情報モラル教育の内容...

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◆情報モラル教育の内容 ~情報モラル指導モデルカリキュラムより 分類 大目標項目 問題の内容 情報機器の 種類 情報機器活 用の目的 道徳の内容 1情報社会の 倫理 a 発信する情報や 情報社会での行動に 責任を持つ 匿名で書き込むことのできる掲示 板に、嫌いなクラスメイトについて 嘘の内容を書き込んだら、クラスで のその子に対するいじめに発展し てしまった。 ネット機器 一般 情報発信 コミュニケ ーション ()相手のことを思いやり、進んで親切にする。 ()友達と互いに理解し、信頼し、助け合う。 ()生命がかけがえのないものであると知り、自 他の生命を尊重する。 b 情報に関する自 分や他者の権利を尊 重する ネットで見つけた絵を、自分が描い たと言って SNS にアップしたら、 嘘がばれて攻撃されてしまった。 ネット機器 一般 情報発信 ()自由を大切にし、自律的で責任のある行動を する。 ()約束や社会のきまりを守り、公徳心をもつ。 2. 法の理解と 遵守 c 情報社会でのル ール・マナーを遵守 できる ネットオークションで、公式サイト を介さず相手と直接やりとりをし てお金を振り込んだら、商品が届か ず相手とも音信不通になってしま った。 ネット機器 一般 コミュニケ ーション ( ) 日々の生活が人々の支え合いや助け合いで 成り立っていることに感謝し、それにこたえる。 ()働くことの意義を理解し、社会に奉仕する喜 びを知って公共のために役に立つことをする。 3. 安全への知 d 情報社会の危険 から身を守るととも に、不適切な情報に 対応できる SNS で仲良くなった女性と、現実で 会うことにしたら、相手は男性で、 犯罪に巻き込まれそうになってし まった。 ネット機器 一般 コミュニケ ーション ( ) うそをついたりごまかしをしたりしない で、素直に伸び伸びと生活をする。 ()時と場をわきまえて、礼儀正しく真心をもっ て接する。 e 情報を正しく安 全に利用することに 努める SNS に自分のメールアドレスを書 き込んだら、迷惑メールが大量に届 くようになってしまった。 ネット機器 一般 情報発信 ()公徳心をもって法やきまりを守り、自他の権 利を大切にし進んで義務を果たす。

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Page 1: 情報モラル教育の内容 ~情報モラル指導モデルカリキュラムよりedu.okayama-u.ac.jp/~gijutu/kasai/moral/casesALL.pdf · sns などにおいて、無断で写真をアップロードすることによる著作権の侵害

◆情報モラル教育の内容 ~情報モラル指導モデルカリキュラムより 分類 大目標項目 問題の内容 情報機器の

種類 情報機器活

用の目的 道徳の内容

1. 情報社会の

倫理

a 発信する情報や

情報社会での行動に

責任を持つ

匿名で書き込むことのできる掲示

板に、嫌いなクラスメイトについて

嘘の内容を書き込んだら、クラスで

のその子に対するいじめに発展し

てしまった。

ネット機器

一般 情報発信 コミュニケ

ーション

2(2)相手のことを思いやり、進んで親切にする。 2(3)友達と互いに理解し、信頼し、助け合う。 3(1)生命がかけがえのないものであると知り、自

他の生命を尊重する。

b 情報に関する自

分や他者の権利を尊

重する

ネットで見つけた絵を、自分が描い

たと言って SNS にアップしたら、

嘘がばれて攻撃されてしまった。

ネット機器

一般 情報発信 1(3)自由を大切にし、自律的で責任のある行動を

する。 4(1)約束や社会のきまりを守り、公徳心をもつ。

2. 法の理解と

遵守

c 情報社会でのル

ール・マナーを遵守

できる

ネットオークションで、公式サイト

を介さず相手と直接やりとりをし

てお金を振り込んだら、商品が届か

ず相手とも音信不通になってしま

った。

ネット機器

一般 コミュニケ

ーション 2(4)日々の生活が人々の支え合いや助け合いで

成り立っていることに感謝し、それにこたえる。 4(2)働くことの意義を理解し、社会に奉仕する喜

びを知って公共のために役に立つことをする。

3. 安全への知

d 情報社会の危険

から身を守るととも

に、不適切な情報に

対応できる

SNS で仲良くなった女性と、現実で

会うことにしたら、相手は男性で、

犯罪に巻き込まれそうになってし

まった。

ネット機器

一般 コミュニケ

ーション 1(4) うそをついたりごまかしをしたりしない

で、素直に伸び伸びと生活をする。 2(1)時と場をわきまえて、礼儀正しく真心をもっ

て接する。 e 情報を正しく安

全に利用することに

努める

SNS に自分のメールアドレスを書

き込んだら、迷惑メールが大量に届

くようになってしまった。

ネット機器

一般 情報発信 4(1)公徳心をもって法やきまりを守り、自他の権

利を大切にし進んで義務を果たす。

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f 安全や健康を害

するような行動を抑

制できる

親に隠れて夜中までスマートフォ

ンを触っていたら、昼夜が逆転して

しまい、不登校になってしまった。

携帯等特有 情報収集 コミュニケ

ーション

1(1)生活習慣の大切さを知り、自分の生活を見直

し、節度を守り節制に心掛ける。

4. 情報セキュ

リティ

g 生活の中で必要

となる情報セキュリ

ティの基本を知る

すべてのサイトのパスワードを簡

単なもので統一していたら、パスワ

ードがばれてしまい、すべてのサイ

トの設定を何者かに変更されてし

まった。

ネット機器

一般 情報収集 1(1)健康や安全に気を付けて、物や金銭を大切に

し、身の回りを整え、わがままをしないで、規則

正しい生活をする。 4(1)公徳心をもって法やきまりを守り、自他の権

利を大切にし進んで義務を果たす。 h 情報セキュリテ

ィの確保のために、

対策・対応がとれる

ネット上で見つけたソフトをダウ

ンロードしたらウイルスに感染し

てしまい、PC のデータが消えてし

まった。

ネット機器

一般 情報収集 1(5)真理を大切にし、進んで新しいものを求め、

工夫して生活をよりよくする。

5. 公共的なネ

ットワーク

社会の構築

i 情報社会の一員

として、公共的な意

識を持つ

認められていないツールからオン

ラインゲームにアクセスして、サー

バをダウンさせてしまった。

ネット機器

一般 コミュニケ

ーション 2(2)だれに対しても思いやりの心をもち、相手の

立場に立って親切にする。 4(1)約束やきまりを守り、みんなが使うものを大

切にする。

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・人気漫画を youtube に無断でアップロードし逮捕された中学生 a ■ネット機器一般 ■情報発信 ■「集団や社会とのかかわりに関すること」にあたり「決まりを守る」という点から小学

校低学年から指導が可能といえなくもないと思ったが、この行為は違法行為なので「法」

という言葉が「道徳の内容」にでてくる小学校高学年から指導するのが妥当といえる。 ・ブログなどでクラスメイトの誹謗中傷をかきこみ、そこからいじめいつながった b ■ネット機器一般 ■情報発信 ■「他の人とのかかわりに関すること」にあたり「相手のことを思いやる」や「友達と互

いに理解し」というような文言がある小学校中学年からの指導が可能といえる。 ・大学入試中に問題を Q&A サイトに投稿し解答を得ていた c ■ネット機器一般 ■情報収集 ■「集団や社旗とのかかわり」にあたり「約束や決まりを守る」という点では小学校低学

年から指導し続ける内容である。 ・ワンクリック詐欺に引っかかる d ■ネット機器一般 ■情報収集 ■「自分自身に関すること」にあたり「自分の特徴を知り悪いところは改善する」という

ことが書いてある小学校高学年からの指導ができるといえる。 ・中学 2 年生が教師のパソコンにアクセスし、220 人分の成績、住所録などのデータを取り

込み自分のホームページに掲載 e ■ネット機器一般 ■情報発信 ■「集団や社会とのかかわりに関すること」にあたり「公徳心をもって法やきまりを守り、

自他の権利を大切にし進んで義務を果たす」とあることから小学校高学年から指導が可能

といえる。 ・ネットゲームにはまった男子が 86 時間続けた結果死亡 f ■ネット機器一般

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■なし ■「自分自身に関すること」にあたる。健康に気をつけるということは小学校低学年から

「道徳の内容」に盛り込まれていて、小学校高学年では「生活習慣の大切さをしり、自分

の生活を見直し」という言葉になり中学校では「望ましい生活習慣を身につけ」となって

いる。このことから基本的にどの年代においても健康について考えることは必要であるこ

とがわかる。「望ましい生活習慣」とは何か具体的に提示するなどの工夫が必要であるとい

える。 ・2014 年 7 月ある教育関係企業の顧客の個人情報が漏洩。情報セキュリティは決して万全

ではない。 h ■ネット機器一般 ■情報収集、情報発信 ■なし ・電車内の乗客を勝手に撮影し、SNS に投稿 i ■ネット機器一般 ■情報発信 ■「他の人とのかかわりに関すること」にあたり「礼儀の大切さを知り、誰に対しても真

心を持って接する。」や「相手のことを思いやり、進んで親切にする」とある小学校中学年

から指導が可能であるといえる。 まとめ やはりやってはいけないことといいことの分別がついてないことがこのような事件につな

がっているといえる。情報モラルの学習が足りていないと思った。 まとめ2 高校生や大学生がおこした事件などでも、道徳の内容からすればほとんど小学校の段階で

学習する内容であることがわかる。道徳心を養うことと情報モラルを身に付けることは密

接に関係していることがわかった。小学校の特に低学年から道徳についてしっかり学び、

人間形成していくことが情報モラルを身に付けることにもつながり、ネット環境を有効的

に利用することができるといえると感じた。

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a: 発信する情報や情報社会での行動に責任を持つ ●ネット掲示板(2chなど)においての誹謗中傷によるイジメ問題 ・ネット機器一般 ・情報発信、コミュニケーション ・小学校第5学年及び第6学年 (2)だれに対しても思いやりの心をもち、相手の立場に立って親切にする b: 情報に関する自分や他者の権利を尊重する ●チェーンメールによる個人情報の流出によって第三者に悪用される ・ネット機器一般 ・コミュニケーション ・(1)公徳心をもって法やきまりを守り、自他の権利を大切にし進んで義務を果たす ●SNS などにおいて、無断で写真をアップロードすることによる著作権の侵害 ・ネット機器一般 ・情報発信 ・小学校第5学年及び第6学年 (1)公徳心をもって法やきまりを守り、自他の権利を大切にし進んで義務を果たす c: 情報社会でのルール・マナーを遵守できる ●電子メールにおいて無関係の複数人に対してメールを送ることで、他人のメールアドレ

スを第三者に知られてしまう ・ネット機器一般 ・コミュニケーション ・小学校第5学年及び第6学年 (1) 公徳心をもって法やきまりを守り、自他の権利を大切にし進んで義務を果たす

d: 情報社会の危険から身を守るとともに、不適切な情報に対応できる ●SNS などに個人情報を書き込みすぎることで他者に個人を特定され、悪用される ・ネット機器一般 ・情報発信、コミュニケーション ・小学校第5学年及び第6学年 (2)公徳心をもって法やきまりを守り、自他の権利を大切にし進んで義務を果たす ●SNS や掲示板などで偽りの情報が流れることによる誤った情報が拡散され、混乱が生じ

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・ネット機器一般 ・情報収集 ・中学校 (3)自律の精神を重んじ、自主的に考え、誠実に実行してその結果に責任をもつ e: 情報を正しく安全に利用することに努める ●広告メールなど安易に開くことによってコンピュータウィルスに汚染される ・ネット機器一般 ・情報収集、コミュニケーション ・中学校 (3)自律の精神を重んじ、自主的に考え、誠実に実行してその結果に責任をもつ f: 安全や健康を害するような行動を抑制できる ●出会い系サイトで知り合った人と確かな情報をつかめないまま、実際にあってみた事に

よって性犯罪やお金のトラブルに巻き込まれてしまう ・ネット機器一般 ・コミュニケーション ・中学校 (3)自律の精神を重んじ、自主的に考え、誠実に実行してその結果に責任をもつ ●オンラインゲームなどでネット中毒になることで、不登校・引きこもりなどに陥ってしま

う事で、精神的にも身体的にも弱ってしまい、健康状態を損なってしまう ・ネット機器一般 ・コミュニケーション ・中学校

(1) 望ましい生活習慣を身に付け、心身の健康の増進を図り、節度を守り節制に心掛け

調和のある生活をする。

●携帯アプリゲームなどで実際のお金のやり取りを感じにくいがために課金しすぎてしま

うことによって、知らない間に多額の料金が発生してしまう ・携帯等特有 ・コミュニケーション ・小学校第 1 学年及び第 2 学年

(1)健康や安全に気を付け、物や金銭を大切にし、身の回りを整え、わがままをしない

で、規則正しい生活をする

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g: 生活の中で必要となる情報セキュリティの基本を知る ●パスワードを盗んだり,他人のコンピューターへの不正侵入等,プログラムの盲点をつい のいたずらや犯罪行為をクラッキングと言う.巷には,このクラッキング 5 方法につ いて

書かれた書籍が販売されているし,web ページからもそれに類する情報は容易に取得 でき

る.誰でもが,ほんの少しの知識でクラッキングが可能となっている.このような状 況の

中,コンピューターを使うようになった初心者が,いたずら半分で,これに手を染め るこ

とがある. ・ネット機器一般 ・情報収集、コミュニケーション ・中学校 (1) 法やきまりの意義を理解し、遵守するとともに、自他の権利を重んじ義務を確実

に果たして、社会の秩序と規律を高めるように努める

h: 情報セキュリティの確保のために、対策・対応がとれる ●サイトへの登録などによるワンクリック詐欺によって、情報を抜き取られたり、架空請求

などを押し付けられてしまう ・ネット機器一般 ・情報発信、情報収集 ・中学校 (2) 公徳心及び社会連帯の自覚を高め、よりよい社会の実現に努める

i: 情報社会の一員として、公共的な意識を持つ ●不適切な動画や画像、また他者の創作物などを無断でアップロードしてしまう ・ネット機器一般 ・情報発信 ・小学校第5学年及び第6学年 (1)公徳心をもって法やきまりを守り、自他の権利を大切にし進んで義務を果たす

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(情報モラル教育において児童・生徒が達成すべき目標) A 発信する情報や情報社会での行動に責任を持つ B 情報に関する自分や他者の権利を尊重する C 情報社会でのルール・マナーを尊重する D 情報社会の危険から身を守るとともに、不適切な情報に対応できる E 情報を正しく安全に利用することに努める F 安全や健康を害するような行動を抑制できる G 生活の中で情報セキリュティの基本を知る H 情報セキリュティの確保のために、対策・対応がとれる I 情報社会の一員として、公共的な意識を持つ (具体的な事例:達成されてない目標←目的) <ネット機器一般> ・週刊誌の人気漫画をYouTubeに無断でアップロードしていた中学生が逮捕される:B C ←情報発信 →道徳内容:公徳心をもって法やきまりを守り、自他の権利を大切にし、進んで義務を果

たす

・お笑いタレントのブログに殺人事件の犯人などと事実無根の情報の書き込みを繰り返し

ていた、ユーザー19 人が名誉毀損などで起訴される: B C ←情報発信 →道徳内容:だれに対しても思いやりの心をもち、相手の立場に立って親切にする

公徳心をもって法やきまりを守り、自他の権利を大切にし、進んで義務を果

たす

・ホテルの飲食店でアルバイトをしていた大学生が、芸能人が来店していることを Twitterにその画像とコメントを無断で投稿:AB C I ←情報発信 →道徳内容:公徳心をもって法やきまりを守り、自他の権利を大切にし、進んで義務を果

たす

だれに対しても思いやりの心をもち、相手の立場に立って親切にする 時と場をわきまえて、礼儀正しく真心をもって接する

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・Facebook から発信されるように見せかけたメールで、アカウント情報やクレジット番号

を聞きだす詐欺にあう:E ←コミュニケーション ・チャットやオンラインゲームにはまっていまい一日の大半をパソコンの前で過ごしてし

まったり、スマホを一日中かまうことで、生活・学習習慣が乱れる:F ←情報発信・コミュニケーション・情報収集 →道徳内容:生活習慣の大切さを知り、自分の生活を見直し、節度を守り節制に心がける

生命がかけがえのないものであることを知り、自他の生命を尊重する

・SNS やブログ、プロフなどに軽い気持ちで悪口など問題のある書き込みをした人が袋叩

きにされる、炎上させられる、個人情報がネット上にさらされる、暴力行為を受ける :AB C I ←情報発信 →道徳内容:公徳心をもって法やきまりを守り、自他の権利を大切にし、進んで義務を果

たす

だれに対しても思いやりの心をもち、相手の立場に立って親切にする ・不正なアプリをインストールすることでの個人情報が漏洩してしまう:D GH ←情報収集 ・不適切なサイトに安易な気持ちでアクセスしてしまい、後に架空請求を受ける:D GH ←情報収集 ・出会い系サイトや SNS、チャットなどで知り合ったひとと実際にあってしまい、脅迫さ

れる、画像を強要される、性的な被害を受ける:A DF ←情報発信・コミュニケーション ・SNS や掲示板において他人に成りすまして誹謗中傷する:B C I ←情報発信 →道徳内容:公徳心をもって法やきまりを守り、自他の権利を大切にし、進んで義務を果

たす

だれに対しても思いやりの心をもち、相手の立場に立って親切にする 時と場をわきまえて、礼儀正しく真心をもって接する

・不正な Web サイトに登録してしまい、ウイルスに感染してパソコンが動かなくなる、個

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人情報が盗まれる:DF GH ←情報発信 ・SNS やプロフに自分の写真や名前、すんでいるところなど個人を特定できる情報を掲載

してしまい、掲示板に自分の個人情報が記載されるなどの嫌がらせやストーカー被害にあ

う:DF GH I ←情報発信・コミュニケーション ・ゲームサイトやアプリ内での課金や購入により、知らないうちに金額が積み重なり、多額

の金銭を浪費してしまう:E ←該当なし ・オンラインゲームの長時間利用により日常生活に悪影響が及ぶ:F ←該当なし →道徳内容:生活習慣の大切さを知り、自分の生活を見直し、節度を守り節制に心がける

・掲示板に面白半分で殺人予告や爆破予告をしたことで予告された組織など、社会に大きな

不安や迷惑を与え、逮捕される:A C I ←情報発信 →道徳内容:公徳心をもって法やきまりを守り、自他の権利を大切にし、進んで義務を果

たす

・勝手に届いたアダルトサイト宣伝メールを見てクリックしただけで会員登録されてしま

い、入会金を請求される(ワンクリック詐欺):DE GH ←情報収集

・ネットオークションで代金を振り込んだにもかかわらず、商品が届かないというトラブル

にあう:F ←情報発信 ・YouTube などの無料動画投稿サイトで人気アニメをアップロードし、著作権を侵害する :B C ←情報発信 →道徳内容:公徳心をもって法やきまりを守り、自他の権利を大切にし、進んで義務を果

たす

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<携帯等特有> ・SNS 型のチェーンメールに個人情報を書き込んでしまい、自分のメールアドレスに迷惑

メールや多額請求を要求するメールが届く:F GH ←コミュニケーション ・Line のグループでの人権を無視したメッセージを送信する、無視をする、仲間はずれに

する、陰口を言うなどのいじめをする:B ←コミュニケーション →道徳内容:だれに対しても差別をすることや偏見をもつことなく公正、公平にし、正義

の実現に努める

だれに対しても思いやりの心をもち、相手の立場に立って親切にする 謙虚な心をもち、広い心で自分と異なる意見や立場を大切にする

日々の生活が人々の支え合いや助け合いで成り立っていることに感謝し、そ

れにこたえる

生命がかけがえのないものであることを知り、自他の生命を尊重する ・Line で相手に成りすまして、プリペイドカードを買うのを手伝ってほしいなどの名目の

もと、代金を騙し取られる詐欺にあう:DH ←コミュニケーション

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(出典) 総務省(2014)「ネットトラブル事例集(平成 26 年度版)」, <http://www.soumu.go.jp/main_content/000311574.pdf>2015 年 5 月 10 日アクセス. 日本司法支援協会 法テラス 「やってみよう、情報モラル教育」, <http://kayoo.org/moral-guidebook/nerai/nerai3.html>2015 年 4 月 27 日アクセス 岡山県 「インターネットでのトラブル事例」, <http://www.pref.okayama.jp/kenkei/seian/cyber/page1.html>2015 年 4 月 27 日アクセ

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分類 具体的な問

題 それぞれの

問題につい

情報機器の

種類 情報機器活用

の目的 道徳の

内容

1 情報

社会の

倫理

a 発信する

情報や情報

社会での行

動に責任を

持つ

個人情報や

秘密にすべ

き情報を発

信してしま

う。

相手や社会

への影響を

考えて行動

する。

ネット機器

一般 情報発信 コミュニケー

ション

4(1)

b 情 報 に

関する自分

や他者の権

利を尊重す

授業でイン

ターネット

教材を取り

扱う場合、

著作権につ

い て の 指

導。

情報にも自

他の権利が

あることを

理解する。

ネット機器

一般 情報収集 4(1)

2法の

理解と

遵守

c 情報社会

で の ル ー

ル・マナー

を遵守でき

ネットの無

効側の人に

対しての誹

謗中傷。

何 が ル ー

ル・マナー

か を 指 導

し、理解さ

せる。

ネット機器

一般 コミュニケー

ション 2(2)

3 安全

への知

d 情 報 社

会の危険か

ら身を守る

とともに、

不適切な情

報に対応で

きる

ワンクリッ

ク詐欺や架

空請求。

危険な情報

に近づかな

い。危険な

状況に追い

込まれた場

合は、大人

に 相 談 す

る。

ネット機器

一般 情報収集 1(1)

e 情報を正

しく安全に

利用するこ

とに努める

個人情報の

流出。 ネット上に

出した情報

は半永久的

に残ること

を理解でき

るようにす

る。

ネット機器

一般 情報収集 情報発信 コミュニケー

ション

1(3)

f 安全や健 長時間のネ 自分や相手 ネット機器 情報収集 2(1)

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康を害する

ような行動

を抑制でき

ット利用。

ネットでの

誹謗中傷。

の健康・安

全を害する

ような行動

はしない。

一般 情報発信 コミュニケー

ション

2(2) 2(4)

4 情報

セキュ

リティ

g 生 活 の

中で必要と

なる情報セ

キュリティ

の基本を知

る。

不正利用や

不正アクセ

ス。

認証の重要

性 を 理 解

し、正しく

インターネ

ットを利用

できるよう

にする。

ネット機器

一般 情報収集

4(1)

h 情報セキ

ュリティの

確保のため

に、対策・

対応がとれ

る。

情 報 の 流

出、破壊。

セキュリテ

ィを強化す

ることや、

怪しいサイ

トにログイ

ンしないよ

うにする。

ネット機器

一般 情報収集

4(1)

5 公共

的なネ

ットワ

ーク社

会の構

i 情報社会

の一員とし

て、公共的

な意識を持

つ。

情報をあつ

めるだけで

はなく、時

には上位法

を与える役

割 も 果 た

す。

インターネ

ットを利用

しているの

は自分だけ

ではないこ

とを理解す

る。

ネット機器

一般 情報収集 情報発信 コミュニケー

ション

2(5) 4(1)

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a1~a3:発信する情報や情報社会での行動に責任を持つ a4~a5:情報社会への参画において、責任ある態度で臨み、義務を果たす b1~b3:情報に関する自分や他者の権利を尊重する b4~b5:情報に関する自分や他者の権利を理解し、尊重する c1~c3:情報社会でのルール・マナーを遵守できる c4:社会は互いにルール・法律を守ることによって成り立っていることを知る c5:情報に関する法律の内容を理解し、遵守する d1~d3:情報社会の危険から身を守るとともに、不適切な情報に対応できる d4~d5:危険を予測し被害を予防するとともに、安全に活用する e1~e3:情報を正しく安全に利用することに努める e4~e5:情報を正しく安全に活用するための知識や技術を身につける f1~f3:安全や健康を害するような行動を抑制できる f4~f5:自他の安全や健康を害するような行動を抑制できる g1~g3:生活の中で必要となる情報セキュリティの基本を知る g4~g5:情報セキュリティに関する基礎的・基本的な知識を身につける h1~h3:情報セキュリティの確保のために、対策・対応がとれる h4~h5:情報セキュリティの確保のために、対策・対応がとれる i1~i3:情報社会の一員として、公共的な意識を持つ i4~i5:情報社会の一員として、公共的な意識を持ち、適切な判断や行動ができる ○未成年者がメールを利用した企業の脅迫や偽計業務妨害事件を引き起こしているという

問題。子供たちが自分の勉強部屋のパソコンでいたずらや遊び半分でEメールや掲示板を

利用して罪を犯してしまっているのである。通常、いたずらでは済まない行為は子供でもそ

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れを認識しているはずだが、インターネットではその重大性に気づかないということもあ

ろう。 →a,c,i →ネット機器一般 →情報発信 →「道徳の内容」2(主として他の人とのかかわりに関すること),4(主として集団や社会との

かかわりに関すること) ○有料サイトでは、クレジットカード等よる代金の前払いが原則であり、未成年者には一定

の歯止めがかかるが、親のクレジットカードを利用して契約をしてしまうという問題。 →a,c →ネット機器一般 →情報発信 →「道徳の内容」2(っ主として他の人とのかかわりに関すること),4(主として集団や社会と

のかかわりに関すること) ○インターネットによって商品やサービスの購入が容易になっているという問題。子供が、

あまり好ましくない、あるいは高価な商品やサービスを契約することも、通常の店舗販売や

通信販売に比べて容易となっている。また、法律上、インターネットによる消費者契約は「通

信販売」となり、「訪問販売」と違って法律上クーリングオフ権の定めはない。民法は結婚

していない満二〇歳未満の者を未成年者とし、親(法定代理人)の同意がない契約は取り消

すことができるとしているが、もしサイト上のデータ入力で虚偽の申告をしていると契約

は取消すことは法的には困難となっている。 →a,c →ネット機器一般 →情報発信 →「道徳の内容」4(主として集団や社会とのかかわりに関すること) ○依存や束縛状態となり、 ・ケータイ・スマホを置き忘れて手元にないと、不安で何もできなくなる ・授業中にケータイ・スマホを取り上げられると暴れる ・ケータイ・スマホを見るために仮病を装ってでも保健室へ行く ・調べ物、時計、スケジュール管理などあらゆる事を携帯の機能に頼りケータイ・スマホ

がないと何もできない ・ケータイ・スマホの利用時間が長い(1 日 5 時間以上など) ・「5 分ルール(※注 1)」のため、風呂やトイレにまでケータイ・スマホを持って行く

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食事中や勉強中も手放さない といった状況に陥ってしまうという問題。 ※注 1:「5 分ルール」とは、友人同士「お互い心配させないために、メールの返信は 5 分

以内にするようにしよう」と子ども同士で決めるルールです。一見お互いのことを思いやる

ルールですが、実際には相手の生活や行動に配慮せず「返信を強要する」ルールになってい

ます。このため、返信が遅て仲間外れにされる事例が発生しています。また、具体的にこの

ようなルールを作らない場合でも、「返信をしないと相手に悪いのではないか」と考えたり、

返信の早さややりとりの数に意義を感じて、片時もケータイ・スマホを手放さず風呂に持っ

て入ったり、家族との食事中も常にメールに返信していたりするなどの「依存状態」の子ど

ももいます。なお、最近の無料通話アプリでは、「10 秒ルール」と言われるくらい、さらに

依存度を増しています 岡山県教育庁の平成 26 年度スマートフォン等の利用に関する実態調査では、小学生では 3割だった「1 時間以上」が中学生になると 6 割以上が 1 日 1 時間以上ケータイ・スマホを使

用しています。また、中高生の 25%以上が 1 日 3 時間以上をケータイ・スマホに費やして

います。25%というとクラスの 4 分の 1 にもなります。 中には、毎日 5 時間以上ケータイ・スマホを利用している子どもも中学生で 8%、高校生で

9.3%おり、これは学校に行っている間と睡眠時間以外はほどんどケータイ・スマホを操作

している状態で、「依存状態」の可能性が大きいです。 ケータイ・スマホを持ってから減った時間についてきいてみると、学習時間や睡眠時間をあ

げる生徒がたくさんいます。 (図)携帯電話の 1 日の利用時間 < 携 帯 電 話 を 所 持 し て い る 児 童 生 徒 に 対 す る 割 合 >

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※図:2015 年 2 月岡山県教育庁義務教育課生徒指導推進室調べ「平成 26 年度スマートフ

ォン等の利用に関する実態調査の結果について」より →f →携帯等特有 →情報収集、情報発信、コミュニケーション →「道徳の内容」1(主として自分自身に関すること) ○コミュニケーション能力低下しているという問題。 コミュニケーション能力とは、表情や声のトーンなどをフルに活用し自分の言葉で相手に

伝え、また相手の気持ちを読み取る能力であり、相手の表情や反応がすぐには分からないメ

ールやネット上でのやり取りでは、コミュニケーション能力はなかなか育たない。 →f →ネット機器一般 →コミュニケーション →「道徳の内容」1(主として自分自身に関すること),2(主として他の人とのかかわりに関す

ること) ○プライバシー流出の問題。 SNS、ブログ、プロフ、掲示板などには、名前・年齢・職業・住所・電話番号・学校名・趣

味などの個人情報や顔写真の掲載をする記入欄があり、利用開始当初は問題なく使えてい

ても、何かの書き込みがきっかけで、それらの情報が拡散したり、嫌がらせを受けたり、犯

罪に巻き込まれたりすることがある。

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インターネットでの情報発信は、匿名のつもりでも知っている人が読めば誰だか特定でき

る場合も珍しくない。 例:twitter に載せた写真から現在地が判明するなど。 →a,d,e,f,g,h →ネット機器一般 →情報発信 →「道徳の内容」1(主として自分自身に関すること),4(主として集団や社会とのかかわりに

関すること) ○SNS などを利用したいじめが起こっているという問題。 匿名で書き込みができる SNS やブログ、掲示板などに、実名で誹謗(ひぼう)・中傷された

り、頻繁に差別的な発言をされたりする等、悪質ないじめが行われる場合がある。 →a,b,f,i →ネット機器一般 →情報発信、コミュニケーション →「道徳の内容」2(主として他の人とのかかわりに関すること),3(主として自然や崇高なも

のとのかかわりに関すること),4(主として集団や社会とのかかわりに関すること) ○「ながら操作」により交通事故が引き起こされているという問題。 歩きながら、自転車に乗りながら、スマホやゲーム機、音楽プレイヤー操作をすることによ

る事故が多発している。 →f →携帯等特有 →情報収集、情報発信、コミュニケーション →「道徳の内容」1(主として自分自身に関すること),3(主として自然や崇高なものとのかか

わりに関すること) ○「アダルトサイト」「薬物サイト」「自殺サイト」などの有害サイトにアクセスしてしまう

という問題。また、「出会い系サイト」を利用し、見ず知らずの人と実際に会ってしまい、

事件に巻き込まれてしまうという問題も増えている。 →a,d,e,f,g,h →ネット機器一般 →情報収集、情報発信、コミュニケーション →「道徳の内容」1(主として自分自身に関すること),3(主として自然や崇高なものとのかか

わりに関すること)

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○一方的に送られてきた電子メールに記載されている URL を、興味本位からクリックした

ら、会員登録を契約したことにされ高額な支払いを請求された、サイトを見ていて「注文ボ

タン」を押したつもりがないのに金銭を請求する内容のメッセージが表示されたなどの「ワ

ンクリック詐欺」や、心当たりもないのに、突然、高額な支払いを請求するメールが届いた

りするのが「架空請求」に遭遇するという問題。 →d,e →ネット機器一般 →情報収集 →「道徳の内容」1(主として自分自身に関すること) ○ネット上にアップされた映画や音楽を違法ダウンロードしてしまうという問題。 →a,b,c,e,i →ネット機器一般 →情報収集 →「道徳の内容」1(主として自分自身に関すること),4(主として集団や社会とのかかわりに

関すること) まとめ 一見関係のなさそうな問題でも実はつながっていたということを発見できた。近年では、小

中高と年齢に限らずあらゆる問題が起こっているので、大人として注意していくことが大

切であると改めて感じました。 参考文献 インターネット社会の子どもへの影響 http://www.ac.cyberhome.ne.jp/~consumer/page013.html ケータイ・スマホの正しい使い方 http://www.pref.okayama.jp/kikaku/joho/keitai/mondai/gutairei.html

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分類 小学校1・2年 小学校3・4年 小学校5・6年 中学校 高等学校

a:発信する情報や情報社会での行動に責任を持つ

事例

情報機器等の種類

情報機器活用の目的

道徳の内容

b:情報に関する自分や他者の権利を尊重する

事例

情報機器等の種類

情報機器活用の目的

道徳の内容

社会は互いにルール・法律を守ることによって成り

立っていることを知る

情報に関する法律の内容を理解し、遵守する

事例出会い系のサイトなどに登録しない。ネット上で詐欺などをしてはいけない

個人情報保護法について詳しく認識する

情報機器等の種類

パソコン、携帯電話、スマートフォン

情報機器活用の目的

情報収集、情報発信、コミュニケーション

情報収集

道徳の内容

事例

情報機器等の種類

情報機器活用の目的

道徳の内容

事例

情報機器等の種類

情報機器活用の目的

携帯電話、スマートフォン

情報収集、情報発信、コミュニケーション コミュニケーション

よいことと悪いことの区別をし、よいと思うことを進んで行う。日ごろ世話になっている人々に感謝する。

正義を重んじ、だれに対しても公正、公平にし、差別や偏見のない社会の実現に努める。

個人による発言

情報発信、コミュニケーション 情報収集

1.情報社会の倫理

d:情報社会の危険から身を守るとともに、不適切な情報に対応できる

スマートフォンやパソコンで見知らぬメールが来た際に勝手に貼られているURLにとばない。流れてくる情報や誰かから聞いたことをそのままうのみにしない

危険を予測し被害を予防するとともに、安全に活用する

掲示板に書き込んだり、見知らぬ人とチャットをしたりすることの危険性を認識する。通販で買い物をする時は、そのサイトが信頼できるものかよく確認する。LINEで友達でない人からメッセージが来たときはすぐブロッ

クして通報する

c:情報社会でのルール・マナーを遵守できる

秘密の事項などを口外しない。軽々しく流さない。すぐ信用しない

個人による発言、Eメール、SNS(パソコン、携帯電話、スマートフォン)

情報収集、情報発信

2.法の理解と遵守

3.安全への知恵

正しいと判断したことは、勇気をもって行う。 約束や社会のきまりを守り、公徳心をもつ。

法やきまりの意義を理解し、遵守するとともに、自他の権利を重んじ義務を確実に果たして、社会の秩序と

規律を高めるように努める。

パソコン、携帯、スマートフォン

情報収集

e:情報を正しく安全に利用することに努める

うそをつかない。遊んだりするときは決められた時間や場所を守る。チェーンメールをうのみにしない

情報社会への参画において、責任ある態度で臨み、義務を果たす

情報に関する自分や他者の権利を理解し、尊重する

まわりの友達に関する個人的な情報を守り、外で言いふらしたりしない。教えてもらったことに感謝の気持ちをもつ

学校の個人情報を持ち出したりしない。LINEのグループにて友達を退会させたりしない

迷惑メールはブロックする。変なサイトにとばない。ツイッターで堂々と名前を出したり、知らない人の顔写真

を盗撮して載せたりしない

個人による発言、Eメール(パソコン、携帯電話、スマートフォン) Eメール、SNS(パソコン、携帯電話、スマートフォン)

コミュニケーション 情報収集、情報発信

うそをついたりごまかしをしたりしないで、素直に伸び伸びと生活をする。約束や社会のきまりを守り、公徳心をもつ。

法やきまりの意義を理解し、遵守するとともに、自他の権利を重んじ義務を確実に果たして、社会の秩序と規

律を高めるように努める。

よいことと悪いことの区別をし、よいと思うことを進んで行う。

パソコン、携帯電話、スマートフォン

情報収集、コミュニケーション

法やきまりの意義を理解し、遵守するとともに、自他の権利を重んじ義務を確実に果たして、社会の秩序と規

律を高めるように努める。

パソコン、携帯、スマートフォン パソコン、携帯電話、スマートフォン

ブログやチャットで個人の名前をださない。オンラインゲームで必要以上に相手のことを探らない、また自分のことを話さない

情報を正しく安全に活用するための知識や技術を身につける

SNSにのっている情報をうのみにしない。暗号化通信技術を使う

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道徳の内容

事例

情報機器等の種類

情報機器活用の目的

道徳の内容

事例

情報機器等の種類

情報機器活用の目的

道徳の内容

h:情報セキュリティの確保のために、対策・対応がと

れる

事例コンピュータウイルスについて簡単に知り、その対策を考えていく

情報機器等の種類

パソコン

情報機器活用の目的

情報収集、保護

道徳の内容 真理を大切にし、進んで新しいものを求め、工夫して生活をよりよくする。

事例

情報機器等の種類

情報機器活用の目的

道徳の内容

g:生活の中で必要となる情報セキュリティの基本を知る

パスワードを誰にも言わない。また記録が残るようなものには記さない。忘れないように自分だけが知る番号

などを設定する

情報セキュリティに関する基礎的・基本的知識を身につける

4.情報セキリュティ

5.公共的なネットワーク社会の構築

パソコン、携帯、スマートフォン パソコン、携帯電話、スマートフォン

プライバシー保護

パソコンやスマートフォンの長時間利用による視力の低下を避けるため、時間を制限する・暗いところでは利用しないなどの対策をとる

f:安全や健康を害するような行動を抑制できる 自他の安全や健康を害するような行動を抑制できる

利用時間を各自で守る。ネット依存により運動不足になったり、精神状態が不安定にならないようにする

時と場をわきまえて、礼儀正しく真心をもって接する。 自己が属する様々な集団の意義についての理解を深

め、役割と責任を自覚し集団生活の向上に努める

健康や安全に気を付け、物や金銭を大切にし、身の回りを整え、わがままをしないで、規則正しい生活をする。自分でやろうと決めたことは、粘り強くやり遂げる。

望ましい生活習慣を身に付け、心身の健康の増進を図り、節度を守り節制に心掛け調和のある生活をす

る。

パソコン、携帯、スマートフォン

情報収集、情報発信、コミュニケーション

パソコン、携帯電話、スマートフォン

情報収集、情報発信、コミュニケーション

パスワードの必要性やその安全度について知る

プライバシー保護

法やきまりの意義を理解し、遵守するとともに、自他の権利を重んじ義務を確実に果たして、社会の秩序と規

律を高めるように努める。

パソコン

情報セキュリティの確保のために、対策・対応がとれる

コンピュータウイルスの種類やどのような作用があるのかを知り、対策のソフトについてもその保護度などを

知ることで合うものを購入する

友達と互いに理解し、信頼し、助け合う。生活を支えている人々や高齢者に、尊敬と感謝の気持ちをもって接

する。

公徳心及び社会連帯の自覚を高め、よりよい社会の実現に努める。法やきまりの意義を理解し、遵守する

とともに、自他の権利を重んじ義務を確実に果たして、社会の秩序と規律を高めるように努める。

情報収集、保護

パソコン、携帯、スマートフォン パソコン、携帯電話、スマートフォン

情報発信 コミュニケーション

i:情報社会の一員として、公共的な意識を持つ

ネットワークにつながっていることを認識し、人のために役に立つ

情報社会の一員として、公共的な意識を持ち、適切な判断や行動ができる

掲示板やチャットをする際は、あまり入り込まずに適切につながる。悪質なサイトに好奇心を持たずに、しっかりと見極める。情報の悪用をしているものや人を見過

ごさない

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◆情報モラル教育

a.小:発信する情報や情報社会での行動に責任を持つ 中高:情報社会への参画において、責任ある態度で臨み、義務を果たす (問題の例)インターネット上の情報をむやみに信じてしまったり、根拠のない情報を発信

したりしてしまう。 →誰もが情報を発信することができるインターネットには多くの誤った情報が存在してい

ることを知るとともに、他者への影響を考えて自分自身も誤った情報をむやみに発信しな

いよう注意する必要がある。 情報機器の種類:ネット機器一般 情報機器活用の目的:情報収集、情報発信 道徳の内容:うそをついたりごまかしをしたりしないで、素直に伸び伸びと生活する。 それぞれの個性や立場を尊重し、いろいろなものの見方や考え方があることを理解して、寛

容の心をもち謙虚に他に学ぶ。 b.小:情報に関する自分や他者の権利を尊重する 中高:情報に関する自分や他者の権利を理解し、尊重する (問題の例)ネット上に貼ってある写真を無断で転載、本や CD などの著作物をコピーす

る。 →写真、本、CD、音楽、映画などの情報にもそれぞれ権利があることを知り、自分が楽し

むこと以外の目的で、無断でそれらを使用したりインターネット上に発信したりすること

は許されないことであるという認識をする必要がある。 情報機器の種類:ネット機器一般 情報機器活用の目的:情報収集、情報発信、コミュニケーション 道徳の内容:約束や社会のきまりを守り、公徳心をもつ。 公徳心をもって法やきまりを守り、自他の権利を大切にし、進んで義務を果たす。 法やきまりの意義を理解し、遵守するとともに、自他の権利を重んじ義務を確実に果たして、

社会の秩序と規律を高めるように努める。 c.小:情報社会でのルール・マナーを遵守できる

中:社会は互いにルール・法律を守ることによって成り立っていることを知る

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高:情報に関する法律の内容を理解し、遵守する

(問題の例)SNS などに他人の悪口を書き込む。 →誰でも情報を見ることができるインターネットは大きな影響力を持っており、自分が思

っている以上に相手を傷つけてしまうことがある。 情報機器の種類:ネット機器一般 情報機器活用の目的:情報発信、コミュニケーション 道徳の内容:友達と仲よくし、助け合う。 相手のことを思いやり、進んで親切にする。 友達と互いに理解し、信頼し、助け合う。 約束や社会のきまりを守り、公徳心をもつ。 だれに対しても思いやりの心をもち、相手の立場に立って親切にする。 温かい人間愛の精神を深め、他の人々に対し思いやりの心をもつ。 だれに対しても差別をすることや偏見をもつことなく公正、公平にし、正義の実現に努める。 互いに信頼し、学び合って友情を深め、男女仲よく協力し助け合う。 友情の尊さを理解して心から信頼できる友達をもち、互いに励まし合い、高め合う。 人間には弱さや醜さを克服する強さや気高さがあることを信じて、人間として生きること

に喜びを見いだすように努める。 それぞれの個性や立場を尊重し、いろいろなものの見方や考え方があることを理解して、寛

容の心をもち謙虚に他に学ぶ。 d.小:情報社会の危険から身を守るとともに、不適切な情報に対応できる

中高:危険を予測し被害を予防するとともに、安全に活用する

(問題の例)出会い系サイトなどネット上で知り合った人に実際に会った子どもが犯罪の

被害にあう。 →ネット上で知り合った人が公開している情報は、それが正しいものであるか判断できな

い。また、犯罪目的で会おうとしている危険性がある。危険から身を守るためにも、SNS な

どで知り合った人と実際に会うことは避け、出会い系サイトなどにはアクセスできないよ

うにインターネットの利用制限をかけるべきである。 情報機器の種類:コミュニケーション 情報機器活用の目的:ネット機器一般 道徳の内容:自律の精神を重んじ、自主的に考え、誠実に実行してその結果に責任をもつ。

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男女は、互いに異性についての正しい理解を深め、相手の人格を尊重する。 生命の尊さを理解し、かけがえのない自他の生命を尊重する。 e.小:情報を正しく安全に利用することに努める

中高:情報を正しく安全に活用するための知識や技術を身につける

(問題の例)インターネット上に自分や他人の個人情報を書き込む。 →一度ネット上に載ってしまった情報は回収することができず、どんどん拡散してしまう

ことを理解したうえで、他者に情報を知られてしまったことによる被害などを防ぐために

も、情報に関して適切な行動をできるようにする必要がある。 情報機器の種類:ネット機器一般 情報機器活用の目的:情報発信 道徳の内容:公徳心をもって法やきまりを守り、自他の権利を大切にし進んで義務を果たす。 法やきまりの意義を理解し、遵守するとともに、自他の権利を重んじ義務を確実に果たして、

社会の秩序と規律を高めるように努める。 公徳心及び社会連帯の自覚を高め、よりよい社会の実現に努める。 f.小:安全や健康を害するような行動を抑制できる

中高:自他の安全や健康を害するような行動を抑制できる

(問題の例)歩きスマホをする。夜遅くまでパソコンや携帯電話を利用してゲームやメール

のやり取りをする。 →歩きながらスマホをすることによって手元に意識が集中してしまい、周りの人に迷惑を

かけてしまうことや、交通などの面において自分自身も危険にさらされることを理解する。

また、遅くまでパソコンなどをすることで生活習慣が乱れてしまうことや長時間の使用に

よって視力が低下してしまうことがある。保護者と子どもでしっかりと話し合いをし、情報

機器の使用時間や方法について制限を設けるべきである。 情報機器の種類:携帯等特有 情報機器活用の目的:情報発信、情報収集、コミュニケーション 道徳の内容:よいことと悪いことの区別をし、よいと思うことを進んで行う。 健康や安全に気を付け、物や金銭を大切にし、身の回りを整え、わがままをしないで、規則

正しい生活をする。

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約束や社会のきまりを守り、公徳心をもつ。 g.小:生活の中で必要となる情報セキュリティの基本を知る

中高:情報セキュリティに関する基礎的・基本的な知識を身につける

(問題の例)有害なサイトにアクセスしてしまう。 →有害なサイトにはウイルスが仕込んであることがあるということをしり、自らアクセス

しないようにしたり、最初からアクセスできないように保護者がインターネットの利用制

限をかけたりするべきである。 情報機器の種類:ネット機器一般 情報機器活用の目的:情報収集 道徳の内容:自律の精神を重んじ、自主的に考え、誠実に実行してその結果に責任をもつ。 h.情報セキュリティの確保のために、対策・対応がとれる (問題の例)ウイルスに侵された USB などを使用することで、ウイルスを広げてしまう。 →ウイルス対策ソフトを利用し、ウイルスの点検などを定期的に行い、拡大を未然に防ぐ必

要がある。 情報機器の種類:ネット機器一般 情報機器活用の目的:その他 道徳の内容:自律の精神を重んじ、自主的に考え、誠実に実行してその結果に責任をもつ。 公徳心及び社会連帯の自覚を高め、よりよい社会の実現に努める。 i.小:情報社会の一員として、公共的な意識を持つ

中高:情報社会の一員として、公共的な意識を持ち、適切な判断や行動ができる

(問題の例)SNS で大学生がテーマパークで危険な行為をしている写真や、飲食店でアル

バイトをしている店員が冷蔵庫に入り込んでいる写真を発信したりした。 →公共に情報を発信することによる自分自身や他者に対する影響(例の場合、テーマパーク

の安全性や店舗への信頼など)を考え、正しい行動・情報発信をする必要があることを理解

する。

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情報機器の種類:ネット機器一般 情報機器活用の目的:情報発信、コミュニケーション 道徳の内容:よいことと悪いことの区別をし、よいと思うことを進んで行う。 約束やきまりを守り、みんなが使うものを大切にする。 約束や社会のきまりを守り、公徳心をもつ。 時と場をわきまえて、礼儀正しく真心をもって接する。 礼儀の意義を理解し、時と場に応じた適切な言動をとる。 法やきまりの意義を理解し、遵守するとともに、自他の権利を重んじ義務を確実に果たして、

社会の秩序と規律を高めるように努める。

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1.情報社会の管理 a) 発信する情報や情報社会での行動に責任をもつ〈小学校〉

例:誤った研究結果をインターネット上に公開し、責任問題を問われる。 情報社会への参画において、責任ある態度で臨み、義務を果たす〈中学校〉 例:論文などの作成の際に、インターネットに挙げられている不確かな情報を利

用してその論文の信憑性を問われる。

b) 情報に関する自分や他者の権利を尊重する〈小学校〉 情報に関する自分や他者の権利を理解し、尊重する〈中学校〉

例:他者が発信した情報を、その出典を明記せずに自分のことのように発信し たことによって情報の所有権について訴えられる。 →情報機器の種類:ネット機器一般 情報機器活用の目的:情報収集、情報発信 道徳の内容:4(1)約束やきまりを守り、みんなが使うものを大切にする。

2.法の理解と遵守

c) 情報社会でのルール・マナーを遵守できる〈小学校〉 例:LINE など SNS における会話では相手の表情や感情が読み取りにくいので 知らぬ間に相手を傷つける恐れがある。 →情報機器の種類:ネット機器一般 情報機器活用の目的:情報発信 道徳の内容:2(2)相手のことを思いやり、進んで親切にする。

社会は互いにルール・法律を守ることによって成り立っていることを知る〈中学校〉 例:万引きは犯罪であるという法律を知らずに店の物を盗って逮捕される。 情報に関する法律の内容を理解し、遵守する〈高等学校〉 例:インターネットに関する法律を知らずに無断で他者の個人情報を公開して、

その他者が犯罪に巻き込まれる。 →情報機器の種類:ネット機器一般 情報機器活用の目的:情報発信 道徳の内容:4(1)法やきまりの意義を理解し、遵守するとともに、

自他の権利務を果たす。を重んじ義務を確実に果たし

て、社会の秩序と規律を高めるように努める。

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3.安全への知恵 d) 情報社会の危機から身を守るとともに、不適切な情報に対応できる〈小学校〉

例:インターネットのウイルス対策をしなかったために、悪質なウイルスに侵さ

れ、自分の個人情報を盗まれ不正利用される。 危機を予測し被害を予防するとともに、安全に活用する〈中学校・高等学校〉 例:相手の情報の信憑性を確かめずにインターネット上のオークションなどで商

品を購入し、商品は届かないのに代金だけ徴収される。 →情報機器の種類:ネット機器一般 情報機器活用の目的:情報収集 道徳の内容:1(1)健康や安全に気を付け、物や金銭を大切にし、身の

回りを整え、わがままをしないで、規則正しい生活をする。

e) 情報を正しく安全に利用することに努める〈小学校〉 情報を正しく安全にかつようするための知恵や技術を身につける〈中学校・高等学

校〉 例:インターネットサイトにログインするためのパスワードを全て同じにしてし

まったことで、あるサイトから割れてしまった自分のパスワードがその他全てにお

いて悪質に利用される。 →情報機器の種類:ネット機器一般 情報機器活用の目的:情報収集

道徳の内容:1(1)健康や安全に気を付け、物や金銭を大切にし、身の回りを整

え、わがままをしないで、規則正しい生活をする。

f) 安全や健康を害するような行動を制御できる〈小学校〉

例:スマートフォンやパソコンの画面を長時間見つめることによって引き起こる

病気にかかってしまう。

自他の安全や健康を害するような行動を制御できる〈中学校・高等学校〉 例:スマートフォンやパソコンが原因で起こる健康被害について知りながら家族

や友人の行動を制御できずその人たちが病気にかかってしまう。

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4.情報セキュリティ

g) 生活の中で必要となる情報セキュリティの基本を知る〈小学校〉 情報セキュリティに関する基礎的・基本的な知識を身につける〈中学校・高等学校〉 例:あらゆるサイトに自分の個人情報を載せてしまいセキュリティを侵される。

h) 情報セキュリティの確認のために、対策・対応がとれる〈小学校・中学校・高等学

校〉 例:古いウイルス対策を使い続けたことでその効能がなくなり結果、ウイルスに

かかる。 →情報機器の種類:ネット機器一般 情報機器活用の目的:情報発信、情報収集 道徳の内容:1(1)健康や安全に気を付け、物や金銭を大切にし、身の回

りを整え、わがままをしないで、規則正しい生活をする。

5.公共的なネットワーク社会の構築

i) 協力し合ってネットワークを使う〈小学校〉 例:グループでの研究発表にも関わらず個々人がバラバラなルールでネットワ

ークを活用したために統一性のないものになってしまった。

情報社会の一員として、公共的な意識を持ち、適切な判断や行動が出来る〈中学校・

高等学校〉 例:公式な場での発表のルールを知らずに誤解を生むような書き方で自分の意見

などを公表してしまう。 →情報機器の種類:ネット機器一般 情報機器活用の目的:情報発信、情報収集 道徳の内容:2(1)時と場をわきまえて、礼儀正しく真心をもって接する。

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1

分類 目標 問題例 指導例・改善策

(i)情報社会の一員として、公共的な意識を持つ

Twitter上で友人と遊ぶ約束をし、そのまま日時や待ち合わせ場所を決めた

Twitterの検索機能で地名を検索させ、自分も他人の情報が見れることを理解することで、友人とのやりとりが同世代の子どもたちをはじめとし、大人にも見えるものだということを知り、インターネット上で自分の身を守る重要性を身につけさせるまた、実際に検索をしてでできた情報をもとに、その人の個人情報をどこまで掴めるかをやってみたり、想像させたりして、インターネットが個人の場でないこと、安易な利用は危険を招くことを理解させる

パスワードをそれぞれ別のものにしたり、複雑なものにする場合と、すべて一緒のもの、単純なものにした場合とのパスワード流出の危険性の違いをVTRなどを通して考えさせ、パスワードの重要性について理解させる

(g)で学んだことをもとに、パスワードを設定すること、そしてそれを管理する方法を身につけさせる

情報セキ

ュリテ

公共的なネ

ットワー

ク社会の構築

SNSに夢中になり、夜遅くまでPCやスマートフォンを使用するようになった

友人を名乗る知らないアドレスから住所を教えてというメールが届き、親に相談せずに、住所や名前をメールに記載して返信した

インターネット上で使用しているすべてのアカウントのパスワードを同じものにしていたところ、いくつかのアカウントを乗っ取られ、不正に使用された

インターネット上で使用しているすべてのアカウントのパスワードを同じものにしていたところ、いくつかのアカウントを乗っ取られ、不正に使用された

手紙の書き方を通して、宛名や用件、挨拶などの基本的マナーを学び、身につけ、手紙もメールも手段が違えど同じ形式で失礼のないよう送るべきものだということを理解させる

インターネット上の情報は誰もが自由に公開でき、正しい情報ばかりではないことを知り、情報の見極めができるように、信用してよいサイトの判別方法を身につけさせる同じようなケースで事件になった事例を取り上げたり、想定VTRや物語を使用したりして、個人情報流出の危険性について考えさせる

PCやスマートフォンの過度な使用で、実際に視力低下などの健康被害にあった人たちの実情を示し、一時的な楽しさの裏にある長期的な苦しさを理解させる

(f)安全や健康を害するような行動を抑制できる

(g)生活の中で必要となる情報セキュリティの基本を知る

(h)情報セキュリティの確保のために、対策・対応がとれる

TwitterやFaceBookdeの検索機能で適当な言葉を検索させ、知らない人の情報が自分にも見れることを実感させ、インターネット上の情報は常に誰もが見れる状況にあることを理解させる

AさんがBさんの描いた絵を、まるでAさんが描いたかのようにみんなに自慢をしている場面を想像させ、Bさんの気持ちを考えさせる。現実もインターネット上も同じ人間同士の世界だということを理解させるまた、他人の情報を利用する際の参考文献の書き方を指導する

(c)情報社会でのルール・マナーを遵守できる

(d)情報社会の危険から身を守るとともに、不適切な情報に対応できる

(e)情報を正しく安全に利用することに努める

近所でお笑い芸人のライブがあるという情報があるブログに記載されていたため、当日その場所へ行ったが、何も開催されていなかった

友人のなどの気の知れた相手ではない人へのメール送信において、友人に送る際と同じように、件名や名前などのないメールを作成、送信した

情報社会の倫理

(a)発信する情報や情報社会での行動に責任を持つ

(b)情報に関する自分や他者の権利を尊重する

TwitterやFaceBookで、クラスメイトに関する嘘偽りの情報を公開した

ブログなどで、他人に著作権のあるイラスト、写真、画像などを無断で掲載した

安全への知恵

法の理解と遵守

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2

分類 情報機器の種類 情報機器活用の目的 道徳の内容

過ちは素直に改め、正直に明るい心で元気よく生活する。時と場をわきまえて、礼儀正しく真心をもって接する。約束やきまりを守り、みんなが使うものを大切にする。 約束や社会のきまりを守り、公徳心をもつ。

情報社会の倫理

法の理解と遵守

安全への知恵

情報セキ

ュリテ

公共的なネ

ットワー

ク社会の構築

よいことと悪いことの区別をし、よいと思うことを進んで行う。うそをついたりごまかしをしたりしないで、素直に伸び伸びと生活する。

約束やきまりを守り、みんなが使うものを大切にする。約束や社会のきまりを守り、公徳心をもつ。公徳心をもって法やきまりを守り、自他の権利を大切にし進んで義務を果たす。

父母、祖父母を敬愛し、家族みんなで協力し合って楽しい家庭をつくる。

よいことと悪いことの区別をし、よいと思うことを進んで行う。生活習慣の大切さを知り、自分の生活を見直し、節度を守り節制に心がける。

コミュニケーション

ネット機器一般

ネット機器一般

情報収集情報発信

情報収集情報発信

スマートフォン コミュニケーション

ネット機器一般

スマートフォン

ネット機器一般

情報収集

コミュニケーション

情報収集情報発信

スマートフォン情報発信

コミュニケーション

ネット機器一般 情報発信

スマートフォン

気持ちのよいあいさつ、言葉遣い、動作などに心掛けて、明るく接する。礼儀の大切さを知り、だれに対しても真心をもって接する。時と場をわきまえて、礼儀正しく真心をもって接する。

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構成概念

[01] 発信する情報や情  報社会での行動に責  任を持つ。

 う気持ちを大切にさせる。

◎資料「たまちゃん,大好き」を読んで,失敗したときに励ましてくれた友だ ち,困ってくれたときに助けてくれた友だち,悩んでいるときに相談に乗っ

(03) 他人や社会への影響を考えて行動す 【小学校第5学年の事例:他人や社会への影響を考えて行動する】

  る。 ◎資料「だれも知らないニュース」を読んで,掲示板に限らず,日常生活にお ける自由な場面は多く存在するが,そこには責任ある行動が伴われることに

 でも・だれにでも」というメールの特性を理解するとともに,文字だけで気

★私たちは,自分自身を激励してくれたり,援助してくれたり,相談に乗って

(02) 相手への影響を考えて行動する。 【小学校第3学年の事例:もっと好きになったよ】◎友だちとけんかをした際,どのような気持ちがしたのかを考えさせる。

  • いやだった。

 てくれた友だちの存在を思い出すことで,友だちのことを大切にしようと思

 (予想される児童の反応)  • くやしかった。  • 悲しかった。

 守ることの必要性を感じさせる。

【小学校における情報モラル】 第4回:情報モラル教育と情報教育・道徳教育との関係

 ≪情報モラル教育 カリキュラム構造 分析枠組み(スコープ&シークエンス)≫

一般原理 概 念

(01) 約束やきまりを守る。

◎具体的な事例・指導例(★子どもが獲得することのできる知識)

【小学校第1学年の事例:コンピュータをみんなが気持ちよく使うために】◎自分がパソコンを使用した後に,パソコン上におかしな画面が表示されて, みんながパソコンを使うことができなかったことに触れ,約束やきまりを

 束やきまりを守ることの必要性を考えることができるようになる。

 用することができるようになる。

◎教師の説話を通して,約束やきまりを守らなかったときの問題点だけでな

【小学校第2学年の事例:約束やきまりを守る】◎クラスのみんなが使用している場所・道具とその使用方法を考えさせるこ

◎紙芝居「森のけいじばん」の話を通して,クラスのみんなが使用している 場所や道具は自分自身だけのものではないことに気づかせる。

 とで,それらが公共のもので,自分自身だけが有することのできるもので

 く,約束やきまりを守ることの利点にも気づかせる。

★1人1人が約束やきまりを守ることで,みんなが気持ちよく情報機器を使

情報機器の種類 情報機器活用の目的

ネット機器一般 情報収集

 はないことを理解させる。

★1人1人が約束やきまりを守らなかったときの問題点を考えることで,約

道徳教育との関連

【小学校第4学年の事例:このことばで相手に気持ちが伝わるかな?】◎メールを使用している場面を見たことがあるか尋ね,そのときの印象を考え させることで,「いつでも」「どこでも」「だれにでも」というメールの特 性を理解することができるようにする。◎映像教材「このことばで相手に気持ちが伝わるかな?」を視聴して,文字だ けで気持ちを伝えることの困難さについて考えさせることで,相手の立場に 立って,情報を発信することの大切さを考えさせる。◎相手に正確に自分の気持ちを伝えるようにするためには,どのようなことに ネット機器一般

情報発信コミュニケーション

項目:2-(3)友達と互いに理解し,信頼し,助け合う

項目:4-(1)約束や社会の

きまりを守り,公徳心をもつ

 心がけるべきなのかについて考えさせることで,顔の表情や言葉の調子など に気をつけたり,直接話をすることのよさにも気付かせる。★相手に正確に自分の気持ちを伝えるようにするためには,「いつでも・どこ

 くれたりする友だちの存在を理解し,彼らを大切にしていく必要がある。

 ならない。

情報社会の倫理

個人の責任・義務・役割

 づかせる。★約束やきまりがあるにもかかわらず,それを破ってしまうということは,自 分にとっても他者にとっても気持ちのよい行動ではないため,改めなければ

 気づかせる。◎教師の説話を聞き,世の中に存在する情報は私たちの生活に役立つものばか りではあるが,取り扱い方を誤ることのないようにする必要があることに気

 持ちを伝える際には,相手に誤解を与える表現にならないように留意する必 要がある。

その他(情報機器を用いない)

情報発信

項目:1-(3)自由を大切にし,

自律的で責任のある行動をする

項目:4-(1)約束やきまりを守り,みんなが使うものを

大切にする

項目:4-(1)約束やきまりを守り,みんなが使うものを

大切にする

その他(情報機器を用いない)

情報発信

その他(情報機器を用いない)

コミュニケーション項目:2-(3)

友達と互いに理解し,信頼し,助け合う

- 1 -

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[01] 発信する情報や情  報社会での行動に責  任を持つ。

[02] 情報社会への参画  において,責任ある  態度で臨み,義務を  果たす。

ネット機器一般 情報発信

項目:1-(3)自律の精神を重んじ,

自主的に考え,誠実に実行して

その結果に責任をもつ

項目:4-(1)法やきまりの意義を理解し,遵守するとともに,自他の

権利を重んじ義務を確実に果たして,

社会の秩序と規律を高めるように努める

情報社会の倫理

個人の責任・義務・役割

 必要がある。

   • 不用意な発言などは,速やかに電子掲示板などの管理者に連絡して削     除してもらうなどの対処をする。★電子掲示板やチャットを「書き手」の視点から利用する際には,メリットと デメリットの2つの側面があることを認識し,相手のことを考えたり,自分 の発言には責任を持ったりするなど,トラブルに巻き込まれないようにする

◎もし万が一,電子掲示板やチャットに書き込んだ内容でトラブルが発生して しまった場合には,どのように対処すべきかを考えさせる。 (予想される生徒の反応)   • 誤解があったときは,すぐに取り除くためにあやまる。   • 自分で解決できないときは,親や先生に相談する。

 せることで,電子掲示板やチャットを利用する際の注意点を考えさせる。 (予想される生徒の反応)   • たとえ匿名でも,相手の人の気持ちを考えて書き込むこと。   • 書き方に注意して,発言責任をしっかり持つこと。   • 一度送ると取り戻すことができないから,送る前に必ず見直しをする。

   • 匿名なので,発言責任が弱くなる。   • 誹謗・中傷を書きやすい。   • 書き言葉なので,書き方によっては誤解を招きやすい。   • 「なりすまし」で相手をだませる◎電子掲示板やチャットの「書き手」として利用する際の利点や欠点を考えさ

 ても間に合わず,情報によっては他人を傷つけ,いじめにつながりかねない

 (予想される生徒の反応)

◎アニメ「ネットいじめは人権侵害」を視聴して,情報を発信する際にしては

(03) 他人や社会への影響を考えて行動す

  る。

【小学校第6学年の事例:情報の広がりについて考えよう】◎うわさ話の経験について考えさせ,うわさ話が広がった理由などを考えさせ る。

   • 送られてきた人やメールを送られた人の気持ちはどうなのだろうか。

 いけないことや,個人情報の取り扱いについて確認する。 (予想される児童の反応)   • 個人情報を勝手に教えることはしてはいけない。   • うそや悪口などを発信し,人をだますことはしてはいけない。   • 友だちにメールを送った人の気持ちはどうなのだろうか。

◎うわさ話などを含めた情報の広がり方についてまとめる。

(04) 情報社会における自分の責任や義務 【中学校第1学年の事例:電子掲示板・チャット】

   • 匿名(ハンドルネーム)で書き込める。

   • 好きなテーマを選ぶことができる。   • 自分の意見を自由に書き込める。

   • チャットはリアルタイムで交流できる。◎電子掲示板やチャットの「書き手」として利用する際の欠点を考えさせる。

  について考え,行動する。 ◎電子掲示板やチャットの「書き手」として利用する際の利点を考えさせる。 (予想される生徒の反応)

 (予想される児童の反応)   • 一度流れた情報は,知らないうちに広がっていく。

   • 一度流れた情報は,修正しようとしても,間に合わない。   • ネット上の情報は,広がり方がはやく,広がる人数も多い。

 ので,情報は慎重に取り扱わなければならない。

     扱わなければいけない。

   • 悪意はなくても,相手を傷つけ,いじめにつながることがある。   • 送られてきた情報であっても安易に転送してはならず,情報は慎重に

★一度流れた情報は,知らないうちにすばやく広がり,情報を修正しようとし

ネット機器一般 情報発信

項目:2-(1)時と場をわきまえて,礼儀正しく真心を

もって接する

項目:4-(1)公徳心をもって

法やきまりを守り,自他の権利を大切にし進んで義務を果たす

- 2 -

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[02] 情報社会への参画  において,責任ある  態度で臨み,義務を  果たす。

情報社会の倫理

個人の責任・義務・役割

携帯等特有ネット機器一般

情報発信コミュニケーション

★ネット社会に安易に情報を書き込むことは,知らず知らずのうちに他人を傷 つけていることがあるため,情報を発信する際には,相手を思いやったり, 自分の発言には責任を持ったりするなどの配慮を行う必要がある。

項目:2-(2)温かい人間愛の精神を深め,他の人々に対し思いやりの心をもつ

   • 友達を巻き込みたくない。

◎ドラマ「春野家ケータイ物語」を視聴して,裏サイトに書かれていることを 知った主人公はどのような気持ちを抱いているのかを考えさせる。

   • 家族に心配かけたくない。

   • 悔しい。

 (予想される生徒の反応)   • いやだ。

   • これは本当だろうか。

   • 仲間がいてよかった。   • ありがとう。◎学校裏サイトの書き込みの実態を知るとともに,情報発信をしていく際に気 をつけなければならないことを考えさせる。 (予想される生徒の反応)   • 相手を思いやる発信。   • ドラマの仲間が書いたような発信。   • 自分の発信に責任を持つ。   • 困ったときには,家族や先生たち・大人に相談する。

情報発信

項目:2-(1)礼儀の意義を理解し,

時と場に応じた適切な言動をとる

【中学校第3学年の事例:それって書いていいの?】◎文化祭でおこなった学年劇の登場人物がどのようないじめを受けていたのか

 ロスチェック」「確認発信」に気をつけて,情報を発信していかなければな

   • 情報を信用して,メールで広げたかったから。◎あなたは,誰のどのような情報だったら信用するかと尋ねることで,発信源

 (予想される生徒の反応)   • 情報の出所を確かめる。【発信源】

ネット機器一般

   • うれしい。

   • いつの情報か確かめる。【発信時期】

 らない。

 (予想される生徒の反応)

(04) 情報社会における自分の責任や義務

  について考え,行動する。

【中学校第2学年の事例:その情報,本当に信用していいの?】◎スライド「芸能人がやってくる」を見て,なぜA子さんは友だちにチェーン メールを送ってしまったのかを考えさせる。

   • 情報を信用してしまったから。   • 送られてきたメールを確認しなかったから。

 見られるものかどうかを判断した上で,情報の「発信源」「発信時期」「ク

 せることで,自分自身が情報を発信する際に気をつけなければならないこと

 や内容によって,情報の信用度が変わってくることを捉えさせる。◎東日本大震災の際に送られてきたチェーンメールや悪質メールの実態を知ら

◎削除されている掲示板や友人からの書き込みを見て,どのような気持ちを抱 いているのかを考えさせる。 (予想される生徒の反応)

 を考えさせる。

   • 他の情報と比べる。  【クロスチェック】   • 確認せずに発信しない。【確認発信】★メールを送信する際には,送られてきたメールの発信源や内容から信用性が

 せる。 を想起させることで,身近に起きているネット上の情報発信について考えさ

   • 誰にも言えない。

- 3 -

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[02] 情報社会への参画  において,責任ある  態度で臨み,義務を  果たす。

[03] 情報に関する自分  や他者の権利を尊重  する。

自己・他者の権利の理解・尊重

情報社会の倫理

個人の責任・義務・役割

その他(情報機器を用いない)

情報収集情報発信

項目:2-(2)幼い人や高齢者など

身近にいる人に温かい心で接し,親切にする

その他(情報機器を用いない)

情報収集情報発信

項目:2-(2)幼い人や高齢者など

身近にいる人に温かい心で接し,親切にする

★自分の作った作品をクラス全員に紹介する活動を通して,子どもたちは自分 の作品のよさを再認識するだけでなく,友だちの作品のよさや友だち自身の よさにも気付くことができるようになる。

 みんなに発表することで,友だちの意見や感想を大切にする心を育てる。◎逆に,友だちの発表を聞いて,自分がどのような感想を抱いたのか発表する ことで,友だちの工夫や気付いた箇所を認め,大切にする心を育てる。◎今日の授業の感想を発表することで,友だちからの意見・感想がうれしかっ たということや,友だちの作品のよさが分かったということを共有させる。

【小学校第2学年の事例:人の作ったものを大切にする心をもつ】◎これまでの学習で完成した作品を,みんなに紹介する活動を取り入れること で,自分の作品のよさを発表したり,友だちの作品のいいところを見つけた りできるようにする。◎自分がどんな思いでこの作品をつくったのか,どんなところを工夫したのか

携帯等特有ネット機器一般

情報発信コミュニケーション

携帯等特有ネット機器一般

コミュニケーション

 とを理解させるとともに,ネット上のコミュニケーションは普段以上に相手

 点から考えさせ,班に分かれて,それぞれのケースについて話し合うことで,

:    • 「思いやり」が何より大切である。   • よりよいコミュニケーションづくりに情報モラルは欠かせない。

 ぞれ検討する。

★情報モラルを学ぶ意義は,相手への思いやりを考えながら,よりよいコミュ

             危険回避について考える】◎ネットや携帯電話に関する問題について,信憑性・コミュニケーションの視

 友だちの気持ちを考えて,唯一無二の友だちの作品を認めたり,その友だち

 せる。◎教室の中にある友だちの作品のいいところを見つける作業を行うことで,友 だちの作った作品への願いや思いを受け止める気持ちを共有させる。◎みんなが作った作品と同じものが世界中に存在するかどうかを問うことで,

◎「予想される危険」「自分がとる行動」「適切と思う対処」の観点を,「迷 惑メール」「プロフ」「出会い系」「無料ゲーム」等の事例に即して,それ

 け止め,作品そのものやそれを製作した人々を認めることが大切である。

  つ。 ◎ものを作ったり,描いたりするときにはどんな気持ちでがんばったかを問う ことで,1人1人がもの作りに込めた願いや思いを持っていることを捉えさ

★1人1人が願いや思いを込めてものづくりをおこなっているということを受 自身を認めることの大切さを感じさせる。

(06) 人の作ったものを大切にする心をも 【小学校第1学年の事例:みんなの作品のいいとこさがし】

 を思いやることが大切であることを理解させる。★ネットや携帯電話でコミュニケーションをとる場合には,危険が予測される

 思いやる必要がある。

 (予想される生徒の反応)

 を付箋に記入し貼っていくことで,他人の意見や感想を共有させる。

 ということを理解させる。◎「NTTドコモ iのあるメール大賞」の作品を読んで,各自が感じたこと

(05) 情報社会において,責任ある態度を

◎「家族へのメール」「親友へのメール」「懐かしい人へのメール」「感謝を

 場面で適切に行動することができるかが重要であるため,普段以上に相手を

◎上記の検討を通して,危険が予測される場面で適切に行動する必要があるこ

 これまでの経験を想起させ,コミュニケーションは「伝え合うこと」である

【高等学校第1学年の事例:情報を発信する人の責任や守るべきルールを考え,

  とり,義務を果たす。              話し合う】◎メールでの誤解からトラブルになりそうになったことはないかと問うことで,

 伝えるメール」などの設定されたパターンのメールを書くことで,受け取っ

 その対処法について考えさせる。

【高等学校第2学年の事例:ネット上でのコミュニケーションの特徴と適切な

 た相手にどのように伝わるのかを考えた文面を工夫できるようにするととも に,コミュニケーションに大切な要素は何かを考えさせる。

 ニケーションづくりを構築していくことにある。

- 4 -

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[03] 情報に関する自分  や他者の権利を尊重  する。

その他(情報機器を用いない)

情報発信コミュニケーション

項目:2-(2)相手のことを思いやり,

進んで親切にする

情報社会の倫理

自己・他者の権利の理解・尊重

携帯等特有ネット機器一般

情報発信コミュニケーション

項目:1-(4)過ちは素直に改め,正直に明るい心で元気よく生活する

項目:2-(2)相手のことを思いやり,

進んで親切にする

 切にする心をもつことも大切である。

   • 読む人の気持ちを考えて書くことが大切。   • 写真も大切な情報だから,相手の許可が必要。   • 発信する情報に責任を持つこと。★自分の情報を他者に伝えるためには,読む人の気持ちを考えたり,発信する 情報に責任を持つことが大切であるとともに,他人の情報のいいところを大

   • 校区内にあることが紹介されているから,家の人も見に行きたくなる   かもしれないよ。   • 出典が書いてあるね。◎新聞などで情報を発信するときに大事なことは何かを考えさせる。 (予想される児童の反応)

 (予想される児童の反応)   • 校歌の作詞をした北原白秋さんの生家の写真は,ルーズの方が全体の     様子が分かるからいいね。   • 白秋さんはこの家で生まれて,よく遊びに来ていたことも書いてある     よ。

 メールを読んでどのようなことを感じたのか発表させることで,メールを送

   • 電子メールで伝える。◎デジタル○○先生にメールを送る際の必要事項は何かと尋ねることで,メー ルを送信する際のルールを確認させる。

   • 読みやすい。

 (予想される児童の反応)

   • 段落をつける。

 解させる。

(07) 自分の情報や他人の情報を大切にす

  る。

【小学校第3学年の事例:メールをするときに大切なことは?】◎友だちに自分の気持ちを伝えたり,用件を伝えたりするとき,どのような方 法で伝えているかを問うことで,メールで送信する手段も存在することを理

 (予想される児童の反応)   • 直接会って話す。

 るときに大切にしたいことを考えさせる。

   • ひらがなばかりだと読みづらいので,知っている漢字は使う。

   • 電話で話す。   • 手紙で伝える。

   • 誰から送ったのかを書く。

◎ムキムキ○○先生とニコニコ○○先生からのメールを受信したが,これらの

◎新聞を読み合う視点を確認することで,友だちが書いた新聞から表現のよい

◎新聞を読み合うことで見つかったよいところを,書いた人に伝えさせる。 ところを見つけ,伝え合う活動をさせる。

   • 「こんにちは」のあいさつやクラスのことを書く。

   • 送る前に受け取った人の気持ちを考える。

   • ひらがなばかりだと読みづらいので,知っている漢字は使う。   • 段落をつける。

   • あったかい言葉が入っている。

 (予想される児童の反応)   • やさしい言葉,ていねいな言葉で書いてある。

 というメリットとデメリットがあることに気づくことができるようになる。

   • 相手の気持ちや都合を考える。

【小学校第4学年の事例:自分の情報や他人の情報を大切にする】

   • もらっていやなメールを送らない。   • 相手が喜ぶようなメールを送る。   • 「こんにちは」のあいさつやクラスのことを書く。

   • 相手の顔を思い浮かべながらメールをする。

     たりする。★メールをする際には,相手の気持ちや都合を考えた受け取って気持ちのよい

   • 大切なことを伝えたいときはメールではなくて直接会ったり,電話し

 メールを送信する必要があるとともに,メールは便利だが相手が見えにくい

- 5 -

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[03] 情報に関する自分  や他者の権利を尊重  する。

[04] 情報に関する自分  や他者の権利を理解  し,尊重する。

携帯等特有 情報発信

項目:2-(1)時と場をわきまえて,礼儀正しく真心を

もって接する

項目:4-(1)公徳心をもって

法やきまりを守り,自他の権利を大切にし進んで義務を果たす

ネット機器一般 情報発信

項目:2-(2)温かい人間愛の精神を深め,他の人々に対し思いやりの心をもつ

項目:4-(1)法やきまりの意義を理解し,遵守すると

ともに,自他の権利を重んじ義務を確実に果たして,社会の

秩序と規律を高めるように努める

情報社会の倫理

自己・他者の権利の理解・尊重

 の人の許可をとるなどの情報公開のマナーやルールを遵守するとともに,他 の人の製作物などを許可なしに掲載することは,著作権侵害につながること を理解しなければならない。

 し合わせることで,ルールやマナー,セキュリティについて考えさせる。 (予想される生徒の反応)   • いろいろな問題があるから,大人の人に相談しながら使わなくてはい     けないな。★インターネットを利用する際には,他人の個人情報を掲載する場合には,そ

   • 自由に使えないのがあるんだ。   • 勝手に使うと,法律違反になるんだ。◎以上を踏まえて,インターネットを利用する際のルールやマナーについて話

 て考えさせる。 (予想される生徒の反応)   • みんなが見るのだから,自由に使っていいのでは?

   • 他人の個人情報を勝手に使ったらいけないんだ。◎他の人が撮影した写真や他の人が作成したイラストを許可なく使うことの問 題点について話し合わせることで,情報公開する際のルールやマナーについ

 (予想される生徒の反応)   • 自分のことは載せてもいいのかな?   • 友だちから了解をもらったら,友だちのことを載せてもいいのかな?

  る。  とその理由について考えさせる。◎住所や電話等の個人情報を公開する際の危険性について話し合わせることで, 情報公開する際のルールやマナーについて考えさせる。

(09) 個人の権利(人格権・肖像権など) 【中学校第1学年の事例:著作権の保護と情報モラルについて考える】

  や知的財産権(著作権など)を尊重す ◎教材「情報伝達の安全性とマナーを考えよう」を読んで,情報伝達の問題点

   • 返事が返ってこなくてもいいような用事の時にメールを使う。★携帯電話のメールの送受信の際には,相手のことを思ってメールをしたり, 急な用事がある場合には電話を使うなど,電話とメールをうまく使いこなす ことで,自分自身が相手のことを思いやれるようになることが大切である。

 (予想される児童の反応)   • 相手のことを思ってメールをする。   • 急な用事は電話をかける。

◎携帯電話でメールをすることは簡単だが,どのようなことに気をつけてメー ルをすればよいか尋ねることで,メールの送受信の際に大切なことを考えさ せる。

   • 今は食事中だから,返信できないのになあ。   • 怒っているみたいだし,早く返信しなくちゃ。   • こんなことでいちいち怒らなくてもいいのに。

 な困ったメールを読んでどう思うか尋ねることで,感じたこと・考えたこと を発表させる。 (予想される児童の反応)

   • 友だちと遊んでから返信する。   • 用事がすんでから返信する。◎すぐに返信しなかったことに対して送られてきたメールを提示し,このよう

 (予想される児童の反応)   • 食事が終わってから返信する。   • 電車を下りてから返信する。

 それぞれの場面における自分自身のメールの送信状況を捉えさせる。◎さまざまな場面でメールが送られてきたときにはどうするか尋ねることで,

◎携帯電話のメールとパソコンのメールの違いは何かと尋ねることで,携帯 電話でメールをする際の特徴を理解させる。

(08) 情報にも,自他の権利があることを 【小学校第5学年の事例:メールの返信はすぐにしないとダメ?】

  知り,尊重する。 ◎携帯電話でどのようなことができるか知っているかと尋ねることで,携帯 電話はとても便利な道具だということを確認させる。

 (予想される児童の反応)

   • いつでも好きな時に送信することができる。   • いろんな絵文字がある。

   • いつでも受信して読むことができる。

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[04] 情報に関する自分  や他者の権利を理解  し,尊重する。

[01] 情報社会でのルー  ル・マナーを遵守で  きる。

[02] 社会は互いにルー  ル・法律を守ること  によって成り立って  いることを知る。

情報社会の倫理

自己・他者の権利の理解・尊重

ネット機器一般 情報収集

 ることでもあり,これまで先人達が築いてきたものは,単に便利さと手軽さ

 国の将来に関わる大切な権利であることを再認識させる。★著作権を含む知的財産権の保護は,日本の未来を切り開く経済活動を保護す

◎作品として公開する場合は「著作権」となり,商業目的で利用する場合は「

 作権という権利が誕生したのか,理由を考えさせる。

  尊重する。  の作品を使ってはいけないものであることを理解させる。

◎ウェブサイトに書かれている情報はすべて正しいものかと尋ねることで,信

(01) 情報の発信や情報をやりとりする場 【小学校第3学年の事例:八代を知ろう】

  合のルール・マナーを知り,守る。 ◎学校のホームページなど身近なホームページを見ることで,ウェブサイトの 情報活用法を理解させる。

   • インターネットで公開された情報は,消すことができないことがある     ので,気をつけなければならない。

◎情報を発信する際のルールやマナーを知ることで,確かな情報を発信しよう と心がけさせる。

★情報を発信する際のルールやマナーを理解することは,確かな情報をすばや

 (予想される児童の反応)

   • 文学や音楽などの著作物がいっぱいあったと考えられるから。

  や知的財産権(著作権など)を理解し, ◎著作権とはどのような権利かワークシートに記入・発表させることで,他人

 (予想される生徒の反応)

(10) 個人の権利(人格権・肖像権など) 【高等学校第1学年の事例:ネットワーク利用の心がまえ ―知的財産権―】

◎著作権などを含む知的財産権の種類と分類を確認させるとともに,なぜ,著

(02) 「ルール・マナーやきまりを守る」 【小学校第5学年の事例:きまりの意味を考えて】  という契約行為の社会的意味を知り, ◎知らない相手から手紙が来たら,どのように思うのか話し合わせることで,  勝手な判断で行わない。  チェーンメールについて考えさせる機会を与える。

   • 知的財産権は,国の将来を変えるほど大切なものである。

◎海外の著作権や国際的な取り決めについて理解させることで,知的財産権が

 用できるウェブサイトと信用できないウェブサイトを比較させる。

 商標権」となることを理解させ,「著作権」は自動的に付与されるが,「商 標権」は申請とお金が必要であることを理解させる。

 を追求するだけではないことを理解しなければならない。

   • ネットには嘘を書かない。   • 自分の本当の名前を書いてはいけない。

   • 電車やバスなどでは,携帯電話で話さない。   • 画像を無断でコピーしてはいけない。   • 個人情報を勝手にインターネットなどで載せてはいけない。

◎資料「これも,チェーンメール」を読んで,よく考えて守らなければならな いきまりについて振り返らせる。 (予想される児童の反応)

(03) 情報の保護や取り扱い・契約に関す 【中学校第3学年の事例:電子掲示板にひそむ罠】

  る基本的なルールや法律の内容を知り, ◎電子掲示板に実際にありそうな書き込みを提示し,どのように対応したらよ

★公共の場所では携帯電話や大きな声で話さないなど,チェーンメール以外に も,情報社会において,きまりやルールを守らなければならないことが多く 存在することを理解しなければならない。

 せる。 (予想される生徒の反応)   • メールアドレスを不用意に公開した場合に,迷惑メール等が届く危険     がある。

  それに伴う責任を理解する。  いか考えさせる。◎電子掲示板にひそむ罠「迷惑メール」についての対処方法を理解させること で,情報化が社会や生活に及ぼす影響と情報モラルの必要性について考えさ

   • 不用意に電子掲示板に書き込まれているURLをクリックすると,ワ     ンクリック詐欺等の危険がある。

◎電子掲示板にひそむ罠「ワンクリック詐欺」についての対処方法を理解させ ることで,情報化が社会や生活に及ぼす影響と情報モラルの必要性について さらに考えさせる。

項目:2-(1)礼儀の意義を理解し,

時と場に応じた適切な言動をとる

項目:4-(1)法やきまりの意義を理解し,遵守すると

ともに,自他の権利を重んじ義務を果たして,社会の秩序と規律を高めるように努める

法の理解と遵守

情報社会でのルールや法律の理解・遵守

 く発信することにもつながる。

項目:4-(1)約束や社会のきまりを守り,公徳心をもつ

ネット機器一般 情報発信

携帯等特有ネット機器一般

情報収集情報発信

項目:2-(2)だれに対しても

思いやりの心をもち,相手の立場に立って

親切にする

項目:4-(1)公徳心をもって

法やきまりを守り,自他の権利を大切にし進んで義務を果たす

携帯等特有情報収集情報発信

★電子掲示板に関するルールを理解するとともに,電子掲示板にひそむ「迷惑 メール」や「ワンクリック詐欺」などの罠にひっかからないよう,個人情報 をしっかり保護しなければならない。

 (予想される生徒の反応)

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[03] 情報に関する法律  の内容を理解し,遵  守する。

[01] 情報社会の危険か  ら身を守るとともに,  不適切な情報に対応  できる。

情報社会の危険予測・被害防止

・安全活用

項目:2-(2)相手のことを思いやり,

進んで親切にする

項目:4-(1)約束や社会のきまりを守り,公徳心をもつ

 した書き込みを行い,自分自身の書き込みに責任を持たなければならない。

安全への知恵

ネット機器一般情報発信

コミュニケーション

 (予想される児童の反応)   • コンピュータの向こう側にいる人を常に意識する。   • 責任と誠意ある使い方が大切である。★掲示板やチャットに書き込みをする場合は,大げさな返事をしたり,うそを ついたりするのではなく,コンピュータの向こう側にいる人々のことを意識

◎このような間違った書き込みが原因で,実際にさまざまなトラブルや事件が 起きているという現実を感じさせることで,安易な書き込みが原因で,様々 な問題に発展する可能性があることを理解させたい。

◎どのようなことに気をつけて書き込みをすれば,楽しく交流できるのかと尋 ねることで,楽しく交流するためのルールやマナーを考えさせる。

   • 自分自身が正しく約束を守り判断する。

◎安心してコンピュータを使うためには,どうすればいいか尋ねることで,安 心してコンピュータを使うための心がまえや行動について考えさせる。

   • 出会い系サイト規制法

(04) 情報社会の活動に関するルールや法 【高等学校全学年共通の事例:情報社会と法律】

   • 個人情報の保護に関する法律   • プロバイダ責任制限法

   • 迷惑メール防止法

   • きゅうにうごかなくなっちゃった。

◎コンピュータを使っていて困ったときはどうしたか尋ねることで,相談する

 せる。

   • 特定商取引に関する法律

  律を正確に理解・把握し,適切に行動 ◎ネットワーク社会においても,実社会と同様に守らなければいけない法律が

  する。  あることを理解させ,以下の各法律の目的や内容を考えさせる。   • 不正アクセス行為の禁止等に関する法律

  出合わない環境で利用する。 ◎コンピュータを使っていて困ったことはないかと尋ねることで,これまでの 活動の中から,操作上およびネット上で困ったことや迷ったことを振り返ら

   • やりかたがわからなくなった。 (予想される児童の反応)

   • せんせいにそうだんしよう。

 (予想される児童の反応)   • ともだちにたずねよう。

◎コンピュータを使っていて困ったときにはどうすればよいか考えさせる。

   • どうしていいかわからなくなった。

ネット機器一般 情報収集

項目:4-(1)約束やきまりを守り,みんなが使うものを

大切にする

◎将来,就職してからは,メールを送信する側・個人情報を管理する側の立場 としても,これらの法律と関わっていく可能性があることを理解させる。

 存在している法律であると同時に,メールを送信する側としても個人情報を 管理する側としても,今後付き合いを共にしていく法律でもある。

★コンピュータを使っていて困った際には,友だちや先生・家族に援助を求め,   • 困ったときには早めに大人に相談する。

   • かぞくにそうだんしよう。

 (予想される児童の反応)

 ことなく一人で悩んだ経験について取り上げさせる。

◎なぜ,そのような嘘や大げさな返事をしてしまうのかと尋ねることで,正し い返事ができない理由を考えさせる。 (予想される児童の反応)

  る。  とくいですか?」と質問されたら,あなたなら何と答えるかと問うことで, つい嘘をついたり,大げさな書き方をしてしまったりする場合があることに 気づかせる。

情報社会でのルールや法律の理解・遵守

法の理解と遵守

携帯等特有ネット機器一般

情報収集情報発信

   • 相手によく見られたい。   • 自分をよく見てほしい。

(02) 危険や不適切な情報に出合ったとき 【小学校第3学年の事例:責任ある情報の伝え方を学ぼう】

  は,大人に意見を求め,適切に対応す ◎掲示板やチャットで「わたしは勉強もスポーツもとくいです。あなたは何が

 自分自身が正しく約束を守るなど,安心してコンピュータを使うように配慮 する。

★ネットワーク社会に存在する各種法律は,私たちの個人情報等を守るために

(01) 大人と一緒に使い,不適切な情報に 【小学校第1学年の事例:こまったらひとりでなやまないで!】

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[01] 情報社会の危険か  ら身を守るとともに,  不適切な情報に対応  できる。

[02] 危険を予測し被害

情報社会の危険   を予防するとともに,予測・被害防止   安全に活用する。

・安全活用

安全への知恵

 うなことに気をつければよいか考えさせる。

 では極力使わないようにするなど,マナーとルールを身につける必要がある。

 (予想される児童の反応)   • ゲームができるから楽しい。

★携帯電話を使用する際には,周りの人の迷惑にならないように,乗り物の中

   • 塾の帰りにお家の人に電話して迎えに来てもらうから便利だ。   • 友だちとメールができるから楽しい。

     いです。ごめんね」と断りを入れておく。

   • 携帯電話は便利だけど,気をつけなければいけないことがたくさんあ

 (予想される生徒の反応)   • 氏名・個人写真・住所   • 作品(アイデア)

   • 友だちを傷つけないように,メールを送る時の言葉に気をつけよう。

◎携帯電話に関する事例をもとに,「電話」について話し合わせる。

◎携帯電話を使うときには,どのようなことに気をつければよいかまとめさせ る。

     る。

(03) 予測される危険や不適切な情報を認 【小学校第5学年の事例:携帯電話のマナーとルール】

  識し,対応できる。 ◎携帯電話の長所について考えさせることで,携帯電話を使うときに,どのよ

   • 周りの人の迷惑にならないように,電車やバスの中では使わないよう     にしよう。

 (予想される児童の反応)

 (予想される児童の反応)   • 電車の中では電話がかかってきても,出てはいけない。

   • 乱暴な言葉を使ってメールを送ると,相手を傷つける。

 (予想される児童の反応)

   • 友だちと遊べないときは,素直に「今日は家族と出かけるから遊べな

   • 病院の中では電源を切らなければいけない。◎携帯電話に関する事例をもとに,「メール」について話し合わせる。

◎上記の各項目をインターネット上にすべて公開してもいいかどうか尋ねるこ とで,インターネットに公開しても良い情報と良くない情報が存在すること

   • キャラクター・音楽

(04) 安全性の面から,情報社会の特性を 【中学校第2学年の事例:危険を予測・回避し,情報を安全に活用する】

  理解し,主体的に問題解決を図る方法 ◎みんなの作品を他の人に紹介するとしたら,どのような方法が考えられるか

  を知る。  と尋ねることで,インターネットの便利さに重点をおかせる。◎インターネットはとても便利なのだが,顔写真などが載せられているホーム ページをそのまま使っても大丈夫かどうか尋ねることで,インターネット上 に情報を公開するときのマナーについて考えさせる。◎そもそもホームページにはどのような情報が載せられているか確認させる。

   • 作業風景

   • キャラクター・音楽◎公開してもいい項目については,公開する上でどのようなことに気をつけた

   • 氏名・個人写真・住所

 に気付かせる。 (公開してもいい項目)   • 作品(アイデア)   • 作業風景 (公開したくない項目)

   • 住所や電話番号などの返信先は学校にする。   • 音楽などは,使用していいか確認してから使用する。

 らいいと思うかと尋ねることで,各項目を公開することについて具体的に考 えさせる。 (予想される生徒の反応)

携帯等特有情報発信

コミュニケーション

項目:2-(1)時と場をわきまえて,礼儀正しく真心を

もって接する

項目:4-(1)公徳心をもって

法やきまりを守り,自他の権利を大切にし進んで義務を果たす

ネット機器一般情報収集情報発信

項目:2-(1)礼儀の意義を理解し,

時と場に応じた適切な言動をとる

項目:4-(1)法やきまりの意義を理解し,遵守すると

ともに,自他の権利を重んじ義務を果たして,社会の秩序と規律を高めるように努める

 い。

★インターネットは非常に便利な情報機器ではあるが,インターネット上に公 開してもいい項目と公開するべきではない項目があるため,自分の個人情報 を簡単に公開しないようにし,上手な活用方法で使用していくことが望まし

   • 他者のアイデアを参考にした作品については紹介しない。   • インターネットを上手に活用していきたい。   • 自分の情報を簡単に公開しないように気をつけたい。

   • 顔は分からないようにする。

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[02] 危険を予測し被害  を予防するとともに,  安全に活用する。

[01] 情報を正しく安全  に利用することに努  める。

携帯等特有ネット機器一般

情報発信コミュニケーション

ネット機器一般情報収集情報発信

項目:1-(3)よいことと悪いことの区別をし,よいと思う

ことを進んで行う

情報活用のため予測・被害防止

・安全活用

情報活用の正当性・安全性のための知識・技術の習得

 る。

   • 小学校で

◎名前や住所・電話番号を聞かれたときには,家の人に電話を変わるか,誰も いなければ,「私にはわかりません」と言って断らせる。

(02) 情報には誤ったものもあることに気 【小学校第3学年の事例:携帯電話を使うときは…】

★知らない人に名前や住所・電話番号を教えたりしてはいけないし,もし聞か れても「わからない」と言って断る勇気を持つことが大切である。

(01) 知らない人に,連絡先を教えない。 【小学校第2学年の事例:知らない人には教えちゃダメ!】

◎自分の知らない誰かに,電話番号を知らせてしまって困った事例を考えさせ

★コミュニケーション形態は多様化しており,それぞれに合った情報開示をし なければならないため,情報機器を危険性も考えながら使用することが大切 である。

◎学級で名簿などを配布した時に,何のために配ったかを考えさせる。 (予想される児童の反応)   • みんなの住所や名前・電話番号を知るために配布する。

 せるとともに,インターネット上のコミュニケーションにはどんなものがあ◎なぜ,インターネットよりも紙やメディアの方が信頼性が高いのかを考えさ

 るのかを考えさせる。 (予想される生徒の反応)

◎具体例に挙げたプロフィールから考えられる危険要因と結果(被害)を予測

   • 発信者が違うから,信頼性が高い。   • 責任がかかるから,信頼性が高い。   • 嘘を言うとひどいことになるから,信頼性が高い。

 せる。

(05) 情報社会の特性を意識しながら行動

  し,さまざまな方法で問題解決できる

【高等学校第1学年の事例:情報発信における留意点】◎時代に伴って,さまざまなコミュニケーション手段が発達してきたが,それ らの特徴について考えさせることで,メリットとデメリットについて考えさ  知識と技術を持つ。

   • 友人も写っている     F 友人が被害に遭う

 (予想される生徒の反応)   • 住所や学校名が載っている F 詐欺に遭う

 させる。

   • 顔写真が載っている    F ストーカーされる   • 顔写真が載っている    F いたずらに使われる

   • 病院で   • 映画館で   • 電車の中で

◎友だちの名前や住所・電話番号を知らない人に知らせてはいけないことを確 認させる。

   • 車や自転車の運転中◎町の中で携帯電話が使われている具体的な場面を知る。

   • 歩きながら

  づき, 個人の情報は他人にもらさない。 ◎携帯電話について知っていることを発表させる。

 各場面の携帯電話の使い方について考えさせる。◎今後,自分が携帯電話を使用するときに心がけることを決め,自分ならどの ように対処するのかを考えさせる。

   • レストランで   • 家の中で(2箇所)◎いろいろな場所や場面において,誤った携帯電話の使い方に触れるとともに,

(03) 情報の正確さを判断する方法を知り, 【小学校第5学年の事例:くふうしようかしこい生活】

  自他の個人情報を安易に第三者にもら ◎2つの商品のうち,どちらの商品を買いたいか,クイズ形式で出題し,選ん

  さない。  だ根拠を発表させることで,商品を選ぶときには,様々な視点があることに

★携帯電話を使用する際には,さまざまな場所や場面に応じた正しい使い方を 身につけなければならない。

安全への知恵

携帯等特有 情報収集項目:4-(1)

約束や社会のきまりを守り,公徳心をもつ

その他(情報機器を用いない)

情報収集

項目:1-(3)自由を大切にし,

自律的で責任のある行動をする

 要性を感じさせる。★食品や文房具などを購入する場合には,商品についている表示(情報)をよ く見て購入するなど,情報の正確さを判断する方法を常に考えなければなら ない。

 気づかせる。◎食品や文房具を購入するときに気をつけることを考えさせることで,商品に ついている表示(情報)をよく見て,目的に合ったよい商品を選ぶことの必

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[02] 情報を正しく安全  に活用するための知  識や技術を身につけ  る。

[01] 安全や健康を害す  るような行動を抑制  できる。

自他の安全・健康を害する行動の抑制

安全への知恵

ネット機器一般 情報収集

項目:1-(1)生活習慣の大切さを知り,自分の生活を見直し,節度を守り

節制に心掛ける

(04) 情報の信頼性を吟味し,自他の情報 【中学校第3学年の事例:情報の信頼性を吟味できる】

 させるとともに,情報を選択することの大切さを感じ取らせる。

  の安全な取り扱いに関して,正しい知

 択することで,読者に読みやすくわかりやすい新聞を提供している。

  行動できる。 ◎逆に,「善意を求める」チェーンメールが届いた場合,どのように対処する  り扱いに関して,正しい知識を持って  えさせるとともに,なぜ,そのような対処の仕方をとるのかを説明させる。

★チェーンメールが届いた場合には,危険な情報が含まれているのではないか

◎楽しく・健康にテレビやゲームに向き合うには,どうすればよいか考えさせ

◎「不幸の手紙型」チェーンメールが届いた場合,どのように対処するかを考

(01) 決められた利用の時間や約束を守 【小学校第2学年の事例:テレビやゲームの時間を守ろう】

  る。 ◎事前アンケートの結果を提示し,テレビを利用する時間やゲームをする時間

  識を持って行動できる。

◎最近気になったニュースを出し合い,それは何で見たか尋ねることで,新聞 を活用した身近な話題が存在することに気づかせる。◎2つの写真を見比べることにより,新聞社による情報の伝え方の違いを比較

★情報の伝え方は,新聞社や伝える人によって変わってくるが,情報を取捨選

★新聞だけでなく,メディアのちがいによっては,受け取る印象が大きく変わ

 の状態の変化にも着目させる。 気分に変化が見られたかどうか尋ねることで,体調だけでなく,気分など心

 について考えさせる。◎テレビを遅くまで見ていたり,ゲームを長い時間やっていることで,体調や

 ってくることもある。

(05) 情報の信頼性を吟味し,適切に対応 【高等学校第2学年の事例:チェーンメール,送る? 止める?】

  するとともに,自他の情報の安全な取

◎さらに,楽しく・健康にテレビやゲームと向き合えば,テレビやゲームにつ いての約束を守ることができたり,携帯依存やネット依存などを防止するこ ともできることを理解させる。

 かを考えさせるとともに,なぜ,そのような対処の仕方をとるのかを説明さ せる。

 ることで,適度の休憩が必要なことや,長時間やり過ぎないことなどに気づ かせる。

(02) 健康のために,利用時間を決め,守 【小学校第3学年および第4学年の事例:見つからず】

  る。

★楽しく・健康にテレビやゲームと付き合うことで,テレビやゲームについて 約束事を守ることができ,体調面や身体面にも変化が見られるようになる。

   • ゲームをするときに気を付けていることはどんなことですか?◎教材「にぎりしめたこぶし」を読んで,今まで節度を守れなかったことに, どのようなことがあるか尋ねることで,自己の生活を振り返り,節度ある生

(03) 健康を害するような行動を自制し, 【小学校第5学年の事例:節度を守り,節制しよう】

  人の安全を脅かす行為を行わない。 ◎節度に関する学級のアンケートを提示し,結果を説明していく。   • ゲームをするときの約束はありますか?   • ゲームをし過ぎて,注意されたことはありますか?

★節度を守り,節制に心がけて生活することは,自分自身の生活習慣を正しく 律し,自分の生活を見直すことにもつながる。

 (予想される児童の反応)   • 長時間パソコンで調べ学習を行い,目が疲れてしまった。   • 夜遅くまでゲームをしていて,次の日の授業中眠たくなった。

項目:1-(1)健康や安全に気を付け,物や金銭を大切にし,身のまわりを整え,

わがままをしないで,規則正しい生活をする

項目:4-(1)約束やきまりを守り,みんなが使うものを

大切にする

該当なし 該当なし 項目:該当なし

情報活用の正当性・安全性のための知識・技術の習得

携帯等特有

携帯等特有ネット機器一般

情報発信コミュニケーション

項目:該当なし

 と,じっくりと情報の信頼性を吟味することが必要となってくる。

情報収集

ネット機器一般 コミュニケーション

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[02] 自他の安全や健康  を害するような行動  を抑制できる。

[01] 生活の中で必要と  なる情報セキュリテ  ィの基本を知る。

情報セキュリティ

   • 携帯電話やパソコンを使って,ネットショッピングやチャットをして

   • ルールを守って使いたい。

   • このくらいという甘い気持ちで使わないようにしたい。   • 相手の気持ちを考えて使いたい。

   • 勉強しなくなるから。   • お金がかかるから。

 (予想される生徒の反応)   • 危険に巻き込まれるから。

 ない。

   • 本当に必要になったときに買いたい。

★携帯電話を使用する際に,トラブルに巻き込まれないようにするために,ル ールを守ったり,相手の気持ちを考えて使用したりするなど,自分と情報メ

   • 無駄遣いをしないように気をつけたい。

   • 性情報は,雑誌やネット上の情報だけではなく,学校や病院で的確な

 ついて考えさせる。 (予想される生徒の反応)

 れることなく,自分の考えを持った性行動を行う必要があることに気づかせ

 く,自分自身の考えを持った性行動へとつながることを理解しなければなら

 ディアとの関わり方を意識した使い方ができるようになる必要がある。

   • ネットに書き込み,情報交換ができる。   • インターネットで情報を収集できる。

◎DVD教材「ココロノスキマ」を視聴して,トラブルに巻き込まれないよう にするための自分なりのルールを考えさせる。 (予想される生徒の反応)

     アドバイスを受けることが大切である。

◎家庭での使用ルールを例に,いいことだらけの携帯電話なのに,なぜ,ルー ルが必要なのかを考えさせる。

★正しくて信頼できる性情報を入手することが,周囲の偏見によるものではな

   • 買い物・ゲームができる。

 (予想される生徒の反応)   • いつでも通話ができる。   • メールができる。

(04) 健康面や自他の安全面に配慮した情 【中学校第2学年の事例:ケータイ電話の使い方を考えよう】

  報メディアとの関わり方を意識し,行 ◎携帯電話の所有率や使用目的,県アンケートとの比較を組み入れたアンケー

  動できる。  トの結果を公表し,さまざまな意見を持たせる。 (予想される生徒の反応)

    いる人がいるのがすごい。◎携帯電話のよいところ・便利なところについて考えさせる。

   • 思った以上にみんな使っているので驚いた。   • 持っていないので,持っている人がうらやましい。

◎「みんなはもう経験しているから」などといったさまざまな性情報に左右さ

 る。

 男女の性意識の違いについて考えさせる。

【高等学校第2学年の事例:正しい性情報の入手方法について考える】◎「男女差」と聞いて,どのような差を思い浮かべるだろうかと尋ねることで,

◎性情報の入手方法について考えさせることで,信頼できる性情報とは何かに

(01) 認証の重要性を理解し,正しく利用 【小学校第4学年の事例:自分の身を守ろう!】

  できる。 ◎個人認証の方法として,「アカウント」「ID(暗証番号)」「パスワー ド」「セキュリティ」などがあることを理解し,個人が特定されないように するためには,どうすればよいか考えさせる。 (予想される児童の反応)   • 暗証番号を作成する際には,ランダムな番号を設定しておくのが望ま    しい。   • 電話番号や住所,誕生日,メールアドレスに関連するものは避けたほ    うがいいことに気づかせる。◎ネットワークのセキュリティはどのように確保されているのかを理解するこ

安全への知恵

自他の安全・健康を害する行動の抑制

ネット機器一般 情報収集

携帯等特有情報収集情報発信

コミュニケーション

項目:2-(1)礼儀の意義を理解し,

時と場に応じた適切な言動をとる

項目:4-(1)法やきまりの意義を理解し,遵守すると

ともに,自他の権利を重んじ義務を果たして,社会の秩序と規律を高めるように努める

携帯等特有ネット機器一般

情報収集情報発信

項目:該当なし情報セキュリティ基礎的・基本的な

知識の習得

 とで,ネットワークの不正使用を許してしまうことがどのような影響を与え るのかを考えさせる。★セキュリティを確保する目的は,ネットワークの不正使用を防止するためで あり,そのためには不断の努力が必要であるとともに,パスワードの自己管 理の徹底が必要である。

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[01] 生活の中で必要と  なる情報セキュリテ  ィの基本を知る。

[02] 情報セキュリティ  に関する基礎的・基  本的な知識を身につ  ける。

[03] 情報セキュリティ  の確保のために,対  策・対応がとれる。

ネット機器一般情報収集

コミュニケーション

項目:1-(3)自由を大切にし,

自律的で責任のある行動をする

情報セキュリティ基礎的・基本的な

知識の習得

情報セキュリティ

情報セキュリティ確保のための対策と対応

ネット機器一般 情報発信

項目:2-(1)時と場をわきまえて,礼儀正しく真心を

もって接する

携帯等特有 情報収集

項目:4-(1)法やきまりの意義を理解し,遵守すると

ともに,自他の権利を重んじ義務を果たして,社会の秩序と規律を高めるように努める

携帯等特有 情報収集

★インターネットを利用する際には,それを用いることで可能にできることと ウイルス感染などの問題点の両側面があることを理解する必要がある。

◎擬似ゲームをダウンロードしようとしたときの気持ちは,どのようなものだ ったのか振り返らせることで,ウイルスに感染したときの気持ちを実感させ る。◎ウイルス以外のインターネットでの被害の実態を捉えさせるとともに,イン ターネットを使うときに気をつけることを考えさせる。

  る。 ◎インターネットでできることについて,学習したことを振り返らせるととも に,ウイルス感染の擬似体験をすることができるウェブページを用意し,擬 似ゲームを体験させる。

 切である。

(05) 情報の破壊や流出を防ぐ方法を知 【小学校第5学年の事例:インターネットを利用する際に気をつけること】

 解させる。★携帯電話本体のセキュリティ対策は,携帯会社側が手立てを講じてくれる場 合があるが,万一の場合に備えて保護者に暗証番号を知らせておくことが大

◎携帯電話本体のセキュリティ対策は,普段の利用時の情報の「ロック」と, 盗難・紛失時などのもしもの場合の対応があることを伝えるとともに,緊急 時などに備えて,保護者が暗証番号を知っておくことが必要であることを理

 を確認させることで,もし万が一,携帯電話を置き忘れたり,落としたとき に,どのような状況になるかを考えさせるとともに,携帯電話の重要情報と して個人情報が含まれていることに気づかせる。

 合があるが,万一の場合に備えて保護者に暗証番号を知らせておくことが大 切である。

(04) 情報セキュリティに関する基本的な 【高等学校全学年共通の事例:携帯電話のセキュリティ】  知識を身につけ, 適切な行動ができる。 ◎携帯電話にどのようなデータが保存されているか,また何が大切なデータか

 時などに備えて,保護者が暗証番号を知っておくことが必要であることを理 解させる。★携帯電話本体のセキュリティ対策は,携帯会社側が手立てを講じてくれる場

 して個人情報が含まれていることに気づかせる。◎携帯電話本体のセキュリティ対策は,普段の利用時の情報の「ロック」と, 盗難・紛失時などのもしもの場合の対応があることを伝えるとともに,緊急

  身につける。 ◎携帯電話にどのようなデータが保存されているか,また何が大切なデータか を確認させることで,もし万が一,携帯電話を置き忘れたり,落としたとき に,どのような状況になるかを考えさせるとともに,携帯電話の重要情報と

 (予想される児童の反応)

   • 普段の生活と同じように, 自分のものを大切にしたり, 他人のもの

   • パスワードが他人に知られたら大変なことになる。   • パスワードの作り方やチェックも大切だ。

   • 親だけにパスワードを教える。

 (予想される児童の反応) ドを守るために必要なことを考えさせる。

★パスワードを守るために必要なことは,インターネットでウイルスチェック をこまめにしたり,パスワードそのものを適宜変更することであり,日常生 活と同様に,自分のことは自分で守るという意識をもたなければならない。

   • インターネットでウイルスチェックなどを確実にする。   • パスワードを時々変更する。

◎日常の生活と照らし合わせることにより,パスワードを守るために必要なこ

◎パスワードの作り方のよい例と悪い例を提示することで,具体的にパスワー

  うに利用できる。 するとともに,それを守るためには,どのような工夫をすればいいのか考え

 とをより具現化させる。

(03) 情報セキュリティの基礎的な知識を 【中学校全学年共通の事例:携帯電話のセキュリティ】

   • 親友でもパスワードは教えないようにする。

     を勝手に使ったりしないことが大切だと思う。

(02) 不正使用や不正アクセスされないよ 【小学校第5学年の事例:他人になりすまして…】

 させる。

◎パスワードの定義や働きを理解させることで,パスワードの大切さを再認識

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[03] 情報セキュリティ  の確保のために,対  策・対応がとれる。

情報セキュリティ

[01] 情報社会の一員と  して,公共的な意識  を持つ。

携帯等特有ネット機器一般

情報収集情報発信

項目:2-(2)だれに対しても

思いやりの心をもち,相手の立場に立って

親切にする

ネット機器一般情報収集情報発信

項目:2-(2)相手のことを思いやり,

進んで親切にする

情報セキュリティ確保のための対策と対応

公共的なネットワーク社会の構築

情報社会の一員としての公共的な意識と適切な

判断・行動

【高等学校第1学年の事例:フィルタリング解除にNO!】

 で,情報収集には非常に有益ではあるが,その反面,悪質なサイトにつなが★フィルタリングは,解除することでさまざまなサイトにつながったりするの

   • フィルタリングの必要性を強く感じ,今後も解除しないと思う。

   • 傍観者(3人)

携帯等特有ネット機器一般

◎資料「ネット社会の歩き方」を読んで,不正アクセスの実態とそれから身を

(06) 基礎的なセキュリティ対策が立てら  れる。

【中学校第3学年の事例:不正アクセスから身を守る】◎不正アクセスの種類にはどのようなものがあるかを知ることで,自分たちの 身近にも存在するものであることを理解させる。

◎友人から「フィルタリングを外さないか」と誘われたとき,その誘惑を回避

   • フィルタリングを解除すると,さまざまな問題点が出てくるため,安

   • IDやパスワードを他人にわかりにくいものにする。

 する方法を理解することができたかどうか尋ねることで,フィルタリングの 必要性を再認識させる。 (予想されるの生徒の反応)

   • フィルタリングの解除を誘われる子(1人)・誘う子(2人)

     易に解除してはならないと思う。

◎フィルタリングの必要性についてさらに理解させるために,グループ内で,

★不正アクセスには,盗聴や改竄・なりすまし・破壊・不正プログラムなどの

◎フィルタリングのメリットとデメリットを考えたり,フィルタリングの基礎

携帯等特有ネット機器一般

情報収集

項目:4-(1)法やきまりの意義を理解し,遵守すると

ともに,自他の権利を重んじ義務を果たして,社会の秩序と規律を高めるように努める

 させる。 次の3パターンに分かれ,役割交代をしながら,それぞれのパターンを体感

  緊急対応・事後対策ができる。 知識を確認させることで,フィルタリングの必要性について理解させる。

 守るために必要なことは何かを考えさせる。 (予想されるの生徒の反応)   • 他人にIDやパスワードなどを見られないようにする。

 埋め込みが挙げられるが,これから身を守るためには,IDやパスワードと いった個人情報を他人に知らされないように留意しなければならない。

(07) 情報セキュリティに関し,事前対策・

 一人ひとりに,苦労して作品を作り上げた時の喜びがあることを感じさせる。

◎映像「ちてきしょゆうけん・せいかつバージョン」を視聴して,たとえ悪気 がなかったとしても,人を傷つける場合があることに気づかせたり,作品を

(01) 協力し合ってネットワークを使う。 【小学校第3学年の事例:他人の作品を大切にしよう!】◎図工の時間に,頑張って作品を作りあげたときの気持ちを想起させることで,

 が望ましい。 り,さまざまな被害を被ることがあるため,フィルタリングを設定すること

情報収集

 ワークの向こう側にも人が存在していることに気づかせるとともに,基本的 には日常生活の考え方と同じであることに気づかせる。★他人の作品を使用する際には,その作品を製作した人々の思いや気持ちを大

 作った人の気持ちを大切にし,人の作品を使用するためには許可がいること に気づかせる。◎映像「ちてきしょゆうけん・コンピュータバージョン」を視聴して,ネット

(02) ネットワークは共用のものであると 【小学校第5学年の事例:正しく「情報」をあつかおう】  いう意識を持って使う。 ◎事前に実施するアンケート調査から,人の作品や写真,知られたくないこと

 などは「情報」であることや,その扱いによっては人を傷つけてしまうこと,

 切にするとともに,人を傷つけないようにするために,必ず許可をとらなけ ればならない。

   • 情報を掲載するときは,本人に確認をする。   • 友達の写真や作品などを,勝手に学級の新聞などの大勢の人が目にす     るものに載せない。

 知らないうちにやってしまっていることがあることに気づかせる。◎情報には必ずそれに関わる人がいて,情報を大切にすることは人を大切にす ること,そのために,これらの権利があることを捉えさせる。◎日々の生活の中での問題点や原因,気を付けるべきことなどについて話し合 うことで,それを自分自身の問題点として捉えさせる。 (予想される児童の反応)

 保障することにもつながると同時に,ネットワークは共用のものであるとい う認識をもって使用することが望まれる。

   • 人の作品を見るときは作品をいためないように,大事に見る。◎情報を正しく扱うためのめあて(気を付けること)を具体的に考えさせる。★情報を大切にすることは,人々を大切にすることにつながり,人々の権利を

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[02] 情報社会の一員と  して,公共的な意識  を持ち,適切な判断  や行動ができる。

公共的なネットワーク社会の構築

情報社会の一員としての公共的な意識と適切な

判断・行動

携帯等特有ネット機器一般

情報収集情報発信

ネット機器一般情報収集情報発信

項目:2-(1)礼儀の意義を理解し,

時と場に応じた適切な言動をとる

項目:4-(1)法やきまりの意義を理解し,遵守すると

ともに,自他の権利を重んじ義務を果たして,社会の秩序と規律を高めるように努める

 に,情報の正当性や判断能力・責任能力が伴われることも理解していなけれ ばならない。

   • 真に必要な情報を見つけ,正しい情報と判断できる能力を身につける。   • 自分がされて嫌なことは、相手にしない思いやりの心を忘れない。★あらゆる制約から解放されているというメール本来の性質を理解するととも

   • 各種ウェブサイトやブログにつながってしまう。◎情報社会の一員として自覚しなければいけないことを考えさせる。 (予想される生徒の反応)

 (予想される生徒の反応)   • 通話やメールができたり,カメラ機能やワンセグ機能が使える。   • 誹謗中傷のメールやチェーンメールが届いてしまう。

 いうメール本来の性質を理解する。◎携帯電話を長時間使用することが,ケータイ依存や健康に悪影響を与えるこ とを理解させるとともに,携帯電話のメリットとデメリットを考えさせる。

 が挙げられるか考えさせる。

 (予想される生徒の反応)

 ターネットを安全に使用する方略を考える必要がある。

(04) ネットワークの公共性を維持するた 【高等学校全学年共通の事例:ネットワークの公共性】

   • お金がかかるサイトを見てしまう。

   • 正しい情報か・うその情報かをきちんと判断する。

◎いろいろなホームページを見ることができる便利さによって生じるトラブル

(03) ネットワークの公共性を意識して行 【中学校全学年共通の事例:情報の信頼性と有害情報】

 (予想される生徒の反応)

◎簡単に情報が発信できる便利さによって生じるトラブルにはどのようなもの

   • 自分や友達の秘密などがいろいろな人に知られてしまう。

   • 夢中になってしまって,インターネットをやめられなくなる。

   • うその情報を信じてしまう。

   • 見なくてもいいサイトや画像を簡単に見ることができてしまう。   • うその情報を信じてしまう。   • お金をだまし取られてしまう。

   • 有害なサイトは見ない。

   • メールや掲示板で交流ができる。

  めに,主体的に行動する。 ◎携帯電話の利用の実態を考えさせることで,「時と場所,相手の状態などの

 によって生じるトラブルは非常に多く,情報の正当性を見極めるなど,イン

   • 個人の秘密に関する情報は流さない。★さまざまなホームページを見れたり,簡単に情報が発信できたりする便利さ

◎インターネットを安全に使用するために必要なことを考えさせる。

 (予想される生徒の反応)

 にはどのようなものが挙げられるか考えさせる。

 制約を受けない」「時間的な拘束から解放される」「文字だけでなく,画像 や音楽なども送ることができる」「一度に複数の人に送ることができる」と

  動する。 ◎インターネットでできることを確認させることで,携帯電話の先には,広大

 (予想される生徒の反応)   • いろいろなホームページを見ることができる。

 なインターネットの世界が広がっていることを認識させる。

   • 簡単に情報を発信できる。

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A,発信する情報や情報社会での行動に責任を持つ。 2010 年 6 月。週刊誌の人気漫画を YouTube に無断でアップロードしていた中学生を逮捕。 情報機器の種類 ネット機器一般 情報機器活用の目的 情報発信 道徳の内容 公徳心を持って法やきまりを守り、自他の権利を大切にし、進んで義務を果た

す。 B,情報に関する自分や他者の権利を尊重する。 2011 年 11 月。電車の社内にいたほかの乗客を盗撮し、Twitter にその画像とコメントを投

稿し問題となる事件が相次ぐ。 情報機器の種類 携帯等特有 情報機器活用の目的 情報発信 道徳の内容 公徳心を持って法やきまりを守り、自他の権利を大切にし、進んで義務を果た

す。 C,情報社会でのルール・マナーを遵守できる。 インターネットオークションで買った雑誌に載っていた方法で偽札を作る。作り方、仕組み

はネット上でも公開された。 情報機器の種類 ネット機器一般 情報機器活用の目的 情報収集 道徳の内容 公徳心を持って法やきまりを守り、自他の権利を大切にし、進んで義務を果た

す。 D,情報社会の危険から身を守ることとともに、不適切な情報に対応できる。 アダルトサイトなどをみて興奮したうえでのいたずら、犯罪が増えている。 児童ポルノサイトは世界中で拡大してきて問題となっている。 情報機器の種類 ネット機器一般 情報機器活用の目的 情報収集 道徳の内容 生命がかけがえのないものであることを知り、自他の生命を尊重する。 E,情報を正しく安全に利用することに努める。 中学二年生が教師のパソコンにアクセスし、220 人分の成績、住所録などのデータを取り込

みホームページに掲載。 情報機器の種類 ネット機器一般 情報機器活用の目的 情報収集、情報発信 道徳の内容 公徳心を持って法やきまりを守り、自他の権利を大切にし、進んで義務を果た

す。 F,安全や健康を害するような行動を抑制できる。 ネットゲームにはまった男子が 86 時間続けた結果死亡。 情報機器の種類 ネット機器一般

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情報機器活用の目的 コミュニケーション 道徳の内容 生命がかけがえのないものであることを知り、自他の生命を尊重する。 G,生活の中で必要となる情報セキュリティの基本を知る。 スマートフォンの情報モラル。 H,情報セキュリティの基本を知る。 2014 年 7 月ある教育関係企業の顧客の個人情報が漏洩。情報セキュリティは決して万全で

はない。 情報機器の種類 ネット機器一般 情報機器活用の目的 情報収集、情報発信 道徳の内容 公徳心を持って法やきまりを守り、自他の権利を大切にし、進んで義務を果た

す。 I,情報社会の一員として、公共的な意識を持つ。 上記の事例や注意点から、自分自身と照らし合わせ情報モラルについて考えることが重要。 まとめ 文部科学省やその他のサイトなどを調べると予想以上に小学生や中学生が関係している情

報モラルに関する事件があった。小学生のときに、正しい指導を受けることができなければ

中学生になっても正しい知識はつけられず、そのまま大人になっていってしまうという人

も多くいるのかもしれない。このような人が増えることで情報モラルを無視して事件が多

発すると考える。このような事件を減らすためにもこの講義で情報モラル(小学生中心)につ

いて正しく学び、将来自分が現場へ出たときに児童、生徒に正しい指導をしたいと思った。

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A1~A3 メールやブログで発言する場合ネチケットをわきまえず、匿名だからと言ってほかの人に

見られて、ほかの人を不快にする「馬鹿、阿保、死ね」などの発言をする。 情報機器の種類:携帯等特有 情報機器活用の目的:情報発信、コミュニケーション 道徳の内容:気持ちのよいあいさつ、言葉遣い、動作などに心掛けて、明るく接する。約束

や決まりを守り、みんなが使うものを大切にする。過ちは素直に改め、正直に明るい心で元

気よく生活する。礼儀の大切さを知り、誰に対しても真心をもって接する。約束や社会の決

まりを守り、公徳心をもつ。時と場合をわきまえて、礼儀正しく真心を持って接する。謙虚

な心をもち、広い心で自分と異なる意見や立場を大切にする。誰に対しても差別することや

偏見を持つことなく公正、公平にし、正義の実現に努める。自律の精神を重んじ、自主的に

考え、誠実に実行してその結果に責任をもつ。礼儀の意義を理解し、時と場に応じた適切な

言動をとる。それぞれの個性や立場を尊重し、いろいろなものの見方や考え方があることを

理解して、寛容の心をもち謙虚に他に学ぶ。正義を重んじ、だれに対しても公正、公平にし、

差別や偏見のない社会の実現に努める。 A4~A5 ウィキペディアやブログサイトなどに書き込む、また自分でウェブサイトを作る場合にネ

チケットをわきまえず、プライバシーにかかわることなどを全く理解しておらず、他人のプ

ライバシーを侵害する行為をする。例えば、知らない人の写真を勝手に利用し記事を書く。 B ソーシャルメディアを活用する場合に、自分の発言に責任を持たず、相手の権利を尊重せず、

他人の悪口などを容易に発言する。個人を特定できる形で twitter やブログに悪口を書く。 情報機器の種類:携帯等特有 情報機器活用の目的:情報発信 道徳の内容:うそをついたりごまかしをしたりしないで、素直に伸び伸びと生活をする。約

束やきまりを守り、みんなが使うものを大切にする。過ちは素直に改め、正直に明るい心で

元気よく生活する。礼儀の大切さを知り、だれに対しても真心をもって接する。相手のこと

を思いやり、進んで親切にする。約束や社会のきまりを守り、公徳心をもつ。時と場をわき

まえて、礼儀正しく真心をもって接する。だれに対しても思いやりの心をもち、相手の立場

に立って親切にする。謙虚な心をもち、広い心で自分と異なる意見や立場を大切にする。公

徳心をもって法やきまりを守り、自他の権利を大切にし、進んで義務を果たす。自律の精神

を重んじ、自主的に考え、誠実に実行してその結果に責任をもつ。礼儀の意義を理解し、時

と場に応じた適切な言動をとる。温かい人間愛の精神を深め、他の人々に対し思いやりの心

をもつ。それぞれの個性や立場を尊重し、いろいろなものの見方や考え方があることを理解

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して、寛容の心をもち謙虚に他に学ぶ。法やきまりの意義を理解し、遵守するとともに、自

他の権利を重んじ義務を確実に果たして、社会の秩序と規律を高めるように努める。正義を

重んじ、だれに対しても公正、公平にし、差別や偏見のない社会の実現に努める。自己が属

する様々な集団の意義についての理解を深め、役割と責任を自覚し集団生活の向上に努め

る。 C2~C3 Twitter などのソーシャルメディアでネチケットを守らず、責任をもてる発言かどうかを考

えず発言する。 情報機器の種類:携帯等特有 情報機器活用の目的:情報発信 道徳の内容:よいことと悪いことの区別をし、よいと思うことを進んで行う。うそをついた

りごまかしをしたりしないで、素直に伸び伸びと生活をする。約束やきまりを守り、みんな

が使うものを大切にする。正しいと判断したことは、勇気をもって行う。過ちは素直に改め、

正直に明るい心で元気よく生活する。礼儀の大切さを知り、だれに対しても真心をもって接

する。約束や社会のきまりを守り、公徳心をもつ。自由を大切にし、自律的で責任のある行

動をする。誠実に、明るい心で楽しく生活する。時と場をわきまえて、礼儀正しく真心をも

って接する。謙虚な心をもち、広い心で自分と異なる意見や立場を大切にする。公徳心をも

って法やきまりを守り、自他の権利を大切にし、進んで義務を果たす。身近な集団に進んで

参加し、自分の役割を自覚し、協力して主体的に責任を果たす。自律の精神を重んじ、自主

的に考え、誠実に実行してその結果に責任をもつ。礼儀の意義を理解し、時と場に応じた適

切な言動をとる。それぞれの個性や立場を尊重し、いろいろなものの見方や考え方があるこ

とを理解して、寛容の心をもち謙虚に他に学ぶ。法やきまりの意義を理解し、遵守するとと

もに、自他の権利を重んじ義務を確実に果たして、社会の秩序と規律を高めるように努める。 C4~C5 ネット上での個人個人の権利を尊重せず、権利にかかわる法律を理解しておらず、法律に配

慮した行動をとらない。 D1~D3 ネット上には不適切な情報も多くあるが、情報を取捨選択する必要があるにもかかわらず、

すべての情報を正しいと考えてしまう。 情報機器の種類:ネット機器一般 情報機器活用の目的:情報収集 道徳の内容:よいことと悪いことの区別をし、よいと思うことを進んで行う。うそをついた

りごまかしをしたりしないで、素直に伸び伸びと生活をする。礼儀の大切さを知り、だれに

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対しても真心をもって接する。約束や社会のきまりを守り、公徳心をもつ。自由を大切にし、

自律的で責任のある行動をする。公徳心をもって法やきまりを守り、自他の権利を大切にし、

進んで義務を果たす。身近な集団に進んで参加し、自分の役割を自覚し、協力して主体的に

責任を果たす。自律の精神を重んじ、自主的に考え、誠実に実行してその結果に責任をもつ。

法やきまりの意義を理解し、遵守するとともに、自他の権利を重んじ義務を確実に果たして、

社会の秩序と規律を高めるように努める。 D4~D5 ネット上はウィルスなどの害であふれているため、危険なサイトには入らないように注意

する必要があるが、危険を考えずサイトに入る。そして、パソコンが乗っ取られてしまい個

人情報が漏えいしてしまう。 E1~E3 Twitter などの誤った情報を正しい情報だと判断し、あたかもそれが正しいかのように解釈

したものを他人に話してしまう。 情報機器の種類:ネット機器一般 情報機器活用の目的:情報収集 道徳の内容:よいことと悪いことの区別をし、よいと思うことを進んで行う。うそをついた

りごまかしをしたりしないで、素直に伸び伸びと生活をする。礼儀の大切さを知り、だれに

対しても真心をもって接する。約束や社会のきまりを守り、公徳心をもつ。自由を大切にし、

自律的で責任のある行動をする。公徳心をもって法やきまりを守り、自他の権利を大切にし、

進んで義務を果たす。身近な集団に進んで参加し、自分の役割を自覚し、協力して主体的に

責任を果たす。自律の精神を重んじ、自主的に考え、誠実に実行してその結果に責任をもつ。

法やきまりの意義を理解し、遵守するとともに、自他の権利を重んじ義務を確実に果たして、

社会の秩序と規律を高めるように努める。 E4~E5 Twitter などで流れてきた誤った情報を正しいかどうかをニュースなどで確認せず、それを

利用して授業に活用してしまう。 F ネットゲームなどのプレイのため休憩を挟まずパソコンの長時間利用をし、体調を崩して

しまう。また、パソコンから発せられるブルーライトのためすぐに眠ることができなくなり、

睡眠時間が減ってしまい、授業で寝てしまう。 情報機器の種類:ネット機器一般 情報機器活用の目的:コミュニケーション

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道徳の内容:健康や安全に気を付け、物や金銭を大切にし、身の回りを整え、わがままをし

ないで、規則正しい生活をする。気持ちのよいあいさつ、言葉遣い、動作などに心掛けて、

明るく接する。生きることを喜び、生命を大切にする心をもつ。約束やきまりを守り、みん

なが使うものを大切にする。約束や社会のきまりを守り、公徳心をもつ。生活習慣の大切さ

を知り、自分の生活を見直し、節度を守り節制に心掛ける。生命がかけがえのないものであ

ることを知り、自他の生命を尊重する。望ましい生活習慣を身に付け、心身の健康の増進を

図り、節度を守り節制に心掛け調和のある生活をする。生命の尊さを理解し、かけがえのな

い自他の生命を尊重する。 G2~G3 自分たちのプライバシーを守らなければならないのに、メールアドレスやネットで利用す

るニックネーム等で個人を特定できる形のものを使用している。友人のフルネームを利用

してネットゲームやチャットを利用する。 情報機器の種類:ネット機器一般 情報機器活用の目的:情報発信、コミュニケーション 道徳の内容:友達と仲よくし、助け合う。友達と互いに理解し、信頼し、助け合う。互いに

信頼し、学び合って友情を深め、男女仲よく協力し助け合う。友情の尊さを理解して心から

信頼できる友達をもち、互いに励まし合い、高め合う。温かい人間愛の精神を深め、他の人々

に対し思いやりの心をもつ。よいことと悪いことの区別をし、よいと思うことを進んで行う。

うそをついたりごまかしをしたりしないで、素直に伸び伸びと生活をする。約束やきまりを

守り、みんなが使うものを大切にする。だれに対しても真心をもって接する。約束や社会の

きまりを守り、公徳心をもつ。自由を大切にし、自律的で責任のある行動をする。礼儀の意

義を理解し、時と場に応じた適切な言動をとる。それぞれの個性や立場を尊重し、いろいろ

なものの見方や考え方があることを理解して、寛容の心をもち謙虚に他に学ぶ。法やきまり

の意義を理解し、遵守するとともに、自他の権利を重んじ義務を確実に果たして、社会の秩

序と規律を高めるように努める。 G4~G5 ネットの素性もわからない人間と物の取引をするために住所を教えたり、どこかで待ち合

わせをするための約束を取り付けたりする。 H ウィルスバスターやノートン、ファイアウォールなどのセキュリティ対策ソフトを利用せ

ず、セキュリティ確保のための対応が不十分なままインターネットを利用する。 情報機器の種類:ネット機器一般 情報機器活用の目的:情報収集、情報発信

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道徳の内容:生きることを喜び、生命を大切にする心をもつ。約束やきまりを守り、みんな

が使うものを大切にする。約束や社会のきまりを守り、公徳心をもつ。自由を大切にし、自

律的で責任のある行動をする。公徳心をもって法やきまりを守り、自他の権利を大切にし、

進んで義務を果たす。自律の精神を重んじ、自主的に考え、誠実に実行してその結果に責任

をもつ。 I 他人から見られて恥ずかしい発言をする。または、まるで頭がおかしいかのような行動をと

る。チャットや知恵袋で全く関係のない下ネタやわけのわからない擬音を書き込んだりし、

他人の迷惑になる行為をする。 情報機器の種類:ネット機器一般 情報機器活用の目的:情報発信、コミュニケーション 道徳の内容:生きることを喜び、生命を大切にする心をもつ。約束やきまりを守り、みんな

が使うものを大切にする。自分の特徴に気付き、よい所を伸ばす。約束や社会のきまりを守

り、公徳心をもつ。自由を大切にし、自律的で責任のある行動をする。だれに対しても思い

やりの心をもち、相手の立場に立って親切にする。公徳心をもって法やきまりを守り、自他

の権利を大切にし、進んで義務を果たす。温かい人間愛の精神を深め、他の人々に対し思い

やりの心をもつ。法やきまりの意義を理解し、遵守するとともに、自他の権利を重んじ義務

を確実に果たして、社会の秩序と規律を高めるように努める。

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1. 情報社会の倫理

a. ネット上にウソの情報を書き込んだり、誹謗中傷したり、人の個人情報を勝手に書き

込んだりしてはならない。いたずらで子供たちがそういった行為をしないように一度

書き込んだ情報は拡散し、二度と削除することができない場合もあることをしっかり

と教える必要がある。 情報機器 ネット機器一般 情報機器活用の目的 情報発信 コミュニケーション 道徳の内容 うそをついたりごまかしをしたりしないで、素直に伸び伸びと生活をする。 だれに対しても思いやりの心を持ち、相手の立場に立って親切にする。

b. ブログや SNS に勝手に人の写真や作品を勝手にアップしたりしてはいけない。一度ネ

ットにあげた写真は誰が保存しているかもわからないし、勝手に拡散されてしまうこ

ともある。 映画館の宣伝で流れているように映画や音楽を違法にアップロードしたり、ダウンロ

ードしてはいけない。Youtube に週刊少年ジャンプの漫画を無断でアップしていた中

学生が逮捕されたこともある。著作権の存在を知っておくだけでもこのような問題は

いくらか解決できる。 情報機器 ネット機器一般 情報機器活用の目的 情報発信 道徳の内容 よいこととわるいことの区別をし、よいと思うことを進んで行う。 法や決まりの意義を理解し、遵守するとともに、自他の権利を重んじ義務を確実に果

たして、社会の秩序と規律を高めるように努める。

2.法の理解と遵守 c.ネット上ではお互いに顔が見えないために、チャットや、掲示板などで誹謗中傷が起こ

りやすい。防ぎようがないことではあるが、一人一人が思いやりを持つことが大切であ

る。 個人情報をネット上にさらしたり、サイトに入力してしまうことで迷惑メールが届いた

り、架空請求されたりするので、むやみに個人情報をネットにさらしてはならない。ケー

タイを持ち始める中学生、高校生にはしっかりと教える必要がある。 情報機器 ネット機器一般 情報機器活用の目的 情報発信 コミュニケーション 道徳の内容

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だれに対しても思いやりの心を持ち、相手の立場に立って親切にする。 公徳心を持って法やきまりを守り、自他の権利を大切にし進んで義務を果たす。 約束や社会の決まりを守り、公徳心を持つ。 3.安全への知恵 d. ネットオークションやネットショッピングでは実際に注文した商品と異なる商品

が届くことがあるので、小学生などに1人にネットで買い物させるのは危険であり、その

ため親と一緒に利用するのが良い。実際に経験したことがあるが、いろいろと手続きをし

なくてはならず、親の力がなければ大変だったと思う。 情報機器 ネット一般 情報機器活用の目的 情報収集 道徳の内容 自分でできることは自分でやり、よく考えて行動し、節度のある生活をする。 . e.ウィキペディアは誰でも編集することができるサイトなので、間違った情報もたくさん

存在している。そのため、すべてを鵜呑みにしてはならない。例えば、小学校、中学校、

高校でパソコンを使った調べ学習があったが、ウィキペディアは使用禁止だった。 情報機器 ネット機器一般 情報機器活用の目的 情報収集 道徳の内容 よいこととわるいことの区別をし、よいと思うことを進んで行う。 f.ケータイ電話やスマートフォン、パソコンの使用時間を子供の年齢によって親が制限す

る。私の小学校の時の友達の家では、ゲームやパソコンは一日一時間と決められていた。

そうすることで、外で遊ぶ時間も増え、いろんな人とふれあって、社会的な能力が培われ

ることもある。 情報機器 携帯等特有 情報機器活用の目的 情報収集 情報発信 コミュニケーション 道徳の内容 美しいものにふれ、すがすがしい心を持つ。 4.情報セキュリティー g.パスワードは誰にも教えてはならないし、すぐにばれるようなものに設定してはいけな

い。小学校の時、友達同士でパソコンのゲームの自分のパスワードを教えあったりしてい

たが、その情報がどこから漏れるかわからないのでたとえ信頼できる友達同士であっても

教えあうべきではない。 情報機器 ネット機器一般

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情報機器活用の目的 情報収集 情報発信 道徳の内容 友達と互いに理解し、信頼し、助け合う h.コンピュータウイルスの存在を知り、危険なサイトにはアクセスしないようにする必要

がある。中学生頃からは動画サイトなどを利用するようになるが、海外の動画サイトなど

にはウイルスが入っている可能性があるので注意しなければならない。 情報機器 ネット機器一般 情報機器活用の目的 情報収集 道徳の内容 よいこととわるいことの区別をし、よいと思うことを進んで行う。 5.公共的なネットワーク社会の構築 i.ネットワークは公共のものなので間違った情報を書き込んだり、人を傷付けるようなこ

とを書いてはいけない。小学校から高校まで、学校裏サイトや掲示板などで生徒同士が悪

口を書き込んでいじめたりなどの事件は後を絶たない。解決するのは難しいことだが、ネ

ットの正しい使い方を教えることが解決へ第一歩だと思われる。 情報機器 ネット機器一般 情報機器活用の目的 情報収集 情報発信 コミュニケーション 道徳の内容 よいこととわるいことの区別をし、よいと思うことを進んで行う。 約束や決まりを守り、みんながつかうものを大切にする。 うそをついたりごまかしをしたりしないで、素直に伸び伸びと生活をする。 だれに対しても思いやりの心を持ち、相手の立場に立って親切にする。 公徳心を持って法やきまりを守り、自他の権利を大切にし進んで義務を果たす。

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a~i は大目標 ⇔の後に反例を示す a 発信する情報や情報社会での行動に責任を持つ ⇔他人の悪口や批判をネット上に書き込む ⇔友達の個人情報をネットに書き込む b 情報に関する自分や他者の権利を尊重する ⇔他人の悪口や批判をネット上に書き込む ⇔友達の個人情報をネットに書き込む ⇔自分の経歴や個人情報を簡単にネットに公開する c 情報社会でのルール・マナーを遵守できる ⇔動画や画像を違法なダウンロードだと知っておきながらダウンロードする ⇔月額のアプリをダウンロードしておいてその契約を無視する d 情報社会の危険から身を守るとともに、不適切な情報に対応できる ⇔契約したつもりのないサイトからお金の請求がきてその情報を信じてそのお金を払う ⇔成人向けのサイトと知っておきながら閲覧する e 情報を正しく安全に利用することに努める ⇔ネット上のサイトにかいてある情報を簡単に信じてすべてが正しいと思いこむ ⇔ネット上の情報を大学の課題レポートに引用する f 安全や健康を害するような行動を抑制できる ⇔ネットの情報を簡単に信じて健康に良いのか分からないサプリメントを服用する g 生活の中で必要となる情報セキュリティの基本を知る ⇔誰でも自分の PC やスマートフォンを閲覧できるようにする ⇔自分の経歴や個人情報を簡単にネットに公開する h 情報セキュリティの確保のために、対策・対応がとれる ⇔誰でも自分の PC やスマートフォンを閲覧できるようにする i 情報社会の一員として、公共的な意識を持つ ⇔他人の悪口や批判をネット上に書き込む ⇔友達の個人情報をネットに書き込む

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小学校における情報モラル教育 事例 【大目標】 a:発信する情報や情報社会での行動に責任を持つ b:情報に関する自分や他者の権利を尊重する c:情報社会でのルール・マナーを遵守できる d:情報社会の危険から身を守るとともに、不適切な情報に対応できる e:情報を正しく安全に利用することに努める f:安全や健康を害するような行動を抑制できる g:生活の中で必要となる情報セキュリティの基本を知る h:情報セキュリティの確保のために、対策・対応がとれる i:情報社会の一員として、公共的な意識を持つ 【反する事例】 a 自分の軽はずみな発言をきっかけにいじめが始まってしまう 情報機器の種類-ネット機器一般 情報機器活用の目的-情報発信、コミュニケーショ

ン 道徳の内容-正しいと判断したことは勇気を持って行う b:友達の作った図画工作の作品を自分の作品として SNS にのせる 情報機器の種類-携帯等特有 情報機器活用の目的-情報発信 道徳の内容-よいことと悪いことを区別し、よいと思うことを進んで行う ab:友達から聞いた芸能人の目撃情報をツイッターでつぶやく 情報機器の種類-携帯等特有 情報機器活用の目的-情報発信、コミュニケーション 道徳の内容-よいことと悪いことを区別し、よいと思うことを進んで行う c:YouTube のおもしろくなかった動画のコメント欄に悪口を書く 情報機器の種類-ネット機器一般 情報機器活用の目的-情報発信 道徳の内容-よいことと悪いことを区別し、よいと思うことを進んで行う d:インターネットのページから誤って有料サイトにいってしまい、多額の入会金を請求され

る 情報機器の種類-ネット機器一般 情報機器活用の目的-情報収集 道徳の内容-よいことと悪いことを区別し、よいと思うことを進んで行う d:危険や不適切な情報に出会ったときは,まわりに頼らず自分で解決しようとする 情報機器の種類-ネット機器一般 情報機器活用の目的-情報収集、情報発信 道徳の内容-ともだちとなかよくし、助け合う d:架空・不正請求など不当な請求にうまく対処できない 情報機器の種類-ネット機器一般 情報機器活用の目的-情報収集

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道徳の内容-なし? d:インターネットの特定のページに書かれていたことをすべてうのみにする 情報機器の種類-ネット機器一般 情報機器活用の目的-情報収集 道徳の内容-なし? f:健康のための利用時間などを定めない 情報機器の種類-ネット機器一般 情報機器活用の目的-情報収集、情報発信、コミュニケ

ーション 道徳の内容-生活習慣の大切さを知り、自分の生活を見直し、節度を守り、節制に心掛ける。 f:夜中までインターネットを使ってしまう 情報機器の種類-ネット機器一般 情報機器活用の目的-情報収集、情報発信、コミュニケ

ーション 道徳の内容-生活習慣の大切さを知り、自分の生活を見直し、節度を守り、節制に心掛ける。 df:自分の好きなワードを検索し出てきた検索結果を躊躇せずにすべてアクセスする 情報機器の種類-ネット機器一般 情報機器活用の目的-情報収集 道徳の内容-正しいと判断したことは勇気を持って行う g:小学生でまだ携帯電話を持っていないので知識のないまま親の携帯電話を勝手に使い、イ

ンターネットにアクセスする 情報機器の種類-携帯等特有 情報機器活用の目的-情報収集、情報発信、コミュニケーシ

ョン 道徳の内容―よいことと悪いことを区別し、よいと思うことを進んで行う h:フィルタリングがかかっていないためアダルトサイトを閲覧してしまう 情報機器の種類-ネット機器一般 情報機器活用の目的-情報収集 道徳の内容―よいことと悪いことを区別し、よいと思うことを進んで行う i:みんなのことを考えて公共物やコンピュ-タ室を使わない 情報機器の種類-ネット機器一般 情報機器活用の目的-情報発信、情報収集 道徳の内容―約束やきまりを守り、みんなが使うものを大切にする i:校内 LAN の環境,機器類を自分勝手に使う 情報機器の種類-ネット機器一般 情報機器活用の目的-情報収集、情報発信、コミュニケ

ーション 道徳の内容―約束やきまりを守り、みんなが使うものを大切にする af:知らない人に自分や友達の住所や名前を教える 情報機器の種類-なし 情報機器活用の目的-なし 道徳の内容―なし? dh:パスワ-ドを使わない、容易で誰でも分かってしまうようなパスワードを設定してしま

いネットトラブルの被害にあう 情報機器の種類-ネット機器一般 情報機器活用の目的-情報発信

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道徳の内容―なし? ac:悪口など言葉遣いに注意せず,優しい言葉や丁寧な言葉を使えない 情報機器の種類-ネット機器一般 情報機器活用の目的-情報発信 道徳の内容―礼儀の大切さを知り、だれに対しても真心を持って接する

dh:掲示板にニックネームではなく自分の名前でコメントする 情報機器の種類-ネット機器一般 情報機器活用の目的-情報発信、コミュニケーション 道徳の内容―なし? dh:身近な大人と一緒に使わず一人でインターネットにアクセスしてしまう 情報機器の種類-ネット機器一般 情報機器活用の目的-情報収集、情報発信、コミュニケ

ーション 道徳の内容―よいことと悪いことを区別し、よいと思うことを進んで行う bc:芸能人の写真を許可なく YouTube にあげる 情報機器の種類-ネット機器一般 情報機器活用の目的-情報発信 道徳の内容―よいことと悪いことを区別し、よいと思うことを進んで行う ac:小学校の裏サイトで嫌いなクラスメイトの悪口を書く 情報機器の種類-ネット機器一般 情報発信、コミュニケーション 道徳の内容―よいことと悪いことを区別し、よいと思うことを進んで行う abc:有名人の画像をインターネットのスレにのせる 情報機器の種類-ネット機器一般 情報機器活用の目的-情報発信 道徳の内容―よいことと悪いことを区別し、よいと思うことを進んで行う

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a 発信する情報や情報社会での行動に責任を持つ。 2012.03.13 当時 15 歳少年が「品川行きのバスをジャックする」とツイッターに書き込

み書類送検 「あす、午前 9 時 36 分品川行きのバスをジャックする。みんなみんな殺して肉の塊にして

やる」などと投稿。 その後、バス会社の業務を妨害した疑いで書類送検。「反響の大きな書き込みをしてフォロ

ワー(読者)を増やしたかった」 情報機器の種類:スマートフォン、パソコン 情報機器活用の目的:情報発信 道徳の内容:公徳心をもって法やきまりを守り、自他の権利を大切にし、進んで義務を果た

す。 b 情報に関する自分や他者の権利を尊重する。 2005 年 8 月 岡山県内の中学生が、徳島県内の男性の対戦型オンラインゲームの ID とパスワードを不

正に使用し、書類送検された。 情報機器の種類:パソコン 情報機器活用の目的:情報収集 道徳の内容:公徳心をもって法やきまりを守り、自他の権利を大切にし、進んで義務を果た

す。 公徳心及び社会連帯の自覚を高め、よりよい社会の実現に努める。 c 情報社会でのルール・マナーを遵守できる。 2014.01.10 無職少女(16) が自身の性器画像を投稿して書類送検 自ら撮影した自身の女性器が写った画像を 10 回ほどツイッターに投稿し、児童買春・ポル

ノ禁止法違反(児童ポルノ公然陳列)とわいせつ電磁的記録媒体陳列の疑いで書類送検。「好

奇心があった」。 情報機器の種類:スマートフォン 情報機器活用の目的:情報発信 道徳の内容:望ましい生活習慣を身に付け、心身の健康の増進を図り、節度を守り節制に心

掛け調和のある生活をする。 d 情報社会の危険から身を守るとともに、不適切 な情報に対応できる。

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事例 2013 年 6 月 小学生が親のクレジットカードを無断で使い、インターネットでオンラインゲームのゲー

ム通貨を購入し、親にクレジットカード会社から約 30 万円という高額な請求書が届きまし

た。 情報機器の種類:スマートフォン、パソコン、ネットに繋がるゲーム機等 情報機器活用の目的:娯楽 道徳の内容:約束や社会のきまりを守り、公徳心をもつ。 父母、祖父母を敬愛し、家族みんなで協力し合って楽しい家庭をつくる。 e 情報を正しく安全に利用することに努める。 事例~インターネットのチャット 2000 年 4 月 岡山県内の女子中学生が、インターネットのチャットで知り合った県外の大学生と岡山県

内のホテルで会い、裸の写真をデジタルカメラで撮影され、HP にその写真を掲載されまし

た。 情報機器の種類:携帯電話・スマートフォン等 情報機器活用の目的:コミュニケーション 道徳の内容:生命の尊さを理解し、かけがえのない自他の生命を尊重する。 公徳心及び社会連帯の自覚を高め、よりよい社会の実現に努める。 望ましい生活習慣を身に付け、心身の健康の増進を図り、節度を守り節制に心掛け調和のあ

る生活をする。 f 安全や健康を害するような行動を抑制できる。 事例 2013 年 中学校二年生の男子生徒が、SNS で知り合った県内の別の中学校の女子生徒から裸の画像

を送られ、求められるままに自分の裸の画像を送ったところ、実は、相手は同じクラスの男

子生徒であり、そのことが発端でいじめに発展しました。 情報機器の種類:携帯電話・スマートフォン等 情報機器活用の目的:コミュニケーション 道徳の内容:温かい人間愛の精神を深め、他の人々に対し思いやりの心を持つ。 友情の尊さを理解して心から信頼できる友達をもち、互いに励まし合い、高め合う。 自律の精神を重んじ、自主的に考え、誠実に実行してその結果に責任をもつ。 g 生活の中で必要となる情報セキュリティの基本を知る。

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8 月 27 日の福岡県の男性 D の PC 遠隔操作事件より後、9 月 10 日の三重県の男性 E の PC遠隔操作事件より前の事件である。 8 月 29 日(水)20 時 21 分 - 2 ちゃんねるに東京ビッグサイトで 9 月 2 日行われる AKB48の握手会で AKB メンバーの殺害予告の書き込み(当初はメディア非公開)。なお書き込み

には「はだしのゲンの勝子みたいになれ」の文言など、AKB48 メンバーにネガティブな表

現が書かれていた。 真犯人は犯行声明において、8 月 29 日の AKB48 握手会事件は男性 D の PC を遠隔操作し

たと主張しているが、実際には神奈川県内の IP アドレスが残されており、神奈川県の男性

F の PC をウイルス感染させて遠隔操作した可能性があると報道されている。 男性 F は 2013 年 6 月の時点で専門学校生と報じられている。 情報機器の種類:ネット機器全般 情報機器活用の目的: 情報発信 道徳の内容:自律の精神を重んじ、自主的に考え、誠実に実行してその結果に責任をもつ。 法やきまりの意義を理解し、遵守するとともに、自他の権利を重んじ義務を確実に果たして、

社会の秩序と規律を高めるように努める。 公徳心及び社会連帯の自覚を高め、よりよい社会の実現に努める。 h 情報セキュリティの確保のために、対策・対応がとれる。 東京都男性 A の PC 遠隔操作事件 被害者:東京都に住む 19 歳の男子大学生 6 月 29 日(金)15 時 17 分頃 - 横浜市ウェブサイトへ「鬼殺銃蔵」を名乗って横浜市の某

小学校で無差別殺人を行う予告を投稿。附属池田小事件を想起させるような内容であった。

この犯罪予告をうけて翌 6 月 30 日に予定されていた授業参観は中止となった。 情報機器の種類:ネット機器全般 情報機器活用の目的:情報発信 道徳の内容:自律の精神を重んじ、自主的に考え、誠実に実行してその結果に責任をもつ。 法やきまりの意義を理解し、遵守するとともに、自他の権利を重んじ義務を確実に果たして、

社会の秩序と規律を高めるように努める。 公徳心及び社会連帯の自覚を高め、よりよい社会の実現に努める。 i 情報社会の一員として、公共的な意識を持つ。 2013.09.10 高校 1 年男子生徒(16) 「博多駅でサリンをまきます」高 1 男子を書類送検 「明日の午前10時に博多駅でサリンをまきます」と投稿し、JR 九州や JR 西日本の職員

らに不審物の捜索などをさせ、威力業務妨害容疑で書類送検。「いたずら目的だった。こん

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な騒ぎになるとは思わなかった」。 情報機器の種類:携帯電話・スマートフォン 情報機器活用の目的:情報発信 道徳の内容:法やきまりの意義を理解し、遵守するとともに、自他の権利を重んじ義務を確

実に果たして、社会の秩序と規律を高めるように努める。 公徳心及び社会連帯の自覚を高め、よりよい社会の実現に努 める。 それぞれの個性や立場を尊重し、いろいろなものの見方や考え方があることを理解して、寛

容の心をもち謙虚に他に学ぶ。

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a. 発信する情報や情報社会での行動に責任を持つ / 情報社会への参画において、責任ある態度で

挑み、義務を果たす ・LINE や Twitter 等で誹謗中傷を言わない

→ネット機器一般、情報収集・情報発信・コミュニケーション、 小学校:4(2) だれに対しても差別をすることや偏見をもつことなく公正、公平にし、正義の実現に努める。

中学校:4(3) 正義を重んじ、だれに対しても公正、公平にし、差別や偏見のない社会の実現に努める。

2 (5) それぞれの個性や立場を尊重し、いろいろなものの見方や考え方があることを理解して、寛容の心をもち謙

虚に他に学ぶ

・ネット上に殺人予告などの書き込みをしない →ネット機器一般、情報発信

中学校:1(3) 自律の精神を重んじ、自主的に考え、誠実に実行してその結果に責任をもつ。

・最近ではあまりないが、チェーンメールを容易に回さない →携帯等特有、情報発信

小学校:1(3) よいことと悪いことの区別をし、よいと思うことを進んで行う。

中学校:13) 自律の精神を重んじ、自主的に考え、誠実に実行してその結果に責任をもつ。

・虚偽の内容をネット上に書き込まない →ネット機器一般、情報発信

中学校:13) 自律の精神を重んじ、自主的に考え、誠実に実行してその結果に責任をもつ。

・特に文字のみのやり取りの際は、発信者の意図が分かりづらいため気を付ける →ネット機器一般、コミュニケーション

小学校:1(3) 身近な集団に進んで参加し、自分の役割を自覚し、協力して主体的に責任を果たす。

誹謗中傷を言えばネット上では何万との人へと広がってしまい、収拾がつかなくなる。文字だ

けでのやり取りであると、誤解を招きやすい。また、虚偽の内容や殺人予告などの書き込みをする

ことで、見た人が不快になるだけでなくあらぬ行動を左右することがある。匿名と言えども、犯罪

となることもある。 b. 情報に関する自分や他者の権利を尊重する / 情報に関する自分や他者の権利を理解し、尊重す

る ・著作権や知的財産権を尊重する…例)YouTube 等での動画の取り扱い

→小学校4:(1) 約束や社会のきまりを守り、公徳心をもつ。 (1) 公徳心をもって法やきまりを守り、自他の権利を大切にし

進んで義務を果たす。

中学校4: (1) 法やきまりの意義を理解し、遵守するとともに、自他の権利を重んじ義務を確実に果たして、社会の秩序

と規律を高めるよう務める。

・個人の権利(人格権、肖像権など)を尊重する…例)写メを Twitter 等で勝手に流さない →ネット機器一般、情報発信

中学校:13) 自律の精神を重んじ、自主的に考え、誠実に実行してその結果に責任をもつ。

4(1) 公徳心をもって法やきまりを守り、自他の権利を大切にし進んで義務を果たす。

・情報の提供に対して、感謝や助け合いの気持ちを持つ…知恵袋等の利用に際して

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→ネット機器一般、情報発信・情報収集

小学校:4(2) 働くことのよさを感じて、みんなのために働く。

(2) 働くことの大切さを知り、進んでみんなのために働く。

中学校:4 (4) 働くことの意義を理解し、社会に奉仕する喜びを知って公共のために役立つことをする。

(5) 勤労の貴さや意義を理解し、奉仕の精神をもって、公共の福祉と社会の発展に努める。

友だちと撮ったプリクラや写メを勝手にネット上に流すことは、個人情報を提供することになり

危険である。また、著作権や知的財産権を尊重しなければ法に触れる。 c. 情報社会でのルールを遵守出来る / 社会は互いにルール・法律を守ることによって成り立って

いることを知る / 情報に関する法律の内容を理解し、遵守する ・ワンクリック詐欺 / 出会い系サイト等に近寄らない ・薬物や毒物の等の売買を扱うサイトに関わらない ・悪徳商法の知識を得て気を付ける…例)ワンクリック詐欺・サクラ商法 ・悪質メールに注意する…例)宝くじ当選など ・はい、YES などのボタンを容易に押さない ・子どもだけで売買をしない ・ソフトウェアや情報サービス、アプリなどの契約の意味を知り、遵守する

→ネット機器一般、情報収集

小学校:1(3) よいことと悪いことの区別をし、よいと思うことを進んで行う。

中学校:13) 自律の精神を重んじ、自主的に考え、誠実に実行してその結果に責任をもつ まず、ネットに対してあまり知識のない子どもに注意を呼びかける。YES のボタンを押しただけ

で、不正な請求の画面や出会い系サイトにつながったりすることもある。興味本位で関わってしま

うと、犯罪に巻き込まれることがある。 d. 情報社会の危険から身を守るとともに、不適切な情報に対応できる / 危険を予測し被害を予防

するとともに、安全に活用する ・見知らぬ人からのメール、LINE、おかしなメッセージを受け取った場合は大人に知らせる ・出会い系サイト、詐欺、サクラなどに関わらない ・ネットで知り合った人に子どもだけで会いにいかない ・ネットワーク上の相手は、必ずしも現実の姿と同一でないことを頭に入れておく →ネット機器一般、情報収集・コミュニケーション

…例)中学生の女の子とあったが、実際は 30 代の男性

小学校:1(3) よいことと悪いことの区別をし、よいと思うことを進んで行う。

中学校:13) 自律の精神を重んじ、自主的に考え、誠実に実行してその結果に責任をもつ。

・オークションなどネット上での売買の問題点を知り、対応力を付ける ・匿名性の利点と危険性を理解する ・情報の中には虚偽のものもあることを知る ・学校で情報モラルに関する講演会を開く

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→ネット機器一般、情報収集・コミュニケーション

小学校:1(5) 真理を大切にし、進んで新しいものを求め、工夫して生活をよりよくする。

中学校:1(4) 真理を愛し、真実を求め、理想の実現を目指して自己の人生を切り開いていく

4(1) 法やきまりの意義を理解し、遵守するとともに、自他の権利を重んじ義務を確実に果たして、社会の秩序と規

律を高めるように努める。

子どもだけでネットを利用することで、悪質サイトに行きつく可能性が増す。発信者が芸能人な

どに成りすましていることもある。匿名を利用したプロフィールの詐称をしているかもと疑わずあ

ってしまうと、誘拐事件につながるかもしれない。見知らぬ人から、又おかしな内容の文面が送ら

れてきて、返信してしまうと犯罪に巻き込まれるかもしれない。 e. 情報を正しく安全に利用することに努める / 情報を正しく安全に活用するための知識や技術を

身に着ける ・知らない人に LINE のアカウントや携帯番号など連絡先を教えない ・個人情報を Twitter 等で漏らさないようにする ・パスワードの設定で同じものを何度も使わない →携帯電話等、コミュニケーション

小学校:1(3) 自由を大切にし、自律的で責任のある行動をする

中学校:13) 自律の精神を重んじ、自主的に考え、誠実に実行してその結果に責任をもつ。

・ネットの情報だけをすべてとせず、別の方法をもって確かめる…例)本 ・情報の中には虚偽のものがあることを頭に入れておく →ネット機器一般、情報収集

小学校:1(5) 真理を大切にし、進んで新しいものを求め、工夫して生活をよりよくする。

中学校:1(4) 真理を愛し、真実を求め、理想の実現を目指して自己の人生を切り開いていく

知らない人に連絡先を教えてしまうと、業者からの連絡が急激に増えたり、悪用されることがあ

る。他の個人情報を漏らしても同様である。また情報を完全に信頼していては、誤った判断をしか

ねないので、ほかの方法で確かめるべきである。そしてやりがちなのがパスワードを同じものにし

てしまうことだ。1 つ 1 つ変えることは非常に面倒であるが、身を守るには必要なことである。 f. 安全や健康を害するような行動を抑制できる / 自他の安全や健康を害するような行動を抑制で

きる ・1 日に何時間もパソコンやケータイに触れない ・利用時間を決める ・人にしつこく連絡をしたり、連絡を催促したりしない

→ネット機器一般、情報収集・情報発信・コミュニケーション

小学校:1(1) 自分でできることは自分でやり、よく考えて行動し、節度のある行動をする。

(1) 生活習慣の大切さを知り、自分の生活を見直し、節度を守り節制に心掛ける。

2(1) 時と場をわきまえて、礼儀正しく真心をもって接する

中学校:1(1) 望ましい生活習慣を身に付け、心身の健康の増進を図り、節度を守り節制に心がけ調和のある生活をする。

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2(1) 礼儀の意義を理解し、時と場に応じた適切な言動をとる。

1日に何時間もメディアに触れていると、目をはじめ疲労が溜まってしまう。また、家庭であれ

ば、家族と触れ合う時間・学習時間の減少につながる。そのことによって、学校生活・日常生活が

うまくいかなくなることもある。もう1つメディアを利用した連絡についてであるが、もし自分あ

てに1時間の間に何百もの連絡(メール、LINE 等)が来ていたらどう思うか。少し返事をしていなか

っただけで、催促の連絡が何度も来ていたらどう思うか。勿論いい気分はしない。連絡をされた側

は精神的ストレスを抱えることとなってしまう。

g. 生活の中で必要となる情報セキリュティの基本を知る / 情報セキュリティに関する基礎的・基

本的な知識を身に着ける ・パスワードを人に教えない

・自分の使った端末をそのまま放置しない

・携帯電話であれば、指紋認証や顔認証も活用する →ネット機器一般、情報収集・情報発信・コミュニケーション

小学校:1(3) よいことと悪いことの区別をし、よいと思うことを進んで行う。

中学校:1(3) 自律の精神を重んじ、自主的に考え、誠実に実行してその結果に責任をもつ。

・個人情報が漏れてから悪用されるまでの流れを知る →ネット機器一般、情報収集・情報発信・コミュニケーション

小学校:1(5) 真理を大切にし、進んで新しいものを求め、工夫して生活をよりよくする。

中学校:1(4) 真理を愛し、真実を求め、理想の実現を目指して自己の人生を切り開いていく

自分の使った携帯電話を売る人もいるが、危険な行為である。携帯電話本体の情報を消したと思

っていても、消えていなかったり復元される場合もあるので気を付けなければならない。最近では

パスワードによる認証だけでなく、顔や指紋などによる認証も可能となっている。

h. 情報セキュリティの確保のために対策・対応が取れる ・自分の端末を人に貸さない

・ダウンロードには危険なものがあることを知る…例)ウイルスをもつもの

・ウイルスに対し、事前に対応をしておく →ネット機器一般、情報収集・情報発信・コミュニケーション

小学校:1(1) 自分でできることは自分でやり、よく考えて行動し、節度のある行動をする。

(3) 自由を大切にし、自律的で責任のある行動をする

(5) 真理を大切にし、進んで新しいものを求め、工夫して生活をよりよくする。

中学校:13) 自律の精神を重んじ、自主的に考え、誠実に実行してその結果に責任をもつ。

g.とほぼ同じことであるが、携帯端末にはパソコンよりも多くの個人情報が入っている。人に貸

すことで漏えいの可能性が高まることは知っておかなくてはならない。また、ウイルスに関しても

ある程度は指導しておくことが大切であろう。

i. 情報社会の一員として、公共的な意識を持つ / 情報社会の一員として、公共的な意識を持ち、

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適切な判断や行動が出来る ・ネット上の迷惑行為を見過ごさず、通報ボタンなどをおす

・ネット上のコミュニティに適切に参加する…ルールを守る →情報収集・情報発信・コミュニケーション

小学校:1(3) よいことと悪いことの区別をし、よいと思うことを進んで行う。

(3) 正しいと判断したことは、勇気をもって行う

4(1) 約束や社会のきまりを守り、公徳心をもつ。 (1) 公徳心をもって法やきまりを守り、自他の権利を大切にし

進んで義務を果たす。

中学校:4(1) 法やきまりの意義を理解し、遵守するとともに、自他の権利を重んじ義務を確実に果たして、社会の秩序と規

律を高めるように努める。

(2) 公徳心及び社会連帯の自覚を高め、よりよい社会の実現に努める。

・みんなに役立つ情報を積極的に提供し、共有する…知恵袋等 →情報発信・コミュニケーション

小学校:4(4) 働くことの意義を理解し、社会に奉仕する喜びを知って公共のために役立つことをする。

中学校:4(5) 勤労の貴さや意義を理解し、奉仕の精神をもって、公共の福祉と社会の発展に努める。

ネットというものが、私的なものではなく公共のものであるということを認識し、ルールを守っ

て関わっていくことが求められる。