Solutions Column

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モバイル端末による革新的なリモートデスクトップ接続とコンテンツアクセスを実現する「Wyse PocketCloud」

仮想デスクトップ、シンクライアント、BYOD、クラウドなどのソリューションにより、新たな企業内コンピューティング改革が起こっている。一方、個人のスマートフォン、タブレットの利用の拡大は、それ以上のスピードで従来型の企業／個人利用のコンピューティングへ変革をもたらしている。「Wyse PocketCloud」は、企業や個人の枠を超え、クラウド時代の新たなリモートデスクトップ接続とコンテンツアクセスソフトウェアとして、幅広いユーザに支持されている。

ワイズテクノロジー株式会社　日本法人代表　松浦 淳

多様化するデバイスへの対応

　セキュリティ、管理・運用コスト、パフォーマンス、BCP対策などの従来

型企業内コンピューティングの課題は、仮想デスクトップやシンクライアン

トなどのソリューション導入により大幅に改善される。ワイズテクノロジー

の「クラウド・クライアント・コンピューティング」は、このような新たな企業

内コンピューティングのあり方を提唱している。

　近年、この新たなソリューションが大手企業、公官庁、自治体などに向

け、数千～数万の単位で導入が進むにつれて、その大きな効果が実証さ

れており、今後こういった流れは加速していくことが予測されている。

　企業の従来型PCソリューションから新たな「クラウド・クライアント・コ

ンピューティング」へのアーキテクチャ移行が進む中、ここ数年で爆発的

に普及が広がっているスマートフォンやタブレットの利用も、企業内コン

ピューティングに新しい流れをもたらしている。スマートフォンやタブレッ

トは、タッチパネルや携帯性に優れたモバイル利用などの新たな利用

シーンでの活用が期待されている。

　ただし、スマートフォンやタブレットは個人利用の端末として大きく進ん

でいるため、企業での利用を考えた場合にはセキュリティ、管理・運用コス

トなどの課題が大きく残っている。これらの課題は従来型PCソリューショ

ンで問題となっている課題と非常に似ており、ワイズテクノロジーでは長

年培ったテクノロジーと斬新なアイデアにより、そうした課題を解決するソ

リューションを提供している。それが「Wyse PocketCloud」である。

　Wyse PocketCloudは、単にこれまでのシンクライアント製品のよ

うな企業内コンピューティングの解決のみを想定されて開発されたソフト

ウェアではない。今後想定される「コンシューマライゼーション」（企業と

個人のコンピューティング利用が融合されていく世界）までを考慮し、企

業利用でも、個人利用でも、セキュリティ、管理性、パフォーマンスを維

持しつつ利用することが可能だ。

あらゆるモバイルシーンでの利用

　Wyse PocketCloudは、企業や個人を問わずあらゆるシーンでの利

用を想定しており、スマートフォンやタブレットといったさまざまなデバイ

スから、自宅や会社のコンピュータに対して、自由にアクセスすることを

可能としている。

　Wyse PocketCloudは、「Wyse PocketCloud Remote Desktop」、

「Wyse PocketCloud Explore」、「Wyse PocketCloud Web」の

三つの製品ファミリから構成されている。

　Wyse PocketCloud Remote Desktopは、自宅や会社のコン

ピュータにリモートでアクセスすることで、自分のWindowsマシンをス

マートフォンやタブレットから遠隔操作し、必要なアプリケーションやデー

タを操作することができる（図1）。

　Wyse PocketCloud Exploreは、自宅や会社のコンピュータ上、ま

たはWyseが提供するクラウドストレージに配置しているコンテンツ（デー

簡単にWindows/Macのリモート接続が可能に！

パブリッククラウド（DaaSなど）

仮想デスクトップ、リモートデスクトップサービス環境

会社のパソコン

自宅のパソコン

インターネット

図1　Wyse PocketCloud Remote Desktopの概念図

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タ）を、直接リモート操作（検索、閲覧、移動、コピーなど）することを可能

とする。複数のPC上に分散配置されているデータでも一台のモバイル

デバイスから一括検索できるため、分散しているコンピュータから自分独

自のプライベートクラウドを構築可能だ。また、Wyse PocketCloud

Webは、PocketCloud ExploreのWeb版となり、各種コンピュータ

上のさまざまなWebブラウザから、他のPCやクラウド上のデータを直

接操作することができる（図2）。

　このようにWyse PocketCloud Familyを利用することで、企業・個

人を問わず、用途や目的に応じて、モバイルデバイスからリモートデスク

トップでのアプリケーションやデータ操作、もしくは、直接必要なコンテン

ツだけを閲覧するなどの操作を行うことが可能となる。

個人、企業、サービスプロバイダまで

　2009年8月から提供が開始され、全世界で累計約500万ダウンロード

（2013年5月現在）を誇るリモートデスクトップ接続ソフトウェア「Wyse

PocketCloud Remote Desktop」は、App Store、Google Play

上のビジネスアプリケーションとして、常に上位に位置している。その中

でも、日本市場でのダウンロード数は世界的にみても非常に高いことか

ら、市場の注目度が伺える。

　PocketCloud Remote Desktopは、個人でも手軽に利用可能な

無償版から、セキュリティや高機能を必要とする企業向けのPro版／

Premium版までを用意している。また、各利用シーンに応じたリモート

デスクトップ接続方式を用意している（表1）。

　例えば、「自動検出機能」を利用することで、個人利用での自宅PCへ

の簡単な接続を提供することが可能である。一方、「URLスキーム」は、

PocketCloud Remote Desktopを使ったリモート接続サービスを

提供するサービスプロバイダが、接続形式をカスタマイズできる機能を

提供している。

　このようにパーソナルなコンシューマ利用から、大規模な企業での利用

までを一括クラウドサービスにより連携することが可能なサービスである

Wyse PocketCloud。単純なリモートデスクトップ機能を提供するだけ

にとどまらず、ユーザの利用シーンを問わずに使用できる注目のアプリ

ケーションである。

スマートフォンからリモートファイル操作

さまざまなWebブラウザからリモートファイル操作

クラウドストレージ（Wyse）

パソコンNo.2

パソコンNo.1

自宅のパソコン

インターネット

コンテンツ閲覧、検索、移動、コピー

PocketCloud接続設定 接続プロトコル（方式） 利用タイプや環境 概要

自動検出（Auto Discovery） RDP/VNC コンシューマ、企業向け Googleアカウント（サービス）を利用することで、中間ネットワークの設定を利用することなく非常に

簡単にコンピュータへのリモート接続を可能にする。

手動接続 RDP/VNC LAN環境、企業向け 接続先の IPアドレス /ホスト名、利用プロトコル（RDP/VNC等）を手動で設定して利用する方式。 リモート接続の仕組み/技術を理解している方向けの接続設定。

URLスキーム RDP/VNC 企業、サービスプロバイダ向けiOS/AndroidのWebブラウザ経由で、接続設定ファイル（.RDPファイル）などのリモート接続ファイルを取得して目的のコンピュータに接続する高度な接続設定。PocketCloudを利用したサービスを提供したい場合に最適。

VMware View RDP 企業、サービスプロバイダ向け VMware View仮想デスクトップ環境を利用している企業向けの接続設定。

Windows RDS RDP 企業、サービスプロバイダ向け Windows Server 2008リモートデスクトップサービスや、Windows Server 2003ターミナルサービスを利用している企業向けの接続設定。

図2　Wyse PocketCloud Explore、Wyse PocketCloud Webの利用イメージ

表1　Wyse PocketCloud Remote Desktopの接続方式