農薬に限ります。希釈倍率等については、農薬のラベルに定められているので、それらを遵守する必要があります。)2 一方、ドローン等小型無人機については、現在、政府において、小型無人機の運用ルールの策定と活用の在り方、関係法令の見直し等について検討が進められているところです。3 当省としては、これらの動向も踏まえ、ドローン等小型無人機による安全かつ適正な農薬散布が行われるよう適切に対応していきたいと考えています。

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(2-2) 指導指針の別表には、作物別、作業別に適用機種が記載されていますが、記載のないドローン型ヘリで農薬散布することは違法行為となりますか。その場合、適用される法令と条文を教えてください。[ 回答 ] 農薬の使用方法を守った上で、指導指針に掲げる無人ヘリコプター以外の機種を使用して農薬散布することは、農薬取締法に違反することにはなりません。

(2-3) 指導指針に基づいて策定された、協会の「産業用無人ヘリコプター運用要領」にある無人ヘリの『(定義)第2条 産業用無人ヘリコプター(以下「無人ヘリ」という。)とは、人が乗って航空の用に供することができない遠隔誘導式回転翼機であって、設計により定められた装備及び燃料を搭載し、及び農業用資材を10㎏以上搭載(以下「総重量」という。)できるものとして、産業用に使用するものをいう。 』となっていますが、農薬積載量が10kg に満たない機種では、農薬散布は自由にできるのですか。[ 回答 ] 1 農薬積載量が10kg に満たない機種を用いて農薬散布を行うことは可能です。(ただし、使用方法に「無人ヘリコプターによる散布」の登録のある農薬に限ります。希釈倍率等については、農薬のラベルに定められているので、それらを遵守する必要があります。)2 一方、ドローン等小型無人機については、現在、政府において、小型無人機の運用ルールの策定と活用の在り方、関係法令の見直し等について検討が進められているところです。3 当省としては、これらの動向も踏まえ、ドローン等小型無人機による安全かつ適正な農薬散布が行われるよう適切に対応していきたいと考えています。

(2-4) ドローン型ヘリについて、農林水産航空協会の役割はどうなりますか。[ 回答 ] ドローン等小型無人機については、現在、政府において、小型無人機の運用ルールの策定と活用の在り方、関係法令の見直し等について検討が進められているところです。当省としては、これらの動向を踏まえ、ドローン等小型無人機による安全かつ適正な農薬散布を確保できるよう、これまでも産業用無人ヘリコプターの運用に関して知見を有している農林水産航空協会とも相談していくことになると考えています。

(2-5) 現状では、農薬散布用にドローン型ヘリを製造販売する業者や、ドローン型ヘリで農薬散布する者だけでなく、現行の無人ヘリコプター散布についても、取締る法令はありませんが、貴省は、新たな法令の制定についてどのようにお考えですか。[ 回答 ] ドローン等小型無人機については、現在、政府において、小型無人機の運用ルールの策定と活用の在り方、関係法令の見直し等について検討が進められているところであり、この一環として、無人航空機の飛行に関し、航空機の航行や地上の人・物の安全を確保するため、無人航空機の飛行の禁止空域及び無人航空機の飛行の方法等を定める航空法の改正が検討されていると承知しています。当省としては、これらの動向も踏まえ、ドローン等小型無人機による安全かつ適正な農薬散布が行われるよう適切に対応していきたいと考えています。

(2-6) 地上散布と高所からの空中散布では、散布液等の希釈倍率も異なり、有人ヘ及び無人ヘリによる空中散布では、圃場での単位面積あたりの成分量を同じにするため、地上散布より100 倍以上高い濃度で散布することもあります。

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 ドローン型ヘリによる農薬散布は、通常の無人ヘリコプターの位置よりも低い高度で実施されるようですが、貴省は、これを、地上散布とみなすか、空中散布とみなすかいずれですか。その場合、散布方法や散布液の希釈倍率などは、どう決められますか。[ 回答 ] ドローン等小型無人機による農薬散布については、「無人ヘリコプターによる散布」に該当します。このため、使用方法に「無人ヘリコプターによる散布」の登録のある農薬を使用することができます。その散布方法や希釈倍率等は、農薬の登録の審査において薬効や安全性等を確認しています。

《参考 4-14 》2015/07   農 水 省へ「 ドロ ー ン 型 無 人 ヘ リコ プタ ー 等 の使用 規 制 に ついて」  【 要望1 】 私 た ち は 、 農 薬 空 中 散 布 の た め の ド ロ ー ン 型ほか 、低価格 無 人 ヘ リ コ プ ターの製造・販売の事例を挙げ、5 月15 日付けで、貴課に「無人ヘリコプターとドロー ン型ヘリによる農薬空中散布についての要望と質問」をお送りしましたが、いまだ、 回答をいただいていません。早急にご回答お願いするとともに、貴課が実施された調 査結果の公表もお願いします。  質問は再掲しますが、要望と質問の全文と回答は下記URL参照。 http://www5e.biglobe.ne.jp/~ladymine/kiji/dr150515.txt

 【要望2】農薬散布用ドローン型の機種選定、機体の保守点検、オペレーターの研  修・ 認 定 、 農 薬希釈倍率など適正使用条件 、 飛 行条件 (速度 、風速や高 度 など) 、 飛 散防止技術、使用上の注意やドリフト防止対策、環境汚染調査、安全緩衝地帯設定等 が行われいない状況下で、すでに、ドローン型で農薬散布しているところがあります。  貴課も適正散布や安全性等が確保されていないドローン型無人ヘリコプターの使用に 懸念を表明しておられます。私たちは、法的位置づけが不明で、なんの運用ルールも 規制もないまま、ドローン型無人ヘリコプターによる農薬散布を実施することに反対 です 。直ちに、止めさせてください。  [ 回答 ] ドロー ン等小型 無 人 機 については、現在、政府において、小型 無 人 機 の運 用 ルールの策定と活用の在り方、関係法令の見直し等について検討が進められていると ころであり、この一環として、無人航空機の飛行に関し、航空機の航行や地上の人・ 物の安全を確保するため、無人航空機の飛行の禁止空域及び無人航空機の飛行の方法 等を定める航空法の改正が検討されていると承知しています。 当省としては、これらの動向も踏まえ、ドローン等小型無人機による安全かつ適正 な農薬散布が行われるよう適切に対応していきたいと考えています。

  【 要望3 】 農 薬 空 中 散 布 事故防止のため、撮影 や種子・肥料散 布 のため、 ドロー ン型 小型無人ヘリコプターが有人ヘリや無人ヘリコプターの農薬散布地域に入ることを、 禁止してください。  [ 回答 ] 農林水産省としては、農薬の空中散布が安全かつ適正に実施されるよう、「無 人ヘリコプター利用技術指導指針」に基づき、事業実施体に対して、合図マンを機体 毎に1名以上配置するとともに、オペレーター、合図マン及び作業者を含めた関係者 で連携することにより、一層の周囲の安全確保に努めるよう引き続き指導を徹底して まいります。

  【 要望4】 ドロー ン型小型 無 人 ヘリコプター が農 薬 の有 人 ヘリ・ 無 人 ヘリコプター 散

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布地域に入らないようにするため、各地での散布予定をHP等で公表してください。  [ 回答 ] 農林水産省としては、無人ヘリコプター農薬空中散布による被害を防止するた め「無人ヘリコプター利用技術指導指針」に基づき、事業実施主体が空中散布の実施 に当たって、実施区域及び実施区域周辺にある学校、病院等の公共施設、居住者等に 対して、あらかじめ空中散布等の実施予定日時、区域、薬剤の内容等について事前周 知するよう引き続き指導を徹底してまいります。  また、 農 薬 の空 中 散 布 が安 全 かつ適正 に実 施 されるよう、 「 無 人 ヘリコプター利用技 術指導指針」に基づき、事業実施体に対して、合図マンを機体毎に1名以上配置する とともに、オペレーター、合図マン及び作業者を含めた関係者で連携することにより、 一層の周囲の安全確保に努めるよう引き続き指導を徹底してまいります。

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