リモートセンシングによる植生マッピング日本生態学会誌64:233 -242 (2014)...

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リモートセンシングによる植生マッピング 誌名 誌名 日本生態學會誌 ISSN ISSN 00215007 巻/号 巻/号 643 掲載ページ 掲載ページ p. 233-242 発行年月 発行年月 2014年11月 農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター Tsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research Council Secretariat

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Page 1: リモートセンシングによる植生マッピング日本生態学会誌64:233 -242 (2014) 特集植生のリモートセンシング リモートセンシングによる植生マッピング

リモートセンシングによる植生マッピング

誌名誌名 日本生態學會誌

ISSNISSN 00215007

巻/号巻/号 643

掲載ページ掲載ページ p. 233-242

発行年月発行年月 2014年11月

農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センターTsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research CouncilSecretariat

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日本生態学会誌64:233 -242 (2014)

特集 植生のリモートセンシング

リモートセンシングによる植生マッピング

村 上拓彦1・望月期太2

1新潟大学農学部

2新潟大学大学院自然科学研究科

Vegetation mapping using remotely sensed imagery

Takuhiko Murakami 1 and Shota Mochizuki2

1Faculty of Agriculture, Niigata University,

2Graduate School of Science and Technology, Niigata University

要旨:リモートセンシングによる植生マッピングについて、リモセンデータの選択、ピクセjレベースとオフゃジ、ェクトベ

ース、新しい画像分類手法の順番で論じた。リモセンデータとして、地球観測衛星、航空機搭載型センサ、 UAVに言

及した。地球観測衛星は空間分解能別に各種衛星・センサを紹介した。画像分類の最小単位としてピクセルベース、オ

ブ?ジェクトベースにふれた。高分解能衛星データの登場後、オブジェクトベースでの植生マッピングの機会が多くなっ

ている。新しい画像分類手法として機械学習に着目し、人工ニューラルネットワーク、決定木、サポート・ベクタ・マ

シン、集団学習について解説した。その他、ハイパースペクトル、多時期デー夕、スベクトル情報以外の情報を用いた

植生マッピングについても事例を紹介した。今後はリモートセンシングの単なる可能性を示すだけでなく、植生に関連

する主題図という高次プロダクトを確実に提供できる体制を整える必要もある。

キーワード.オフゃジ、エクトベース、機械学習、集団学習、地球観測衛星、ハイパースベクトル

Keywords: object base, machine learning, ensemble learning, earth observation satellite, hyperspectral

はじめに

リモートセンシング(以下、リモセン)の主要な活用

方法のひとつはマッピング(地図化)である。土地被覆

毎の分光反射特性に基づき、様々な画像分類手法を適用

し、画像のカテゴリ化(分類)を行う。植生マッピング

では、幅広いスケールのリモセンデータが活用されてい

る(Xieet al. 2008)。リモセンデータを利用する目的は多

様であり、生態系管理のための詳細スケールの植生図作

成もあれば、全球スケールの純一次生産量推定のための

マッピングなどもある。また、温室効果ガス排出量削減

や吸収量増強への対処の中でREDD+が注目されている

が、その中でもリモセンによる森林の炭素蓄積量のモニ

タリングが重要な要素とされている(Achardet al. 2010)。

2013年11月29日受付、 2014年3月3日受理

'e-mail: muratac@agr.凶 gata-u.ac.jp

233

景観生態学の生みの親ともいわれている Trollは、空中

写真がもたらす景観単位の総合的な見方に魅了されたと

伝えられている(Schreiber1990)が、植生の分布状況を

リモセンデータで把握しようとする要求は常に存在する。

狭義のリモセンは「宇宙からの地球観測」を意味するが、

今や地球観測衛星は、その数を正確に把握することが難

しいほど多数存在する。空中写真もデジタルセンサによ

って、近赤外域までをも含めた高精細な地上の画像が撮

影できるようになった。また、小型の無人飛行機(UAV)

による近接リモセンデータも普及しつつある。そのため、

一口にリモセンといっても、プラットフォームとセンサ

が多様になり、「宇宙からの地球観測」だけでは表しきれ

ないものとなっているが、上空から撮影された地表の姿

への関心は衰えることがない。

今からおよそ 20年前の 1990年代は、リモセンデータ

の種類は数種類に限られていたが、高分解能衛星データ

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村上拓彦 ・望月期太

どのタイプの画像を使ラか?

人工衛星 航空機搭載セコザ UAV

分類の最小単位は?

ピクセルペース オブ三J工クトペース

分類手法に何を選ぶか?

従来手法 新しい手法

図l 植生マッピングのアウトライン。

が登場し、それと同時に新しい画像分類法が取り入れら

れ、Landsatデータの無料配布や GoogleEarthの査場など

衝撃的な出来事も起きている。特に、 GoogleEarthによ っ

て、リモセンデータの取 り扱いに詳しくないユーザにも

気軽に画像を閲覧する機会が提供された。生態学研究者

にとっても対象地を画像でとらえることがきわめて容易

になった。今後ますます生態学分野においてリモセン技

術の敷居は低くなるであろう。

これまでにも植生 リモセンを 含む多数の総説

(Rosenqvist et al. 2003 ; Govender et al. 2007 ; Shoshany

2000; Xie et al. 2008 , Adam et al. 2010)が存在する。本稿

はそれらを参考にしつつ、囲内の事例も振り返り、 リモ

センによる植生マッピングの手順について紹介する。

植生マッピングのアウトライン

リモセンデー タを用いた植生マッピングのアウ トライ

ンを図 lに示す。まず、どのような種類の画像を使うか

選択し、次に画像分類の最小単位を決める。そして、そ

の最小単位をどのような手法で分類するかを決める。本

論ではこの三段階に沿って植生マッピングについて紹介

する。その他のアプローチとしてハイパースペクトル、

多時期データの使用、スペク トル情報以外の情報を用い

た植生マッピングについても紹介する。なお、ここでは

前処理についての説明は省略している。また、画像分類

手法には頼らず、 リモセンデータを背景図として手作業

で植生パッチの境界線を入力するという基礎的な利用法

234

も存在するが、ここでは取り上げない。リモセ ンデータ

と画像分類を特徴付ける諸国子について表 lにまとめた。

リモセンデータの選択

地球観測衛星の数は非常に多く、空間分解能でカテゴ

リ分けされることが多い。ここでも低分解能、中分解能、

高分解能で分け、光学センサに絞って紹介する。また、

航空機搭載センサ、 UAVについても招介する。

低分解能の地球観測衛星センサ/データの代表格は

NOAA/AVHRR (1000 m)、MODIS(250 m、500m)で、

全球を毎日観測している。空間分解能は高くないが観視lj

幅が AVHRRでおよそ 3000km、MODISでおよそ 2300

kmであり、広域観測が可能である。MODISは地球観測

衛星 TerraとAquaに搭載され、毎日午前中に Terra、午後

にAquaが観測する体制になっている。これらのデータは

様々な研究で活用されているが、植生のフェノロジー解

析にも使用されている (例えば、 Zhanget al. 2003 ,

Sakamoto巴tal. 2005)。 これらのデータの受信は自由であ

り、日本国内でも複数の機関が受信し、そのデータを無

料で公開している。SPOT/VEGETATIONも時系列データ

の処理で多数の研究成果 (例えば、 Guyonet al. 2011 ;

Kaptue Tchuente et al. 2011)が報告されている。

中分解能衛星データの空間分解能は概ね lO~数 10111

である。アメリカの Landsatシリーズやフランスの SPOT

シリーズが有名である。Landsatシリーズは 1972年から

続いており、 40年以上の歴史を持つ。Landsat?号が 1999

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リモセンによる植生マッピング

表 I. リモセンデータと画像分類を特徴付ける諸因子。

プラットフォーム 人工衛星,航空機, UAV

空間分解能

時間分解能

観測方向

高分解能,中分解能,低分解能

毎日,数日数週間,数ヶ月

ラジオメトリック分解能

波長分解能

直下視,斜方視(ポインテイング機能)

8ピット, 16ビット

画像分類の最小単位

画像分類手法

パンクロマチック,マルチスペクトル,ハイパースペクトル

ピクセル,オブジェクト

最尤法, ISODATA法, ANN,決定木, SVM,集団学習,その他

年に打ち上げられてからしばらく打ち上げが行われてい

なかったが、 Landsat8号が2013年2月に打ち上げられ、

現在順調に運用されている。なお、この間、一且中止さ

れていた Landsat5号の観測データ受信が再開されたのは

特筆すべきことである。 Landsat5号は設計寿命を大幅に

超え、 25年以上運用された。 Landsat8号の画像はアメリ

カ地質調査所(USGS)のサイトにて無料で公開されてい

るので誰でも自由に入手できる。その他、中分解能デー

タにはタイの THEOS(マルチスベクトル 15m)なども

ある。日本の ALOSも中分解能衛星データである。 ALOS

は2006年 1月に打ち上げられ、世界中に多数の画像を提

供したが、 2011年5月に運用終了となっている。 ALOS

にはマルチベクトルセンサ AVNIR-2(10 m)、パンクロマ

チックセンサ PRISM(2.5 m)、合成開口レーダPALSAR

が搭載されていた。日本が関わっている光学センサとし

てASTERもある。 ASTERは可視域、近赤外域、短波長

赤外域、熱赤外域を観測するセンサである(Yamaguchiet

al. 1998)。 ASTERは後方視によるステレオ観測が特徴的

であるが、それを用いた全球の数値標高モデルASTER-

GDEM (立Jll2009)が提供されている。

高分解能衛星データは 1999年に打ち上げられたIKONOS

から始まる。その後、Quic回凶(2001年)、恥rldView・1(2007

年)、 GeoEye-1 (2008年)、 WorldView-2(2009年)と続い

ている。高分解能衛星データの長所はその空間分解能の高

さにある。波長分解能は可視域から近赤外域の4バンドが

通常であるが、 WorldView-2は可視域から近赤外域に 8ノf

ンドを設けた独特の構成となっている。高分解能衛星デ

ータの観測幅は 11~ 17kmとなっており、広域性には限

界がある。空間分解能はマルチで2~ 4m、パンクロマチ

ックで0.5~ lmである。

人工衛星搭載センサについて空間分解能で整理したが、

観測頻度についても言及しておく。一般的に空間分解能

と観測頻度にはトレードオフの関係がある。つまり、空

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間分解能が高くなるほど観測頻度は低くなる。前述のと

おり、観測頻度が最も高いのが低分解能データである。

中分解能、高分解能データでは観測頻度が低くなるが、

これを補うのが斜方視観測(ポインテイング機能)である。

斜め方向に観測することによって、任意の地点の観測頻

度の向上を達成している。 SPOT、ALOSや高分解能衛星

データにはポインテイング機能が備わっている。ただし、

斜方視観測と直下視観測は同時に実行できないため、あ

る地点を重点的に観測することによって他の地点の観測

が犠牲になることを理解しておく必要がある。植生リモ

ートセンシングにおいて観測頻度は重要な問題である。

例えば、フェノロジーに伴う分光反射特性の季節変動を

把握したいのであれば、観測頻度が高いデータを選択す

べきであるが、空間分解能の高いデータでそれを達成す

るのは非常に難しいことを認識しておく必要がある。

従来、写真機によって撮影されたアナログの空中写真

が画像分類に供されることはほとんどなかった。これは

近赤外域を含むマルチスベクトルバンドでなかったのが

主たる原因である。しかし、航空機搭載型のデジタルセ

ンサが登場してから、航空機からマルチスペクトル情報が

普通に得られるようになった。代表的なカメラとしては

UltraCamD (橘 2005b)、 UltraCamX、DMC(村木 2005)、

DMC-IIがある。また、ラインセンサとして ADS-40(橘

2005a)もある。これらのセンサによって高分解能衛星デ

ータ以上に詳細なリモセンデータを得ることが可能にな

った。また、ピクセルの階調精度(ラジオメトリック分

解能と呼ばれる)が 16ピット(実質的には 12ピット)

なので、植生聞の微妙な反射特性の違いを検出するにも

有利である。

UAVとは無人飛行機(UnmannedAerial Vehicle)を意味

し、近年、これを用いた植生マッピングも報告されてい

る(Knothet al. 2013)。 UAVの魅力はその手軽さと解像

度の高さであるが、機体の価格はそれほど安価ではない

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村上拓彦 ・望月期太

図2 画像分類の最小単位の違い。図中の矢印は最小単位を指し示す。(a)ピクセルベース (b)オフ’ジ、エ

クトベース。

ので研究室で容易に購入できるわけではない。しかし、

航空機の手配などに比べると圧倒的に手軽な空撮手段で

ある。専用のオルソ処理ソフトも充実しつつあり 、その

後の処理もセットにした撮影が業者に依頼可能である。

UAVに搭載するカメラは市販のデジカメであることが多

いが、近赤外域を観測できるカメラを搭載する場合もあ

る。ステレオペアでの撮影が基本であるので、数値表面

モデル(DSM)を得られる。ちなみに、 DSMは森林では

林冠形状を表現するのに役立つ。植生マッピングにおけ

るUAVの活用事例は今後増えていくであろう。

ピクセルベースとオブジェク トベース

画像分類とはリモセンデータを何らかのルールに基づ

いて特定のカテゴリに割り当てることである。現在、画

像分類はピクセルベースとオブジェクトベースに大別さ

れる。これは分類の最小単位がピクセルなのかピクセル

の集合体(オブジェク ト)なのかという観点で分けたも

のである。図2はピクセルベースとオブジェクトベース

を説明した図である。ピクセルベースは文字通り個々の

ピクセルが分類の最小単位で、あるが、オブジェクトベー

スでは同質空間とみなせるピクセルの集合体を事前に準

備し、それを画像分類の単位とする。

高分解能衛星データである IKONOSが登場したのが

1999年であるが、 2000年代から現在にかけて数多くのオ

ブジェク トベース画像分類の事例が報告されている

(Blaschke 2010)。従来、画像分類はピクセルベースしか

存在しなかった。オブジェクトベースが一般化したのは

それを実現する商用ソフ ト (eCognitionシリ ーズ)の登

場が大きい。現在ではセグメンテーショ ンを実現するフ

236

リーソフトも登場している (QGISのOrfeoToolboxやそ

こからパッ ケージ化された Monteverdiなど)。ここではピ

クセルベース画像分類、オブジェク トベース画像分類に

ついて招介する。

ピクセルベース画像分類

ピクセルベース画像分類は従来型の手法であるが、教

師なし分類、教師付き分類の順に紹介する。ここでいう

教師とは、画像分類の際に必要な訓練データ(トレーニ

ングデータ)と関連しており、解析者があらかじめ与え

る事前情報によって構成される訓練データの場合、教師

付きとなる。一方、事前情報がない場合は教師なしである。

教師なし分類には k-mean法と ISODATA j去が良く 知ら

れている手法であるが、双方とも反復試行の非階層的ク

ラスタリングが特徴である。教師なし分類では分類後に

クラス名称を与える必要がある。教師なし分類は解析者

が事前情報(クラス毎の訓練データ)を与える必要がなく、

いくつかのパラメータを指定すればコンピュータが自動

的に分類結果を出力する点が特徴である。しかし、コン

ピュータが行うのは指定されたクラス数を持った分類画

像までで、それぞれのク ラスが現実世界のどのクラスに

該当するのか、その割り当て作業は解析者が行う 必要が

ある。その意味では、全く事前情報なしに最終成果図を

得ることはできない。

教師付き分類として最も実績があるのが最尤法である。

新しい分類手法が検討される際も多くの場合、最尤法と

上じヰ交している (骨itlえは', Rogan et al. 2002 , Lindennan et al.

2004 , Boyd et al. 2006)。最尤法は、サンプルが正規分布

に従うことを前提としたパラメト リックな手法である。

サンプルデータの正規性を確保するためには十分なサン

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リモセンによる植生マッピング

プル数を確保することが肝要で、ある(Shahshahaniand

Landgrebe 1994)。さらにこの問題はバンド数が増えると

顕著になるため、例えばハイパースベクトルデータに最尤

法を適用する際にはサンプjレ数の確保がさらに重要となる。

オブジェクトベース画像分類

オブジェクトベース画像分類は分類の単位がピクセル

の集合体(オブジェクト)である。画像分類に先立ちオ

フ守ジェクトを生成するセグメンテーション(segmentation)

という作業が必要となる。セグメンテーションの良否は

その後の分類精度に大きく関わるので、重要な処理であ

る(村上ほか 2010)。ちなみに、オブジェクトベースの

アプローチは OBIAと称されることも多いが、これは

Object Based Image Analysisの省略である(Blaschke

2010)。植生分布図の作成などにおいても、オフ守ジ、ェクト

ベース画像分類への期待は大きい(Dorrenet al. 2003,伊

藤ほか2007; Kamagata et al. 2008)。

ピクセルベースとオブジェクトベース分類の比較は最

近でも報告されており、依然として関心の高いテーマで

あり、またいずれかが明らかに優れているというもので

もないため研究事例が積み上げられているとも解釈でき

る。植生、生態系関連に限ってみて、その比較事例を見

てみると、 Whitesideet al. (2011)はオーストラリア北部

のサバンナ地帯において ASTERデータのピクセルベー

ス、オブジェクトベースを比較している。その結果、オ

ブジェクトベースで、分類精度が有意に高かったことを報

告している。 Ouyang et al. (2011)は QuickBirdを用いて

塩性湿地生態系のマッピングを試み、ピクセルベース、

オフゃジ、ェクトベースを基本とした 11の分類モデルを比較

している。分類精度としては全体的にオブジェクトベー

スが優れていたが、外来種の小パッチ状の侵入にはむし

ろピクセルベースの方が有効かもしれないと考察してい

る。ピクセルベースではごま塩状(saltand pepper)の出

力図が全般的に精度の悪い結果としてとらえられている

が、対象によってはむしろオブジェクトベースによって

見逃すことになるかもしれない。興味深い試みとしては、

光学センサから外れるがLiDARデータの処理にオブジ、エ

クトベース画像分類を採用し、倒木を抽出しようとする

研究がBlanchardet al. (2011)によって報告されている。

新しい画像分類手法

ここからは新しい分類手法として注目されている機械

学習について紹介する。

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機械学習とは、人聞が自然に行っている学習能力と同

様の機能をコンピュータで実現するための技術である

(Mitchell 1997)。機械学習では、まずコンピュータが与え

られたデータを対象に、様々なアルゴリズムを用いて規

則性や法則性を学習する。その後、未知のデータを与え

たとき、学習の結果を元にして未知のデータを正しく分

類することを目的としている。機械学習は、様々な分野

で活躍が期待されている技術であり、多様な学習手法が

存在している。これらの手法はノンパラメトリックな手

法であり、データ構造に関する仮定を必要としない。こ

の20年間を振り返っても、より高精度な画像分類を目的

として機械学習に取り組んだ多くの研究事例が存在する。

ここでは人工ニューラルネットワーク、決定木、サポート・

ベクタ・マシン、集団学習について説明する。

人工ニューラルネットワーク(ANN)は、入出力デー

タ問のつながりを確立し、このつながりの重みを繰り返

し学習によって強化するように設計されたアルゴリズム

を用いる。これは人聞の学習プロセスを模倣するような

ものであり、繰り返し学習によって各入力シグナルへの

重みを調整する(Benedik回 onet al. 1990 ; Lek and Guegan

1999)。図 3(a)に示すように、入力層と出力層の聞に

隠れ層を設けるのが特徴である。植生マッピングに対す

るANNの活用例は、 2000年代後半から少なくなってき

ているが、現在、様々な分野においてニューラルネット

の見直しが起きている(例えば、画像認識や音声認識な

ど)。近年、ニューラjレネットから派生した DeepLearning

(深層学習: DeepNeural Network (DNN: Hinton et al. 2006)

とも呼ばれる)が注目されている。

決定木(DecisionTree)とはある母集団を下位の集団に

二分岐させ、その分岐を繰り返す手法である(Friedland

Brodley 1997)。決定木は、樹木モデルや CART法(Breiman

et al. 1984)とも呼ばれている。図 3(b)で分かるように、

母集団を順次分岐していく様子が樹木の枝の分岐のよう

である。変数には連続変数だけでなく名義変数も使用す

ることができる。決定木の利点は、選択された変数やそ

の闇値が明示され、モデルの解釈がしやすい点にある。

後述する RandomForestなどの集団学習は、この決定木が

ベースとなっている。

Support Vector Machine (SVM)は統計学的学習理論を

基礎としており、多次元特概空間において最適にクラス

を分離する超平面(hyperplane)を探索することを目的と

している(Mountrakiset al. 2011)。超平面は異なるクラス

の境界部分に分布する点(サポート・ベクタと称される)

によって規定される(図 3(c))。このアプローチ(特徴

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村上拓彦・望月淘太

(a) ANN

入力踊

(c) SVM

, , ,

sp.A ... ...

ノ’マージシ

隠れ層

』‘

出力層

超平面

(b)決定木

Band 4 < 95

IA J || sp. E

|| sp. B sp. C

(d)集団学習(RandomForest)

図3. 新しい画像分類手法の概要。(a)人工ニューラルネットワーク(b)決定木(c)サポート・ベクタ・マシン

(d)集団学習(RandomForest)。

空間におけるクラス聞の境界だけにしか注目しない方法)

は、異なるクラスの重心を基礎とした一般的な最近隣法

や最尤法などのアプローチとは根本的に異なる。 Boydet

al. (2006)はハピタットマッピングにおいて最尤法、決

定木、 SVMを比較し、いずれも高い分類精度を示したこ

とを提示しつつ、その中でも SVMの精度が最も高かった

ことを示している。

集団学習(EnsembleLearning)とは、弱い学習器を多

数組み合わせて精度を向上させようとする機械学習法で

ある(Opitzand Maclin 1999)。代表的な手法である

Random Forest (RF) (Breiman 2001)ではブートストラッ

プ・サンプリングによって多数の決定木(弱い学習器)

を生成し、多数決によって分類結果を得る(図 3(d))。

この他にも、Bagging(Breiman 1996))、Boosting(AdaBoost:

Freund and Schapire 1997)などがある。集団学習は比較的

最近の手法であるが、コンピュータの高速化が飛躍的に

進み、安価なコンピュータ環境でもその膨大な計算を実

現できるようになったことがその実現に大きく寄与して

いる。例えば、 Mochizukiand Murakami (2013)は樹種分

238

類において 3種の分類手法を適用し、 RFの利点について

考察した。

そのイ也のアプローチ

ハイパースペクトル

ハイパースベクトルは超多バンドを意味する。ハイパ

ースベクトルセンサとして、航空機搭載型センサ AVIRIS

(224バンド)、 HyMap(126バンド)、地球観測衛星 E0-1

に搭載された Hyperion(220バンド、空間分解能 30m)

が代表的なものである。ハイパースペクトルセンサによ

って対象が示す分光反射特性をより詳細に把握すること

が可能となる。ハイパースベクトルデータの膨大なデー

タ量やデータの冗長性に悩まされることもあるが、適切

に処理できればマルチスベクトルでは検出が困難な事象

を取り扱うことができる。

Underwood et al. (2003)は AVIRISデータを用いて侵入

種(アイスプラント、 jubatagrass)を抽出するため、 3つ

の手法を比較した。 Liet al. (2005)は Multiple

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リモセンによる植生マッピング

Endmember Spectral Mixture Analysis (MESMA) (Roberts

et al. 1998)を AVIRISデータに適用し、塩性湿地におけ

る複数の植生種の空間分布状況をマッピングした。これ

はひとつのピクセルを単一の種で表すのではなく、植被

率として表現したところに特徴がある。湿地のように植

生の分布状況が必ずしも明確な境界線を示さない箇所に

おいては端成分法(エンドメンバ一法)が有効にはたら

いた例である。 Plazaet al. (2009)は高次元データの取り

扱い法について議論し、スペクトルデータと空間データ

(具体的にはテクスチャ情報)の統合による分類手法を提

案している。被害検出という観点からは、 Liet al. (2012)

がカンキツグリーニング病の検出を目的として、航空機

ハイパースペクトルデータを用いた解析を行っている。

Hyperion関連では、 Thenkabail et al. (2004)が熱帯林

の植生分類における Hyperionの可能性を確認するために

マルチスベクトルセンサ(IKONOS、Landsat7/ETM+、

E0-1/ALI)と精度比較を行っており、 Hyperionの高い有

効性が確認されている。また、 Govenderet al. (2008)も

Hyperionとマルチスベクトルの精度比較を行っているo

Pengra巴tal. (2007)は北米の湿地生態系において侵入種

となっている Phragmitesaustralisのマッピングに

Hyperionを試している。 Somersand Asner (2013)は

MES MAを多時期ハイパースペクトルデータの組み合わ

せに適用し、熱帯林の樹種分類を行っている。この研究

では6時期のHyperionが使われているのが特徴的である。

多時期データ

リモセンデータの利点のひとつは繰り返し観測である

(岩男 2005)。特に、地球観測衛星は定期的に上空に戻っ

てくるため、特に観測要求をしなくても自然とデータが

蓄積される(ただし、雲の問題があるので利用可能なデ

ータの数はそれほど多くない)。例えば、 Landsatデータ

はアーカイブデータ(蓄積されたデータ)が豊富なので、

そのデータだけで 10~ 20年間の生態系モニタリング(例

えば、 Vogelmannet al. 2009 ; Yang et al. 2012)が可能であ

る。その他、多時期データを用いた画像分類(例えば、

Murakami et al. 2001; Sexton et al. 2013)はもちろんのこと、

フェノロジーに伴う分光反射特性の季節変動(例えば、

Gamon et al. 2013 ; Melaas et al. 2013)も多時期データで

把握することができる。 NOAA/AVHRRや MODISの 10

日間合成画像(10-days composite image)も、広域スケー

ルの植生解析におおいに役立つている(例えば、 Myneni

et al. 1997 ; Hmimina et al. 2013)。異なる時点のデータで

あってもデータを統合して、カラー合成画像を作成した

239

り、分類が行えたりするのはデジタルデータらしい解析

であるといえる。多時期データ解析は植生リモセン研究

で最も興味深いアプローチのひとつである。

スベクトル情報以外の情報を用いた植生マッピング

リモセンデータを用いた植生マッピングは基本的にス

ベクトル情報に基づく画像分類を基本とするが、分類を

有利に進めるため補助データが検討されるケースは多い。

なお、最尤法であれば特徴空間において多次元正規分布

を仮定しないといけないが、決定木、 SVM、RFなどはノ

ンパラメトリックな手法であるので、連続変数だけでな

く名義変数であっても補助データとして扱える利点を有

している(Sluiterand Pebesma 2010)。

棲井ほか(2009)は IKONOSを用いた林相区分をオブ

ジェクトベースで行った。スベクトル情報に加え、地形

情報(斜面方位、尾根からの距離、谷からの距離)を加

えた分類の方が有意に精度が良かったことを確認してい

る。 Sluiterand Pebesma (2010)もマルチスペクトルデー

タと補助データ(地質、土壌型、標高、傾斜角、斜面方位、

wetness指数)の組み合わせをいくつかの分類手法で系統

的に比較している。結果として SVM、RFで高い精度が

示された。 Sesnieet al. (2010)も SVM、RFで熱帯林の

分類を試みており、 Landsatデータに DEMを加えること

で両手法でそれぞれ20ポイントほどの精度向上を確認し

ている。 Whitesideet al. (2011)は ASTERデータに DEM

データを加えて若干の分類精度の向上を確認しているが、

その効果は限定的だ、った。

まとめ

本論ではリモセンデータを用いた植生マッピングに焦

点を当て、リモセンデータの選択、ピクセルベースとオ

ブジェクトベース、新しい画像分類手法の順で要点を紹

介した。また、ハイパースベクトルデー夕、多時期デー夕、

スペクトル情報以外の情報を用いた植生マッピングにつ

いても紹介した。現在、空間分解能、波長分解能、分類

手法など様々な組み合わせが可能となっており、植生マ

ッピングの目的に応じて最適な選択をする必要がある。

分類手法については、いずれかの手法が突出して優れて

いるというわけではないが、事例を参考にいくつかの手

法を試してみるのが良いであろう。また、生態系マッピ

ングには必ずしも境界線を明確に規定することが容易で

はないという不確実性も考慮しなければいけない場合が

ある(Rocchiniet al. 2013)。この不確実性を取り扱うには

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村上拓彦・望月期太

ファジ一分類やミクセル分解、端成分法(エンドメンバ

一法)が提案されているが、本論ではこれらの話題を十

分に紹介できなかったので、別途、関連研究あるいは教

科書(Jonesand Vaughan 2013)を参照していただきたい。

今後は、単なる可能性を示すだけでなく、具体的なプ

ロダクトを社会に提供することが望まれる。例えば、

ALOS/AVNIR-2データを用いた日本全体の高解像度土地

利用土地被覆図の作成(高橋ほか 2013)や環境省現存植

生図に関連するリモセンデータによる植生区分図(日置

2007)などがある。最新の手法やセンサの解析事例を積

み上げていくことはもちろん重要であるが、植生に関連

する主題図という高次プロダクトを確実に提供できる体

制を整える必要もある。リモセンの専門家と生態学研究

者との連携がさらに深化することを期待する。

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