バンカー条約及び難破物除去ナイロビ条約の概要international convention on civil...

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Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism ※本資料における関連条約の和訳等に係る記載は、国交省限り の暫定案であり、外務省の確認が済んだものではありません。 バンカー条約及び難破物除去ナイロビ条約の概要 資料2-1

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  • Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

    ※本資料における関連条約の和訳等に係る記載は、国交省限りの暫定案であり、外務省の確認が済んだものではありません。

    バンカー条約及び難破物除去ナイロビ条約の概要

    資料2-1

  • 船舶の海難等に伴う海洋汚染への対応に係る国際的枠組みは、①排出予防、②排出された場合の適切な防除、並びに③責任原則及び被害者補償により構築される。我が国は一部を除き関連条約の内容を国内措置済み。

    排出等禁止・予防措置

    防除等の対応

    船主の責任制限

    被害者の損害補償等

    責任原則

    船主等へのPI保険加入義務付け

    被害者からPI保険会社への直接請求権の付与、確定判決の締約国間の承認等

    国際基金(貨物受取者が拠出。船主責任の上限を超える場合に基金が補

    償。)外航船 内航船

    タンカー油

    燃料油

    難破物(難破した船舶、当該船舶から分離した漂流物等)

    有害危険物質(LNG、LPG等)

    1996年LLMC条約

    1990 年OPRC条約

    1992年CLC条約 1992年基金条約2003年追加議定書

    2000年OPRC-

    HNS議定書

    2010年HNS条約

    未発効・未締結

    未締結

    未締結注2

    未締結

    油賠法

    汚染等種類

    対応等種類

    MARPOL条約

    海防法等

    注2

    船主責任制限法

    注1

    バンカー条約

    注1 2010年HNS条約はHNSによる汚染損害の他、人の死亡又は身体の傷害、財産の滅失又は損傷等も対象に含む。

    注2 我が国はバンカー条約及びナイロビ条約を未締結であるが、油賠法において独自に外航船に対してPI保険等への加入義務付けを措置。

    注3 難破物除去ナイロビ条約については、確定判決の締約国間の承認についての規定はなく、2以上の締約国間における協議の手続き等を規定。 1

    難破物除去ナイロビ条約(注3)

    汚染損害等に対する国際的枠組み

  • ○ 船舶からの燃料油の流出等により生ずる汚染損害につき、船舶所有者に厳格責任を課す一方で、

    1996年海事債権責任制限条約(LLMC条約)等に基づく責任制限を認める。○ 総トン数1,000トンを超える船舶の登録所有者に、責任制限に基づく責任限度額を担保する保険への加入及びこれを証明する政府の証明書を船内に備え置くことを義務づける。○ 被害者に、保険者等に対する直接請求権を認める。○ 損害賠償に係る判決の締約国間における相互承認を規定する。

    採択日:2001年3月23日

    発効日:2008年11月21日

    締約国数:88カ国(2018年7月時点)

    船舶からの燃料油の流出等により生ずる汚染損害につき、適正、迅速かつ効果的な賠償の支払を確保すること。

    目的

    概要

    締約国数等

    2001年の燃料油による汚染損害についての民事責任に関する国際条約(仮称)(バンカー条約)International Convention on Civil Liability for Bunker Oil Pollution Damage, 2001

    採択日:2007年5月18日

    発効日:2015年4月14日

    締約国数:41カ国(2018年7月時点)

    締約国の排他的経済水域(EEZ)内に存在する難破物(難破した船舶、当該船舶から分離した漂流

    物等)が船舶の航行又は海洋環境への危険を生じさせるような場合に、その迅速かつ効果的な除去及び除去費用の補償の支払いを確保すること。

    締約国数等

    2007年の難破物の除去に関するナイロビ国際条約(仮称)(難破物除去ナイロビ条約)

    Nairobi International Convention on the Removal of Wrecks, 2007

    バンカー条約と難破物除去ナイロビ条約の概要

    ○ 条約の適用水域内(締約国のEEZ。締約国の判断により領域にも拡大可。)に存在する難破物の除去費用につき、登録所有者に厳格責任を課す一方で、LLMC条約等に基づく責任制限を認める。○ 総トン数300トン以上の船舶の登録所有者に、責任制限に基づく責任限度額を担保する保険への加入及びこれを証明する政府の証明書を船内に備え置くことを義務づける。

    ○ 被害者に、保険者に対する直接請求権を認める。○ 2以上の締約国間に紛争が生じたときの手続きについて定める。

    概要

    2

    目的

  • バンカー条約の規定

    船舶所有者の責任

    強制保険

    船舶所有者は無過失であっても連帯して責任を負う(厳格責任)

    ※船舶所有者: 船舶の所有者(登録所有者を含む。)、管理人及び運航者並びに裸傭船者。

    総トン数1,000トンを超える船舶の登録所有者は、LLMC条約等に基づく責任限度額を担保するP&I保険等への加入を義務付けられる。

    締約国政府から発給される強制保険の証明書は、船内への備え置きを義務付けられる。

    締約国は、P&I保険等に加入していない自国の総トン数1,000トンを超える船舶に運航を許してはならない。また、締約国は、自国に入港し、又は自国から出港する総トン数1,000トンを超える船舶がP&I保険等に加入していることを確保する。

    保険者への請求・判決の相互承認

    汚染損害の賠償請求は、保険者等に対して直接行うことができる。

    汚染損害が生じた(又は防止措置がとられた)国の裁判所が損害賠償に係る判決を下した場合には、各締約国においてその判決が効力を持つ。

    3

  • 条約の適用水域は締約国の排他的経済水域。ただし、締約国は自国の領域(領海含む)に存在する難破物にも条約を適用することができる。

    船舶所有者の責任

    強制保険

    登録所有者は無過失であっても責任を負う(厳格責任)

    ※登録所有者: 船舶の所有者として登録されている者。登録がない場合は海難時に船舶を所有していた者。

    総トン数300トン以上の船舶の登録所有者は、LLMC条約等に基づく責任限度額を担保するP&I保険等への加入を義務付けられる。

    締約国政府から発給される強制保険の証明書は、船内への備え置きを義務付けられる。

    締約国は、P&I保険等に加入していない自国の総トン数300トン以上の船舶に運航を許してはならない。 また、締約国は、自国に入港し、又は自国から出港する総トン数300トン以上の船舶がP&I保険等に加入している ことを確保する。

    難破物除去ナイロビ条約の規定①

    保険者への請求

    損害の賠償請求は、保険者等に対して直接行うことができる。

    適用水域の拡大(オプトイン)

    4

  • 難破物除去ナイロビ条約の規定②

    締約国は、難破物をもたらした海難に自国を旗国とする船舶が関与した場合には、当該船舶の船長及び運航者に対し、影響を受けている国に遅滞なく報告することを要求

    ※影響を受けている国: 難破物がその条約水域に存在する国

    影響を受けている国が、難破物について撤去等の必要があるか、危険の有無を決定する上での考慮事項を規定

    影響を受けている国に対して、難破物の位置等の情報について、船員や関係国の注意を喚起するための実行可能な手段を取ることを求めるとともに、難破物が危険をもたらす可能性がある場合には、正確な位置を特定するための、実行可能な措置をとることを要求

    影響を受けている国に対して、難破物が危険を生ずると決定する場合において、国際的に受け入れられている浮標式に適合した、合理的で実行可能な措置をとるとともに、適当な手段で難破物に係る標示の細目を公表することを要求

    難破物の除去に関して、登録所有者の除去義務、除去に係る手続き、影響を受けている国の権限等を規定

    難破物についての報告

    危険の判断要素

    難破物の位置の特定

    難破物の標示

    難破物の除去を容易にするための措置

    5

  • 責任主体①

    6

    バンカー条約 難破物除去ナイロビ条約

    責任主体船舶所有者(所有者、管理人及び運航者、並びに、裸傭船者)

    登録所有者

    被害者への賠償運航に関わる者を幅広く責任主体としているため、被害者への損害賠償がより確実に実施される。

    責任主体が一の者であることから、責任主体による難波物の除去、

    責任主体への求償等が、統一的かつ迅速に実施できる。

  • バンカー条約 改正油賠法(一般船舶)

    裸傭船者(Bareboat charterer)

    管理人(Manager)

    運航者(Operator)

    船舶所有者(Shipowner) 一般船舶所有者等

    所有者(Owner)

    傭船者(Charterer)

    管理人(Manager)

    運航者(Operator)

    (参考)LLMC条約

    所有者(Owner)

    登録所有者(Registered owner) 一般船舶所有者

    一般船舶賃借人

    責任主体②

    7

    船責法

    船舶所有者等

    船舶所有者

    船舶賃借人

    傭船者

    救助者

    被用者等

    救助者(Salvor)

    船舶所有者(Shipowner)

    被用者(Servants)

    一般船舶所有者等と同様

  • 前提の状況

    (船舶)登録国 船長

    難破物除去ナイロビ条約の国内法制化の全体像

    (船舶)登録所有者 影響を受けている国

    難破物を生じさせた海難の報告

    難破物の発生

    第5条

    危険の有無の決定

    第8条

    除去

    第9条2

    影響を受けている国との協議

    第9条1(b)

    保険の証拠提出義務

    第9条6

    第9条4

    (海難)救助者との契約可能

    第9条4

    第9条5

    除去可能

    登録所有者による除去及び保険の証拠提出の義務履行確保のための措置

    第9条9

    点線枠は第3条2の規定に基づき、条約の領海への選択的適用:オプトイン(後述、資料2-4)を行う場合における領海への適用除外項目。

    第12条1

    保険への加入義務

    第12条2

    保険証明書の発給

    第12条9,10,11,12

    保険証明書の締約国間の相互承認保険者への直接請求権保険証明書なしの自国籍船運航禁止保険証明書なしの入出港禁止

    第10条

    難破物除去等のための費用の賠償責任

    第9条1(a)(b)

    第9条3

    難破物の標示

    8除去の通報後に除去可能

    第9条8

    期限までに除去されない場合

    除去期限、国による除去可能性の通報

    除去条件の設定(制限あり)

    除去への介入(制限あり)

    直ちに措置が必要な場合

    第9条7

    登録国・登録所有者への通報、登録国等との協議

    難破物の位置特定※

    第6条危険決定の考慮事項

    第7条

    ※残骸物の位置特定については、危険の有無の決定後である可能性があり、精査を要する。

  • Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

    バンカー条約及び難破物除去ナイロビ条約の締結意義

    資料2-2

    ※本資料における関連条約の和訳等に係る記載は、国交省限りの暫定案であり、外務省の確認が済んだものではありません。

  • バンカー条約、難破物除去ナイロビ条約の締結状況

    我が国は、バンカー条約及び難破物除去ナイロビ条約の発効する以前より、油賠法により、我が国に入港する外国籍船(外国が所有する船舶除く)に対して、条約の要求よりも広範囲※にPI保険への加入を義務づけ。※ PI保険義務づけ範囲: バンカー条約1000トン以上、難破物除去ナイロビ条約300トン以上に対して、油賠法は100トン以上

    条約の主要事項である「保険者に対する直接請求権(バンカー条約及び難破物除去ナイロビ条約)」及び「締約国間における裁判判決の相互承認(バンカー条約)」については、条約の締約国数が増加したことから、条約締結による被害者保護の実効性が高まっている。

    0

    20

    40

    60

    80

    100

    200

    3

    200

    4

    200

    5

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    6

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    7

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    4

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    5

    201

    6

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    7

    201

    8

    バンカー条約締約国の推移

    英国 中国、バハマ、リベリア、マーシャル

    韓国、パナマ

    発効

    0

    10

    20

    30

    40

    50

    2009201020112012201320142015201620172018

    ナイロビ条約締約国の推移

    中国

    英国マーシャル

    パナマ、リベリア、バハマ

    発効

    アルバニア クック諸島 ギリシャ マダガスカル パラオ スロベニア アンティグア・バーブーダ コートジボワールハンガリー マレーシア パナマ スペイン オーストラリア クロアチア インドネシア マルタ ポーランド スウェーデンオーストリア キプロス イラン マーシャル諸島 ポルトガル スイス アゼルバイジャン チェコ アイルランド モーリシャス韓国 シリア バハマ 北朝鮮 イタリア モンゴル ルーマニア トーゴ バーレーン デンマーク ジャマイカ モンテネグロロシア トンガ バルバドス ジブチ ヨルダン モロッコ セントクリストファー・ネーヴィス チュニジア ベルギー エジプトケニア ミャンマー セントルシア トルコ ベリーズ エストニア キリバス オランダ セントヴィンセント ツバル ブルガリアエチオピア ラトビア ニュージーランド サモア イギリス カナダ フィジー レバノン ニカラグア セルビア バヌアツ 中国フィンランド リベリア ナイジェリア シエラレオネ ベトナム コモロ フランス リトアニア ニウエ シンガポール コンゴ(共) ドイツ ルクセンブルグ ノルウェー スロバキア

    締約国:88カ国

    船腹量:全世界の92.62%

    (2018年7月現在)

    アルバニア コモロ フィンランド リベリア ニウエ 南アフリカ アンティグア・バーブーダ コンゴ(共) フランス マレーシアパラオ スウェーデン バハマ クック諸島 ドイツ マルタ パナマ スイス ベルギー クロアチア インド マーシャル諸島ポルトガル トンガ ベリーズ キプロス イラン モロッコ ルーマニア ツバル ブルガリア 北朝鮮 ヨルダン オランダセントクリストファー・ネーヴィス イギリス 中国 デンマーク ケニア ナイジェリア シンガポール

    バンカー条約締約国

    難破物除去ナイロビ条約締約国

    締約国:41カ国

    船腹量:全世界の72.41%

    (2018年7月現在)

    近年、保険会社が免責を主張し、保険金が支払われない事例も発生。

    タイ船籍「NEPTUNE」(2016.5.3発生)

    サーベイ条項不履行により免責 1

  • (参考)海難事故(座礁、沈没)の発生状況(2010~2014年)

    2

    民間データベースの海難事故情報によると、海難事故は7,386件(年平均訳1,500件)発生している。

    このうち日本近海においては251件

    座礁・沈没の発生状況(2010~2014年) 日本近海における座礁・沈没の発生状況(2010~2014年)

    座礁・沈没は2,017件発生(年間平均407件)。

    このうち日本近海においては85件

  • Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

    ※本資料における関連条約の和訳等に係る記載は、国交省限りの暫定案であり、外務省の確認が済んだものではありません。

    バンカー条約及び難破物除去ナイロビ条約の影響

    資料2-3

  • 0

    5

    10

    15

    20

    25

    0 1000 2000 3000 4000 5000

    保険金額(億円)

    国際総トン数※1

    条約が要求するPI保険の保険金額

    1

    バンカー条約が要求する保険金額※2(LLMC条約に基づき算出した額を例示)

    難破物除去ナイロビ条約が要求する保険金額(LLMC条約に基づき算出した額を例示)

    300

    ※1:表で記載した総トン数は、国際トン数であり、国内総トン数に置き換えた場合、大凡以下のトン数以上の船舶が対象となります。①バンカー条約 ・・・国内総トン数 約700トン以上②難破物除去ナイロビ条約 ・・・国内総トン数 約190トン以上

    ※2:バンカー条約で要求する金額については精査中であり、難破物除去ナイロビ条約で要求する金額と一致の可能性が有ります。

    バンカー条約、難破物除去ナイロビ条約では、それぞれ一定の総トン数以上の船舶に対して、国内又は国際的な制度に基づく責任限度額を担保するPI保険等への加入を義務づけている。

  • バンカー条約のPI保険等適用範囲 難破物除去ナイロビ条約のPI保険等適用範囲

    責任限度額を満たす隻数PI保険加入隻数有効回答数

    190

    1200

    100

    300

    500

    700

    1700

    307

    32

    260

    68

    619

    527 190

    1200

    100

    300

    500

    700

    1700

    306(99%)

    30(94%)

    259(99%)

    68(100%)

    613(99%)

    517(98%)190

    1200

    100

    300

    500

    700

    1700

    294(96%)

    2条約対象外

    20 20 20

    26(87%)

    246(95%)

    65(96%)

    580(95%)

    474(92%)

    2

    責任限度額を

    満たす隻数

    保険加入隻数

    190

    100

    300

    500

    549

    48

    380

    125

    1132

    922

    20

    有効回答数

    1200

    700

    1700

    PI保険加入適用対象隻数

    1813隻から回答(有効回答率57.4%)をいただき、PI保険の加入隻数は1793隻(加入率99%)。PI保険加入船舶のうち、責任限度額に満たない保険金額の隻数は31隻(77隻については保険金額不明)。

    2条約対象外

    2条約対象外

    2条約対象外

    アンケート調査対象は日本船舶明細書中、国内総トン数20トン以上(フェリー、旅客船、貨客船、漁船、官公庁船を除く)の全ての船舶であり、難破物除去ナイロビ条約の対象としている国際トン数300トン(国内トン数190トン)以上の3156隻を抽出。

    内航貨物船のPI保険等加入状況

    総トン数(国内)

  • バンカー条約のPI保険等適用範囲 難破物除去ナイロビ条約のPI保険等適用範囲

    アンケート調査対象は日本船舶明細書中、フェリー、旅客船、貨客船に分類される、国内総トン数20トン以上(官公庁船を除く)の船舶であり、難破物除去ナイロビ条約の対象としている国際トン数300トン(国内トン数190トン)以上の308隻。

    総トン数(国内)

    3

    2条約対象外

    2条約対象外

    2条約対象外

    15

    36

    33

    55

    70

    有効回答数

    保険加入隻数

    責任限度額を

    満たす隻数

    190

    1200

    100

    300

    500

    700

    1700

    20

    190

    1200

    100

    300

    500

    700

    1700

    20

    97 (98%)

    15(100%)

    36(100%)

    33(100%)

    53(96%)

    66(94%)190

    1200

    100

    300

    500

    700

    1700

    20

    190

    1200

    100

    300

    500

    700

    1700

    20

    15(100%)

    36(100%)

    30(91%)

    45(85%)

    45(68%)

    75(77%)

    5(33%)

    18(50%)

    23(70%)

    33(62%)

    15(33%)

    2条約対象外

    不明:17金額未満:5

    不明:10金額未満:0

    不明:17金額未満:1

    不明:7金額未満:0

    不明:9金額未満:3

    不明:23金額未満:4

    300隻から回答(有効回答率97.4%)をいただき、PI保険の加入隻数は268隻(加入率89.3%)。PI保険加入船舶のうち、責任限度額に満たない保険金額の隻数は13隻(86隻については保険金額不明)。

    PI保険加入適用対象隻数

    有効回答数 保険加入隻数 責任限度額を満たす隻数

    旅客船のPI保険等加入状況

    99 97(100%)

  • バンカー条約のPI保険等適用範囲 難破物除去ナイロビ条約のPI保険等適用範囲

    アンケート調査対象は日本船舶明細書中、漁船に分類される国内総トン数20トン以上(官公庁船を除く)の船舶であり、難破物除去ナイロビ条約の対象としている国際トン数300トン(国内トン数190トン)以上の444隻を抽出。

    総トン数(国内)

    4

    漁船のPI保険等加入状況

    2条約対象外

    2条約対象外

    2条約対象外

    4

    2

    328

    110

    有効回答数

    保険加入隻数

    責任限度額を

    満たす隻数

    190

    1200

    100

    300

    500

    700

    1700

    20

    190

    1200

    100

    300

    500

    700

    1700

    20

    3(75%)

    2(100%)

    203(62%)

    73(66%)190

    1200

    100

    300

    500

    700

    1700

    20

    190

    1200

    100

    300

    500

    700

    1700

    20

    2(100%)

    203(100%)

    73(100%)

    2(100%)

    189(93%)

    68(93%)

    2条約対象外

    不明:9金額未満:5

    不明:4金額未満:1

    281隻から回答(有効回答率63%)をいただき、PI保険の加入隻数は281隻(加入率100%)。PI保険加入船舶のうち、責任限度額に満たない保険金額の隻数は6隻(13隻については保険金額不明)。

    PI保険加入適用対象隻数

    有効回答数 保険加入隻数 責任限度額を満たす隻数

    3(100%) 3(100%)

  • Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

    ※本資料における関連条約の和訳等に係る記載は、国交省限りの暫定案であり、外務省の確認が済んだものではありません。

    バンカー条約及び難破物除去ナイロビ条約の論点と対応

    資料2-4

  • 難破物除去ナイロビ条約適用範囲の拡大(オプトイン)

    締約国は、条約の適用範囲を自国の排他的経済水域から領域(領海含む)にも拡大することができる

    我が国において近年発生している難破した船舶の残骸放置は、いずれも領域内であり、オプトインにより、これらの船舶についても保険者への直接請求が可能となる。

    1

    (参考)オプトイン状況 ※赤字下線がオプトインを行った国等(41か国中19か国)

    アルバニア、コモロ、フィンランド、リベリア、ニウエ、南アフリカ、アンティグア・バーブーダ、コンゴ(共)、フランス、マレーシア、パラオ、スウェーデン、バハマ、クック諸島、ドイツ、マルタ、パナマ、スイス、ベルギー、クロアチア、インド、マーシャル諸島、ポルトガル、トンガ、ベリーズ、キプロス、イラン、モロッコ、ルーマニア、ツバル、ブルガリア、北朝鮮、ヨルダン、オランダ、セントクリストファー・ネーヴィス、イギリス、中国、デンマーク、ケニア、ナイジェリア、シンガポール

    条約上の規定 オプトインにより領域にも適用される規定(要精査)

    第5条 難破物についての報告 全て

    第6条 危険の決定(考慮事項) 全て

    第7条 難破物の位置の特定 全て

    第8条 難破物に係る標識の設置 全て

    第9条 難破物の除去を容易にするための措置

    船舶所有者の除去義務、保険証明書提出義務、(海難)救助者との契約権、除去期限通知義務等一部のみ適用

    第10、11条 所有者の責任、責任の例外

    難破物の位置特定(第7条)、標識設置(第8条)、難破物の除去(第9条)に係るもののみ適用

    第12条 強制保険その他の金銭

    上の保証(保険加入義務、保険者への直接請求等)

    難破物の位置特定(第7条)、標識設置(第8条)、難破物の除去(第9条)に係るもののみ適用

    第13条 期間制限(訴訟) 全て

    EEZ

    領海

    陸地

    EEZ

    領海

    陸地

    オプトイン