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情報リテラシ第二 最終回 http://www.e.gsic.titech.ac.jp/~ykuno/index.html テーマ3: 口頭発表用スライド資料の作成と プレゼンテーション実施

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Page 1: 情報リテラシ第二 最終回ykuno/slidepresen.pdf発表スライドの内容決め、デザイン、作成 •スライドを使うからと言ってまだ、すぐにPowerPoint

情報リテラシ第二最終回

http://www.e.gsic.titech.ac.jp/~ykuno/index.html

テーマ3:

口頭発表用スライド資料の作成と

プレゼンテーション実施

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(参考)プレゼンスライド作成

とプレゼンの実施

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レポートが完成し、内容ができた!次は、自分の成果をどう見せ、伝えるか?

具体的に発表を作っていく作業* 口頭発表の構成、ストーリー・シナリオ作り* 口頭発表で使うスライド作成

スライドの内容からデザインまで* スライドを使っての発表リハーサル

Page 4: 情報リテラシ第二 最終回ykuno/slidepresen.pdf発表スライドの内容決め、デザイン、作成 •スライドを使うからと言ってまだ、すぐにPowerPoint

参考のページ

ガー・レイノルズ先生のページ

「プレゼンのヒント」

http://www.garrreynolds.com/preso-tips-jp/

PREPARE、DESIGN、DELIVER、参考にしましょう

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(1) 発表が決まったら行う準備、

その時の注意事項

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発表のストーリー・シナリオ検討

• 発表をするからと言って、いきなりPowerPointを使ってスライドを作ってはいけない。

• 発表のストーリー作り、そのシナリオを練る段階が大事。ひとつの作品を作り上げるつもりで、ストーリーボードを作成しよう。

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発表スライドの内容決め、デザイン、作成

• スライドを使うからと言ってまだ、すぐにPowerPoint

を使ってスライドを作ってはいけない。

• ストーリーを効果的に伝えるため、具体的にどんなスライドが必要か。1枚1枚のスライドの内容。

• スライドのデザインをどうするか。

• まず絵コンテを書くのがお勧め。

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口頭発表の練習、そして改善

• いきなり本番発表をしてはいけない。

• 必ず時間を計って実際にしゃべってみる。他人に聴いてもらいリハーサルをして、聴き手の意見を聞けるのが理想。

• 練習しながら、発表内容やスライドに修正をする。

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紹介ガー・レイノルズ先生の

Presentation Zenアプローチによるプレゼン作成

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プレゼンテーションは、

(A) 準備

(B) デザイン

(C) 実施

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(A) 準備段階

準備は、コンピュータを離れて行う

いきなりパワポでは、ろくなものはできない

メモ用紙やホワイトボードを使ってアナログに

●自制心を持ってプレゼンの核を特定する●無駄のそぎ落としができるかが勝負●ストーリーを作り上げる

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基本は紙とペン

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書くことは混乱した頭を整理するための作業

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ポンチ絵を描いてストーリーを作る

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細かい作業はあとまわし。まずはスライドの構造を作る。

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(B) デザイン段階

簡素(シンプル)なほど良い

自然なこと(人工的や作り過ぎはバツ×)

渋いこと(「示唆する」)

● シンプル(簡潔)であること

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(C) 実施段階

リハーサル(練習)は必ず行う!

いきなり本番はダメ

原著では

● 人によっては練習し過ぎで自然さを失わないよう注意

● 極めた人には(常に自然体で勝負できる)もう必要ない

● 自然体でできること

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実施について、その他のポイント

今に集中(自分と自分の置かれた状況)して、

聴衆との一体感・つながりを持つ、(そのためには聴衆と自分の間に壁を設けない)

やめ時が大事(制限時間は守る、か内輪に)

プレゼンテーションの使命は聴衆に貢献すること

プレゼンは一期一会の真剣勝負だ!プレゼンターは「場」を主宰する覚悟

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(2) スライド作成と発表実施

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プレゼンテーションソフトの選択一般的に使われるプレゼンソフト

PowerPoint(ノンフリー、Microsoftのプロプライエタリ)

Keynote(Appleの内臓ツール、プロプライエタリ)

フリーソフト(OpenOfficeやgoogleスライド)

スライドの作成や発表時使用には様々な選択肢

(特に専門的なアプリケーションに)スライド生成機能を持つツールが多くある。

pdfファイルで使用

Webページ(html)で使用

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今まで人前で発表したことのない人これからで大丈夫です

自分は苦手そうだからなるべく避けたいと思う人避けられません

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プレゼンソフトによるスライド作成

目的: 口頭発表時の補助に用いる、視覚に訴える資料をスライドの形で作る

スライドは、いくつかのパターンが用意されているのを使う

白紙のスライド、もあるがパターンのスライドを使うことで、簡単なスライド作りで質の高い発表を導く狙い

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スライド作りの流れ(1)スライド入力:

・各種スライドの使い方 = さまざまな要素(絵図、表、グラフなど)を含んだスライドを作れる

(2)スライド編集:

・各スライドの内容修正等

・スライド単位の編集(スライドの並び順の変更等)

・スライドに装飾や効果をつける

(3)スライドショーの実行:

リハーサルを繰り返しながら、スライドを完成する

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スライド単位の編集発表の流れ全体を見渡すには、「表示」メニューの「スライド一覧」

「標準」の表示画面の左、スライドのテキスト表示を編集しても良い

各スライドにはノート(メモ)も付加できる。スライドを作成した時の覚え書、あるいは発表者ツールを使うとメモを見ながら発表できる。

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発表の目的誰に向かって話すか

紹介型プレゼン

報告型プレゼン

実験や観察の結果、さらにその分析や考察を伝える

説得型プレゼン

コンペ、宣伝、売り込みなど、相手に何かを決定させるため

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発表の構成

左脳に作用?: 聴衆が聞いていて分かりやすい話の展開構成

-- PREP法(Point結論→Reason理由→Example

具体例→Point再度結論)などの発表構造

右脳に作用?: 💛に伝わる

-- 起承転結、序破急といったリズムや

ストーリー性が大事!

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スライド作成の具体的な注意点1枚目は「表紙のスライド」、タイトルと発表者は重要(売り込む)、発表前からなるべく長く投影

発表の「目次スライド」(長めの発表の時は必要)

各スライドにふさわしいタイトルを付ける、いつ見ても現在のテーマが分かる

1枚のスライドで伝える事柄はひとつ

長文(しゃべる文章等)をそのまま載せるは絶対ダメ×箇条書きを使って、視覚に訴える(話を聞く補助として有効なように)

文字や背景の、色やデザインも重要。読みやすさ、話の構成や進行、雰囲気、個性、印象

最後は必ず「まとめのスライド」、印象を残す

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1枚のスライド

伝えることは、ひとつ

最大7行まで

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スライドの文字

スライドは文章をタラタラ書くものではないので、文字は大きいものを使用

タイトルは最低〇ポイント以上

箇条書きは最低〇ポイント以上

字体も日本語文字は全角ゴシック、アルファベットはサンセリフ体など目立つもの

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スライドのレイアウト、装飾等

「デザイン」メニュー

スライドに「デザインテンプレート」適用

配色(背景と文字の色合い)に注意

本音:初心者でセンスのない人はあまりいじらない方がいい。

(標準の配色の方が良い)

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アニメーションスライド上の各要素に動きを付けることができる

スライドショー実行時は、(マウスやキーを押すことで)動きをひとつづつ進めることができる

たくさん動きを付けると、スライドを進めるのに時間が掛かる → 時間が足らないとき困る

動きをうまく使いながら発表するには、相当の練習が必要

不要な動きは話の邪魔になったり、スライドを見にくくする

効果的な動きだけを付けるようにしよう!

本音:初心者は使わなくていい

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スライドショー

作成したプレゼンテーションはスライドショーで「実行」するのが本来の使い道。

スライドショー実行中のスライド制御は、画面左下に隠れているメニューを用いる。「スライドを戻す」などの制御ができる。

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その他のコツ

具体例、たとえ話、体験談を挙げる

ユーモア

聴衆との対話、質疑応答

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発表本番へ向けて発表会場の事前チェック(ファイルの持ち込み方法、使用可能な機材、会場の大きさ・配置など)

入念なリハーサル リハーサルは必ず行う

スライドを使って実際にしゃべる。スライドの調整、制限時間の確認。

本番ではすべてが見られる

声の大きさ、しゃべる速さや息つぎ、立ち位置や立ち方、機材・小道具の使用、アイコンタクト、動作、語りかけ、質疑応答、ユーモアやジョーク

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スライド資料の印刷作成したスライドをプリンタで印刷することもできる。

実際に紙に印刷する前に、印刷のプレビュー画面で印刷の具合を十分確認すること。A4の紙一枚にスライド一枚ではなく、複数枚のスライドを印刷することができる。

印刷物の資料とすることを重視してスライドを作るあまり、プレゼン用のスライドとしては不適切なものにならないように注意しよう。

持ち帰って後で見てもらうための別の資料を印刷物として用意することも検討しよう。

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.pptxファイルの利用

スライド資料を.pptxファイルで渡すと、簡単に

流用されるおそれがある。スライドのファイルを人に渡すときは、.pdfファイルで。

電子文書共有には.pdfファイルが良い。

.pdfファイルにして、リンクタグでweb上に置くことも可能。検索対象にもなる。

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発表の中身(内容自体や発表の構成がしっかりしていることなど)がもちろん一番大事であるが、プレゼンソフトの使いこなしで、発表の優劣に差がつくこともある。

良い発表者になるには、発表技法について学んだり、プレゼンソフトを習得する努力も大いに必要。

発表の機会をなるべく多く得て、精進するのが「良い発表者への一番の近道」。人の発表から学ぶことも多いので、人の発表を良く見聴きするのも大事。

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さっそく努力する人へお薦めの参考書

初心者のうちは、

TED風のプレゼンテーションの達人の真似は安易にすべきでない。

書籍名研究発表のためのスライドデザイン: 「わかりやすいスライド」作りのルール

著者 宮野公樹

出版社 講談社, 2013(ブルーバックス)

ISBN 4062578131, 9784062578134

ページ数

169 ページ

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(3) 上級編スライド作成と発表実施

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お薦めの参考書以下のスライドで紹介するネタ本です.

1. ガー・レイノルズ,プレゼンテーションZen

ビジネスプレゼンテーション向けに書かれた本だが,学ぶべき点は多いです.2008年の世界的なベストセラー.イベントでビシッときめたい人向け

http://www.garrreynolds.com/preso-tips-jp/

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序文がプレゼンスライド

PresentationZenの序文by G. Kawasaki

「PresentationZen」リンクをクリックすると、Slideshareサイトにある、Kawasaki氏がこの本の序文に寄せたスライドが見られます。

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序文のスライド

この本の序文として伝えるべきことを

的確に

簡潔に

極めて印象的に

伝え切っている

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Presentation Zenは、

方法論(method)ではありません。---そういう本は山ほどあるが、、、

「アプローチ」です。今のあなたのプレゼンテーションの「改善」のために。← 初心者の段階の次に進もうとする人のためのヒント

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まず最初に、アプローチの修正

「詰め込んで伝える」にサヨウナラ

「視覚的」、「興味を引く」という方向に

(大前提)

スライドと文書は違うもの

必要なら配布資料は別に用意

スライドは、その場の発表のためだけに!

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(B)デザイン段階、に戻って

簡素(シンプル)なほど良い

自然なこと(人工的や作り過ぎはバツ×)

渋いこと(「示唆する」)

● シンプル(簡潔)であること

Page 48: 情報リテラシ第二 最終回ykuno/slidepresen.pdf発表スライドの内容決め、デザイン、作成 •スライドを使うからと言ってまだ、すぐにPowerPoint

(B)デザイン段階について、7つの心掛けるべきことを少しだけ原著より紹介

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1、 シグナル(メッセージ)とノイズ(邪魔)の比---箇条書きを読まされるのもノイズ?

2、 画像の優位効果---箇条書きも画像化できるか検討

3、 空白 : 空白からバランスが生まれる

スライドデザインのテクニック ビッグ44、 コントラスト 違う色や形でせいぜい1、2個を目立たせる5、 繰り返し 統一感を持たせるため6、 配置 「配置」(揃える、など)が示唆するもの7、 近接性 関連性のあるものを近くに、関係のないものは離す

スライドに文章は書くな、箇条書きにしろ、って言ったじゃないか?達人は、箇条書きも避けるの?

デザインについての7つのポイント

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(1)Signal/Noise 比

シグナル=メッセージノイズ=邪魔 ←除去すべし

Noise趣旨の理解に無用な要素

Signal趣旨の理解に有益な要素

スライドに本当に必要なものだけを残す、という事です。一例として、グラフ画像の余計な装飾が、グラフの意味を見えにくくすることがあります。特に一見カッコよさげな3次元グラフを使う、というのは絶対やってはいけません。3次元グラフは歪みが出るため、余計な意図が含まれる時(多くの場合情報操作を企む)以外は使うべきではありません。

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2-D or not2-D

0 50 100 150 200 250

2007

2008

2009

2010

0 50 100 150 200

2007

2008

2009

2010

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(2)画像の優位効果

画像情報は文字よりも訴える、残る

箇条書きを読まされるのもノイズ?---箇条書きも各項目、画像化できるか検討せよ

Noise趣旨の理解に無用な要素

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(2-1)図を用いて主張する

・・・ ためには、

一目見て分かるように整理したり、主張することを分かりやすく反映させる。

成功すると、言葉で伝えるより印象的。

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生のデータを見せてもダメ整理して、ポイントを伝える

データは一部抜き書きここがここの10倍、というような注目ポイントをはっきり

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(2-2)絵の効果・文字の効果

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ノイズだらけ!

しゃべる事柄を書いてしまった例!

印象的な画像を見せながら話を耳で聞いてもらう

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地球は青かったガガーリン

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(2-3)抽象概念は写真で

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エコ チャンス

気合

科学と人間性の調和

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(3)空白

空白からバランスが生まれる余白→高品質、洗練、拡張高い雰囲気

Noise趣旨の理解に無用な要素

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ありふれた左右対称なデザイン非対称なデザイン空白の効果

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スライドデザインのテクニック ビッグ4

4、コントラスト

違う色や形でせいぜい1、2個を目立たせる

5、繰り返し

統一感を持たせるため

6、配置

「配置」(揃える、など)が示唆するもの

7、近接性

関連性のあるものを近くに、関係のないものは離す

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(4)コントラスト

違いで魅せる: 違う色や形でせいぜい1、2個を目立たせる

コントラストはどこから?

字体を変える色を変える違いを際だたせる!

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左側:コントラストの失敗例

右側:コントラスト修正、目立たせたいものをはっきりさせる

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(5)繰り返し

同じデザインを繰り返し使うこと--- スタイル統一

--- ブランド構築(ブランディング)

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細かい作業はあとまわし。まずはスライドの構造を作る。

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(6)配置(7)近接性

ものの配置には理由がある

なぜ揃えてあるのか?

配置とグループ化(関連性のあるものを近くに、関係のないものは離す)

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揃えるデザインの例:表紙のデザイン

要素にデザイン上の優先順位がない

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左右対称のデザイン

関連する要素を「近接」配置

「コントラスト」あり

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右揃えによる「見えない線」の効果 →面白い

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活字や色を調整

(強いコントラスト、赤い色の効果)

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補足色の表現やデザイン

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光と色の原理光は電磁波。電波よりずっと周波数が高い

電波→赤外線→可視光線→紫外線→X線

周波数によって色が変わる(虹の七色。赤→。。。→紫)

人間の目(網膜)には3種類の周波数を感じる受容体がある(赤、緑、青)

この3種類が感じる強さの比率に応じてさまざまな色が感じられる

この受容体は光がある程度強くないと働かない。

明るさだけ感じる受容体は光が弱くても働く→暗いと色が分からない

3種類の色(RGB、赤緑青)を混ぜ合わせることでさまざまな色が作り出せる

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JISの色相環 色の種類

• 色を連続的に環状につなげて表現することが多い

→色相環

• 暖色系、寒色系という分類(感じ方の違いによる)

• 補色という関係(色相環の反対側)

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HSBカラー表現と色立体色には「色相(Hue)」「彩度(Saturation)」「明度(Brightness)」という3次元がある

HSBカラー表現:この3つの次元を指定する方法

色相:色合い、彩度:鮮やかさ(純粋さ)、明度:明るさ

彩度が0だとさまざまな色の灰色

この3つの次元をあらわしたもの→色立体(可能な範囲が色により違う)

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RGBによるカラー表現

上で説明したように、RGBを混ぜ合わせることで任意の色が表

現可能。この色に透過率(アルファ値)を指定できるようになっている。

コンピュータではRGBそれぞれの明るさを0~255で表現することが多い。これを24ビットカラーと呼ぶ(0~255→8ビットで表せる、それが3色ぶん)

RGBで指定した色に、透過率/アルファ値(薄い、濃い)を指定できるようになっていることが多い。薄いと下のものが透ける。

一覧

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CMYKによるカラー表現

カラー印刷用の色指定

シアン、マゼンタ、イエローの配合ですべての色を表現。配合で鮮やかな黒を作るのは難しいので、黒を加えてCMYK。

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背景色と文字に関する考慮点①

•Webページやスライド作成の場合、「ちゃんと読める」ことが大切

- 例: 先のページで「文字の色」と「背景の色」を近い色にすると読めない

原則1: 赤と緑の区別に頼ってはいけない

- 遺伝子的に赤と緑の区別がつけられないという人が一定割合存在

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考慮点②

•原則2: 背景と文字の色が補色の関係にならないようにする

- 補色は残像として残るのでちらちらして不愉快

青紫(30,0,80)と黄(255,255,0)、

オレンジ(255,100,0)と青、赤と緑

•原則3: 背景と文字の色に「明度の差」があると読みやすい

- 暗い背景に明るい文字か、その逆かはデザインによる

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考慮点③

•その先は配色とかセンスの問題 - どぎつい色は下品など

•配色に関する知識デザイン系の知識だが基本は知っておくとよい✓ 寒色系と暖色系がある✓ 赤や黄色→興奮、淡い色→鎮静✓ 淡い暖色→かわいらしい/軽い✓ 暗い寒色→重い、伝統、高級

etc.

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(参考)テーマ2の実習

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教材のダウンロード:各自挑戦してみよう

• https://titechcomp.github.io/y20-il2j/theme2.html の「こちらからダウンロード」

• ダウンロードフォルダのtheme2-writingフォルダを(ドキュメントフォルダとか)自分の決めた場所に移して作業しよう。

• pater.texをtexShopエディタで表示。タイプセットして出てくる現在のpaper.pdfを見てみよう。

•model.pdf(完成論文)を見てみよう。model.pdfはプリンタで印刷して手元に持っておくと良い。

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実習の目標• paper.texの設問箇所など未完成部分を書き足して、model.pdfを完成することが目標。hints.pdfは未完成部分が赤字になっており、完成させるためのヒントが載っている。

• hints.pdfの旗印の解説を読みながら行うこと。今回の実習に必要なTeXの知識解説のページ。

https://titechcomp.github.io/y20-il2j/latex/

•(設問になっていない)きちんと書けている箇所(のpaper.texの部分)を観察するのが大事。観察して真似れば、必ずできるようになっている!特に数式の記述部分。

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発表スライドの数式について

• TeXでレポートや論文を書いて、スライド作成をしての発表はPowerPointで行う場合。

•数式は、pdfファイルから切り取ってコピーすれば良いです。スライドでPowerPointの挿入メニューでその場で書き直す必要はありません。

•たとえば、model.pdf中の数式部分をスライドに張り込むと次のようなスライドがすぐできます。

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従来の手法

説明など

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新提案の手法

説明など

新提案手法のアイディアの要は、、、、、

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スライドの画像資料について

•レポートや論文は、カラー印刷をしないのでモノクロを前提に資料を作成する場合がある、という解説がありました。棒グラフの網掛けの工夫などのノウハウがあります。

•一方、そういうレポートや論文の成果を口頭発表する機会があった場合は、聴き手に伝わりやすいよう資料画像を作り直す工夫をしても良いかもしれません。

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主張したいことは図で訴えると印象的